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K.マルクス著 「賃銀・価格および利潤」 5~9 章
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K.マルクス著 「賃銀・価格および利潤」 5~9 章
1.
現代社会研究会 2010/8/8 K.マルクス著 「賃銀・価格および利潤」
5~9 章 平岡聡史 5 章:賃銀と物価 ウェストン君の議論を最も簡単に言えば、「諸商品の価格は賃銀によって決定または規制される」 ←間違い イギリスの工場労働者、交付、造船工などと農業労働者を比較してみると、 「平均して、高価な労働は安価な商品を生産し、安価な労働は高価な商品を生産することが分かる」 ←「諸商品の価格は労働の価格によっては支配されていないという証拠」 ウェストン君の考え: (価格) = (賃銀) * { 1 + (資本家のための歩合) + (地主のための歩合) } ←その利潤や地代の「歩合」が何によって決定されているのか説明できない 「諸商品の『価格』は賃銀によって決定する」 → 「諸商品の『価値』は労働の『価値』によって決定される」 「労働の価値は価値の一般的尺度である」 では、「労働の価値」は何によって決定されるのか? ウェストン君の考え:賃銀が沸貴すれば物価は沸貴せねばならぬ → 結局賃銀を上げても意味がない、賃銀は実 にそれで買われる諸商品の価格によって測定される → 諸商品の価値は労働の価値を決定する ←「循環論法に陥って、全く何らの結論にも到達しない」 6 章:価値と労働 第一の問題点:「商品の『価値』とは何か? それは、どうして決定されるか?」 「一見すると、商品の価値は全く相対的」「一商品の価値・交換価値」 →「諸商品が相互に交換される比率はどうして規制されるか?」 ←商品の価値を表す共通の尺度の必要性 「諸商品の『交換価値』はこれらの物の『社会的機能』にほかならぬ」 ← 「それは『社会的労働』である」 「我々が諸商品を価値として考察する場合は~社会的労働という単一の観点の下で考察するのである」
2.
「労働の分量」・・・「時、日、などを尺度として、労働の継続される時間によって」測定される 「労働に対する『報酬』と労働の『分量』とは全く別物」 ←「彼らの賃銀は、もちろん、彼らの生産する諸商品の価値を超過すること~はありえないが、しかし、あ らゆる可能な程度でそれより少ないことはありうる」 (商品の交換価値) = (「最後に」使用された労働の分量) +
(その商品の原料にあらかじめ費やされた労働の分量) + (「かかる労働の差異に援用された用具・道具・機会ならびに建物に用いられた労働」) 「社会的労働」・・・「一定の社会平均的な生産条件のもとで、使用される労働の与えられた社会的平均的な強度およ び平均的な熟練を持って、その商品を生産するに『必要な労働の分量』を意味する」 「労働の生産諸力は、主としてつぎのものに依存する」 ①労働の自然的諸条件、例えば土地や高山の豊饒度、など ②労働の社会的諸力の進歩・改良(大規模生産、資本の集積と労働の結合再分割、機械の改良、など) 「諸商品の価値は、それらの生産に使用される労働時間に正比例し、使用される労働の生産諸力に反比例する」 (商品の価値) ∝ (労働時間/労働の生産諸力) 「価格は、~『価値の貨幣的表現』に他ならない」 「市場価格は、社会的労働の平均量を表現するに過ぎない」 →「その限りでは、一商品の市場価格はその価値と一致する」 アダムスミス:「自然価格は、諸商品の価格が絶えずひきつけられる中心価格である」 「一般的に言えば~利潤が~諸商品の『価値』以上で売ることから生ずるものと考えるのは、背理である」 定理:「諸商品は平均的にはその現実の価値で売られる」「利潤は諸商品をその価値で~売る事によって得られる」 7 章:労働力 「普通に言う意味での労働の価値というようなものは存在しない」 ←「労働者が売るのは、彼の労働そのものではなくで、彼の『労働力』であり、この労働力の一時的な自由 処分を彼が資本家に譲渡するのである」 →「『労働力』の価値」
3.
「労働力の価値とは何であるか?」 ←「その生産に必要な労働の分量によって決定される」 ←「自分自身の維持に要する必需品の分量」、家族を養う事に要する必需品の分量、 「熟練を獲得するために必要な分量」 「相異なる質の労働力を生産する費用は相異なるから、相異なる事業で使用される労働力の価値も相異なるに違い ない」 → 「賃銀制度の基礎の上で『平等な報酬または公正な報酬をさえ』要求することは、奴隷制度の基礎の上で 自由を要求するのと同じことである」 「労働力の価値は、労働を生産し、啓発し、維持し、永続させるに要する必需品の価値によって決定される」 8
章:余剰価値の生産 「労働力の価値は、それを維持または再生産するに必要な労働の分量によって決定されるのであるが、しかしその労 働力の『使用』は、労働者の活動力と体力によって制限されるだけである」 →「彼の労働力の価値を充填するに必要な時間を越えてさらに働かせる事が出来る →この「余剰労働時間」によって、「余剰価値および余剰生産物」が生成される 「資本と労働との間のこの種の交換こそは、資本制的生産または賃銀制度の基礎であり、そしてそれは、労働者とし ての労働者および、資本家としての資本家の再生産を引き続き生ぜざるを得ないものである」 「余剰価値の率は~労働日のうち、労働力の価値を生産するに必要な部分と、資本家のために遂行される余剰時間 または余剰労働との間の、比率に依存するであろう」 9 章:労働の価値 ①「労働力の価値または価格は、労働そのものの価格または価値たる外観を帯びる」 ②「労働者の一日の労働の一部分だけが支払われて他の部分は不払であるのに、また、その不払いまたは余剰労 働こそまさに余剰価値または利潤の構成元本であるのに、あたかも総労働が支払い労働であるかに見える」 ←奴隷と違うように見えるが、実質的には同じ
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