i-WAT Trust Model Geek Credit/Ripple Trust Model 
* 2005 年に斉藤の博士論文公聴会で使用したスライドから。Ripple が当時少なくとも概念としては存在していた証拠。 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15年 
斉藤賢爾研究会2014.10 (2) 
ks91@sfc.wide.ad.jp 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.1/37
かんたんな自己紹介 
斉藤賢爾(さいとうけんじ) 
慶應義塾大学SFC 研究所上席所員(訪問) 
一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事 
http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media 
経歴 
1993 年、コーネル大学大学院よりM.Eng 取得 
(コンピュータサイエンス) 
2006 年、慶應義塾大学より博士号取得(政策・メディア) 
インターネットと社会に関する研究・教育に従事 
慶應義塾大学SFC 村井研究室所属 
主な研究テーマ: 「人間のデジタル通貨」の開発と実用化 
福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.2/37
かんたんな自己紹介 
斉藤賢爾(さいとうけんじ) 
慶應義塾大学SFC 研究所上席所員(訪問) 
一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事 
http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media 
経歴 
1993 年、コーネル大学大学院よりM.Eng 取得 
(コンピュータサイエンス) 
2006 年、慶應義塾大学より博士号取得(政策・メディア) 
インターネットと社会に関する研究・教育に従事 
慶應義塾大学SFC 村井研究室所属 
主な研究テーマ: 「人間のデジタル通貨」の開発と実用化 
福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施 
! つながってるね! 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.2/37
この回の目的と手段 
デジタル通貨の研究開発の最近15 年を俯瞰します 
2000 年より過去の基礎技術についても見ます 
IOU 通貨! ブロックチェイン通貨の変形を試みます 
ブロックチェインの発想の源流を探る思考実験 
です 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.3/37
トピック(青字は自分) 
2000 年より過去 
Blind signature (1983) 
Magic Money (1990s) 
Hashcash (1997) 
20002006 年 
MojoNation (2000), Karma (2003) 
Samsara (2003), PPay (2003), i-WAT (2003) 
Ripple (この辺) 
20072014 年 
SSC (2008) 
Bitcoin (2008), (altcoins), Ethereum (2014) 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.4/37
2000年より過去 
Blind signature (1983) 
匿名の支払いのためのデジタル署名 
Magic Money (1990s) 
Blind signature を応用したPGP 通貨 
匿名プログラマPr0duct Cypher による 
特許権を侵害していたため違法 
Hashcash (1997) 
スパム抑止のためのProof Of Work 
Bitcoin の構想で応用される 
背景: インターネットの商用利用のはじまり 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.5/37
基礎技術- 暗号学的ハッシュ関数 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.6/37
基礎技術- デジタル署名 
本人が送ったものであり改竄されていないことが証明できる 
RSA, DSA, ECDSA (楕円曲線DSA) 等 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.7/37
Blind Signature 
署名対象を隠してデジタル署名する 
乱数を被せたデータに署名してもらい、 
戻ってきた署名から乱数を剥ぎとる 
応用イメージ(匿名での支払い) 
1. “造幣局” がA さんのコインに署名する 
2. A さんがB さんに支払う 
3. B さんが“造幣局” にコインを戻すが、 
誰のコインか判別できない 
DigiCash (1990) 
論文“On blind signatures and perfect crimes” (1992) 
が新聞を使った完全犯罪の可能性に言及 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.8/37
Hashcash 
メールヘッダに多少のCPU 時間を使って計算できる 
スタンプを載せる 
例: 
X-Hashcash: 1:20:060408:adam@cypherspace.org::1QTjaYd7niiQA/sc:ePa 
SHA-1 ハッシュ値の最初の20 ビット(当時) が 
0 になるような乱数を入れる 
これによりスパムを抑止する 
1 通のメールの送信準備に1 秒ほどかかる 
受信側での確認は一瞬で、スタンプが無効なら 
スパムと扱う 
スパマーは大きな打撃を受ける 
Bitcoin の設計文書がこの仕組みに言及している徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.9/37
20002006年(青字は自分) 
MojoNation (2000) 
ファイル取引のためのトークンサーバ 
Karma (2003) 
DHT によるバンクセット 
Samsara (2003) 
ストレージのバーター取引システム 
PPay (2003), i-WAT (2003) 
IOU 通貨 
Ripple (この辺) 
支払いルーティング 
背景: P2P の実用化とP2P の経済的側面 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.10/37
DHT (Distributed Hash Table) 
ハッシュ表/ハッシュテーブル 
 キー, 値 ペアを格納し、高速にルックアップ 
するためのデータ構造+アルゴリズム 
分散ハッシュテーブル 
ハッシュ表の考え方を拡張 
ネットワーク上に キー, 値 ペアを格納し、 
キーに対応する値をルックアップする 
手法 
ノードの識別子とキーを暗号学的ハッシュ関数で 
同一の固定長ビット空間に配置 
当該空間上でキーに近接するノードに 
 キー, 値 ペアを格納する 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.11/37
Samsara 
a 
(a) (b) (a) (b) (c) 
a) Storing a claim 
(a) (b) (c) (a) (b) (c) 
Data owned by x Storage claim by x 
b) Forwarding the claim 
c) Finding a cycle 
B 
X 
B C 
B C B C A 
x 
a a 
a 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.12/37
i-WAT 取引手順の概要 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.13/37
i-WAT 取引手順の概要 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.13/37
i-WAT 取引手順の概要 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.13/37
ROT (Reduction Over Time) 
機能を標準搭載、発券時に指定可能(2005 年に実応用) 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.14/37
Ripple 
Ripple path 
A さんがC さんに支払いたいが、直接つながりが 
ない 
A さんはB さんに支払える 
B さんはC さんに支払える 
A!B!C がripple path となる 
手数料を共通通貨であるXRP (Ripple credits) で 
支払う 
実装までずいぶんかかった印象 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.15/37
20072014年(青字は自分) 
SSC (2008) 
Samsara + i-WAT で実現するストレージ本位通貨 
Bitcoin (2008), (altcoins), Ethereum (2014) 
ブロックチェイン通貨/分散応用プラットフォーム 
背景: 広義のサイバーフィジカルな環境の出現 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.16/37
ビットコインシステム 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.17/37
ブロックチェインの概要 
1. 各マイナーは、過去10 分ほどの間に収集した取引データを 
ブロックに格納し、マイニング(くじ引き) を行う 
2. 成功したらネットワーク内にブロードキャストする 
3. 各マイナーは、それをチェインの新しい末尾と認めるなら、 
その後ろにブロックを繋げるべく1 に戻る 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.18/37
量の限界 
21 万ブロック毎(約4 年毎) に、マイナーへの報酬(手数料除く) は 
半減する 
このことにより2,100 万BTC という極限値が求まる 
1 億分の1 BTC が最小単位なので、2140 年頃、手数料を除く報酬 
はゼロになる 
20,999,999.9769 BTC を「採掘」し終える 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.19/37
マイニング 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.20/37
ターゲットの調整 
ターゲットはブロックに埋め込まれている 
10/31 現在のターゲット(16 進表記): 
00000000000000001E8DC00000000000 
00000000000000000000000000000000 
その値を、マイニングが平均して10 分に1 回の割合 
で成功するように調整する 
調整は2,016 ブロック毎に行う 
調整が完璧であれば丁度2 週間となる 
実際にかかった時間と2 週間を比較し、新しい 
ターゲットをブロックに埋め込む 
1 
4 
 4 倍を超えて変化させない 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.21/37
POW による保護 
Proof Of Work (作業証明) を課すことで改ざんを抑止する 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.22/37
取引の形式 
一度参照された出力(=コイン) は、消費済みとなり、 
二度と使えない徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.23/37
取引の実現方法 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.24/37
スクリプト(通常) 
出力側: 
OP_DUP OP_HASH160 
OP_PUSHDATA*  公開鍵ハッシュ値 
OP_EQUALVERIFY OP_CHECKSIG 
入力側: 
OP_PUSHDATA*  署名 OP_PUSHDATA*  公開鍵 
公開鍵ハッシュ値に宛てたトランザクションの出力と、参照 
する入力のスクリプト 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.25/37
スクリプトの処理 
入力側! 出力側の順にスクリプトを結合する 
左から順にスタックに積み、処理していく 
(実際の処理では、演算子を律儀にスタックに積む必要は無い) 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.26/37
スクリプト(生成) 
出力側: 
OP_PUSHDATA*  公開鍵 OP_CHECKSIG 
入力側: 
OP_PUSHDATA*  署名 
生成取引の出力と、参照する入力のスクリプト 
自分の公開鍵は知っているのでハッシュ値で指定する必 
要はない 
安全性を160 ビットに落とさずに済む 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.27/37
Ethereum 
ブロックチェインの応用プラットフォーム 
スマートコントラクトとして抽象化 
ある意味新たな新聞(公知化プラットフォーム) 
チューリング完全な言語(プログラミング言語) を提供 
いかなる逐次アルゴリズムも記述可能 
手数料をEther で支払う 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.28/37
Ethereum への懸念 
下位P2P ネットワークが健全であることに依存 
エクリプス攻撃(経路表ポイズニング) に対して 
脆弱では? 
スケーラブルでない構造 
世界のあらゆるスマートコントラクトを処理 
可能か? 
どちらも根本的なところで分散化されていないことの 
問題 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.29/37
エクリプス攻撃 
- A modest number of malicious nodes 
eclipse correct nodes from each 
other's view 
A B 
D 
E 
H 
I 
G 
C 
F 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.30/37
スケーラブルなP2P ネットワークとは 
Kademlia の場合(DHT の一種) 
4 ビットのID 空間でバケット長k = 2 の例 
ノード0110 から見た場合、灰色で囲まれたノード群が経路表の各バケットの 
対象となり、それぞれ02 個のリンク(矢印) を持てる 
数十万ノードで動いている実績 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.31/37
ブロックチェイン通貨の終わり方 
終わりゆくaltcoins を観察することで分かることは? 
Auroracoin 
Coinye 
Bitcoin のようなポピュラーなシステムには適用でき 
ないかも知れない 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.32/37
ブロックチェイン通貨の導出 
IOU 通貨! ブロックチェイン通貨の変形 
約束! 量 
負債! 汲み出し 
承認の集団化 
ブロック化、ブロックチェイン化 
追記人の選択方式 
署名チェインが維持されていることの意味 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.33/37
紙券IOU通貨 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.34/37
デジタルIOU通貨 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.35/37
ブロックチェイン通貨 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.36/37
ご質問や議論を 
徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.37/37

徹底サーベイ : デジタル通貨の15年

  • 1.
    i-WAT Trust ModelGeek Credit/Ripple Trust Model * 2005 年に斉藤の博士論文公聴会で使用したスライドから。Ripple が当時少なくとも概念としては存在していた証拠。 徹底サーベイ: デジタル通貨の15年 斉藤賢爾研究会2014.10 (2) ks91@sfc.wide.ad.jp 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.1/37
  • 2.
    かんたんな自己紹介 斉藤賢爾(さいとうけんじ) 慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問) 一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事 http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media 経歴 1993 年、コーネル大学大学院よりM.Eng 取得 (コンピュータサイエンス) 2006 年、慶應義塾大学より博士号取得(政策・メディア) インターネットと社会に関する研究・教育に従事 慶應義塾大学SFC 村井研究室所属 主な研究テーマ: 「人間のデジタル通貨」の開発と実用化 福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.2/37
  • 3.
    かんたんな自己紹介 斉藤賢爾(さいとうけんじ) 慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問) 一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事 http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media 経歴 1993 年、コーネル大学大学院よりM.Eng 取得 (コンピュータサイエンス) 2006 年、慶應義塾大学より博士号取得(政策・メディア) インターネットと社会に関する研究・教育に従事 慶應義塾大学SFC 村井研究室所属 主な研究テーマ: 「人間のデジタル通貨」の開発と実用化 福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施 ! つながってるね! 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.2/37
  • 4.
    この回の目的と手段 デジタル通貨の研究開発の最近15 年を俯瞰します 2000 年より過去の基礎技術についても見ます IOU 通貨! ブロックチェイン通貨の変形を試みます ブロックチェインの発想の源流を探る思考実験 です 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.3/37
  • 5.
    トピック(青字は自分) 2000 年より過去 Blind signature (1983) Magic Money (1990s) Hashcash (1997) 20002006 年 MojoNation (2000), Karma (2003) Samsara (2003), PPay (2003), i-WAT (2003) Ripple (この辺) 20072014 年 SSC (2008) Bitcoin (2008), (altcoins), Ethereum (2014) 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.4/37
  • 6.
    2000年より過去 Blind signature(1983) 匿名の支払いのためのデジタル署名 Magic Money (1990s) Blind signature を応用したPGP 通貨 匿名プログラマPr0duct Cypher による 特許権を侵害していたため違法 Hashcash (1997) スパム抑止のためのProof Of Work Bitcoin の構想で応用される 背景: インターネットの商用利用のはじまり 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.5/37
  • 7.
    基礎技術- 暗号学的ハッシュ関数 徹底サーベイ:デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.6/37
  • 8.
    基礎技術- デジタル署名 本人が送ったものであり改竄されていないことが証明できる RSA, DSA, ECDSA (楕円曲線DSA) 等 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.7/37
  • 9.
    Blind Signature 署名対象を隠してデジタル署名する 乱数を被せたデータに署名してもらい、 戻ってきた署名から乱数を剥ぎとる 応用イメージ(匿名での支払い) 1. “造幣局” がA さんのコインに署名する 2. A さんがB さんに支払う 3. B さんが“造幣局” にコインを戻すが、 誰のコインか判別できない DigiCash (1990) 論文“On blind signatures and perfect crimes” (1992) が新聞を使った完全犯罪の可能性に言及 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.8/37
  • 10.
    Hashcash メールヘッダに多少のCPU 時間を使って計算できる スタンプを載せる 例: X-Hashcash: 1:20:060408:adam@cypherspace.org::1QTjaYd7niiQA/sc:ePa SHA-1 ハッシュ値の最初の20 ビット(当時) が 0 になるような乱数を入れる これによりスパムを抑止する 1 通のメールの送信準備に1 秒ほどかかる 受信側での確認は一瞬で、スタンプが無効なら スパムと扱う スパマーは大きな打撃を受ける Bitcoin の設計文書がこの仕組みに言及している徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.9/37
  • 11.
    20002006年(青字は自分) MojoNation (2000) ファイル取引のためのトークンサーバ Karma (2003) DHT によるバンクセット Samsara (2003) ストレージのバーター取引システム PPay (2003), i-WAT (2003) IOU 通貨 Ripple (この辺) 支払いルーティング 背景: P2P の実用化とP2P の経済的側面 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.10/37
  • 12.
    DHT (Distributed HashTable) ハッシュ表/ハッシュテーブル キー, 値 ペアを格納し、高速にルックアップ するためのデータ構造+アルゴリズム 分散ハッシュテーブル ハッシュ表の考え方を拡張 ネットワーク上に キー, 値 ペアを格納し、 キーに対応する値をルックアップする 手法 ノードの識別子とキーを暗号学的ハッシュ関数で 同一の固定長ビット空間に配置 当該空間上でキーに近接するノードに キー, 値 ペアを格納する 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.11/37
  • 13.
    Samsara a (a)(b) (a) (b) (c) a) Storing a claim (a) (b) (c) (a) (b) (c) Data owned by x Storage claim by x b) Forwarding the claim c) Finding a cycle B X B C B C B C A x a a a 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.12/37
  • 14.
    i-WAT 取引手順の概要 徹底サーベイ:デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.13/37
  • 15.
    i-WAT 取引手順の概要 徹底サーベイ:デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.13/37
  • 16.
    i-WAT 取引手順の概要 徹底サーベイ:デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.13/37
  • 17.
    ROT (Reduction OverTime) 機能を標準搭載、発券時に指定可能(2005 年に実応用) 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.14/37
  • 18.
    Ripple Ripple path A さんがC さんに支払いたいが、直接つながりが ない A さんはB さんに支払える B さんはC さんに支払える A!B!C がripple path となる 手数料を共通通貨であるXRP (Ripple credits) で 支払う 実装までずいぶんかかった印象 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.15/37
  • 19.
    20072014年(青字は自分) SSC (2008) Samsara + i-WAT で実現するストレージ本位通貨 Bitcoin (2008), (altcoins), Ethereum (2014) ブロックチェイン通貨/分散応用プラットフォーム 背景: 広義のサイバーフィジカルな環境の出現 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.16/37
  • 20.
  • 21.
    ブロックチェインの概要 1. 各マイナーは、過去10分ほどの間に収集した取引データを ブロックに格納し、マイニング(くじ引き) を行う 2. 成功したらネットワーク内にブロードキャストする 3. 各マイナーは、それをチェインの新しい末尾と認めるなら、 その後ろにブロックを繋げるべく1 に戻る 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.18/37
  • 22.
    量の限界 21 万ブロック毎(約4年毎) に、マイナーへの報酬(手数料除く) は 半減する このことにより2,100 万BTC という極限値が求まる 1 億分の1 BTC が最小単位なので、2140 年頃、手数料を除く報酬 はゼロになる 20,999,999.9769 BTC を「採掘」し終える 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.19/37
  • 23.
  • 24.
    ターゲットの調整 ターゲットはブロックに埋め込まれている 10/31現在のターゲット(16 進表記): 00000000000000001E8DC00000000000 00000000000000000000000000000000 その値を、マイニングが平均して10 分に1 回の割合 で成功するように調整する 調整は2,016 ブロック毎に行う 調整が完璧であれば丁度2 週間となる 実際にかかった時間と2 週間を比較し、新しい ターゲットをブロックに埋め込む 1 4 4 倍を超えて変化させない 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.21/37
  • 25.
    POW による保護 ProofOf Work (作業証明) を課すことで改ざんを抑止する 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.22/37
  • 26.
    取引の形式 一度参照された出力(=コイン) は、消費済みとなり、 二度と使えない徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.23/37
  • 27.
  • 28.
    スクリプト(通常) 出力側: OP_DUPOP_HASH160 OP_PUSHDATA* 公開鍵ハッシュ値 OP_EQUALVERIFY OP_CHECKSIG 入力側: OP_PUSHDATA* 署名 OP_PUSHDATA* 公開鍵 公開鍵ハッシュ値に宛てたトランザクションの出力と、参照 する入力のスクリプト 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.25/37
  • 29.
    スクリプトの処理 入力側! 出力側の順にスクリプトを結合する 左から順にスタックに積み、処理していく (実際の処理では、演算子を律儀にスタックに積む必要は無い) 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.26/37
  • 30.
    スクリプト(生成) 出力側: OP_PUSHDATA* 公開鍵 OP_CHECKSIG 入力側: OP_PUSHDATA* 署名 生成取引の出力と、参照する入力のスクリプト 自分の公開鍵は知っているのでハッシュ値で指定する必 要はない 安全性を160 ビットに落とさずに済む 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.27/37
  • 31.
    Ethereum ブロックチェインの応用プラットフォーム スマートコントラクトとして抽象化 ある意味新たな新聞(公知化プラットフォーム) チューリング完全な言語(プログラミング言語) を提供 いかなる逐次アルゴリズムも記述可能 手数料をEther で支払う 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.28/37
  • 32.
    Ethereum への懸念 下位P2Pネットワークが健全であることに依存 エクリプス攻撃(経路表ポイズニング) に対して 脆弱では? スケーラブルでない構造 世界のあらゆるスマートコントラクトを処理 可能か? どちらも根本的なところで分散化されていないことの 問題 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.29/37
  • 33.
    エクリプス攻撃 - Amodest number of malicious nodes eclipse correct nodes from each other's view A B D E H I G C F 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.30/37
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    スケーラブルなP2P ネットワークとは Kademliaの場合(DHT の一種) 4 ビットのID 空間でバケット長k = 2 の例 ノード0110 から見た場合、灰色で囲まれたノード群が経路表の各バケットの 対象となり、それぞれ02 個のリンク(矢印) を持てる 数十万ノードで動いている実績 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.31/37
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    ブロックチェイン通貨の終わり方 終わりゆくaltcoins を観察することで分かることは? Auroracoin Coinye Bitcoin のようなポピュラーなシステムには適用でき ないかも知れない 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.32/37
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    ブロックチェイン通貨の導出 IOU 通貨!ブロックチェイン通貨の変形 約束! 量 負債! 汲み出し 承認の集団化 ブロック化、ブロックチェイン化 追記人の選択方式 署名チェインが維持されていることの意味 徹底サーベイ: デジタル通貨の15 年— 2014-10-31 – p.33/37
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