2009/9/15 ソサイエティ大会 BT-2(IEICE)




 P2P技術に期待されるフロンティア領域

        ~持続的社会へ向けて~

                                     吉田 幹
                             BBR / PIAX Inc.
                                       大阪大学
Agenda
 インターネットを持続させるP2P技術
  実は限界、インタ ネット
  実は限界 インターネット
  ID/Locator分離
  新世代ネットワ ク(NwGN)
  新世代ネットワーク(NwGN)
  オーバレイで実現するID/Locator分離
 社会を変えるP2P技術
  地球センシング
  災害時ネットワーク
  災害時ネ トワ ク
  低敷設コスト・低運用コストなネットワーク(開発途上国)
  太陽光発電を支える賢い送電線網
  新しい貨幣システム

                            2
インターネットを持続させるP2P技術
インタ ネ トを持続させるP2P技術

      実は限界、インターネット
      ID/Locator分離
      新世代ネットワーク(NwGN)
      オーバレイで実現する
      ID/Locator分離
実は限界、インターネット

7年前は、

“IP Over Everything Everything Over IP”
 IP      Everything,                IP
だったけど...




                                          4
枯渇するアドレス
センサー、タグ類が大きく消費
 2020年で100億ノ ド
 2020年で100億ノード
 M2Mも
 Smart Dust など



IPv6は現状打破しない                 Geoff Huston氏によるIPv4アドレス在庫枯渇予測グラフ

 http://www.unixuser.org/~euske/doc/ipv6ex/
 htt //       i         /    k /d /i 6 /
 LSN(Large Scale NAT, 旧CGN)が当面の対応策に
「JPNIC、近づくIPv4アドレスの在庫枯渇に対する取
「      近づく     ド   在庫枯渇 対する取
り組みを発表」(2007/6/19)
 http://www.rbbtoday.com/news/20070619/42805.html
                                                           5
失われた到達性
必要悪なNAT
 アドレス枯渇と関連
 end-to-end の透過性(任意のIPアドレスへの到達性)が
 損なわれる
 まともに動作しないプロトコルも多々
   アドレス回収の際、まだ生きているトランスポート層が切断される
   といった細かい問題も
もはや、Stupid でなくなった
 NAT, Firewall, VPN... と複雑に
実質的 は、
実質的には、Web中心のトポロジー
         中心  ポ ジ
 P2PでなくC/S型
 クラウドコンピュ ティングの隆盛
 クラウドコンピューティングの隆盛

                               6
他にも...
 困難なモバイル対応
  そもそも端末が移動するなんて思ってなかった
  様々なプロトコル
    Mobile IP, Mobile IPv6, NEMO(Network Mobility)
  けれども、どんどん端末は移動する
    携帯デバイス(iPhone, Android, ...)、いずれは車載システムも
                 ,        ,
 大丈夫か? ルータ
  増え続ける帯域、増え続ける経路表(30万エントリ )
  増え続ける帯域、増え続ける経路表(30万エントリー)
    マルチホームが経路表増大の原因の1つに
  コアルータにおいては、小規模発電所並の電力を消費
   アル タ お  は、小規模発電所並 電力を消費
    2020年には 48.7%に達するという試算も
       http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20060417-00.html


                                                           7
他にも...
 できないマルチキャスト(IPv4)
  プロトコルは山ほど
    DVMRP, MOSPF, PIM-DM, CBT, PIM-SM, PIM-SSM, IGMP...
    エンドでまともに動かない orz
    NATも問題の1つに
 認証・セキュリティ
  それぞれの層で後追いな対応
    IPsec, SSL, TSL, PGP, PKI...
    認証はユーザにかけたいのか、IPにかけたいのか?
    ほとんどの人は公開鍵を持っていない
   バイル環境では IP は意味をなさない
  モバイル環境では、IPsecは意味をなさない
 できないQoS

                                                      8
9
問題の核心は
つまるところ、アーキテクチャが古いため
 1970年代の技術が使われ続けていること自体奇跡
      代 技  使  続

狭
狭いアドレス空間 (いうまでもなく)
         間( う        もな )
IPにおける identifier と locator の概念の混在
 IPアドレスの 元性(duality
 IPアドレスの二元性(duality of the IP address)問題
   物理アドレスが論理アドレスの機能も有している
 モビリティ、マルチホーム、IPsec に支障が...
ルーティングプロトコル
 全ノードが同一の情報を集めて同じ動作をする分散型集
 中制御
   大域経路表の破綻(スケーラビリティに欠ける)
     Dijkstra法(経路計算)の計算量はノ ド数
     Dijkstra法(経路計算)の計算量はノード数 Nとして、O(N2)
   耐故障性、トポロジー変動への弱さ
                                           10
もっと大事な問題は
非持続的な進化発展性
 す
 すでに社会インフラとなっているインターネットをそっくり
      社会   ラ な る  タ  ッ をそ くり
 変えることは不可能
 IPv6がよい教訓
  段階的に変えて行こうとすると、デザインがどうしてもきたなくな
   階的 変   行 う する デザ    がどう もきたなくな
  る。デザインを優先したのが、IPv6だった



悪い部分は変えていきたい。
けれど、それもできないジレンマ
新規技術に対する許容性が望まれる
 科学的プロセスと技術的プロセスを繰り返し、技術をブ
 ラッシュアップさせていくためのフィールドと、
 実証された技術を取り入れることができる柔軟なアーキ
 テクチャ                     11
ID/Locator分離
ID/L   t 分離
ID/Locator分離
   IPアドレスの二元性問題(duality problem of the
   IP address)
           IPアドレス(or FQDN)が、ノード自身の識別子(ID)と接
           続位置(locator)の両方の意味を有している
           モビリティ、マルチホーム、IPsec に支障を生じる
             ビ          ホ ム      支障を生じる
   ノードの個体(identity)と接続位置(location)の概
   念を分離し、IDと locatorを別レイヤで扱う必要が
   念を分離し IDと l    t を別レイヤで扱う必要が
   ある
Service          Socket          Service        Socket



End-point                        End-point   Host Identity



Location
L   ti          IP address
                    dd           Location
                                 L   ti       IP address
                                                  dd

                  HIPにおけるID/Locator分離の例
                                                             13
IPにおけるID/Locator分離の概要
 IRTF, IETFにて検討が進められている
 直近の問題として、マルチホーミングに伴う経路表
 直近の問題として マルチホーミングに伴う経路表
 の増大がある
 提案方式
  LINA(Location Independent Network Architecture),
  LIN6(Location Independent Networking for IPv6)
  HIP(Host Identity Protocol)
  LISP(Locator Id tifi Separation Protocol)
  LISP(L   t Identifier S     ti P t     l)
 などなど
 いずれも、ID解決にネームサーバを用いる
  ずれも   解決にネ ムサ バを用 る
  ネームサーバは、(ID, locator)の組を管理する

                                                 14
HIP Architecture
 TransportとNetwork層の間に                              Transport Layer
 ID解決のための層を設ける
                                                            HIP
 主な特徴
                                                 Internetworking Layer
   IDのために独立の空間を定義する
      LIN6の場合は、IPv6アドレスに埋め込み
      LIN6の場合は IPv6アドレスに埋め込み
   IDに認証と匿名性のための機能を付与する
      このため、2種類のID(HI, HIT)を持つ                                key generator



 ID解決のためのネームサーバ                                public key         private key
 として DHT(分散ハッシュ表)が
 として、DHT(分散ハッシュ表)が
 検討されている                                        public HI         anonymous HI

   (ID, locator) の組をDHTにより管理                 hash
   認証機能により、改竄を防ぐ                               HIT          LSI

   secure-i3                                     128bit      32bit

      i3(Internet Indirection Infrastructure)を拡張

                                                                             15
新世代ネ トワ ク(N GN)
新世代ネットワーク(NwGN)
新世代ネットワーク(NwGN)
海外に先駆けて、将来に備え、新たなアーキテク
チャを持つネットワ クを実現する
チャを持つネットワークを実現する
  アメリカ:GENI/FIND, 欧州:FP7/FI
  その心は Network for Next Generations
  その心は、Network
                            ※NICT, JGN2plus HPより




                                                   17
NwGNのキモ(私見)
薄い共通NW層, クロスレイヤ制御
持続的(Sustainable)




                    ※AKARI概念設計書より
                                18
オーバレイネットワークの意味
NwGNで新しいアーキテクチャを考える鍵
 オーバレイは最初から Clean Slate
 構造化オーバレイでは、IDでルーティング
持続性 、新陳代謝
持続性は、新陳代謝により生まれる
           り   る
 その時代その時代で、もっとも良くできたオーバレイ技術
 が実ネットワークになる
 進化の過程では、新たなオーバレイが実ネットワーク上
 で開発される



                          オーバレイ




                    実ネットワーク
                                  19
オーバレイが1つの解になる
       IDとlocatorの完全分離
           透過性も(NAT越え)
       IPv6, non-IPネットワークの統合
       持続的進化
           Overlay と Underlay の進化。ex. 光スイッチ技術
                                                           - DHT
                                                           - ALM
                           Applications
                                                           - multi-dimensional
                                                             range search
                      Application Oriented Overlays
                                                             Object L k
                                                             Obj t Lookup
Overlay                                                      - Key-Based Routing
Networks      DOLR Support
                                                             Common Network I/F
                     Overlay Transport Layer                 - ID-Based Routing
                                                                      d
                                                             - Secure Routing
Underlay                     Isolated     non-IP Network
           IPv4 Network
Networks                  IPv6 Network      ( g
                                            (ZigBee,..)
                                                   , )


                                                                                 20
t 分離
オーバレイで実現するID/Locator分離
オ バレイで実現するID/L
トランスポート層の分離
オーバレイネットワークの下位層を2層に分離
 ID Transport層
    IDベースのルーティング ⇒ IDによるメッセージ到達性
    経路表には、隣接ノードのIDとlocatorを保持
 Locator Transport層
    下位の物理ネットワークの抽象化が目的
    実際の処理は委譲する


            Overlay Network                   ID Reachability

                                              routing
      ID Transport Layer                      table

                                              locator (dual)
     Locator Transport Layer


      IP Network      non-IP Network    ...       Physical
                           (MANET,..)             Networks
                                                                22
IDベースのルーティング
              外部のネームサーバは不要になる
              LocatorのTransport層では、ホップ単位のメッセージ到達性
                     の     p 層では、ホッ 単位の ッ    ジ到達性
              があればよい(部分到達性)
              マルチキャスト(ALM)も変更なしに扱える
                         name
                         server
              message

ID Trans
Layer

Locator
Trans Layer
                                                            オーバレイネットワーク
                A        router   B
                                                             routing
                    IPネットワーク                      message
                                                             table

                                  ID Trans
                                  Layer

                                  Locator Trans
                                  Layer

                                                    A         X        B
                                                                           23
高速ハンドオーバ
移動により、メッセージ到達性が失われる場合は、再びノー
ドをオーバレイネットワークに参加(join)させる
経路表に対称性があり、メッセージ到達性が失われない場
合、高速なハンドオーバが実現できる
経路表に対称性のある構造化オーバレイの例
 Kademlia, Skip Graph
                                 B

                                           L2’
                        A            L1’
                                                  D

                                      C
                            L1               L2



                                 C
                                                      24
Dual Locator 方式
 locatorを2つ持つことで、通信断をなくす
 以下の時間、旧
 以下の時間、旧locator を保持する
   新しいlocatorを取得するのに要する時間(handover time)
   ID解決に要する時間(ID resolve time)
 高速ハンドオーバのための目安
   100m届く無線APで、50mあたりからハンドオーバさせる場合、移動
   ノードが50m動くまでの間に完了させなければならない
   ノ ドが50m動くまでの間に完了させなければならない
     時速60kmなら、3秒


     locator L                                      time



                                               locator L’
         t1                               t3
                            t2
                 handover        ID resolve
                 time            time
                                                            25
IP以外のネットワークもカバー
   オーバレイネットワークで、ID/Locator分離を行うことにより、
   ヘテロジーニアスな物理ネットワークをカバーできる

IP network
                                   non-IP network




              overlay network                       overlay network




             non-IP network          IP network




                                overlay network

                                                                      26
社会を変えるP2P技術
事例
地球センシング
⇒ センサーオーバレイ
  センサ オ バレイ
災害時ネットワーク
低敷設コスト・低運用コストなネットワーク
低敷設コスト 低運用コストなネ トワ ク
(開発途上国)
⇒ DTN
太陽光発電を支える賢い送電線網
⇒ Smart Grid
新しい貨幣システム
⇒ i-WAT


                       28
センサーオーバレイ
地球環境、人間社会のモニタリング
  気象観測、土壌汚染の観測、災害検知など
  気象観測 土壌汚染の観測 災害検知など
  WIDEでは、Live E! プロジェクト
    ゲリラ豪雨に効果の報告も(2008/9/19 Live E! シンポジウム)
UCI(University of California, Irvine)で聞いた話
  約7年前
  アメリカでは山火事が深刻な社会問題
    ヘリコプタ での監視は発見が遅れる
    ヘリコプターでの監視は発見が遅れる
    小さなセンサデバイスを開発して、山中に撒き、ボヤを早期発見
    できるようにできないか
  起こった研究
    塵のようなセンサ(センサダスト)をナノテクで開発する
    1000億を越えるノードにより自律構成される Deep N t
    1000億を越えるノ ドにより自律構成される D    Network
                                      k

                                          29
DTN
 Delay/Disruption/Disconnect Tolerant Network
 または、 Delay Tolerant Network
   劣通信環境でなんとか通信を成立させる
   惑星間通信, 深海通信,
   惑星間通信 深海通信 戦場でのアドホック通信
 事例
   ZebraNet
      3,5000頭のシマウマの生態情報を収集する(ケニア)
   気球ネット
      災害時に気球を飛ば
      し、一時的なネットワ
      ークを構築
   DUMBOプロジェクト
      象さん+Li E! (タイ)
      象さん+Live

                                            30
DTN + OLPC
 OLPC (One Laptop per Child)
   開発途上国の子供たちにノ トPCを
   開発途上国の子供たちにノートPCを
     教育ツールにより、貧困を解決する糸口を
   けれど、ネットワ ク環境は問題
   けれど、ネットワーク環境は問題
   OLPCは、無線LANのアドホックモードで通信できるけど
 OLPC に DTN を足すと何が起こるか
   もう解りますよね :-)
   地理的経済的 Digital Divide
   の解消
   ネットに未開も先進もない




                               31
太陽光発電とP2P
太陽電池は進化と普及の一途にある
  集中型化石燃料発電の時代から、
  集中型化石燃料発電の時代から
  分散型太陽光発電の時代に
  電力の生産と消費の細かな制御が必要
Smart Grid
  アメリカで始まった電力系統制御技術(計画or概念)
  「コンピュータと電話のような「進化」が電力網で起きる」
    http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080917/170808/
    http://business nikkeibp co jp/article/pba/20080917/170808/
  日本の例
    太田市の a o
    太田市の「Pal Town 城西の杜」プロジェクト(NEDO)
                      城西の杜」プ ジ クト(       O)
      http://neps.nef.or.jp/opinion.html
      総戸数550戸、総発電量2200kW。集中連系型
  P2Pが技術的に適していることは言うまでもない
                                                           32
参考: Smart Grid




                 ※AIST 櫻井氏の資料より
                              33
参考: 変動とならし効果の実例




             ※AIST 櫻井氏の資料より
                          34
エネルギーフローの危機
ピークオイル問題
 石油生産量の成長がピークに達した後、下り坂に転じる点
  2030年頃と言われている
 枯渇しないが、実質的に石油は使えなくなる
  採掘コストの増大
  消費量より生産量が下回る ⇒ 価格の高騰
実体経済と乖離した金融経済シ テ
実体経済と乖離した金融経済システム
 間違った情報フロー(金融経済システム)がエネルギーフロー(実体
 経済)をおかしくしている
 私たちが生活を依存している情報フローをデザインし直し、人間圏に
 私たちが生活を依存    る情報  をデザイ  直 人間圏
 おけるエネルギーフローが持続可能になるようにしなければならな
 い(慶応大 斉藤氏)


「環境か経済かの選択ではない。繁栄か衰退かの選択だ」
(09/4/22 オバマ大統領)
                              35
i-WATシステム
            地球規模OSに実装された貨
            幣システム
             慶應大 斉藤先生のご研究
             地産地消、経済システムまで考
             地産地消 経済システムまで考
             慮に入れたP2Pシステム
             WATシステムのデジタル版
            WATシステム
             森野榮一氏による地域通貨シ
             ステム
             自然と、人間という自然が本位
             自然と 人間という自然が本位
             デジタル財(基本フリー)も考慮
              減価する貨幣
              スタンプ紙幣(1920-30年)が原型
                               36
ポイントとなる研究課題
ルーティングプロトコル
 NwGNでは、BGPの置き換えが必要
 NwGNでは BGPの置き換えが必要
 DTN、モバイルアドホックネットワークもその対象
オーバレイの複合化
 無線アクセス網と基幹ネットワークの統合
 inter/multi-overlay net o k
 inte /m lti o e la network のような技術も
分散ネットワーク環境における一貫性保証
 例えば、BASE(Basically Available, Soft state,
 Eventually consistent)の具体化
   クラウドコンピューティングで注目
   クラウドコンピ  ティングで注目
 Lock Free Synchronization のP2P版
複雑系における局所最適化技術
                                             37
ご清聴ありがとうございました

kibayos ieice 090915

  • 1.
    2009/9/15 ソサイエティ大会 BT-2(IEICE) P2P技術に期待されるフロンティア領域 ~持続的社会へ向けて~ 吉田 幹 BBR / PIAX Inc. 大阪大学
  • 2.
    Agenda インターネットを持続させるP2P技術 実は限界、インタ ネット 実は限界 インターネット ID/Locator分離 新世代ネットワ ク(NwGN) 新世代ネットワーク(NwGN) オーバレイで実現するID/Locator分離 社会を変えるP2P技術 地球センシング 災害時ネットワーク 災害時ネ トワ ク 低敷設コスト・低運用コストなネットワーク(開発途上国) 太陽光発電を支える賢い送電線網 新しい貨幣システム 2
  • 3.
    インターネットを持続させるP2P技術 インタ ネ トを持続させるP2P技術 実は限界、インターネット ID/Locator分離 新世代ネットワーク(NwGN) オーバレイで実現する ID/Locator分離
  • 4.
    実は限界、インターネット 7年前は、 “IP Over EverythingEverything Over IP” IP Everything, IP だったけど... 4
  • 5.
    枯渇するアドレス センサー、タグ類が大きく消費 2020年で100億ノ ド 2020年で100億ノード M2Mも Smart Dust など IPv6は現状打破しない Geoff Huston氏によるIPv4アドレス在庫枯渇予測グラフ http://www.unixuser.org/~euske/doc/ipv6ex/ htt // i / k /d /i 6 / LSN(Large Scale NAT, 旧CGN)が当面の対応策に 「JPNIC、近づくIPv4アドレスの在庫枯渇に対する取 「 近づく ド 在庫枯渇 対する取 り組みを発表」(2007/6/19) http://www.rbbtoday.com/news/20070619/42805.html 5
  • 6.
    失われた到達性 必要悪なNAT アドレス枯渇と関連 end-to-endの透過性(任意のIPアドレスへの到達性)が 損なわれる まともに動作しないプロトコルも多々 アドレス回収の際、まだ生きているトランスポート層が切断される といった細かい問題も もはや、Stupid でなくなった NAT, Firewall, VPN... と複雑に 実質的 は、 実質的には、Web中心のトポロジー 中心 ポ ジ P2PでなくC/S型 クラウドコンピュ ティングの隆盛 クラウドコンピューティングの隆盛 6
  • 7.
    他にも... 困難なモバイル対応 そもそも端末が移動するなんて思ってなかった 様々なプロトコル Mobile IP, Mobile IPv6, NEMO(Network Mobility) けれども、どんどん端末は移動する 携帯デバイス(iPhone, Android, ...)、いずれは車載システムも , , 大丈夫か? ルータ 増え続ける帯域、増え続ける経路表(30万エントリ ) 増え続ける帯域、増え続ける経路表(30万エントリー) マルチホームが経路表増大の原因の1つに コアルータにおいては、小規模発電所並の電力を消費 アル タ お は、小規模発電所並 電力を消費 2020年には 48.7%に達するという試算も http://innovation.nikkeibp.co.jp/etb/20060417-00.html 7
  • 8.
    他にも... できないマルチキャスト(IPv4) プロトコルは山ほど DVMRP, MOSPF, PIM-DM, CBT, PIM-SM, PIM-SSM, IGMP... エンドでまともに動かない orz NATも問題の1つに 認証・セキュリティ それぞれの層で後追いな対応 IPsec, SSL, TSL, PGP, PKI... 認証はユーザにかけたいのか、IPにかけたいのか? ほとんどの人は公開鍵を持っていない バイル環境では IP は意味をなさない モバイル環境では、IPsecは意味をなさない できないQoS 8
  • 9.
  • 10.
    問題の核心は つまるところ、アーキテクチャが古いため 1970年代の技術が使われ続けていること自体奇跡 代 技 使 続 狭 狭いアドレス空間 (いうまでもなく) 間( う もな ) IPにおける identifier と locator の概念の混在 IPアドレスの 元性(duality IPアドレスの二元性(duality of the IP address)問題 物理アドレスが論理アドレスの機能も有している モビリティ、マルチホーム、IPsec に支障が... ルーティングプロトコル 全ノードが同一の情報を集めて同じ動作をする分散型集 中制御 大域経路表の破綻(スケーラビリティに欠ける) Dijkstra法(経路計算)の計算量はノ ド数 Dijkstra法(経路計算)の計算量はノード数 Nとして、O(N2) 耐故障性、トポロジー変動への弱さ 10
  • 11.
    もっと大事な問題は 非持続的な進化発展性 す すでに社会インフラとなっているインターネットをそっくり 社会 ラ な る タ ッ をそ くり 変えることは不可能 IPv6がよい教訓 段階的に変えて行こうとすると、デザインがどうしてもきたなくな 階的 変 行 う する デザ がどう もきたなくな る。デザインを優先したのが、IPv6だった 悪い部分は変えていきたい。 けれど、それもできないジレンマ 新規技術に対する許容性が望まれる 科学的プロセスと技術的プロセスを繰り返し、技術をブ ラッシュアップさせていくためのフィールドと、 実証された技術を取り入れることができる柔軟なアーキ テクチャ 11
  • 12.
  • 13.
    ID/Locator分離 IPアドレスの二元性問題(duality problem of the IP address) IPアドレス(or FQDN)が、ノード自身の識別子(ID)と接 続位置(locator)の両方の意味を有している モビリティ、マルチホーム、IPsec に支障を生じる ビ ホ ム 支障を生じる ノードの個体(identity)と接続位置(location)の概 念を分離し、IDと locatorを別レイヤで扱う必要が 念を分離し IDと l t を別レイヤで扱う必要が ある Service Socket Service Socket End-point End-point Host Identity Location L ti IP address dd Location L ti IP address dd HIPにおけるID/Locator分離の例 13
  • 14.
    IPにおけるID/Locator分離の概要 IRTF, IETFにて検討が進められている 直近の問題として、マルチホーミングに伴う経路表 直近の問題として マルチホーミングに伴う経路表 の増大がある 提案方式 LINA(Location Independent Network Architecture), LIN6(Location Independent Networking for IPv6) HIP(Host Identity Protocol) LISP(Locator Id tifi Separation Protocol) LISP(L t Identifier S ti P t l) などなど いずれも、ID解決にネームサーバを用いる ずれも 解決にネ ムサ バを用 る ネームサーバは、(ID, locator)の組を管理する 14
  • 15.
    HIP Architecture TransportとNetwork層の間に Transport Layer ID解決のための層を設ける HIP 主な特徴 Internetworking Layer IDのために独立の空間を定義する LIN6の場合は、IPv6アドレスに埋め込み LIN6の場合は IPv6アドレスに埋め込み IDに認証と匿名性のための機能を付与する このため、2種類のID(HI, HIT)を持つ key generator ID解決のためのネームサーバ public key private key として DHT(分散ハッシュ表)が として、DHT(分散ハッシュ表)が 検討されている public HI anonymous HI (ID, locator) の組をDHTにより管理 hash 認証機能により、改竄を防ぐ HIT LSI secure-i3 128bit 32bit i3(Internet Indirection Infrastructure)を拡張 15
  • 16.
    新世代ネ トワ ク(NGN) 新世代ネットワーク(NwGN)
  • 17.
    新世代ネットワーク(NwGN) 海外に先駆けて、将来に備え、新たなアーキテク チャを持つネットワ クを実現する チャを持つネットワークを実現する アメリカ:GENI/FIND, 欧州:FP7/FI その心は Network for Next Generations その心は、Network ※NICT, JGN2plus HPより 17
  • 18.
  • 19.
    オーバレイネットワークの意味 NwGNで新しいアーキテクチャを考える鍵 オーバレイは最初から CleanSlate 構造化オーバレイでは、IDでルーティング 持続性 、新陳代謝 持続性は、新陳代謝により生まれる り る その時代その時代で、もっとも良くできたオーバレイ技術 が実ネットワークになる 進化の過程では、新たなオーバレイが実ネットワーク上 で開発される オーバレイ 実ネットワーク 19
  • 20.
    オーバレイが1つの解になる IDとlocatorの完全分離 透過性も(NAT越え) IPv6, non-IPネットワークの統合 持続的進化 Overlay と Underlay の進化。ex. 光スイッチ技術 - DHT - ALM Applications - multi-dimensional range search Application Oriented Overlays Object L k Obj t Lookup Overlay - Key-Based Routing Networks DOLR Support Common Network I/F Overlay Transport Layer - ID-Based Routing d - Secure Routing Underlay Isolated non-IP Network IPv4 Network Networks IPv6 Network ( g (ZigBee,..) , ) 20
  • 21.
  • 22.
    トランスポート層の分離 オーバレイネットワークの下位層を2層に分離 ID Transport層 IDベースのルーティング ⇒ IDによるメッセージ到達性 経路表には、隣接ノードのIDとlocatorを保持 Locator Transport層 下位の物理ネットワークの抽象化が目的 実際の処理は委譲する Overlay Network ID Reachability routing ID Transport Layer table locator (dual) Locator Transport Layer IP Network non-IP Network ... Physical (MANET,..) Networks 22
  • 23.
    IDベースのルーティング 外部のネームサーバは不要になる LocatorのTransport層では、ホップ単位のメッセージ到達性 の p 層では、ホッ 単位の ッ ジ到達性 があればよい(部分到達性) マルチキャスト(ALM)も変更なしに扱える name server message ID Trans Layer Locator Trans Layer オーバレイネットワーク A router B routing IPネットワーク message table ID Trans Layer Locator Trans Layer A X B 23
  • 24.
  • 25.
    Dual Locator 方式 locatorを2つ持つことで、通信断をなくす 以下の時間、旧 以下の時間、旧locator を保持する 新しいlocatorを取得するのに要する時間(handover time) ID解決に要する時間(ID resolve time) 高速ハンドオーバのための目安 100m届く無線APで、50mあたりからハンドオーバさせる場合、移動 ノードが50m動くまでの間に完了させなければならない ノ ドが50m動くまでの間に完了させなければならない 時速60kmなら、3秒 locator L time locator L’ t1 t3 t2 handover ID resolve time time 25
  • 26.
    IP以外のネットワークもカバー オーバレイネットワークで、ID/Locator分離を行うことにより、 ヘテロジーニアスな物理ネットワークをカバーできる IP network non-IP network overlay network overlay network non-IP network IP network overlay network 26
  • 27.
  • 28.
    事例 地球センシング ⇒ センサーオーバレイ センサ オ バレイ 災害時ネットワーク 低敷設コスト・低運用コストなネットワーク 低敷設コスト 低運用コストなネ トワ ク (開発途上国) ⇒ DTN 太陽光発電を支える賢い送電線網 ⇒ Smart Grid 新しい貨幣システム ⇒ i-WAT 28
  • 29.
    センサーオーバレイ 地球環境、人間社会のモニタリング 気象観測、土壌汚染の観測、災害検知など 気象観測 土壌汚染の観測 災害検知など WIDEでは、Live E! プロジェクト ゲリラ豪雨に効果の報告も(2008/9/19 Live E! シンポジウム) UCI(University of California, Irvine)で聞いた話 約7年前 アメリカでは山火事が深刻な社会問題 ヘリコプタ での監視は発見が遅れる ヘリコプターでの監視は発見が遅れる 小さなセンサデバイスを開発して、山中に撒き、ボヤを早期発見 できるようにできないか 起こった研究 塵のようなセンサ(センサダスト)をナノテクで開発する 1000億を越えるノードにより自律構成される Deep N t 1000億を越えるノ ドにより自律構成される D Network k 29
  • 30.
    DTN Delay/Disruption/Disconnect TolerantNetwork または、 Delay Tolerant Network 劣通信環境でなんとか通信を成立させる 惑星間通信, 深海通信, 惑星間通信 深海通信 戦場でのアドホック通信 事例 ZebraNet 3,5000頭のシマウマの生態情報を収集する(ケニア) 気球ネット 災害時に気球を飛ば し、一時的なネットワ ークを構築 DUMBOプロジェクト 象さん+Li E! (タイ) 象さん+Live 30
  • 31.
    DTN + OLPC OLPC (One Laptop per Child) 開発途上国の子供たちにノ トPCを 開発途上国の子供たちにノートPCを 教育ツールにより、貧困を解決する糸口を けれど、ネットワ ク環境は問題 けれど、ネットワーク環境は問題 OLPCは、無線LANのアドホックモードで通信できるけど OLPC に DTN を足すと何が起こるか もう解りますよね :-) 地理的経済的 Digital Divide の解消 ネットに未開も先進もない 31
  • 32.
    太陽光発電とP2P 太陽電池は進化と普及の一途にある 集中型化石燃料発電の時代から、 集中型化石燃料発電の時代から 分散型太陽光発電の時代に 電力の生産と消費の細かな制御が必要 Smart Grid アメリカで始まった電力系統制御技術(計画or概念) 「コンピュータと電話のような「進化」が電力網で起きる」 http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20080917/170808/ http://business nikkeibp co jp/article/pba/20080917/170808/ 日本の例 太田市の a o 太田市の「Pal Town 城西の杜」プロジェクト(NEDO) 城西の杜」プ ジ クト( O) http://neps.nef.or.jp/opinion.html 総戸数550戸、総発電量2200kW。集中連系型 P2Pが技術的に適していることは言うまでもない 32
  • 33.
    参考: Smart Grid ※AIST 櫻井氏の資料より 33
  • 34.
    参考: 変動とならし効果の実例 ※AIST 櫻井氏の資料より 34
  • 35.
    エネルギーフローの危機 ピークオイル問題 石油生産量の成長がピークに達した後、下り坂に転じる点 2030年頃と言われている 枯渇しないが、実質的に石油は使えなくなる 採掘コストの増大 消費量より生産量が下回る ⇒ 価格の高騰 実体経済と乖離した金融経済シ テ 実体経済と乖離した金融経済システム 間違った情報フロー(金融経済システム)がエネルギーフロー(実体 経済)をおかしくしている 私たちが生活を依存している情報フローをデザインし直し、人間圏に 私たちが生活を依存 る情報 をデザイ 直 人間圏 おけるエネルギーフローが持続可能になるようにしなければならな い(慶応大 斉藤氏) 「環境か経済かの選択ではない。繁栄か衰退かの選択だ」 (09/4/22 オバマ大統領) 35
  • 36.
    i-WATシステム 地球規模OSに実装された貨 幣システム 慶應大 斉藤先生のご研究 地産地消、経済システムまで考 地産地消 経済システムまで考 慮に入れたP2Pシステム WATシステムのデジタル版 WATシステム 森野榮一氏による地域通貨シ ステム 自然と、人間という自然が本位 自然と 人間という自然が本位 デジタル財(基本フリー)も考慮 減価する貨幣 スタンプ紙幣(1920-30年)が原型 36
  • 37.
    ポイントとなる研究課題 ルーティングプロトコル NwGNでは、BGPの置き換えが必要 NwGNではBGPの置き換えが必要 DTN、モバイルアドホックネットワークもその対象 オーバレイの複合化 無線アクセス網と基幹ネットワークの統合 inter/multi-overlay net o k inte /m lti o e la network のような技術も 分散ネットワーク環境における一貫性保証 例えば、BASE(Basically Available, Soft state, Eventually consistent)の具体化 クラウドコンピューティングで注目 クラウドコンピ ティングで注目 Lock Free Synchronization のP2P版 複雑系における局所最適化技術 37
  • 38.