2023.11.11 トラ技オフ会「ワイワイ楽しむ！情熱のラジオ製作」で紹介したスライドです。セット、分析手法ともまだまだ改善してゆくつもりです。

1. Part 0. まずは自己紹介
・発表者 HOgawa96521731 (小川)
・機械系です
・「ラジオ虫」に咬まれたのは小学生のころ、マジックアイにやられました。
・好物なラジオ:機械的に特徴のあるセット。軍用機は凄いです。
Collins R390
TuneとMHz切り替えダイアルに連動
してRFとIFが最適位置を保つ
Tune MHz
RCA AN/FRR23 (1951)
"幻灯式"ダイアル。幻灯式にした理
由は諸説あり。

2. Part 1. とにかくSPが鳴った! (1) 試作機の変遷
原型となった記事。SPが「モゾモゾ」鳴る
と書かれていた。(模型とラジオ'75年9月
号)
SP
「バケツ」イメージを引きずり直
径15cmのボイド管にコイルを巻
いた(34Tで291μH)
→辛うじて聞こえる「ヒソヒソ」レ
ベル。
(今回紹介)
ハンドリングできる最大サイズとし
て1mx1mループANTを製作。
→6畳間なら鳴っていることが分か
るくらいの音量(除NHK1)

3. (2) 回路図、使用部品、性能
Freq. λ Distance Power
Carrier
Level
Station kHz m km kW μA
NHK1 594 505 45 300 11
NHK2 693 433 44 500 38
AFN 810 370 15 50 26
NHK1(仙台) 891 337 4 20 82
TBS 954 314 20 100 26
NHK2(仙台) 1089 275 4 10 42
JOQR 1134 265 28 100 0
JOLF 1242 242 55 100 0
JOIR(仙台) 1260 238 10 20 22
JORF 1420 211 24 50 0
使用部品(購入先)
・ループ1次:リッツ線0.04x300本 (秋葉原マイクロパワー:MPL)
・ループ2次:リッツ線0.4x10本 (手持ち)
・ポリバリコン340pF (シオヤ無線)
・D311 ダイオード (MPL)
・電流計 50μA (秋月)
・小型トランス10k:8Ω (祐徳電子)
・ホーンSP 8Ω SPL102dB@1m,1W (秋月)
自宅(府中市)+仙台で受信
・Sメーターのフレで評価
・NHK​1東京がなぜか弱い(Sメーター、音量とも)
・QR,LFは全く入感せず。
・NHK1仙台が驚きのメーター振り切り。実は送信所が近
かった。

4. (3) 構造 レイアウト検討に3D CAD (FreeCAD)を使用
DCプラグて゛ダイオード差し替え式にした。
D311を使用中。交換用は左から1N60, D311x4,
D312A
3.5mmミニプラグでSPに接続。
背面の端子は赤がANT, 銀がGnd。
比較用D (1N60, D311x4,D312A)

5. Part2 試作機は性能を出し切っているか?
(1)抵抗を負荷にしてアンテナの受信電力を計測
・AD2で誘起電圧Vi(有効値)を計測し、電力をP=Vi^2/RLで算出
・2次側タップ3T→2T→1Tでインピーダンス下がると予想していたが、
意外な結果。何度計測してもこの結果だった。
AD: Analog Discovery

6. 特性を拡散モデルで近似
Id=Is・(exp(vd/VT)-1)
IsとVTで合わせ込む
Dは非線形領域で動作。Vmに対する平均電流id~を求める(*)
下はエクセル向きの式。Vmを与えて(左辺)=(右辺)となるid~を
ゴールシークで求める。Ioは組み込み関数"Besseli"使用可。
(*) https://www.mdpi.com/1424-8220/21/23/8038
RLはトランスのDCR
(272Ω)
"W"はLambertのW関数、Ioは第一種変形ベッセル関数だそうです。
Req=Va/id~を検波器の入力インピーダンスとする。
平均電圧Va=2*Vm/π
D311～20mV 60mV
(2) 検波器の入力インピダンス

7. (3) アンテナ+検波器でベストな設定を探る
期待に反して常にD311x1がベストだった。推定要因①Ant特性計測が不正確(2T) ②D特性モデルが不正確(1N60)
評価方法
1.放送局を受信しアンテナ誘起電圧Vrmsを計測。Vm=√(2)・Vrms
2.Vmより前頁の式でReqを求める。P=Vrms^2/Reqを〇でプロット
3.検波器への入力電力が大きいほどAF音量も大と評価
前頁の式(ダイオード違い)

8. (4)ベストな設定とその効果(ベースに対して)
この辺で
鳴っている
・ベース性能からタップとダイオードの選択で2～4dB向上。
・ただし、音量が明確に増えるかというと微妙です。右図はフレッチャー=マン曲線て゛
大体20dB毎でイラストが変わります。時間が許せば動画もどうぞ(以上)。