OpenStackの現状と今後
-サミットから読み解くOpenStackの行方-
日本OpenStackユーザ会
水野伸太郎
Interop 2018
自己紹介
 水野伸太郎 (Shintaro Mizuno) IRC: shintaro
 NTT勤務
– クラウド・SDN技術の研究・開発(2011~)
– それ以前はセキュリティ系業務に従事
 OpenStack活動
– https://www.openstack.org/community/speakers/profile/19/shintaro-mizuno
– OpsMeetups Team, LCOO WG, サミットセッションチェアなど
 OpenStack関連足跡
– https://www.openstack.org/videos/hong-kong-2013/user-panel-how-did-you-bring-openstack-cloud-to-your-
company
– https://www.openstack.org/summit/Tokyo-2015/videos/presentation/ntts-journey-with-openstack
– http://superuser.openstack.org/articles/sitting-down-with-ntt-group-the-superuser-awards-winner-at-the-
openstack-summit-tokyo
– http://superuser.openstack.org/articles/Okinawa-openstack-ops-workshop-rides-wave-of-interest
– https://www.openstack.org/summit/sydney-2017/summit-schedule/events/19860/i-pity-the-fool-that-builds-
his-own-cloudovercoming-challenges-of-openstack-based-telco-clouds
 日本OpenStackユーザ会
– 会長(2016~)、イベントWG、OpenStack Days Tokyo実行委員会など
2
Agenda
 OpenStack概要
 サミットから見るOpenStackの変化
 バンクーバサミット注目トピック
 注目の個別セッション
 ユーザ会の紹介
OpenStack概要 www.openstack.org
 クラウド基盤を構築するオープンソースソフトウェア開発プロジェクト
– 2010年6月、米Rackspace社が立ち上げ
– 全世界で182カ国、672社、9万人近くのコミュニティメンバーが参加
http://www.openstack.org/software/
仮想マシン
ブロック
ストレージ
Webユーザインタフェース
ユーザアプリケーション
共通ネットワーク
ベアメタル コンテナ
オブジェクト
ストレージ
ファイル
ストレージ
監視・ツール群
OpenStackの特徴
真にオープンであること、幅広いエコシステム
ソースコード、開発プロセスをすべて公開、誰でも参加可能
– コミュニティのポリシーとして4つの「Open」を定義
●Open Source, Open Design, Open Development, Open Community
共通のインタフェースで多くの製品群から希望の組合せで利用可能
–他のOSSや製品群との連携を積極的に実施
OpenStack全体 https://www.openstack.org/assets/software/projectmap/openstack-map-v20180516a.pdf
オープンなアーキテクチャ
仮想サーバ
コントローラ
(Nova)
仮想NW
コントローラ
(Neutron)
仮想ストレージ
コントローラ
(Cinder)
認証/ユーザ管理
(Keystone)
ユーザアプリケーション
OpenStack API
OpenStackコントローラ
ドライバ
(OSS/製品)
ドライバ
(OSS/製品)
ドライバ
(OSS/製品)
実行層
管理層
サーバ
仮想化機能
汎用サーバ
仮想
サーバ
仮想
サーバ
ストレージ
仮想化機能
汎用サーバ/
ストレージ製品
ネットワーク
仮想化機能
汎用サーバ/
NW製品
仮想
ルータ
仮想
FW
API/独自インタフェース
(検証された組み合わせを提供)
※簡略化のため主要機能の概略のみ記載
仮想ストレージ
WebUI
(Horizon)
実行層のエコシステム
アプリ層のエコシステム
OpenStackの利用形態
https://www.openstack.org/assets/survey/OpenStack-User-Survey-Nov17.pdf
オンプレミスプライベート
ホステッドプライベート
パブリッククラウド
コミュニティ向けクラウド
プライベートクラウドで
の導入数が最も多い
最新版:Queens
注目機能
–vGPUサポート (現状はexperimental)
–Volumeのマルチアタッチ
–Neutron-lbaasが廃止予定となり、Octaviaに移行
新規プロジェクト
–Blazar
●時間を指定してCPUやメモリといったリソースの予約をするもので、指定の時間に確実にVMを起動させたい
場合に利用する。主にNFVやHPCといった大規模計算処理が求められるユースケースを想定。
–Cyborg
●GPU, FPGA, 暗号カード、DPDK/SPDK といったハードウェア・ソフトウェアのアクセラレーション機能を管
理するフレームワーク
–OpenStack-Helm
●Kubernetes 上にコンテナ化された OpenStack 基盤を構築する為のツール。
–LOCI
●OpenStack の各コンポーネントの Open Container Initiative (OCI) 互換コンテナイメージを作成するツー
ルまたは生成イメージを提供するプロジェクト
Ver.17
サミットから見るOpenStackの変化
バンクーバーサミット
• 2018年5月21日~24日
• @カナダバンクーバー
• 初日メインキーノート
• 300+のセッション
• 二日目からはトピックに
わかれたキーノート
• スポンサー展示
• トレーニング・ハンズオン
サミット参加者数の推移
注意:参加者数は非公式な数値も含まれるため必ずしも正確ではありません。傾向を見るための目安とお考え下さい。
Hong Kong
Atlanta
Paris
Vancouver
Tokyo
Austin
Barcelona
Boston
Sydney
Vancouver
サミット参加者数の推移
注意:参加者数は非公式な数値も含まれるため必ずしも正確ではありません。傾向を見るための目安とお考え下さい。
初の南半球 次回
ベルリン
?
開発者向け会議(PTG)
が分離(500名参加)
Hong Kong
Atlanta
Paris
Vancouver
Tokyo
Austin
Barcelona
Boston
Sydney
Vancouver
やはりこっちの影響も大きいでしょう
注意:参加者数は非公式な数値も含まれるため必ずしも正確ではありません。傾向を見るための目安とお考え下さい。
Hong Kong
Atlanta
Paris
Vancouver
Tokyo
Austin
Barcelona
Boston
Sydney
Vancouver
Berlin
Seattle
Austin
Copenhagen
KubeCon+CloudNativeCon
サミットの位置づけの変化
参加者の変化(Hype時代を抜けてリアルユーザへ)
 3年前のバンクーバー 6000名 → 今回3000名程度
「興味がある・何なのか知りたい」→「実際に使っている・使いたい」
セッション構成の変化
 開発者向けは別イベント(PTG)として別れ、ユーザ・運用者フォーカスに
 運用者向け、具体的ユースケース向けの専用トラック
Edge/NFV, Container, Public/Private Cloud, HPC/GPU/AIなど
 ユーザから開発者へのフィードバックの場:Forum (85セッション)
アップデート、長期サポート、高可用性向上、ドキュメント、不足機能の要望など
 OpenStackからOpen Infrastructureへ
CI/CDに関する集中トラック(OpenDevConf)などスコープの拡大
テーマはOpen Infrastructure
OpenStackだけではなく、
コンテナやCI/CD技術など対象範囲を拡大し、
エッジコンピューティング・NFVやHPCなど
多様なユースケースに適用できるオープンな
基盤について議論を行う
Foundationの変化
戦略的フォーカス領域である「コンテナ」、「CI/CD」、「エッジコンピュー
ティング」の推進に向け、OpenStack以外のプロジェクトもホスト
https://www.openstack.org/foundation/
Kata Containers
高セキュリティを特徴としたコンテナ環境
Zuul
長くOpenStack開発で活用されてきた
CI/CD基盤
Edge Computing Group
OSSのエッジコンピューティング基盤
を目指したワーキンググループ
スポンサー企業の変化
2014年 現在
Platinum Members
Gold Members
https://www.openstack.org/foundation/companies/2014 annual report (https://www.openstack.org/foundation/)
ソフトウェアの変化
拡張路線から安定化・枝狩り期へ
–What is OpenStack
初期(未成熟期):
Stackforge → Incubation → Integrated
BigTent期(拡張期・Kilo~):
Unofficial・Official(プロジェクト数が20→50以上に)
現在(安定、枝狩り期):
Hosted・Official・Core
“Constellations(星座)”(ユースケース毎の推奨構成)
Hosted(多数)
Official(65)
Core(9)
Nova, Neutron, Keystone,
Cinder, Glance, Swift,
Ironic, Heat, Horizon
コミュニティの変化
開発者ドリブンからユーザドリブンへの変化
–User Committeeの強化
ユーザ目線での取り組みの強化(OpenLabなど)。
–SIGの立ち上げ
個別のトピックについて継続議論ができるようSIG方式を採用
Self-healing, Scientific, Public Cloud, Edge, K8S, Upgrade, Security等
–Forumのフィードバックにより方向性が決まるように
Fast-Forward upgrade
Skip-levelという議論から、開発者、利用者双方のメリットが得られるFast-Forwardに
Extended Maintenance
LTS版の要望に応じてコミュニティサポート方針の見直しが行われた
https://wiki.openstack.org/wiki/Forum/Vancouver2018
https://governance.openstack.org/sigs/
https://www.openstack.org/foundation/user-committee/
バンクーバサミット注目トピック
Kataコンテナ ver1.0リリース
VMとコンテナの良いとこどり https://katacontainers.io/
–Intel Clear Container, Hyper runVを統合した軽量仮想マシンベースのコ
ンテナ
–コンテナ間の分離の強化を実現
–2017年12月に立ち上げ
–ver1.0を5/22にリリース
–現在はKVMをサポート
(他のサポートは今後)
–OpenStack, K8S等から利用可能
CI/CDツール”Zuul”
OpenStackの開発で培われたツールが独立
–開発者が投稿したパッチを検証してマージする
Gating System (gatekeeper)
WorkflowはAnsibleで記載
Gerrit, GitHubサポート
–複数のプロジェクト/Community間の依存関係などを定義可能
OpenStackのように複数のプロジェクトからなるソフトウェアの統合的な
CI/CDを実現可能
Ver 3.0.3
OpenStackのレビューシステムで日々活用されているZuul
エッジ向けプロジェクトの発表
Edge Computing ホワイトペーパー
–「エッジとは何か」「ユースケースは何か」
に関する整理
https://www.openstack.org/assets/edge/OpenStack-EdgeWhitepaper-v3-online.pdf
–Edge Computing Groupでユースケース毎の課題を検討していく
Akrainoプロジェクトの紹介
–Linux Foundationプロジェクト
–AT&Tが推進して2018年2月に立ち上げ
–エッジ向けのソフトウェアスタックの構築を目指す
–OpenStackのコンポーネントなどを組み上げる
あわせてOpenStack側でも関連プロジェクト立ち上げ(後述)
サポートの延長(Extended Maintenance)
コミュニティサポートが12か月から18か月に
18か月以上の延長メンテナンスもスコープに(条件あり)
https://www.openstack.org/videos/vancouver-2018/openstack-community-wide-goals-and-project-updates
https://docs.openstack.org/project-team-guide/stable-branches.html
OpenStackの品質向上
OpenLab
–クラウド系技術を組み合わせた検証を行うことを目的
–ハイブリッド、マルチクラウド検証環境の提供
ベアメタル、VM、arm環境、
GPU環境、K8S環境、
非OpenStack環境など
–コミュニティ横断連携の場
–サポート企業が環境を提供
–実際に試すことができる
https://docs.google.com/presentation/d/12y6iTTvff4fzHiN31KApoO8JayZOsJySZugtLBc6XnE/edit#slide=id.g38df4e06e9_0_45
注目の個別セッション
Airship http://www.airshipit.org/
AT&TがOSS化したクラウド環境デプロイツール群
–K8S+Helmを活用したクラウド環境デプロイツール群
–「宣言型のCloud環境構築ツール」「ライフサイクルマネジメント」
–一度アーキテクチャを定義(YAMLで記述)すると、同じ構成でクラウドの構築が
容易に実現可能
–8つのツールからなり、必要なツールを選択して利用可能
・Armada(helm chart管理) ・Berth(K8S上のVM管理),
・Deckhand(YAML管理) ・Diving Bell(ベアメタル設定管理),
・Drydock(ベアメタルデプロイ:MaaS) ・Pegleg(複数デプロイ間の構成管理),
・Promenade(K8Sクラスタデプロイ) ・Shipyard(クラスタのライフサイクル管理)
–セッションビデオ
https://youtu.be/ckcLnBqGQrQ
StarlingX
Intel, Wind Riverが開発したエッジ環境向け運用ツール群
–5年かけて改善してきた成果(Titanium Cloud)
Titanium CloudのコードのOSS化
–エッジユースケースでの適用を想定した、高可用性、耐故障性、性能、セキュリティ、サービ
ス・ソフトウェア・ハードウェア管理など運用性向上のためのツール
–1サーバから数台、100台まで様々なサイズのエッジに対応可能
–OVS-DPDK, SR-IOV, PCI パススルー, GPUなどで高速化、TPM, vTPM、Cephストレージ
–K8S+Helmでコンテナ化に取り組み中。Calico CNI利用。今後はコンテナ活用拡大。
セッションビデオ
https://www.openstack.org/videos/vancouver-2018/starlingx-cloud-infrastructure-for-high-performance-low-
latency-applications
StarlingXに関する発表
http://blogs.windriver.com/wind_river_blog/2018/05/driving-an-open-edge-computing-infrastructure-through-
wind-river-titanium-cloud-contributions.html
Akraino, Airship, StarlingXの関係
その他OSS
インテグレーション・検証
ユースケース定義
コード開発
OpenStack Linux Foundation
AIのクラウド運用への活用
AI Driven Orchestration, Challenges & Opportunities (Telus)
https://youtu.be/G9X6uB3rlj8
NFV Telcoクラウドの運用にAIを活用
多くのサービスが動作する環境では
解析データが膨大になる →AIを活用
スケール、ヒーリング、最適化など
様々な運用ユースケースを想定
ONAP(NFV向けオーケストレータ)の
ポリシーエンジンに動的に反映
良いデータを集めモデルを作成する
ことが肝要
PoC:Ceilometerで複数のクラウド
から情報をHadoopに集め、解析・
アクションの実行を行う。
Acumosプロジェクトで情報を共有していく
アップグレード議論(Forum)
Fast-Forward Upgrades (FFU)
–議論メモ: https://etherpad.openstack.org/p/r.c1ee413cb19472e3afebb129c22feed1
–キーノートでの紹介: https://youtu.be/SpcqKUyQ_64?t=422
–セッション:https://youtu.be/YJXem5d6fkI
–N→N+1のアップグレード処理を複数回連続で行うアップグレード手法
コントロール系は止めて実施。実行系はそのまま。
TripleOでリファレンス実装(Ansible Playbook)あり(Newton→Queens)
事例含めたWiki作成中: https://wiki.openstack.org/wiki/Fast_forward_upgrades
今後OpenStackのアップグレード議論はこのFFUがベースとなる
N N+1 N+2 N N+1 N+2
元の要望:Skip-level Upgrade→検証パターン増大 現在:Fast-Forward Upgrade
Nから順に止めずにN+2まで上げる
次版”Rocky” ロードマップ
コミュニティなので必ず達成されるものではないという前提で
コミュニティ横断目標:Python3.5サポート
TripleO: Fast-Forward Upgrades
Magnum: Cluster Upgrade/healing
Zun: VMの事前起動不要でコンテナをデプロイ(virtual Kubelet for OpenStack)
Qinling: FaaS for OpenStack 1.0をリリース予定
Cinder: Cinder HA
Tacker: リソース予約機能(Blazar)との連携
Nova: vGPUサポートの拡張
Nova/Neutron: VMへの最低帯域保障(帯域ベースのスケジューリング)
Masakari: VM内部監視による故障検知
Cyborg: アクセラレータ使用量のQuota管理
Blazar: AZ指定予約機能
2018年8月30日リリース予定
https://youtu.be/mDOv8DZB744
OpenStackの今後
安定化、成熟化
–大規模な新規機能追加は少なくなり、より堅固で安定した
プロダクトへ向かうと思われる
–運用機能の強化、品質向上に向けた取り組みの強化
OpenStackからOpenInfrastructureへ
–K8Sや他のOSSとの連携が進み、多様なユースケースへ適
用できるオープンな基盤の実現が主眼に
–ユースケース毎の最適化、分化
–OpenStackは構成要素の一部
次回サミット
ユーザ会の紹介
日本OpenStackユーザ会 openstack.jp
日本OpenStackユーザ会の活動
• 2017年度の主な活動(https://openstack.jp/archives/category/%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88)
• 勉強会 (第33回~第37回)(https://openstack-jp.connpass.com/)
• OpenStack Days Tokyo 2017開催(2016年7月20日- 21日),
• The 4th Ops Workshop (同時開催)
• The 5th Ops Workshop@沖縄OpenDays(2017/12/6~7)
• Interop2017 にて講演(2017年6月8日)
• OpenStack Days Taiwan 2017にて講演(2016年7月18日)
• オープンソースカンファレンス出展・講演(東京/Fall)
• openstack-jp-opsのslackチーム立ち上げ。現在メンバー74名参加
OpenStack Days Tokyo 2018
http://openstackdays.com/ 6/18ごろ参加受付開始予定
ユーザ会今後のイベント
勉強会 https://openstack-jp.connpass.com/
ユーザ会に参加!
メーリングリスト
・ユーザ会全般:openstack-ja@googlegroups.com
https://groups.google.com/d/forum/openstack-ja
・運用者向け:openstack-ja-ops@googlegroups.com
https://groups.google.com/d/forum/openstack-ja-ops
Slackグループ
・運用者を中心としたチーム: openstack-jp-ops (jaでなくjp)
Join: https://bit.ly/2sBW3XD
ご清聴ありがとうございました

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