機械翻訳のための換言事例の収集

1. ー文献紹介ー
換言事例の収集
-日英基本構文を対象として-
白井 諭、山本 和英
ATR音声言語通信研究所
言語処理学会 第７回年次大会 発表論文集
長岡技術科学大学 自然言語処理研究室 高橋寛治

2. はじめに
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日英基本構文の対応付け
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日本語語彙大系の構文大系により14,000文ほど可能
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問題点
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用言の種類および用言ごとの用法の網羅性
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同じ意味を表すことが可能な表現の種類の多様性
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構文における制約条件の記述

3. 網羅性の問題
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人間用辞書と機械用辞書の性格の違い
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人間
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目的とする語彙・用法がなければ、類義表現に言い換えて辞書
引き
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機械
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人間と同様の機構は困難
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語彙・用法を網羅的に収録

4. 多様性の問題
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機械翻訳の利点の１つである訳語の統一性に起
因
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訳語の統一性は、場合により訳文の単調性を招く
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多様化の手法として、後編集

5. 条件記述の問題
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構文体系は解析用に設計
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「犬が子犬を生む」「猫が子猫を生む」
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＜動物＞が＜動物＞を生む
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ガ格とヲ格の名詞の相互の関連性が失われる
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人手で設計
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抽象化にばらつきが生じることがある

6. 本稿では
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検討の概要と言い換え文の収集状況を報告
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検討：日英対訳用例文を題材
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日本文と英文の意味的対応を制約として、日本文の
別の言い方の収集

7. 収集条件
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従来
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構文体系の網羅性向上を主な狙いとし内省により例文
作英
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本手法
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網羅的な用例の収集
●
多様な用例の収集

8. 網羅的な用例の収集
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２段階
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様々な用法を例文という形で内省により網羅
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例文に基づいて抽象化
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生成した例文が自然な表現か
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同じ作業者が時間が経ってから見直し・別の作業者と相互検査
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作業に条件を加える

9. 多様な用例の収集
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１つの日本語表現に対する複数の英訳を得る
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→英語表現を換言と言える
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ただし
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ある英語表現が必ず特定の日本語表現から生成され
なければならないわけでもない

10. 多様な用例の収集
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日英の対訳対の存在を前提として、換言事例を収集
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日本語の用言に対する日英の対訳例文対を対象とする
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日本語の換言は、英文に多様な和訳をつけるつもりで行う
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原則として、特殊な場面設定を必要としない中立的な表現を
作成

11. 収集情況と考察
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和語動詞の対訳換言例文
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J0 条件が揃った。
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J1 条件が満たされた。
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E0 The conditions were satisfied.
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E1 The conditions were met.
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イ型形容詞の対訳換言例文
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J0 その２つの三角形の面積は等しい。
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J1 その２つの三角形の面積は同じだ。
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E0 The areas of those two triangles are the same.
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ナ型形容詞の対訳換言例文
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J0 私は彼の考えと同じだ。
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E0 I have the same idea as he does.

12. 用言の種類と例文数
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１〜３人年の作業量

13. 考察と今後の課題
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作業の習熟度
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初期は習熟度が低い → 質や量が習熟度により異なる
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動詞か形容詞か
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一般的か慣用的か
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換言という観点から慣用的なものも網羅しておく必要あり
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多義的か個別的か
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多義は例文作成数が多い。個別は例文生成が困難。
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換言の程度

14. おわりに
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日本語用言の多様な用法とその換言事例作成の
現状を紹介
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経験を積み重ねながら作業形態を進化させているた
め初期に作成した例文には見直すべき点がある