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拉致問題で歪む日本の民主主義
2010年11月12日
報告:遠藤裕二
1 はじめに――「ウリミレEXPO」に参加しての感想から
・日本社会のイントレランス←「無償化」問題も同様!
・マイノリティの中のマイノリティという異体験
2 拉致事件の評価
・だからといって“拉致”が朝鮮民主主義人民共和国の評価のすべてになるのか?
・「国家と国家との関係は友人と友人との関係のようであらねばならない」(レーニン)
・拉致問題の解決の道は日朝国交正常化のみ!
・「家族会」「救う会」の“北朝鮮打倒”の主張にちらつく反共・反動イデオロギー
「長期的にはわが国が核ミサイルを持つこと」(佐藤勝己「救う会」会長、254頁)
・“拉致騒動”がわれわれにもたらしたもの→教育基本法改悪(2006年12月)・国民投票法成立(2
007年5月)
・“拉致”はなぜ起きたのか
「戦争状態ではないが、戦争状態の継続のような状態にあった」(福田官房長官、214頁)
「戦後国交正常化がされていない日本との対立関係が背景にある」(地村保志氏、同頁)
“日本もかつて朝鮮半島で大量の拉致をやった”論への違和感「戦前・戦後の加害責任については、
拉致事件との相殺で済まされる程度のものではない」(223頁)
3 歪んでしまった民主主義
・バッシングと闘わない『朝日』――屈服体質になった同紙
コラム「五線譜」の役割とは?
・国際関係の破壊兵器となったマスメディア
・歪んだのは“民主主義”だけか?
科学の信憑性――英誌『ネイチャー』の「結果に疑問」(164頁)→報道しないマスコミ、吉井富
夫帝京大学教授の警視庁科学捜査研究所法医科長への天上り(?)
“善意”“運動”を食いものにする反社会性
「さる被害者家族の方は、…集まったカンパを一人で持ち帰ろうとした」「関係者が救う会を「商
売」にしている嫌いさえないとは言えません」(井川朗「救う会」全国協議会幹事、『週刊新潮』)←“運動”の俗
悪ぶりを露呈(イデオロギーですらない)
4 いま、拉致問題を再考する
・反省しないマスメディア→共和国報道の悪意
・民主党政権で対共和国政策は変わったか――
続く共和国への経済制裁
中井洽を一貫して重用→共和国女子サッカーチーム来日の妨害(国家公安委員長)、金賢妃元工作
員の招致(拉致担当相)、「無償化」問題への介入(国家公安委員長) ※現拉致担当相=柳田稔
・ナショナリズムにこりかたまっていては解決するものも解決しない!
5 さいごに――ちょっとだけ高嶋批判
・高嶋プラン(98~100頁)――“第7権力”の必要性は?

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