ICT CONNECT 21技術標準WG連続セミナー 「未来の学びを支える技術」第3回

1. 第3回「校務系ー学習系情報連携」
IMS Global 技術標準活用の可能性について
日本IMS協会 運営委員会
株式会社内田洋行
青木 栄太

2. 北米に拠点をおくe-Learning / ICT 活用教育分野における国
際標準化団体。
技術標準の策定ばかりでなく、その実用を通して、ICTによる
教育改革を進める国際コミュニティ
現在米国では、義務教育課程から企業、政府の研修教育まで
もがその規格を採用するなど、広い範囲に影響力がある.
会員（Membership）による会費で維持 年予算6億円
２０年以上の歴史、３００以上の機関会員、２５の標準規格
IMS Globalとは

3. The Education Goal: Engaging, Data-
informed Instruction & Learning
教育のゴール： 学習データにもとづく指導と学びを実施する
✔ Adaptive learning software
適用可能な学習ソフト
✔ Multiple software applications
マルチアプリケーションソフト
✔ All software applications
全てのアプリケーション
ソフト
✔ Course (or Competency)
コース（或いは能力）
✔ Academic Program
学習プログラム
✔ Lifelong
生涯に渡る

4. The Role of Technical Standards:
技術標準の役割
(a) To Connect
Educational Software, Digital Resources and Tools
教育ソフト、デジタルリソース/ツールと接続する
(b) To Enable
Scalable, Data-Informed
Instruction & Learning
測定可能な、学習データにもとづく指導と学びを可能にする

5. 代表的な標準規格
• Caliper Analytics
学習履歴データを、様々な学習環境からデータを収集できるようにし、各プラット
フォームや学習アプリでの相互運用を可能にする標準規格
• LTI
「Learning Tools Interoperability」の略で、異なるラーニングプラットフォーム
（LMS)での 学習ツールの相互運用を可能にする標準規格
• QTI
「Question and Test Interoperability」の略で、「ドリル」「テスト」「演習問
題」の類の技術的相互運用を可能にするための標準規格
• OneRoster
「Roster」は名簿。初等中等教育で名簿や、成績の相互運用を可能にする標準規格

6. 目的
IMS-GLCの諸事業の日本国内での普及事業
（１）IMS-GLCの諸技術標準の広報・普及
（２）IMS-GLCの諸技術標準に関連する研究コミュニティの形
成・育成
（３）IMS-GLCの諸技術標準の導入支援のためのワークショッ
プ、セミナー、交流会などの開催
（４）日本及び国外の関連諸団体との交流・連携
（５）日本及びアジアにおけるｅラーニング人材の育成
（６）その他、当法人の目的を達成するために必要な事業
日本IMS協会（IMS Japan Society）
2016年6月3日設立

7. 日本IMS協会（IMS Japan Society）
日本IMS協会
IMS Global
共同事業「IMS Japan Project」
独立した法人
日本IMS協会とIMS Globalの関係

8. 学習系校務系
SIS
LMS
Student
Information
System
Learning Management
System
学校/教育委員会
の運営 教材や課題の管理、
学習状況の把握、
スケジュールの管理
DＣP
Digital Contents Platform
このデータ連携
の為の技術標準
OneRoster
米国の初等中等教育でのデータ連携

9. SIS (Student Information System)
米国を中心に広がった、生徒の情報を管理するシステム
児童・生徒に関する基礎的な情報の蓄積場所
氏名、住所/連絡先、親や家庭
学年、クラス、受講授業
出欠や宿題の提出、テスト結果など : grade book
(Common Coreなどの) 公的テストのデータ
スクールバス、ミールチケット
進路、親とのやり取り
上級機関へのレポート 等々

10. What is OneRoster?
生徒情報システム（SIS）と他のシステム、学習
用アプリケーションまたは学習管理システム
（LMS）の間で、クラス名簿（情報）、授業の教
材や課題（Resources）、成績情報（Gradebook
Results）を安全に共有するための規格。
現在はCSVファイル、REST APIで動的にやり取り
する方法が規定されている。
10

11. OneRoster 1.1 Services
Class Roster Gradebook ResultsResources
11
クラス名簿（情報） 教材や課題 成績情報

12. OneRoster in Action
12
SISとLMS等さまざまなプラットフォーム間の連携に必要な
（学生、コース、役割情報）に関するKEYとなる名簿情報（Key Roster)
を連携することが可能。

13. OneRoster in Action
13
クラスや学習コースに関連した学習オブジェクトに関するデータを
連携することが可能

14. OneRoster in Action
14
学習課題や内容、課題の期間、日時、評価期間、スコアなど
を連携可能

15. Who benefits from using
OneRoster?
• Teachers and technical administrators reduce the time,
difficulty and errors in setting up and managing tools and
technologies
教師また技術管理者は、管理ツール、テクノロジーのセットアップ
上での、時間、難易度、エラーを減らすことが出来る。
• Students get quicker and easier access to the learning
materials they need
学生は、学習素材へのアクセスをより早く、より簡単にできる。
15

16. IMS GLCとしても、これから普及に力を入れる規格
ただし米国内中心の提要を想定しての仕様策定
教育機関でデータを共通に利用するために、米国内での用語
(vocabulary) を標準化したものを取り込んでいる。
→Common Education Data Standards (CEDS)
OneRosterをそのまま日本では使えない。
ボキャブラリが北米準拠であり、日本の用語に置き換える必要が
ある。日本でOne Rosterを活用するには、日本オリジナルのも
のにカスタマイズする必要がある。
日本IMS協会としては、 OneRosterによるデータ連携が日本
国内での期待に応えるものとすることを最終的な目標とし、
現在のOneRosterの仕様の詳細な検討と、課題の整理を行う
ため、「OneRoster国内適用検討部会」を立ち上げる予定
OneRoster 日本への展開の課題

17. OneRoster 日本への展開の課題
学習系
ネットワーク
校務系
ネットワーク
如何にセキュアーな
データ連携を実現す
るか。
パブリッククラウドプライベートクラウド