210807_40010_sdgs_visual_reports_vol.4

2021年8月7日
四万十町SDGsツーリズムセミナー
〜自分ゴトで考えるSDGs〜
第4回共創で考える地域観光ビジョンマップ
ビジュアルレポート
高知大学地域協働学部
コミュニティデザイン研究室
※本プログラムは、四万十町と高知大学による、「令和３年度四万十川の利活用推進モデル構築事業」の一環として実施されています。

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実施体制
1
四万十町役場
高知大学
地域協働学部
コミュニティデザイン研究室
(須藤順)
学生サポート
高知大学地域協働学部4年生檜山諒
高知大学地域協働学部4年生春田碧
高知大学地域協働学部4年生森野純夏
高知大学地域協働学部3年生柳原伊吹
高知大学地域協働学部3年生川村洸士郎
高知大学地域協働学部2年生西上一成
ファシリテーター
高知大学大学院修士課程2年生岡本廉

実施概要
 日時︓令和3年8月7日（土） 13時00分～17時50分
 会場︓四万十町農村環境改善センター（〒786-0008 高知県高岡郡四万十町榊山町３−７）
 主催︓四万十町SDGsツーリズムセミナー運営事務局
 実施内容︓高知県内でSDGsやSDGsツーリズムに取り組む実践者からの事例報告と受講生一人ひと
りが自分ゴトとしてSDGsを捉え、その達成に向けた具体的アクションを考える。
特に、SDGsツーリズムの主要ターゲットとされる、「経済」「自然」「社会」「文化」
「相互理解」を中心に、四万十町におけるwithコロナに向けた観光まちづくりのための
思考様式や行動様式を獲得する。
【タイムライン】
2
Time Theme
13:00-13:20 チェックイン
13:30-14:20 変化の理論（インプット）
14:30-16:00 レゴ®シリアスプレイ®ワーク（As is / To be）
14:30-17:00 レゴⓇシリアスプレイⓇワーク（アウトカム / プロジェクト）
17:00-17:30 レゴⓇシリアスプレイⓇワーク（TOCマップ）
17:30-17:40 クロージング

セミナーの全体像
3
第１回
7/3（土）
第2回
7/10（土）
第3回
8/1（日）
第4回
8/7（土）
SDGsへの理解を深
め、一人ひとりが
自分事として取り
組む意義を見つけ
る
四万十町の観光戦
略を知り、一人ひ
とりが自分事とし
て取り組む目標を
見つける
2030年の四万十町
の姿を想像し、観
光アイデアを具体
化していく
アイデアを通じて
目標を実現するた
めのアクションプ
ランを描いていく
レゴ®シリアスプレイ®（LSP）
自分事化
未来の想像
×
持続可能な観光まちづくりを考える

チェックイン・変化の理論（インプット）
5
前回に引き続きファシリテーターの岡本が一言挨拶を述べ、チェックインを行なった。最初に全体で「最近体験したうれしいこと」や
「秋への楽しみ」など今の気分を共有した後、セミナー全体の目的の共有とともに今までのプログラムの振り返りを簡易に行なった。
その後、岡本により「変化の理論（TOC︓Theory of Change）」の簡易なインプットが行われた。第4回では、創り出したい未来（本
当の目標）の実現というフローの中に、一人ひとりが描いている観光アイデアやSDGsツーリズムメニューをどのように統合していく
か、また、そのアクションが未来の実現にどう影響するのかを考えていくこととなる。そのための方法論として「TOC」を活用し、多
様な関係者と協働して、地域全体に変化を起こしていくための道筋（変化のストーリーライン）を考えることの重要性が説明された。
チェックインを行う受講生の様子
チェックインの様子 TOCのインプット

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持続可能な観光
（サステナブル・ツーリズム）
• 旅行者の増加による観光の
負の側面(自然環境/住民の生活)
• コロナ禍による観光業界の大
打撃
• 地域資源などの持続可能性
に対する意識の高まり
ポストコロナを見据えて
観光が、これまで以上に生み出
す負荷や悪影響を最小化する
形で回復し、「旅行者から選ば
れる観光地」となるため、地域
全体でサステナブル・ツーリズム
を推進することが求められている
「訪問客、産業、環境、受け入れ地域の需要に適合
しつつ、現在と未来の環境、社会文化、経済への影
響に十分配慮した観光」（UNWTO）
背景：観光をめぐる環境の変化
出典︓日本政府観光局（2021）『SDGsへの貢献と持続可能な観光（サステナブル・ツーリズム）の推進
に係る取り組み方針』https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/20210622.pdf
参考資料
SDGsツーリズムとは

持続可能な観光が貢献する5つの領域
観光
平和経済
社会
文化
環境
①包括的・持続的な
経済発展
②社会的な関
わり、雇用拡大
や貧困の撲滅
③資源の有効活用、
環境保護や気候変動
④文化的価値・
多様性・遺産
⑤相互理解・
平和・安全
地球を舞台とする観光業はSDGsの全ゴールの達成に貢献できる
参考資料
出典︓これから観光産業の変革を促すSDGsの考え方とは︖・コラム - JTB総合研究所（
https://www.tourism.jp/tourism-database/column/2018/08/sustainable-development-goals/）

SDGsを自分事化しよう
SDGsは自分には
関係ない
SDGsに関して
なんとなく
分かっている
SDGsに関する
情報を
集めている
SDGsの概略は
理解できている
SDGsの仕組みを
理解できている
自分にできること
から実践する
参考資料
出典︓高木超(2020)『SDGs×自治体実践ガイドブック: 現場で活かせる知識と手法』学芸出版社, p.5

SDGsはできることからやってみる
参考資料
ソファに
寝たまま
できること
家にいても
できること
家の外で
できること
職場(学校)で
できること
2020年より学校教育でもSDGsが整備されはじめ、
家庭はもちろん地域社会もSDGsを意識して行動することが求められている。
見てない
テレビを消す
SNSで貧困問
題などの投稿を
シェア
水を節約する
食べ物を
冷凍する
エコバッグを
持参
使わない本、
服、おもちゃ
などを近所の
子供にあげる
環境問題に
ついて友達と
話す
性別や人種、
LGBTの人に
対する差別に
注意する
出典︓バウンド・秋山宏次郎(2020)『こどもSDGs: なぜSDGsが必要なのかがわかる』カンゼン.

変化の理論（Theory of Change）とは
参考資料
出典︓枝廣淳子・小田理一郎・江口潤(n.d.) 「変化の理論（TOC)～なぜ、どのように変化が起こるのか～」
Theory of Change
（TOC）
変化の理論
世界で創りだしたいと
望んでいる変化
変化がどのように
起こるかについての考え
望ましい変化が、なぜ、どのように起こるか、どのような活動が
目標とする変化を生むのかについて、わかりやすく描写したストーリー

TOCの基本フレームワーク
参考資料
出典：枝廣淳子・小田理一郎・江口潤(n.d.) 「変化の理論（TOC)〜なぜ、どのように変化が起こるのか〜」

レゴ®シリアスプレイ®ワーク（TOC︓As is / To be）
12
最初に、TOCを考える上で重要となる「As is / To be」の説明が行われた。「現状（As is）」と「理想の姿（To be）」の間のギャッ
プ（問題）を埋めるために、外部の社会的要因や環境的要因の影響を考慮した上で、「理想の姿」を達成するための変化の道筋を正し
くデザインし、一人ひとりのアクションを効果的に実行していく必要性が述べられた。その後、2030年に「SDGsを達成した四万十町
の姿（To be）」と「四万十町の現状の姿（As is）」をブロックを用いて表現した。特に「SDGsを達成した四万十町の姿」では、受講
生間の共通認識を醸成するために念入りに作品の共有が行われた。受講生は何度も作品に込められた意味を反芻しながら、一つ一つの
作品の理解に努めようとしている様子が確認できた。受講生が作成した2種類のすべての作品は、それぞれ基盤の上に乗せた上でTOCフ
レームワークに則って机の端々に配置した。
作品を共有している様子
受講生の様子
SDGsを達成した四万十町の姿（To be）四万十町の現状の姿（As is）

As is / To beの考え方
参考資料

レゴ®シリアスプレイ®ワーク（TOC︓アウトカム）
14
TOCのアウトカムについてのインプットが行われた後、「SDGsを達成した四万十町の姿」を実現するために起こすべき変化や、必要な
前提条件・介入条件となる「アウトカム」をブロックで表現した。作品の共有を行なった上で、創り出したい未来を実現する変化のス
トーリーラインを可視化するために「四万十町の現状の姿」と「SDGsを達成した四万十町の姿」の間に短期（3年）・中期（5年）・長
期（7年）の区切りを設け、「アウトカム」を配置させた。最初は短期（3年）に多くの作品が配置されたため、それぞれのアウトカム
がどのような連鎖反応を起こしていくか、長期的な視点で見た時に必要なアウトカムは何かなどを問いかけ、新たに必要な「アウトカ
ム」を作成させた。それぞれが作成した「アウトカム」を配置し、その共有を行なった後に、自身が作成した作品の一つ一つをブロッ
クで繋いでいくことで、変化のストーリーラインを可視化した。
「アウトカム」を追加している様子
受講生の様子
作成したアウトカムの共有変化のストーリーラインの可視化
アウトカム最初の「アウトカム」のランドスケープ

可視化された変化のストーリーライン
15

アウトカムとは
参考資料
出典︓枝廣淳子・小田理一郎・江口潤(n.d.) 「変化の理論（TOC)～なぜ、どのように変化が起こるのか～」

レゴ®シリアスプレイ®ワーク（TOC︓プロジェクト）
17
一人ひとりの観光アイデアやSDGsツーリズムメニューがTOCのアウトカムに及ぼす影響を可視化するために、自身の「プロジェクト」
をブロックで表現した。作品の共有を簡易に行なった後、作成した「変化のストーリーライン」の下に作品を配置した。特に自身の
「プロジェクト」がどのアウトカム達成に貢献するかを考えながら、短期・中期・長期のそれぞれの場所に作品が配置された。
その後、個々のプロジェクトが影響を及ぼすアウトカムとの繋がりを検討するために、それぞれの作品をブロックで実際に繋いでいく
ことで、自身のプロジェクトが四万十町全体の変化のストーリーライン（アウトカム）のどこに影響を与えようとしているのかを可視
化した。作品同士を繋ぎ終わった後は、自身のプロジェクトと影響を与えると考えられるアウトカムについての共有が行われた。
「プロジェクト」と「アウトカム」を繋いでいる様子繋いだ作品を共有している様子
受講生の様子プロジェクトプロジェクトを配置している様子

可視化されたTOCマップ
18

可視化されたTOCマップ
19

レゴ®シリアスプレイ®ワーク（TOCマップ）
20
ブロックで表現されたTOCマップにおいて、個々の「プロジェクト」が想定した「アウトカム」に影響を与えるのか、また、本当の目
標を達成する上で主要な「アウトカム」は何かなど、実際に作品を動かしていくことで未来の出来事のシミュレーション（プレイ）を
行なった。一人ひとりが自身の「プロジェクト」を動かしてみることで、個別活動がどのアウトカムに直結し、そのアウトカムの連鎖
で本当の目標達成に至るのかを実際に目で見て検討し、自身と地域を紐づけ、その関係性をシステム的に捉えている様子が確認でき
た。さらに、本当の目標達成のためにまず着手すべき「プロジェクト」や達成すべき「アウトカム」が何か、またアウトカムの連鎖を
引き起こすものは何かなどについて思考する様子が見られ、TOCマップを補完するための議論が展開された。
作品を実際に動かすことで起こる変化を確認している受講生の様子
TOCマップに起こった変化について、議論している受講生の様子

高知大学地域協働学部コミュニティデザイン研究室(須藤順研究室)
担当︓准教授須藤順
〒780-8520 高知県高知市曙町2-5-1総合研究棟1階
TEL 088-788-8077 FAX 088-888-8043
E-mail j.suto@kochi-u.ac.jp
Web http://www.communitydesign-kochi.jp/
高知大学大学院総合人間自然科学研究科地域協働学専攻
担当︓岡本廉
E-mail b20m6j01@s.kochi-u.ac.jp
※本講座に関する問い合わせは上記までお願いいたします。
※本資料の無断での配布、外部組織や個人への配布・閲覧、及び二次使用は、固く
禁止させて頂きます。
問い合わせ先
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