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武田美亜（青山学院女子短期大学）
Web心理学ミュージアムで
できること・できないこと
日本心理学会第77回大会 日本心理学会企画シンポジウム
「Web心理学ミュージアムの挑戦：サイエンスコミュニケーションの視点から」
2013／9／19 ＠札幌コンベンションセンター

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考えるべきこと
1. web心理学ミュージアムの目標は？
2. 日本心理学会がこうした取り組みを
行なう意味は？
3. 具体的にどのようなことをすべき？
どのようなことができる？
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心理学ミュージアムの趣旨
（心理学ミュージアムサイトから）
心理学は一般の方々からも高い関心をお寄せいただい
ておりますが，他方で，誤解もまた多いと思います。そこで
公益社団法人に本心理学会の社会的貢献のひとつとして，
心理学での研究成果の一端をWebで「心理学ミュージア
ム」として公開することになりました。
この「心理学ミュージアム」は，心理学に関わる職種の方
だけでなく，心理学に関心のある一般市民，進路選択を考
えている中学生，高校生にも興味を持っていただけるもの
を目指しています。アカデミックな心理学の内容を，親しみ
のもてる雰囲気の中で楽しみながら学んでいただけるよう
に心がけました。
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目標はどこに？
 市民が心理学に対して持つ誤解が減る，
または誤解を解きやすくなる
 市民が心理学 的なもの に惑わされず，
学術的な知見に簡単にアクセスできる
 市民が何らかの意思決定をする際の有用な
情報提供源となる
 専門家が市民とサイエンスコミュニケーション
をする際のツールが確立する
webs心理学ミュージアムがあることによって，
10年後の世界がどうなっていてほしいか？
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が取り組むことの
意味は？
 学会としての社会貢献
 情報の信頼性を保証
 一部の研究室や分野でなく，心理学関連
情報全般にアクセスできる
 学術的心理学関連情報のハブ
すでにある心理学系情報サイトではダメなの？
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具体的には？
 それぞれの性質を踏まえて
 サイエンスコミュニケーションの性質
 ミュージアム（博物館）の性質
 webサイトの性質
 まずは制約を考慮せずに，理想の
（=私ならばぜひ訪問してみたいと思う）
web心理学ミュージアムを提案
 実際にできうることを考える
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サイエンス・コミュニケーション
とは
 お勉強 イメージからの脱却
 ショー，カフェ，体験型イベント
 双方向性（e.g., CoSTEP, 2007; 文科省, 2011）
 専門家と非専門家の対等な対話
 欠如モデルからの脱却
 専門家の人となりが見える（e.g., 岸田, 2011）
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ミュージアム（博物館）
とは
 娯楽施設，観光地（前田, 2002）
 実物を見る，体験する
 さまざまな企画
 常設展のほか，企画展，イベントなど
 膨大な資料（展示に出ていない分も含む）
 来館してくれないとはじまらない
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webサイト
とは
 どこからでも，いつでもアクセスできる
 関連情報へのリンクが豊富
 情報が膨大（適切な情報に辿り着けない）
 情報の質を判断できない
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制約を考慮せずに考えるなら：
やりたいこと
 双方向的なコミュニケーション
 インタラクティブなコンテンツ
 市民の反応を受け取る（→対話へつなげる）機能
 博物館としての機能
 博物館へ遊びに行った 感覚（観光，非日常）
 資料の充実
 アクセシビリティのよさ
 検索でヒットしやすいサイト
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双方向性のために1：
自分で触れられるハンズオン展示
 イリュージョンフォーラム
 http://www.brl.ntt.co.jp/IllusionForum/
 JSTバーチャルミュージアム
 http://jvsc.jst.go.jp/
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双方向性のために2：
市民の反応を受け取るしかけ
 心理学ふしぎふしぎ
 http://www.psych.or.jp/interest/faq.html
 心理学ミュージアム お問い合わせ欄
 http://psychmuseum.jp/inquiry.html
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博物館としての機能のために1：
バーチャルミュージアム
 富士フィルム ウェブ写真美術館＆ショップ
 http://www.fujifilmmuseum.com/
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博物館としての機能のために2：
博物館のマスコットキャラ
 シンボルがあるとほかの心理学系サイトと
は区別して覚えてもらえる？
 サイ子ちゃん
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15. +
博物館としての機能のために3：
資料の充実
 展示室のコンテンツを多くの多様な専門
家（学会員）に作ってもらう
 すでにあるサイトやデータベースとの連携
（ほかのサイトやデータベースの管理者と
の協力）
 学芸員 （サイト運営，コンテンツ管理が
できる人材）の配置
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博物館機能のために4：
常設展 以外の対応
 企画展
 定期的な展示替え
 学会イベントと連動させるなど
 中高生ご招待（化学学会あたりがやっていた？）
 緊急時の情報発信
 ワンボイス or グループボイス？
 学会としての統一見解が必要？
 各研究者が個別に情報発信？
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アクセシビリティのために1：
検索でヒットしやすいこと
 日本心理学会の該当ページがトップヒット
となる検索語（2013年9月16日現在, Google検索）
 「心理学ミュージアム」
 「心理学Q＆Ａ」
 「心理学」で検索すると
 wikipediaがトップヒット
 知恵袋的なもの
 大学組織（学科，研究室など）のサイト
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アクセシビリティのために2：
関連リンクを網羅していること
 心ポ（心理学ポータル）
 http://www27.atwiki.jp/simpo/pages/1.html
 サイエンスポータル／データベース
 http://scienceportal.jp/database/
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19. +
できること
 心理学の多様な領域をカバーするコンテ
ンツの作成
 学術的心理学関連情報へのリンクを充実
させる
 学会サイト（非会員向けバージョン）を
webミュージアムとして再構成する
 情報までの必要クリック数を減らす
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（たぶん）できないこと
 対応できる人を常駐させる
 少なくとも現状の体制では，市民のニーズを濃
やかに掬って応えることは難しい
 凝った外観にする
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できることが本当にできるために
必要なこと：
 学会員への周知
 まずは使ってもらう
 使える，紹介できると思ってもらえるサイトに
 学会員の協力
 サイエンスコミュニケーション（web心理学
ミュージアム）への貢献が学会員にもプラスに
なるようなしかけ
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22. +
検索語「webミュージアム」「web museum」
でヒットしたサイト
 富士フィルム ウェブ写真美術館＆ショップ（http://www.fujifilmmuseum.com/）
 Compact collection カネボウwebミュージアム（http://www.kanebo-compact.com/）
 WebMuseum: Artist index ‒ Ibiblio（www.ibiblio.org/wm/paint/auth/‎）
 魚梁瀬森林鉄道遺産webミュージアム（http://rintetu.jp/）
 おおだwebミュージアム（sanbesan.web.fc2.com/‎）
 麻布大学webミュージアム［標本など各種展示］
（http://www.azabu-u.ac.jp/webmuseum/）
 古楽器ウェブミュージアム（http://www.uenogakuen.ac.jp/data/museum.html）
 web gallery of art（http://www.wga.hu/index.html）
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引用文献
 CoSTEP, 2007 はじめよう！科学技術コミュニケーション
 文科省 2011 平成23年科学技術白書
 岸田一隆 2011 科学コミュニケーション：理科の〈考え方〉をひらく 平凡社
 前田勇 2002 観光学からみたミュージアム 日本ミュージアム・マネジメン
ト学会研究紀要, 6, 1-14.
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