便利の副作用に気づかせるための
発想支援手法の基礎検討
〜アイディア導入による
行為の増減に着目して〜
関西大学
⭕畑 玲音 ・徳丸 晴天 ・松下 光範
はじめに
しんせき
結婚式で と会った.
1 /19
しんせき
親戚
はじめに
結婚式で と会った.
みなさん,漢字変換に頼りすぎていませんか??
1 /19
研究背景:便利の問題点
・スマホという発想
認知的廃用性萎縮:機能を使っていないと使えなくなる
ex)
漢字健忘 暗算能力
便利 記憶力
漢字変換 電卓
2 /19
研究背景:便利の問題点
・スマホという発想
認知的廃用性萎縮:機能を使っていないと使えなくなる
ex)
漢字健忘 暗算能力
便利 記憶力
漢字変換 電卓
2 /19
ある観点での便利さが
別の観点で問題を発生させる
研究背景:発想を考える
ドラえもんの道具を考える
どこでもドア タケコプター タイムマシン
新しいアイディアを考えるとき...
3 /19
研究背景:発想を考える
どこでもドア
ドアを開けたら
その場所に!
考えるだけで
場所が入力
急にできたドア
に衝突事故...
公共交通機関の
売上...
作ってからわかる,問題になって初めてわかる
4 /19
発想 便利を追求することが前提
=
便利の効用
研究背景:発想を考える
漢字変換:変換してくれる
どこでもドア:瞬間移動
主作用:実現したい便利
漢字を書く機会がなくなる
ドアにぶつかって交通事故
副作用:望まない副産物
5 /19
・便利を作るときはポジティブな面が考えやすい
・ はよく考えるが副作用を十分に考慮していない
主作用
Q.なぜある観点での便利さが別の観点で問題を発生させる?
A. を考えきれていないから新たな問題が生まれる
A. 副作用
研究背景:便利の追求
6 /19
・便利を作るときはポジティブな面が考えやすい
・ はよく考えるが副作用を十分に考慮していない
主作用
Q.なぜある観点での便利さが別の観点で問題を発生させる?
A. を考えきれていないから新たな問題が生まれる
A. 副作用
研究背景:便利の追求
6 /19
発想では便利により生じる
望まれない副次的な作用に
気づく必要性がある
副作用になぜ気付けない?
本 電子書籍
便利にする:電子化,簡易化,省略化,小型化,自動化...
・栞を挟む
・ページを捲る
・本棚に並べる
・ダウンロードする
・スワイプする
・お気に入り登録する
電子化,簡易化,省略化,小型化,自動化...
7 /19
副作用になぜ気付けない?
本 電子書籍
・栞を挟む
・ページを捲る
・本棚に並べる
・ダウンロードする
・スワイプする
・お気に入り登録する
便利にする:電子化,簡易化,省略化,小型化,自動化...
行為の増減により生まれる
7 /19
副作用になぜ気付けない?
便利にするとき行為の増減の詳細を考えない
問題の種(副作用)を見つけれない
栞が消え去る
違法ダウンロード
・栞を挟む
・ページを捲る
・本棚に並べる
・ダウンロードする
・スワイプする
・お気に入り登録する
8 /19
行為の増減をなぜ考えない?
便利に伴う状態変化
なくなると
嬉しい行為
生じて
嬉しい行為
状態2
状態1 アイディア
前 後
9 /19
便利に伴う状態変化
なくなる行為 生まれる行為
失われる行為
なくなると
嬉しい行為
生じてしまう
行為
生じて
嬉しい行為
状態2
状態1 アイディア
前 後
行為の増減をなぜ考えない?
必要な手間 余分な手間
9 /19
便利に伴う状態変化
なくなる行為 生まれる行為
失われる行為
なくなると
嬉しい行為
生じてしまう
行為
生じて
嬉しい行為
状態2
状態1 アイディア
前 後
新たな問題の発生
行為の増減をなぜ考えない?
副作用
= 9 /19
本研究の目指すところ
便利を発想するとき
行為の増減の提示があれば
便利の副作用に気づき未然に問題発生を防ぎたい
RQ:
副作用を想定した発想が可能か?
10 /19
提案するシステム
アイディア
入力 入力
なくなる行為 生まれる行為
失われる行為
なくなると
嬉しい行為
生じてしまう
行為
生じて
嬉しい行為
出力 便利の副作用を
含めた発想
便利の副作用
11 /19
行為の増減の推定
行為の増減はChatGPT(3.5)を用いて出力
・既存の便利になったモノを対象
①それぞれのモノに関連する行為を出力
②行為の差分を推定し行為の増減を出力
モノに関連する行為
12 /19
行為の増減の推定
一連の行為 実行可能行為 シーン行為
モノに関連する行為の出力
始め
終わり
組み合せ
遊び
対人関係
ミス・事故
①
13 /19
本に関連する行為
・栞を挟む
・ページを捲る
・本棚に並べる
・ダウンロードする
・スワイプする
・お気に入り登録する
電子書籍に関連する行為
・文字を眺める
・音読する
なくなる行為 生まれる行為
行為の増減の推定
行為の差分を推定
② :それぞれのモノに関する行為を比較
14 /19
行為の増減が与えた影響
どのようなモノ? 行為の増減の提示 どのようなモノ?
61名
・・・
差分を観察
実験1:
15/19
行為の増減が与える便利なモノに対する認識の変化を観察
行為の増減が与えた影響 61名
・本来見落としていたそのモノの要素を発見
実験1:
・説明の追加あり:85.96%,文章量1.95〜1.87倍
・行為の増減の提示により再認識や新観点の気づき促進
行為の増減の提示により客観的な判断の促進を示唆
行為の増減が与える便利なモノに対する認識の変化を観察
16 /19
実験2:システムが与えた影響
アイディア発想 システムを使用 アイディア再発想
差分を観察
6名
未知のアイディアを発想するときの発想の変化を観察
・行為の増減を含めた考えがアイディアにも影響を与えるのか
17 /19
実験2:システムが与えた影響 6名
・発想文の追加あり:100%,文章量1.89倍
使用前:モノの特徴から発生する問題点を記載(5/6名)
使用後:提示した行為を参考にした問題点の記載追加
例)人と関わる行為,目的外の行為,
他の人(子供や高齢者)が使う際の問題点
例)「他の人がどう思うか」,「関係ない行為を関連づけた」
自分の意見に固執しないよう客観的に考えることを誘発
18 /19
行為の増減による影響を明確にする支援
・いいダメではなく,なぜ??を考えれるように
新たなアイディアでも行為の増減を提示
・行為の増減の推定手法の検討
行為の増減による発想支援
展望
アイディア発想で無意識に考えてることの可視化
・複数人で発想を行う場合の影響も検討
便利の副作用による発想支援
19 /19
まとめ
背景:ある観点での便利さは別の観点で問題を発生させる
問題:便利にするとき行為の増減の詳細を考えない
目的:便利による行為の増減に着目し未然に問題発生を防ぐ
実装:便利による行為の増減を提示し発想を支援する
実験:行為の増減の提示により思考にどのような影響があるのか?
結果:提示は再認識・新観点の気づき,客観的思考を誘発

HataReon_便利の副作用に気づかせるための発想支援手法の基礎検討_HCI206