双胎の母乳育児支援：現状と文献報告
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- 3. 日本の乳児健診におけるデータ 対象：西宮市で生後3～6か月の乳児健診を 受診した乳児15262名 期間：2001年4月～2004年7月 方法：乳児健診データベースから抽出 Yokoyama Y, Wada S, et al. Breastfeeding Rates Among Singletons, Twins and Triplets in Japan: A Population-Based Study. Twin Res Hum Genet: 9(2) 298-302, 2006.
- 4. 背景 単胎 双胎 品胎 対象児数14963(98.0%) 290(1.9%) 9(0.1%) 在胎週数(週) 39.0±1.42 36.6±1.77 32.0±1.73 出生体重(g) 3035.7±387.9 2553.1±423.8 1745.5±404.9 初産(％) 52.7 60.7 100.0 保育器使用(％) 9.4 49.7 100.0 母年齢(歳) 30.6±5.31 31.4±4.21 30.7±3.61 母健康状態 良好/普通/不良 (％) 55.9 41.3 2.8 43.4 53.4 3.1 33.3 66.7 0.0 母就労なし(％) 85.9 87.6 100.0 家族が協力的(％) 75.6 85.2 100.0
- 5. 栄養方法（児側要因） 母乳のみ 混合 人工乳のみ 単胎多胎 単胎44.7 30.3 25.0 多胎 4.1 43.4 52.5 在胎週数 32週未満 25.0 25.0 50.0 32-35週 20.5 31.6 48.0 36週以上 44.3 30.5 25.2 初経産 初産 40.9 33.7 25.4 経産 47.2 26.9 25.9 出生体重 1500g未満 21.3 25.5 53.2 1500-2500g 29.3 34.8 35.9 2500g以上 45.1 30.2 24.7
- 6. 栄養方法（児側要因） 母乳のみ 混合 人工乳のみ 保育器使用 なし45.1 30.4 24.5 あり 33.5 31.2 35.3 出生時哺乳力 正常 44.1 30.5 25.4 低下 21.8 33.4 44.8 健診時期 3か月 43.8 32.5 23.7 4か月 44.4 30.0 25.6 5か月 31.8 26.2 42.0 6か月 30.4 23.2 46.4
- 7. 栄養方法（母側要因） 母乳のみ 混合 人工乳のみ 母年齢 20歳未満18.8 14.6 66.7 20-29歳 43.6 27.2 29.2 30-39歳 44.7 32.5 22.8 40歳以上 33.1 40.2 26.8 健康状態 良好 46.8 28.7 24.5 普通 40.5 32.8 26.7 不良 36.0 32.6 31.4 就労状況 無職 44.2 29.9 25.9 ﾌﾙﾀｲﾑ･ﾊﾟｰﾄ 42.0 33.9 24.1 家族の協力 非協力的 45.7 29.7 24.5 協力的 43.2 30.8 26.0
- 8. 完全人工栄養のリスク因子 オッズ比 95％信頼区間 単胎多胎 単胎 1.00 多胎2.44 1.90-3.13 保育器使用 なし 1.00 あり 1.35 1.19-1.53 出生時哺乳力 正常 1.00 低下 1.56 1.12-2.18 健診時期 3-4か月 1.00 5-6か月 1.75 1.43-2.15 母の健康状態 良好･普通 1.00 不良 1.34 1.08-1.66
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- 10. 重要なポイント３つ 妊娠中からの情報提供 品胎も母乳で育てることができる根拠 に基づいた情報提供や具体的な支援 妊娠中から退院後まで継続的な関わり
- 11. 「品胎も母乳で育てることができます」 プロラクチン受容体を増やす 出生直後から頻回の哺乳や搾乳によりプロラクチン受容体が増える と言われており、受容体が多いほど母乳産生が増える。 母乳分泌が確立したら授乳した分だけ分泌される （オートクリンコントロール） 乳房を空に近い状態まで授乳することで、受容と供給のバランスが 働いて、品胎でも十分な母乳を与えることができる。 不適切な人工乳補足や哺乳瓶の使用が母乳分泌低下 や乳頭混乱を起こす可能性がある 不適切な補足によって直接哺乳する回数が減って、母乳分泌産生が 増加しないだけでなく、赤ちゃんが乳房からの飲み方と哺乳瓶から の飲み方で混乱して直接哺乳を難しくすることがある。
- 12. 具体的な支援のエッセンス 搾乳の指導や支援 ・生後早期から ・病院水準の電導搾乳器 ・直接哺乳後の搾乳 同時授乳 ・母親や子どもの個性やニーズに合わせて ・最初は誰かの手伝いが必要、夫や家族の協力も 帝王切開後の支援 寝いりがちな赤ちゃんに対する支援 水野克己, Neonatal Care. 25(8):814-7, 2012.
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