「組織内調整」を
「アジャイルな合意形成」にする
3つの⼿法
2024/1/26
グロース・アーキテクチャ&チームス株式会社
鈴⽊雄介
アジャイル経営
カンファレンス
⾃⼰紹介
鈴⽊雄介
• Graat(グラーツ)
» 正式名称:グロース・アーキテクチャ&チームス(株)
» 代表取締役社⻑
• (株)アイムデジタルラボ
» 三越伊勢丹グループ DX推進機能⼦会社
» 取締役
• ⽇本Javaユーザーグループ
• SNS
» @yusuke_arclamp
» http://arclamp.hatenablog.com/
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アジェンダ
はじめに
アジャイルな合意形成
• 価値から考える
• ストーリーで整理する
• チームと組織の視点を整合させる
まとめ
2
3
はじめに
はじめに
組織をアジャイルに
• 社会や顧客の変化に、素早く対
応し続けている状態
»企画:変化への対応を検討し、
»開発:サービスを実現し、
»運⽤:提供し続ける。
»必要なリードタイムとサイクルで
▸リードタイム:1周にかかる時間
▸サイクル:提供の周期
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はじめに
チームを作ればいい?
• アジャイルチームは作った
»プロダクトオーナー(PO)を
中⼼に、顧客を理解し、開発者
がサービスを作る
• チームの成果が、組織の
成果につながらない問題
»チームはプロダクトを作っても
なかなか顧客に提供されない
5
UX設計
開発者
顧客 PO
開発調整
チームの活動
UX設計
開発者
顧客 PO
開発調整
はじめに
アジャイルへの壁
• 企業には組織の合意形成が必要
»稟議や経営会議への報告
»様々な部署や部⾨との業務調整
• 「組織内調整」が壁になる
»チーム外の誰かが「合意の覆し」
と「決定の遅延」をする
»「チームへ権限委譲」では解決し
ない(そもそも限界がある)
6
意思
決定者
業務
説明責任
業務調整
組織の合意形成
はじめに
7
アジャイルチームを作ったら、
組織がアジャイルになるのではなく、
アジャイルな組織があるから、
アジャイルチームが機能する。
PO
説明責任
業務調整
UX設計 開発調整
意思
決定者
業務
今⽇のお話
アジャイルな合意形成
• 組織の合意形成プロセスの
素早さが重要
»チームを機能させるために、
組織のアジャイル化に取り組む
• アジャイルな合意形成
»チームの活動と組織の合意形成
を両者が意識してリンクさせる
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開発者
顧客
9
アジャイルな合意形成
アジャイルな合意形成
アジャイルな合意形成を実現する⼿法
• チーム活動と組織の合意形成を効率的にリンクさせる
»なるべく無駄なく、チームと偉い⼈や他部署がコミュニケーショ
ンするための⼿法
• 具体的には...
»価値から考える
»ストーリーで整理する
»チームと組織の視点を整合させる
10
11
アジャイルな合意形成
価値から考える
価値から考える
価値と機能
• 価値と機能の違い
»価値:顧客に提供するメリットや
利益。抽象的な⽬的として定義
»機能:システムが備える能⼒や操
作⽅法。具体的な⼿段として定義
12
機能A 機能B 機能C
価値①
価値②
価値③
価値から考える
例:転売で困っている
スニーカーショップ
• ⽬的:抽選機能が欲しい
»応募機能、当選機能、通知機能
▸当選機能:BOT検知、購買履歴確認、ブ
ラックリスト、結果個別指定...
• ⽬的と機能を分けて考える
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機能A 機能B 機能C
価値①
価値②
価値③
応募 当選 通知
応募のみシステム化
抽選機能
価値から考える
価値で考える⽅が柔軟
• 価値で合意するメリット
»顧客視点で⽬的を定義しやすい
»段階的に増やしていきやすい
»⼿段(機能)の変更に影響を受けない
▸⼿段の⽬的化を避けやすい
• でも、みんな機能の話が⼤好き
»業務部⾨も機能で要求しがち
»「なんのためですか?」を聞く
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価値 価値
⼿段 ⼿段
価値から考える
例:転売で困っているスニーカーショップ
• ⽬的:本当の顧客だけに販売したい
»⼿段1:応募フォームだけ作って、⼿作業で抽選しよう
▸トライアルしてみたけど、転売屋を応募情報から⾒分けるのは⾟すぎ...
»⼿段2:店頭受取時に履いてもらうことにしよう
▸本当の顧客を⾒分けることを⽬的にしている
• 「価値」が⽬的だから、⼿段を試⾏錯誤できる
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機能ではなく価値から考える
価値提案を明確にするための⼿法
• バリュープロポジションキャンバス(VPC)
»顧客視点の価値と、プロダクトが提供する⼿段をフィットさせる
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出典:バリュープロポジション・デザイン P8-9 https://www.amazon.co.jp/dp/4798140562
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アジャイルな合意形成
ストーリーで整理する
ストーリーで整理する
深掘りにはストーリー
• ストーリーのメリット
»⼈間は物語の⽅が理解しやすい
»価値は体験の中で作られる
»⽂脈を明⽰しやすい
»具体的なイメージを抱きやすい
• 価値や⼿段をストーリーで整理
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Young girl turning book pages from above. by Nenad Stojkovic
Attribution 2.0 Generic (CC BY 2.0)
https://www.flickr.com/photos/nenadstojkovic/51256448654/
ストーリーで整理する
ストーリーと図で整理する
• 顧客の体験と実現⼿段を表現
»顧客体験によって⽣まれる価値を、どう
いう業務プロセスやIT機能で実現するか
»カスタマージャーニーだけでは不⾜
• 全員が共有できる図にする
»意思決定者も業務部⾨も開発者も同じも
のを⾒て議論ができる
»ASIS分析にも、TOBE検討にも
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サービスブループリントガイド P10,P40
ストーリーで整理する
複数視点を時間軸で整理する⼿法
• サービスブループリント(SBP)
»アクターごとにレーンを切り、ステージごとに記述していく
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あ
顧客
店頭
スタッフ
商品管理
スタッフ
応募準備
EC
フロント
EC
管理
商品
商品
確保
商品
登録
注⽂
マスタ
フォーム
登録
フォーム
管理
フォーム
告知
受信
メール
告知 応募
応募
フォーム
応募
回答
管理
ダウン
ロード
抽選
応募
リスト
結果
連絡
受信
メール
抽選
当選者
リスト
※試着拒否の場
合は、商品を渡
さず、返⾦処理
来店
本⼈
確認
決済
⽀払い
結果連絡
履く
試着
依頼
店頭受取
EC
データベース
当選者
リスト
※デジタルサービス⽤に
Graatがカスタマイズした
記述⼿法を利⽤
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アジャイルな合意形成
チームと組織の視点を整合させる
チームと組織の視点を整合させる
価値とストーリーで議論
• チーム視点と組織視点の違い
»短期的と⻑期的
»個別最適と全体最適
• 両者のバランスをとる
»意思決定者と⽬的を検討する
→価値で議論する
»業務部⾨と⼿段を検討する
→ストーリーで議論する
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PO
意思
決定者
業務
価値で議論する
組織の⽬標をブレイクダ
ウンし、そのプロダクト
の価値を考えて共有
ストーリーで議論する
顧客への提供価値を、実
現するためのプロセスや
仕組みを整理して共有
⽬的:
本当の顧客だけ
に販売したい
チームと組織の視点を整合させる
定期的に検討する場を作る
• 意思決定ミーティングを開催する
»チームの活動を共有する
»組織の決定を、その場でする
»スプリント期間の1-2倍が⽬安
• 短サイクルにするメリット
»「前回までのあらすじ」が不要
»失敗を「学び」として伝えやすい
»アジャイルを組織が体感できる
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意思
決定者
業務
開発者
顧客
チームと組織の視点を整合させる
チーム活動に合意形成プロセスを織り込む⼿法
• 組織意思決定プロセスデザイン
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(株)三越伊勢丹
参考:三越伊勢丹がアジャイルで進めた「現場と⼀緒につくるサービス開発」 参考:株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ | 事例紹介
• 新規サービス開発や業務改善
に適⽤
• チームは週次スプリント
• 業務責任者+開発責任者が毎
週話し合い
• 組織全体でサービスブループ
リントを活⽤し、コミュニ
ケーション
(株)KDDIウェブコミュニケーションズ
• 新規サービス開発に適⽤
• チームは週次スプリント
• 経営層+業務責任者+開発責
任者が隔週で話し合い
• 初期は毎週だったが、成熟
していくことで隔週に
• 売場を巻き込み、売上をKPIに
して試⾏錯誤を継続
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まとめ
まとめ
組織内調整が壁になる
• アジャイルな組織があるから
アジャイルチームが機能する
»企業において組織の合意形成は
避けられない
»「合意の覆し」や「決定の遅延」
が素早さを削ぐ
• アジャイルな合意形成へ
»縦と横のリズムを合わせる
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UX設計
開発
チーム
顧客 PO
開発調整
意思
決定者
業務
説明責任
業務調整
まとめ
効率的で柔軟に合意形成する
• 価値から考える
»「価値」で合意すると、チームは⼿段を変更しやすい
• ストーリーで整理する
»価値と実現⼿段をフロー図で整理し、組織内の議論に活⽤する
• チームと組織の視点を整合させる
»価値とストーリーを利⽤して、チームと組織をリンクさせる
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まとめ
アジャイルな合意形成のための⼿法
• 有効なツールやフレーム
»価値から考える:バリュープロポジションキャンバス
»ストーリーで整理する:サービスブループリント
»チームと組織の視点を整合させる:組織意思決定プロセスデザイン
• どれもトレーニングすることで上⼿になる
»Graatで研修を提供中!
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29
さいごに
さいごに
⼿法があっても、実現には努⼒が必要
• 組織をアジャイルにする魔法はない
»偉い⼈を協⼒的にさせる⼿法
»「アジャイルだから」で全てが許される⼿法
»チームで全てを決められるようにする⼿法...
• 正しい⼿法で正しい努⼒を!
»変わろうとする気持ちと、そのための⼿法が⼤事
▸今回紹介した⼿法だけが正解なわけでもない
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ITとチームの⼒を引き出し、
エンタープライズDXを推進する
https://www.graat.co.jp
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カジュアル⾯談受付中
https://recruit.gxp-group.co.jp/entry/casual/

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