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More from YokohamaCommunityDesignLab (19) 第1回シンポジウム 議事録4. ゲストによる公共空間、水辺空間の賑わいづくりの事例紹介(18:40-19:00)
○富山グランドプラザ(NPO 法人 GP ネットワーク理事 山下裕子氏)
まず、この会場が横浜らしくて素晴らしい。私は横浜が大好きで、何度も訪
れている街。現在は、紹介にあったとおり、福岡の久留米に活動の拠点を移し
て活動していますが、以前勤めていた富山市のグランドプラザという広場につ
いて、今日は事例紹介をさせていただきます。
今日私がお呼びたていただいたのは、このコンセプトブックの冒頭に書いて
あります、「人・自然・まちがつながる、開かれた」という言葉についてですが、
広場という場所によって、街と人と自然とがつながるという経験をしましたの
で、少しでもお役に立てればと思います。こちらが富山のグランドプラザとい
う広場です。屋根がかかっていますが、扉はなく屋外空間です。ですので、風
が良く通ります。
特徴としては、北陸富山は雪や雨が非常に多い土地なので、屋根がかかって
いるというのが非常に大事でした。もともとは、大きな再開発事業でできてお
りまして、グレーの敷地の中に富山市道が3本通っていました。その3本の市
道を、グランドプラザの左側にある百貨店と右側の駐車場を建て替える際に、
道路である必要がなくなるため、市道を真ん中に集めて、百貨店のバックヤー
ドとして整備する予定でした。せっかくこんないい場所に 1,400 ㎡の都市空地
8. が、こうやって相変わらず人がグランドプラザにいるのがいいなと思います。
富山市はたった 30 万人都市ですが、30 万都市でもこれだけの人がいる空間
を作ることができなのが良かったのかなと思います。ここからは概念的な話に
なりますが、広場ができて何が街の中で起きたのかを考えてみますと、街の中
なので、当然様々なアクティビティがすでにあったわけですが、通りを介して
いたり、お互い建物の中で行ったりしていると、誰がどこで何をしているのか
はわからない訳ですけれども、同じ面積を広場化すると、直接的に知りあいで
なかったり、直接会話をしなかったとしても、誰がどんなことをしているのか
というのがぱっと一目で見える状態を作るのが広場だと思います。街の中に
様々なアクティビティがあるのですが、広場という場所をメインに使ったり、
待ち合わせの場所に使ったりということで、広場という場所を核として人々が
活用することで、緩やかな横のつながりができている気がします。グランドプ
ラザは年中無休で 365 日運営しておりますので、毎日毎日たくさんのアクティ
ビティが起こる状況を目指しています。
これは実際に起きたピアノの活用なのですが、グランドピアノを運び出して
ライブを何回もやっています。やはりクラシックやジャズは、空間が音楽を選
んでしまう部分もあると思うのですが、広場という場所は非常にニュートラル
な場所だと思っておりまして、特にグランドプラザはガラスと石畳でグレーを
16. アスタッフやプログラムを募集していて、関心具合によっていろいろな方々に
参加してもらいます。
イベントにボランティアで参加しているうちにビジネスに結びつくこともあ
ります。これは17拠点の A と B といわれるところですけど、B が中之島公園
で、A が中央市場になっていて、今、市役所の前の中之島公園を3か月行政か
らお借りして、去年我々が事業者を公募して、事業者が3か月運営する中で利
用料をいただいて、再投資して空間を演出するということをしました。
今年は、その運営期間が5か月になりました。中之島 GATE という所は、い
ろいろな規制があってなにも使われていない空間なのですが、イベントをする
ことで市民や事業者にこういった使い方ができるとか、ここで儲けることがで
きるかもしれないということを共有することで、事業者を公募して、手を挙げ
ていただくことができ、中之島漁港という常設の取組が始まりました。
もう一つ、大阪水上安全協会という民間の組織なのですけど、観光船以外の
船が結構ありまして、いろいろな既得権などの問題が出てきてそれを解決する
ために、この協会ができました。民間でそういった運行安全調整を行くことに
なりました。水上タクシーなども入っていて、航行安全ルールを自ら作ってい
くとか、船着き場管理するなどをしています。この協会ができたことによって、
水上を使うビジネスや市民活動がやりやすくなりました。
18. 登壇者:山下裕子氏(NPO 法人 GP ネットワーク理事)、泉英明氏(一般社団
法人水都大阪パートナーズプロデューサー)、本多初穂氏(馬車道商店街)、宮
島真希子氏(NPO 法人横浜コミュニティデザインラボ)
モデレーター:国吉直行氏(横浜市立大学)
○国吉氏
今日は横浜の新市庁舎の活用を考えるシンポジウムの為にはるばるお忙しい
中、ご参加いただきましてありがとうございます。この二人のプレゼンテーシ
ョンについてたくさん質問したいのですが、それは後においておきまして、本
日は、新市庁舎の低層部を中心にどういうふうな活用ができるのか、まだまだ、
使われ方等決まっていない部分がありますので、コメントをいただいて、横浜
ではどんなことができるのかをお聞きしたいと思います。それぞれにお話しを
いただいたうえで、山下さん、泉さんに加わっていただきまして、どういった
可能性があるのか等を議論していきたいと思います。1時間という短い時間で
はありますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、本多さんからよろしくお願いいたします。
○本多氏