母乳だけで体重が増えない

赤ちゃんへの援助
山口直人
小児科医
IBCLC
(国際認定ラクテーション・コンサルタント)
学習項目
1. 母乳育ちの赤ちゃんの体重増加の特徴や評価
2. 体重が増えない赤ちゃんの評価方法を知る
3. 母乳摂取・母乳産生を増やすアプローチを知る
4. 補足の基準・方法について知る
5. これらの内容を組み合わせた支援計画を考える
はじめに
 体重が増えない赤ちゃんの支
援を考える前に、体重が増える
ように母乳育児を支援しよう!
• 「母乳育児成功のための10か条」に基づいた支援
• 赤ちゃんにやさしい病院(BFH)
• エモーショナル・サポート(心理面の支援)
• コミュニケーションスキル
• 抱き方と吸い付き方(ポジショニングとラッチオ
ン)がうまくいくのが重要
• 乳房マッサージは多くの問題を解決しない
• 食事指導も多くの問題を解決しない
知っときたいこと
精神面のサポート
5
• コミュニケーション・スキルを使用すると
– 情報収集のための問診自体がサポートになる
• 特別に精神面のサポートの時間は必要ないかも
– より詳しく正確な情報が得られるようになる
• 保護者は評価される心配があると、問題だと感じている点につ
いて敢えて言わないかもしれない
– 医療者の提案が受けいれられやすくなる
• 保護者が、わかってもらえていないと感じていたら、適切な情
報が提供されても受けいれられないかも
– コストかからず、人を選ばない
• 子育て経験がなくても、男性医師でも、おとなしい性格でもで
きる。
コミュニケーションスキルにご興味
6
今日は時間がないので宣伝
7
• JALC(日本ラクテーションコンサルタント協
会)主催の母乳育児支援学習会
• 母乳育児支援20時間基礎セミナー
– 「母乳育児成功のための10か条」
– 個人が不定期開催
赤ちゃん大きくなってるかなあ

うまくいってるのかなあ・・・
母乳育ちの赤ちゃんの体重増加の特徴や評価
母乳育児 うまくいってますか?
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体重
どうやってみたらいいかな・・・
他にないのかな・・・
母乳育児がうまくいっているめやす・・・
体重増加を評価する
• 母乳で育つかの如何によらず、赤ちゃんの成
長には個人差が大きい。
– 体重が○g増えたら、という絶対的な指標はない
• 児の成長は、体重増加だけでなく、家での過
ごし方、授乳の様子、身長・頭位、全身状態、
精神運動発達などを総合して判断する。
母乳だけで育つ児の成長の特徴
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母乳だけで育つ児の成長の特徴
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• WHO/UNICEF
– 生後早期の体重減少は7-10%まで
– 生後2(-3)週間で出生体重に戻る
– 生後5-6ヵ月で出生体重の2倍、1歳で3倍
• ILCA(国際ラクテーション・コンサルタント協会)
– 生後早期の体重減少は7%以内
– 体重減少は生後3日まで 生後5日までには体重増加に
転じる
– 生後10日までに出生体重に戻る
– 生後3ヵ月までは、20-35g/日の体重増加
母乳だけで育つ児の成長の特徴
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母乳だけで育つ児の成長の特徴
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• ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル
– 生後10日から2週間以内に出生体重に戻る
– 生後3-4ヵ月まで
• 平均24g/日の体重増加(16-20g/日でも許容できる児も)
– 生後4-6ヵ月
• 16-20g/日の体重増加
– 生後6ヵ月まで
• 平均2.5cm/月の身長増加 平均1.27cm/月の頭囲増加
– 生後6-12ヵ月
• 平均8-16g/日の体重増加
• 平均1.27cm/月の身長増加 平均0.64cm/月の頭囲増加
– 生後5-6ヵ月までに体重が2倍、1歳に2.5倍になる
母乳摂取の信頼できるサイン
– 排泄:尿や便が出ていたら、           
母乳を飲めているはずである
– 生後2日(生後48時間)を過ぎたら24時間に6回かそ
れ以上、色の薄い尿でおむつが濡れる。もし、母乳
に加えて、水を与えられていたら、尿はよく出るが、
体重の増えは良くないだろう。
– 24時間で3から8回の便通がある。赤ちゃんの排便
は1ヶ月を過ぎると回数が少なくなるかもしれな
い。
– 赤ちゃんは覚醒していて、筋緊張が良く、健康的な
皮膚で、着ている服が小さくなっていく。
体重増加を評価する
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• 母乳で育つかの如何によらず、赤ちゃんの成長に
は個人差が大きい。
• 児の成長は、体重増加だけでなく、家での過ごし
方、授乳の様子、身長・頭位、全身状態、精神運
動発達などを総合して判断する。
• 新生児ー乳児期早期の体重増加は、出生体重から
ではなく、最低体重あるいは前回測定された体重
からの体重増加で判断する。
– 現在の栄養摂取を反映している
ここまでのまとめ
• 母乳育児支援は必要
• 成長は体重だけでなく全身を見る
– 体重もとても参考になるが、個人差も大きい
– 目安となる数字はあるが、あくまで目安
• 体重増加の計算法は判断に影響する
やっぱりたりないかも・・・
体重が増えない赤ちゃんの評価方法を知る
母乳摂取・母乳産生を増やすアプローチを知る
A.体重増加の少ない児に出会ったら
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• 体重増加の少ない児には2パターンある
– ゆっくり体重が増える児(Slow gaining)
• 問題となることが少ない
– 発育不良の児(Failure to thrive)
• 何らかの介入が必要であることが多い
• 両者を区別することが、適切な支援への第一
歩となる
– でも、後からしかわからないこともある
– 漫然と経過をみず、支援しながら評価を!
発育不良の児(Failure to thrive)
• 反応が乏しい or 泣いてばかりいる
• 筋緊張の低下
• 皮膚ツルゴールの低下
• おむつがあまり濡れない
• 濃い色の尿
• 便の回数も量も少ない
• 授乳回数が8回未満で、授乳時間は短い
• 射乳反射がうまく出現しない
• 体重増加が少なく、減少することもある
1ヶ月以降のFailure to thrive
• 体重が3パーセンタイル以下である
• 成長曲線の-2SDを下回る
• 身長や頭囲の増加速度が遅くなる
• 低栄養や脱水の所見
• 月齢相当の発達が認められない
• 授乳回数や食事回数が少ない、あるいは効果的に
摂取できていない
• 射乳感覚を感じることが少ない
• 体重増加が一定せず、減少することもある
Failure to thriveへの対応
• コミュニケーション・スキルを使いましょう
– 親の気持ちは・・・
• 体重の増えが少ないことを心配している?
• 評価され、問題を指摘されることを恐れている?
– そのために必要な情報を伝えることができないかも
• 自分が悪かったのではないかと自信を失っている?
– もし親が受け容れられていないと感じている状態で、情
報提供がおこなわれると・・・
• この場を避けたい気持ちが先んじて、提供された情報を十分理
解できないかもしれません
• 反発する気持ちが出てきて、必要な情報提供を親が受け容れな
いかもしれません
Failure to thriveへの対応
たりないから足しましょう!だけじゃない
• 原因を検索する
• カロリー摂取・産生を改善する
① 情報収集
② 授乳の様子を観察
③ フィードバックと具体的な提案
④ 必要ならば補足
⑤ フォローアップの約束をする
原因を検索しよう!
• 原因を検索しましょう
– エネルギー摂取不足
• 母乳分泌不全(表)・母乳摂取不足・補足の過誤
• 摂取カロリーを増加させる方法を検討します
– 哺乳困難・消化不良を呈する基礎疾患
– エネルギー消費の亢進するような基礎疾患
• 摂取カロリーを増やすだけでは改善しない
• 母乳が飲めてるのに増えない・・・
Failure to thriveの原因1
エネルギー摂取不足
 ・母乳分泌不全(原発性・続発性) 
 ・母乳摂取不足(授乳回数・不適切な抱き方/吸着・
授乳時間など)
 ・補足の過誤
 ・不適切な育児環境(強い育児不安/産後うつ・ネグ
レクトなど)
母乳分泌不全に寄与する因子
乳腺前性:
1.ホルモン性
 a)プロラクチン
  胎盤遺残
  妊娠
  Sheehan症候群
  エストロゲンを含む経口避妊薬
  ブロモクリプチン
 b)オキシトシン
  離別・ストレス・疲労
  ドラッグ:アルコール・麻薬
 c)その他
  甲状腺疾患
  糖尿病
  妊娠性卵巣莢膜黄体嚢胞
2.栄養性 重篤な母の低栄養/脱水
3.全身疾患 ショック
乳腺性:
1.原発性乳腺低形成
  乳腺組織発育不全
  非妊娠状態(養子など)
  片側性・両側性乳腺奇形
2.続発性乳腺低形成
  放射線治療後
  乳房外科手術後
  重篤な乳腺炎/乳腺膿瘍後
乳腺後性:
1.母子分離
  授乳開始の遅れ
  搾乳回数の少なさ
2.残乳を残した状態
  流出路閉塞
  緊満・浮腫
3.乳房から児への乳汁移行以降障害
    吸着不全
    吸啜障害
    効果的でない搾乳
原因を検索しよう!
• 原因を検索しましょう
– エネルギー摂取不足
• 母乳分泌不全(表)・母乳摂取不足・補足の過誤
• 摂取カロリーを増加させる方法を検討します
– 哺乳困難・消化不良を呈する基礎疾患
– エネルギー消費の亢進するような基礎疾患
• 摂取カロリーを増やすだけでは改善しない
• 母乳が飲めてるのに増えない・・・
Failure to thriveの原因2
哺乳困難・消化不良を呈する基礎疾患
 ・口腔・消化器疾患:口唇・口蓋裂,巨舌,小顎症,喉頭軟化症,食道裂孔ヘルニア,
肝・胆道疾患,胃・食道逆流,幽門狭窄症,Hirschsprung病,蛋白漏出性胃腸症,吸
収不全症候群
 ・心疾患:先天性心疾患
 ・神経・筋疾患:脳性麻痺,水頭症,頭蓋内出血,神経筋疾患,間脳症候群,難治性て
んかん
 ・腎疾患:水腎症,尿路感染症,尿細管性アシドーシス
 ・感染症:急性感染症(呼吸器感染症,尿路感染症等),慢性感染症,先天性感染
 ・内分泌疾患:甲状腺機能低下症
  先天性代謝異常症
  その他:先天性奇形症候群,染色体異常症
エネルギー消費の亢進
 ・Small-for-gestational age(SGA)児
 ・急性感染症
 ・呼吸・心不全(頻呼吸)
 ・内分泌疾患:甲状腺機能充進症,先天性副腎皮質過形成
 ・重症貧血
母乳摂取・母乳産生を改善する具体的な方法
①コミュニケーション・スキルを用
いて母から情報収集をする
– 授乳の様子
• 授乳回数
• 授乳開始のタイミング
• 授乳時間
• ポジショニング/ラッチオン
• 乳頭痛の有無など
– おしゃぶりや補足の有無
– 家庭での児の様子や育児環境
②必要に応じ、授乳の様子を観察する
③フィードバックと具体的な提案
– まず「褒める」 よくできていること
を探す!
– 改善点がたくさんあるときは、優先度
の高いものからいくつか提案。
母乳摂取・母乳産生を改善する具体的な方法
具体的な提案(摂取量を増加)
• 適切なポジショニング・ラッチオンができるよう援助す
る
• 授乳する乳房を切り替えるタイミングを時間ではなく児の
様子でわかるように説明する
• 肌と肌のふれ合いを増やす
• 人工乳首やおしゃぶりの使用を避ける
• 授乳時に乳房を圧迫する
– 吸啜が続かない児などで有効なことがある
具体的な提案(産生を増加)
• 授乳回数を増やす
• 「空腹の早めのサイン」で授乳を始める
• 搾母乳を与える
– 吸啜が弱いとき・頻回授乳が難しいとき
– 人工乳首の使用は避ける
• 授乳以外の児の世話や家事などについて、他の家族と相談する
– 母乳育児に必要な情報を家族にも提供する
• 母乳産生を増やす食べ物や飲み物に科学的データがあるものは
ほとんどない
– 有害でなく、母親が希望すれば摂取しても良い
• 母乳分泌を増加させる薬物の使用
– ドンペリドン(ナウゼリン)
– メトクロプラミド(プリンペラン)
Failure to thriveへの対応
④必要ならば適切な補足を行う
– ホームページよりABMの指針が無料ダウンロード!
– 児の月齢や成長にあわせ補完食(離乳食)を進めることもでき
る
– 補足に対して気が進まなかったり、失望感を持つ母親もいる
→コミュニケーション・スキル
⑤フォローアップする
– 小児科外来 みなさんの地域では・・・?
– 助産師や国際認定ラクテーション・コンサルタントとも連携
– 重症例では入院管理
ゆっくり体重が増える児
• 明らかに健康そうな外観
• 筋緊張良好
• 皮膚ツルゴール良好
• 1日に布おむつで少なくとも6回以上濡れる
• 薄い色の尿
• 便の回数が多くて、細かい粒がある
• 体質的な要素が強い
– 家族性があることも多い
– 成長曲線からは外れていかない
– 明らかな問題になることは少ない
Slow gaining への対応
• 母乳育児の様子について確認しましょう
– まれに母乳摂取不良であることもあります
• コミュニケーション・スキルを使いましょう
– 体重増加が少なめであることへの不安が多い →より自信
をもつことにつながる
– 実は言い出せていない問題があるかも
• 体重増加不良の可能性を除外することで、Slow gaining
の児であることが確認される
– 必要ならばフォローアップしましょう
母乳摂取の信頼できるサイン
– 排泄:尿や便が出ていたら、           
母乳を飲めているはずである
– 生後2日(生後48時間)を過ぎたら24時間に6回かそ
れ以上、色の薄い尿でおむつが濡れる。もし、母乳
に加えて、水を与えられていたら、尿はよく出るが、
体重の増えは良くないだろう。
– 24時間で3から8回の便通がある。赤ちゃんの排便
は1ヶ月を過ぎると回数が少なくなるかもしれな
い。
– 赤ちゃんは覚醒していて、筋緊張が良く、健康的な
皮膚で、着ている服が小さくなっていく。
成長曲線
• 利点
– 簡便 ー低コスト ーわかりやすい?
– 体重だけでなく、身長や頭囲もある
• 不利な点
– 個別性は反映されづらい
• なんか少しでも逸れたらいけない気がする・・・
– 栄養法・人種・時代の影響などを大きく受ける
• 理想の曲線とは・・・なんだろう
• それでも、成長曲線を利用して身体発育を把握することは重
要なことである !
– 病気や育児環境の問題がみえてくることもある
母乳育児支援に理想的な?成長曲線
すべてを満たす曲線は現状ありません
• 人種 :日本人
• 栄養法:「適切に」母乳のみ
• 元のデータ数:より多い
乳幼児身体発育曲線
• 人種 :日本人
• 栄養法:区別なし
• 元のデータ数:多い
• 乳幼児身体発育調査(10年に1回)を元に作成
• 体格評価には2000年調査の曲線を使用することが勧められ
ている
– 日本小児内分泌学会・日本成長学会
• 母子手帳には2010年調査の曲線が掲載・・・?
乳幼児身体発育曲線(男)
402010年 2000年
乳幼児身体発育曲線(体重・男)
41
2000年に比し2010年は全体的に減少
日本の母乳で育つ児のデータ
• 人種 :日本人
• 栄養法:母乳のみ
• 元のデータ数:少なめ/1施設
• H Tanakaら(2013)
– Growth of Japanese breastfed infants compared to national
references and World Health Organization growth standards
• Acta Paediatr. 2013 Jul;102(7):739-43. doi:10.1111/apa.12262.
– 体重・身長:乳幼児身体発育曲線やWHOより少ない
– 頭囲:乳幼児身体発育曲線やWHOより多い?
– 母乳哺育学会は絶賛オススメ中・・・?
日本の母乳で育つ児のデータ
43
前半のまとめ
• 母乳育児支援は必要
• 成長は体重だけでなく全身を見る
– 体重もとても参考になるが、個人差も大きい
– 数字はあくまで目安 計算法に注意
– 成長曲線
• 増えてない!ってなったら・・・
– 原因を検索する たまにそういう体質の人も
– カロリー摂取・産生を改善する
① 情報収集
② 授乳の様子を観察
③ フィードバックと具体的な提案
④ 必要ならば補足
⑤ フォローアップの約束をする
やっぱり足りない!

補足が必要だ!!必要か?
補足の基準・方法について知る
ABMのプロトコールを見てみよう
• ABM 母乳育児医学アカデミー
– 母乳育児を推進・保護・支援する医師の団体
プロトコールの内容
1. 補足の定義
2. 背景– 新生児の生理
– 新たに母乳育児を始める母親への初期対応
– 不適切な補足の理由とリスク
3. 勧告
4. 補足栄養の選択
5. 補足栄養の量
6. 補足を提供する方法
7. 必要とされる調査研究・注
補足とは・・・定義
1. 補足の定義
• 直接授乳以外の栄養
• おおむね生後6ヶ月まで
• 搾乳は・・・?
• 補完食(離乳食)は・・・?
初期対応:すべてのケース
• 初乳で足りるか心配
• 矛盾した情報を持っている
• 不適切な補足があると
– 母が自信を失う可能性
– ずっと補足が必要と勘違いするかも
• にも拘らず、補足のアドバイスに影響されやすい
– 保健医療従事者は母親を保護するためにしばしば補足を申し出る
• 手っ取り早い方法という可能性・・・特に忙しい職場
• 不適切な補足の理由とリスク(表)
よくある補足の適応にならない場合
• 眠がちで生後24-48時間の授乳回数が8-12回以下で
も、体重減少が7%未満で疾患の徴候のない児
• 生後72時間以上たっており、ビリルビンが光線基準
以下で母乳が十分飲めており、十分な排便があって、
体重減少が7%未満の健康な週数相当の正期産児
• 夜間むずがったり、数時間の間ずっと飲み続けてい
たりする児
• 母親が疲れていたり眠っていたりする
• 直接授乳の評価と援助は必要
補足が確実に必要な場合
• 母子分離 特に母の理由
• 児が先天代謝異常(ガラクトース血症など)
• 児が直接哺乳できない場合
• 母親が授乳禁忌の薬剤を使用している場合
• 補足が必要になる状況は多くない
補足が適応となる可能性あり(表)
• 児
– 無症候性低血糖
– 脱水が直接授乳の支援でも改善しない
– 母子分離 特に母の理由
– 乳汁生成第2期が遅く、体重減少が大きい
– 排便
– 分泌が十分だが飲み取れていない
– 黄疸
• 母
– 乳汁生成第2期が遅れている
– 乳腺・乳房の病理学的な変化や手術児が先天代謝異常(ガラクトース血症
など)
– 介入で改善しない授乳時痛
• 児の利益・不利益・問題の重篤度・直接授乳の評価などによって
決める
何を?
• 何を?
1. 搾母乳
2. (母乳銀行のドナーミルク)
3. 人工乳
• 加水分解乳の方が優れているかも
• 糖水・さ湯はいかなる場合も適切でない
– カロリー
– 排便→黄疸の改善につながらない
– 補足はしないけど糖水は使う・・・何か別の困りごと
• 少なくとも10mL×生後日数ではない
どれくらい?
• どの補足法が優れているということはない
• カップ? SNS?? シリンジ???
• 哺乳瓶&人工乳首を使用しないことが母
乳のみで育つことにつながるいくつかの
エビデンスあり
どうやって?
• 母乳育児がうまくいくらしい哺乳瓶・・・
• 「母乳代替品の
 マーケティングに
 関する国際基準」に違反している・・・
これは?
退院後・補足量のめやす①
• 1日の乳汁摂取量の目安 150-200mL/kg
• 日本人食事摂取基準 0-5ヶ月時の哺乳量 780mL/日(厚生労働省)
–平均値が元になっているので、700-800mLくらいでいいかも
• 哺乳量測定・搾乳量 × 授乳回数 = 推定した1日の直接授乳量
–これまたばらつきがあるので、厳密さを求めない
• 残りを搾母乳や人工乳で補足する 回数は可能な範囲で少なく
–概算であり、結果的にそんなに飲めないこともあることを伝
える
–1回量は40mLの倍数にすると準備しやすいかも
最初の量よりも、やってどう変化したか、のフォローが重要
● 直接授乳で哺乳量がほとんどない場合
●搾母乳+人工乳 150~200mL/kg/日
● 直接授乳である程度の哺乳量がある
場合
● 搾母乳+人工乳 50~100mL/kg/日
退院後・補足量のめやす②
最初の量よりも、やってどう変化したか、のフォローが重要
補完食:体重増加の少ないとき
• 摂取カロリーを増やす!!
• 授乳・離乳の支援ガイドに基づ
いた食材だと、カロリーは低め
– うすい米粥・野菜・豆腐…
– 鉄も少なめ・・・
• カロリーUPのために早くから
取り入れたい食材
– レバー・脂肪のある肉や魚
• 赤身だと鉄分も多く摂れる
– 油脂(バター・各種食用油など
• カロリーUP&なめらかに
• 消化困難?→もともと母乳中
にはたくさんの脂肪とリパー
ゼが含まれている
● お粥・スープの問題点
● 水分が多い = カロリーが低い
● お粥はすすれない固さ・スプーンをか
たむけても落ちない固さから始める
● 食べられないなら発達を待つ
● 水分を乳汁に代える
● スープの栄養は具に入っている!
● 油脂を加える
● お粥にごまペースト・・・?
● 主食に入れるのが難しければ副
菜に入れよう
● フィチン酸(ふすま)避けよう 鉄吸収↓
● 最初から多くは食べな
いので、栄養の補足は
人工乳などで別に考え
ておこう
これらの内容を組み合わせた

支援計画を考える
4.ケース・スタディについて

の話し合い
20分
参考文献
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Neonate. 1998;74(2):94-105.
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p.680-689, 2001.
• 加藤則子ら. 乳児期の母乳栄養が3歳までの身体発育に与える影響. 小児保健研究. 63, p.612-618,
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乳育児支援ガイドベーシックコース「母乳育児成功のための10ヵ条」の実践. p.191-204, 2009.
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• 平成22年乳幼児栄養調査結果の概要について. 厚生労働省. 2011. http://www.mhlw.go.jp/stf/
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• WHO Multicentre Growth Reference Study Group. WHO Child Growth Standards: Length/
height-for-age, weight-for-age, weight-for-length, weight-for-height and body mass index-
for-age: Methods and development. Geneva: World Health Organization, 2006.
• 平岩幹男. 体重増加不良を認める児の診かた. 小児科診療. 67, p.881-884,2004.
• 大山牧子. 周産期ケア エビデンスを求めて 小児科編 育児・母子保健 母乳が出ないひとがいるの
は本当?. 周産期医学. 34, 740-743, 2004.
• Wight Nら. 多田香苗訳. ABM臨床指針第3号 母乳で育てられている健康な正期産新生児の補足
のための病院内での診療指針 2009年改訂版(2010年4月 日本語翻訳). Academy of
Breastfeeding Medicine. 2009. http://www.jalc-net.jp/dl/ABM_3_2010.pdf (2012.07.23確認)
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• Walker M. Physical, Medical, emotional, and environmental challengers to the breastfeeding
mother. In Breastfeeding management for the clinician, using the evidence. P581-658, 2011.
• 日本ラクテーション・コンサルタント協会. 母乳育児支援スタンダード第2版.

母乳だけで体重が増えない赤ちゃんへの援助