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Editor's Notes
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お茶の水女子大学付属中学校の渡辺光輝と申します。
よろしくお願いします。
発表のテーマは中学校国語科における編集力を高める授業の開発です。
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本日の発表内容です。
次のような構成となっております。
まず編集力が必要とされる理由、編集を取り上げた先行実践、そして授業を開発するために編集者へインタビューを行ったり、編集力の構造を整理したもの。最後にそれらを基にした2つの授業実践となっております。
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まず、なぜ編集力が必要なのか.問題の所在についてお話をしたいと思います。
近年「編集」と言う言葉があらゆるところで耳にされるようになってきました。
もともとは新聞や雑誌を製作するという意味合いで編集という言葉は用いられてきました。
しかし最近ではそれに限らず、・・・・・・・などでも編集という言葉は用いられるようになってきております。
つまりサマザマナメディアで編集というものが活用され、注目をあびてきているという実態があるといえます。
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また2つ目の理由として、情報社会の対応という面があります。
情報社会では膨大な情報に日々接することになります。
それらの情報に埋没するのではなく情報を適切にまとめて発信していく編集部が必要となってきています。
つまり情報活用能力の1つとして編集力を位置づけたものです。
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ここで、編集について考えたいと思います。
編集とはどういうものなのでしょうか。
本の編集を例に挙げます。
本を作るためには作者がいます。そして読む人がいる。
その中間にいるのが編集者。つまり、読者と作者をつなぐはたらきをしている存在がいます。
これまでの国語教育においては、読者……作者……
しかし、メディアの創造にかかすことのできない編集者の存在については十分に学ばれてこなかったのではないかと考えているわけです。
これは、メディアを作り出す担い手としての、メディアリテラシーの一つとして編集力を位置づけたいと考えているわけです。
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しかし、このメディアは時代によって変化が見られます。
とくに近年とりあげられているメディアが多様化してきていると言うことが分かると思います。
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----- 会議メモ (15/02/07 07:39) -----
この先行実践の検討から、授業開発に向けて二つの方針をたてました。
一つは、メディアの多様化に対応できるように
二つ目は、学習活動で、
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----- 会議メモ (15/02/07 07:39) -----
授業の開発に向けて、
誤解があってはいけないんですが、編集をするスキルは持っていなくてもいいと。編集する人に的確な指示を出すのが編集者の仕事。
映画で言えば、映画監督のようなもの。本人は演技が上手でなくても、役者に指示はできる。カメラマンに言えばいい。それと同じ構造。
- ある雑誌の編集者にインタビューを行いました。その内容はとても興味深いものであったんですけれども、要点を申し上げますと編集者にとって1番大切なたいせつなものは世の中で何が求められているかとゆうものを真摯に考えそれに沿って取り上げたいコンテンツを考えということがやります。
例えば編集の作戦例として、幅広い不動尊に浅く広くコンテンツを届けていくポピラ路線の作戦や、狭い固定客に対してしゅ深い話題を提供するマニアック路線などの宝暦ながら編集者は編集をしてきてるということがわかりました。
編集者の専門性とは、編集方針を具体的な編集技術として反映させていくことだと言うことがインタビューから明らかになってきました。
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編集力には二つの要素がある。
編集者に持つ編集方針。
そしてライターやデザイナーがもつ編集技術。
この両者が組み合わさった力。
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編集の学習では、一つのパターンとして、編集方針の形成プロセスにジレンマが生まれることが分かりました。
それは、こういうテーマ、方針で編集したいというこだわりと、このテキストを載せたいというこだわりの二つのせめぎ合いです。
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この記事を取り入れたいというテキストへのこだわりが強いと、それらのテキストが上手く組み合わさらない場合、テーマが決まらなくなるわけです。
その場合にとった方略は、とりあえずテーマを集め、ある程度集まった段階で、集まったテーマを俯瞰して決め直すという方法が用いられていました。
一方、このテーマで何としても編集したいんだというテーマに強いこだわりがある場合、それに合ったテキストがなかなか集まらないという状態になる。
その場合は、テーマを切り口のあるもの、つまり、複数のテキストを上手くつなぎ合わさることができる、関係を生み出すことができるようなテーマを考え、それによってテキストを再解釈して、解決しようとしている姿が見られました。
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最後に、実践上の課題を述べたいと思います。
一つは、多様なテーマを受け止めることができるような懐のふかいテキストを用いることの重要性です。
もう一つは、取り上げたいコンテンツと発信メディアには相性というものがあるのではないかと言うことです。
三つ目は、文章を書くと言うことに止まらず、紙面のレイアウトや見た目といった、情報デザイン的な要素がかなり必要になってくるという点です。
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今後の研究の見通しですが、
他のメディアにどう転移していっているのかということ、
評価の方法、
国語科の学習の仲でどう位置づけていくのか
これらについては今後考えていきたいと思います。