「電子メディア」も思想的な存在 「どういう社会を目指し,どんな価値を実現するために電子メディアを開発するのか」 電子メディアは 70 年代にアメリカ西海岸で広がった「カリフォルニア・イデオロギー」の産物
60 年代以降の公民権運動,学園紛争,ベトナム反戦運動など「団塊の世代」が関わる社会的闘争 フォーク,ロック,ヒッピー・ムーブメントなどの芸術運動 エコロジー運動,フリーマーケット運動,ボランティアなどの市民運動 知識人・学生が主体
反体制 ( 反中央集権 ) 自律的 ( 自給自足的 ) な小社会 反商業主義 ( 互恵的な交換を基盤とした小社会 ) 禁欲的理想主義 ( 金銭・地位などでの成功を求めない )-> 建国の理想への回帰〈草の根民主主義〉 反機械文明・自然への回帰
医療,エコロジー,教育など幅広い領域を対象に,市民が自発的に参加した社会運動の総称 1976 年,非営利の電子情報交換システム (EIES) が NFS の助成で稼働 ICT が運動体 ( コミュニティ ) を支え,広げることを実証 -> リップナック + スタンプス (1984) 『ネットワーキング―ヨコ型情報社会への潮流―』
権力を否定し「知」を共有・プレコラージュし「もう一つの価値観」の創造を提唱 『 Whole Earth Catalogue 』 ( 69 年 ): スチュアート = ブラント エコロジカル・ライフスタイ ルの原点 ( 地球を守るために )
ブラントは 85 年, BBS( 電子会議室 ) として WELL (Whole Earth  ‘ Lectronic Link) を開設。ベイエリアの若者数百人から出発し,全世界で 1 万人を超える“ヴァーチャル・コミュニティ”に発展 -> ハワード・ラインゴールド (1995) 『バーチャル・コミュニティ―コンピュータ・ネットワークが創る新しい社会』
西海岸のヘビー・デューティー・ファッション,バックパッキング,サーフィン,フォーク,ロック エコロジー ( 反原発 ) 運動->琵琶湖富栄養化防止条例 (80.7) 合成洗剤の使用・販売・贈答の禁止 メディアは“公” ( お上 ) の専決事項とする意識
“ 軍”という超法規的存在がない ( 自衛隊は無線・有線で独自通信網を構築してはいたが … ) 通信事業は日本電信電話公社 ( 電電公社 ) が独占。電電公社以外の人や組織が,公道に通信回線を敷設したり,通話・データ通信を中継・交換することは違法 (85 年 6 月 30 日まで )
80 年代前半にニューメディア,および地域情報化ブーム テレトピア ( 郵政省 ) ・ NM コミュニティ ( 通産省 ) ・グリーントピア ( 農林省 ) など政府主導で展開した地域情報化プロジェクト ICT を用い,政府・自治体がユートピアを築きうるというイデオロギー
理科少年・メカ好き少年 ( 年齢不問 ) が多い日本 ( 元祖・秋葉系 ) 1970 年代後半から,マイコン,プログラミングへの強い関心 8 ビット・パソコンの“国民機” PC-8801 シリーズ, MZ-80B
専門誌に掲載されたプログラムを打ち込む (-> カセットテープに記録 ) ゲームを中心にパッケージ・ソフトの販売 ( ハドソン ) 。趣味としてのプログラミング 83 年に任天堂「ファミリーコンピューター」が成功した背景には,層が厚く,裾野も広いプログラマー人口
85 年の“通信自由化”以降,日本的な草の根 BBS ,パソコン通信の文化が,インターネットの普及までの間,大輪の花を咲かせることになる …
Bulletin Board System 草の根 (grass-roots) の冠詞も 電話回線を使用するため,電話料金の制約から,遠方との接続を想定しておらず,地域コミュニティに住む人たちを参加者として想定
Community Memory->1975 年にバークレーで開始された BBS 。母体は Homebrew Computer Club 。“二人のスティーブ”が中心的人物 コミュニティの生活や遊びの道具 共有の記憶庫 PC や BBS で,コミュニティが必要とするサービス,技能,教育などの手助け
社会学者, R. オルデンバーグの概念 住む場所,働く場所と並ぶ第三の場所 陽気に楽しむ場所。溜まり場 遊び感覚にあふれていて,常連たちにより場所の性格が規定される ハバーマスが指摘した公共圏 ( サロンやカフェ ) の見直し
85 年以降, 10 年間ほど隆盛。大手のパソコン通信サービスが登場しても,地域性を武器に生き残る ホストもパソコンで動くプログラム 掲示板だけでなく,バイナリファイルのアーカイブ機能も
1985 年時点の NTT の通話料 市内― 3 分 10 円 ( 割引制度なし ) 320km 超― 3 分 400 円 ( 夜間 :240 円 ) 2006 年時点の NTT の通話料 市内― 3 分 8.5 円 ( フレッツなど定額制 ) 県内市外 60km 超― 3 分 40 円 県外市外 100km 超― 3 分 80 円
日本で「個人や有志でメディアを持てる時代」の魁 個人がホスト局を開設できた ( ただし電話 1 回線が塞がる ) 地域の同好の士とつながれた オフライン・ミーティング ( オフ会 ) も,地域性がある草の根 BBS が事実上のルーツとみられる
1987 年開局。会員数 4 万,回線数 100 と草の根で最大規模 CG画像系専門の「 @GCGB 」 が,同人系に人気 ( 大手では不可能な「版権モノ」の交換が可能だったから ) オタク =PC マニア = 同人誌が好き ( コミケ好き ) という元祖アキバ系結合
アスキーネット :85 年。開始直後に 5 万人の会員 PC-VAN(NEC):86 年 4 月 Nifty-Serve( 富士通 ):87 年 4 月。米 CompuServe と提携。 90 年に 10 万人 専用通信ソフトやメーラーを用意
On-Line interactive communities 「現在進行中のプロセス ( ネットワークを通じて交わされるコミュニケーション ) の積極的な参加者となり,相互作用を通じて,そのプロセスに貢献することであり, ( 略 )  単にネットワークから情報を得ることではない」 リックライダー & テイラー (1968) 『コミュニケーション装置としてのコンピュータ』
1972 年,電子メール・プログラム ( レイ・トムリンソン @BNN 社 ) 1 対 n の同報機能も実装->メーリングリスト,さらにネットニュースへ 1979 年,ニューズグループ ( ネットニュース ) の総体として USENET が組織化 ( 民間人も参加可能 )
ユーザーの投稿は,ニューズサーバーに蓄積される。 P2P 的に,各地に配置されたサーバーに同一内容が転送されて保存される 読む際は専用のニュースリーダーを使う 話題ごとにカテゴリが作られ,管理人 ( 主に大学関係者 ) が選ばれる。日本では, fj.comp.music など
84 年 :JUNET( 学術研究用 ) 87 年 :Inet Club( 国際科学技術通信網利用クラブ ) 研究者のボランティアによる運営 88 年 :WIDE プロジェクト
OSI (open system interconnection) の一つである,   X.400  MHS (Message Handling System ,日本での規格名称は JUST PC 規格 ) で相互接続 各 BBS でゲートウェイ・サーバーを用意 Nifty 内は QGB01557 の ID にメールを送れたが, [email_address] 宛てに INET からメール送信
90 年代後半に,パソコン通信大手が, ISP に転身し,サービスを TCP/IP ベースで展開したため,インターネット文化に併合される 利用人口と層の広さのために,インターネットにパソコン通信・ BBS のカルチャーが流れ込み,徐々に融合 ( 融合しきれない面も )
WIDE( 研究者 ) とパソ通 ( 民間人 ) レス←->リプライ アップロード / ダウンロード←->プット・ゲット タイトルは 1 バイト←-> 2 バイト 全文を引用←->必要な箇所だけ引用 カキコ←->なにそれ,ありえん !! (^_^)(^^;) ←-> :-)
メアド 亀レス 塩漬け ROM(←->Luker: ラーカー ) DOM みかか 切り番 タコ
匿名性 ( ハンドルネーム ) ROM ジャンク ( ゴミ ) 情報 ( 冗長性 ) フレーミング ( 悪罵の応酬 ) 自作自演 人格の変容 / 多重性 ( ネカマ ) チェーン・メール

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