アンドロイドの「造り方」を革新する
石原 尚
工学研究科 知能・機能創成工学専攻 講師
20190910飯田高校進路研修
完璧に造られたアンドロイドが
どのようなものか
具体的にイメージできますか?
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アンドロイドのイメージ
ATR Hiroshi Ishiguro Laboratories
SF映画のようだが、左の女性は実際のアンドロイド
https://www.flickr.com/photos/geminoid/tags/geminoidf/
簡単にイメージできたと思います.
「人のように見える」ものほど「うまく
造られた」ものだと考えるのが素直です.
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「外見の印象」に気を取られて本質的な課題が見つけにくい
アンドロイド研究の難しさ その①
ATR Hiroshi Ishiguro Laboratories
https://www.flickr.com/photos/geminoid/tags/kodomoroid/
「人のように見える」ことがアン
ドロイドの性能の唯一絶対の評価
軸だと考えていると,造形の細か
いところに囚われてしまい,工学
的な研究課題が見えてきません.
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問題① 問題②
機能が少ない・低い 品質が安定しない
問題③
性能評価基準が曖昧
実は目に見えない部分で根本的な問題だらけ…
アンドロイドの実際の問題
・皮膚がすぐ裂ける
・皮膚感覚がない
・微妙な表情が出せない
・顔色が変わらない
・触ると違和感
・体がほとんど動かない
・生声が出せない
・手作りなので量産できない
・動かすたびに違う動き
・できるまで品質が不確定
・修理すると表情が変わる
・すぐ皮膚がダレる
・豊かな表情とは?
・どっちが高性能?
・良い顔とは?
・違和感の原因はどこ?
・現状の技術到達度は?
・どこまでできればよい?・質量分布が変わる
開発戦略が立たない研究効率が高まらない用途が極端に限られる
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確固たる「造り方の基礎」がない
アンドロイド研究の現状
道しるべもない中,突然現れる障害を一つずつ取り除きながら道なき道を切り拓いていく必要
教科書ないですよね.
授業もありません.
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アンドロイドがなくても現状だれも困っていない
アンドロイド研究の難しさ その②
アンドロイドは(今のところ)人類や地球を救えない
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石原が挙げる3つの理由
では,なぜアンドロイド研究をやるのか
1. アンドロイドの高機能化にまだ誰も成功していないから
2. アンドロイドを造り上げられる人物に成りたかったから
3. 「想像できるがまだ世にない」ものの実現は世を革新してきたから
皮膚のような触覚センサや,人の顔の
動きの特徴分析法を医・歯学的に役立
てる応用研究も始めています.

アンドロイドの造り方を革新する

Editor's Notes

  • #2 ・完璧に合成された有機材料がどのようなものか,具体的にイメージできますか?なかなか難しいと思います. ・では,完璧に作られたアンドロイドロボットがどのようなものか,具体的にイメージできますか?
  • #3 ・おそらくみなさん,例えばこんなSF映画のワンシーンのような,人とみわけのつかないアンドロイドが人に紛れて人と同じように動いている様子を想像できるんじゃないでしょうか. ・そして実際,この左にいる女性は,実在のアンドロイドロボットです.最新のアンドロイド映画でも使えそうなくらい,クオリティが高いですよね. ・これを見ると,なんだ,アンドロイドロボットって,もうほとんど完璧に近く作れるじゃないか,と思いませんか? ・実はこれは錯覚で,このような錯覚が,アンドロイド研究を難しくしている一つの要因なのです.