海外市場リサーチとフォーカステストについて




     株式会社Enzyme 池田 英一
会社案内
【株式会社Enzyme】
設立:     平成20年8月
代表取締役:  池田 英一
従業員数:   17名(日本人3名・外国人スタッフ14名)
事業内容:   ゲームソフトのデバッグ、ローカリゼーションサポート等
スタジオ所在地:神奈川県川崎市

【Enzyme Testing Labs】(カナダ本社)
設立:     2003年5月
CEO:    Yan Cyr
従業員数:   250名
事業内容:   QAサービス全般、ローカリゼーションサポート、フォーカ
  ス     グループ等
スタジオ所在地:カナダ・ケベック州サンタデール市、同モントリオール市、
        スペイン・マドリード市
リサーチを実施する理由


・市場の動向を知る
・ユーザーの嗜好を知る
・作品の評価を知る
・そこで得た結果を開発に活かす
・そこで得た結果を売上に繋げる
海外市場について

・北米と欧州各国でもかなり違いがある
・ユーザーの感覚が違う(文化、宗教、その他)
・人気のあるジャンルが違う
・所有しているハードが違う
・遊び方が違う
・流通が違う(Wal-Martなど小売店の力が大き
 い)
・ネット上の評価が日本以上に売上に影響する
海外でゲームが売れない!

  最近は単にゲームを「ローカライズ」しただけでは
      ソフトが売れなくなっています。
     これには以下の原因が考えられます。


●海外発の良質なゲームが増えた
●その結果ユーザーの選択肢が急激に増えた
●そしてユーザーの質に対する目が厳しくなってきた
●違和感を感じるゲームを選択肢から外し始めた


 海外展開の判断をする際、日本人の感覚や知識だけでは
  海外市場を理解することは非常に難しいと言えます。
       じゃあ、どうすればよいのか?
もっと海外で売るために!

      マーケティングリサーチを行う

         何がわかるの?


●ユーザーセグメント別の嗜好・求めているもの
●各国別・販売地域別の市場動向
●投入を予定しているタイトルの一般的な評価
●競合/同一ジャンルタイトルとの比較評価

         その手法は?
フォーカスグループ

     一般的なフォーカスグループの手法

 ターゲットとなるエンドユーザーを集める
 ゲームをプレイしてもらい、その様子を観察する
 アンケートに答えてもらったり、意見交換を行う
 対象ゲームに対する点数付けを行う
 競合となりそうなゲームがあれば、比較を行う
 上記の結果をデータと共に報告書にまとめる
 企画書や販促用資料などでも実施可
つまりフォーカスグループとは


   開発の途中で、
   実際にゲームに触れたエンドユーザーから
   意見をデータとして抽出し、
   市場に合わせて開発時に修正を加え、
   最終的に売上向上に繋げる為の、



       羅針盤となるものです!
具体例① 早い時期に利用する

グローバル展開を視野に開発を進めるタイトルであれば、
 企画段階、もしくは開発初期段階で海外の調査会社等を
      利用してフォーカスグループを行う




 早い時期に嗜好等を把握をして修正を加えておけば
海外版制作時に大幅な調整や作り直しといった作業に、
      多大なコストをかけずに済む
具体例② 続編の企画時に利用

   既に市場に出ている作品の続編であれば、
 その企画時に前作を使ってフォーカステストを行う




前作の良い点、悪い点を的確にデータで把握することで、
 続編の企画段階で出てくるアイデアの審議などにも、
          使用できる。
具体例③ 販売会社との交渉に利用

   開発計画にフォーカステストを入れておく




ターゲット市場に合わせた開発を行っている証明となり、
      海外パブリッシャーとの交渉時にも
       有益な情報として利用できる
たとえ100%海外市場を理解していなくとも、
異文化や異なる習慣を理解しようとすることが大切です。


 尚、海外マーケットリサーチの結果で最も重要なのは


 海外ユーザーの意見を可能な限り代弁している

         という事です。
まとめ

① 日本と海外では市場に違いがある事を認識する。

② ターゲット市場における製品の市陽性を知る事が重要。

③ フォーカステストを使ってユーザーを「知る」。

④ フォーカステストとは、マーケティングであり、ユー
  ザーからデータを抽出する作業である。

⑤ フォーカステストの結果は、ターゲットユーザーの意見
  を可能な限り代弁していなければならない。
ご静聴ありがとうございました

SIG-Gloc #02