ビジネスモデル・デザインの基礎知識 
2014.10.7 Code for Kanagawa 
企画ミーティング資料(改訂版) 
古川
目的 
• 公共課題をビジネスで解決する 
• 受益者負担の持続可能なビジネスモデル
アジェンダ 
• スターバックスのビジネスモデル 
• 使われるサービスとは何か 
• 使われるサービスのつくりかた
スターバックスのビジネスモデル 
• お客様は具体的に誰? 
• 働く若い⼥性 
• 非喫煙者 
• お洒落 
• 仕事で忙しい 
• 都市部のオフィス 
• 顧客価値「Third place」 
– 第1の場所家 
– 第2の場所職場 
– 第3の場所家でも職場でもない場所
スターバックスのビジネスモデル 
• Third placeの顧客価値とは 
– 「ゆったりとリラックスできる場所」 
– つまり経験価値 
–– 提供したいのはコーヒーではない
– コーヒーは手段
スターバックスのビジネスモデル 
• Who 
– 働く若い⼥性 
• Why 
– 仕事で忙しい働く⼥性に安らぎを提供したい
• What 
– ゆったりとリラックスできる場所 
• How 
– ドリップマシンで⼊れる⾹りの良いコーヒー 
– 清潔な店内 
– 慌てずゆったりとコーヒーを出す
スターバックスのビジネスモデル 
Who What How 
エスプレッソマシンでドリップす 
る⾹りの良いコーヒー 
清潔な店内 
Third Place 
ゆったりと 
リラックスできる 
場所 
慌てずゆったりとコーヒーを出す 
開放感のあるオープンカフェ 
店員は笑顔で接客 
他の顧客と視線が合わない席のレ 
イアウト 
フリーWiFi
使われるサービスとは何か? 
• Whoが具体的 
– 具体的な顧客像(ペルソナ)定義が明確 
– 顧客が抱える不満が明確 
– 顧客数が存在、マーケティングで定量分析 
• Whatがブレない 
– 満たすべき顧客の不満を絞っている 
– 手段を複数用意し提供価値を強化する
使われるサービスとは何か? 
Who What How 
不満 
手段1 
手段2 
手段3 
明確な不満 
提供価値 
手段4 
手段5 
手段6 
手段7
公共課題を解決するサービスを 
どうデザインするか?
使われるサービスのつくりかた 
• Whoを具体的に定義する 
例(⼾塚区でのボランティア経験より) 
– 独居⽼⼈の男性、病気を抱えている 
–– 頑固な性格で友⼈が少ない
– 社会との繋がりが少なく孤独感に悩んでいる 
• Whatを定義する 
例 
– 病気の情報と会話する場
使われるサービスのつくりかた 
Who What How 
不満 
「病気で孤独」 
ふれあう場所 
会話仲介⼈ 
話し方の本 
提供価値 
「病気の情報と 
会話する場」 
明確な不満 
「病気で孤独」 
病気の情報 
病院情報 
仲間紹介
使われるサービスのつくりかた 
Who What How 
不満 
「病気で孤独」 
ふれあう場所 
会話仲介⼈ 
話し方の本 
提供価値 
「病気の情報と 
会話する場」 
明確な不満 
「病気で孤独」 
病気の情報 
病院情報 
仲間紹介 
Howは提供価値にブレない手段で統一されている
使われるサービスのつくりかた 
• 推進チームのつくりかた 
– WhoとWhatが同じ⼈同士でチームを組む 
• 「誰のために何をしたいか」が違うと方針が決まらない 
(判断基準が違うので当り前) 
–– 33割を決めて残り77割は進めながら作り上げる
• 3割を展開し現場/現実/現物を素直に受け止め7割を学ぶ 
• アンチパターン 
– How(手段)でチームを作ると崩壊する 
– 保守的、リスク思考が強いメンバーがいると進まな 
い(年齢の壁) 
– 顧客(市場)から素直に学ぶには過去の経験は邪魔
使われるサービスのつくりかた 
Who What How 
バリューチェーンを組み立てる 
(いわゆる事業計画書) 
・顧客視点Customer Journey Map 
・ステークホルダのサービス連鎖
最低限収支・採算が合うよう設計する 
・初期コスト、ランニングコスト見積り 
・向こう1~3年の損益計画 
【地域課題解決モデルでのポイント】 
•補助金(税金)を継続的に投入しなけれ 
ば回らないサービスはハコモノと同じ 
•公共負債を作ってはいけない
使われるサービスのつくりかた 
• 推進ステップ(Project Based Approach) 
チーム 
ビルディング 
•Why なぜやるか 
•Who 誰に 
アイデアソン 
• 外部の知 
•How 仮説量産 
ハッカソン 
• プロトタイピング 
•MVP 
ユーザー展開 
• 実行! 
• βテスト
•what 何を 
•How優先順位付 
• 徐々に拡大 
•メンバでビジョンが 
共有されてること 
•Howにこだわってしまう 
人は除外する(頭が硬い) 
•仮説を立てる 
•ステークホルダがいない 
段階で仮説を潰さない 
•試す優先順位を決める 
•必要最小限の機能に絞 
る 
•残りはユーザーの声を 
聞く 
•ユーザーの声を聞き 
改善する 
•IT化よりも業務設計に 
重きを置く 
•運用を楽にする
使われるサービスのつくりかた 
• 補足 
– WhoとWhatの軸に沿ってアイデアが量産できる⼈と、 
アイデアを形にできるITエンジニアがいればアイデアソン・ 
ハッカソンは不要 
(普通のベンチャー・スタートアップと同じ) 
– アイデアソン、ハッカソンから始める欠点は、 
誰がプロジェクトリーダー(ホルダー)かを決めていないこと 
– アイデアソンはいわゆるホンダ技研の⼈間中心設計(HCD)的な 
「ワイガヤ」の軽量版にすぎない 
チームビルディングが抜けているのでむしろ薄い
命題 
「オープンデータでサービスは作れますか?」 
→思考の順番が逆(´д`)
命題 
Who What How 
不満 
提供価値 
手段1 
手段2 
⼈手段33 
感性で組み⽴てる領域論理で組み⽴てる領域
命題 
Who What How 
不満 
提供価値 
手段1 
手段2 
⼈手段33 
感性で組み⽴てる領域論理で組み⽴てる領域 
ICTと業務設計で 
実現する 
ビジョナリー 
未来をどうしたいか
命題 
Who What How 
不満 
提供価値 
手段1 
手段2 
手段3 
ICTを使う 
かもしれない 
⼈感性で組み⽴てる領域論理で組み⽴てる領域 
ICTと業務設計で 
実現する 
ビジョナリー 
未来をどうしたいか 
Open Dataを使う 
かもしれない
“how”から事業計画作成については、また次回。 
To be continued…
TThhaannkk yyoouu!! 
www.facebook.com/CodeForKanagawa
使われるサービスとは何か? 
• Whyから考える 
– Simon Sinek “Start with Why” 
– Golden Circle 
顧客像
Vision 
Strategy 
Product 
What 
How 
Why 
Why=なぜやるのか 
How=どうやるか 
What=何を提供するか 
UX Value 
ペルソナ 
思考の順序
事業理念、ミッション、バリュー

ビジネスモデル・デザインの基礎知識

  • 1.
    ビジネスモデル・デザインの基礎知識 2014.10.7 Codefor Kanagawa 企画ミーティング資料(改訂版) 古川
  • 2.
    目的 • 公共課題をビジネスで解決する • 受益者負担の持続可能なビジネスモデル
  • 3.
    アジェンダ • スターバックスのビジネスモデル • 使われるサービスとは何か • 使われるサービスのつくりかた
  • 4.
    スターバックスのビジネスモデル • お客様は具体的に誰? • 働く若い⼥性 • 非喫煙者 • お洒落 • 仕事で忙しい • 都市部のオフィス • 顧客価値「Third place」 – 第1の場所家 – 第2の場所職場 – 第3の場所家でも職場でもない場所
  • 5.
    スターバックスのビジネスモデル • Thirdplaceの顧客価値とは – 「ゆったりとリラックスできる場所」 – つまり経験価値 –– 提供したいのはコーヒーではない – コーヒーは手段
  • 6.
    スターバックスのビジネスモデル • Who – 働く若い⼥性 • Why – 仕事で忙しい働く⼥性に安らぎを提供したい • What – ゆったりとリラックスできる場所 • How – ドリップマシンで⼊れる⾹りの良いコーヒー – 清潔な店内 – 慌てずゆったりとコーヒーを出す
  • 7.
    スターバックスのビジネスモデル Who WhatHow エスプレッソマシンでドリップす る⾹りの良いコーヒー 清潔な店内 Third Place ゆったりと リラックスできる 場所 慌てずゆったりとコーヒーを出す 開放感のあるオープンカフェ 店員は笑顔で接客 他の顧客と視線が合わない席のレ イアウト フリーWiFi
  • 8.
    使われるサービスとは何か? • Whoが具体的 – 具体的な顧客像(ペルソナ)定義が明確 – 顧客が抱える不満が明確 – 顧客数が存在、マーケティングで定量分析 • Whatがブレない – 満たすべき顧客の不満を絞っている – 手段を複数用意し提供価値を強化する
  • 9.
    使われるサービスとは何か? Who WhatHow 不満 手段1 手段2 手段3 明確な不満 提供価値 手段4 手段5 手段6 手段7
  • 10.
  • 11.
    使われるサービスのつくりかた • Whoを具体的に定義する 例(⼾塚区でのボランティア経験より) – 独居⽼⼈の男性、病気を抱えている –– 頑固な性格で友⼈が少ない – 社会との繋がりが少なく孤独感に悩んでいる • Whatを定義する 例 – 病気の情報と会話する場
  • 12.
    使われるサービスのつくりかた Who WhatHow 不満 「病気で孤独」 ふれあう場所 会話仲介⼈ 話し方の本 提供価値 「病気の情報と 会話する場」 明確な不満 「病気で孤独」 病気の情報 病院情報 仲間紹介
  • 13.
    使われるサービスのつくりかた Who WhatHow 不満 「病気で孤独」 ふれあう場所 会話仲介⼈ 話し方の本 提供価値 「病気の情報と 会話する場」 明確な不満 「病気で孤独」 病気の情報 病院情報 仲間紹介 Howは提供価値にブレない手段で統一されている
  • 14.
    使われるサービスのつくりかた • 推進チームのつくりかた – WhoとWhatが同じ⼈同士でチームを組む • 「誰のために何をしたいか」が違うと方針が決まらない (判断基準が違うので当り前) –– 33割を決めて残り77割は進めながら作り上げる • 3割を展開し現場/現実/現物を素直に受け止め7割を学ぶ • アンチパターン – How(手段)でチームを作ると崩壊する – 保守的、リスク思考が強いメンバーがいると進まな い(年齢の壁) – 顧客(市場)から素直に学ぶには過去の経験は邪魔
  • 15.
    使われるサービスのつくりかた Who WhatHow バリューチェーンを組み立てる (いわゆる事業計画書) ・顧客視点Customer Journey Map ・ステークホルダのサービス連鎖 最低限収支・採算が合うよう設計する ・初期コスト、ランニングコスト見積り ・向こう1~3年の損益計画 【地域課題解決モデルでのポイント】 •補助金(税金)を継続的に投入しなけれ ば回らないサービスはハコモノと同じ •公共負債を作ってはいけない
  • 16.
    使われるサービスのつくりかた • 推進ステップ(ProjectBased Approach) チーム ビルディング •Why なぜやるか •Who 誰に アイデアソン • 外部の知 •How 仮説量産 ハッカソン • プロトタイピング •MVP ユーザー展開 • 実行! • βテスト •what 何を •How優先順位付 • 徐々に拡大 •メンバでビジョンが 共有されてること •Howにこだわってしまう 人は除外する(頭が硬い) •仮説を立てる •ステークホルダがいない 段階で仮説を潰さない •試す優先順位を決める •必要最小限の機能に絞 る •残りはユーザーの声を 聞く •ユーザーの声を聞き 改善する •IT化よりも業務設計に 重きを置く •運用を楽にする
  • 17.
    使われるサービスのつくりかた • 補足 – WhoとWhatの軸に沿ってアイデアが量産できる⼈と、 アイデアを形にできるITエンジニアがいればアイデアソン・ ハッカソンは不要 (普通のベンチャー・スタートアップと同じ) – アイデアソン、ハッカソンから始める欠点は、 誰がプロジェクトリーダー(ホルダー)かを決めていないこと – アイデアソンはいわゆるホンダ技研の⼈間中心設計(HCD)的な 「ワイガヤ」の軽量版にすぎない チームビルディングが抜けているのでむしろ薄い
  • 18.
  • 19.
    命題 Who WhatHow 不満 提供価値 手段1 手段2 ⼈手段33 感性で組み⽴てる領域論理で組み⽴てる領域
  • 20.
    命題 Who WhatHow 不満 提供価値 手段1 手段2 ⼈手段33 感性で組み⽴てる領域論理で組み⽴てる領域 ICTと業務設計で 実現する ビジョナリー 未来をどうしたいか
  • 21.
    命題 Who WhatHow 不満 提供価値 手段1 手段2 手段3 ICTを使う かもしれない ⼈感性で組み⽴てる領域論理で組み⽴てる領域 ICTと業務設計で 実現する ビジョナリー 未来をどうしたいか Open Dataを使う かもしれない
  • 22.
  • 23.
  • 24.
    使われるサービスとは何か? • Whyから考える – Simon Sinek “Start with Why” – Golden Circle 顧客像 Vision Strategy Product What How Why Why=なぜやるのか How=どうやるか What=何を提供するか UX Value ペルソナ 思考の順序 事業理念、ミッション、バリュー