GDC ラウンドテーブルで得た情報量 2016 - Demystifying VFX, Art Director & Leadership, RiotGa...TARO KOBAYASHI
GDC ラウンドテーブルで得た情報量 2016
- Demystifying VFX, Art Director & Leadership, RiotGames Roundtables at GDC 2016 -
2016/4/02で行われたGDC2016報告会のスライドです。
GDC ラウンドテーブルの雰囲気や重要性について知っていただければ幸いです。
コメント欄に情報を詰めましたので是非ダウンロードして読んでみてください。
■他の登壇者の方のスライドはこちらにありますので併せてどうぞ。
http://www.igda.jp/?p=3518
A report about attending GDC 2016 Roundtables
(VFX, Art Direction & Leadership, RiotGames) for IGDA's Report 2016.
(In Japanese)
3. 聞いたセッション一覧(1/4)
● インディーゲーム
○ FAILURE WORKSHOP
○ DEALING WITH SCOPE CHANGE IN 'HEAT SIGNATURE' AND 'GUNPOINT'
○ TECH TOOLBOX
○ LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON STEAM
○ MARKETING JUDO: HOW TO SELL YOUR INDIE GAME
○ MARKETING ON ZERO BUDGET
● UI/UX
○ IMMERSING A CREATIVE WORLD INTO A USABLE UI
○ THE SCHEMA IS MIGHTIER THAN THE SWORD: HOW PLAYER COGNITION PREDICTS
GAMING BEHAVIOR
● AI
○ EOS IS ALIVE: THE AI SYSTEMS OF 'FINAL FANTASY XV'
4. ● グラフィクス(モバイル)
○ APPLYING AAA TECHNIQUES ON MOBILE GAMES: UNDERSTANDING FLOW MAPS AND
ITS APPLICATIONS
○ SHADING OF 'SPELLSOULS': ACHIEVING AAA QUALITY ON MOBILE
○ 'BLACK DESERT ONLINE': TAKING MMO DEVELOPMENT TO THE NEXT LEVEL
(PRESENTED BY PEARL ABYSS)
● ゲームデザイン
○ DESIGNING UNFORGETTABLE 'TITANFALL' SINGLE PLAYER LEVELS WITH ACTION
BLOCKS
○ 'DEAD BY DAYLIGHT': OBJECT OF OBSESSION
● VRDC
○ PLAYTESTING VR: BROWNBOXING, SPYCAMS, AND FUZZY RUGS
○ PERFORMANCE PANEL
聞いたセッション一覧(2/4)
5. 聞いたセッション一覧(3/4)
● サウンド
○ 'DESTINY 2': LINEAR MUSIC IN AN OPEN WORLD
● パフォーマンス
○ 8 FRAMES IN 16MS: ROLLBACK NETWORKING IN 'MORTAL KOMBAT' AND 'INJUSTICE
2'
○ THE ART OF PROFILING: RADEON GPU PROFILER & RENDERDOC (PRESENTED BY
AMD)
○ SCALING CPU EXPERIENCES: MAXIMIZING THE UNITY JOB SYSTEM ON ALL LEVELS
OF HARDWARE (PRESENTED BY INTEL)
● 自動化
○ AUTOMATED TESTING AND PROFILING FOR 'CALL OF DUTY'
○ ROBOCALYPSE NOW: USING DEEP LEARNING TO COMBAT CHEATING IN
'COUNTER-STRIKE: GLOBAL OFFENSIVE'
9. ROBOCALYPSE NOW:
USING DEEP LEARNING TO COMBAT
CHEATING IN 'COUNTER-STRIKE:
GLOBAL OFFENSIVE'
自動化の黙示録:
深層学習を使ってCS:GOのチート行為と向き合う話
John McDonald (Valve)
GDC Vault へのリンク
10. ROBOCALYPSE NOW:
USING DEEP LEARNING TO COMBAT CHEATING IN 'COUNTER-STRIKE: GLOBAL OFFENSIVE'
吉村さん(と矢澤さん)の記
事を読め!以上!
ディープラーニングで毎日最大60万試合を解析して
『CS:GO』のチーターを探す、Valveのビッグブラ
ザー“VACnet”【GDC 2018】
11. AUTOMATED TESTING AND
PROFILING FOR 'CALL OF DUTY'
‘コールオブデューティー’における
自動テストとプロファイリング
Jan van Valburg (Activision)
GDC Vault へのリンク
12. AUTOMATED TESTING AND PROFILING FOR 'CALL OF DUTY'
JenkinsやBuildbotでは限界があったので、Compassという独自ツールを作ったという
話。大きな動機は、PC環境とPSやXboxの開発機を透過的に扱いたかった。
あと規模がやばい。ワーカー700台と開発機300台で5万タスク/日とか言ってる。
各ワーカーの環境構築はPuppetで自動化。必要に応じてソフトのインストール・アンイン
ストールを行う。
最初は趣味のプロジェクトとして始めたので、フルスクラッチで1から書いた。
受講者の皆さんはそんな狂気の沙汰に付き合う必要はないから、MySQL+Python/FlaskでUI作って、InfluxDB+Grafanaでデータ
の可視化をすればいいんじゃない?とか言ってた。
13. AUTOMATED TESTING AND PROFILING FOR 'CALL OF DUTY'
マップ上のランダムな位置に飛んで30秒間問題が起きないか、パフォーマンスはどうか
(前回から上がったか下がったか等)を自動でチェック。人間がテストする時に、問題が
起きた場所へ瞬時にジャンプできる機能もある。
14. AUTOMATED TESTING AND PROFILING FOR 'CALL OF DUTY'
Compassのタスク1つ1つはPythonの関数。設定ファイルをコードとして書けるので、エ
ディタの補完が使えたりPythonのライブラリが使えたりSCMで管理できたり(テストケー
スをブランチ切って管理したり)して楽。
15. AUTOMATED TESTING AND PROFILING FOR 'CALL OF DUTY'
「あるエラーがいつから起き始めて今何%くらい出てるか」を追跡できるError Bucketと
いうシステムを作った。それと連動して、あるエラーが起きたときに「再試行すべきか」を
自動判断するAuto Retryシステムも作った。
16. DESIGNING UNFORGETTABLE
'TITANFALL' SINGLE PLAYER
LEVELS WITH ACTION BLOCKS
‘アクションブロック’による
タイタンフォール2のシングルプレイ用
レベルデザイン
Christopher Dionne (Respawn Entertainment)
GDC Vault へのリンク
17. DESIGNING UNFORGETTABLE 'TITANFALL' SINGLE PLAYER LEVELS WITH
ACTION BLOCKS
実はタイタンフォール1でも最初シングルプレイキャンペーンを作ろうとしてたが、”様々な
事情により”うまくいかなかったのでマルチプレイに注力したという経緯がある。
映画みたいなすごいシーンを作ろうとしたり、みんなでホワイトボードに向かってアイデア
を出し合ったりしたけど、ゲームとして面白くならなかった。
そこで2では、一人称視点で足場を飛び移るゲームであるタイタンフォールの特徴を活
かし、ゲーム中でプレイヤーがおこなえる様々な「動き」をフル活用したシングルプレイを
作ろうと決めた。
でもどうやって…?
18. DESIGNING UNFORGETTABLE 'TITANFALL' SINGLE PLAYER LEVELS WITH
ACTION BLOCKS
アクションブロック:
1. 創造的なプレイを促進するラピッドプロトタイプのやり方
2. 開発中にゲームプレイを模索するために使われる、ゲームジャム形式のデザインスプリント
3. [米俗] テトリスで最高レベルに到達している状態
27. 'DEAD BY DAYLIGHT': OBJECT OF OBSESSION
プロシージャルマップはタイルベースで、目標物の配置やサバイバーの出現位置をラン
ダムに変えられて、何百万通りものマップを作り出せる。
しかしプレイテストをしてみると、テスター達は「で、マップは1つなの?」と思っていること
に気づいた(なんてこった!)。
そこでテイストをガラッと変えた3つのテーマをマップに適用することにした。
28. 'DEAD BY DAYLIGHT': OBJECT OF OBSESSION
新スタジオの初タイトルだったので、圧倒的知名度不足をどうにかする必要があった。
手始めにSteamでフォーラムを開設しコミュニティを作り、Payday2とコラボしてこちらの
コミュニティに参加してもらうことでPayday2でDead by Daylightの殺人鬼のマスクがも
らえるイベントをやったり、PAX Eastに出展したり、開発者のストリーム配信をやったりし
た。
その中でPay to winはやらない、アップデートの無償提供などの約束をして、 コミュニ
ティの信頼を勝ち取っていった。
29. 'DEAD BY DAYLIGHT': OBJECT OF OBSESSION
ゲームは一旦リリースしたらもうユーザーのものである事を忘れてはならない。
リリース直後は継続的な監視とコミュニケーション、積極的なバグ修正、そして最初のメ
ジャーアップデートへ向けて集中すること。
コミュニティの要望には耳を傾けるが、変えるべきところと変えてはならないところはハッ
キリさせる(ホラーの緊張感を阻害するのでボイスチャットは絶対入れない、とか)。
追加コンテンツ(キャラクターやスキル)と追加機能(対応言語や対応コントローラ)の継続
的なリリース。
30. 'DEAD BY DAYLIGHT': OBJECT OF OBSESSION
非対称マルチプレイでゲームバランスを取る難しさ。
Dead by Daylightチームでは直感・分析・コミュニティの3つを使っている。
直感はやはり重要。俺が信じるお前を信じろ。
進化生物学博士のデータアナリストがチームにいる。データ分析はもはや「ついでにや
る」レベルではない。ゲーム中のあらゆるデータを取ろう。
フォーラム以外にもDiscordで廃プレイヤー達と意見交換したりする。ただしプレイヤー
達の「最初の反応」に即応してはいけない。2週間は様子を見ること。
31. LET'S BE REALISTIC:
A DEEP DIVE INTO HOW GAMES
ARE SELLING ON STEAM
マジな話:Steamでのゲームの
売れ行きってぶっちゃけどうなの
Mike Rose (No More Robots)
GDC Vault へのリンク
32. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
2018年2月だけで850本のゲームがSteam上でリリースされている。つまり1日に40本リ
リースされている。
そのうちだいたい82%くらいが(1人で開発したとしても)最低賃金にも満たない額しか売
れていない。
全体の7%のゲームだけが、スタジオが生き残っていくに足る金額を売り上げている。
33. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
適当な数字を持ってくるヤツに騙されるな!
● 2017年夏 “以前” のデータは今はもう意味がない
● 一番売れてるゲームのデータには何の意味もない
● SteamSpyから取ってきた “ゲーム所有者数” もあまり意味はない
Greenlightが廃止されてSteam Directになって様子は一変した。
34. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
かつて(2017年まで)は…
● 500本売れて(500は中央値、平均は3,700本)
● 20万円稼ぐ(20万は中央値、平均は180万円)
● 最初の1ヶ月で1本あたり約700円の利益
というのがよくあるパターンだったが、今(2018年)では…
● 50本売れて(50は中央値、平均は2,000本)
● 2万5千円稼ぐ(2万5千は中央値、平均は257万4千円)
● 最初の1ヶ月で1本あたり約500円の利益
が当たり前になってしまった。
35. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
とはいえあまり悲観的になる必要もない。何故ならSteamでリリースされる大半の物は、
Unityで買ってきたアセット突っ込んだだけだったり、何かのパクリだったりするだけの、
Hot Stinking Garbage(クソみたいなゴミ)ばかりだからだ!
そういったノイズを排除すると…
● 2,000本売れて(2,000は中央値、平均は1万本)
● 125万稼ぐ(125万は中央値、平均は1,100万円)
● 最初の1ヶ月で1本あたり1,200円(1,200は中央値、平均は1,300円)
が今のスタンダードになっている。
36. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
ShadowhandやRegency Solitaireの作者であるJake Birkettによると
初年度利益 = 初月利益 x 2.5 = 初週利益 x 5
という式が成り立つという。
つまり先程の新スタンダードに照らすと、平均的には初年度利益が約300万円になると
予測できる。
37. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
ではアーリーアクセスが売上にどのように影響するかというと、アーリーアクセスをおこ
なったタイトルは…
● 3,000本売れて(標準より1,000本多い)
● 245万円稼ぐ(標準の倍稼いでいる)
● 最初の1ヶ月で1本あたり1,500円の利益(標準より300円高い)
となっている。
38. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
ではパブリッシャー経由でリリースすると…?
● 6,000本売れて(だいたい標準の3倍)
● 612万5千円稼ぐ(だいたい標準の5倍)
● 最初の1ヶ月で1本あたり1,500円の利益(標準より300円高い)
となる…が、パブリッシャーはその分マージンを取っていくのをお忘れなく。
39. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
またゲーム本体の価格が1,500円未満かそれ以上かで有意な差が出ている。
1,500円以上だと
● 5,000本売れて(中央値)
● 700万稼ぐ(中央値)
となっているが、800〜1,400円台だと
● 1,000本売れて(中央値)
● 70万稼ぐ(中央値)
となってしまう(500円位なら沢山売れるかも!は幻想)。
40. LET'S BE REALISTIC: A DEEP DIVE INTO HOW GAMES ARE SELLING ON
STEAM
ちなみにどんなジャンルがよく現れるか(売れているか“ではない”)をワードクラウドにす
ると…