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2013年8月新英研全国大会 第 7 会場アラカルト講座②
「国際交流を通して平和の尊さを学ぶ」
山口県立岩国総合高等学校 赤松敦子
I 概要
A  テーマ:国際交流を通して平和について考える活動を授業に取り入れる。特に、iEARN の Hiroshima for
Peace プロジェクトに関する活動を中心にした、生徒の作品交換とスカイプ交流について取り組む。
B 対象学校・学年・科目:山口県立岩国総合高等学校 1年5・6組 各クラス20人 
オーラルコミュニケーション I(週2時間で半分は文法の問題集に取り組む)
以下の活動は宿題や、授業の最初の約 10 分の導入の時間でほとんどを行った。
C クラスの特徴:全員女子のクラスで明るい生徒が多い。英語の基礎の復習の指導が必要。
II 活動内容
A Hiroshima for Peace Project の紹介:iEARN という世界的な学校間の国際交流団体において運営されてい
る平和をテーマにした創作童話や絵を通しての交流のプロジェクト。
1 iEARN Canada のこのプロジェクト紹介のプレゼンテーション 作品例は展示 資料1
  http://connect.scdsb.on.ca/machintopresentation
 2 iEARN (International Education and Resource Network)本部のサイト 資料2
    http://www.iearn.org/
Project Collaboration Center の中にこのプロジェクトのページがある。
 3 日本支部 JEARN のサイト 資料3
http://www.jearn.jp/japan/index.html
   入会案内が What’s New?の上の「ジェイアーンとは?」の中にある。
 4 『まちんと』の本の紹介 松谷みよ子(著)司 修 (絵)
Hiroshima for Peace Project に申し込む(JEARN の高木洋子先生がご担当)と、『まちんと』の日本語の
絵本に英文プリントがはさまれたものが無料で送られてくる。この原爆で亡くなった幼い女の子とその母親
についての短い絵本を紹介し、このように短い話でも平和の大切さが伝わることを生徒に実感してもらい、
生徒自身が平和をテーマにした童話を書くことを提案する。
B 授業での取り組み
 1 2年前から交流の続いているアメリカの Hathaway Brown School から送られてきた卒業生の書いた童話
についての挿絵を紹介し、手紙を書かせた。
資料4(生徒の書いた返事は個人名が入っているため添付を省略
   a. 自己紹介の指導(オーラルコミュニケーションの教科書にあった自己紹介の課の復習)
b. 手紙の感想の指導 自由に書いてよいと伝えたが、思いつかない生徒もいるので例文や語彙もいくつか示
した。質問が出た時はその答えも黒板に書いて皆に知らせた。絵が人数分はなかったのでグループを作
らせて各グループに1枚割り当てた。
    Ex. I like the ( ) of your picture.
I agree that ( ). I agree with ( ).
I hope that ( ). I hope to ( ).
  c. 下書きの添削と返却
1
   d. 清書と小さくコピーした絵の貼り付け(絵に名前が書いてなかったので)
 2 2年前から交流が続いているロシアの Dolgolkovo 国立学校から送られてきた挿絵を紹介し、手紙を書か
せた。資料5
    a. 自己紹介と手紙の感想の指導 復習なので短時間ですませる。
    b. オーラルコミュニケ―ションの教科書で練習した週末にすることについて自分のことを書き、質問もす
るよう指導。
c.日本の伝統文化や現代の文化紹介の指導。英文での文化紹介の本をグループに1冊行き渡るように準備
し、その中の各自関心を持った分野について紹介。内容が他のグループと重ならないように、話題を決
めたら教卓の白紙に名前と話題を記入しに来るように伝えた。すでにその紙に書いてある話題は選ば
ないように注意。
 3 アメリカからの短期留学生との交流 授業を訪問してもらって、手紙に書いた自己紹介と日本文化紹介を
グループごとに発表してコメントをもらった。その後は自由に質疑応答。次の授業で大きめの付箋を生徒に
配って感想を書いてもらい、1枚の紙に貼ってその留学生にお礼として渡した。
 4 『まちんと』の本の朗読
今年は、日本語は先に絵本と一緒に紹介し、英文は少しずつ授業の終りに文法項目と関連付けながら紹
介した。反省:写真に撮ってプロジェクターで拡大して見せたほうがよりよく絵が見えた。
 5 卒業生の作品の紹介
    昨年度の3年生の Writing の授業で生徒が書いた作品を日英両方プリントにして配布。
 6 夏休みの課題 平和をテーマとした童話を日本語で書く。1年生で、学力的に英作文が無理な生徒が多い
ので、その童話の中に出てくる単語を10個以上調べて英語で行間に書くことを課した。
 7 英訳と ALT による添削 添削後はまとめて印刷して配布。将来、英語が読める外国の友人ができたら、文
法の教科書の例文や、会話の教科書の旅行用会話よりも、こうしたオリジナルのみんなの気持ちや伝えたい
ことを書いたものを読んでもらうと、もっと深い話ができるようになることを説明。また、英語になったこと
で世界中のあちらこちらの生徒に自分の作品を読んでもらえることも説明した。昨年と同じくらいの人数の
先生方が協力してくだされば、1000人以上の外国の生徒に読んでもらえるという予測も伝えた。英語に
することでより多くの人に意見が発信できることを実感する機会とする。
 8 英文を授業で全員に紹介 難しい単語には行間に意味を書きいれたプリントを配布して、少しずつ授業の
合間に紹介。作品のよいところを褒める。
   授業で出てきたことのある単語、文法事項が出ているところでは、生徒に質問したりして注意を促す。
 9 以前から交流のある学校に作文をまとめて送付する 資料6 (生徒名が入っているので添付省略)
10 iEARN や ePals などの国際交流団体に参加している学校に交流を申し込む 資料7
   a. iEARN Project Collaboration Center の中にあるまちんとプロジェクトのページに投稿しておられ
    る先生方に申し込みのメールと生徒作品を送付。メールアドレスリストを作っておくと楽に送付できる。
b. ePals  http://www.epals.com/ トップページの上にある FIND A CLASSROOM から登録されている
情報を検索できる画面に移動して、条件を入力し検索する。条件に合った取り組みをされている先生方
に ePals 上のメールを送る。資料8
c. eTwining ヨーロッパの中での学校間国際交流のための団体 東日本大震災の時に多くの学校から日本
へ励ましのメールを送ってくださったページがある。http://new-
twinspace.etwinning.net/c/portal/layout?p_l_id=10331831
 このページを作って下さった Aydin 先生に生徒の作文を送った。
2
d.トルコ(3人)・ロシア(2人)・イタリア(2人)・アメリカ・バハマ・インド・イスラエル・カメルー
ンの先生方から生徒に紹介してくださるとのお返事をいただいた。資料9
11 以前から交流のあるロシアの Dolgolkovo 国立学校の Irina 先生からスカイプ交流の申し込み
   a. 日程と交流内容の相談 (サマータイムに注意) 1時間を希望したが生徒が飽きる可能性があるので3
5分ぐらいで切り上げることになった。
b. 放課後に希望者で交流を実施するための企画書を作成 時差の関係で授業時間内実施が難しかった。企画
書を回覧して同じ学年の他クラスにも連絡して希望者を募る。事前に管理職の許可を得ておく。
   c. スカイプ準備 
○パソコン用マイク(人数が多いのでヘッドホンについているタイプよりも単独のマイクがよい)
     ○ウェブカメラ(3000円以上の、ある程度高品質のものの方が動画がスムーズに流れる)
     ○照明(普通の教室の照明でよいが、プロジェクターで写した画面を見るためにスクリーンのところ
は暗めに、生徒がいるところは明るくなるように工夫が必要)
     ○スクリーン・プロジェクター・スカイプのソフトをインストールしたパソコン(「スカイプ」で検索
すると公式サイトがすぐ見つかる。ソフトは無料でダウンロードできる)
   d. 生徒への交流内容の予告 部活動の関係で参加できない生徒も多かったが、手紙を書いた学校との交流
の機会をアピールするために全員に紹介。
   e. 交流内容:(1)双方の自己紹介(2)ロシアの生徒の歌と民族舞踊の披露 小学生達が民族衣装を
着て歌って踊ってくれた(3)こちらの学校の校歌紹介(4)Q&A 聞かれた質問の例:Have you
read Russian literature? Have you tried Russian food?  What do you study in your school? など。
本校では韓国語や中国語が選択できるので、その話をしたときに驚かれた。時間が余れば、届いたまちん
とプロジェクト作品について少し感想を交換する予定だったが、質問が結構出たので今回は省略した。
   f. 翌日、生徒の一言感想をメールで送る 向こうから届いた感想を授業で紹介する。資料10
   g. 次回の約束 次は12月の考査終了後ということで約束したが、水泳の授業の関係でキャンセルになっ
た。今年度内は1月・2月に一回ずつの予定。
   h. 写真交換 Irina 先生から交流時の写真が届いたので、授業の時に交流に参加できなかった生徒にも紹
介した。こちらは録画や写真を残していなかったため、授業の終りに希望者を集めて写真を撮りメール
に添付して送った。授業で紹介していただいた。
12 まちんとプロジェクト作品としてコーディネーターの高木先生のところに集まった作品の紹介 全部を
各列に分けて紹介。Hamilton School の詩の作品集の中から一人一つ選ばせて、そのコピーを取り、訳し
てみる課題を出した。添削して清書させたものを印刷して全員に紹介した。
13 年賀状作り 市販の年賀状用紙を人数分準備して、生徒に交流している学校へ送る年賀状の書き方を指導
した。
a. 材料準備 文具店で、様々な色の無地のものや、枠のデザインだけついたもの、前向きなメッセージがつい
たものなどいろいろな年賀状用紙を購入。年賀用シールや色マジックなども用意しておくとよい。
   b. 考査返却後の時間を利用して年賀状に書く内容を説明
    (1)挨拶(2)名前(3)趣味(4)冬休みに楽しむこと(5)終りの挨拶(6)署名
   c. パワーポイントファイルにまとめる 回収して写真に撮ってパワーポイントの「挿入」の中にあるフォ
トアルバム機能で写真を読み込んで一つのファイルにまとめる。写真を撮る時、画素数の小さめの設定
を選び、パワーポイントで保存する時も「名前をつけて保存」の画面の保存ボタンの左側の「ツール」をク
リックして、一番下の「画像の圧縮」で「email 添付用」を選択するとデータが小さくなる。枚数が多いとそ
3
れでも送付できないことがある。yahoo メールよりも gmail の方が大容量の添付が送れる。 
   d. 交流している学校にメール添付ファイルで送る。交流の多い学校には実物を郵送する。
    ロシアの Dolgolkovo 国立学校からはプレゼントが送られてきたので、年賀状と一緒に鉛筆を送付。
14 年賀状への返事を紹介する。 これもパワーポイントにまとめて紹介する。資料11
15 iEARN のメンバーであるロシアの Olga 先生が生徒作品を学校のサイトに掲載してくださったので、そ
のページとその中に書き込まれるロシアの生徒のコメントを授業で紹介する。資料12
http://ourlittleenglish.blogspot.ru/p/machinto-project.html
16 創作童話の朗読 
a. 朗読練習 録音しておいた模範朗読を生徒各自で聞いて練習。
b. 発音チェック 問題集を解く、会話練習が早く終わった後などの時間に一人ずつ読みを聞いて発音をチ
ェックする。
c. 朗読の録音と送付 生徒用パソコンで朗読を録音して交流のある学校に送る。長い作品は分割して、童
話を書いていない生徒も朗読に参加できるように割り当てて協力して作品をしあげるようにする。
 17 届いた返事の紹介 資料13生徒たちの童話やメッセージや詩へのコメントを訳をつけて紹介する。学
んだ文法や会話のポイントが入っていればその部分を指摘する。大きめの付箋を配って、短くても返事を
もらったお礼や感想を書くように指導する。それをまとめて写真に撮るか、タイピングして相手校へ送付
する。
III 生徒の反応 資料14
 A スカイプ交流 前述の通り
 B 短期留学生との交流 学年が違うので普段なかなか話をするチャンスがなかったようで、大変喜んでいた。
 C 先輩やクラスの他の生徒の作品 英語を全部読むのは無理でも、内容に関心を持って読んでいた。
 D 手紙や年賀状の製作 大変熱心に取り組んでいた。家でゆっくり丁寧に書いてきた生徒もいた。
 E 授業態度の変化 交流関係の内容の時以外も真剣に取り組む生徒が増えた。
Ⅳ その他資料紹介
 A 平和教育地球キャンペーン中四国支部 http://gcpej.jimdo.com/cipe/
CIPE: Community Institute on Peace Education
 B IIPE International Institute of Peace Education http://www.i-i-p-e.org/ と National Peace Academy
IIPE 2013 International Institute on Peace Education San Juan, Puerto Rico, July 7-14 2013
Towards a possible world free from violence: 
The IIPE, as it has done for the past 30 years, brings together educators, professional workers,
and activists in an intensive, short-term residential learning community that embodies the practices
and principles of critical, participatory peace pedagogy.
C 平和のための博物館国際ネットワーク(the International Network of Museums for Peace: INMP)(国際団
体)と平和のための博物館・市民ネットワーク(日本国内の団体)通信 Muse: Newsletter of the Japanese
Citizens' Network of Museums for Peace  http://www.tokyo-sensai.net/muse/index.html
 D アンネ・フランク展実行委員会 http://gcpej.jimdo.com/link/annefrank/
 E Teachers without Borders の平和教育オンラインセミナー: http://www.teacherswithoutborders.org/  
Ⅴ 資料請求連絡先 赤松敦子 メール:peacemessagestakamori@yahoo.co.jp 携帯電話:090-6833-6764
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  • 1. 2013年8月新英研全国大会 第 7 会場アラカルト講座② 「国際交流を通して平和の尊さを学ぶ」 山口県立岩国総合高等学校 赤松敦子 I 概要 A  テーマ:国際交流を通して平和について考える活動を授業に取り入れる。特に、iEARN の Hiroshima for Peace プロジェクトに関する活動を中心にした、生徒の作品交換とスカイプ交流について取り組む。 B 対象学校・学年・科目:山口県立岩国総合高等学校 1年5・6組 各クラス20人  オーラルコミュニケーション I(週2時間で半分は文法の問題集に取り組む) 以下の活動は宿題や、授業の最初の約 10 分の導入の時間でほとんどを行った。 C クラスの特徴:全員女子のクラスで明るい生徒が多い。英語の基礎の復習の指導が必要。 II 活動内容 A Hiroshima for Peace Project の紹介:iEARN という世界的な学校間の国際交流団体において運営されてい る平和をテーマにした創作童話や絵を通しての交流のプロジェクト。 1 iEARN Canada のこのプロジェクト紹介のプレゼンテーション 作品例は展示 資料1   http://connect.scdsb.on.ca/machintopresentation  2 iEARN (International Education and Resource Network)本部のサイト 資料2     http://www.iearn.org/ Project Collaboration Center の中にこのプロジェクトのページがある。  3 日本支部 JEARN のサイト 資料3 http://www.jearn.jp/japan/index.html    入会案内が What’s New?の上の「ジェイアーンとは?」の中にある。  4 『まちんと』の本の紹介 松谷みよ子(著)司 修 (絵) Hiroshima for Peace Project に申し込む(JEARN の高木洋子先生がご担当)と、『まちんと』の日本語の 絵本に英文プリントがはさまれたものが無料で送られてくる。この原爆で亡くなった幼い女の子とその母親 についての短い絵本を紹介し、このように短い話でも平和の大切さが伝わることを生徒に実感してもらい、 生徒自身が平和をテーマにした童話を書くことを提案する。 B 授業での取り組み  1 2年前から交流の続いているアメリカの Hathaway Brown School から送られてきた卒業生の書いた童話 についての挿絵を紹介し、手紙を書かせた。 資料4(生徒の書いた返事は個人名が入っているため添付を省略    a. 自己紹介の指導(オーラルコミュニケーションの教科書にあった自己紹介の課の復習) b. 手紙の感想の指導 自由に書いてよいと伝えたが、思いつかない生徒もいるので例文や語彙もいくつか示 した。質問が出た時はその答えも黒板に書いて皆に知らせた。絵が人数分はなかったのでグループを作 らせて各グループに1枚割り当てた。     Ex. I like the ( ) of your picture. I agree that ( ). I agree with ( ). I hope that ( ). I hope to ( ).   c. 下書きの添削と返却 1
  • 2.    d. 清書と小さくコピーした絵の貼り付け(絵に名前が書いてなかったので)  2 2年前から交流が続いているロシアの Dolgolkovo 国立学校から送られてきた挿絵を紹介し、手紙を書か せた。資料5     a. 自己紹介と手紙の感想の指導 復習なので短時間ですませる。     b. オーラルコミュニケ―ションの教科書で練習した週末にすることについて自分のことを書き、質問もす るよう指導。 c.日本の伝統文化や現代の文化紹介の指導。英文での文化紹介の本をグループに1冊行き渡るように準備 し、その中の各自関心を持った分野について紹介。内容が他のグループと重ならないように、話題を決 めたら教卓の白紙に名前と話題を記入しに来るように伝えた。すでにその紙に書いてある話題は選ば ないように注意。  3 アメリカからの短期留学生との交流 授業を訪問してもらって、手紙に書いた自己紹介と日本文化紹介を グループごとに発表してコメントをもらった。その後は自由に質疑応答。次の授業で大きめの付箋を生徒に 配って感想を書いてもらい、1枚の紙に貼ってその留学生にお礼として渡した。  4 『まちんと』の本の朗読 今年は、日本語は先に絵本と一緒に紹介し、英文は少しずつ授業の終りに文法項目と関連付けながら紹 介した。反省:写真に撮ってプロジェクターで拡大して見せたほうがよりよく絵が見えた。  5 卒業生の作品の紹介     昨年度の3年生の Writing の授業で生徒が書いた作品を日英両方プリントにして配布。  6 夏休みの課題 平和をテーマとした童話を日本語で書く。1年生で、学力的に英作文が無理な生徒が多い ので、その童話の中に出てくる単語を10個以上調べて英語で行間に書くことを課した。  7 英訳と ALT による添削 添削後はまとめて印刷して配布。将来、英語が読める外国の友人ができたら、文 法の教科書の例文や、会話の教科書の旅行用会話よりも、こうしたオリジナルのみんなの気持ちや伝えたい ことを書いたものを読んでもらうと、もっと深い話ができるようになることを説明。また、英語になったこと で世界中のあちらこちらの生徒に自分の作品を読んでもらえることも説明した。昨年と同じくらいの人数の 先生方が協力してくだされば、1000人以上の外国の生徒に読んでもらえるという予測も伝えた。英語に することでより多くの人に意見が発信できることを実感する機会とする。  8 英文を授業で全員に紹介 難しい単語には行間に意味を書きいれたプリントを配布して、少しずつ授業の 合間に紹介。作品のよいところを褒める。    授業で出てきたことのある単語、文法事項が出ているところでは、生徒に質問したりして注意を促す。  9 以前から交流のある学校に作文をまとめて送付する 資料6 (生徒名が入っているので添付省略) 10 iEARN や ePals などの国際交流団体に参加している学校に交流を申し込む 資料7    a. iEARN Project Collaboration Center の中にあるまちんとプロジェクトのページに投稿しておられ     る先生方に申し込みのメールと生徒作品を送付。メールアドレスリストを作っておくと楽に送付できる。 b. ePals  http://www.epals.com/ トップページの上にある FIND A CLASSROOM から登録されている 情報を検索できる画面に移動して、条件を入力し検索する。条件に合った取り組みをされている先生方 に ePals 上のメールを送る。資料8 c. eTwining ヨーロッパの中での学校間国際交流のための団体 東日本大震災の時に多くの学校から日本 へ励ましのメールを送ってくださったページがある。http://new- twinspace.etwinning.net/c/portal/layout?p_l_id=10331831  このページを作って下さった Aydin 先生に生徒の作文を送った。 2
  • 3. d.トルコ(3人)・ロシア(2人)・イタリア(2人)・アメリカ・バハマ・インド・イスラエル・カメルー ンの先生方から生徒に紹介してくださるとのお返事をいただいた。資料9 11 以前から交流のあるロシアの Dolgolkovo 国立学校の Irina 先生からスカイプ交流の申し込み    a. 日程と交流内容の相談 (サマータイムに注意) 1時間を希望したが生徒が飽きる可能性があるので3 5分ぐらいで切り上げることになった。 b. 放課後に希望者で交流を実施するための企画書を作成 時差の関係で授業時間内実施が難しかった。企画 書を回覧して同じ学年の他クラスにも連絡して希望者を募る。事前に管理職の許可を得ておく。    c. スカイプ準備  ○パソコン用マイク(人数が多いのでヘッドホンについているタイプよりも単独のマイクがよい)      ○ウェブカメラ(3000円以上の、ある程度高品質のものの方が動画がスムーズに流れる)      ○照明(普通の教室の照明でよいが、プロジェクターで写した画面を見るためにスクリーンのところ は暗めに、生徒がいるところは明るくなるように工夫が必要)      ○スクリーン・プロジェクター・スカイプのソフトをインストールしたパソコン(「スカイプ」で検索 すると公式サイトがすぐ見つかる。ソフトは無料でダウンロードできる)    d. 生徒への交流内容の予告 部活動の関係で参加できない生徒も多かったが、手紙を書いた学校との交流 の機会をアピールするために全員に紹介。    e. 交流内容:(1)双方の自己紹介(2)ロシアの生徒の歌と民族舞踊の披露 小学生達が民族衣装を 着て歌って踊ってくれた(3)こちらの学校の校歌紹介(4)Q&A 聞かれた質問の例:Have you read Russian literature? Have you tried Russian food?  What do you study in your school? など。 本校では韓国語や中国語が選択できるので、その話をしたときに驚かれた。時間が余れば、届いたまちん とプロジェクト作品について少し感想を交換する予定だったが、質問が結構出たので今回は省略した。    f. 翌日、生徒の一言感想をメールで送る 向こうから届いた感想を授業で紹介する。資料10    g. 次回の約束 次は12月の考査終了後ということで約束したが、水泳の授業の関係でキャンセルになっ た。今年度内は1月・2月に一回ずつの予定。    h. 写真交換 Irina 先生から交流時の写真が届いたので、授業の時に交流に参加できなかった生徒にも紹 介した。こちらは録画や写真を残していなかったため、授業の終りに希望者を集めて写真を撮りメール に添付して送った。授業で紹介していただいた。 12 まちんとプロジェクト作品としてコーディネーターの高木先生のところに集まった作品の紹介 全部を 各列に分けて紹介。Hamilton School の詩の作品集の中から一人一つ選ばせて、そのコピーを取り、訳し てみる課題を出した。添削して清書させたものを印刷して全員に紹介した。 13 年賀状作り 市販の年賀状用紙を人数分準備して、生徒に交流している学校へ送る年賀状の書き方を指導 した。 a. 材料準備 文具店で、様々な色の無地のものや、枠のデザインだけついたもの、前向きなメッセージがつい たものなどいろいろな年賀状用紙を購入。年賀用シールや色マジックなども用意しておくとよい。    b. 考査返却後の時間を利用して年賀状に書く内容を説明     (1)挨拶(2)名前(3)趣味(4)冬休みに楽しむこと(5)終りの挨拶(6)署名    c. パワーポイントファイルにまとめる 回収して写真に撮ってパワーポイントの「挿入」の中にあるフォ トアルバム機能で写真を読み込んで一つのファイルにまとめる。写真を撮る時、画素数の小さめの設定 を選び、パワーポイントで保存する時も「名前をつけて保存」の画面の保存ボタンの左側の「ツール」をク リックして、一番下の「画像の圧縮」で「email 添付用」を選択するとデータが小さくなる。枚数が多いとそ 3
  • 4. れでも送付できないことがある。yahoo メールよりも gmail の方が大容量の添付が送れる。     d. 交流している学校にメール添付ファイルで送る。交流の多い学校には実物を郵送する。     ロシアの Dolgolkovo 国立学校からはプレゼントが送られてきたので、年賀状と一緒に鉛筆を送付。 14 年賀状への返事を紹介する。 これもパワーポイントにまとめて紹介する。資料11 15 iEARN のメンバーであるロシアの Olga 先生が生徒作品を学校のサイトに掲載してくださったので、そ のページとその中に書き込まれるロシアの生徒のコメントを授業で紹介する。資料12 http://ourlittleenglish.blogspot.ru/p/machinto-project.html 16 創作童話の朗読  a. 朗読練習 録音しておいた模範朗読を生徒各自で聞いて練習。 b. 発音チェック 問題集を解く、会話練習が早く終わった後などの時間に一人ずつ読みを聞いて発音をチ ェックする。 c. 朗読の録音と送付 生徒用パソコンで朗読を録音して交流のある学校に送る。長い作品は分割して、童 話を書いていない生徒も朗読に参加できるように割り当てて協力して作品をしあげるようにする。  17 届いた返事の紹介 資料13生徒たちの童話やメッセージや詩へのコメントを訳をつけて紹介する。学 んだ文法や会話のポイントが入っていればその部分を指摘する。大きめの付箋を配って、短くても返事を もらったお礼や感想を書くように指導する。それをまとめて写真に撮るか、タイピングして相手校へ送付 する。 III 生徒の反応 資料14  A スカイプ交流 前述の通り  B 短期留学生との交流 学年が違うので普段なかなか話をするチャンスがなかったようで、大変喜んでいた。  C 先輩やクラスの他の生徒の作品 英語を全部読むのは無理でも、内容に関心を持って読んでいた。  D 手紙や年賀状の製作 大変熱心に取り組んでいた。家でゆっくり丁寧に書いてきた生徒もいた。  E 授業態度の変化 交流関係の内容の時以外も真剣に取り組む生徒が増えた。 Ⅳ その他資料紹介  A 平和教育地球キャンペーン中四国支部 http://gcpej.jimdo.com/cipe/ CIPE: Community Institute on Peace Education  B IIPE International Institute of Peace Education http://www.i-i-p-e.org/ と National Peace Academy IIPE 2013 International Institute on Peace Education San Juan, Puerto Rico, July 7-14 2013 Towards a possible world free from violence:  The IIPE, as it has done for the past 30 years, brings together educators, professional workers, and activists in an intensive, short-term residential learning community that embodies the practices and principles of critical, participatory peace pedagogy. C 平和のための博物館国際ネットワーク(the International Network of Museums for Peace: INMP)(国際団 体)と平和のための博物館・市民ネットワーク(日本国内の団体)通信 Muse: Newsletter of the Japanese Citizens' Network of Museums for Peace  http://www.tokyo-sensai.net/muse/index.html  D アンネ・フランク展実行委員会 http://gcpej.jimdo.com/link/annefrank/  E Teachers without Borders の平和教育オンラインセミナー: http://www.teacherswithoutborders.org/   Ⅴ 資料請求連絡先 赤松敦子 メール:peacemessagestakamori@yahoo.co.jp 携帯電話:090-6833-6764 4