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データアカデミー
第三回
2018/10/7
アジェンダ
1. 前回のおさらい(5min)
2. 各自治体内で分析状況を共有(10min)
3. 分析結果の評価の続き(50min)
1. 分析結果のおさらい
2. 事実を文章にまとめる
3. 課題との関係の強さ
4. 政策立案(70min)
5. 結果報告(15min)
Code for Japan 2
前回のおさらい
Code for Japan 3
分析方法・見せ方の検討
• 実際に出来上がるグラフや、地図の色合い、形状を決めましょう。
• その図は、庁内、住民に伝わる内容になっているか考えましょう。
仮説:xxxxxx
使うデータ:yyyyとzzzz
分析手法:折れ線グラフ
実際に表示する色や
x軸、y軸に何を利用するか
ペンを使って描く
仮説:aaaaaa
使うデータ:bbbとccc
分析手法:白地図に色分けする
Bbbを利用して失業率を地区毎に色
分け(失業率10%以上赤、10%未満
から3%以上黄、3%未満緑)する。
Cccの施設情報を利用し、地図に点
(青色シール)をプロットする。
グラフを利用 地図を利用
前回のおさらい
分析手法の検討(地図)例
0-25% 25-50% 50-75% 75-100%
種別や割合
ごとに色分け
回数や頻度に
よる表示
1-10回 11-30回 31-100回
ポイント数に
よる表示
0軒 1軒 2軒
同じ情報でも、分析方法で、分かりやすさが変わる。
前回のおさらい
4. このフェーズは分析に集中しましょう
• 今日の目的は、グラフや図柄が出来上がることです。
評価は、次のフェーズで行うので深入りしないでください。
• ルール
• Step3で集まっているデータで分析を開始します。
• データ加工が必要だと思うチームは、手を上げてください。
• 表示が正しいかわからない場合も、手を上げてください。
• 表現しようと思ったら、足りないものがあった、曖昧な表示になった
そのような場合には、状況をメモしてください。
• 次回も冒頭に少し時間を取るので、一つのデータに集中しすぎ
ず、他のデータでの確認もしてみましょう。
前回のおさらい
研修計画を立て課題解決を体験します
• 今回の兵庫県自治体有志の研修は、赤枠が範囲となります。
研修計画 1回目(2.5-4時間) 2回目(2.5-4時間) 3回目(2.5-4時間) 4回目(2.5-4時間)
研修計画、参
加者、事前準
備、課題確認
を実施。
【課題の仮説分析】
・要因となっている項目
について仮説をいくつか
立てる
【現状の調査】
・現状業務の流れ、コス
ト、課題の確認
・データ元、サービスの
対象、実務の担当者など
【対象データの選択】
・検証に必要なデータの
確認
【表現方法検討】
・レイヤーでの掛け合わ
せるのか、集計結果を地
域ごとに色分けするのか、
方法を検討
【データ分析・検証】
【評価】
・検証結果から仮説を評
価
【政策立案】
・判明したことについて
て、いくつかの政策パ
ターン、機能の詳細化を
検討する
【費用対効果分析】
・実施した場合のコスト
と効果を算出
・詳細化した機能単位で
価値の出るパターンを確
認
【指標の作成】
・実際の効果を測る際に
必要な効果項目、指標を
作成
7/22(日) 8/4(土) 10/7(日)
事前に講師が
今回は一緒に
作成
データ準備 分析結果の
深掘りが必要
なら対応
各自治体内で
分析状況を共有
Code for Japan 8
• 前回からの差分をテーブルの皆さんに共有お願いします。
分析結果の評価
Code for Japan 10
⑤評価
• 評価
• 仮説の想定と、分析の結果が一致したか、一致しなかったか確認する。
• 仮説と一致した場合
• 分析結果の中から、課題に対して効き目のあるパラメータがないか確認する。
• 他に、課題の要因となっている仮説があれば引き続き分析する。
• 仮説と一致しなかった場合
• データ量が不足していないか、データがマスクされすぎていないか疑う。
• 仮説が間違っていれば、違う仮説を考える。
①仮説
現状分析
②対象
データ
確認
③分析
手法検討
④データ
分析
⑤
評価
⑥
政策検討
⑦
効果指標
評価の流れ
• データ分析の結果をみて、評価は3つの手順で行います
①
仮説の成否を
評価する
②
仮説の結果を
明確にする
③
仮説の効き目と
影響度を考える
仮説の結果は課題の対象
全体のどの部分に影響
するのかを考える
仮説の結果を他の人に
説明できるように明確な
文章とする
データ分析の結果を見て
立てた仮説が成り立ったか
外したのかを確認する
3. 分析シートの説明
• 下記のシートを利用しながら評価をまとめます。
• 仮説:今回調べた仮説を記載してください。
• 利用したデータ:分析に利用したデータの種類を書いてください。
• 分析手法:どのような手法と表示方法で実現したか書いてください。
• エクセルで作成したシートを利用します。
No. 仮説 利用したデータ 分析手法 分析結果 説明文章 影響度
1
2
3. 分析結果の評価
• 分析結果を評価して、仮説が正しいか確認します。(15分)
No. 仮説 利用したデータ 分析手法 分析結果 説明文章 影響度
1
2
仮説で考えた
結果が出たか
はっきり
結果が出たか
仮説自体が
完全に誤りか
仮説は正しかった
→ 付随して出てくる仮説はあるか
はっきり
結果が出ている
方向性は正しそうだが情報が足りない
→ 詳細化するために必要なデータを決める
仮説は間違っていた
→ 違う方向性にトライする
仮説を立証するに十分なデータがない
→ 件数、項目、どのデータを集めると良いか
Yes Yes
No
No
No
Yes
【分析結果】
3. 他の人がわかる説明文章にする
• 分析結果を、説明文章にまとめます。(15分)
• 説明できてこその分析です。分析の結果を、他の人がわかるよう一言
の説明文章にしましょう。以下は例です。
• 課題xxx(交通事故が多い)について、原因yyy(ライトの数)と結果zzz(交通
事故発生率)は因果関係がある。
• 課題aaa(検診率が低い)について、bbb(医院の場所)とccc(検診率)は相関
関係にある。
• ddd(世帯収入)が少ないほど、eee(出生率)が高く、ddd(世帯収入)が多い
ほど、eee(出生率)が低い。
• nnn(イベント回数)と、mmm(住民満足度)には関係性がない。
No. 仮説 利用したデータ 分析手法 分析結果 説明文章 影響度
1
2
3. 課題に対する関係の強さ
• 全体に対しての影響度はどうか確認しましょう。
• 分析結果の事実は、全体のうちどこの部分にかかるか評価しましょう。
• 分析に使った、人数、割合、回数など全体のうちのどこでしょうか?
結果として該当する数値はどこの範囲でしょうか?
No. 仮説 利用したデータ 分析手法 分析結果 説明文章 影響度
1
2
都市部
市民の全年代の人口
高齢者の人口
郊外地区
郊外地区でバス停から500m以上離
れている人たち(xx%)が対象で。
全市民のyy%が該当。
政策立案
(1時間だからざっくりと立案)
Code for Japan 17
⑥政策検討
• 政策検討
• 分析の結果、要因が判明するため、対応する政策を検討する。
• 政策の検討時に、各政策を細かな単位に分け、費用・効果の
算出できるよう準備する。
• 費用・効果を算出するためにデータが必要な場合は揃える。
①仮説
現状分析
②対象
データ
確認
③分析
手法検討
④データ
分析
⑤
評価
⑥
政策検討
⑦
効果指標
No. 施策 施策(小項目) 効果(時間/年) 費用(時間/年)
1 施策1 施策1A
2 施策2 施策2A
3 施策2B
費用対効果の際に
詳細化するため
施策を細かく分ける
政策を考えるときのポイント1
• 見えてきた未来の姿から、もう一度最終的に達成したい
ゴールを考える。
検診率
が上がらない
検診率を
上げる
(複数案)
健康寿命を延ばし
幸福な地域生活を
過ごせるようにする
ゴールを立てる仮説から
見えた課題
ダイレクトな
解決方法
畑を借りて耕し
無農薬野菜と
健康作り
ゴールに近づく
別の手法
ゴールや、効果を上げるためには
ダイレクトな方法だけではなく
別の手段もあります。
政策を考えるときのポイント2
• 数値を見て対策を考える場合
• 様々なクラスターに分かれている場合の政策立案
• 例えば、施設の利用率の分布について施策を考える。
現
在 現
在
未
来
未
来
効果 効果
クレーム数や不満の
高い結果があるものは
現象させる手段を考える
利用率など向上させる
ことで価値の出るものは
増加させる手段を考える
よく利用する まあまあ利用する 利用しない
よく利用する層の
家族構成を確認し
他の層で似た構成の
方々にアプローチする
知らない層へのアプローチ方法
来ない層が興味を持ちそうな
新しい分野を取り入れられないか
リーチを増やすことを考える
利用するイベントの種類を
確認し、類似イベントを
開けば来るのかどうか検証する
4. 政策立案
• まずは、ゴールを作る。(15分)
• 前ページで説明した内容を念頭に、課題を解決した際に
めざすゴールを決めましょう。
各自最低2枚(1枚
はダイレクト、1枚
は別の手段)は付箋
にゴールを書く
似ているゴールを
グルーピングする
基準をもとに
今回のゴールを
設定する
テーブルの中央に内容を
発言しながら貼っていく
今までと
違うゴール
効果の
対象多い
職員として
トライしたい
× △ △
△ ○ ○
○ △ ○
4. 政策立案
• 政策を考える、施策のツリーを作成する。(20分)
• 仮説出し同様に、今度はゴールを達成するための
施策をあげ出します。
健康寿命をあ
げる
検診率を
上げる
運動機会を
増やす
ゴール1
施策
移動検診を
増やす
集団健診の
場を作る
共同畑を
作る
デジタル万歩
計の配布
具体的に何をやればよいか
わかるレベルに施策を
分解していきます。
施策 施策
4. 政策立案
• 政策を考える、施策を要素に分解する。(20分)
• 施策の対象をどこにするのか要素に分解する。
• 市全体か、重点ポイントに絞るか
• 時期を区切るか、通年で行うのか
• 特定の世代だけか、全世代か
健康寿命を
あげる
検診率を
上げる
運動機会を
増やす
ゴール1
施策
移動検診を
増やす
集団健診の
場を作る
共同畑を
作る
デジタル万歩
計の配布
施策(大項目) 施策(中項目)
・全エリアを対象 大 効果ポイント
・特定地域を対象 大 効果ポイント
・健診率が悪い月のみ 小 効果ポイント
・特定の自治会から協力 小 効果ポイント
・商店街の休日を狙う 中 効果ポイント
・郊外を集中的に対応 中 効果ポイント
・公園の一部を解放 中 効果ポイント
・後期高齢者向けに提供 大 効果ポイント
・高齢者全員に提供 大 効果ポイント
・40歳以上に提供 中 効果ポイント
どんな施策のパターン
があるかあげ出します。
かぶっているものが
あっても構いません。
施策(小項目) 効果
それぞれの効果の大中
小、効果の出るポイン
トを書きます
本来は細かく効果だ
ししますが、今回は
ざっくり決めます。
施策一覧表を作る
• 検討した施策を一覧表にまとめます。
赤枠のエリアを埋めましょう。
• 今回の結果を、準備したエクセルに、ゴールのツリーから、
施策(中項目)、施策(小項目)、効果を書き込み、まとめましょう。
• 費用については、費用対効果の回に対応する予定です。
今回のデータアカデミーの中には入りませんが、Step7では効果と
費用を比較して施策を絞り込みます。
No. 施策(中項
目)
施策(小項目) 効果(時間/年) 費用(時間/年) 費用の項目/効果の項目
1年目 2年目 3年目 1年目 2年目 3年目
1 施策1 施策1-A
2 施策2 施策2-A
3 施策2-B
効果の大中小までを
記入してみましょう。
実際には費用対効果の
回で詳細かします。
結果報告
Code for Japan 25
5. 結果報告
• 評価シートと、政策立案のツリーを使い、各チーム5分で報告
しましょう。(15分)
データアカデミー 兵庫広域自治体3

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