OA, ON, Neck Fracture
に対するTHAの適応と成績


横浜市立大学 整形外科
  医学研究科 2年
    大庭真俊
変形性股関節症(OA)
Primary OA   Secondary OA
変形性股関節症(OA)
                  Primary OA                                                         Secondary OA
•    確立した定義はない                                                      •    外傷や臼蓋形成不全、炎症性疾患
•    広く用いられる定義は                                                          に伴うもの
                                                                    •    臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼
       – 過去に股関節疾患の既往がなく,                                                 の既往はOAのリスクファクター(3)
         X線像で骨頭・頚部の形態異常を                                            •    本邦では臼蓋形成不全や先天性股
         認めず,CE角19°以上,Sharp角
                                                                         関節脱臼既往に伴う二次性OAが多
         45°以下,臼蓋荷重部傾斜角15°以
         下(または未満)のもの                                                     いため、変形性股関節症全体に占
                                                                         める女性患者の割合が多い。
                                                                    •    欧米では1次性OAが多いといわれ
•    統一の診断基準が無いため、報告
                                                                         ている。
     により頻度が異なるが、高齢化と
     ともに増加(1)している
•    1次性OAとされた患者の骨形態に
     も軽度の異常を認める例が多いと
     いわれている(2)(4)
1) 小林千益ら:変形性股関節症 一次性股関節症の自然経過                              整形外科 45(8) 814-8 (1994)
2) 岡野徹ら: 一次性変形性股関節症の解剖学的異常 Hip Joint 2000;26:250-2.
3) 林 靖人ら: 股関節症の疫学.Hip Joint. 2001;27:194-7.
4) Ganz R et al : Clin Orthop Relat Res (2008) 466:264–272
Hip OAに対する治療の歴史
古代~:発掘される人骨にみられるHip OA性変化の頻度は現在と同じ(5)

19世紀後半~:大腿筋膜、豚の膀胱、皮膚などをJoint space に挟み込
む手術(Interpositional arthroplasty)

1923-: Smith-Peterson 大腿骨頭を削りcupをかぶせるmould arthroplasty
最初はガラス⇒ベークライト これらはすぐ破損 最終的には Co-Cr
合金(Vitallium)(6)




5) Berato J et al : Epidemiology of rheumatic diseases in an ancient population: study of the Necropole du Haut-Empire de Saint-Lambert (Frejus,
Var)]. Rev Rhum Mal Osteoartic 1990; 57: 397–400.
6 ) Wiles P: the surgery of the arthritic hip British journal of surgery 45(3) 488-497, 1958
治療の歴史
1938 :Wiles Stainless-Steel のball & cup
現在の人工関節の原型

1940’s 後半 : Judet アクリルの骨頭




1960 :Sir. John Chanley
Low friction arthroplasty
(1) 摺動面に摩擦の低い材質を使うことの重要性
(2) アクリル系セメントの使用
(3) 高密度ポリエチレンの摺動面への使用
Hip OA の治療法
• 手術治療
                      Joint preservation
 骨切り術
   • 大腿骨側
   • 臼蓋側


 Resurfacing
                      Bone conservation

 人工股関節全置換術(THA)
Hip OAの治療法
• 保存療法
      • 患者教育(主に運動療法など)
          – 患者教育はOAの症状緩和に有効であり、行うべき
            (GradeA)
          – OAの進行に与える影響は不明(Grade I)


      • 関節内注射(ステロイド、ヒアルロン酸)
          – 短期的な疼痛改善効果はある(Grade C)
          – 長期的な進行抑制効果は不明(Grade I)


      • 薬物療法(NSAIDsなど)
          – NSAIDsはアセトアミノフェンと比較しても有効(Grade
変形性股関節症診療ガイドライン 第2版 日本整形外科学会 2008
            A)
Primary OAに対するTHA

• THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か




• Primary OAに対するTHA術後の成績
  – インプラント固定法による差
  – 摺動面による差


• THA以外の治療の成績
THAによる治療を考えるべき病態は
⇒OAの症状(痛み、可動域制限等)により、
QOLの低下が著しい場合。
    日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008)

                  推奨
Grade B    THAはQOLや歩行能力の改善に有効である.
THAによる除痛効果
    初回THA前後の痛みの症状の変化について。
メイヨークリニックで行われたTHA約6000例でのアンケート調
               査
          (Singh JA   Rheumatology (Oxford). 2013)
Primary OA Hipに対する
             THA後の身体機能
• 腰部脊柱管狭窄症患者との比較
    (年齢構成などが似通っている集団) Rolvingら   Eur Spine J,2008




40METs/day=中程度の身体機能
THA後のスポーツ、復職率
    Cowie JG   Arch Orthop Trauma Surg 2013
THAの長期成績
        日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008)


Research Question
セメント使用THAの長期にわたる治療成績は
                        推奨
Grade B   セメント使用THAのインプラント生存率は,10~15年で85~100%,
          20~25年で60~87%であり,セメント手技や使用機種などにより成
          績のばらつきがある.


Research Question
セメント非使用THAの長期にわたる治療成績は
                        推奨
Grade     セメント非使用THAの10~15年のインプラント生存率は,ソケットが
B         69~100%,ステムが88~100%で,使用機種やインプラントの表面処
          理により成績のばらつきがみられる
Primary OA に対するTHAの成績




                     Australian Joint Registry 2012 annual report
10年でおよそ3-7%の再置換率
手術時年齢が低いほど再置換率が高い。
固定方法による長期成績の違い(2)




          National Joint Registry UK 2012
固定方法による長期成績の違い




       Australian Joint Registry 2012 annual report
再置換率が少ないからCement固定が良いか?
    UK のJoint Registry の解析。死亡率は年齢補正をしている。




                                      McMinn 2012,BMJ


術後のRevision 率はCementedで低いが、生命予後はCementlessが優れる
(参考)Resurfacing for Primary
          OA
• 60歳以下でActivity の高い男性には適応があるとされる
 – 良い骨質、骨温存できること、機能的予後の改善、インプラン
   ト生存率が良い




                   Australian Joint Registry 2012 annual report
(参考)Primary OAに対する
      Resurfacing
  年齢とインプラント生存率
      男性                                        女性




                     Australian Joint Registry 2012 annual report



特に女性においては、近年resurfacing があまり用いられなくなってい
る
Primary OAに対するTHA

• THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か
   – 疼痛やADLの低下が著しい患者はTHAによる治療を考
     えるべき

• Primary OAに対するTHA術後の成績
   – インプラント固定法による差
    • セメント固定の長期成績が若干勝っている
    • セメント使用に関わる合併症の問題や、術後の患者生存率が
      やや低いという問題がある。
DDHに起因するOA
DDH OAに対するTHA

• THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か



• THA以外の治療の成績と、それを用いたほうがいい場合
  とは



• DDHに対するTHAの成績はPrimary OAに対するTHAの成
  績と比較してどうか
DDHに起因するOAに対する治療
• Joint-Preservation
     • Arthroscopy | 痛んだ関節唇のdebridementなど
        – 改善がみられた(McCathy JC,Orthopedics 1998)
        – 一時的な改善はあっても長く続かない
                                      (Parvizi J, J arthroplasty 2009)



     • 骨切り
        – 骨盤側
        – 大腿骨側
関節温存手術について
          日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008)
                        推奨
Grade B   寛骨臼回転骨切り術・寛骨臼移動術は,臼蓋形成不全を伴う前股関節
          症と初期の変形性股関節症の症状緩和および病期進行の予防に有効な
          術式である.

                        推奨
Grade C    Chiari骨盤骨切り術は臼蓋形成不全を伴う変形性股関節症の症状緩和
           と病期進行予防に有効である.

                        推奨
Grade C    大腿骨外反骨切り術は進行期・末期変形性股関節症の症状緩和に有
           効な術式である.

                        推奨
Grade C    大腿骨内反骨切り術は,前股関節症および初期変形性股関節症の
           症状緩和と病期進行予防に有効な術式である
骨盤側骨切り
骨盤骨切り(Bernese)の成績




           Sanchez-Sotero J 2002, JAAOS
SAO(Wagner)の成績




        Schramm M 2003, JBJS-A
高年齢の症例に対するSAO
        Teratani T,2010 JBJS-A
キアリ骨切り術
• DDHに対するキアリ骨切り術後、平均20年のフォローアップ結果




                 Ito H,2011   JBJS-B
大腿骨側骨切り




h- 外転筋のレバーアームを長くするほうが、バイオメカニクス的に有利
                  Maquet, 1999, Acta Orthop Belgica
転子間骨切りの成績




     Iwase T 1996, CORR
骨切りの適応
• 既に関節症性変化が高度に起こっている場合、術後の予
  後が悪い。          Ito H,2011 JBJS-B
                    Yasunaga Y, 2001 JBJS-B

• 高年齢そのものが悪いのではなく、年齢が高いほど関節
  症性変化が進むため成績が悪くなる。 A, 2009 JBJS-A
                 Troelsen




            術前のOAの程度により補正した場合有意差なし
DDH-Joint Replacement
• Crowe 分類 (Crowe 1979)

                                                 Type        Vertical     Femoral-
                                                             Height       Head
                                                                          diameter

                                                     Ⅰ       <0.1         <0.50

                                                     Ⅱ       0.1-0.15     0.50-0.75

                                                     Ⅲ       0.15-0.2     0.75-1.00

                                                     Ⅳ       >0.2         >1.00



(Inter-teardrop line~head-neck junction)/Femoral-head diameter   (or vertical height)
DDH Hip に対するTHA




          Sanchez-Sotero J 2002, JAAOS
Crowe Type ⅡやⅢにおける
          カップ設置
Cup上面の75-80%以上が被覆されるように設置すること
が望ましい (Schüller HM,1993 JBJS-B)




                   Sanchez-Sotero J 2002, JAAOS
Shelf graft   Tsukada S, 2012 J Arthroplasty




• 平均年齢55歳のDDH-OA Hip 16例22股
• 観察期間平均8年で looseningなし。
High Hip center
• ある程度の高位設置は、Hip Center の外方化が無ければ
  許容されるとの立場もある 。(Georgiades G,2010 J Arthroplasty)




   カップの設置角度と
   ライナー摩耗の関係
   45°以上になると摩耗が増える
   という論文もある。
   (Wan G,2008,J Arthroplasty)
臼蓋の内板よりも内側に設置する方法
   (Medial Protrusio Technique)Dorr LD,1999 JBJS-A

• 19例24股に対して、この方
  法を用いてセメントレス
  カップの設置を行った。

• 平均7年、最低5年の観察期
  間で1例もカップのloosening
  なし。

• カップ上方の骨被覆は得ら
  れるが、骨欠損が大きくな
  るため、revision時の問題が
  ある。
Crowe Ⅳ          に対するTHAの成績

• 原臼蓋に近くカップを設置する際に、
  大きく脚延長しなければならず、転
  子下短縮骨切りを追加する必要があ
  る症例も存在する。
• 骨移植を行っても、高位設置やまた、
  小さ目のカップを設置するのが精
  いっぱいの症例も多い。

• 牧田先生のCase series では、11例の
  Crowe IV hip に対するTHAで、8年
  後に1例 revision (生存率 91%)    Makita H,2007 J Arthroplasty
Crowe IVに対するTHAの成績




           Hasegawa Y,2012 J Arthroplasty
DDHに対するTHA全体でのインプラント生存
            率




              Australian Joint Registry 2012 annual report
Primary OA vs DDH
機能的アウトカムの比較
            Boyle JM ,2012   ANZ J Surg




 Pre-Op                  Post-Op
DDHに対するTHAの合併症
                       (Rogers B, 2012 JBJS-A)

• 坐骨神経麻痺はprimary OAのTHAの最大10倍程度多いと
  する報告もある。
• 脚延長4cm以上で麻痺が多くなるという報告や、2cm
  以内の延長であれば安全という報告もあるが、脚延長の
  長さと麻痺の発生頻度は関係が無かったとする報告
  (Pekkarinen J,1999 J arthroplasty)もある。

• 高位設置、medializationに伴うimpingementの発生や、大
  転子骨切り部のnon-unionに伴う脱臼も多い。
• 大腿骨側の形態異常が伴う例も多いため、ステム挿入時
  の骨折も多い。
DDHに対するResurfacing(1)

• 平均年齢47.2歳 CroweⅡorⅢの 約100股を対象にBHR
  を設置したが、平均7年の観察期間で3股がTHRになった。
                     (McMinn DJW,2008 JBJS-B)

• 平均年齢45歳 Crowe Ⅰor Ⅱの78股をTHA群とHRA群に
  ランダム割り付けした研究では、6年の観察期間で
  Revisionなし。
                         (Wang Q,2012 JBJS-B)
DDHに対するResurfacing(2)




             Australian Joint Registry 2012 annual report
DDH OAに対するTHA
• THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か
  – 既に関節症性変化が高度に起こっている患者
  – 高位脱臼している患者


• THA以外の治療の成績と、それを用いたほうがいい場合と
  は
  – とくに、関節症性変化が軽度の患者では、骨切り術の適応がある。
  – 若年の患者で、THAの時期を遅らせるために骨切り術を行うことが
    ある


• DDHに対するTHAの成績はPrimary OAに対するTHAの成績
  と比較してどうか
  – 術後の疼痛や機能面、インプラント生存率では遜色のない結果が
    出ている。しかし、腓骨神経麻痺など周術期の合併症が多い。
Femoral head avascular necrosis(ON)
• 年間の新患発生は約2000人。
• 男女比は5:4

• 男性では40代、アルコール性が多い
• 女性では30代、ステロイド性が多い(基礎疾患として多いの
  はSLE)

•   壊死が生じた時点では症状がない。
•   壊死部の圧壊が生じた時点で症状が出現
•   初期症状は2-3週の免荷安静で鎮静化することも多い。
•   一過性大腿骨頭骨萎縮症との鑑別が重要
     – 症状およびMRI所見は5-7ヵ月で消失するものが多い
     – MRIの信号変化はAVNにくらべてdiffuseなのが特徴
                             Balakrishnan A,2003 Can J Surg
•   表2:特発性大腿骨頭壊死症の病期(Stage)分類
•   Stage 1:X 線像の特異的異常所見はないが,MRI,骨シンチグラム,または病理組織
•   像で特異的異常所見がある時期

•   Stage 2:X 線像で帯状硬化像があるが,骨頭の圧潰(collapse)がない時期
•   骨頭の圧潰があるが,関節裂隙は保たれている時期(骨頭および臼蓋の
•   軽度な骨棘形成はあってもよい)

•   Stage 3:Stage 3A:圧潰が3mm 未満の時期
•   Stage 3B:圧潰が3mm 以上の時期

•   Stage 4:明らかな関節症性変化が出現する時期

•   注:1骨頭の正面と側面の2 方向X 線像で評価する(正面像では骨頭圧潰が
•   明らかでなくても側面像で圧潰が明らかであれば側面像所見を採用し
•   て病期を判定すること)

•   2側面像は股関節屈曲90 度・外転45 度・内外旋中間位で正面から撮影
•   する(杉岡法)
Ficat 分類:広く用いられるが、X線パラメータのみ考慮、interobserver variation
大




ARCO 分類:Ficat分類を基に初期のMRI変化などを加味。




                                    Marcus SS,2008 Int Orthop
ONに対する手術治療
• 骨頭穿孔術(Core Decompression)
  – 圧潰の無い例~少ない例の進行を抑制する
  – Necrotic angle 200°以下、壊死部が骨頭の15%以下では
    比較的良好な成績


• 骨移植術(血管柄付き腓骨移植など)
  – 血管柄付きや骨単独での移植など様々な手術法が存
    在
  – 血管柄付き骨移植は、手術の技術や壊死部位の大き
    さによって成功率が左右される。
               (Lieberman JR,2012 CORR)
骨頭回転骨切り術
骨頭回転骨切り術
• 国内での良好な成績
  – 杉岡ら:3-16年のフォローで78%がrevision なし。
  – その他の報告でも類似の成績が報告


• 海外での成績はさほど良好ではない

• 回転後にintact areaが荷重部の1/3以上になるように
• 内反を加える

その他、技術的な問題や適応の問題があり、海外ではよい
成績が出ていないのではという意見がある
(Sandeep B,Won YS,2009 CORR)
Resurfacing for AVN




        • ON 群は平均年齢が若い

        • 臨床成績は他の理由で行われた
          Resurfacing と変わらない

              (Harlan C, 2010 CORR)
Resurfacing for AVN
• 比較的若い世代が多いAVNに対してResurfacingを第一選
  択とする施設がある

• 一方、大きな骨壊死(大腿骨頭の35%以上など)があると、
  Resurfacing インプラントの安定性に問題が生じるため、
  原則AVNに対してResurfacingを第一選択としない施設も
  ある。

• 概ねリーミング後に残る部分の35%以下の壊死領域であ
  ることや、Head-neck-junctionに骨嚢胞などがないこと、
  ステム設置部の骨が良好であることなどを条件とする施
  設が多い
                           (Revell PM,2006 JBJS-A)
ONに対するResurfacingの成績




           Australian Joint Registry 2012 annual report
若い世代(40~50代以下)に対する
   Resurfacing arthroplasty
• 平均年齢33歳、OA30例、ON10例を含む64例75股のケースシリーズ
  研究では、7年で8例(10%)がARMeDによるrevisionとなっている。
  合併症のない患者のHHSは90点以上。(Reito A,2013 AOTS)

• 25歳以下のON患者17例20股に対してResurfacingを行った研究では、
  7年半でrevisionなし。 (Sayeed AS,2011 CORR)




                   Australian Joint Registry 2012 annual report
Hemiarthroplasty
       Hemi-resurfacing arthroplasty
                                                   Muraki M,2008 JOS
• 臼蓋側の損傷が軽ければ、
  大腿骨側のみの置換でOK
  か?
• Hemiarthroplastyに関しては、
  術後のhead のmigrationが大き
  く、revisionの原因となってい
  た。(Muraki M,2008 JOS)

                                   Kabata T,2011    J   Otrhop   Surg
• Hemi-Resurfacing arthroplastyに
   関しては、痛みの改善が少な
   く、16例中5例は6年半の観察
   期間中にrevisionとなっている。
(Kabata T,2011 J Otrhop
Surg)
AVNに対するprimary THA
• 平均年齢40歳以下の患者に対す
  るインプラントの生存率は10年
  で95%、15年で90%(Simon
  JP,2011 Acta Orthop Berg)

⇒しかし、挿入期間が長期に渡る
ほど、bearing素材の摩耗の問題が
                               Simon JP,2011    Acta Orthop Berg
発生する

• 50歳以下の症例に32mm head
  のAlumina-on-aluminaで
  primaryTHAを行った報告では、
  13年のf/u で2/61のrevision


                              Solarino G,2011   J Orthop Trauma
AVNに対するprimary THA
          Girard J,2011   CORR
大骨頭径MoM THA
      日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008)
                      推奨
Grade I   メタルオンメタルTHAの中期成績はおおむね良好であるが,長期成
          績は不明である.



• 若く、活動的な患者に対し
  ては、摩耗が少なく脱臼の
  少ない、MoM THAが推奨
  され、盛んに行われていた
  が、その後急減した。




                           Smith JA,2012   Lancet
MoMは若く活動的な患者に有用なのか?
          2012 NJR   Annual report UK
MoMは若く活動的な患者に有用なのか?
                   2012 NJR   Annual report UK




摺動面がMoMの場合、再置換率は
若いほど高い、女性>男性、骨頭径が大きいほど高い という結果であっ
た。
MoM THAの長期成績
                 Smith JA,2012   Lancet


• 期待とは裏腹に、高い再置換率であった。
• 理由は主に、aseptic loosening と術後の疼痛
ARMD(Adverse Reaction to Metal Debris)
   • インプラント周囲にpeudotumorと呼ばれる嚢胞状の病
     変が形成され、痛みや骨融解の原因となる。
   • 病理像はALVAL(Aseptic lymphocyte-dominated
     vasculitis-associated lesion)と呼ばれる、リンパ球の集
     簇がみられ、内部には膿様、あるいは漿液性の液体が
     貯留する。
   • 摩耗により体内に放出される金属イオンに対する反応
     と言われる。




Hart JA, 2012 JBJS-A より   Molvik H, 2010 Am J Orthop   よ
Min BW, 2013 J Arthroplasty


• 127人(男:女=93:34)、162股を対象
• 平均年齢 51.5歳
• セメントレスTHA (InterOp,Converge+CLS stem)

• 平均観察期間5年でrevision なし。
• Liner wear の平均は 0.037mm/yr
(conventional UHMWPE だと 0.1-0.2mm/yrの報告が多い)

• インプラントの緩みや、許容できない骨融解もなし
• 高架橋UHMWPEライナーの登場で、若年者に対する摺動
  面選択が今後変わってくる可能性がある。
Femoral Neck Fracture




               内固定
               (ハンソンピンシステム、C-
               CHS)



               関節置換術
               (人工骨頭置換術、人工股関
               節全置換術)
Femoral head fracture に対するTHA
• Garden 3以上のNeck Fractureに対する治療
THA vs ORIF (Chammout GK,2012 JBJS-A)




↑はrevisionを示している。 グラフの推移はHHS
内固定群では術後2年以内に再手術になる例が多い。
THA vs Hemiarthroplasty
        大腿骨頸部/転子部骨折 診療ガイドライン第1版(200
                     5)
推 奨
【Grade A】
活動性が高い症例にはTHA を推奨する。
【Grade I】
全身状態が悪い症例や高齢で活動性が低い症例には人工骨頭置換術を推奨する

       大腿骨頸部/転子部骨折 診療ガイドライン改定第2版(20
                    11)

MINDs
http://minds.jcqhc.or.jp/
n/top.php
より抜粋


  第2版では、THAが治療の選択肢としてガイドラインに掲載されてい
  ない。
Hemiarthroplasty vs THA
•   Metaanalysis あるいはSystematic reviewだけで   6件ヒット

• Parker MJ,2010 Chochrane systematic review
    – Cement固定のほうが、術後の痛みと可動域に優れる
    – Functional OutcomeではTHAが優れる可能性がある

• Hopley C,2010      BMJ
    – 合併症の率や1年後の死亡率などに差はない
    – HHSで5.4ポイント THAが優れる

• Carroll C,2011 Health Technology Assessment
    – 死亡率は変わらず
    – 再手術率はTHAが低い
    – そのため、長期にはTHAがCost-effectiveでもあると結論
Hemiarthroplasty vs THA
• Burgers PT,2012 Int Orthop
   – THAはhemiarthroplastyに比べて脱臼率が高い
   – Functional OutcomeではTHAが優れる


• Liao L, AOTS 2012
   – 死亡率、感染率、術後疼痛に関しては両者に差はない
   – 脱臼率はTHAが高い
   – 術後の運動機能に関してはTHAが優れる

• Ligang YU,CORR 2012
   – THAのほうが再手術率が低い
   – 脱臼率はTHAが高い
   – 術後の運動機能はTHAが優れる
患者は何を基準に選ぶか




     Alaobi N,2011 BMC Musculoskletal DIsorders
Alaobi N,2011 BMC Musculoskletal DIsorders



•   60-80歳の骨粗しょう症治療中患者に対して、前スライドのような資料
    を提示して「もし骨折したらどちらで手術をするか」を聞いた研究
•   81人中75人がTHAを選択
•   術後の運動機能が重視されていることが明らかになった
THA for Femoral Neck Fracture
• 術後死亡率や感染、再置換などの成績
• 術後の運動機能
• 医療経済的問題


これらを考慮したうえで決定することが必要
現状でHemiarthroplasty と THAの優务を決めることはでき
ない
Salvage 手術としてのTHA(参
          考)
Revison THA (Resurfacing)
• Resurfacing のRevisionとしてTHAを行った患者21名(平均
  年齢50歳)と、同時期にPrimary THAを行った患者64名
  (平均年齢50歳)を比較した研究 (Ball TS, 2007 JBJS-
  A)

• 平均約4年の観察期間で機能的アウトカムを比較
Revision THA (pelvic osteotomy後)
• SalterあるいはChiary 骨切り術後のTHA
• 骨切り術後のTHA患者45人52股と、同年齢の対
  照患者群でprimary THAを受けた42人51股の比較
(Tokunaga K,2011 CORR)

• 合併症率、HHS、インプラント
生存率で両者に差はなし。
Revision THA (Femoral Osteotomy
                  後)
•   大腿骨骨切り後の22股に対するCement THA、術後16年のフォローアップ
    した研究では、転子間骨切りよりも転子下骨切りで術後の変形がつよく、
    手術も難しく、術後の成績も悪いという結果であった。(Shinar A,1999 J
    arthroplasty)

•   転子間骨切り後の患者45名48股に対してCementless THAを行い、術後10年の
    フォローアップした研究では、stem 生存率94%だが、カップ(Threaded
    cup)は11例でrevision になっていた。(Breusch S,2005 AOTS)

THAの適応と成績20130409

  • 1.
    OA, ON, NeckFracture に対するTHAの適応と成績 横浜市立大学 整形外科 医学研究科 2年 大庭真俊
  • 2.
  • 3.
    変形性股関節症(OA) Primary OA Secondary OA • 確立した定義はない • 外傷や臼蓋形成不全、炎症性疾患 • 広く用いられる定義は に伴うもの • 臼蓋形成不全や先天性股関節脱臼 – 過去に股関節疾患の既往がなく, の既往はOAのリスクファクター(3) X線像で骨頭・頚部の形態異常を • 本邦では臼蓋形成不全や先天性股 認めず,CE角19°以上,Sharp角 関節脱臼既往に伴う二次性OAが多 45°以下,臼蓋荷重部傾斜角15°以 下(または未満)のもの いため、変形性股関節症全体に占 める女性患者の割合が多い。 • 欧米では1次性OAが多いといわれ • 統一の診断基準が無いため、報告 ている。 により頻度が異なるが、高齢化と ともに増加(1)している • 1次性OAとされた患者の骨形態に も軽度の異常を認める例が多いと いわれている(2)(4) 1) 小林千益ら:変形性股関節症 一次性股関節症の自然経過 整形外科 45(8) 814-8 (1994) 2) 岡野徹ら: 一次性変形性股関節症の解剖学的異常 Hip Joint 2000;26:250-2. 3) 林 靖人ら: 股関節症の疫学.Hip Joint. 2001;27:194-7. 4) Ganz R et al : Clin Orthop Relat Res (2008) 466:264–272
  • 4.
    Hip OAに対する治療の歴史 古代~:発掘される人骨にみられるHip OA性変化の頻度は現在と同じ(5) 19世紀後半~:大腿筋膜、豚の膀胱、皮膚などをJointspace に挟み込 む手術(Interpositional arthroplasty) 1923-: Smith-Peterson 大腿骨頭を削りcupをかぶせるmould arthroplasty 最初はガラス⇒ベークライト これらはすぐ破損 最終的には Co-Cr 合金(Vitallium)(6) 5) Berato J et al : Epidemiology of rheumatic diseases in an ancient population: study of the Necropole du Haut-Empire de Saint-Lambert (Frejus, Var)]. Rev Rhum Mal Osteoartic 1990; 57: 397–400. 6 ) Wiles P: the surgery of the arthritic hip British journal of surgery 45(3) 488-497, 1958
  • 5.
    治療の歴史 1938 :Wiles Stainless-Steelのball & cup 現在の人工関節の原型 1940’s 後半 : Judet アクリルの骨頭 1960 :Sir. John Chanley Low friction arthroplasty (1) 摺動面に摩擦の低い材質を使うことの重要性 (2) アクリル系セメントの使用 (3) 高密度ポリエチレンの摺動面への使用
  • 6.
    Hip OA の治療法 •手術治療 Joint preservation 骨切り術 • 大腿骨側 • 臼蓋側 Resurfacing Bone conservation 人工股関節全置換術(THA)
  • 7.
    Hip OAの治療法 • 保存療法 • 患者教育(主に運動療法など) – 患者教育はOAの症状緩和に有効であり、行うべき (GradeA) – OAの進行に与える影響は不明(Grade I) • 関節内注射(ステロイド、ヒアルロン酸) – 短期的な疼痛改善効果はある(Grade C) – 長期的な進行抑制効果は不明(Grade I) • 薬物療法(NSAIDsなど) – NSAIDsはアセトアミノフェンと比較しても有効(Grade 変形性股関節症診療ガイドライン 第2版 日本整形外科学会 2008 A)
  • 8.
    Primary OAに対するTHA • THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か •Primary OAに対するTHA術後の成績 – インプラント固定法による差 – 摺動面による差 • THA以外の治療の成績
  • 9.
    THAによる治療を考えるべき病態は ⇒OAの症状(痛み、可動域制限等)により、 QOLの低下が著しい場合。 日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008) 推奨 Grade B THAはQOLや歩行能力の改善に有効である.
  • 10.
    THAによる除痛効果 初回THA前後の痛みの症状の変化について。 メイヨークリニックで行われたTHA約6000例でのアンケート調 査 (Singh JA Rheumatology (Oxford). 2013)
  • 11.
    Primary OA Hipに対する THA後の身体機能 • 腰部脊柱管狭窄症患者との比較 (年齢構成などが似通っている集団) Rolvingら Eur Spine J,2008 40METs/day=中程度の身体機能
  • 12.
    THA後のスポーツ、復職率 Cowie JG Arch Orthop Trauma Surg 2013
  • 13.
    THAの長期成績 日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008) Research Question セメント使用THAの長期にわたる治療成績は 推奨 Grade B セメント使用THAのインプラント生存率は,10~15年で85~100%, 20~25年で60~87%であり,セメント手技や使用機種などにより成 績のばらつきがある. Research Question セメント非使用THAの長期にわたる治療成績は 推奨 Grade セメント非使用THAの10~15年のインプラント生存率は,ソケットが B 69~100%,ステムが88~100%で,使用機種やインプラントの表面処 理により成績のばらつきがみられる
  • 14.
    Primary OA に対するTHAの成績 Australian Joint Registry 2012 annual report 10年でおよそ3-7%の再置換率 手術時年齢が低いほど再置換率が高い。
  • 15.
  • 16.
    固定方法による長期成績の違い Australian Joint Registry 2012 annual report
  • 17.
    再置換率が少ないからCement固定が良いか? UK のJoint Registry の解析。死亡率は年齢補正をしている。 McMinn 2012,BMJ 術後のRevision 率はCementedで低いが、生命予後はCementlessが優れる
  • 18.
    (参考)Resurfacing for Primary OA • 60歳以下でActivity の高い男性には適応があるとされる – 良い骨質、骨温存できること、機能的予後の改善、インプラン ト生存率が良い Australian Joint Registry 2012 annual report
  • 19.
    (参考)Primary OAに対する Resurfacing 年齢とインプラント生存率 男性 女性 Australian Joint Registry 2012 annual report 特に女性においては、近年resurfacing があまり用いられなくなってい る
  • 20.
    Primary OAに対するTHA • THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か – 疼痛やADLの低下が著しい患者はTHAによる治療を考 えるべき • Primary OAに対するTHA術後の成績 – インプラント固定法による差 • セメント固定の長期成績が若干勝っている • セメント使用に関わる合併症の問題や、術後の患者生存率が やや低いという問題がある。
  • 21.
  • 22.
    DDH OAに対するTHA • THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か •THA以外の治療の成績と、それを用いたほうがいい場合 とは • DDHに対するTHAの成績はPrimary OAに対するTHAの成 績と比較してどうか
  • 23.
    DDHに起因するOAに対する治療 • Joint-Preservation • Arthroscopy | 痛んだ関節唇のdebridementなど – 改善がみられた(McCathy JC,Orthopedics 1998) – 一時的な改善はあっても長く続かない (Parvizi J, J arthroplasty 2009) • 骨切り – 骨盤側 – 大腿骨側
  • 24.
    関節温存手術について 日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008) 推奨 Grade B 寛骨臼回転骨切り術・寛骨臼移動術は,臼蓋形成不全を伴う前股関節 症と初期の変形性股関節症の症状緩和および病期進行の予防に有効な 術式である. 推奨 Grade C Chiari骨盤骨切り術は臼蓋形成不全を伴う変形性股関節症の症状緩和 と病期進行予防に有効である. 推奨 Grade C 大腿骨外反骨切り術は進行期・末期変形性股関節症の症状緩和に有 効な術式である. 推奨 Grade C 大腿骨内反骨切り術は,前股関節症および初期変形性股関節症の 症状緩和と病期進行予防に有効な術式である
  • 25.
  • 26.
    骨盤骨切り(Bernese)の成績 Sanchez-Sotero J 2002, JAAOS
  • 27.
    SAO(Wagner)の成績 Schramm M 2003, JBJS-A
  • 28.
    高年齢の症例に対するSAO Teratani T,2010 JBJS-A
  • 29.
  • 30.
  • 31.
    転子間骨切りの成績 Iwase T 1996, CORR
  • 32.
    骨切りの適応 • 既に関節症性変化が高度に起こっている場合、術後の予 後が悪い。 Ito H,2011 JBJS-B Yasunaga Y, 2001 JBJS-B • 高年齢そのものが悪いのではなく、年齢が高いほど関節 症性変化が進むため成績が悪くなる。 A, 2009 JBJS-A Troelsen 術前のOAの程度により補正した場合有意差なし
  • 33.
    DDH-Joint Replacement • Crowe分類 (Crowe 1979) Type Vertical Femoral- Height Head diameter Ⅰ <0.1 <0.50 Ⅱ 0.1-0.15 0.50-0.75 Ⅲ 0.15-0.2 0.75-1.00 Ⅳ >0.2 >1.00 (Inter-teardrop line~head-neck junction)/Femoral-head diameter (or vertical height)
  • 34.
    DDH Hip に対するTHA Sanchez-Sotero J 2002, JAAOS
  • 35.
    Crowe Type ⅡやⅢにおける カップ設置 Cup上面の75-80%以上が被覆されるように設置すること が望ましい (Schüller HM,1993 JBJS-B) Sanchez-Sotero J 2002, JAAOS
  • 36.
    Shelf graft Tsukada S, 2012 J Arthroplasty • 平均年齢55歳のDDH-OA Hip 16例22股 • 観察期間平均8年で looseningなし。
  • 37.
    High Hip center •ある程度の高位設置は、Hip Center の外方化が無ければ 許容されるとの立場もある 。(Georgiades G,2010 J Arthroplasty) カップの設置角度と ライナー摩耗の関係 45°以上になると摩耗が増える という論文もある。 (Wan G,2008,J Arthroplasty)
  • 38.
    臼蓋の内板よりも内側に設置する方法 (Medial Protrusio Technique)Dorr LD,1999 JBJS-A • 19例24股に対して、この方 法を用いてセメントレス カップの設置を行った。 • 平均7年、最低5年の観察期 間で1例もカップのloosening なし。 • カップ上方の骨被覆は得ら れるが、骨欠損が大きくな るため、revision時の問題が ある。
  • 39.
    Crowe Ⅳ に対するTHAの成績 • 原臼蓋に近くカップを設置する際に、 大きく脚延長しなければならず、転 子下短縮骨切りを追加する必要があ る症例も存在する。 • 骨移植を行っても、高位設置やまた、 小さ目のカップを設置するのが精 いっぱいの症例も多い。 • 牧田先生のCase series では、11例の Crowe IV hip に対するTHAで、8年 後に1例 revision (生存率 91%) Makita H,2007 J Arthroplasty
  • 40.
    Crowe IVに対するTHAの成績 Hasegawa Y,2012 J Arthroplasty
  • 41.
    DDHに対するTHA全体でのインプラント生存 率 Australian Joint Registry 2012 annual report
  • 42.
    Primary OA vsDDH 機能的アウトカムの比較 Boyle JM ,2012 ANZ J Surg Pre-Op Post-Op
  • 43.
    DDHに対するTHAの合併症 (Rogers B, 2012 JBJS-A) • 坐骨神経麻痺はprimary OAのTHAの最大10倍程度多いと する報告もある。 • 脚延長4cm以上で麻痺が多くなるという報告や、2cm 以内の延長であれば安全という報告もあるが、脚延長の 長さと麻痺の発生頻度は関係が無かったとする報告 (Pekkarinen J,1999 J arthroplasty)もある。 • 高位設置、medializationに伴うimpingementの発生や、大 転子骨切り部のnon-unionに伴う脱臼も多い。 • 大腿骨側の形態異常が伴う例も多いため、ステム挿入時 の骨折も多い。
  • 44.
    DDHに対するResurfacing(1) • 平均年齢47.2歳 CroweⅡorⅢの約100股を対象にBHR を設置したが、平均7年の観察期間で3股がTHRになった。 (McMinn DJW,2008 JBJS-B) • 平均年齢45歳 Crowe Ⅰor Ⅱの78股をTHA群とHRA群に ランダム割り付けした研究では、6年の観察期間で Revisionなし。 (Wang Q,2012 JBJS-B)
  • 45.
    DDHに対するResurfacing(2) Australian Joint Registry 2012 annual report
  • 46.
    DDH OAに対するTHA • THAによる治療を考えるべきなのはどのような患者か – 既に関節症性変化が高度に起こっている患者 – 高位脱臼している患者 • THA以外の治療の成績と、それを用いたほうがいい場合と は – とくに、関節症性変化が軽度の患者では、骨切り術の適応がある。 – 若年の患者で、THAの時期を遅らせるために骨切り術を行うことが ある • DDHに対するTHAの成績はPrimary OAに対するTHAの成績 と比較してどうか – 術後の疼痛や機能面、インプラント生存率では遜色のない結果が 出ている。しかし、腓骨神経麻痺など周術期の合併症が多い。
  • 47.
    Femoral head avascularnecrosis(ON) • 年間の新患発生は約2000人。 • 男女比は5:4 • 男性では40代、アルコール性が多い • 女性では30代、ステロイド性が多い(基礎疾患として多いの はSLE) • 壊死が生じた時点では症状がない。 • 壊死部の圧壊が生じた時点で症状が出現 • 初期症状は2-3週の免荷安静で鎮静化することも多い。 • 一過性大腿骨頭骨萎縮症との鑑別が重要 – 症状およびMRI所見は5-7ヵ月で消失するものが多い – MRIの信号変化はAVNにくらべてdiffuseなのが特徴 Balakrishnan A,2003 Can J Surg
  • 48.
    表2:特発性大腿骨頭壊死症の病期(Stage)分類 • Stage 1:X 線像の特異的異常所見はないが,MRI,骨シンチグラム,または病理組織 • 像で特異的異常所見がある時期 • Stage 2:X 線像で帯状硬化像があるが,骨頭の圧潰(collapse)がない時期 • 骨頭の圧潰があるが,関節裂隙は保たれている時期(骨頭および臼蓋の • 軽度な骨棘形成はあってもよい) • Stage 3:Stage 3A:圧潰が3mm 未満の時期 • Stage 3B:圧潰が3mm 以上の時期 • Stage 4:明らかな関節症性変化が出現する時期 • 注:1骨頭の正面と側面の2 方向X 線像で評価する(正面像では骨頭圧潰が • 明らかでなくても側面像で圧潰が明らかであれば側面像所見を採用し • て病期を判定すること) • 2側面像は股関節屈曲90 度・外転45 度・内外旋中間位で正面から撮影 • する(杉岡法)
  • 49.
    Ficat 分類:広く用いられるが、X線パラメータのみ考慮、interobserver variation 大 ARCO分類:Ficat分類を基に初期のMRI変化などを加味。 Marcus SS,2008 Int Orthop
  • 50.
    ONに対する手術治療 • 骨頭穿孔術(Core Decompression) – 圧潰の無い例~少ない例の進行を抑制する – Necrotic angle 200°以下、壊死部が骨頭の15%以下では 比較的良好な成績 • 骨移植術(血管柄付き腓骨移植など) – 血管柄付きや骨単独での移植など様々な手術法が存 在 – 血管柄付き骨移植は、手術の技術や壊死部位の大き さによって成功率が左右される。 (Lieberman JR,2012 CORR)
  • 51.
  • 52.
    骨頭回転骨切り術 • 国内での良好な成績 – 杉岡ら:3-16年のフォローで78%がrevision なし。 – その他の報告でも類似の成績が報告 • 海外での成績はさほど良好ではない • 回転後にintact areaが荷重部の1/3以上になるように • 内反を加える その他、技術的な問題や適応の問題があり、海外ではよい 成績が出ていないのではという意見がある (Sandeep B,Won YS,2009 CORR)
  • 53.
    Resurfacing for AVN • ON 群は平均年齢が若い • 臨床成績は他の理由で行われた Resurfacing と変わらない (Harlan C, 2010 CORR)
  • 54.
    Resurfacing for AVN •比較的若い世代が多いAVNに対してResurfacingを第一選 択とする施設がある • 一方、大きな骨壊死(大腿骨頭の35%以上など)があると、 Resurfacing インプラントの安定性に問題が生じるため、 原則AVNに対してResurfacingを第一選択としない施設も ある。 • 概ねリーミング後に残る部分の35%以下の壊死領域であ ることや、Head-neck-junctionに骨嚢胞などがないこと、 ステム設置部の骨が良好であることなどを条件とする施 設が多い (Revell PM,2006 JBJS-A)
  • 55.
    ONに対するResurfacingの成績 Australian Joint Registry 2012 annual report
  • 56.
    若い世代(40~50代以下)に対する Resurfacing arthroplasty • 平均年齢33歳、OA30例、ON10例を含む64例75股のケースシリーズ 研究では、7年で8例(10%)がARMeDによるrevisionとなっている。 合併症のない患者のHHSは90点以上。(Reito A,2013 AOTS) • 25歳以下のON患者17例20股に対してResurfacingを行った研究では、 7年半でrevisionなし。 (Sayeed AS,2011 CORR) Australian Joint Registry 2012 annual report
  • 57.
    Hemiarthroplasty Hemi-resurfacing arthroplasty Muraki M,2008 JOS • 臼蓋側の損傷が軽ければ、 大腿骨側のみの置換でOK か? • Hemiarthroplastyに関しては、 術後のhead のmigrationが大き く、revisionの原因となってい た。(Muraki M,2008 JOS) Kabata T,2011 J Otrhop Surg • Hemi-Resurfacing arthroplastyに 関しては、痛みの改善が少な く、16例中5例は6年半の観察 期間中にrevisionとなっている。 (Kabata T,2011 J Otrhop Surg)
  • 58.
    AVNに対するprimary THA • 平均年齢40歳以下の患者に対す るインプラントの生存率は10年 で95%、15年で90%(Simon JP,2011 Acta Orthop Berg) ⇒しかし、挿入期間が長期に渡る ほど、bearing素材の摩耗の問題が Simon JP,2011 Acta Orthop Berg 発生する • 50歳以下の症例に32mm head のAlumina-on-aluminaで primaryTHAを行った報告では、 13年のf/u で2/61のrevision Solarino G,2011 J Orthop Trauma
  • 59.
    AVNに対するprimary THA Girard J,2011 CORR
  • 60.
    大骨頭径MoM THA 日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン(2008) 推奨 Grade I メタルオンメタルTHAの中期成績はおおむね良好であるが,長期成 績は不明である. • 若く、活動的な患者に対し ては、摩耗が少なく脱臼の 少ない、MoM THAが推奨 され、盛んに行われていた が、その後急減した。 Smith JA,2012 Lancet
  • 61.
  • 62.
    MoMは若く活動的な患者に有用なのか? 2012 NJR Annual report UK 摺動面がMoMの場合、再置換率は 若いほど高い、女性>男性、骨頭径が大きいほど高い という結果であっ た。
  • 63.
    MoM THAの長期成績 Smith JA,2012 Lancet • 期待とは裏腹に、高い再置換率であった。 • 理由は主に、aseptic loosening と術後の疼痛
  • 64.
    ARMD(Adverse Reaction toMetal Debris) • インプラント周囲にpeudotumorと呼ばれる嚢胞状の病 変が形成され、痛みや骨融解の原因となる。 • 病理像はALVAL(Aseptic lymphocyte-dominated vasculitis-associated lesion)と呼ばれる、リンパ球の集 簇がみられ、内部には膿様、あるいは漿液性の液体が 貯留する。 • 摩耗により体内に放出される金属イオンに対する反応 と言われる。 Hart JA, 2012 JBJS-A より Molvik H, 2010 Am J Orthop よ
  • 65.
    Min BW, 2013J Arthroplasty • 127人(男:女=93:34)、162股を対象 • 平均年齢 51.5歳 • セメントレスTHA (InterOp,Converge+CLS stem) • 平均観察期間5年でrevision なし。 • Liner wear の平均は 0.037mm/yr (conventional UHMWPE だと 0.1-0.2mm/yrの報告が多い) • インプラントの緩みや、許容できない骨融解もなし • 高架橋UHMWPEライナーの登場で、若年者に対する摺動 面選択が今後変わってくる可能性がある。
  • 66.
    Femoral Neck Fracture 内固定 (ハンソンピンシステム、C- CHS) 関節置換術 (人工骨頭置換術、人工股関 節全置換術)
  • 67.
    Femoral head fractureに対するTHA • Garden 3以上のNeck Fractureに対する治療 THA vs ORIF (Chammout GK,2012 JBJS-A) ↑はrevisionを示している。 グラフの推移はHHS 内固定群では術後2年以内に再手術になる例が多い。
  • 68.
    THA vs Hemiarthroplasty 大腿骨頸部/転子部骨折 診療ガイドライン第1版(200 5) 推 奨 【Grade A】 活動性が高い症例にはTHA を推奨する。 【Grade I】 全身状態が悪い症例や高齢で活動性が低い症例には人工骨頭置換術を推奨する 大腿骨頸部/転子部骨折 診療ガイドライン改定第2版(20 11) MINDs http://minds.jcqhc.or.jp/ n/top.php より抜粋 第2版では、THAが治療の選択肢としてガイドラインに掲載されてい ない。
  • 69.
    Hemiarthroplasty vs THA • Metaanalysis あるいはSystematic reviewだけで 6件ヒット • Parker MJ,2010 Chochrane systematic review – Cement固定のほうが、術後の痛みと可動域に優れる – Functional OutcomeではTHAが優れる可能性がある • Hopley C,2010 BMJ – 合併症の率や1年後の死亡率などに差はない – HHSで5.4ポイント THAが優れる • Carroll C,2011 Health Technology Assessment – 死亡率は変わらず – 再手術率はTHAが低い – そのため、長期にはTHAがCost-effectiveでもあると結論
  • 70.
    Hemiarthroplasty vs THA •Burgers PT,2012 Int Orthop – THAはhemiarthroplastyに比べて脱臼率が高い – Functional OutcomeではTHAが優れる • Liao L, AOTS 2012 – 死亡率、感染率、術後疼痛に関しては両者に差はない – 脱臼率はTHAが高い – 術後の運動機能に関してはTHAが優れる • Ligang YU,CORR 2012 – THAのほうが再手術率が低い – 脱臼率はTHAが高い – 術後の運動機能はTHAが優れる
  • 71.
    患者は何を基準に選ぶか Alaobi N,2011 BMC Musculoskletal DIsorders
  • 72.
    Alaobi N,2011 BMCMusculoskletal DIsorders • 60-80歳の骨粗しょう症治療中患者に対して、前スライドのような資料 を提示して「もし骨折したらどちらで手術をするか」を聞いた研究 • 81人中75人がTHAを選択 • 術後の運動機能が重視されていることが明らかになった
  • 73.
    THA for FemoralNeck Fracture • 術後死亡率や感染、再置換などの成績 • 術後の運動機能 • 医療経済的問題 これらを考慮したうえで決定することが必要 現状でHemiarthroplasty と THAの優务を決めることはでき ない
  • 74.
  • 75.
    Revison THA (Resurfacing) •Resurfacing のRevisionとしてTHAを行った患者21名(平均 年齢50歳)と、同時期にPrimary THAを行った患者64名 (平均年齢50歳)を比較した研究 (Ball TS, 2007 JBJS- A) • 平均約4年の観察期間で機能的アウトカムを比較
  • 76.
    Revision THA (pelvicosteotomy後) • SalterあるいはChiary 骨切り術後のTHA • 骨切り術後のTHA患者45人52股と、同年齢の対 照患者群でprimary THAを受けた42人51股の比較 (Tokunaga K,2011 CORR) • 合併症率、HHS、インプラント 生存率で両者に差はなし。
  • 77.
    Revision THA (FemoralOsteotomy 後) • 大腿骨骨切り後の22股に対するCement THA、術後16年のフォローアップ した研究では、転子間骨切りよりも転子下骨切りで術後の変形がつよく、 手術も難しく、術後の成績も悪いという結果であった。(Shinar A,1999 J arthroplasty) • 転子間骨切り後の患者45名48股に対してCementless THAを行い、術後10年の フォローアップした研究では、stem 生存率94%だが、カップ(Threaded cup)は11例でrevision になっていた。(Breusch S,2005 AOTS)