20100305 rhythmoon shake_vol5

1995consultant.com

ワーキング・ウーマン歴26年 /
ワーキング・マザー歴16年を
振り返って

2011.3.5
育休後コンサルタント
山口理栄

目次
仕事
入社後10年間この発想で乗り切りました
出産前後
１「時間差恩返し」
育児休業後
管理職時代２低空飛行でも飛び続ける
子育て３参観日や懇談会でのコツ
保育園４子育てした分、実年令から10を引く
小学校、学童保育
中学校、高校
転機
ダイバーシティ推進リーダーとして
キャリアチェンジ
コンサルタントとして独立
参考文献
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入社後10年間（１）

期待されて入社、挫折もあり
1984年入社＝均等法施行前
「15年は働いてほしい」
職場の花としての期待
時間外労働 150時間/年の壁
同期の女性の相次ぐ退職で動揺
お客様のシステムでトラブル続出
天の助け


入社後10年間（２）

あこがれの米国留学（社費留学）
30才でUniversity of Southern
California (南カリフォルニア大学)の修
士へ入学
受験・入学手続き、車、住居、すべて自
分で手配
経験したことのないさびしさ
他社からの社費留学生との出会い
素の自分への自信


出産前後（１）
帰国、１年後に妊娠
妊娠６週ぐらいで会社に報告
同僚に仕事を引き継ぐ
会社に近い新築マンションを契約
完成と同時に引越（産後4ヶ月）
バス+電車で50分→車で10分
パソコン通信（ニフティサーブ）で保育
所等の情報収集
つわりはあったが基本的に健康、残業
もこなし予定日8週前まで勤務

出産前後（２）
育児休業中のすごし方
保健所主催の赤ちゃん教室に参加
マンション内に赤ちゃんサークルを作る
同じ学齢の親子と顔なじみに→入学後に役立つ
赤ちゃんに合わせた生活リズムの確立
復職後の生活がスムーズに
保育園情報の不足に憤慨、全国保育所
情報というサイトを作り、ボランティアグ
ループWOM(Women’s Online Media)
で活動

育児休業後（１）
会社に迷惑？
復帰直後に子どもが肺炎で入院、付き添いで復帰
早々一週間休む（ショックが大きかった）
PCの急速な普及で追いつくのに苦労
復帰後２ヶ月で第２子の妊娠が判明
産前4週間前まで働き、育休は4ヶ月
復帰後は添い寝で寝てしまい、夜中に目覚めてPC
に向かう毎日
二人ともアトピー性皮膚炎、ぜんそく（夜中に起きて
吸入は日常茶飯事、ひどい時は病院で点滴）
水ぼうそう、とびひが二人続いた
上は年中の時おたふくで髄膜炎を併発し入院


この発想で乗り切りました！その１
「時間差恩返し」
子育ての最も大事な時期は人に迷惑を
かけたり親切にしてもらったりするが
お礼やお返しはなかなかできない。
だからといって好意をかたくなに断る
のではなく素直に受け入れ感謝の気持
ちを持ち続ける。
自分に余裕ができたときに、時間差で
次の世代に恩返しする。

育児休業後（２）
保育園での７年半
11月復帰、認可には定員超過で入れず
信頼できる無認可保育所との出会い
（月～金 8:30-18:00の契約で105,000円/月）
「すみません、遅れそうです」と電話すると必
ず「気をつけて帰ってきて（運転して）ください
ね」と言ってくれる
親の子育てを優しく、ときに厳しく指導
子どもの様子をたくさん伝えれば伝えるほど
園での様子を細かくフィードバックしてくれる
下の子が卒園式で
「ママみたいな『会社の人』になりたい」

育休後（３）
暗中模索時代
当時のプロジェクトは世界最高速を狙うスーパーコン
ピュータの自社開発（ハード、ソフトとも）
自分の担当：製品企画・その他もろもろ
製品企画会議の招集
マニュアルのCD化
インドのソフトウェア開発会社への発注の仕組み作り
米国ソフトウェアの導入に伴うライセンス契約
ハードウェア開発部署（別の事業部）との共同作業
「マニュアル開発部」「資材部」「技術部」と協働
設計・開発した「もの」は、関連部署の働きのおかげ
で初めて売りものになり顧客に届く、ということを実感

この発想で乗り切りました！その２
「低空飛行でも飛び続ける」
子どもを預けて会社の自分の席についたら、
そこでコーヒーが飲め、話す相手はすべて大
人、計画通りに物事が進む。まずはその幸せ
をかみしめる
チームの成果を上げるために自分がどう動く
べきかを常に考える（自分の成果のことはし
ばらく考えない）
自分が直接かかわっていなくても、組織で起
こる出来事（お客様からの苦情や不祥事への
会社の対応、業績の上下、人間関係など）を
よく観察する

管理職時代（１）
青天の霹靂（へきれき）
突然の主任技師（課長相当）任命
管理職のメリット
意思決定に必要な情報量が入ってくる
自分の裁量でできることが広がる
仕事のスケジュールが自分で立てられる
スパコンのソフトウェアのサポートサービ
スを有料化する、というミッションを与え
られる
サポートサービスを行うサービス部隊の存在を知る
サポートの一環としてスパコンのホームページを立ち上げる
（上３才、下１才、自分３７才）


管理職時代（２）
異動＆大きなお世話事件
拠点を異動したのに、わざわざ兼務にして席を元の
職場に残してあった（異動先に席がない）
会社側は配慮したつもりだった
異動先は初めて一緒に仕事をする人たち
初めての人と顔を見ずに仕事できない
ため、異動先の席をメインに
東京ビッグサイトでの展示博覧会の自社ブース責任
者を経験、基調講演で部分的に登壇
車＋電車＋徒歩で1時間の職場に
駅前駐車場を自腹で借りて約1年間通う
（上５才、下３才、自分３９才）


小学校・学童保育
入学前のプレッシャー（＝小１の壁）との戦い
入学式に子どもが高熱で欠席！自分一人で
主のいない式に出席
（後悔したが結果的に子どもに悪影響なし）
小1からカギを持たせた（何度か落としてさが
したことも！）
1学期は学童がイヤで学校で泣いていた（担
任、近所の人から教えてもらう）
ちょうどビッグサイトでの展示博覧会準備期間で手が話せなかったため
義母に一週間来てもらい学童を休ませた。その後何とか慣れる。
学童の運営には主体的に参加

この発想で乗り切りました！その３
参観日や懇談会でのコツ
PTA役員を低い学年で引き受ける
おしゃべりの輪に入れなくても気にしない
話しかけにくそうな雰囲気を見せない
教室や廊下の掲示物を他の子のも含めてよく
観察する
先生に声をかけ気になることがあれば尋ね、
何かあればいつでも連絡してほしいと伝える
懇談会の自己紹介ではクラス全体にお世話に
なっている旨あいさつし、目が届かないので
気になることは教えてほしいと伝える

管理職時代（３）
いくつかの部署を経験
グローバル新事業の立ち上げとともにそこへ異動、
再び自宅近くへ
米国のソフトウェアのライセンス導入契約を苦労して
締結したが売れるめどが立たないため契約打ち切
りを経験
部長相当職に昇格、経営に関する研修（MBAのエッ
センス）を初めて受けてビジネスに興味を持つ
ソフトウェアの設計部長を経験（１年間）
このころから社内の女性社員の相談に乗り始める

（上6～11才、下4～9才、自分40～45才）


転機（１）
ダイバーシティ推進リーダーとして
IT部門の女性カウンシルリーダーに就任
女性支援、管理職支援、ワークライフバランス
の3本柱を決める
女性フォーラムの企画：4人4色のロールモデ
ルに集まってもらって、パネルディスカッション
をした。人選から話の運び方まで、綿密に計画
をたてたことで、大成功
メールマガジンの発行
社内SNSの活用
イントラネットのWebサイト立ち上げ
（上１１才、下９才、自分４５才）

管理職時代（４）
正部長の試練
マニュアル開発部の正部長に
360度評価制度で部下の課長からの
評価に打ちのめされる
「部長が何をしようとしているのかがわかりま
せん。」
メンター（前任の部長）の力を借りる
リーダーは孤独

（上11才、下9才、自分45才）

中学校・高校
上、下の子ともに中高一貫校に入学
親は過保護の傾向あり（放任主義よりは
安心）、学校／先生は概して信用できる
14才は反抗期、じっと耐える
学校が遠いからこそPTA活動に参加
（参考）中学受験は共働きだから不利ということはない。ただし、長く厳しい競争
なので、よほどの覚悟をもって臨まないと最終的に子どもが傷つく。特に夫婦
のベクトルを合わせておくことが大切。


転機（２）
キャリアチェンジ
過去の仕事で
どの仕事が楽しかったか
それはなぜなのか

ダイバーシティ推進リーダー
アイディアが勝手に湧き出てきた
これこそ自分のやりたいことでは？

エンジニアから組織人事コンサルタント
へのキャリアチェンジを決断

この発想で乗り切りました！その４
子育てした分、実年令から10を引く
キャリアを考えるとき実年令から10を
引いてみる
子育てした時間分、勉強不足、キャリア
不足は否定できない＝10年のハンディ
実年令では同期と比較したりもう○○
才なのにあれもこれもできないと思った
り守りに入ったりしがち
10を引くとまだまだこれから、とチャレ
ンジする気持ちになれる

転機（3）
コンサルタントとして独立
コンサルティング会社でマーケティング担当
Webサイトの設計、ビジネスブログの立ち上げ、
メルマガの発行、セミナー・トレーニングの企画、
運営を経験
コンサルティング会社の中でビジネスを立ち上
げることを断念→退職して独立
パーソナルブランディングを研究
自分の肩書きを「育休後コンサルタント」に
（上15才、下13才、自分49才）

参考文献
萩原久美子（2006）『迷走する両立支援』太郎次郎
社エディタス
松永真理（2001)『なぜ仕事するの?』角川書店(角
川文庫)
梅田望夫（2007）『ウェブ時代をゆくいかに働き、い
かに学ぶか』筑摩書房（ちくま新書）
鳥居祐一（2008）『スピード・ブランディング』ダイヤ
モンド社
染谷和巳（2000）『上司が「鬼」とならねば部下は動
かず』新潮文庫


ご清聴ありがとうございました。

どんなことでも、ご質問ください。
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