の de はヂと、tiや語末の te はチと発音(identidade: イデンチダーヂ、ポルトガルではイ
デンティダード)し、英語同様に音節末の l は母音化する(dark L、Brasil はスペイン語
ではブラスィルだが、ブラジルでの発音は「ブラズィウ」)。
ポルトガルでは、現在進行形が estar a+不定形になる(ブラジルではスペイン語同様、
estar+現在分詞)
現在完了はほとんど使われず、完全過去(スペイン語の点過去に相当)が代わりに使わ
れる。「今日は図書館に行った」は、スペインなら Hoy he ido a la biblioteca.となるが、
ポルトガル語では Hoje fui para a Biblioteca となる。ただ、やはり現在過去をあまり使
わない中南米のスペイン語に馴染んでいる人なら、むしろこちらのほうが馴染みやすいはず、
スペイン語の接続法過去のうち ra 形は、元々直説法大過去だったが、ポルトガル語ではそ
の本来の用法が残っている(とはいえ、一般的には tinha+過去分詞だが)。
過去分詞に 2 つの形がある場合がある。ter+過去分詞の場合には規則形を使う動詞で
も、形容詞として使う場合には不規則形を使う動詞がある(例: ele já tinha morrido,
ele está morto、スペイン語では両方とも muerto を使う)。
未来形や条件法(スペイン語の過去未来に相当)に人称代名詞がつく場合、文語では
動詞の原形と活用形の間に入れることができる。例えば、「私は顔を洗うだろう」はスペイン
語では Me lavaré la cara だが、ポルトガル語では Lavar-me-ei a cara という表現が
可能(スペイン語に直訳すると Lavar-me-é la cara だが、スペイン語ではそんな言い方
はしない)。
現代スペイン語では慣用句や法律用語としてしか使われなくなった接続法未来が、ポルトガ
ル語では現在。口語でも頻繁に使われる。例: Vou falar com a minha mãe quando
terminar de trabalhar(仕事を終えたら私は母に電話する、スペイン語に直訳すると
Voy a hablar con mi madre cuando terminare de trabajar だが、スペイン語と
してはいかにも古臭い表現になり、通常は cuando termine de trabajar と接続法現
在で代替される。また、スペイン語では si+直説法現在だが、ポルトガル語では se+接続
法未来となる。例: se tiver tempo, vou para o Mercado.(時間があれば私は市
場に行く。スペイン語なら Si tengo tiempo, voy al mercado)。
スペイン国内で使われているスペイン語以外の言語は、前述した通りバスク語以外は全てラテン
系言語ですが、この中でもカタルーニャ語はスペイン語との差が大きく(文法的にフランス語やイタリア
語に似ており、標準カタルーニャ語はポルトガルのポルトガル語同様曖昧母音が多い)、スペイン語
しか知らない人がカタルーニャ語を耳にしても理解できないほどです。しかし、スペイン国内ではスペイ
ン語がどこでも通用するため、スペイン国内でスペイン語以外の言語を使う地域に定住するか、ある
いはそれら地域と強いつながりを持つ場合以外は、スペイン語だけで十分でしょう。
スペイン語の点過去にあたる単純過去は一般的に使われず、スペイン語の現在完了にあた
る複合過去が幅広く使われる。スペイン語の現在完了では haberしか使われないが、フラ
ンス語の複合過去では動詞によっては、haber に相当する avoir ではなく ser に相当する
être が使われることもある(イタリア語もこの点は同じ)
スペイン語の接続法過去に相当する接続法半過去も、単純過去と同じく一般的には使わ
れない(イタリア語も同じ)
この中でも、特に発音がスペイン語とフランス語では大きく異なっていることから、スペイン語しか
知らない人がフランス語を聞いても、それだけで理解することは難しくなっています。同じ系統の単語で
あっても、馬(西caballoカバーヨ、仏chevalシュヴァル)、猫(西gatoガート、仏chatシャ)、
水(西 agua アグア、仏 eau オー)、母親(西 madre マドレ、仏 mère メール)、指(西
dedo デード、仏 doigt ドワ)など、発音が大きく異なる単語が少なくありません。
イタリア語は基本的にイタリア国内でのみ使われており(スイスの一部、サンマリノ、バチカンなどで
も使われているが、イタリア語圏の大半はイタリア国内)、書いた通りに発音するという点ではスペイン
語に似ていますが、文法的にも単語面でも、スペイン語よりもフランス語に近いものとなっています。そ
の一方で、フランス語以西の言語では基本的に複数形は S をつける一方、イタリア語では語末の母
音を変える(学生 studente は studenti に、リンゴ mela は mele に)点や、ce や ci がセやシ
ではなくチェやチと発音される点(たとえば Cecilia という女性名は、スペイン語ではセシリアだがイタリ
ア語ではチェチリア)、そして二重子音が多い(正午 mezzogiorno メッツォジョルノ、おばあちゃん
nonna ノンナなど)が特徴的です。
最後にルーマニア語になりますが、これはルーマニアの他、旧ソ連から独立したモルドヴァでも使わ
れています。発音面ではイタリア語のように ce や ci をチェやチと発音しますが、他のラテン系言語では
なくなった中性名詞や格変化が存在したり、定冠詞が単語の前ではなく後ろについたりするなど、独
特の発展を遂げています。また、イタリア以西と異なり、カトリック文化圏ではなくギリシャやロシアなどと
同じ東方正教会の文化圏で、中世から近世にかけてオスマン帝国の支配を受けたことから、文化的
に他のラテン系諸国と大きく異なっています。
これらラテン系言語は、多かれ少なかれスペイン語と似ており、スペイン語をマスターすると、これら
言語の習得も簡単になります。スペイン語をきっかけとして、ラテン諸語を勉強されてはいかがでしょう
か?
20.
0.3 スペイン語の特徴(英語と比べて)
このようなスペイン語ですが、日本で最も幅広く学習されている外国語である英語と比べると、以
下のような特徴があります。
発音が規則的。英語は、中世にフランス語系の単語がたくさん入ったり、中世から近世にか
けて「大母音推移」と呼ばれる現象が起きて発音が大きく変わったりした一方、綴りは昔な
がらのものを使い続けたため発音と表記が大きくずれているが、スペイン語は基本的に発音と
綴りが一致しており、非常にわかりやすい。1時間もあればスペイン語の発音規則はマスター
可能(この講座の第 1 章を読めばスペイン語の発音はマスター可能)。
母音も子音も少ない。母音は日本語と同じ 5 つだけなので、非常にわかりやすい。子音に
ついては、英語でいうところの SH、TH(スペイン南部や中南米)、V や Z の発音がない一
方、スペイン語の J や GE/GI は英語の H よりも強く発音し、LL や Y、それに RR は独特の
発音になる点に要注意。また、英語の L のうち dark L(音節末の L が母音化する現象。
people がピーポーに聞こえるのはその一例)は存在せず、音節末でも舌先を前歯の裏に
つけてきちんと L と発音する(塩 sal はサウではなくサルと発音)。
男性名詞と女性名詞がある(とはいっても区別は簡単)。ラテン語には男性名詞、女性
名詞と中性名詞があったが、そのうち中性名詞が主に男性名詞に統合され、スペイン語で
は男性名詞と女性名詞の 2 つになった。名詞が男性と女性のどちらであるかにより、それを
受ける定冠詞や代名詞なども変わってくるので、この点は要注意。英語も古英語(11 世
紀以前)は男性名詞、女性名詞と中性名詞の 3 つが存在したが、その後名詞の性がなく
なっている。
代名詞の一部は、直接目的格(対格)と間接目的格(与格)を区別する。英語では
「彼女に」と「彼女を」は両方とも her だが、スペイン語では前者は la、後者は le(直接目
的語と間接目的語の両方が代名詞になる場合は se)となる。
代名詞を動詞の前に置くケースが多い。例えば I love you は te amo(te は tú の目
的格、amo は愛する amar の活用形)。
動詞の活用がとにかく複雑。スペイン語の学習で一番大変なのは、50 以上もの形に変化
する動詞の活用形をひたすら覚えること。5 つの直説法(現在、点過去、線過去、未来、
過去未来)と 2 つの接続法(現在と過去: 過去形は 2 つのパターンがある)は、人称と
単複に応じて 6 つの形に活用し(中南米では 2 人称複数を使わないので実質上 5 つ)、
それに加えて命令形(2 人称単数と 2 人称複数)、現在分詞や過去分詞も覚える必要
がある。規則活用は 3 パターンで(ar 動詞、er 動詞と ir 動詞)、このうち er 動詞と ir 動
21.
詞はほとんどの場合同じ活用形だが、不規則活用が多い点もスペイン語学習における難関
なので、とにかく初級レベルでは動詞の活用表とにらめっこして、活用を唱えまくることが大切。
主語を略す場合がある。特に一人称や二人称が主語で、動詞の活用形から主語が推定
できる場合、主語を略すのが一般的。
再帰表現が非常に多い。たとえば「私は顔を洗う」はMe lavo la cara(英語に直訳する
と I wash myself the face)、「メキシコではスペイン語が話されている」は En México
se habla español(英語に直訳すると In Mexico, Spanish speaks itself)、「私
はあのメッセージを思い出した」は Me acordé de aquel mensaje(英語に直訳すると
I reminded myself of that message)など、英語よりも再帰表現を使うケースが非
常に多い。
過去を表現する時制が、スペイン語では英語よりも 1 つ多い。英語は過去形と現在完了
形(過去に起きたできごとが今まで影響を与えている場合)、そして大過去の 3 つだが、ス
ペイン語では過去形が、単純に過去のできことを記述する点過去(完全過去)と、過去に
おいては現在進行形だった線過去(不完全過去)を区別する。不完全過去は、英語で
は過去形(例: I was 15 years old when my father died)、または過去進行形
(例: I was watching the TV when my sister called me)や used to(例:
we used to spend weekends at my grandma’s place)で表現されることが多い。
命令形は、肯定命令(~しろ)と否定命令(~するな)で大幅に異なる。英語の場合、
「私にそれを買ってください」とその否定形「私にそれを買わないでください」は Buy it for me
と Don’t buy it for me であり、違いは文頭に don’t が来るかどうかだけだが、スペイン語
では Cómpramelo と No me lo compres というように構造が大幅に変わる。命令形は
何かと複雑なので、じっくり学習することが必要。
0.4 スペイン語関連のよくある質問
ここでは、スペイン語関連のよくある質問をまとめてみました。
スペイン語には標準語はありますか?: スペイン語や英語のように、数多くの国
で同じ言語が使われている場合、どれを標準語とするかの判断はかなり難しく
なります。例えば英語の場合、今の日本ではアメリカ英語(正確には米国のマ
スコミが使う英語)が標準語扱いされていますが、イギリス英語も国際的に幅
1.アルファベットと発音
1.1 アルファベットと発音
スペイン語のアルファベットは、以下の 27文字です。なお、アルファベット自体は alfabeto(アル
ファベート)または abecedario(アベセダリオ)と言います。
文字 発音 発音の備考
A
A
(アー)
B
BE
(ベー)
C
CE
(セー)
CE や CI はスペイン標準語では英語の TH のように、
スペイン南部や中南米では S と発音(Z と同じ)。
それ以外はカ行の発音で、CH はチャ行の発音
(CH はスペイン南部やカリブではシャ行になることもある)
D
DE
(デー)
語末の d は英語の thank you の TH の音
(特にマドリッド)あるいは無声(特に中南米)
E
E
(エー)
F
EFE
(エフェ)
英語と同じく、前歯を下唇に当ててフェと発音
G GE(ヘー)
GE や GI は喉をこするようにして強く発音するハ行
(ドイツ語のバッハのハの要領、J と同じ)
ガギグゲゴは GA, GUI, GU, GUE, GO
グィやグェは GÜI/GÜE と表記
H
HACHE
(アチェ)
黙字で発音しない
I I(イー)
Y と区別する場合、I Latina(イー・ラティーナ)ということも
ある
J
JOTA
(ホタ)
喉をこするようにして強く発音するハ行
(ドイツ語のバッハのハの要領、GE/GI と同じ)
K KA(カー) 外来語でしか使わない
26.
L ELE(エレ)
前歯の裏に舌を当てて発音。英語でいうところの lightL の
発音(母音化する dark L の発音はスペイン語にはない)
LL は本来は L で発音するリャ行で、
コロンビアあたりではこの発音が残っているが、
多くの方言ではヤ行とジャ行の中間の音に
(アルゼンチンではシャ行)
M EME(エメ)
N
ENE
(エネ)
Ñ
EÑE
(エニェ)
スペイン語独自の文字で、スペイン語そのものの
アイデンティティとも言える文字。発音そのものはニャ行
O O(オー)
P PE(ペー)
Q CU(クー)
ウの部分はマンボのウーッ!のように、口先をすぼめて発音。
綴りとしては QUE(ケ)と QUI(キ)でしか使われない
R ERE(エレ)
日本語のラ行と同じ。ただ、語頭, L, N, S のあと、
RR は「べらんめえ」調の巻き舌
S ESE(エセ)
T TE(テー)
U U(ウー) マンボのウーッ!のように、口先をすぼめて発音
V
UVE
(ウベ)
スペイン語には V の発音はなく、V は B と発音
W
UVE DOBLE
(ウベ・ドブレ)
外来語でしか使われない
X
EQUIS
(エキス)
子音の前では S、母音の前では KS と発音。
メキシコの地名の場合には J の発音
(México メヒコ、Oaxaca オアハカ、Xalapa ハラーパ)
Y
YE(イェー)/
I GRIEGA
(イー・グリエガ)
最近スペイン王立アカデミーがイェーという発音を
提唱しているが
イー・グリエガという名称のほうが未だ一般的。
本来はヤ行だが
多くの方言ではヤ行とジャ行の中間の音に
(アルゼンチンではシャ行)
Z セタ
スペイン標準語では英語の TH のように、
スペイン南部や中南米では S と発音(CE や CI と同じ)
Un momento.(ちょっと待って):これもよく使える言い方です。Un
minuto.(直訳したら1 分)などの表現もあります。
¡Aló!(もしもし):これは南米の言い方で、スペインでは Sí, dígame.、メキ
シコでは Bueno.がよく使われます。
¡Adiós!(さようなら):別れのあいさつとして日本でも有名ですが、これだ
けだと永遠の別れのあいさつにもなるので、たとえば Hasta luego.(それじゃ
また)や Hasta pronto.(またあとで)、Nos vemos.(また会いましょう)、
あるいは Hasta+日付(例:Hasta mañana.また明日)などを付け加えること
が多いです。「またいつか、お目にかかりましょう」は、Hasta la vista.
Chau.(バイバイ):南米では Hasta luego はあまり使われず、こちらの表現
のほうをよく耳にします。
¡Salud!(乾杯):これには二つの意味があります。まずは「乾杯!」で、祝杯
の席でよく使われます。もう一つの意味は日本語にはない表現なのですが、く
しゃみをした時に、その相手に対してこのように言います(¡Jesús!というこ
ともあります。英語の Bless you!と一緒です)。言われたら Gracias.と答えま
しょう。
¿Qué tal?(お元気ですか?):相手の調子を尋ねる表現の一つです。
Bien, gracias.(元気です、ありがとう):よほどひどくない限り、こう答え
ましょう。
2.2 estar 動詞の直説法現在の活用・主格人称代名詞
ここまでは、別に文法の知識がなくても丸暗記さえすればそのまま使える表現で
したが、場合によってはこれとは違う表現が使われることがあります。その時にどう
してもちょっとした文法の知識が必要となるので、それを以下示したいと思います。
34.
¿Cómo estáusted?(ご機嫌いかがですか?):¿Qué tal?とは別によく使わ
れる表現で、基本的に意味は同じです。
なのですが、ここで出てくる está usted?の部分について説明したいと思います。ま
ず、está は estar という動詞の活用形で、主語の人称と数にあわせて活用します。と
いってもどういうことかわからないと思うので、以下示したいと思います。
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) Estoy
nosotros /
nosotras
(私たち)
estamos
tú(きみ) Estás
vosotros /
vosotras
(きみたち)
estáis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
está
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
están
スペイン語では動詞はさまざまな形に活用しますが、活用しない不定形(原形)
も使われます(例: ver es creer: 見ることは信じることだ)。しかし、多くの場合に
は時制(現在/過去/未来など)や法(直説法/接続法/命令法)に従って活用します。
スペイン語学習においては、非常に複雑なこの動詞の活用体系をマスターできるか次
第と言ってもかまわないため、皆さんもここからのスペイン語学習では、特に動詞に
注意を払っていただきたいと思います。
さて、ここで主格人称代名詞(主語になる代名詞:英語の I や we などのこと)に
ついて、少し説明したいと思います。まず、nosotras や vosotras は「私たち」や
「きみたち」が全員女性の場合で、一人でも男性が混じっていた場合は nosotros あ
るいは vosotros を使います(この例に限らず、スペイン語では男女が混じったグル
35.
ープに対しては男性複数形を使い、女性だけのグループの場合においてのみ女性複数
形を使います)。また、vosotros や vosotrasはスペインでだけ使われる表現で、中
南米では「きみたち」の場合でも ustedes を使います。最近は男女同権意識の高まり
から、このような文法規則を問題視する人が、特にスピーチの場合に、mexicanas y
mexicanos(メキシコ人)のように女性形を先に持ってきて、その後男性形を使った
りすることもありますが、たとえばメキシコ人を意味するこの単語の場合、普通は
mexicanas というとメキシコ人女性だけのことを指し、特に「メキシコ人一般」を意
味する場合は mexicanos を使います。
次に、中南米では vosotros/as は使わず、子どもたちを相手にする場合でも
ustedes が使われます。たとえば小学校で先生が児童に対して「みんな元気?」と質問
する場合、スペインでは¿Cómo estáis?が使われますが、中南米では¿Cómo están?
となります。
さらに、活用形を選択する場合、nosotros/as や vosotros/as、または ellos/ellas
という代名詞が使われていない場合でも、代名詞になおす場合にはこれらにあてはま
る場合には、やはりその活用が使われます。
Nosotros/as の活用を使う例: tú y yo / él y yo / Esther y yo / tú, Esther
y yo / vosotros y yo / tú y nosotras / ellas y nosotros など、「私(たち)」
と誰か別の人がいる場合。ちなみにスペイン語では、いろんな人たちを並べる
場合、「きみ」(tú)や「あなたがた」(ustedes)など 2 人称を最初に、そ
して「私」や「私たち」は必ず最後に置かなければなりません(yo y tú や
nosotros y ellos のように言うと、行儀の悪い表現とみなされますので注意し
ましょう)。
Vosotros/as の活用を使う例(スペイン限定): tú y tu hermano / tú y tu
profesora / tú y ellos / vosotros y Ricardo など、tú(きみ)とそれ以外の人
たちのグループを指す場合で、yo や nosotros/as が関係しない場合です。もち
ろん中南米では vosotros の活用が存在しないので、同じ文章でもスペインで
は¿Cómo estáis tú y tus padres?(きみとご両親はお元気ですか?)となると
36.
ころが(その後使う代名詞は vosotros)、中南米では¿Cómo estántú y tus
padres?となります(その後使う代名詞は当然ながら ustedes)。
3 人称複数の活用を使う場合: 中南米の場合、自分(yo)は含まれない複数人
のグループは必然的に 3 人称複数になります(主語は ellos, ellas, ustedes の
どれかになります)。その一方で、スペインの場合にはyo, tú, nosotros/as や
vosotros/as の範疇に含まれない人たち、具体的には usted y ellos / ustedes
y sus profesores / ellas y su jefe などの場合にのみ 3 人称複数が使われます
(主語としては、usted(es)が含まれる場合には ustedes、それ以外の場合に
は ellos/ellas になります)。
また、スペイン語では英語の you にあたる単語が 4 つ(中南米では3つ)ありま
す。tú, usted, vosotros/as(スペインのみ), ustedes です。tú と vosotros/as の違
いはわかると思いますが、ここで問題になるのが tú と usted の違いです。フランス
語の tu と vous、ドイツ語の du と Sie の違いに相当するのですが、簡単にいうと親し
い相手(家族、友人、同僚など)には tú を、距離をもって接する相手(例:先生、上
司、大学の先生、初対面の相手など)には usted を使います。ただ、学生同士の場合
は初対面でも tú を使う傾向にあり、特にスペインではかなり公式な場合でも tú を使
うことが多いですが(フランス語やドイツ語よりも tú を使う場面が多い)、中南米に
はかなり親しい間柄でも usted を使う地域もあるなど、なかなか一般的なことは言え
ません。この tú と usted の区別は難しいものですが、最初のうちはどちらを使ってい
いかわからない場合は usted を使って、それが堅苦しく感じられる時は tú を使うよう
にしたほうがいいでしょう。この感覚も、そのうちわかってきます。そして、
usted/es は意味的には 2 人称ですが、活用形としては 3 人称になりますので、その
点ご注意ください。
なお、アルゼンチンやウルグアイ、それに中米諸国などでは、tú のかわりに vos
を使います。活用形は estar の場合、tú と同じです。
このような活用表を見ると、いかにも複雑なように思えるかもしれません。でも、
ここで英語の be 動詞を思い出してみましょう。
37.
英語の be 動詞の直説法現在形
主語活用形 主語 活用形
I(私) am we(私たち) Are
you(きみ) are you(きみたち) are
he(彼)
she(彼女)
it(それ)
is
they(彼ら、
彼女ら、それら)
are
つまり、英語で be 動詞を使う場合、I be とか you be とは言えないわけで、I な
ら am、he なら is、we なら are というように、動詞を活用させなければならなかっ
たわけですね。スペイン語の活用も原理はこれと一緒で、ただ活用形が 6 つ(中南米
は 5 つ)あって多少ややこしいだけなのです。
また、スペイン語の場合、上記の表を見ると、たとえば estoy と言った場合には
yo(私)の活用形である、ということがわかります。だから、特に主語を強調する場
合以外は、yo や nosotros/as、tú や vosotros/as といった主語は省略されます。です
から、親しい相手に元気かどうかたずねる場合は
¿Cómo estás?(元気?)
となり、普通は主語である tú(きみ)を言わないわけです。もちろん他の人に対して
も使えるわけで、たとえば「きみたち」に対しては
¿Cómo estáis?(きみたち元気?)
、Carlos という共通の友人のことを尋ねる場合は
¿Cómo está Carlos?(カルロスは元気?)
となるわけです。
3.出身地や職業、居場所を尋ねる
ここでは、ser 動詞直説法現在、ser とestar の基本的用法、不定冠詞と定冠詞を
学びます。
3.1 出身地の尋ね方(ser 動詞直説法現在)
さて、とりあえず知り合いになったところで、出身地を聞きましょう。出身地を
聞く場合は、こう言います。
¿De dónde es usted?(あなたはどこからいらっしゃいましたか?)
ここで英語の be 動詞に相当するもう一つの動詞、ser 動詞を紹介しましょう。
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) Soy
nosotros /
nosotras
(私たち)
somos
tú(きみ) eres
vosotros /
vosotras
(きみたち)
sois
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
Es
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
son
※ちなみにアルゼンチンなど、tú のかわりに vos を使う地域では、vos sos と活用す
ることが多いです。
42.
de は英語の fromにあたる前置詞、dónde は英語の where にあたりますから、
英語に直訳すれば From where are you?となり、語順的にはちょっと英語とは違いま
すが、出身地を尋ねる言い方になります。もちろん親しい相手、あるいは子どもにた
ずねる場合は
¿De dónde eres?
となります。そして答え方としては、
(Yo) soy de 出身地.
となります。
3.2 Ser と estar の基本的な違い
さて、この ser 動詞は、estar 動詞と並んでよく使われます。どちらも英語の be
動詞に対応するのですが、実は使い方が違います。
(1)属性や出身など、変わらないものの場合は ser が使われます。
たとえば、Ella es Sandra.(彼女はサンドラだ)とか、Yo soy médico.(私は医
者だ、男性の場合)、El coche es rojo.(車は赤い)、あるいは Yo soy de Lima.(私
はリマ出身だ)や Ellos son de Alemania.(彼らはドイツ出身だ)などというように、
いつでも変わらないようなことには ser が使われます。ちなみに、職業をいうときに
は、英語と違って不定冠詞は必要ありません(英語だったら I am a doctor.といいま
すが、スペイン語では Soy médico./médica.でかまわないのです)。もちろん、この
場合も主語が女性あるいは女性名詞の場合は、たとえば La bicicleta es roja.あるいは
Soy médica.というように、estar 動詞のときと同じように形容詞も変える必要があり
ます。
43.
さて、スペイン語で疑問文を作る時は、英語のように動詞の順番を変える必要は
ありません。ただ文末を上げて発音すればいいのです。だから、
Eres estudiante.(きみは学生だ)
は、そのまま
¿Eres estudiante?(きみは学生ですか?)
になります。また、否定文の場合は、動詞の前に no を置きます。たとえば、
No soy estudiante.(私は学生ではありません)
のようにするわけです。
(2)所在(どこにいるか、あるか)を表す場合は、estar が使われます。
しかしながら、La Libertad está en Nueva York.(自由の女神はニューヨークに
ある)のように、自由の女神がどこにあるかを示す場合は、estar が使われ、場所は前
置詞 en+具体的な場所で表されます。これはもちろん人間でもかまわないわけで、た
とえばAhora estoy en Yakarta.(私は今ジャカルタにいます)、¿Dónde estás?(ど
こにいるの?)、また Estamos en Shibuya.(私たちは今渋谷にいます)などといえ
るわけです。この表現は、携帯電話やメッセンジャーなどで相手の所在地をたずねる
ときによく使われます。「どこにいるんですか?」という表現は、
¿Dónde estás?(tú に対して)
¿Dónde está usted?(usted に対して。実際には usted が省略されること
も多い)
¿Dónde estáis?(vosotros に対して)
¿Dónde están?(ustedes に対して)
となります。
また、場所を表す便利な表現として、この 3 つを覚えておきましょう。
aquí(ここ: 南米では acá のほうが一般的)
44.
ahí(そこ)
allí(あそこ:南米では allá のほうが一般的)
(3)一時的な状態を示す時は、estar が使われます。
前章で見ましたが、「疲れている」や「元気である」のように、一時的な状態の
ときは estar を使います。他にも、El semáforo está rojo.(今赤信号だ)や Los
zapatos están sucios.(靴は汚れている)のような場合も、estar を使えます。
3.3 「これは・・です」(不定冠詞)
さて、ここで「これは何ですか?」という表現を覚えましょう。
¿Qué es esto?(これは何ですか)
esto は「これ」(ちなみに eso は「それ」、aquello は「あれ」です)で、qué
が「何」ということで、英語の What is this?に相当する言い方となります。それに対
しては
Esto es なになに
と答えればいいわけで、たとえば、
Esto es plata.(これは銀です)
Esto es petróleo.(これは石油です)
Esto es vino.(これはワインです)
Esto es oxígeno.(これは酸素です)
などと言えばよいわけですが、加算名詞(自動車や本など、数えることのできる名詞)
についていう場合、英語と同じように、スペイン語でも不定冠詞(英語で言う a や an)
が必要になるのです。どのような形になるか、以下に示します。
45.
不定冠詞 男性 女性
単数un una
複数 unos unas
※女性名詞でも、アクセントのある a あるいは ha ではじまる単語の場合は、発音の
都合上、不定冠詞は un になります。例: un arma(武器)、un hacha(斧)、un
águila(鳥のワシ)、など。
男性あるいは女性というのは、男性名詞あるいは女性名詞のことです。前章でも
少し書きましたが、スペイン語の名詞は全て男性名詞あるいは女性名詞のどちらかに
分類されます。これがどうして大切なのかというと、不定冠詞や定冠詞(英語の the
に相当)、そして形容詞などがその名詞の性や数によって変ってくるからです。
スペイン語の場合、男性名詞あるいは女性名詞の区別は簡単で、o や aje で終わ
れば男性名詞(例外:mano(手)や foto(写真:これはもともとが fotografía だか
ら)、それに moto(バイク:これも motocicleta の略語))、a や ción, sión, dad
で終われば女性名詞(例外:mapa(地図)、día(昼・日、英語のday)、problema
(問題)など)です。
o や aje で終わる男性名詞の例:libro(本)、cuaderno(ノート)、
periódico(新聞)、pañuelo(ハンカチ)、viaje(旅行)、hijo(息子)、
hermano(兄弟)、supermercado(スーパーマーケット)、pájaro(鳥)、
perro(犬)、gato(猫)、など。
a や ción, sión, dad で終わる女性名詞の例:revista(雑誌)、muñeca(人
形)、televisión(テレビ)、copa(コップ)、universidad(大学)、
estación(駅)、escuela(学校)、oveja(羊)、manzana(リンゴ)、
naranja(オレンジ)、lata(缶)、computadora(パソコン:中南米で使う。
スペインでは ordenador で男性名詞)、luna(月:英語の moon)など。
46.
それ以外の名詞の場合は、名詞の性を辞書で調べる必要があります。
男性名詞:taxi(タクシー)、autobús(バス: 中南米では別の表現が使われる
が、autobúsと言えば通じる)、avión(飛行機)、ordenador(パソコン:
スペインで使う。中南米では computadora で女性名詞)、farol(灯台)、
azúcar(砂糖)、reloj(時計)、mes(月:英語の month)など。
女性名詞:llave(鍵)、calle(通り)、leche(牛乳)、miel(蜂蜜)、
imagen(画像・イメージ)など。
ということで、これらを使って答えてみましょう。
Esto es un perro.(これは(一匹の)犬です)
Esto es una oveja.(これは(一頭の)羊です)
Esto es una manzana.(これは(ひとつの)リンゴです)
Esto es un reloj(これは(一つの)時計です)
というように、スペイン語では男性名詞か女性名詞かによって、言い方が少し変わっ
てきます。
3.4 「これは誰の・・ですか?」という表現(定冠詞)
さて、これでものの名前の表現はわかりました。次はそれが誰のものかを聞いて
みましょう。このように、一度話題に出た名詞を使う場合、英語ではたとえば Whose
is the book?(誰の本ですか?)というように、定冠詞を使いましたよね。スペイン
語でも同じで、こういう場合は定冠詞を使うのです。この定冠詞も、不定冠詞と同じ
ように変化をします。とりあえず、その表を見てみましょう。
定冠詞 男性 女性
単数 el la
47.
複数 los las
※女性名詞でも、アクセントのあるa あるいは ha ではじまる単語の場合は、発
音の都合上、定冠詞は el になります。例: el alma(魂)、el hacha(斧)、el
águila(鳥のワシ)、el agua(水)など。
男性単数形の el は、アクセントのある él(彼)とは別の意味になるので、ご注意
ください。El Niño とか Las Vegas、さらには Los Ángeles という固有名詞はみなさ
んご存知でしょうが、実はこれは全てスペイン語の定冠詞を使った表現だったのです。
ですから、これを使って表現すると、
¿De quién es el libro?(この本は誰のものですか?)
¿De quién es la revista?(この雑誌は誰のものですか?)
¿De quién es el agua?(この水は誰のものですか?)
となるわけです。もちろん、「これは誰のものですか?」という場合は、
¿De quién es esto?
で大丈夫です。
また、定冠詞に形容詞をつけると、「~なもの」ということで形容詞を名詞化す
ることもできます。(英語でいうと the A one、たとえば the red one, the blue one
など)これについては、説明の都合上 3.5 で改めて取り上げたいと思います。
3.5 「これは誰だれのです」という表現(所有形容詞)
英語の所有格(my, your, his, her, its, our, their)と所有代名詞(mine,
yours, his, hers, its, ours, theirs)に相当するものですが、スペイン語では形容詞
としての変化を行うため、所有形容詞という表現が使われます。また、英語同様 2 つ
48.
の形がありますが、その使い方はちょっと異なりますので、それについて見てゆきた
いと思います。
さて、¿De quién esesto?という質問に答える時は、普通は
Es de 人名.
でかまわないのですが、「私のもの」、「きみのもの」などというときは、所有形容
詞の後置形を使います(英語の mine や yours など所有代名詞に相当する形)。それ
を示します。
所有形容詞(後置形)
主語
所有
形容詞
主語 活用形
yo(私)
mío(s)/
mía(s)
nosotros /
nosotras
(私たち)
nuestro(s)/
nuestra(s)
tú(きみ)
tuyo(s)/
tuya(s)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
vuestro(s)/
vuestra(s)
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
suyo(s)/
suya(s)
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
suyo(s)/
suya(s)
ですから、例えば¿De quién es el reloj?(これは誰の時計ですか)と聞かれた場
合、
Es mío.(私のものです)
Es vuestro.(きみたちのものです)
Es suyo.(彼・彼女・あなた・彼ら・彼女ら・あなたがたのものです)
49.
などとなりますが、suyo がいろいろな意味になってしまうことがわかります。これで
はわかりにくいということで、「あなた(がた)のもの」以外の意味では suyoの代
わりに、Es de ella.のような言い方をすることもあります(de は「~の」にあたる前
置詞)。
また、これらは形容詞なので、当然性と数の変化をします。ですから、たとえば
¿De quién es la revista?(これは誰の雑誌ですか)と聞かれた場合には、La revista
(雑誌)が女性名詞なので、
Es mía.(私のものです)
Es vuestra.(きみたちのものです)
Es suya.(彼・彼女・あなた・彼ら・彼女ら・あなたがたのものです)
と、そして¿De quién son estas guitarras?(これらのギターは誰のものですか?)と
聞かれた場合には、Guitarras(ギター)が女性複数形なので
Son mías.(私のものです)
Son vuestras.(きみたちのものです)
Son suyas.(彼・彼女・あなた・彼ら・彼女ら・あなたがたのものです)
と答えるわけです。
また、この所有形容詞の後置形は、先ほどちょっと触れた「定冠詞+形容詞」と
して使うことができます。この例文についてちょっと見てみましょう。
¿De quién son los coches? / El de Elisa es rojo y el mío es blanco.
(自動車は誰のものですか? / エリサのは赤で、私のは白です。y は「~と、
そして…」など(英語の and)に相当しますが、i や hi の前では e になりま
す。Civilización e historia(文明と歴史))
もちろんこの場合、”El rojo es de Elisa y el blanco es mío”(赤いのがエリサの
自動車で、白いのが私の自動車です)と答えてもかまいませんが、カギとなるのはこ
50.
のように定冠詞と形容詞(所有形容詞の場合には後置形)を組み合わせることで、こ
のような構文が可能になるということです。
さて、「これは私の本です」という時にも所有形容詞が使われるのですが、ちょ
っと形が違います(英語なら my やyour といった所有格を使う場合)。以下の表をご
覧ください。
所有形容詞(前置形)
主語
所有
形容詞
主語 活用形
yo(私) mi(s)
nosotros /
nosotras
(私たち)
nuestro(s)/
nuestra(s)
tú(きみ) tu(s)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
vuestro(s)/
vuestra(s)
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
su(s)
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
su(s)
前置形は後置形よりも簡単になっており、nuestro や vuestro 以外は、数にだけ
気をつければよくなっています(これについては後述します)。たとえば、
Esto es tu libro.(これはきみの本です)
Esto es mi coche.(これは私の車です)
Esto es vuestra radio.(これはきみたちのラジオです)radio は o で終わり
ますが、女性名詞です。
Esto es su bicicleta.(これは彼/彼女/あなた/彼ら/彼女ら/あなたがた
の自転車です)
51.
となり、やはり su がわかりにくくなることがあります。また、これでは「ホセの鍵」
や「彼女の部屋」などといった表現ができません。こういうときに、先ほど勉強した
定冠詞や不定冠詞が役に立つのです。
Esto es la llave de José.(これはホセの鍵です)
Esto es la habitación de ella.(これは彼女の部屋です)
Esto es la televisión de ellos.(これは彼らのテレビです)
Esto es una pintura de Pablo Picasso.(これはパブロ・ピカソの絵です)
となります。なぜ最後だけ不定冠詞なのかといいますと、ピカソは多くの絵を残して
おり、そのうちの一枚だという意味だからです。それに対し、鍵や部屋、それにテレ
ビなどの場合は、定冠詞をつけていうことが多いです。
実際には、所有形容詞は前置形のほうが頻繁に使われますが、後置形もかなり頻
繁に使われます。ですので、両方きちんと使えるようにしましょう。
3.6 まとめ
英語の be 動詞に相当するスペイン語のもう 1 つの動詞 ser は、soy, eres, es,
somos, sois, son と活用。
Ser はどちらかというと恒常的な性質、それに対し estar は一時的な状態や現
在所在地などを伝える場合に使う。
スペイン語には男性名詞と女性名詞がある
不定冠詞(英語の a や an に相当)は、un, una, unos, unas.スペイン語では
不定冠詞に複数形もある。
定冠詞(英語の the に相当)は、el, la, los, las。「彼」の意味の él と区別が
必要。
定冠詞に形容詞をつけると、「~なもの」という意味になる。
4.人やものの紹介、時間の表現
ここでは、指示形容詞・代名詞、複数形の作り方、定冠詞の使い方、時間の表現、
そして 100 までの数を学びます。
4.1人やものを紹介する(指示形容詞・代名詞)
さて、ここで人の紹介の仕方を覚えましょう。
Éste es Enrique, mi primo.(こちらは私の従兄弟のエンリケです、primo
は従兄弟で、家族関係の単語は英語同様、年齢の上下を区別しない)
Ésta es Cecilia, mi novia.(こちらはぼくの彼女のセシリアです、novio/a
は「恋人」の意味)
というようにいいます。英語だったら This is 人名.でよいわけですが、スペイン語で
は紹介する人が男性と女性の場合で、英語の this の部分が変わります。
さて、ここで英語の Mr.や Ms.に当たる表現を覚えましょう。さすがにお偉さんに
向かって、「エンリケ」や「セシリア」などと呼び捨てで呼ぶわけにはいかない場合
Éste es el señor Alberto González García.(こちらはアルベルト・ゴン
サレス・ガルシアさんです、男性の場合)
Ésta es la señora Julia González García.(こちらはフリア・ゴンサレス・
ガルシアさんです、既婚女性の場合)
Ésta es la señorita Cristina González García.(こちらはクリスティー
ナ・ゴンサレス・ガルシアさんです、未婚女性の場合)
です。呼びかけの場合を除いて、定冠詞が必要になります。また、英語の Ms.に当た
る表現はなく、女性は既婚(英語の Mrs.)か未婚(英語の Miss)かを区別します。
54.
また、スペイン語圏では苗字が二つあるのが普通です。例の Alberto González
Garcíaさんだったら、González が父親の苗字で、García が母親の苗字です。そして、
もしこの人が Daniela Castañeda Hernández さんという人と結婚した場合、この二
人の間の子どもの苗字は González Castañeda となります。ですが、名前+父親の苗
字+母親の苗字を全部言うのは⾧いので、普通は名前だけ、あるいは名前+父親の苗
字だけということが多いです。余談ですが、日系南米人の場合、苗字が「Sato
Matsuo」や「Fujimoto Harada」などとなっていたりする例がありますが、それはこ
ういう事情によるものです。
ここで、指示形容詞や指示代名詞(英語の「これ」、「それ」、「あれ」に当た
る)を見てみましょう。英語では this と that の 2 つですが、スペイン語ではこれ、そ
れ、あれに当たる 3 系統が存在します。
この、これ(中性形 esto)
esto 男性 女性
単数 este esta
複数 estos estas
その、それ(中性形 eso)
eso 男性 女性
単数 ese esa
複数 esos esas
あの、あれ(中性形 aquello)
aquello 男性 女性
単数 aquel aquella
複数 aquellos aquellas
55.
前章で「これ」、「それ」、「あれ」に当たるスペイン語として、esto, eso,
aquello を習いましたが、これらは指示代名詞の「中性形」といって、何かわからない
ようなこと、あるいは漠然としていて男性あるいは女性名詞であらわせないようなこ
とに対して使います。たとえば、¿Quées esto?(これは何ですか)と質問する場合、
「これ」が男性名詞のものなのか女性名詞のものなのかわかるはずもないので、仕方
なく中性形を使うわけです。また、Eso es verdad.(それは本当だ)などという場合、
「それ」というのは、「電車が 1 時間遅れていること」や「今日が Óscar の誕生日で
あること」など、抽象的で男性名詞にも女性名詞にもならないようなことが主語にな
っているので、こういう場合も中性形を使います。
それに対し、これらの指示形容詞や代名詞は、既に性がわかっている名詞につく
わけです。たとえば上記のように人を紹介する場合、それぞれの人が男性か女性かは
わかっているので、あのように区別していいます。他の例を見てみましょう。
Estos son libros: Este es de Claudia y ese es de Silvia.(これらは本で
す。これはクラウディアので、それはシルビアのです)
の場合、本(libro)が男性名詞であることはもうわかっているので、「これ」や「そ
れ」という場合、男性名詞ということを受けて言います。もちろんこれが女性名詞の
場合、
Estas son maletas: Esta es de Claudia y esa es de Silvia.(これらはス
ーツケースです。これはクラウディアので、それはシルビアのです)
となりますが、ここではスーツケース(maleta)が女性名詞なので、このように変わ
るわけです。
さて、ここで指示形容詞(「この」や「その」など)の例を見てみましょう。
¿Quién es este señor?(この男性はどなたですか?)
Este señor es el presidente de la empresa A.(この人は A 社の社⾧さ
んです、presidente/a 社⾧・理事⾧・大統領、empresa 会社)
56.
¿ Dedónde es aquel jugador? (あ の選手 はど この 出身 ですか ? 、
jugador/a スポーツ選手)
¿De quién son estas manzanas?(これらのりんごは誰のものですか?)
4.2 複数形の作り方
さてここで、複数形の作り方を見てみましょう。なお、スペイン語では名詞だけ
でなく、形容詞にも複数形があります。
名詞の複数形: 基本的に、母音で終わる名詞には s を、子音(y も)で終わる名詞
には es をつけます。
coche(自動車) > coches
televisión(テレビ) > televisiones
manzana(りんご) > manzanas
perro(犬) > perros
casa(家) > casas
farol(灯台) > faroles
rey(王様) > reyes
reloj(時計)>relojes
ただ、z で終わる単語は、正書法の都合上 ces になります。
pez(海や川で泳いでいる魚。釣られた魚や「魚肉」は pescado) > peces
lápiz(えんぴつ) > lápices
また、あまりないのですが、アクセントのある i や u で終わる単語の複数形も、
es になります。
jabalí(イノシシ)>jabalíes
bambú(竹)>bambúes
fácil
(簡単な)
男性 女性
単数 fácilfácil
複数 fáciles fáciles
形容詞の中で、男性形が o で終わるものは語尾が 4 通りに変化しますが、それ以
外は単数と複数の区別しかありません。ですから、
Esta camiseta verde(この緑の T シャツ)
Este edificio antiguo(この古いビル)
Estos libros interesantes(これらの面白い本)
となるわけです。
また、地名を意味する形容詞のうち子音で終わるものは、女性形で a が付きます。
以下、そのような例を見てみましょう(男性単数、女性単数、男性複数、女性複数の
順)。
español(スペインの): español, española, españoles, españolas
francés(フランスの): francés, francesa, franceses, francesas。類型
japonés(日本人)、inglés(イングランドの)
alemán(ドイツの): alemán, alemana, alemanes, alemanas
andaluz(ス ペイン南部にあるアンダルシアの): andaluz, andaluza,
andaluces, andaluzas
これら地名表現に定冠詞をつけると、「~人」という意味になります。
Los japoneses(日本人、英語なら the Japanese のように国民全般につい
ていう場合)
Las francesas(フランス人女性たち、前述したように女性系複数は、女性だ
けを話題にする場合に使う)
59.
El andaluz(アンダルシア人、単数形なので「そのアンダルシア人」ぐらいの
意味)
また、男性単数形に定冠詞をつけると、「~語」の意味にもなります(elespañol
スペイン語、el inglés 英語、el japonés 日本語、el chino 中国語など)。
上記の例でもうおわかりと思いますが、スペイン語では形容詞は基本的に名詞の
あとに来ます。名詞の前に来る場合は、主観的な意味が加わります。
una pobre señorita(かわいそうなお嬢さん)
una señorita pobre(貧しいお嬢さん)
un hombre grande(大男:図体がでかいだけで、何の役にも立たない人間
でもかまわない)
un gran hombre(偉人:実際は背丈が小さくても、世界史上大きな役割を
演じた人間であればかまわない)
un viejo amigo(旧友:30 歳ぐらいでも、昔からの友達であればこう言える)
un amigo viejo(老友:知り合ったばかりの友人でも、年配であればこう言
う)
ですが、bueno(よい)や malo(悪い)などは名詞の前に来ることが普通です。
また、bueno や malo は、男性単数名詞の前では buen や mal、grande は単数名詞の
前では gran という形になります。
4.3 定冠詞の使い方
さてここで、今まで紹介してきた文法の整理も兼ねて、定冠詞の用法を紹介しま
しょう。
定冠詞というぐらいですから、基本的に英語の the と同じように使えます。たと
えば、
60.
¿Dónde estála llave?(鍵はどこ?、英語だと Where is the key?)
Eso es el gato de Patricia.(それは、パトリシアの猫だ、英語だと That is
Patricia’s cat.)
また、スペイン語では主語になる名詞には必ず定冠詞や所有形容詞などがつきま
す。ですから、
Los elefantes son gigantes.(象は巨大だ、英語だと Elephants are
huge.)
Las rusas son rubias.(ロシア女性は金髪だ、英語だと Russian women
are blond.)
Los niños están cansados.(男の子たちはとても疲れている、英語だと
Boys are tired.)
El agua es muy importante para la vida.(生命にとって水は大切だ、英
語だと Water is important for the life.水が女性名詞なのに定冠詞が el に
なる理由は 3.4 を参照)
のように、英語では定冠詞がつかないような場合でも、スペイン語では定冠詞をつけ
ます。ちなみに、muy は英語の very に当たる単語です。よく使うので、ここで覚え
ておきましょう。
また、スペイン語では英語の名詞+'s にあたる言い方がなく、誰のものかをいう
ときには、いつも de+名前といいます。ですから、
La bicicleta de Juan es lenta.(フアンの自転車は遅い、英語だと Juan's
bike is slow.、lento/a は「遅い」)
La habitación de Luis está limpia.(ルイスの部屋はきれいだ、英語だと
Luis' room is clean.、limpio/a は「きれい」)
となります。他にも定冠詞を使った表現はあるのですが、それは追々紹介してゆきま
しょう。
61.
4.4 時間の表現、100 までの数の表現
さてここで、時間と数の表現を覚えましょう。まず、時間の聞き方は、
¿Qué hora es? (何時ですか?)
です。実に簡単ですね。それに対し、問題は時間の答え方です。その前に、1 から
100 までの数え方を覚えましょう(時間表現という意味では 59 まで覚えておけば十分
ですが、せっかくなので 100 まで)。
0 1 2 3 4 5
cero uno / una dos tres cuatro Cinco
0 は zero ではなく cero と綴り、発音もセロとなります。1については、女性形を
使う場合は una(たとえば女性のグループで人数を数える場合、una, dos, tres…とな
る)、それ以外の場合には uno になります。
6 7 8 9 10
seis siete ocho nueve diez
9の意味のnueveは、「新しい」の意味のnuevo/nuevaと形が似ていますので、
間違わないようにしましょう。
11 12 13 14 15
once doce trece catorce quince
このあたりは特に問題ないでしょう。なお、スペインでは「スペイン盲人協会」
(Organización Nacional de Ciegos Españoles)の略称も ONCE となります。ONCE
は宝くじの収益でさまざまな慈善事業を行う団体で、スペイン社会では非常に知られ
た存在ですので、ご注意ください。
62.
16 17 1819
dieciséis diecisiete dieciocho diecinueve
これらは、diez y seis…などの表現を 1 つの単語にしたものですので、非常にわ
かりやすいと思います。
20 21 22 23 24 26
Veinte veintiuno Veintidós veintitrés Veinticuatro Veintiséis
20 台は veinti なになにと一語にして書くのですが、一の位が一音節となる 2、3
と 6 の場合には、一の位の数字にアクセント記号をつけます。また、21 のあとに男性
名詞が来る場合には veintiún と(例: tengo veintiún años 私は 21 歳です)、女性名
詞が来る場合には veintiuna となります(例: hay veintiuna sillas 椅子が 21 個あり
ます)。
30 40 50 60 70 80 90 100
treinta cuarenta cincuenta sesenta setenta ochenta noventa cien
30~99 の場合は、(十の位)+y+(一の位)という表現になり、たとえば 46 な
ら cuarenta y seis、93 なら noventa y tres となりますが、やはり一の位が 1 の場合
には、21 と同様、男性名詞と女性名詞で形が変わります。Tengo treinta y un años
(私は 31 歳です)、hay sesenta y una sillas(椅子が 61 個あります)。60 と 70 は
形が似ているので、間違えないようご注意ください。101 以降の表現については、別
途紹介したいと思います。
そして、時間の答え方なのですが、1 時と 2 時以降では違います。1 時の場合は
Es la una.
で、2 時以降の場合は(たとえば 9 時)
63.
Son lasnueve.
といいます。なぜ la や las という女性定冠詞がつくかというと、hora(時間)が女性
名詞だからです。以下、分をつけた表現を見てみたいと思います。
Son las siete y cinco.(7 時 5 分です)
Son las siete y doce.(7 時 12 分です)
Son las siete y cuarto.(7 時 15 分です)15 分という表現は cuarto で、
4 の cuatro と似ているので要注意。
Son las siete y veinticuatro.(7 時 24 分です)
Son las siete y media.(7 時半です)
31 分から 59 分までについては、厳密に表現したい場合には上記の応用で、たと
えば「7 時 52 分」は Son las siete y cincuenta y dos.と言いますが、実際の会話で
は 5 分単位で丸めた上で、「8 時~分前」という発想から、以下の表現を使うことが少
なくありません。
Son las ocho menos veinticinco.(7 時 35 分=8 時まで 25 分)
Son las ocho menos veinte.(7 時 40 分=8 時まで 20 分)
Son las ocho menos cuarto.(7 時 45 分=8 時まで 15 分)
Son las ocho menos diez.(7 時 50 分=8 時まで 10 分)
Son las ocho menos cinco.(7 時 55 分=8 時まで 5 分)
また、中南米では(分)para la(s) 時(あと~分で~時)という言い方もします。
ですので、7 時 50 分という場合、Son las ocho menos diez.(8 時まで 10 分)のか
わりに Diez para las ocho.(あと 10 分で 8 時)という表現も使われます。
あと最後になりましたが、「午前」や「午後」などに相当する表現は、以下の通
りです。
de la madrugada(深夜/早朝、基本的に日の出前の時間帯について使う)
64.
de lamañana(午前、基本的に昼食時間以前のことになるが、メキシコやス
ペインでは昼食が通常 14 時以降なので、la una de la mañana は深夜 1 時
ではなく午後 1 時=13 時の意味になる)
de la tarde(午後、基本的に昼食後日没まで)
de la noche(夜、基本的に日没後深夜まで)
なので、以下の形で言い分けることができます。
Son las diez de la mañana(朝 10 時です)
Son las diez de la noche(夜 10 時です)
Son las tres de la madrugada(午前 3 時です)
Son las tres de la tarde(午後 3 時です)
4.5 まとめ
スペイン語の指示形容詞には、「これ」(este...)、「それ」(ese...)と
「あれ」(aquel...)の 3 系統が存在する。
名詞や形容詞の複数形は、母音で終われば基本的に s を、子音で終われば基本
的に es をつけるが、例外もある。
地名の形容詞は、定冠詞をつけることでそのまま「~人」や「~語」(男性単
数形)という意味になる。
スペイン語では形容詞は、基本的に名詞のあと、前に来る場合には主観的な意
味合いが加わる
スペイン語では主語になる名詞には必ず定冠詞などをつける。英語なら
Elephants are huge と言えるが、スペイン語では Los elefantes と los をつ
けないといけない。
時間を尋ねる表現は¿Qué hora es?で、答えは Son las (~時)(y ~分)だ
が、いろんなバリエーションがある
65.
5.動作の表現、副詞、疑問詞
ここでは、規則動詞の直説法現在形の活用形を紹介します。また、副詞についても解説します。
5.1 ar 動詞の活用形、副詞
ここからは、be動詞以外の一般動詞を覚えましょう。例によって、それぞれの動詞が活用します。
まず、スペイン語の動詞はすべて、ar、er あるいは ir のどれかで終わります。そして、この語尾に
よって活用が決まっています。まずは、数も多く基本的な動詞が多い、ar 動詞の活用形を見てみまし
ょう。
ar 動詞規則活用:hablar(話す、英語の speak)の例
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) hablo
nosotros /
nosotras
(私たち)
hablamos
tú(きみ)
hablas
(hablás)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
habláis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
habla
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
hablan
なお、hablás というのは、前述した vos のアルゼンチンでの活用形です(以下同様)。アルゼ
ンチンや中米のスペイン語を学んでいる人には重要ですが、それ以外の人には特に関係ありません。
ここで、例文を見てみましょう。
¿Hablas español?(スペイン語を話せますか?)
Hablo un poco de español.(スペイン語は少しできます)
66.
¿Habla ustedinglés?(あなたは英語を話せますか?)
No hablamos japonés.(私たちは日本語を話せません)
Los filipinos hablan muy bien el inglés.(フィリピン人は英語が上手です)
「何語」というときは、前述した通り普通は定冠詞 el をつけますが、hablar のあとに来る場合、
el は必要ありません。せっかくですので「何語」という言い方を覚えましょう。
ヨーロッパの主要言語
español / castellano(スペイン語)
inglés(英語)
francés(フランス語)
alemán(ドイツ語)
italiano(イタリア語)
portugués(ポルトガル語)
ruso(ロシア語)
holandés(オランダ語)オランダ語のベルギー方言であるフラマン語は flamenco。ダン
スのフラメンコと同じ単語なので要注意。
griego(ギリシャ語)
danés(デンマーク語)
sueco(スウェーデン語)
noruego(ノルウェー語)
finlandés(フィンランド語)
polaco(ポーランド語)
checo(チェコ語)
eslovaco(スロバキア語)
húngaro(ハンガリー語)
rumano(ルーマニア語)
esloveno(スロベニア語)
croata(クロアチア語)
serbio(セルビア語)
búlgaro(ブルガリア語)
macedonio(マケドニア語)
albanés(アルバニア語)
ucranio(ウクライナ語)
aymara(アイマラ語: ボリビアあたりで広く使われている先住民の言語)
guaraní(グアラニー語: パラグアイではスペイン語と並んで公用語)
実は、「スペイン語」には二つ言い方があります。多少⾧い説明になりますが、ぜひ読んでください。
いわゆる「スペイン語」(この講座で習っているスペイン語)は本来、スペイン中部、カスティーリャ地
方とその周辺だけで使われていた言葉だったのですが、カスティーリャの政治支配が強まる中、全スペ
イン、さらには中南米のスペイン領植民地でも使われるようになりました。しかしながら、スペインの中
でもカタルーニャやバスク、そしてガリシアでは今でも別の言葉がスペイン語とともに使われており、「カス
ティーリャのことばは別にスペイン全体の言葉じゃない」などという観点から、「スペイン語」(español)
ではなく「カスティーリャ語」(castellano)という表現が使われるようになりました。また、南米の一
部の地域(アルゼンチン、チリ、ペルーなど)では、逆に「純正なスペイン語を喋っている」という意識
から、castellano のほうが好まれて使われて(たとえば小学校の「国語」という意味で、castellano
と教科書に書いてあります)います。日本在住の方の場合、「スペイン語」という日本語につられて
español と言うことも多いのですが、castellano もまた「スペイン語」という意味である、ということを
頭に入れておいてください(この講座では、español を使うことにします)。
さて、この他の重要な ar 動詞の例を見てみましょう。
Estudiamos juntos la matemática.(私たちは一緒に数学を勉強する、
estudiar は「勉強する」、juntos は「いっしょに」という副詞)
Ella trabaja en un banco.(彼女は銀行で働いている、trabajar は「働く」、en
は「~で」という意味の前置詞)
Todos los veranos viajo por España.(私は毎年夏にはスペインを旅行する、
viajar por ~で「~を旅行する」)
Habláis muy rápido. / rápidamente.(きみたちはとても早く喋る)
¿Tomas este zumo de naranja?(このオレンジジュース飲む?、中南米だと
jugo de naranja、tomar は英語の take の意味)
Manolo canta muy bien.(マノロは歌がうまい、cantar は「歌う」)
Escuchamos esta canción.(私たちはこの歌を聴く:escuchar は「聞く」、
canción は「歌」)
Ella compra muchos helados.(彼女はたくさんアイスクリームを買う、comprar
は「買う」、helado は「アイスクリーム」の意味)
Juan pasea por esta calle.(フアンはこの通りを散歩する、pasear で「散歩す
る」、por ~で「~のあたりを」、calle は「通り」)
Adriana baila flamenco.(アドリアーナはフラメンコを踊る、bailar は「踊る」)
69.
¿Visitáis estemuseo mañana?(きみたちは明日この美術館に行く?、visitar
は「訪れる」、museo は美術館や博物館)
ここで、副詞についてもちょっと説明したいと思います。形容詞は名詞を修飾する単語ですが
(例: 「速い自動車」の「速い」)、副詞は動詞や形容詞、そして副詞自身を修飾する単語です。
Este ordenador funciona bien.(このコンピュータはちゃんと機能する、副詞の
bien(よい)は動詞 funcionar(機能する)を修飾)
Este coche es muy nuevo.(この車は非常に新しい、副詞の muy(非常に)は
形容詞 nuevo(新しい)を修飾)
Este ordenador funciona muy bien.(このコンピュータは非常によく機能する、
ここでは副詞の muy が別の副詞 bien を修飾している)
形容詞の中には、副詞として使うことのできるものも数多く存在します。英語では形容詞に ly を
つけることで、形容詞を副詞化することができますが(例: slow(遅い)> slowly(遅く))、ス
ペイン語では形容詞の女性単数形に mente をつけて副詞化して使います(もともと「~の心で」と
いう表現から派生したもので、mente(心、英語の mind に相当)が女性名詞であるため)。ま
た、動詞を修飾する場合には男性単数形をそのまま副詞として使うことができます。
Hablas rápidamente. = hablas rápido.(きみは速く話す)
Cantan muy emocionadamente. = Cantan muy emocionado.(彼らは
非常に情熱的に歌う)
Culturalmente este país es muy interesante.(この国は文化的には非常に
興味深い: この場合、形容詞 interesante にかかっているため、女性単数形を使う必
要があり、cultural とは言えない)
5.2 er 動詞の活用形
次に、ar 動詞の次に多い er 動詞を勉強しましょう。
er 動詞規則活用:comer(食べる、英語の eat)の例
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) como
nosotros /
nosotras
comemos
70.
(私たち)
tú(きみ)
comes
(comés)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
coméis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
Come
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
comen
例:Los japonesescomen pescado crudo.(日本人は生魚(刺身のことをこう
いう)を食べる)。
er 動詞の場合、語尾に a ではなく e が来ている点が特徴的です。これも同じように、例を見てみ
ましょう。
Vendemos esta artesanía por cien pesos.(私たちはこの民芸品を 100 ペ
ソで売る、vender で「売る」)
Leo este periódico.(私はこの新聞を読む、leer は「読む」)
Este carro corre muy rápido.(この車はとても早く走る、carro は中南米風の
言い方、スペインでは coche、correr で「走る」、なおアルゼンチンでは auto が普通)
David bebe mucho.(ダビッドはお酒をたくさん飲む、beber で「(お酒を)飲む」)
5.3 ir 動詞の活用形
最後に、ir 動詞を勉強しましょう。
ir 動詞規則活用:vivir(住む/生きる、英語の live)の例
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) vivo
nosotros /
nosotras
(私たち)
vivimos
71.
tú(きみ)
vives
(vivís)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
vivís
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
Vive
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
viven
ir 動詞の活用はer 動詞と似ており、違うのは nosotros/as と vosotros/as だけです。また、
vos と vosotros/as の活用が一緒になっているので一見混乱するように思えますが、vos を使う地
域では vosotros/as や tú は使われないため、混乱することはありません。
Los periodistas escriben muchos artículos todos los días.(新聞記者
は毎日多くの記事を書く)
Mis hermanos viven en Mendoza pero yo vivo en Santiago de Chile.
(私の兄弟はメンドサ(アルゼンチンの街)に住んでいますが、私はチリのサンティアゴに
住んでいます)
¿Abro esta ventana?(この窓を開けようか?、abrir で「開ける」)
Santiago という街は、アルゼンチン(Santiago del Estero)やスペイン(Santiago de
Compostela)、それにキューバ(Santiago de Cuba)などにもあるので、紛らわしい場合は
Santiago de Chile といいます。
※todo は英語の all の意味で、todo(a)(s)+定冠詞+名詞で、「すべての~」という意味
になります。例:Vendo todas las peras aquí.(ここにある梨は全部売るよ)、Juana bebe
toda la botella del vino.(フアナはこのボトルのワインを全部飲む)
5.4 疑問詞
ここまでの記述で疑問詞についても一部紹介しましたが、ここで改めて、スペイン語の疑問詞を紹
介しましょう。
72.
qué(何、英 What):「何が」と「何を」の両方の意味で使えます。また、その後に名詞を
つけると、「どの」の意味になります。また、複数形の名詞が続く場合でも、qué のままです。
例: ¿Qué estudias en la Universidad?(大学では何を勉強しているの?)、¿Qué
idiomas hablas?(きみは何語を話しますか?)
quién(es)(誰、英 who): 英語では「誰が」(who)と「誰を」(whom)、そして
「誰に」(whom … to)を区別しますが、スペイン語では「誰を」や「誰に」は A quién に
なります。また、複数の人について質問していることがわかっている場合、quién も複数にしま
す。¿Quiénes son vuestros clientes?(皆さんの顧客は誰ですか?)、¿A quién le
envías el mensaje?(メッセージは誰に送ってるの?)
cuándo(いつ、英 when): 日付や時刻などを尋ねる表現です。
dónde(どこで、英 where): 場所を問う質問です。目的地を問う(例: 「どこに行く
の?」)場合には、adónde(どこに)となります。
por qué / porqué(なぜ、英 why): 理由を問う質問です。答える場合は
Porque…と、que にアクセントを打たず、また 1 語で始めます(英 because)。
cómo (どのように、英 how): 方法を問う質問です。
cuánto(s)/a(s) (どれだけ、英 how many / how much): 数量の多寡を問
う質問です。可算名詞(例: naranja オレンジ、árbol 木)の場合には通常複数形で、
そして不可算名詞(例: agua 水、oro 金属の金)の場合には通常単数形で、それぞれ
性をあわせて使います。例: ¿Cuánta agua necesitas?(どれだけの水が必要なの?、水
は不加算女性名詞なので女性単数形)、¿Cuántos árboles hay en este parque?
(この公園にはどれだけの木があるの?、árbol は加算男性名詞なので男性複数形)
cuál(es)(どの、英 which): 選択肢が限定されている中で、そのうちどれを選ぶのかを
問う場合に使えます。例: ¿Cuál opción te parece la mejor?(どの選択肢が最高に
思われますか?)、¿Cuáles son tus gafas?(どれがきみのメガネですか?、メガネは
gafas と複数形なので、それに合わせて疑問詞も複数形に)
5.5 まとめ
スペイン語の規則動詞は、ar 動詞、er 動詞と ir 動詞の 3 パターン。
ar 動詞の現在形は、たとえば hablar なら hablo, hablas, habla, hablamos,
habláis, hablan
にあたる表現として、Te amo.を習った人もいるでしょうが、誰かに自分の愛を告白する場合以外、
たとえば「彼は彼女を愛している」などという場合にはは quererを使います)。さらに、querer を使
って、「~してくれない?」ということもできます。例文を見てみましょう。
Quiero viajar por España.(スペインを旅行したい)
Julio quiere trabajar en una agencia de turismo.(フリオは旅行代理店で
働きたがっている)
¿No quieres este jugo? Es muy sabroso.(このジュース(jugo は中南米の
言い方で、スペインでは zumo)ほしくない? とてもおいしいよ)
Roberto quiere a Carla, pero ella no le quiere.(ロベルトはカルラのことが
好きだけど、彼女のほうは彼を好きではない。le はスペインでの言い方で、中南米では
ella no lo quiere.になる)
Te quiero.(きみのことが好きだよ)
¿No quieres escribirme un e-mail?(私にメールを書いてくれない?)
¿Qué quieres hacer ahora? ¿Pasear o descansar?(今は何をしたいの?
観光、それとも休憩?、o は「または」(英語の or)の意味だが、o や ho の前では u と
なる。¿Ayer u hoy?(昨日、それとも今日?)また、アラビア数字にはさまれた場合に
はアクセント記号をつける。5 ó 6(アラビア数字の間なのでアクセントあり)、cinco o
seis(アラビア数字ではないのでアクセント記号なし))
というようになります。ちなみに、人名が目的格に来る場合は、「~を」の場合でも a という前置詞を
つけます。さてここで、te とか me とか、見たことのない表現がありましたが、これが人称代名詞の目
的格、つまり「私に」とか「彼を」などというものです。これも一覧表を見てみましょう。
スペイン語の目的格
主格 目的格 主格 目的格
Yo me
nosotros/
nosotras
nos
tú (vos) te
vosotros/
vosotras
os
él / usted
(男性の場合)
lo
(スペインでは le)
ellos / ustedes
(男性がいる場合)
los
(スペインでは les)
ella /usted
(女性の場合)
la
ellas / ustedes
(全員女性の場合)
las
76.
それ
(男性名詞)
lo
それら
(男性名詞)
los
それら
(女性名詞)
la
それら
(女性名詞)
las
間接目的格
le
se(別の 3 人称目
的格がある場合)
間接目的格
les
se(別の3 人称目
的格がある場合)
英語と違って、スペイン語では 3 人称の場合は直接目的格(「~を」)と間接目的格(「~に」)
では形が変わります。「あなた(たち)」(usted(es))の場合は、その性や数に従います。また、
スペイン語では目的格人称代名詞は、動詞の前に置きます。
Le respetamos mucho.(彼、あるいはあなた(男性)を私たちはとても尊敬していま
す:スペインでの例)
Lo respetamos mucho.(彼、あるいはあなた(男性)を私たちはとても尊敬していま
す:中南米での例)
Juan no la quiere más.(フアンは彼女をもはや愛していない、no más で「もはや~し
ていない」)
Les escribo muchas veces a Marta y a Gonzalo.(私はマルタやゴンサロによく手
紙を書く、ここでの les は間接目的格、muchas veces で(しょっちゅう))
Las tarjetas postales las enviamos a Londres.(私たちはロンドンにはがき(複
数)を送る、a は英語の to に当たる前置詞で、「~に」という意味)
El público los aplauden.(観衆は彼らを称える、aplaudir は「拍手する」、中南米の
例)
El público les aplauden.(観衆は彼らを称える、スペインの例)
Mucha gente nos critica.(たくさんの人が私たちを批判する)
具体的に人名を挙げて「~に」という場合、普通は 4 番目の例文のように、人称代名詞(les)
を前に出して、それから具体的な名前(a Marta y a Gonzalo)をいいます。また、不定詞になっ
ている動詞が人称代名詞の目的格を取る場合、その動詞のあとに持ってきてもかまいません。たとえ
ば「私はこの本を読みたい」(Quiero leer este libro.)ではなくて「私はこれを読みたい」という場
合、
Quiero leerlo.
77.
とも
Lo quieroleer.
ともいえるわけです。また、5 番目の例文のように、まず直接目的語や間接目的語(ここでは las
tarjetas postales)を言ってから、それを代名詞(ここでは las)でもう一度受けるということもで
きます。なお、代名詞が 2 つつく場合、間接目的格・直接目的格の順番で置き、アクセントの規
則により動詞にアクセント記号が付きます。
¿Quieres explicármelo?(私にそれを説明してくれる?、explicar は「説明する」)
¿Quieres pasármela?(私にそれを渡してくれる?: 例えば la sal(塩)であるこ
とが明らかな場合)
また、3 人称の代名詞が 2 つ続く場合、間接目的格が le(s)ではなく se になります。これに
ついて見てみたいと思います。
Le regalo esta torta.(私は彼女にこのケーキをプレゼントします: regalar は「贈
り物をする」、torta は「ケーキ」)
Se la regalo.(私は彼女にこれをプレゼントします) Le の部分が se になる。
6.2 「~できる」の表現、「何時に」という表現(poder)
次に、「~できる」という意味の poder という動詞を覚えましょう。これも語根母音変化動詞です
が、そのパターンが少し違います。
語根母音変化動詞(o>ue)の直説法現在:poder(~できる、英語の can)の例
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) puedo
nosotros /
nosotras
(私たち)
podemos
tú(きみ)
puedes
(podés)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
podéis
él(彼) puede ellos(彼ら) pueden
78.
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
これも前回習った er 動詞の規則活用に従えば、podo,podes, pode, poden になるはずで
すが、語根母音変化動詞の場合アクセントが来た場合、o が ue になってしまいます。
さて、この poder は英語の can とは少し違います。英語の can は助動詞ということで、たとえば
I'll can とか I can it.などという表現はできませんが、スペイン語の poder はあくまでも普通の動詞
ということなので、たとえば No lo puedo.(それはできない)と言えたりします。とりあえずここで用例
を見てみましょう。
No puedes trabajar aquí mañana?(明日ここで働いてくれない?)
¿Podemos visitaros a las diez?(明日 10 時にきみたちの家に行っていい?、
スペイン限定の vosotros を使った表現で、中南米では visitarlos となる)
Hoy ya no podemos caminar más(今日は私たちはもうこれ以上歩けない:
ya は「すでに」という意味)
¿Puedes pasarme la sal?(塩を私に渡してくれない?)
¿Puedo usar este ordenador?(このパソコン使っていい?、中南米だったら
esta computadora)
No puedo terminar este trabajo para mañana.(この仕事を明日までには
終わらせられない、para+日付で「~までに」という期限の表現になる。Hasta ではな
いので注意)
¿Puedes ayudarme?(私を手伝ってくれる?)
というようになります。querer と同じように、「~してくれる?」という表現ができる点、面白いですね。
また、「何時に」は、a la(s)+時刻です。たとえば、
a las tres y media(3 時半に)
a las ocho menos cuarto de la mañana(午前 7 時 45 分に)
a las dos y cuarenta y seis(2 時 46 分に)
となります。
さて、英語では can で言えることでも、スペイン語では poder では言えないことがあります。たとえ
ば、
79.
I canspeak French.(私はフランス語を話せます)
というものですが、「~語を話せる」という場合は、スペイン語では単に
Hablo francés.
または次の章で習う saber(知っている)を使って
Sé hablar francés.
といいます。No puedo hablar francés.というと、まるで法律でフランス語を話すことが禁じられて
いるような変な感じになってしまいます。また、
I can play the Guitar.(私はギターを弾けます)
というように、「ギターを弾く」や「泳ぐ」、「チェスを指す」、「スケートをする」、また「フラメンコを踊る」など、
習ってできるようになる行為については、やはり saber を使い、
Sé tocar la guitarra.
といいます。ここで Yo no puedo tocar la guitarra.というと、まるで「私はギターを弾く技術はあ
るけど、今は指が凍っていて動かないから弾けない」のような意味になってしまいますので、注意し
てください。
6.3 数をたずねる表現
さて、ここで数をたずねる表現を覚えましょう。英語の how much と how many は、スペイン語
ではどちらも cuánto で、名詞に合わせて性数変化します。例を見てみましょう。
¿Cuánto tiempo necesitas para terminar este trabajo?(この仕事を終
えるのにどれだけの時間がかかる?、necesitar は「必要とする」)
¿Cuántas manzanas quieres?(いくつリンゴがほしい?)
¿A cuánto es este libro?(この本はいくら?)
¿Cuántos sois?(きみ達は何人かい?)
¿Cuántas sois?(きみ達は何人かい?、全員女性であることがわかっている場合)
¿Cuántos museos hay en esta ciudad?(この街にはいくつ美術館があります
か?)
80.
となります(値段については a をつけて使います)。そのあとに来る名詞によって、形容詞と同じように
変化します。ここでhay という見慣れない単語が出てきましたが、これは haber という動詞の直説法
現在 3 人称単数の活用形の 1 つで、英語の there is(are)に対応し、単に「~にはいくつ~があ
る」という表現のときに使います(haber 自体については、第 10 章の現在完了で詳しく説明します
が、ここでは現在完了の意味ではなく所在を意味する場合、ha ではなく hay と活用する点を理解
してもらえれば大丈夫です)。
En España hay cuatro lenguas oficiales.(スペインには4つの公用語がある)
En Japón hay cuarenta y siete prefecturas.(日本には都道府県が 47 存
在する)
En esta habitación hay tres computadoras.(この部屋にはパソコンが 3 つ
ある)
Hay cinco hoteles en este barrio.(この地区には 5 つホテルがある)
Hay tres naranjas en la mesa.(テーブルの上には 3 つみかんがある)
Hay mucha gente aquí en esta biblioteca.(ここの図書館には人がたくさん
いる)
さて、ここで 100 よりも大きな数を勉強してみましょう。まずは 101 から 1000 までを見てみましょ
う。
101 ciento uno
200 doscientos/as
300 trescientos/as
400 cuatrocientos/as
500 quinientos/as
600 seiscientos/as
700 setecientos/as
800 ochocientos/as
900 novecientos/as
1.000 mil
100 は cien ですが、101 から 199 までは ciento 何々、200 から 999 までは何々cientos
になります(ただ 1 語として表記)。ただ、5 と 7 と 9 の場合、少し形が違うので要注意です。最
後に 1000 以上の数を見てみましょう。基本的には英語と同じように、1 万を 10 千、10 万を 100
千として考えます。また、英語では 3 桁ごとにカンマ(,)で区切る一方、小数点はピリオド(.)を
81.
使いますが、スペイン語ではこれが逆になりますので、「千二百三十四・五六」は英語(や日本語)
では 1,234.56 と書く一方で、スペイン語では1.234,56 となります(小数については coma の
あとで一桁ずつ読むため、mil doscientos treinta y cuatro coma cinco seis となる)。
1.001 mil uno
1.492 mil cuatrocientos noventa y dos
1.999
mil novecientos noventa y
nueve
2.000 dos mil
10.000 (1 万) diez mil
23.456
veintitrés mil
cuatrocientos cincuenta y seis
100.000 cien mil
258.394
doscientos cincuenta y ocho mil
trescientos noventa y cuatro
1.000.000 (100 万) un millón
3.000.000 (300 万) tres millones
100.000.000 (1 億) cien millones
1.000.000.000 (10 億) mil millones
1.000.000.000.000 (1 兆) un billón
英語では、1100~1999 を表現する場合に、たとえば 1234 なら twelve hundred thirty
four(直訳すると「12 百 34」)ということが多いですが、スペイン語ではそのような表現はなく
(docescientos とは言わない)、必ず mil doscientos treinta y cuatro と言います。数を表
す場合には mil は複数形になりませんが、「何千もの」という意味では miles de という形で複数形
が使われます。その一方で millón 以上は、数の表現でも複数形が使われます。また、英語では
one billion というと 10 億の意味ですが、スペイン語の un billón は 1 兆の意味になります。スペイ
ン語圏では国内総生産や天文学などを除いて兆以上の単位がほとんど使われないことから(スペイ
ンの GDP が 1 兆ユーロを多少超える程度。例外は 1 円=30 コロンビアペソ程度のコロンビアで、同
国では 1 兆ペソが 300 億円台であるため、公共事業の予算説明などで billón が、他のスペイン語
圏諸国と比べると比較的よく使われる)、英語の billion とスペイン語の billón を混同する人が少
なくありません。また米領であるプエルトリコでは、英語の影響を受けて billón が 10 億の意味になる
こともありますので、そのあたりは確認が必要です。
82.
また、「日本の人口は何人です」や「このアパートの家賃はいくらです」という場合は、de を使いま
す。たとえば、
Lapoblación de Japón es de ciento veintiséis millones.(日本の人口
は1億 2600 万人です)
El alquiler del piso es de setenta mil yenes por mes.(このマンションの
家賃は月 7 万円です)
となります。ここで del というのが出てきましたが、これは de el を縮めて del とした形です。ま
た、a と el が結びついた場合は必ず al となります。これの例を見てみましょう。
Este restaurante ofrece un buen menú del día(このレストランはよい昼食
メニューを出している: スペインのレストランは、2 皿+デザートかお茶/コーヒーがセットと
なった昼食メニューを出すことが多い)
Regalo este juguete al hijo de Marcelo.(このおもちゃをマルセロの息子にあ
げる)
というように、de el となった場合は、必ず del とします。ただ、地名や固有名詞などで定冠詞 el が含
まれている場合は、別です。
Hoy llega Sergio a El Salvador.(今日セルヒオがエル・サルバドルに到着する: al
Salvador とはならない)
Tengo un folleto de El Prado.(私はプラド美術館(スペイン・マドリッドにある美
術館)のパンフレットを持っています、del Prado とはならない)
6.4 序数・分数
またスペイン語には、英語の first, second…に相当する序数があります。
1 番目: primero/a
2 番目: segundo/a
3 番目: tercero/a
4 番目: cuarto/a
5 番目: quinto/a
6 番目: sexto/a
83.
7 番目:séptimo/a
8 番目: octavo/a
9 番目: noveno/a, nono/a
10 番目: décimo/a
11 番目以降も一応存在するのですが(11 番目は undécimo/a か décimo primero/a、
12 番目は duodécimo/a か décimo segundo/a、13 番目からは décimo のあとに 1 桁目の
序数を使う)、現在はあまり使われません。たとえば前ローマ教皇のベネディクト 16 世は、英語では
Benedict the sixteenth と言いますが、スペイン語では通常 Benedicto dieciséis と言います
(表記は Benedicto XVI)。また、1 番目や 3 番目については、男性名詞単数形の前に来る場
合、o が取れて primer や tercer という形になります(primer ministro de Japón: 日本の首
相、tercer mundo 第三世界)。
これら序数が生活の中で最も使われるのは、ビルの階数でしょう。スペイン語では序数男性形
+piso または序数女性形+planta という表現がよく使われますが、この際に国によって階数の基準
が違うことに注意する必要があります。メキシコやチリなど米国の影響の大きい国では、日本と同じよ
うに地上階が 1 階となりますが、スペインや、ヨーロッパの影響の強いアルゼンチンでは、ヨーロッパ風に
地上階を 0 階とみなし(エレベーターがある場合、階数表示が 0 となる)、日本でいうところの 2 階
を primer piso/primera planta、そしてその上は 1 階ずつズレる(スペインのほうが日本よりも 1
つ数字が少なくなる)ことになります。なお、スペインやアルゼンチンなどでは、日本でいうところの 1 階
は planta baja と言います。11 階以上については、undécimo piso / décimo primer piso
/ piso once といった表現を使うことになります。
また、古代史や中世史において「1~10 世紀」という場合にも、やはりこの序数が使えます。たと
えば「3 世紀」なら Siglo III と表記して、tercer siglo と発音します(ちなみに、紀元前は a.C.と
書いて”antes de Cristo”と、紀元後は d.C.と書いて”después de Cristo”と発音します)。と
はいえ、11 世紀以降については siglo+数字という表現を使うため(たとえば 21 世紀なら Siglo
Veintiuno)、日常生活にはあまり関係ないかもしれません。
また、分数は以下のように表現します。
分母については、2 の場合は medio、3 の場合は tercio、4 の場合は cuarto、
5~10 は序数と一緒で、11 以降は普通の数字に avo をつける(たとえば 12 の場
合は doceavo)
84.
最初に分数を普通の数字で表現したのち、分母については上記の規則でいい、分子
が 2以上の場合は分母を複数形にする。3 分の 1 なら un tercio、4 分の 3 なら
tres cuartos、15 分の 4 の場合は cuatro quinceavos など。
6.5 まとめ
語根母音変化動詞とは、単数形と 3 人称複数の活用において、最後から 2 番目の音節
が e から ie、o から ue に主に変化するもの。
スペイン語の目的格代名詞は me, te, lo, la, le, nos, os, lo, las, les。3 人称につい
ては直接目的格と間接目的格を区別し、3 人称の代名詞が 2 つ並ぶ場合、se となる。
目的格代名詞は、基本的に動詞の前に置くが、動詞の不定形にかかる場合には動詞の後
に置くことができる。また、2 つ並んだ場合、間接目的語のほうを先に置く。
英語の can に相当する動詞は poder と saber だが、使い方が違うので注意。
de el は del と、a el は al と縮訳される。ただ、固有名詞の場合には適用されない。
スペイン語にも、英語の first や second に相当する表現があるが、11 以上はあまり使わ
れない。また分数表現は、英語とちょっと違う。
85.
7.行き先や予定、義務、正確な位置を表す
ここでは、ir や tenerの活用や用法、そして主な前置詞を学習します。
7.1 ir(英語の go)
ここで英語の go に当たる、ir 動詞を覚えましょう。まずは活用からどうぞ。
ir 直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) voy
nosotros /
nosotras
(私たち)
vamos
tú(きみ) vas
vosotros /
vosotras
(きみたち)
vais
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
va
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
van
活用形は完全に不規則ですね。これはもう、このまま覚えてください。
まず、英語の go に当たると書きましたが、その通り「どこに行く」という表現が、この動詞(ir a+場
所)を使ってできます。
Esta tarde voy al aeropuerto.(私は今日の午後、空港に行く)
¿Adónde vais ahora?(きみたち、今からどこに行くの?)adónde は「どこに」とい
う単語で 1 語扱い。
86.
Mañana vaVíctor a Madrid.(ビクトルは明日マドリッドに行く)
En verano muchos alemanes van a España.(夏にはたくさんのドイツ人が
スペインに行く)
また、vamos a ~という表現は、「~に行こう」や「~しよう」という、誘いの表現にもなります。
Vamos al cine.(映画館に行こう)
¡Vamos a bailar!(踊ろうよ!)
Vamos a comer paella.(パエリアを食べよう)
次に、近い予定を表す時には ir a+不定詞が使われます(英語の be going to と似たような
用法)。これも例文を見てみましょう。
Este fin de semana voy a visitar la Sagrada Familia.(私は今週末、サグ
ラダ・ファミリアを訪れます)
Este grupo va a lanzar su nuevo CD en junio.(このグループは 6 月に新し
い CD を出す)
Creo que ella va a pasar este examen.(彼女は試験に通ると思う:creo
que で「~と思う」)
¿Qué vas a hacer esta noche?(今晩何をするの?)
となります。
また、こういった使い方もあります。
Mi jefe no me va bien.(私の上司は私とはどうも馬が合わない)
A Cecilia le va muy bien esta falda.(このスカートはセシリアにぴったりだ)
このように、相性が合う、合わないといったことも ir bien a で表現できます。
7.2 tener(英語の have)動詞
次に、英語の have に当たる、tener 動詞を覚えましょう。まずは活用からどうぞ。
tener の直説法現在
87.
主語 活用形 主語活用形
yo(私) tengo
nosotros /
nosotras
(私たち)
tenemos
tú(きみ)
tienes
(tenés)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
tenéis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
tiene
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
tienen
基本的に querer と同じ形の語根母音変化動詞なのですが、yo のところが、tieno ではなく
tengo となっています。まあ、tengo という形はよく使うのですぐ覚えると思いますが。
まず、英語の have に当たると書きましたが、その通り「~を持っている」という表現が、この動詞
(tener)を使ってできます。
Tengo muchos hermanos, pero no tengo hermana.(おれには兄弟はた
くさんいるけど、姉妹はいない)
¿Cuántas bicis tenéis?(自転車をきみたちは何台持ってるの?)
Tenemos una casa en Miami.(ぼくたちはマイアミに家を持っている)
Los japoneses tienen una tradición muy interesante para los
latinoamericanos.(中南米人にはとても興味深い伝統を日本人は持っている、
para は「~にとって」、los+地名の男性複数形で「~人」)
また、tener que+不定詞という表現は、「~しなければならない」という、義務の表現にもなりま
す。英語の have to と同じですね(no tener que だと「~しなくてもいい」)。
Tengo que trabajar toda la noche.(一晩中おれは働かないといけない)
No tienes que venir tan temprano.(別にそんなに早く来なくてもいいよ: tan
は「そんなに」、temprano は「早い」)
Tenemos que arreglar esta computadora.(私たちはこのパソコンを修理し
なければいけない)
88.
Tengo queentregar este informe para mañana.(明日までにこの報告書
を提出しないといけない)
義務を表す動詞には、この他 deber(これは規則活用)がありますが、これは英語の must に
相当し、tener que よりも多少強い言い方になります。また、否定文(no deber)にすると「~し
てはいけない」という意味になります。
No tienes que venir aquí.(ここに来なくてもいいよ:別に来たかったら来てもい
い)
No debes venir aquí.(ここには来てはいけない:来るなという意味)
さらに前章で習った hay を使った hay que も、主語を明確にすることなく「~すべきだ」という
表現になります(no hay que だと「~する必要はない」)。
Estoy mareado. ¡¡Hay que parar el coche ya!!(私は車に酔っています。今
すぐ車を止めないと!!、parar は止める、命令など要求文では ya は「今すぐに」という意
味)
Hoy es domingo, no hay que trabajar.(今日は日曜日だ。特に働かなくてよ
い、hoy は「今日」、domingo は「日曜日」)
「~してください」、あるいは「~するな」という命令形は、スペイン語ではかなり文法的に複雑なの
で、第 13 章でまとめて扱いますが、とりあえずはこういう表現で代用してください。
あと、日本語や英語の感覚ではちょっと考えられないようなものも、スペイン語では「持つ」ことがで
きます。
Tengo mucha hambre.(私はとても腹ペコだ)
Tengo mucha sed.(私はとても喉が渇いた)
Tengo mucho calor.(私はとても熱がある)
Tengo mucho tiempo.(私はとても暇だ/時間がある)
Tengo mucha prisa.(私はとても急いでいる)
Tengo mucho dolor de cabeza.(私は頭がとても痛い)
Tienes razón.(きみのいう通りだ<きみは理性を持っている)
Tengo mucha suerte.(私はとても運がよい)
Tengo mucho sueño.(私はとても眠い)
Tengo mucho miedo a mi padre.(私は父をとても恐れている)
89.
となります。別に mucho をつける必要はないのですが、男性名詞か女性名詞をはっきりさせるた
めにつけてみました。ちなみに、razónは女性名詞です。
7.3 前置詞
次に、ここまであまり取り上げて来なかった前置詞を、ここでしっかりと見てみましょう。
前置詞のあとに来る代名詞は、基本的に主語と同じ形ですが、yo や tú の場合は mí や ti にな
ります。mí にはアクセントがつきますが(「私の」という所有形容詞と区別する必要があるため)、ti
にはつきませんので(tí という単語は他に存在しない)、注意してください。また、前置詞には数多く
の用法がありますが、ここでは主な用法だけを取り上げています。詳しい用例は辞書で取り上げられ
ていますが、そこら辺は中級以上になってから学ぶようにしましょう。
de(~から、~の、~について、英語の from と of、de と el で del)
Estos músicos son de Cuba.(これらのミュージシャンはキューバ出身だ)
Esta partitura es de Chopin.(この楽譜はショパンのものだ)
David habla siempre de Elena.(ダビッドはいつもエレーナのことを話している)
a(~へ、英語の to、a と el で al)
¿Adónde vais?(どこにきみたちは行くの?)
Los ancianos van a Sugamo.(老人は巣鴨に行く)
desde(~から、「から」という意味をはっきりさせる)
hasta(~まで、「まで」という意味をはっきりさせる)
Viajamos desde Lisboa hasta Moscú.(私たちはリスボンからモスクワまで旅行
をする)
Trabajé desde 2001 hasta 2012 en aquella empresa.(私は 2001 年
から 2012 年まであの会社で働いた)
por(~のために、~により、~あたりに)
Julián viaja por Grecia.(フリアンはギリシャを旅行する)
Por el dolor de cabeza no puedo trabajar hoy.(頭痛により今日は、私は
働けない)
90.
para(~のために、~にとって、~の期日までに、~の方向へ)
Esta fotoes para ti.(この写真はきみ向けのものだよ)
Para los católicos Navidad es muy importante.(カトリック信者にとってク
リスマスはとても大切だ)
Necesito terminar esta obra para el viernes.(金曜日までにこの作品を仕
上げる必要がある)
En invierno los pájaros migratorios vuelan para el sur.(冬には渡り鳥
は南に向かって飛ぶ)
como(~として、~のように)como の場合、como mí や como ti ではなく como yo
や como tú と言います。
Todo el mundo te aprecia como gran líder.(誰もがきみを、素晴らしいリー
ダーとして褒めている)
Tu hermana habla como tú.(きみの妹は、きみのように喋るね)
sobre(~の上に、~について、英語の above)
Este avión está ahora sobre Siberia.(この飛行機はシベリア上空に今います)
Este libro es sobre Picasso.(この本はピカソについてのものだ)
en(~の上・中に、交通手段(で)、英語の in と on が一緒になった感じ)
El libro está en la mesa.(本はテーブルの上にある)
Mi abuelo está en casa.(私の祖父は在宅です)
Voy a Kioto en tren.(私は京都まで電車で行く)
debajo de(~の下に、英語の below)
El gato está debajo de la silla.(ネコは椅子の下にいる)
al lado de(~のそばに)
Nuestro restaurante está al lado de la estación de Ebisu.(私たちのレ
ストランは恵比寿駅のそばにある)
en frente de(~の正面に、英語の in front of)
Te esperamos en frente de la estación.(駅前できみを待ってるよ)
91.
detrás de(~の裏に、英語の behind)
Detrás de la estación de Harajuku está el templo Meiji-jingu.(原宿
駅の裏に明治神宮がある)
entre(~の中で、英語の between あるいは among)
Zaragoza está entre Madrid y Barcelona.(サラゴサはマドリードとバルセロナ
の間にある)
Entre tantos platos deliciosos no podemos elegir.(数多くの美味しい料
理があって、私たちは選択できない)
con(~を使って、~と一緒に、英語の with, mí や ti とつながる場合は conmigo や
contigo となる)
Con estas gafas no veo nada.(このメガネじゃ見えない:veo は ver(見
る)の yo の活用形、「メガネ」は中南米では lentes(男性・複数)や anteojos
という。)
¿Quieres cenar conmigo esta noche?(今晩、おれと夕飯を食べないか?)
Este perro está siempre contigo.(この犬はいつもきみと一緒だね)
sin(~なしに、英語の without)
Los animales no pueden vivir sin agua.(水なしでは動物は生きてゆけない)
Ella cuida a su hijo enfermo toda la noche sin dormir.(彼女は寝ずに
徹夜で病気の息子の看病をする)
antes de(~の前に:時間的な表現に使う)
Terminamos esta clase antes de las doce.(12 時前に授業を終えましょう)
después de(~のあとに:時間的な表現に使う)
Javier bebe mucha cerveza después del partido de fútbol.(ハビエルは
サッカーの試合のあとでたくさんビールを飲む)
7.4 まとめ
8.行き先や予定、義務、正確な位置を表す
ここでは、「好きだ・気に入る」の意味の gustar、「痛む」の意味の dolerや、その他の不規則動
詞の活用を学びます。
8.1 好みを言う(gustar)
さて、querer は英語でいう love や want の意味になってしまいます。そこまで強くない好みを表
現する場合は、gustar という動詞を使うのですが、この用法がちょっと変わっているので注意してみて
ください。
Me gusta el fútbol.(私はサッカーが好きだ)
¿Te gusta el pescado crudo?(きみは刺身は好きかい?)
A los dominicanos les gusta mucho bailar merengue.(ドミニカ人はメレ
ンゲを踊るのが好きだ)
No nos gusta este juguete.(私たちはこのおもちゃが好きではない)
主語が私、きみ、ドミニカ人(複数)、わたしたち、と変わっているのに、gustar 動詞のほうは
gusta と 3 人称単数のままですね。これは実は、この文の主語はサッカー、刺身など対象のほうで、
それにあわせて動詞を変化させます。ですから、その対象が複数の場合は、
A Marta le gustan los libros.(マルタは本が好きだ)
A mí me gustan estos guitarristas.(私はこれらギタリストが好きだ)
¿Te gustan las películas de Hollywood?(きみはハリウッド映画は好きかい?)
となります。
それでは、gustar は gusta(n)としか活用しないかというと、そうではありません。特に恋愛中の
男女の駆け引きでは、こういう表現もできます。
¿Ya no te gusto más?(もうおれのことは好きじゃないのかい?)
Sí me gustas.(そんなことはないわ、あなたのことは好きよ)
という会話も可能です。ここでの文法上の主語がyoや tú なので、それに合わせて gusto やgustas
になるわけです。ちょっと分かりにくかったかもしれないので、ここでもう一度書き直します。
94.
A は Bが好きだ、という場合
まず、A を間接目的格で表現する。「私は」なら(a mí) me、「きみは」なら(a ti) te、「彼
は」なら(a él) le、「私たちは」なら(a nosotros/as) nos など。代名詞の場合に”a 誰だ
れ”とあえて言う場合、強調になる。
B が単数形なら gusta、複数形なら gustan を使う。たとえば B が「たくさん食べること」
(comer mucho)なら単数形の gusta、「ペンギン」(los pingüinos)なら複数形の
gustan。
その後 B を置く。B が普通名詞の場合、定冠詞を置く。「私はこの曲が好き」なら Me
gusta esta canción、「フリアは犬が好きではない」は A Julia no le gustan los
perros となる。
なお、「魅了する」という意味の encantar も、gustar と同じような構文で使います。
¡¡Me encantan estas canciones!!(これらの曲大好き!!)
Nos encanta saber la noticia del rescate del niño.(子どもの救助のニュ
ースを聞いて私たちはすごく嬉しくなりました)
8.2 体の痛みを表現する(doler)
次もまた、よく使う動詞です。これは語根母音が o>ue に変化するタイプの動詞なので、ちょっと
複雑です。
Me duele la cabeza.(私は頭が痛い)
Me duele el estómago.(私は腹痛だ)
Me duelen los dientes.(私は歯が痛い)
などとなります。構文的には gustar と同じですね。Tengo dolor de ~(定冠詞なし)というとい
う言い方もありますが、こちらのほうもよく使われるので、ぜひ慣れておいてください。
ここで、体の部分を示す単語を一覧にしておきました。定冠詞もつけていますので、me
duele(n)の構文にあてはめて練習してみましょう。また、以下に示した単数形の名詞は、「両目」や
「両手」などの意味で使われる場合、当然複数形になります。
95.
頭: lacabeza
目: el ojo
耳: la oreja
鼻: la nariz
頬: la mejilla
口: la boca
歯: el diente / la muela
舌: la lengua
アゴ: la mandíbula
喉: la garganta
首: el cuello
肩(両肩の場合は複数形): el hombro
背中: la espalda
心臓: el corazón
胸: el pecho
腕: el brazo
肘: el codo
手: la mano(女性名詞です!!)
親指: el pulgar
それ以外の指: el dedo
人差し指: el índice
中指: el medio
薬指: el anular
小指: el pequeño
肺: el pulmón
胃: el estómago
肝臓: el hígado
腸: el intestino
腰: la cadera
腎臓・腰: los riñones
お尻: el trasero, las nalgas
脚: la pierna
腿: el muslo
usted(あなた)
それ
ustedes(あなたがた)
それら
このグループ(yo だけ語尾が zcoと不規則に活用する動詞)には、parecer(~に思える)、
traducir(訳する)、conducir(運転する)、enriquecer(豊かにする)、reducir(減ら
す)、padecer(苦しむ)、nacer(生まれる)などがあります。
ここから先は、本当の不規則動詞を取り上げましょう。まず、saber(知っている)です。
主 Saber(知っている)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) sé
nosotros /
nosotras
(私たち)
sabemos
tú(きみ)
sabes
(sabés)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
sabeís
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
sabe
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
saben
基本的には規則動詞ですが、yo だけが sé と変わった活用をします。
さて、この saber と conocer は、同じ「知る」という意味ですが、ちょっと違います。ここで両方の
動詞の使い分けを見てみましょう。基本的に、saber は「知識として知っている、あるいは技術を学ん
で知っている」、conocer は「経験的に知っている」という意味です。
Felipe no sabe nadar.(フェリペは泳げない:泳ぎ方を習って泳げるようにはなって
いない、というニュアンス)
Felipe no puede nadar hoy.(今日フェリペは泳げない:風邪などの理由で一時
的に泳げない、というニュアンス)
99.
¿Sabes elnombre de aquel señor?(あの男性の名前を知ってる?:名前の
知識が問われている)
¿Conoces aquel señor?(あの男性を知ってる?:面識について問われている)
Conozco Francia.(私はフランスに行ったことがある:ここではフランスに滞在したこ
とがあるのでフランスを知っている、という意味)
¿Sabes que hoy es el cumpleaños de Quique?(今日がキケの誕生日って
知ってた?:ここではその知識について聞いている)
Este cocinero conoce bien la gastronomía española.(このコックはスペイ
ン料理に造詣が深い:ここでは知識を超えた深い理解がある、という意味)
次に hacer(英語の do、make)です。
Hacer(英語の do、make)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) hago
nosotros /
nosotras
(私たち)
hacemos
tú(きみ)
haces
(hacés)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
haceís
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
hace
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
hacen
この動詞も、yo だけが不規則ですね。早速例文を見てみましょう。
Tengo que hacer estas tareas para mañana.(明日までにこの宿題を終え
ないといけない)
La noticia del bombardeo en su país la entristece a Alicia.(自国での
爆撃のニュースを知ってアリシアは悲しむ)
¿Te hago una tortilla?(トルティリャ(スパニッシュオムレツ)をつくってあげよう
か?)
100.
Hace buentiempo hoy.(今日はいい天気だ:英語と違って、形式主語 it のよう
なものは不要)
次は、venir(来る)です。
Venir(来る)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) vengo
nosotros /
nosotras
(私たち)
Venimos
tú(きみ)
vienes
(venís)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
venís
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
viene
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
Vienen
tener と似たような活用形ですね。これも例文を見てみましょう。
Ya vengo.(今行くから:話題になっている場所に対して「来る」となる)
¿Porqué no vienes a verme?(おれに会いに来ないか?): porqué は「なぜ?」
(英語 why)の意味だが、porqué no とすると「~しないか?」という勧誘の意味にな
る)
次は poner(置く)です。
Poner(置く)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) pongo
nosotros /
nosotras
(私たち)
ponemos
Hay quesalir a veces: no es bueno para la salud siempre estar en
casa.(時々外出しないと:いつも家にいるのは健康によくないよ)
La próxima semana sale el nuevo DVD de Harry Potter.(来週ハリーポ
ッターの最新 DVD が出る)
Hoy salgo en la televisión.(今日私はテレビに出演する)
Verónica sale este año de la secundaria.(ベロニカは今年高校を卒業する)
El tren sale a las siete de la tarde.(電車は午後 7 時に出発する)
Este actor no me sale bien.(あの俳優、どうも好きになれないなあ)
Rodrigo sale con Lourdes(ロドリゴはルルデスと付き合っている: salir con で
「~と恋愛関係にある」)
次は caer(落ちる、転ぶ)です。
Caer(落ちる、転ぶ)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) caigo
nosotros /
nosotras
(私たち)
caemos
tú(きみ)
caes
(caés)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
caéis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
cae
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
caen
この動詞にもいろんな意味がありますが、とりあえずは基本の意味だけでいいでしょう。次は traer
(持ってくる)です。
Traer(持ってくる)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) traigo nosotros / traemos
usted(あなた)
それ
ustedes(あなたがた)
それら
estar や irのように、yo の活用形では y が入ります。また、vosotros の活用ではアクセント記
号がつかず、vos を使用する場合も tú と完全に同じ活用になります。基本的に英語の give と同じ
と考えてかまわないでしょう。それ以外の用法も含めて、例文を示します。
¿Me das este papel?(この紙を私にくれる?)
Mi habitación da al sur.(私の部屋は南向きだ)
Dan las diez.(10 時だ:10 時の時報が聞こえたときなどに、こういう表現を使う)
Te doy un trabajo temporal.(きみにバイトの仕事をあげよう)
最後に、ver(見る:英語の see)です。
Ver(see)の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) veo
nosotros /
nosotras
(私たち)
vemos
tú(きみ) ves
vosotros /
vosotras
(きみたち)
veis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
ve
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
ven
これも不規則なのは、yo veo だけですね。例文を示します。
A ver.(どれどれ、ちょっと調べてみよう): 本当によく使われる表現です。
¿No ves que estoy cansada?(私が疲れていることがわからないの?:ここでは
「理解する」という意味)
106.
Leonardo vela televisión tres horas al día.(レオナルドは毎日 3 時間テレ
ビを見る)
Vamos a ver estos casos para comprender el problema de la
economía mundial.(世界経済の問題を理解するためにこれらのケースを調べてみ
よう)
Ya lo veo.(ああ、わかります)
Ver と似た動詞に、やはり規則活用の mirar がありますが、mirar はどちらかというと「意識して
見る」のに対し、ver は「目に見える」や「理解する」の意味で使われます。
お疲れ様でした。他にも一応不規則動詞はありますが、主なものはこれだけですので、ぜひマスタ
ーしてください。
8.4 まとめ
「好きだ」という意味の gustar の使い方に注意。「A は B が好きだ」は a A le gusta(n)
B で、B の性数に合わせて gustar を活用する。B には「私」や「きみ」などを持ってくることも
可能。
「魅了する」という意味の encantar や「痛む」という意味の doler も同じように使う。
Pedir(注文する、依頼する)や sentir(感じる)などは、e が i や ie になる語根母音変
化動詞。
jugar(遊ぶ)は u が ue になる語根母音変化動詞。
cer や cir で終わる動詞の中には、yo だけ zco と活用するものも多い。
その他不規則動詞: saber (知っている、yo sé), hacer (行う・作る、yo hago), venir
(来る、vengo, vienes, viene, venimos, venís, vienen), poner (置く、yo
pongo), salir (外出する、yo salgo), caer (落ちる、yo caigo), traer (持ってくる、
yo traigo), oír (耳にする、yo oigo), caber (収容される、yo quepo), dar (与える、
doy, das, da, damos, dais, dan), ver (見る、yo veo)
107.
9.「~されている」、「~し合っている」という表現、日付や曜日
の言い方
ここでは、再帰動詞の活用と用法、それに日付や曜日の表現を学びます。
9.1 再帰動詞の原理
さて、ここで英語にない再帰動詞について学びましょう。英語でいうところの myselfや yourself
などにあたるわけですが、英語よりもしょっちゅう使うのです。まず以下の例文を見てください。
Yo te levanto a las siete.(私は 7 時にきみを起こす)
Yo me levanto a las siete.(私は 7 時に起きる<私は 7 時に私自身を起こす)
スペイン語の levantar という動詞は「起き上がらせる・立ち上がらせる」という意味で、「起き上が
る・立ち上がる」という動詞は特にありません(英語だったら raise が「上げる」、rise が「上がる」とい
う区別がありますが)。ですから、「自分自身を起こす」という、多少まわりくどい表現を使うわけです。
これがどのように活用するかを見てみましょう。
Levantarse の直説法現在
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) me levanto
nosotros /
nosotras
(私たち)
nos levantamos
tú(きみ)
te levantas
(te levantás)
vosotros /
vosotras
(きみたち)
os levantáis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あな
た)
se levanta
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes
(あなたがた)
se levantan
108.
それ それら
となります。基本的に、普通の目的格代名詞がそのまま再帰動詞の場合も使われます。ここで
se というのが出てきますが、これがなぜ必要なのかを説明しましょう。
Usted le(lo) levanta a las siete.(あなたは彼を 7 時に起こす)
Usted se levanta a las siete.(あなたは 7 時に起きる)
上の例文では、あなたは別の人を「起こす」わけですが、下の例文では他ならぬ自分自身を「起こ
す」、つまり「起きる」わけで、こういうときには se という再帰代名詞を使うのです。
さて、こんな再帰動詞を使った例文を見てみましょう。
¿Nos sentamos en aquel banco?(あのベンチに座ろうか?:sentar(e>ie,
座らせる)>sentarse(座る))
Nuestros niños se acuestan a las nueve.(私たちの子どもたちは 9 時に寝
る:acostar(o>ue, 寝かしつける)>acostarse(就寝する))
Mucha gente se sorprende al saber este hecho histórico.(この歴史的
事実を知ると多くの人が驚く:sorprender(驚かす)>sorprenderse(驚く)、
al+動詞の不定形で「~すると」)
¡Con tanto ruido se despierta el bebé!(こんなにうるさいと赤ちゃんが起きち
ゃうよ:despertar(e>ie, 目を覚まさせる)>despertarse(起きる))
David se pone el traje gris.(ダビッドはグレーのスーツを着る:poner(着せ
る)>ponerse(着る))
9.2 再帰動詞の用法
さて、こんな再帰動詞にはいろんな用法があります。
1) 他動詞を自動詞に、あるいは受け身的にする
これはさっきの続きなのですが、とりあえず例文を見てみましょう。
Vendemos estos libros.(私たちはこれらの本を売っています)
Se venden estos libros.(これらの本は売りに出されています)
109.
Los paísesárabes aumentan el precio de petróleo.(アラブ諸国が石油
の値段を上げる)
Se aumenta el precio de petróleo.(石油の値段が上がる)
Valencia produce muchas naranjas buenas.(バレンシアは多くの良質なオ
レンジを生産する)
En Valencia se producen muchas naranjas buenas.(バレンシアでは多く
の良質なオレンジが生産される)
わざと似たような意味の例文を並べてみましたが、これでそれぞれの意味の違いがお分かりになっ
たと思います。1 番目の場合は、vendemos で始まっていることから「私たちが売っている」ことが示さ
れていますが、2 番目では単に「売りに出されている」ことしか示されていません。3 番目と 4 番目も同
様で、「アラブ諸国」のようなはっきりとした動作主が示されているか、そうでないかの違いです。5 番目
と 6 番目はおわかりのように全く同じことを表現しているわけですが、単に構文の違いで、実際には 6
番のようにいうことが多いです。
このような「~される」という意味で、動詞の 3 人称複数形が使われることもあります。ちなみに
dice(n)は、decir(言う、英語の say)の活用形です(digo, dices/decís, dice, decimos,
decís, dicen)
Dicen que Sandra es mentirosa.(サンドラは嘘つきだって言ってたよ)
Se dice que Sandra es mentirosa.(サンドラは嘘つきだという噂だよ)
どちらも「言われている」という点ではほとんど同じ意味ですが、上の文では「誰か知らないけど、とに
かくそう言っていた人がいる」ことに、下の文では「サンドラが嘘つきである」ことに力点が置かれています。
この場合はどちらも使えますが、片方しか使えない場合も多いので、それを紹介しましょう。
No se puede fumar aquí.(ここは禁煙です)
En Venezuela se habla español.(ベネズエラではスペイン語が話されていま
す)
この二つのケースでは、再帰代名詞を使った表現しかできません。No pueden fumar aquí と
いうと、「私はともかく、他の人は煙草を吸ってはならない(ustedes という主語が連想されやすいた
め)」という意味になってしまい、かなり高圧的な印象を受けてしまいます。また、En Venezuela
hablan español.といってしまうと、「誰か知らないけど、とにかくベネズエラではスペイン語を話す」とい
うニュアンスになり、どこかぎこちないスペイン語になってしまいます。次に、3 人称複数形でしか言えな
い表現を以下に示します。
110.
¡Cuidado, quete van a matar!(気をつけろ、殺されるぞ)
Me robaron la cartera.(財布を盗まれました:robaron は robar(盗む)の
点過去 3 人称複数形)
心穏やかではない例文になってしまいましたが、こういうときは se を使うことはできません。matar
(殺す)には、matarse(自殺する)という再帰動詞があり、そうではなく「誰かが殺す」ことを明ら
かにするために 3人称複数形(van<ir)が使われています。また、誰か知らないけど確実に殺す人
がいるわけですから、その点でも 3 人称複数でそういった人の存在を示したほうが適切なわけです。ま
た、下の文でもやはり財布を盗んだ人がいるわけですから、それを示すためにも robaron のほうが適
切なわけです。
このあたりの違いは、最初は難しいと思いますが、少しずつ慣れてゆきましょう。
2) 相互行為を表す
これも百聞は一見にしかずということで、例文を見てみましょう。
Romeo y Julieta se quieren mucho.(ロミオとジュリエットは愛し合っている)
Hijos, ¿porqué siempre os peleáis?((子どもたちに向かって)お前たちはど
うしていつもけんかするのかい?)
ということです。ロミオが愛しているのはもちろんジュリエットで、彼自身ではありませんよね(ロミオがナ
ルシシストだったら話は別ですが)。子どもたちはそれぞれ別の子どもとけんかするのであって、自分自
身を殴ったりはしません。このような場合も、再帰代名詞を使います。それじゃ、「ナルシシストたちは
自分を愛する」という場合は、という疑問がわき起こりますが、そういう場合には
Los narcisistas se quieren a sí mismos.
といいます。ここで出てくる a sí mismos が、「自分自身を」という意味になるわけです。
9.3 日付や曜日の表現
さて、ここで日付の表現を覚えましょう。まず日付を聞く場合は、
¿A cuántos estamos?
¿Qué día es hoy?
111.
の 2 つがあります。前者は「私たちは何月何日という時点にいるのか」というニュアンスのある言い方で、
下は日本語と同じ発想の表現です。これはともかく、そのまま覚えてしまいましょう。さて、この答え方
ですが(例:2019年 10 月 25 日)、
Estamos al 25 (veinticinco) de octubre de 2019 (dos mil
diecinueve).
Hoy es el 25 de octubre de 2019.
といいます。イギリス英語のように、日/月/年の順になる点、気をつけてください。なお、「ついたち」
については el uno と el primero の 2 つの表現があります。
ここで、1 月から 12 月までの名前を覚えましょう。英語と違って、小文字で書き始めます。
1 月: enero
2 月: febrero
3 月: marzo
4 月: abril
5 月: mayo
6 月: junio
7 月: julio
8 月: agosto
9 月: septiembre (setiembre)
10 月: octubre
11 月: noviembre
12 月: diciembre.
英語と似ている(本当は英語のほうがスペイン語に似ている)ので、覚えやすいと思います。また、
「~月に」や、「~年に」という場合は、たとえば en noviembre(11 月に)や、en 2000(2000
年に)などという言い方をします。なお、スペイン語では英語と違って、年号の場合も 1992(mil
novecientos noventa y dos)という数字をそのまま読みます。英語では nineteen ninety-
two という言い方をしますが、スペイン語では diecinueve noventa y dos とは言いません。
また、¿Qué día es hoy?という文は曜日を聞くときにも使えます(特に曜日を聞きたい場合
は、¿Qué día de la semana es hoy?といいます)。この場合も同じように、Hoy es ~といえば
いいわけです。さて、ここで曜日の言い方を覚えましょう。英語とは全然違う言い方をします。
月曜日: lunes
112.
火曜日: martes
水曜日: miércoles
木曜日: jueves
金曜日: viernes
土曜日: sábado
日曜日: domingo
これも小文字で書き始めます。また、「いつ~するの?」というときには、このような表現を使います。
¿Cuándo vas a Seúl?(いつソウルに行くの?: ソウルは Seúl という)
¿En qué día vas a Seúl?(何日にソウルに行くの?)
意味としては同じ文です。ただ、cuándo が「いつ」(明日やあさってという日付のほか、「午後
3 時に」などという時刻をたずねる際にも使う)であるのに対し、en qué día は「何日に」という具体
的な日付を質問するニュアンスが付け加わります。答えるときはどちらも同じで、
El veinticinco de mayo (voy a Seúl.)(5 月 25 日にソウルに行きます)
といいます。 別に前置詞を使う必要はありません。また、「毎週~曜日」という場合は、los martes
(毎週火曜日)、los sábados(毎週土曜日)のように、los+曜日の複数形(土日以外は
単数形と一緒)という表現を使います(todos(すべての)を前につけることもあります。)。また、
este+曜日で、「今度の~曜日」という意味になります。ここで、曜日を使った例文を見てみましょう。
Este lunes empiezo a viajar por Hokkaido.(今度の月曜日に私は北海道
旅行を始める:empezar は e>ie 型語根母音変化動詞)
En Estados Unidos se paga el salario todos los viernes.(米国では給
料が毎週金曜日に支払われる)
Los sábados salimos a bailar.(私たちは土曜日に踊りに行く)
Luisa no tiene clase los jueves.(ルイサは木曜日は授業がない)
Hoy es domingo, quince de mayo de dos mil once.(今日は 2011 年 5
月 15 日日曜日です)
最後に、日付や時刻関係の表現を整理します。
朝・午前中に: por/en/a la mañana(por はスペインで、en はメキシコやコロンビアで、
a はアルゼンチンでよく使われる)
午後に: por/en/a la tarde(同上)
夜に: por/en/a la noche(同上)
113.
深夜・早朝に: enla madrugada
正午に: al mediodía
真夜中に: a la medianoche
おととい: anteayer
昨日: ayer
昨晩: anoche(アルゼンチンでは ayer a la noche とも)
今日: hoy
明日: mañana(「朝」や「午前」の意味の場合には定冠詞をつけて mañana.「明日の
朝」を意味する mañana por la mañana は、最初の mañana が「明日」の意味)
あさって: pasado mañana
先週: la semana pasada
今週: esta semana
来週: la próxima semana / la semana que viene
15 日・2 週間: quincena(英語の fortnight に相当。日本語ではあまり使わない表現
だが、スペイン語では時々使われる)
先月: el mes pasado
今月: este mes
来月: el mes que viene
去年: el año pasado
今年: este año
来年: el próximo año / el año que viene
10 年: década
世紀: siglo
21 世紀: Siglo XXI (siglo veintiuno)
1~10 世紀までは、序数+siglo と、11 世紀以降は siglo+普通の数字という表現を使
う(表記はどちらも Siglo+ローマ数字)。8 世紀は octavo siglo、15 世紀は siglo
quince という。
9.4 まとめ
スペイン語には再帰動詞が数多くある。その用法としては、他動詞を自動詞(起こす>起き
る)や受け身(売る>売られる)にしたり、相互行為を表したりする。
10. 「今日は~した」、「~されている」、「~している」という
表現、天候表現
ここでは、現在完了、過去分詞、現在分詞そして天候の表現を学びます。
10.1 現在完了・過去分詞の作り方
今までは現在の表現を行ってきましたが、ここで現在完了を勉強しましょう。基本的に英語の現
在完了と同じです。とりあえず、visitar(訪問する)を例に、活用を見てみましょう。
Visitarの現在完了
主語 活用形 主語 活用形
yo(私)
he
visitado
nosotros /
nosotras
(私たち)
hemos
visitado
tú(きみ)
has
visitado
vosotros /
vosotras
(きみたち)
habéis
visitado
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
ha
visitado
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
han
visitado
he, has, ha, hemos, habéis, han は haber という動詞の現在形の活用形です。haber
はもともとは英語の have と同様、「持つ」という意味を持っていたのですが(フランス語の avoir やイ
タリア語の avere には今もその意味があります)、スペイン語では tener が「持つ」という意味になっ
てしまい、今では haber は現在完了などの時制を作るための助動詞としての役割だけになってしまい
ました。ちなみに、英語の there is や there are に当たる hay も実は haber の 3 人称単数の活
用形なのですが、「~がある」という意味の場合は hay を、現在完了のときは ha を使うことになって
116.
います。また、vos 使用地域ではあまり現在完了が使われませんが(次章で取り上げる点過去が一
般的)、あえて使う場合には habésではなく has が使われるケースが多いようです。
次に来ている visitado は、英語同様 visitar の過去分詞です。過去分詞の作り方は簡単で、
ar > ado: visitar > visitado、comprar > comprado
er, ir > ido: comer > comido、salir > salido
となります。ですが、不規則な動詞も多少あります。
hacer(する、作る) > hecho
decir(言う) > dicho
escribir(書く) > escrito
abrir(開ける) > abierto
poner(置く) > puesto
ver(見る) > visto
morir(死ぬ) > muerto
volver(戻る、volver a+動詞で「再度~する」) > vuelto
cubrir(覆う) > cubierto
romper(壊す) > roto
ちなみに、過去分詞も形容詞のように変化をしますが、haber のあとに来る場合は常に男性
単数形です。
さて、用法を見ましょう。基本的に現在完了は、「現在まで影響が及んでいる過去」について表
現します(それ以前の過去については、次章で取り扱います)。ですが、「現在まで影響が及んで
いる過去」という判断基準は主観的なもので、いろんな状況がこの文で表現できます。
Esta mañana he ido a Shinjuku para asistir a la reunión.(今朝は会議
に出席するために新宿に行った、reunión は「会議」)
¿Te has comprado ya la entrada del partido del fútbol?(サッカーの試
合のチケットはもう買ったかい?、comprarse で「~を自分のために買う」という意味に
なる)
Este otoño se ha cosechado muy bien.(この秋は豊作だった)
Durante la guerra han muerto muchas personas.(戦争で多くの人が亡
くなった)
Hoy hemos visto dos películas.(私たちは今日映画を 2 本見た)
117.
Este directorya ha producido diez películas.(この監督は既に 10 本映画
を制作した)
4 番の例文が現在完了というのは変な気がするかもしれませんが、その本人にとって戦争がまだ
生々しい体験である場合はこのように言います。だから、戦争が終わって 10 年たってもこう言い続け
る人もいるかもしれませんし、3 ヵ月でもう終わったこととして過去と決別する人もいることでしょう。また、
6 番目の文章の場合、制作した映画は今でも見ることができる、ということで、通常このように現在完
了が使われます。そうではなく、過去とは決別してしまった場合の言い方としては、次章で学ぶ点過
去を使います。
また、英語の現在完了と同じように、「~したことがある」、という表現もできます。
¿Has estado ya en Tokio?(東京に行ったことあるかい?)
Javier ha jugado en un equipo profesional.(ハビエルはプロチームでプレー
したことがある、equipo は「チーム」)
¿No he visitado nunca esta página web.(私はこのホームページを見たこと
がない)
ここら辺は、英語でおなじみの用法ですね。
10.2 受け身の言い方
さて、過去分詞が出てきたということで、受け身の言い方を作りましょう。基本的に、英語と同じよ
うに作ります。
Esta obra está apreciada por muchos artistas.(この作品は数多くのアー
チストにより評価されている)
英語だったら、この文は This work is appreciated by many artists.となりますよね。そう、
英語の be 動詞のところを ser あるいは estar に置き換えて、「~によって」の by を por にすればい
いだけなのです。
ですが、ここまでスペイン語を勉強してきたみなさんには、いろいろと疑問が出てくると思います。
Se aprecia esta obra por muchos artistas とは言えないのか?
118.
最初に出てくる質問ですが、こう言うことはできません。なぜかというと、再帰代名詞で作る受け
身文の場合、「動作主を明らかにしない」という前提条件がついており、それに違反しているからで
す。もう一度思い返してみましょう。Se venden frutas.(果物が売られている)という場合、「誰
が」その果物を売るのかはどうでもよく、それよりも果物が「売られて」いることのほうが重要なわけです
ね。誰が売っているかを明らかにしたいなら、たとえばEmilio vende frutas.(エミリオは果物を売っ
ている)のように、再帰代名詞を使わない構文で言えばいいわけです。それに対し、Esta obra
está apreciada por muchos artistas.というのが本来の受け身文で、これは動作主(数多く
のアーティスト)が評価していることが明らかにできます。
ser と estar、どっちを使うか?
これは実に難しい問題です。基本的には、形容詞の際に ser と estar のどちらを取るかという基
準がそのまま適応されますが、過去分詞の場合はどちらでも使える場合が多く、上の例文でも Esta
obra es apreciada por muchos artistas.と言ってもかまわないわけです。ただ、現在形では
estar のほうが普通はよく使われており、ser はあまり使われていません。とりあえず、迷ったときには
estar を使えばいいと思います。
なお、こういった ser(estar)+過去分詞という表現は多少堅苦しく響きますので、会話では再
帰代名詞を使った表現か、あるいは受け身でない言い方をしたほうがいいでしょう。また、それぞれの
動詞によって用法が違いますので、具体的な例文を見ながら覚えるしかない面もありといえます。
とりあえず、例を見てみましょう。
Este jugador es muy conocido en mi país.(この選手は私の国ではとてもよ
く知られている)
Este jugador se conoce muy bien en mi país.(この選手は私の国ではとて
もよく知られている)
conocido は conocer の過去分詞ですが、「よく知られた」という形容詞としても使われています。
そのため、どちらの言い方もよく使われます。
Se cierra la puerta.(ドアが閉まる)
La puerta está cerrada.(ドアは閉まっている)
これはちょっとニュアンスが違います。前者は「ドアが閉まる」動作を指しているのに対し、後者はド
アが閉められた結果、「閉まっている」という状態を表現しています。この場合も、両方会話で使われ
ます。
119.
Se matanlos soldados.(兵士が殺し合う)
Los soldados están matados.(兵士は殺されている)
これはもうわかると思いますが、やはりニュアンスが違います。殺害されるのが兵士であることは両方
とも共通していますが、前者では兵士を殺害するのも兵士であるのに対し、後者の文では兵士以外
(たとえば爆弾)が兵士を殺している可能性もあるのです。
10.3 過去分詞の他の用法
現在完了のところで、「過去分詞も形容詞のように変化をします」と書きましたが、ここで過去分
詞の他の用法を見てみましょう。
形容詞としての役割
前述の conocido や cerrada のように、過去分詞を形容詞として使うものです。とりあえず、例
を見てみましょう。
Esta revista escrita en japonés no es mía.(日本語で書かれたこの雑誌は
私のものではない)
El proyecto puesto en marcha es para la alfabetización.(実行に移さ
れているプロジェクトは識字教育のためのものである:poner en marcha で「実行に
移す」、alfabetización は「識字教育」)
"La Alhambra" es el antiguo palacio en Granada construido por los
musulmanes.(アルハンブラは、イスラム教徒によって築かれた、グラナダにある古い
王宮です、palacio は宮殿、musulmán/a は「イスラム教徒」)
こういった表現は、主に文章などで使われます。
独立分詞構文としての用法
これは英語にもありますが、たとえば Sorprendidos por el terremoto, mucha gente se
han precipitado en las tiendas para comprarse los alimentos para la emergencia.
(地震に驚いた多くの人が、商店に駆け込んで非常用の食料を買い込んだ)という言い方もできま
す。
120.
10.4 「~している」という表現(現在進行形)
さて、ここで「~している」という表現を学びましょう。このつくり方は単純で、estar+現在分詞で
す。現在分詞の作り方ですが、これも簡単で、
ar> ando: visitar > visitando, comprar > comprando
er, ir > iendo: comer > comiendo, salir > saliendo
です。ただ、現在形で語根母音が変化する ir 動詞と poder は、語根母音の o あるいは e が、
u あるいは i になります。
pedir > pidiendo
dormir > durmiendo
sentir > sintiendo
morir > muriendo
poder > pudiendo
seguir > siguiendo
venir > viniendo
decir > diciendo
また、前に母音がある er 動詞あるいは ir 動詞では、i が y になります。
oír > oyendo
caer > cayendo
construir > construyendo
leer > leyendo
reír(笑う) > riendo
ir > yendo
念のため、活用表を見てみることにしましょう。
hablar の現在進行形
主語 活用形 主語 活用形
121.
yo(私)
estoy
hablando
nosotros /
nosotras
(私たち)
estamos
hablando
tú(きみ)
estás
hablando
vosotros /
vosotras
(きみたち)
estáis
hablando
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
está
hablando
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
están
hablando
とりあえず、例文を見てみましょう。
¿Qué estás haciendo?(何をしてるの?)
Mi madre está cocinando paella.(母はパエリアを作っています)
¿Qué está diciendo la radio?(ラジオは何って言ってるの?)
El avión está sobrevolando Siberia.(飛行機はシベリア上空を飛んでいる)
などとなります。簡単ですね。また、代名詞が来る場合、普通の現在形と同じように動詞の前に置く
場合と、現在分詞のあとに置いたうえで、現在分詞にアクセントをつける場合の 2 つの表現方法があ
ります。
Me están criticando. = Están criticándome.(彼らは私を批判している=私
は批判されている、criticar=批判する)
Os estoy preparando la cena. = Estoy preparándoos la cena (私はき
み達に夕食を準備しています、ここではosは間接目的格で、「君たちのために」の意味)
Los niños se están levantando. = Los niños están levantándose. (子
どもたちは起床しているところです)
ちなみに、現在分詞は過去分詞と違って、性・数の変化をしません。ですから、Elena está
cocinanda.とはいえず、Elena está cocinando.でなければなりません。
また、過去分詞のときと同様、独立分詞構文をつくることもできます。たとえば Temiendo el
terremoto, mucha gente se precipitan en las tiendas para comprarse los
alimentos para la emergencia.(地震を恐れた多くの人が、商店に駆け込んで非常用の食
122.
料を買い込む)という言い方もできます。ここでも、過去分詞とは違い、現在分詞は性数により変化
することはありません(上記の例文では、temiendos とは言わない)。
なお、スペイン語では現在分詞は形容詞として名詞の前に使うことはできません。例えば英語
なら、this surprisingnews と、surprise(驚かせる)を分詞化して surprising(驚くべき)と
いう単語を作ることが可能ですが、スペイン語では esta noticia sorprendiendo とは言えず、
esta noticia que sorprende と、後ほど紹介する関係代名詞を使うか、動詞から派生した形容
詞が存在する場合には、esta noticia sorprendiente とそれを使うことになりますが、後者の場合、
動詞から派生した形容詞には、主に 2 つの系統があります。
語尾が ante/ente のもの: interesante(興味深い<interesar 興味を与える)、
exigente(要求水準が高い<exigir 要求する)など
語尾が dor/dora のもの: encantador/a(魅力的な<encantar 魅了する)、
acogedor/a: 歓迎する(<acoger 歓迎する)など
10.5 天候などの非人称表現
現在形について⾧々と説明してきましたが、最後に非人称表現を見てみましょう。
Hace buen tiempo hoy.(今日は天気がよい)
En enero hace mucho frío.(1 月はとても寒い)
Hoy va a nevar.(今日は雪が降る)
英語ではこういうときに、形式主語の it を使いますが、主語を省略することのできるスペイン語では
主語なしで立派な文章になります。大きく分けて、hacer+名詞という表現と、動詞そのもので表現
するものがあります。
hacer+名詞表現
mal tiempo(天気が悪い)
frío(寒い)
calor(暑い)
sol(日が照っている)
nubes(曇っている)
viento(風が強い)
線過去で不規則活用をする動詞は、以下の 3 つだけです(verについては、prever のような
派生動詞でも該当しますが)。
ser: era, eras, era, éramos, erais, eran
ir: iba, ibas, iba, íbamos, ibais, iban
ver: veía, veías, veía, veíamos, veíais, veían
11.2 点過去と線過去の意味合いの違い
さて、そんな両方の活用形の違いを説明しましょう。点過去は基本的に、「現在とは切り離された
過去」、線過去は「過去における現在」を表現します。といってもよくわからないので、例文で見てみま
しょう。
Me casé con Lucía hace 15 años.(私は 15 年前、ルシアと結婚した)
En 1992 se celebraron los Juegos Olímpicos en Barcelona.(1992 年
にバルセロナでオリンピックが開かれた)
Ayer a las cinco de la tarde llegamos a Tokio.(昨日午後 5 時に私たちは
東京に着いた)
これらの文章では、現在とは関係ない過去の事実を語っており、点過去が使われています。また、
特に中南米では前章で取り上げた現在完了はあまり使われず、点過去が使われる傾向にあります
(スペインでは最後の例文は、ayer a las cinco de la tarde hemos llegado a Tokio.とい
うことが多い)。要は、「~した」という表現は、現在完了でない限りは点過去だと考えてください。
それに対し、線過去は「~であった」といった、過去を描写するような表現の時に使われます。
Yo dormía todavía cuando me llamaste por teléfono.(きみが私に電話
をかけてくれた時、私はまだ寝ていた)
En el siglo XVI había mucho comercio entre España y Japón.(16 世
紀にスペインと日本との間では多くの交易が行われていた)
Yo tenía diez años cuando murió mi padre.(父が死んだ時私は 10 歳だ
った)
Tania no sabía que somos hermanos.(タニアは、おれたちが兄弟だとは知ら
なかった)
129.
Estaba conduciendoel coche cuando recibí aquella llamada.(あの通
話を受けたとき、私は自動車を運転していた)
これはどういう感覚かというと、その過去の時代にまでさかのぼって、その時点では現在形であったこ
とを表現する、というものです。英語では、過去形を使う場合もあれば(I was 10 years old)、
過去進行形を使う場合もあり(I was driving a car)、また used to を使う場合もあります
(There used to be a lot of trade between Spain and Japan)。
ちなみに、線過去の 2 番目の例文は、点過去でも表現することはできます。しかし、ニュアンスが
かわってきます。点過去(hubo)だと、歴史的事実として交易があった、というだけですが、線過去
(había)だと聞き手自身も 16 世紀にタイムスリップした上で、そこで当時、活発に行われていた交
易を目にしているようなニュアンスになります。
ちなみに、受け身表現の場合、主に「~された」という表現は ser の点過去+過去分詞、「~さ
れていた」という表現は estar の線過去+過去分詞で表現されます。
Esta pirámide fue construida en el siglo VII por los mayas.(このピラ
ミッドは 7 世紀にマヤ人によって築かれた)
"Guernica" estaba protegido de vidrio cuando fue expuesto al
público en el Prado.(プラド美術館で公開された時、「ゲルニカ」はガラスで覆われ
ていた)
さらに、過去の習慣も線過去で表現します。
Íbamos al mar a pescar todos los sábados cuando éramos niños.
(子どもの頃、私たちは毎週土曜日に海に釣りに出かけていたものだ)
En este café veía Borges a sus amigos.(この喫茶店でボルヘス(アルゼンチ
ンの有名な作家)は友人と会っていた)
また、過去進行形については、estar+現在分詞の点過去(estuve, estuviste…)や線過
去(estaba, estabas…)で表現されることが多いです。
Estuvimos buscándote pero no te pudimos encontrar. = Te
estuvimos buscando pero no te pudimos encontrar.(私たちはきみを探
していましたが、見つけることはできませんでした)
Estaban jugando al fútbol cuando empezó a llover. = Jugaban al
fútbol cuando empezó a llover. (雨が降り出したとき、彼らはサッカーをプレイ
していた)
130.
この 2 つの例文のニュアンスについて説明しましょう。単にte buscamos と点過去で表現した場
合、「探した」という行為だけを表現することになります。その一方で、estuvimos buscándote また
は te estuvimos buscando と点過去の過去進行形で表現すると、ある程度の期間(たとえば
1 時間)、探すという行為を「継続して行った」という事実を強調することになります。その一方、次の
文章では”cuando empezó a llover”(雨が降り出したとき)という時点を特定したうえで(たと
えば午後 3 時 52 分)、その時点では「彼らはサッカーをプレイしていた」という意味になります。この
ように、進行形の行為を線過去で表現する場合には、線過去でも線過去の進行形でもあまり違い
がなくなり、実際両方の表現が使われます。その一方で、vivíamos en México(私たちはメキシ
コに住んでいた)や Diana trabajaba como guía turística(ディアナは観光ガイドとして働い
ていた)のように、その当時の習慣を語る場合には、線過去が使われ、進行形にはしません。とはい
え、単なる線過去か、それとも線過去の進行形かでニュアンスが異なる場合があります。以下の例文
を見てみましょう。
Diana trabajaba como guía turística cuando la conocí.(私がディアナと
知り合ったとき、彼女は観光ガイドとして働いていた)
Diana estaba trabajando como guía turística cuando tuvo un
accidente de tráfico.(交通事故に遭ったとき、ディアナは観光ガイドとして働いてい
た)
前者の例文では、当時ディアナが観光ガイドという職についていた意味になる一方、知り合った時
点において彼女が勤務中である必要はなく、たとえば週末のパーティなど仕事と関係ない局面で彼
女と知り合った場合にも、この例文が使えます。その一方で後者の例文では、まさに観光ガイドとして
仕事している最中に交通事故に巻き込まれてしまった、というニュアンスが強調されるのです。
11.3 「~してしまっていた」という表現(大過去)
過去時制ではもう一つ、大過去があります。基本的に英語の大過去と同じで、「過去の過去」を
意味し、haber の線過去の活用(había, habías, había, habíamos, habíais, habían)
+過去分詞で作ります。
Visitar の大過去
主語 活用形 主語 活用形
poder(podr): podré,podrás, podrá, podremos, podréis, podrán
hacer(har): haré, harás, hará, haremos, haréis, harán
poner(pondr): pondré, pondrás, pondrá, pondremos, pondréis,
pondrán
tener(tendr): tendré, tendrás, tendrá, tendremos, tendréis, tendrán
venir(vendr): vendré, vendrás, vendrá, vendremos, vendréis, vendrán
salir(saldr): saldré, saldrás, saldrá, saldremos, saldréis, saldrán
valer(valdr): valdré, valdrás, valdrá, valdremos, valdréis, valdrán
decir(dir): diré, dirás, dirá, diremos, diréis, dirán
caber(cabr): cabré, cabrás, cabrá, cabremos, cabréis, cabrán
saber(sabr): sabré, sabrás, sabrá, sabremos, sabréis, sabrán
haber(habr): habré, habrás, habrá, habremos, habréis, habrán
です。意外かもしれませんが、ser や ir、そして estar は未来形では規則活用です。まあ、ser の未
来形は、ケ・セラ・セラ(Qué será será)でおなじみといってしまえばそれまでですが。
さて、用法ですが、英語の will と同じです。一応復習のために書きますと、まずは未来のできごと
を語る時に使われます。
Mi abuelo cumplirá noventa años la semana que viene.(私の祖父は
来週 90 歳になる)
Dentro de pocos años India tendrá más población que China.(あと
数年でインドは、中国よりも人口が多い国になるだろう、dentro de: ~後に、
población: 人口)
Mañana hablaré con el profesor sobre mi tesis.(明日私は先生と、私の
論文について話す予定だ)
Esta noche sabremos el resultado del examen.(今晩試験の結果が分か
る)
Mis padres no podrán venir a la fiesta del próximo sábado.(私の両
親は今度の土曜日のパーティには来れない)
Dentro de veinte años no habrá nadie en este pueblo.(20 年後にはこ
の村には誰もいなくなるだろう)
ただ、この意味では中南米では(特に会話で)、未来形よりも既に習った ir a+不定詞のほう
を使うことが一般的です。
135.
次に、推測「~だろう」という表現もできます。現在形を使うほどはっきりしない場合、こういう言い
方を使うことで断定を避けた言い方ができます。
Hoy ellano tendrá tiempo para pasar por aquí.(彼女は今日、ここに立ち
寄る時間はないだろう)
Estos libros serán de mi abuelo.(これらの本は私の祖父のものだろう)
A estas horas mi hijo estará llegando a Bogotá.(この時間、私の息子は
ボゴタに到着していることだろう)
未来のことは、過去や現在のことと違って断定することはできません。そこから「~だろう」という意
味が派生したのです。
もう一つ、この未来形を使ってちょっと高圧的な命令文を作ることができます。ただ、あまり一般的
な用法ではないので、次章で紹介する命令法を使った方がいいでしょう。
¡Morirás!(「死ね!」、銃を相手に突き付けて発射する時にいう)
Mañana terminarás estos deberes.(きみは明日、宿題を終えるんだよ)
¡No pasarán!(やつらを通すな:スペイン内戦中に人民戦線側が使ったスローガン)
あまりいい例文がないことからも、こういう意味の場合は気をつけたほうがいいことがおわかりになる
と思います。
12.2 「~する予定だった」という言い方(過去未来形)
次は「~する予定だった」という、過去未来形について勉強しましょう(英語の would に相当)。
これもスペイン語では、動詞そのものが活用します。
Visitar の過去未来形
主語 活用形 主語 活用形
yo(私) visitaría
nosotros /
nosotras
(私たち)
visitaríamos
tú(きみ) visitarías
vosotros /
vosotras
visitaríais
Yo nopensaba que serías profesora de matemática.(きみが数学の先
生になるとは私は思っていなかった(けど、実際にはきみは先生になった))
次に、過去のことの推測、すなわち「~だっただろう」という表現もできます。こういう場合、
Serían sobre las ocho de la mañana cuando Pedro tuvo un ataque
cardíaco(ペドロに心臓麻痺が発生したのは、朝 8 時頃だっただろう)
Habría unas 2.000 personas en el concierto anoche.(昨晩のコンサート
には、約 2000 人いたことだろう)
もう一つ、この過去未来形は、丁寧な表現に使われます。ちょっと遠回しな言い方をすることで、
丁寧に響くというわけです。
Me gustaría hablar con el director.(部⾧さんとお話したいのですが)
¿No sería posible reunirnos mañana a las diez en nuestra oficina?
(明日の朝、10 時に当社オフィスに集まることは可能でしょうか?)
Usted tendría que hablar con nuestra jefa Beatriz Pérez para
resolver este asunto.(この件を解決するためには、私達の上司ベアトリス・ペレス
と話し合う必要があるでしょう)
ただ、querer の場合は、過去未来形ではなく線過去形(Quería hablar con el
presidente.社⾧さんとお話したいのですが)、あるいはもっと丁寧な場合や「できれば~したいもの
だ」という時は、最終章で習う接続法過去 ra 形(Quisiera hablar con el presidente.できれ
ば社⾧さんとお話したいのですが)となることが多いです。
12.3 「~してしまっている」(未来完了形)、「~してしまっていただろう」(過
去未来完了形)という表現
あと、「~してしまっている」、「~してしまっているだろう」という時に使われる活用形を紹介します。
まずは「~してしまっている」という意味の未来完了(英語では will have)です。
Visitar の未来完了形
主語 活用形 主語 活用形
usted(あなた)
それ
ustedes(あなたがた)
それら
未来完了では未来形の語尾だった haber に、過去未来の語尾をつけるだけです。作り方はそれ
ほど難しくありませんが、「過去から見た未来のある時点では終わっていることがらの表現」とはどういう
ことか、わかりにくいと思います。例文を見てみましょう。
Yo pensaba que para el fin del año pasado se habrían casado Cecilia y
Luis.(去年の間にセシリアとルイスは結婚してしまうものと、私は思っていた)
つまり、pensaba していた時点(たとえば去年始め)では、この二人が去年の末までに結婚「し
てしまっている」と思っていたわけで、こういう時には過去未来完了が使われます。ただ、こんな複雑な
表現は普通あまり使われず、むしろ最終章で紹介する「非現実的な仮定」の際に使われることが多
いです。これはまたその際に扱うことにします。
12.4 「誰」、「何か」に関する表現
次に、ここまで扱わなかった、「誰」や「何」に関わる表現を勉強しましょう。
alguien(誰か、英語の somebody) / nadie(誰も~ではない、英語の
nobody)
algo(何か、英語の something) / nada(何でもない、英語の nothing)
algún, na(何かの、英語の some) / ningún, na(どの~でもない、英語の no,
none)
例文を見てみましょう。
Alguien está robando la cartera. / Nadie está robando la cartera. =
no está nadie robando la cartera.(誰かが財布を盗んでいる/誰も財布を盗
んでいない)
Hay alguien en la estación. / No hay nadie en la estación.(駅に誰か
いる/駅には誰もいない)
Nadie sabe la verdad. = No sabe nadie la verdad.(誰も真実を知らない)
140.
alguien は英語の somebodyのように使えますが、nadie は動詞の前の場合には no をつ
けない一方、動詞のあとに来る場合 no が必要な点に注意してください。No と nadie が同じ文章
の中で使われると、一見二重否定のように見えますが、スペイン語では二重否定にはなりません。
Rodrigo está pensando en algo importante. / Rodrigo no está
pensando en nada importante.(ロドリゴは何か大切なことを考えている/ロド
リゴは何も大切なことを考えてはいない)
ここでも、nadie と同じルールが nada に適用されています。
Alguna muchacha está allí esperando a alguien.(あそこで誰か女の子が
誰かを待っている)
Ninguna de estas pinturas aquí me gusta. = No me gusta ninguna
de estas pinturas.(ここにある絵はどれも私は気に入らない)
No tengo ninguna idea buena.(いいアイデアは全然ない)
12.5 定冠詞としての lo
ここで定冠詞としての lo の使い方を説明します。けっこう便利なので、ぜひ覚えてください。まずは、
lo+形容詞男性単数形で、「~なこと」という意味になります。
Lo importante para los detectives es guardar los secretos.(探偵にと
って大切なことは秘密を守ることだ)
No sabes lo bueno del tango argentino.(きみはアルゼンチンタンゴのよさを
知らない)
El noticiero nos avisa lo nuevo del día.(ニュース番組は私たちに、その日新
しく起こったことを伝える)
それほど難しくないと思います。
次に、lo que という形があります。これは英語の what に相当する関係代名詞で、「~している
こと・もの」という意味になりますが、よく使われます。
141.
No entiendolo que se escribe en este papel porque está escrito en
árabe.(この紙に書いてあることがわからないんだ、だってアラビア語で書いてあるから)
Lo que se llevó con el viento(風と一緒に持ち去られたもの>「風と共に去りぬ」
のスペイン語タイトル)
Estamos hablando de lo que hemos visto.(おれたちは目撃したものについ
て話しているんだ)
Lo que pasa es que no tengo dinero.(実は金がないんだ)
特に最後の lo que pasa es que は、何か困ったことが発生して、「実は~なんだ」と釈明する
時に使えます。ぜひ覚えてください。なお、関係代名詞についてはまたあとで詳しく取り上げます。
12.6 比較級・最上級
最後に比較、つまり「~は~よりも~だ」という言い方を覚えましょう。まず、同等比較(~と同じ
くらい~)です。
Tanto la teoría como la práctica es importante para la medicina.(医
学では理論も実践も大切だ)
Tengo tantos libros como Diego.(私はディエゴと同じくらいたくさん本を持って
いる)
Este coche corre tan rápido como el AVE.(この自動車は AVE のように速
く走る。AVE はスペインの高速鉄道のこと)
Aquí esta cantante es tan famosa como Michael Jackson.(ここではこ
の歌手は、マイケル・ジャクソンのように有名だ)
基本的に tanto ~ como なのですが、tanto のあとに形容詞や副詞が来るときは tan となりま
す。
また、比較ではありませんが、「~するほど~だ」というときには、tanto ~ que という言い方をしま
す。
Has ahorrado tanto que ya no necesitas trabajar más.(そんなに貯金
したんだったら、もう働かなくていいじゃない)
142.
Manuel quieretanto a Laura que la llama todos los días por teléfono.
(マヌエルはラウラをとても愛していて、毎日彼女に電話をかける)
Vienen tantos turistas a Barcelona que los hoteles están siempre
llenos.(バルセロナにはたくさん観光客が来るので、ホテルはいつも満杯だ)
Edison era tan inteligente que inventó centenares de productos
nuevos.(エジソンは頭が良かったので、何百もの新製品を発明した)
次に比較級「~より~だ」ですが、これは más(menos)+名詞、形容詞、副詞 que 比較対
象で表現します。Más を使うと「~よりも~だ」、Menos を使うと、「~ほど~ではない」という意味にな
ります。なお、比較対象が代名詞の場合、主格(yo, tú など)が使われます。
Esta regla es más larga que aquella.(この定規はあれよりも⾧い)
Felipe corre más rápido que yo.(フェリペは私よりも速く走る)
Tu esposa es más alta que tú.(きみの妻はきみよりも背が高い、esposa は中
南米の表現で、スペインでは mujer 女が妻の意味でも使われる)
Susana tiene más muñecas que nosotras.(スサーナは私たちよりも多く人
形を持っている)
Tengo menos tiempo que tú.(私はきみほど時間がない)
基本的に英語の more 形だけだと考えたらわかりやすいですね。ちなみに、不規則形を使うのは、
以下の 4 つだけです。
grande(大きい) > mayor
pequeño(小さい) > menor
bueno, bien(よい) > mejor
malo, mal(悪い) > peor
最後に最上級です。これは、形容詞の場合と副詞の場合では違います。
形容詞の場合:定冠詞(+名詞)+más+形容詞+de(en, entre) 比較対象、です。
Se considera que "Cien Años de Soledad" es la mejor novela de
García Márquez.(「百年の孤独」はガルシア・マルケスの最高の小説だとみなされて
いる)
Carla es la enfermera más joven en el hospital.(カルラはこの病院で一
番若い看護婦だ)
Rusia es el mayor país en el mundo.(ロシアは世界で最も広い国だ)
143.
Salamanca tienela universidad más antigua de España.(サラマンカに
はスペインで一番古い大学がある)
副詞の場合:前述した構文がスペイン語では使えないため、比較級の表現を応用して、「何よりも
~」と表現します。más+副詞+que nadie, nada+de(en, entre) 比較対象、です。
Carmen toca el piano mejor que nadie en esta escuela.(カルメンはこ
の学校で誰よりも上手にピアノを弾く)
Por avión se puede viajar más cómodo que nada.(飛行機だと何よりも
快適に旅行できる)
あるいは、nada(nadie)を主語にした同等比較文でも言えます。
Nadie toca el piano tan bien como Carmen.(誰もカルメンほど上手にピア
ノを弾けない)
Nada es mejor que el avión para viajar cómodamente.(快適に旅行
するには、飛行機以上のものはない)
12.7 まとめ
未来形は、単なる未来だけではなく推測の意味も表す。ただ、単なる未来の意味では中南
米ではあまり使われない
過去未来形は、過去の時点から見た未来、または過去のことがらについての推測も表す
Nada(英 nothing)や nadie(英 nobody)、そして ningún/ninguna(英 none
of)が動詞の前に来る場合否定文の no もつくが、これは二重否定ではない
定冠詞には中世形 lo もあり、形容詞や que が続く。
形容詞の比較級や最上級は、基本的に(定冠詞)+ más/menos +名詞。比較対
象は que ~。 同党比較は tan(to/a)(s) ~ como.
副詞の最上級ははないので、比較級を使って「誰よりも~」などという表現を使う。
ir: vaya,vayas, vaya, vayamos, vayáis, vayan
saber: sepa, sepas, sepa, sepamos, sepáis, sepa
dar: dé, des, dé, demos, déis, den
dar は規則動詞ですが、de と書くと前置詞と紛らわしいので、アクセント記号をつけて区別します。
13.2 「~しないでください」という言い方(否定命令)
これは比較的簡単です。no+接続法現在形で言えばよいわけです。
No fumes aquí.(ここではタバコを吸わないでくれ、tú に対し、fumar は「タバコを
吸う」)
No le entregue esta llave.(彼にはこの鍵を渡さないでください、usted に対する
命令、entregar は「渡す」)
No pasemos por esta calle. ( こ の 通 り は 通 ら な い こ と に し ま し ょ う 、
nosotros/as に対する命令)
No me despiertes.(私を起こさないで、tú に対する命令)
No os vayáis.(行かないでくれ、vosotros/as に対する命令)
これだけだと少し高圧的に聞こえる場合もありますが、そのときは por favor.(お願い)をつけて
語調を弱めるといいでしょう。簡単ですね。
13.3 「~してください」という言い方(肯定命令)
問題は、「~してください」という命令のほうです。これは tú や vosotros(as)と、それ以外では違
います。
tú の場合:基本的に、直説法 3 人称単数の活用形を使います。ただ、不規則形のある
動詞もあります。salir>sal, venir>ven, tener>ten, hacer>haz, poner>pon,
decir>di, ser>sé ir>ve.
vosotros(as)の場合:不定詞の r を取って、d をつけます。これは例外がありません。
(アルゼンチンや中米で使われる vos の場合は、その d を取って、その代わりに最後の音節
にアクセントを打ちます)
148.
その他の場合(usted, ustedes,nosotros/as):接続法現在を使います。
この肯定命令で大切なのは、代名詞が動詞の後ろに置かれ、一語として書かれるということです。
Venid aquí mañana a las diez.(きみたち、明日は 10 時に来てくれ、
vosotros/as に対する命令)
Dime la verdad.(本当のことを私に言って、tú に対する命令)
Dale este libro a mi hermano.(その本を私の弟に渡して、tú に対する命令)
Déselo.(彼にそれを渡してください、usted に対する命令)
Después hablemos de este asunto.(この件については後ほど話しましょう)
なお、再帰動詞の場合、vosotros(as)のときは d が消えます。ただ、irse(立ち去る)のときだ
けは、idos という形が標準です(iros という形も最近認められました)。また、nosotros/as のとき
も、irse のときは vámonos になります。
¡Levantaos mañana a las seis!(明日は朝 6 時に起きろ!)
Poneos estas faldas.(このスカートをはいて、)
Idos de aquí.(ここから出て行け!)
しかし、何よりも難しい点は、同じ命令でも肯定命令と否定命令では、動詞の活用形や代名詞
の語順が変わる点です。ちょっと比較してみましょう。
Ponerse el sombrero(帽子をかぶる)の命令形
肯定命令
(帽子をかぶって)
否定命令
(帽子をかぶらないで)
tú Ponte el sombrero No te pongas el sombrero
usted Póngase el sombrero No se ponga el sombrero
nosotros/as Pongámonos el sombrero
No nos pongamos
el sombrero
vosotros/as Poneos el sombrero No os pongáis el sombrero
ustedes Pónganse el sombrero No se pongan el sombrero
Usted(es)や nosotros/as の場合、肯定でも否定でも接続法現在を使いますが、肯定命令
の場合は代名詞が動詞の後に来て、1 語として書かれるのに対し、否定命令の場合には代名詞が
動詞の前に置かれ、別の単語になります。しかし何よりも厄介なのはtúや vosotros/as の場合で、
149.
肯定命令の場合には上記の命令法を使う必要がある一方(tú の場合は不規則活用)、否定命
令の場合は接続法になるということで、活用が変わってくる点です。さらに、この例文で「帽子」を代名
詞にした場合どうなるか見てみることにしましょう。
Ponérselo(それを着用する)の命令形
肯定命令
(それを着用して)
否定命令
(それを着用しないで)
tú PónteloNo te lo pongas
usted Póngaselo No se lo ponga
nosotros/as Pongámonoslo No nos lo pongamos
vosotros/as Ponéoslo No os lo pongáis
ustedes Pónganselo No se lo pongan
肯定命令の場合、再帰代名詞(te, se…)などの部分と「それ」(lo)が動詞の poner と一
体化して 1 語になるのに対し、否定命令の場合にはこれらが独立して poner の前に置かれ、no と
合わせると 4 語になることがわかります。このような肯定命令と否定命令の構造の違いはかなりややこ
しいものですが、スペイン語のマスターにおいて不可欠ですので、いろんな例文を作って試してみてくだ
さい。
13.4 まとめ
スペイン語では肯定命令と否定命令の作り方が異なるが、命令法の動詞が使われるとき
(具体的には肯定命令で、主語が tú や vosotros/as のとき)以外は接続法現在が使
われる。
接続法現在では、ar 動詞をあたかも er 動詞のように、er 動詞や ir 動詞をあたかも ar 動
詞のように活用する。また、直説法現在で yo が不規則な動詞は、それに応じた活用形に
なることがある。
否定命令は比較的簡単。接続法現在を使って普通に文章を作ればいいだけ。
肯定命令、特に tú では独特の活用をする動詞も多いので注意。
代名詞は、肯定命令の場合には動詞に続けて、否定命令の場合には動詞の前に置く。な
ので、「それを着用して」と「それは着用しないで」という、肯定か否定か以外では同じ命令文
でも、スペイン語ではかなり文章が変わってくる。
150.
14. 「~してほしい」、「~だといいけど」などの表現
ここでは、前章で活用形を習った接続法の命令形以外での用法、関係代名詞、そして接続法
現在完了を学習します。
14.1 接続法の用法1: 願望や命令、忠告や使役を述べるとき
さて、前章で命令法を勉強しましたが、接続法というぐらいですから、基本的には文が接続すると
きに使われます。ですが、場合によりけりなので気をつけてください。まずは、希望や命令、忠告や使
役「~させる」などを述べる時は接続法を使います。
希望や願望、使役を述べるとき
Espero que te guste este libro.(この本がきみの気に入るといいけど)
Quiero que probéis este vino.(このワインをちょっと飲んでみてほしいんだ)
¡Ojalá que haga buen tiempo mañana!(明日天気になるといいんだけど)
¡Que siga la paz!(平和が続きますように)
La falta de alimento hace que la gente pase hambre. (食料不足のた
めに人々は飢えている)
¡¡Deja que los niños se peleen!! Así aprenderán(子どもたちにケンカさせ
ておきなさい。そうやって子どもたちは学ぶものです!!)
なお、使役を表す場合、最後の例文にあるように、代名詞を置くことで接続法ではなく不定詞を
使える場合もあります(上記の場合では、La falta de alimento hace a la gente pasar
hambre や¡¡Déjales (a los niños) pelearse!!とも言えます)。ここで、querer について、補
足しておきたいと思います。
Quiero ver esta película.(この映画を見たい)
Quiero que veas esta película.(この映画をきみに見てほしい)
Querer については、上記の文にあるように、「~したい」ときは不定詞、「~してほしい」という文
章のときは接続法になります。「~してほしい」のときには英語とかなり違った表現となり、英語なら I
want you to see this movie.と不定詞を使うのに対し、英語に直訳すると I want that you
should see this movie.に相当する構文になる点に注意してください。
151.
命令や忠告などを述べるとき
El entrenadorme dice que corra mucho.(コーチは私に、たくさん走るように
といっている)
(El entrenador dice que corro mucho:コーチは、私がたくさん走っているとい
っている)
El médico aconseja que haga un poco de deporte.(医者は私に、少しス
ポーツするようにと勧める)
Os recomiendo que vayáis al Museo Nacional de Bellas Artes.(きみ
たち、国立美術館に行くといいよ)
となります。特に decir の場合、直説法か接続法かという違いだけで大きく文章の意味が変わるので、
気をつけてください(上記のコーチの文例、また以下の文例)。
El profesor dice que estudias mucho.(先生は、きみがよく勉強していると言
っている)
El profesor dice que estudies mucho.(先生は、きみによく勉強するようにと
言っている)
となり、意味が全然変わってしまうので、気をつけてください。
14.2 関係代名詞・関係副詞のつくり方
突然ですが、ここで関係代名詞について扱いたいと思います。この関係代名詞はスペイン語では
接続法と密接な関係にありますので、ぜひしっかり覚えてください。
まず、英語の that にあたる場合には、que が使えます。主格・目的格のどちらにも使えるので、
便利な表現です。わかりやすいように、英語の文章と比較しながらみてみましょう。
Los animales que vuelan son pájaros. (Animals which fly are birds)
飛ぶ動物は鳥だ。
Aquel edificio alto que está a vuestra derecha es el ayuntamiento.
(The high building that lies on your right is the City Hall)右手にある
高い建物は市役所です。
El coche que tengo tiene diez años. (The car I have is ten years old)
私の持っている車は 10 年前のものだ。
152.
Portugal esel primer país europeo que tuvo contacto con Japón.
(Portugal is the first European country which had contact with
Japan.) ポルトガルは日本と最初に接触した欧州の国である。
La Alhambra es el palacio que construyeron los musulmanes. (The
Alhambra is the palace Muslims built)アルハンブラはイスラム教徒が建築し
た王宮である。
英語と違うのは、前置詞が先行詞につくときは、前置詞+el(la, los, las) que(cual(es))とな
ります。しかし、con, de, en+que の場合、定冠詞は必要ありません。
Hay tantos hechos históricos de (los) que no me enteraba.
(There’re so many historic facts I didn’t know of) 私が知らなかった数多
くの歴史的事実があります。(enterarse de:~について知る)
Este es el castillo en (el) que nació aquel rey (This is the castle in
which the king was born) このお城の中で、あの王様が生まれました。
Estos son los principios por los cuales actuamos nosotros (These
are the principles on which we act)これらが、私たちが従って行動している原
則です。
こういう文章をすらすら読んだり、聞いて理解したりするのは、最初のうちは難しいと思います。じっ
くり慣れてゆきましょう。
あと、英語と同じように関係副詞もあります。例文をさっそく示します。
Navidad es el día cuando se reúne toda la familia (Christmas is the
day when all the family comes back together)クリスマスは家族全員が集
まる日です。
Cuba es el país donde nacieron muchas clases de música latina
(Cuba is the country where so many Latin music were born)キューバ
は、多くの種類のラテン音楽を生んだ国です(clase はここでは「種類」の意味)。
この関係副詞は、難しい文法説明をしなくてもすぐわかると思います。普通は疑問代名詞として
使われる cuándo や dónde が関係代名詞として使われています。なお、関係代名詞になる場合
にはアクセント記号がつきません。
153.
14.3 接続法の用法 2:否定、あるいは不確かなことをいうとき
no creo que などではじまる否定文(「私は~だとは思わない」)、あるいは関係代名詞で不
確かなことをいう場合に接続法を使います。
Quiero emplear una secretaria que sepa el ruso.(私はロシア語のわかる
秘書を雇いたい)
(Quiero emplear esta secretaria que sabe el ruso)(私はロシア語のわか
るこの秘書を雇いたい)
No creo que Emilia lo quiera.(エミリアが彼のことを好きだとは思えない、スペイ
ンでは lo のかわりに le)
(Creo que Emilia lo quiere)(エミリアは彼のことを好きだと思う)
Mi hermano quiere vivir en un piso que tenga tres habitaciones.(私
の弟は部屋が 3 つあるアパートに住みたがっている)
(Mi hermano vive en un piso que tiene tres habitaciones)(私の弟は
部屋が 3 つあるアパートに住んでいる)
No conozco a ningún intérprete que sepa el turco.(トルコ語ができる通
訳を私は知らない)。
(Conozco a un intérprete que sabe el turco.)(トルコ語ができる通訳を私
は知っている)
最初の文では、「ロシア語がわかる秘書が実際にいるかどうかはわからないけど、いたとしたら雇いた
い」という意味で接続法になっています。それに対し、その下のかっこで書いた文の場合、その秘書は
実際にロシア語がわかるわけで、具体的にその人を雇いたい、という意味になり、この場合は直説法を
使います。次の文は、「エミリアが彼のことを好き」ということを否定しているわけで、そこで頭で思い浮
かべただけの概念を表現するための法、つまり接続法が使われます(「エミリアが彼のことを好き」が本
当なら、直説法を使います)。3 つ目も最初のものと同じで、部屋が 3 つあるアパートは存在するで
しょうが、具体的にどれか定まっていないので、接続法でそのあたりのニュアンスを表現するのです。そし
て最後の文章は、「トルコ語を知っている通訳」がいないとう意味を出すために接続法が使われていま
す。
ただ、同じ文章を直接法と直説法の両方で述べることができる場合もあり、その際にニュアンスの
違いができます。
Quizá deja de llover.(たぶん雨はやむよ:やむとほぼ確信している)
154.
Quizá dejede llover.(もしかしたら雨はやむかもしれない:あまり雨がやむとは思
っていない)
Paseemos por esta calle aunque llueve.(雨が降っているけど、この通りを歩
こうよ:実際に雨が降っている)
Paseemos por esta calle aunque llueva.(雨が降ったとしても、この通りを歩
こうよ:実際には、今のところ雨は降っていない)
このように、接続法でいうとより可能性の低いことについていうことになります。
14.4 接続法の用法 3: 「~するとき」というとき
副詞節としての cuando(英語の when)のあとに将来のことをいう場合は、接続法を使いま
す。この場合、フランス語では直説法未来を使うため、フランス語を知っている方は注意してください。
Avísame por teléfono cuando encuentres mi cartera.(私の財布を見つ
かったら電話で連絡してくれ)今のところ財布は見つかっていないが、将来見つかったら、
というニュアンス。
Vámonos cuando deje de llover.(雨が止んだら行きましょう)雨が止むのが
5 分後か 1 時間後かわからないが、それまで待とうというニュアンス。ちなみに、この場合
は Esperemos aquí hasta que deje de llover(雨が止むまで待ちましょう)
のように、hasta que+接続法(~するまで)でもかまいません.
Estaré muy cansado y no podré ayudarte cuando termine este
trabajo.(この仕事を終える頃には、私はとても疲れていてきみを手伝えないだろう)
仕事がいつ終わるかわからないというニュアンスが出ている。
しかし、si(もし、英語の if)でいう場合は、同じような文章でも直説法になります。
Avísame por teléfono si encuentras mi cartera.(もし財布を見つけたら電
話で連絡してくれ)
Vámonos si deja de llover.(もし雨が降ったら行きましょう)
14.5 接続法の用法 4: 判断を示す場合
155.
me alegro deque(~で嬉しい), vale la pena que(~する価値はある), es mejor
que(~のほうがいい), es necesario que(~することが必要だ)などのように、判断が示され
る文章のあとに動詞が活用される場合は接続法になります。
Me alegro de que haga buen tiempo hoy para vuestra boda.(今日の
きみたちの結婚式が晴天のもとでできて嬉しい)
¡Vale la pena que caminemos una hora: ¡a estas horas el taxi nos
cobra tres mil yenes!(一時間歩くだけの価値はあるよ。タクシーはこの時間
3000 円ふんだくるんだから)
Es mejor que yo vaya allí que sigamos hablando por teléfono para
solucionar este problema.(この問題を解決するためには、こうやって電話で話し
続けるよりも私が直接そっちに行った方がいい).
Es necesario que se construya una línea de metro para reducir el
tráfico aquí.(ここの交通量を減らすためには地下鉄の路線が建設される必要があ
る)
これらの表現は不定詞でも可能ですが、que がついて動詞が活用するときには、必ず接続法にし
てください。
¡Nos vale la pena caminar una hora: ¡a estas horas el taxi nos cobra
tres mil yenes!(一時間歩くだけのことはあるよ。タクシーはこの時間 3000 円ふん
だくるんだから)
Es necesario construir una línea de metro para reducir el tráfico
aquí.(ここの交通量を減らすためには地下鉄の路線が建設する必要がある)
14.6 接続法の用法 5: 「~するように、ために」という表現
para que(「~するように、ために」)のあとは、必ず接続法になります。
Te traigo un libro de pinturas para que veas las obras de Picasso.
(ピカソの作品が見れるように、絵の本をきみに持ってきたよ)
Trabajamos como voluntarios para que se realice este proyecto.(こ
の計画が実現するようにということで、私たちはボランティアとして働いています)
156.
Se inauguraeste centro cultural para que los japoneses puedan
conocer la cultura española. (日本の方がスペイン文化を知ることができるよう
にするため、この文化センターは開設されます)
この場合も、不定詞にできるときは不定詞にしてしまいます。
Trabajamos como voluntarios para realizar este proyecto.(この計画
を実現させるために、私たちはボランティアとして働いています)
Se inaugura este centro cultural para presentar la cultura española
a los japoneses interesados. (関心のある日本人にスペイン文化を紹介すべく、
この文化センターは開設されます)
どう違いがあるかというと、プロジェクトの最初の文章では、realizar の主語は este proyecto で、
その前の trabajamos(もちろん主語は nosotros)と違っていたので para que になるわけです
が、下の文では realizar の主語も nosotros なので、単に para+不定詞になっているわけです。
下も同じ理屈です。
14.7 接続法現在完了
あと、念のために接続法現在完了を説明しておきます。haber の現在完了+過去分詞になるこ
とはもうみなさんおわかりでしょう。
Abrir(開く)の接続法現在完了(abrir は過去分詞が abierto と不規則)
主語 活用形 主語 活用形
yo(私)
haya
abierto
nosotros /
nosotras
(私たち)
hayamos
abierto
tú(きみ)
hayas
abierto
vosotros /
vosotras
(きみたち)
hayáis
abierto
157.
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
haya
abierto
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
hayan
abierto
使い方はもうわかると思いますが、接続法をとり、かつ現在完了の意味になるときに使います。
Me alegrode que os hayáis casado(君たちが結婚して私は嬉しい)
No creo que mi padre haya vuelto a casa.(私の父はまだ帰宅してはいない
と思いますが)
14.8 まとめ
接続法は、願望や命令、忠告や使役があるが、特に使役の場合、先に対象の人を出すこ
とで不定詞に変えることもできる。
decir の場合、que のあとで直説法を使うと「~という意見だ」という意味に、接続法を使う
と「~と言っている」という意味になる。
関係代名詞は que の他、cual もある。
関係代名詞の前に前置詞が置かれる場合、定冠詞が中に入る(例: para los
cuales)が、con que, de que, en que の場合には不要。
「私は~と思わない」のように接続詞のあとを否定する場合、または「~のような」といった仮定
の状況を話す場合、接続詞が使われる。
直説法と接続法が両方使用可能な文章の場合、接続法はより可能性が低いことを示す。
将来のできごとについて「~したら」という場合には、cuando+接続法か si+直説法。
判断を示す文章の場合、また「~のために」という文章の場合、接続法が使われる。
Abrir(開く)の接続法過去 se 形
主語活用形 主語 活用形
yo(私) abriese
nosotros /
nosotras
(私たち)
abriésemos
tú(きみ) abrieses
vosotros /
vosotras
(きみたち)
abrieseis
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
abriese
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
abriesen
現代スペイン語では、この ra と se にはそれほど違いはありません。本来は se 形のみが接続法過
去で、ra 形はもともと大過去だったのですが(現在はそういう用法で使われることもなくはない)、特
に中南米では接続法過去として ra が専ら使われています。最初のうちは ra 形だけを覚えておいて、
se 形をみたら「こんなのもあったな」程度に覚えておく方がいいでしょう。また、正確にはこれに加え、ス
ペイン語には接続法未来も存在しますが(abriere, abrieres, abriere, abriéremos,
abriereis, abrieren)、現在ではことわざや法律用語に限定されており、特に日常会話では使わ
れないため、覚えなくてもかまいません。
15.2 現在の事実に反する仮定
接続法過去の主な用法といえば、まずこれです。英文法の時に If I were a bird, I would
fly over the sky.(私がもし鳥だったら大空をはばたくのに)という文章がありましたね。そういうよ
うに、「自分は鳥じゃないけど、もし鳥だったら」のように、現実にはありえない仮定をする時に接続法
過去を使います。そのときの帰結節、つまり「~するのに」という文章は、直説法の過去未来の活用
になります。また、英語でなぜ主語が I や he なのに was ではなく were が使われるのか?という疑問
を持った人も多いと思いますが、これは接続法過去の名残として were が現代英語まで残っているか
らです(ドイツ語では直説法過去は ich war, du wares, er war ですが、接続法過去にあたる
160.
接続法 2 式はIch wäre, du wärest, er wäre などと、その他の動詞でも直説法過去と異なる
活用形が使われます)。
Si yo fuera pájaro podría volar en el cielo.(私がもし鳥だったら大空をはば
たけるのに)
Si yo tuviera un millón de dólares, compraría este coche deportivo.
(もし 100 万ドルあったらこのスポーツカーを買うんだけど)
Si tuvieras coche, podríamos volver a casa muy cómodo.(もしきみが
自動車を持っていたら、うちに楽に帰れるんだけど)
ちなみに、条件節と帰結節の主語が同じ場合、この接続法過去は de+不定詞で言い換えると
もできます。
De ser pájaro podría volar en el cielo.(私がもし鳥だったら大空をはばたけ
るのに)
De tener un millón de dólares compraría este coche deportivo.(も
し 100 万ドルあったらこのスポーツカーを買うんだけど): この場合には con un
millón de dólares でもかまわない。
15.3 過去の事実に反する仮定(接続法過去完了)
もう一つ、過去の事実に反した仮定は、接続法過去完了で表すことができます。その前に、一応
接続法過去完了の活用形を見てみましょう。これも haber の接続法過去 hubiera や hubiese
の活用形に過去分詞を付け加えるものですが、ここでは ra 形だけを見て、se 形は省略します。
Abrir(開く)の接続法過去完了 ra 形
主語 活用形 主語 活用形
yo(私)
hubiera
abierto
nosotros /
nosotras
(私たち)
hubiéramos
abierto
tú(きみ)
hubieras
abierto
vosotros /
vosotras
(きみたち)
hubierais
abierto
161.
él(彼)
ella(彼女)
usted(あなた)
それ
hubiera
abierto
ellos(彼ら)
ellas(彼女ら)
ustedes(あなたがた)
それら
hubieran
abierto
この文の場合、帰結節で「今ごろ~していただろう」という場合は直説法の過去未来の活用を、
「既に~してしまっていただろう」という時は過去未来完了になります。とにかく例文を見てみましょう。
Ya estaríamosen casa si no nos hubiéramos perdido en el camino.
(もし道中道に迷わなかったら、今頃私たちは家にいたはずだ)
Si no hubiera muerto tan joven, este músico habría compuesto
muchas más canciones bonitas.(もしそれほど若く死んでいなければ、このミュ
ージシャンは美しい曲を数多く作っていたはずだ)
15.4 接続法過去のその他の用法
もちろん接続法過去は、それ以外の用法があります。まず、me gustaría や quisiera は、「~
していただきたいのですが」という丁寧な依頼文になりますが、que のあとの接続法の部分も過去にな
ります。
Me gustaría que vinieras un poquito más temprano mañana.(明日
もうちょっと早く来てほしいんだけど)
Quisiera que me dijeras la verdad.(本当のことを言ってほしいのですが)
Nos gustaría que le entregara usted esta lista al profesor Guzmán.
(グスマン先生にこのリストを渡していただきたいのですが)
Desearía que me enseñara dónde se ubica la catedral.(どちらに大聖堂
があるか、教えていただけませんか?)
なお、「~したいのですが」という文章では、当然ながら不定詞が使われます。
Quisiera pedirte un favor.(お願いをしたいのですが)
Nos gustaría mostrarle nuestro plan.(私たちの計画を提示したいのですが)
Quisiera saber el número de teléfono de Nuria.(ヌリアの電話番号を知り
たいのですが)
162.
その他、前章で紹介したさまざまな接続法現在の用法が、そのまま接続法過去でも使えます。
Esperaba quete gustara el libro.(この本がきみの気に入ることを私は期待し
ていた)
Quería que aprobaras el examen ayer.(昨日の試験に受かってほしかった)
No había ningún intérprete que subiera el turco.(トルコ語ができる通訳
はいなかった)
Le dije a Ramón que me llamara cuando encontrara mi perro.(私の
犬を見つけたら私に電話するようにラモンに行った。Llamara は「電話するように」という
過去の依頼を、そして encontrara は「見つけたら」、という、依頼した時点から見た場
合の未来を、それぞれ接続法過去として表現)
En aquel entonces era normal que las familias ricas tuvieran
esclavos.(あの時代、裕福な家庭が奴隷を持つことは普通のことでした)
Nuestro profesor nos dejó estos libros para que los leyéramos.(先
生は、私たちが読めるようこれらの本を残した)。
また、「~してほしかった」や「~すると期待していた」という表現で接続法過去が使われる場合、
その希望とは異なることが実際には起きた、という意味合いを含むことが多いです。
Queríamos que vinieras a nuestra fiesta de ayer.(きみには昨日のパーテ
ィに来てほしかった): 実際にはパーティに来てくれなかったので残念だった、という意味
合いが含まれることが多い。
Las madres no deseaban que murieran sus hijos en la guerra.(母
親たちは、息子たちの戦死を望んではいなかった): 実際には息子たちが戦死した、とい
う意味合いが含まれることが多い
Esperábamos que ganarías aquel premio.(あの賞をきみが受賞するものと
みんな期待していた): 実際には受賞できなかった、という意味が入ることが多い。
15.5 動詞の時制表(まとめ)
163.
ここまでたどり着いたみなさん、おめでとうございます。スペイン語の基本文法はこれでおしまいです。
あとはスペイン語の文を読んだり、スペイン語の会話を耳にしたりしてスペイン語に慣れてゆけば、スペ
イン語をマスターできます。
最後に、時制を復習してみたいと思います。hablar の yoの活用を例にして、どの活用形がどの
ような関係にあるのか、思い出してもらえば幸いです。
法:不定法、直説法、接続法、命令法の 4 つ
不定法:不定詞(hablar)、完了不定詞(haber hablado、意味としては「話し
たこと」)
直説法:現在(hablo、英 I speak)、点過去(hablé、英 I spoke)、線過去
(hablaba、英 I spole / I was speaking / I used to speak)、現在完了(he
hablado、英I have spoken)、過去完了(había hablado、英I had spoken)、
未来(hablaré、英 I Will speak)、未来完了(habré hablado、英 I will have
spoken)、過去未来(hablaría、英 I would speak)、過去未来完了(habría
hablado、英 I would have spoken)。ただ、完了時制を除くと、現在・点過去・線過
去・未来、未来完了の 5 つ。
接続法:現在(hable、英 I should speak)、現在完了(haya hablado、英 I
should have spoken)、過去(hablara、英 I spoke、I were の were がわかりや
すい例)、過去完了(hubiera hablado、英 I had spoken)。完了時制を除くと、
現在と過去の 2 つだけ。
命令法:habla、hablad これは覚えるしかない。
その他、動詞の活用形としては現在分詞(hablando)と過去分詞(hablado)があります。
付録 1 の活用表をゆっくりご覧になり、スペイン語の動詞体系をマスターされることをお勧めします。
15.6 まとめ
接続法過去は、直説法点過去の 3 人称複数の ron を ra, ras, ra...か se, ses, se...
に置き換えれば OK。接続法過去完了は、haber の接続法過去 hubiera.../hubiese...
に過去分詞を添えれば OK。