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田舎の医療の紹介
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奈良市立月ヶ瀬診療所の藤原 靖士先生が 作成してくださったパワポです!
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田舎の医療の紹介
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田舎の診療所の医者の 仕事って、なんなんでしょう? 平成
22 年 5 月 8 日 ( 土 )9 日 ( 日 ) 奈良市立月ヶ瀬診療所 藤原 靖士
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ある日の診療所 1日目 性別 年齢
疾患 男性 86 歳 胃癌 女性 87 歳 からだのかゆみ・白内障・下肢静脈瘤 男性 5 歳 気管支喘息・アレルギー性鼻炎 女性 91 歳 むねやけ・白内障・変形性膝関節症・右肩痛 男性 48 歳 基本検診・高脂血症・空腹時高血糖 女性 17 歳 肋軟骨炎 女性 16 歳 かぜ・鼻炎・のどの痛み 女性 68 歳 かぜ・咳・高血圧症・高脂血症・白内障 男性 76 歳 肺気腫・急性気管支炎
6.
次の日の診療所 2日目 性別 年齢
疾患 女性 12 歳 右膝のけが 男性 88 歳 インフルエンザ予防接種・糖尿病・心筋梗塞 女性 88 歳 肩こり・高血圧・心不全 男性 56 歳 右中指打撲・爪下血腫・糖尿病・高脂血症 男性 89 歳 肺炎・慢性心不全・からだのかゆみ・慢性腎不全・内痔核 女性 86 歳 脳梗塞後遺症・寝たきり 女性 54 歳 かぜ 女性 50 歳 パニック発作 女性 82 歳 脳血管性認知症・パーキンソン症候群
7.
そのまた次の日の診療所 3日目 性別 年齢
疾患 男性 83 歳 前立腺炎の疑い・前立腺癌・肺気腫 女性 55 歳 高血圧症 女性 74 歳 糖尿病・高血圧症・骨粗鬆症・腰痛 女性 55 歳 高血圧症・緊張性頭痛 女性 68 歳 高血圧症・変形性膝関節症・糖尿病 男性 92 歳 インフルエンザ 予防接種・からだのかゆみ・腰痛 女性 87 歳 からだのかゆみ・白内障・下肢静脈瘤 男性 7 歳 インフルエンザ予防接種 女性 8 歳 インフルエンザ予防接種 女性 38 歳 ? 男性 0 歳 三種混合予防接種 3 回目
8.
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ある日の診療所 1日目 再掲 性別 年齢
疾患 男性 86 歳 胃癌 女性 87 歳 からだのかゆみ・白内障・下肢静脈瘤 男性 5 歳 気管支喘息・アレルギー性鼻炎 女性 91 歳 むねやけ・白内障・変形性膝関節症・右肩痛 男性 48 歳 基本検診・高脂血症・空腹時高血糖 女性 17 歳 肋軟骨炎 女性 16 歳 かぜ・鼻炎・のどの痛み 女性 68 歳 かぜ・咳・高血圧症・高脂血症・白内障 男性 76 歳 肺気腫・急性気管支炎 この人に注目してみます
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次の日の診療所 2日目 再掲 性別 年齢
疾患 女性 12 歳 右膝のけが 男性 88 歳 インフルエンザ予防接種・糖尿病・心筋梗塞 女性 88 歳 肩こり・高血圧・心不全 男性 56 歳 右中指打撲・爪下血腫・糖尿病・高脂血症 男性 89 歳 肺炎・慢性心不全・からだのかゆみ・慢性腎不全・内痔核 女性 86 歳 脳梗塞後遺症・寝たきり 女性 54 歳 かぜ 女性 50 歳 パニック発作 女性 82 歳 脳血管性認知症・パーキンソン症候群
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そのまた次の日の診療所3日目再掲 性別 年齢
疾患 男性 83 歳 前立腺炎の疑い・前立腺癌・肺気腫 女性 55 歳 高血圧症 女性 74 歳 糖尿病・高血圧症・骨粗鬆症・腰痛 女性 55 歳 高血圧症・緊張性頭痛 女性 68 歳 高血圧症・変形性膝関節症・糖尿病 男性 92 歳 インフルエンザ 予防接種・からだのかゆみ・腰痛 女性 87 歳 からだのかゆみ・白内障・下肢静脈瘤 男性 7 歳 インフルエンザ予防接種 女性 8 歳 インフルエンザ予防接種 女性 38 歳 ? 男性 0 歳 三種混合予防接種 3 回目
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次の日の診療所 2日目 再掲 性別 年齢
疾患 女性 12 歳 右膝のけが 男性 88 歳 インフルエンザ予防接種・糖尿病・心筋梗塞 女性 88 歳 肩こり・高血圧・心不全 男性 56 歳 右中指打撲・爪下血腫・糖尿病・高脂血症 男性 89 歳 肺炎・慢性心不全・からだのかゆみ・慢性腎不全・内痔核 女性 86 歳 脳梗塞後遺症・寝たきり 女性 54 歳 かぜ 女性 50 歳 パニック発作 女性 82 歳 脳血管性認知症・パーキンソン症候群
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そのまた次の日の診療所3日目再掲 性別 年齢
疾患 男性 83 歳 前立腺炎の疑い・前立腺癌・肺気腫 女性 55 歳 高血圧症 女性 74 歳 糖尿病・高血圧症・骨粗鬆症・腰痛 女性 55 歳 高血圧症・緊張性頭痛 女性 68 歳 高血圧症・変形性膝関節症・糖尿病 男性 92 歳 インフルエンザ 予防接種・からだのかゆみ・腰痛 女性 87 歳 からだのかゆみ・白内障・下肢静脈瘤 男性 7 歳 インフルエンザ予防接種 女性 8 歳 インフルエンザ予防接種 女性 38 歳 ? 男性 0 歳 三種混合予防接種 3 回目
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Editor's Notes
今日は、こんな感じのことをお話ししようかと思います。
秋のある日の患者さんです。胃癌、皮膚、白内障、喘息、GERDは食道炎の胸焼けですね。検診で来る人もいて、この 17 歳の女の子は胸が痛いといってきたけど、肋軟骨炎で心配ありませんでした。風邪に、肺気腫の人が気管支炎になってたり。だいたいこの3-4倍の人数来るのですが、スライドのスペースでこれだけ。
そして、その次の日。膝をすりむいた女の子や、いつもは糖尿病などできている人が予防注射に来たり、肩こり高血圧のおばあさん。手の指の怪我。 89 歳の人が肺炎できましたが、入院しないで何とか乗り越えました。 86 歳の方は、脳梗塞で寝たきりなので、往診しました。風邪や、パニック発作、まあ、精神疾患ですね。あと、ぼけているおばあさんとか。
前立腺で熱を出した人、あと、やはり高血圧が多いですね。この時期は予防注射が多い時期です。また、 0 歳の子も予防注射でやってきます。 どうですか、この 3 日間の表を見て。感想をいってくれる方?隣と話し合ってくれますか?
いろんな人が来る。いろんな年齢の人が来る。いろんな病気が来る。風邪や高血圧が多い。予防接種もしている。でも、たいした重症の病気は来ない。 まあ、こんなとこでしょうか。
診療所の医者は、家庭医ってのは、いろんな科の病気を診ているとか、幅広い疾患について知っているんだなあ・・・と思われたでしょうか。 でも、そうと だけ 思ったら大間違い!
さて、この中の。この人、 86 歳の胃癌の方が、「梅とお茶の郷のじいさん」の主人公なんですね。
さて、このじいさんがどんな病気の人かというと。 もともと肺気腫で在宅酸素療法をしていたわがままな頑固じいさんなんです。外来へ通院していた時に私もよく怒られました。 食欲がなくなり病院に入院して検査したら、胃癌がみつかりました。前庭部というのは胃の出口のところですね。そこの癌が邪魔をして、食べ物が通らなくなっている。食べると吐くんだけど、このじいさん、病院で、手術は拒否、検査も、もういい、ステントといって、胃の狭いところに金属を入れて食べ物を通るようにするという提案も拒否。あー、もう、病院はイヤじゃ、家へ帰る、とみんなの反対を押し切って無理やり家に帰ってきた人でした。 家に帰っても、食べては吐くのを繰り返します。 困った家族に相談され、介護保険でベッドを入れてもらい、往診することになりました。まー、血圧測るのも、血液検査するのも、全てご機嫌をお伺いしてじゃないと、させてくれないんですね。 1 回だけ家族の希望もあり点滴しましたけど、じいさんはホントはしたくないといいます。「家族もああ言ってるし、まあ、私の顔を立てると思って」とお願いしてさせてもらいました。 1 回で入らなかったら絶対もうさせてもらえないと思ったのでむちゃくちゃ緊張しましたが、なんとかすぱっと入って。私が「どうですか」といって、無理やりじいさんに「先生、最高!」と言わせましたけど。 胃癌のあるおなかの辺りがやはり痛いようなので、麻薬を使用して痛みをコントロールしました。でも、飲み薬は吐くし、坐薬はいやだというし。注射や点滴は拒否ですし。デュロテップという貼り薬の麻薬を使いました。 1 回貼ったら 3 日間効くというやつです。そしたら、楽になったようで、「こりゃーええわ」と言っていたそうです。 後は吐くことだけですが、「吐くから水は飲まないように」とお願いして、家族にもそういわれたら、家族に「末期の水くらい飲ませろ!」と食って掛かったそうです。すごい根性ですね。 で、この日、このじいさんが息を引き取って、往診で家でお看取りしました。 まあ、すごい状況でしたが、最後は痛みを軽くして、家族に囲まれて安らかに最期を迎えられたからよかったかな、と思っています。
田舎の家庭医は、いろんな病気を診るだけでなく、往診・在宅医療があって、家での看取りをして、病院がいやで拒否した人も診察する。病院に来ない人も診てるんだなあ・・・。と でも、そうと だけと 思ったら大間違い!
もう一度、さっきの患者さんたち、「たち」、を見てみましょう。
この中の、 88 歳女性。肩こり・高血圧・心不全。そして、 50 歳女性、パニック発作。この人たち。実は。
この人は、さっきの胃がんで亡くなられたじいさんの妻で、年上女房ですね。普段は町の病院にかかっているんですが、じいさんのことで病院へ行く余裕がなく、また、看病で疲れもしたんですね。ですから、おちつくまで診療所で対応することになった方です。肩がとても痛いので、そこへ注射もしました。
50 歳のこの女性は、あのじいさんの娘で、町に嫁いでいて普段は一緒に住んでいない人です。じいさんの葬式などの手伝いにやってきたんですね。 そしたら、亡くなられたあと、葬式の手順などで親戚が集まって言い争いのけんかになって、そのうちに「いつもの」発作が起きて胸が苦しくなって、息子たち、息子たちって言っても皆さんと同じくらいの年の大学生ですけどね、その人たちに連れられてきて、セルシンっていう安定剤を入れた点滴をして収まったんです。
そして、この表の、下 4 人。予防接種できていたり、?マークの人。これは、家族なんですね。
しかも、亡くなられたじいさんのひ孫たち。じいさんが亡くなられて、お葬式などでばたばたしている時に、前から予約していたから、と予防接種にきたんですね。別に延期してもいいのにね。 38 歳の女性は、じいさんから見ると同居している孫嫁で、じいさんの騒動で一番お世話をしていた人です。 そして、この 0 歳の子は、 3 ヶ月前には、 4 ヶ月検診でも診療所に来ています。
ということで、家庭医というくらいだから、家族のつながりを診ているんだな。家族丸ごと相手にしているんだな。 0 歳から 90 代まで。 でも、都市部では、小児科と内科に分かれたりするから、子供もじいさんも全員を診るのは難しいかもなあ、と。 と だけ 思ったら大間違い!
もう一度、さっきの患者さん たち についてもう少し詳しく見てみましょう
ご家族が肩こりやパニック発作で来ている日の この 54 歳の風邪で来た女性
この方は、あのじいさんのところへ行っていたヘルパーさんなんですね。ちょっと不安が強い方で、ご自身の身体でも、関わっている方のことでも心配するとすぐに飛んでこられる方です。このときも、風邪自体はたいしたことなくて、前日のお看取りのお話などをしていました。
そして、この 55 歳の高血圧、頭痛の女性
この方は、じいさんのご近所の方で、もともと頭痛になりやすい方です。田舎なので、お葬式も葬儀屋さんじゃなくて近所の人が手伝って出しますから、その手伝いで疲れて頭痛がひどくなったようでした。 他にも、これと前後して、私が自分の息子の授業参観で学校へ行った時に、そこでケアマネージャーの方とお会いして、そこでこのじいさんのことについてちょっと打合せをしたりしておりました。
まあ、そういうわけで、田舎の診療所でやっていることといえば、 その人の 1 つの病気、胃癌だけでなく、その人の健康問題、胃癌も肺気腫も全て扱い、その家族も診て、その地域の人も診て、子供からお年寄りまで、診断・治療から、予防・健康増進、看取りまで。そして、介護スタッフや病院や家族との連携もしていると。
ここに一人の人の身体があったとします。その病気を、細かく分けて、分析していきます。 胃とか、肺の臓器。臓器を作る細胞。それのもとの遺伝子やアミノ酸、分子、原子。こういう細かく分けていくのが、これまでのいわゆる「専門医」、臓器別の専門が進化していった方向性です。少なくとも 20 世紀の医療はこの方向に大きく進歩してきました。でも、それだけで、この人の健康問題が解決されないことから、逆に、体だけでなくこの人個人、身体だけでなく心や気持ちや価値観、考え方も含めた個人。それを取り巻く家族、地域社会、日本という国とか。環境とか、地球とか、もっと広げると宇宙とか。こういう方向にアプローチしていくのが、家庭医の方向性と考えられます。 もちろん、家庭医でも細胞や臓器へのアプローチも必要になりますし、臓器別専門医でもその人や周囲にも配慮したり意識したりします。でも、それぞれの専門を突き詰めていくと、この上方向と下方向の方向の違いがあるといえると思います。
いわゆるプライマリケアのACCCC、昔はACCCAとも言いましたが、これは見ていただけると思います。 身近になんでもずーっとみんなでその人にあった医療を提供する、といえるでしょうか?
いわゆるプライマリケアのACCCC、昔はACCCAとも言いましたが、これは見ていただけると思います。 身近になんでもずーっとみんなでその人にあった医療を提供する、といえるでしょうか?
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