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2007.04.09 現社研新歓学習会
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東アジアの人々との共生を考える
1.
2007.04.09 現社研新歓学習会 東アジアの人々との共生を考える東アジアの人々との共生を考える東アジアの人々との共生を考える東アジアの人々との共生を考える ~日韓経済関係を中心に~ 藤田智久 0.視点 ・「東アジア共同体」論は万人を幸福にできるのか ・「階層」という角度 1.東アジア共同体論の系譜 1-1.前史としての経済「発展」 ○1950 年代 ・サンフランシスコ講和条約での賠償から企業進出へ ・ソ連の援助に対抗するアメリカの援助――冷戦という枠組みに規定 ○1960
年代:日本の高度成長に伴って企業進出が活発化 ・最初は資源確保、67 年からは次第に生産拠点の構築へ ・65 年の日韓条約で韓国への資金供与 66 年インドネシアへ ○1970 年代 ・田中角栄の東南アジア歴訪への反発 ・福田赳夫による「全方位外交」で日本企業のイメージアップを図った ・ニクソン・ショック:固定相場制崩壊→1 ドル 360 円から 180 円へ→日本企業の海外進出 ○1980 年代 ・85 年のプラザ合意:1ドル 240 円から 160 円へ→日本企業のアジア進出の新段階 ・89 年、APEC 結成 1-2.その中で形成された経済構造 ・日本やアメリカの資本や技術に依存した発展 →利益を上げる上で核心となる技術の自主開発ができない。工作機械の輸入は高くつく。 ・生産工程の労働集約的な部分を引き受ける ・低廉な労働力を利用して生産し、輸出→外部市場に左右された「外生的循環構造」 →個人の消費が経済発展の鍵になれない体制ができた ・非対称的な貿易→資本蓄積の遅れ ・「周縁部」がないと成り立たない 1-3.90 年代以降の動き ・90 年、マハティールが EAEG 構想を提唱(欧州、アメリカの経済共同体への対抗) →アメリカは反対 ・93 年、APEC 首脳会議 ・97 年、アジア通貨危機→アジア内で資金を融通し、危機を防ぐ必要性を実感 →AMF 構想(98 年・没) ※アジア通貨危機の背景にも「外生的循環構造」(例えば、韓国では貿易赤字が拡大し、資金不足。外からの短期資 金を長期資金に変換して投資へ→引き上げられるとおしまい)
2.
・2002 年 1
月、小泉首相が東南アジアを歴訪し「東アジア拡大コミュニティー」を提唱 ・2005 年 11 月、第一回東アジア首脳会議(EAS) →EAS が地域共同体の形成において重要な役割を果たす、という点を合意。 ・2007 年 1 月、第二回東アジア首脳会議 →エネルギー協力と朝鮮の核問題の議論が中心。「東アジア共同体」論は後退。 2.日本の FTA・何が問題か 2-1.FTA とはそもそも何か――貿易・投資の両面から ○貿易 ・非関税障壁(数量規制・割り当てなど)は関税化 ・関税はなるべく早くゼロへ ○投資 ・投資=企業の進出をしやすくするための制度作り 2-2.FTA のはらむ問題点 ・非対称的な貿易構造を固定化 ・競争の激化による賃金の低下・失業 移民問題 ・投資環境の整備のためなら、企業の反社会的行動も可 2-3.日本政府の「東アジア共同体」への態度 ・「東アジア共同体構築に係るわが国の考え方」(外務省、2006 年 11 月)より ①「開かれた地域主義」 →ASEAN+3(日中韓)だけでなく豪・NZ・印・米も(中国牽制が狙い) ②「機能的協力促進が中心」 →アジアは多様なのですぐにはEU型にはできない。むしろ、「当面は、広範な分野で機能的協力(FTA/EPA、 金融、国境を越える問題等)を推進することを中心に共同体形成を目指す。」 ③「普遍的価値の尊重、グローバルなルール遵守。」 →「民主主義、自由、人権等の普遍的価値、WTO等のグローバルなルールを重視する。」 ・日本が締結したFTA(EPA)は、シンガポール(2002)を皮切りに、メキシコ、マレーシア、最近ではチリ とタイ。交渉中多数。 3.実証分析・日韓 FTA の階層別効果(貿易について) →別紙へ 4.対案――民衆の連帯で対抗しよう ・国際分業自体は経済効率を上げる、必要なもの。 ・付加価値の多い部門を一部の国に集中させない。「知の独占」を許さない。 ・産業転換に伴い、失業者がすぐに職を見つけられるようにする。 ・賃金切り下げ競争ではなく、企業への規制を。最終消費は重視されなければならない。 ・労働組合を基盤に、国際的な連帯で制度作りを。
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