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住友商事と食糧危機問題
3C
商社について
総合商社とは...多様な商品取引と国の内外にわたる市場の取引を扱う日本の
巨大商社を指す。
・例として、伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事があり、これ
らををまとめて五大商社と呼んでいる。
・中でも、住友商事は66カ国・地域に拠点があり、国内に22、海外に114の計
136の拠点を持っている。1919年に住友商事の前身が誕生し、1945年には、商
事部門への進出。1970年代に総合商社としての基礎を確立した。金属事業、
輸送機・建築事業、インフラ事業、メディア・デジタル事業、生活・不動産事
業、資源・科学品事業を扱うことも総合商社の1つ
参照:日本大百科全書
会社四季報2021年1月春号
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/about
・日本では、食料自給率がカロリーベースで約4割と食料の多くを輸入に
頼っていて、自給率の向上が課題とされている。
→この課題に対して、商社では食糧資源の安定調達や広く食料として安
定・安心・安全の面で日本の食料安保に貢献できる事業が展開されてき
た。これは商社のビジネスとしても十分認識されている。
一方で、商社の中でも住友商事はグローバルな視点から国内における
課題だけでなく世界規模の課題である「食糧危機」を根本から解決する
ための働きかけをしている。
参照:https://www.jftc.or.jp/shosha/activity/now/food/detail.html
https://www.jftc.jp/monthly/feature/entry-663.html
https://m.newspicks.com/book/817/article/2675641
食糧危機と商社の関係性
そもそも食糧危機とは
• 「突発的な飢饉」、「慢性的な飢饉」がある。
突発的な飢饉とは、干ばつや洪水などの自然災害、紛争などの突発的な原因で起こる飢饉。
慢性的な飢饉とは、生産性が低い、雇用される際のの賃金が安いという課題のほか、不公平な貿
易の仕組みなどによって起こる。世界から注目されることが少なく、政府、教育、環境という様々
な要因が絡む根深い問題。
先進国などに集中して食糧が行き渡り大量廃棄が存在する一方で、発展途上国には十分に行き
渡っていないことが現実である。
現在、主に発展途上国では8億2100万人(9人に1人)が栄養不足に陥っているということがWHOや
農林水産省の調べで分かっている。
参照:https://gooddo.jp/magazine/hunger/children_hunger/503/
• 飢餓の大きな要因のひとつに、悪循環がもたらす慢性的な貧困がある。
例えば、農村が貧困により種や肥料を買えず、食料の生産量が減ってしまうと食糧不足が引き起こる。
農村の収穫が減り食糧不足が発生すると社会不安が広がっていき、講義や暴動、紛争へとつながるこ
とも少なくない。紛争が起こると難民キャンプへ避難を余儀なくされ、収入がなくなる世帯が増え、貧
困がさらに広がっていく。
こうした貧困により国が食料を十分に輸入できなくなったり、財政が圧迫されて貧困世帯を保護する
ことができなくなったりすることで、食料供給が滞ってしまうというケースに発展する。
食糧危機が起こる原因は主に3つある。
原因①.慢性的な貧困
参照:https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4591
原因②:干ばつや洪水などの自然災害
・自然災害により農作物が被害を受けたり、仕事などの生活基盤が失われ
たりすることで飢饉が起こることもあり、特に干ばつの影響が大きい。
・貧しい小規模農民の90%以上が水源を雨水に頼っており、降水量が減る
と農作物が枯れてしまい、育たなくなってしまう。このことに関しては、
途上国などに関係なく起こる。
・自然災害により途上国での食料生産量が減ると、食料を輸入に頼ること
になる。発展途上国ではそうした途上国に食料を輸出するため、国民は十
分な食料を確保することができないという現状が生まれてしまう。
参照:https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4591
原因③:食品ロス(フードロス)
• 食品ロスを開発途上国へ届ける仕組みがないことも、飢餓の原因になって
いる。
食品ロスとは食べ残しや賞味期限切れにより廃棄された食料のことを指
し、世界では年間13トンが廃棄されている。世界で生産される食糧は年間
40億トンであるため、実に3割以上が捨てられていることになる。
先進国では、まだ食べられる食品(包装紙がつぶれたり、在庫として持
ち過ぎた食品)がそのまま廃棄されていますが、国際連合食糧農業機関
(FAO)によると、この食品ロスや廃棄をなくすことで20億人の人々の食料を
確保できることがわかっている。
参照:https://www.apiste.co.jp/column/detail/id=4591
飢餓の解決策
• ①先進国の食料提供 ②先進国による現地への技術伝達
• 近年では②に力を入れている。
→先進国が肥料や農薬を提供するだけでは、現地の農家の人たち
が使用方法を十分に理解できず、それらの物資が無駄になってし
まう問題が発生したため。
参照:https://m.newspicks.com/book/817/article/2675641
こういった問題を解決するために.....
2015年に国連では「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択さ
れた。
SDGs:全世界の未解決課題である格差や貧困などの課題
→17に分類(今回取り上げる食糧問題はこの中の一つ)
・国連では国際問題を先進国を含めた世界規模で議論すべきとし
ている。
・現在企業が戦略的に取り入れている。(住友商事が積極的に参
加)
参照:https://m.newspicks.com/book/817/article/2675641
住友商事の取り組み
• 水の枯渇対策を含む社会問題解決のために、推進委員を組織したり、サスティナビリ
ティ経営するなど積極的に事業を進めている
• 住友商事はこの飢饉問題に終止符を打つという目標を達成するため、「農業生産マルチ
サポート事業」というものを行っている。農業生産マルチサポート事業とは、食糧危機
の本質は食料が十分に行き渡っていないということであり、その地域で直接農業を始め
れば食材を届けるよりも効率的だという考えから、農業の仕組みが未整備な国に、現代
的な農業システムを導入するというものである。2011年に、2年超の交渉を経てルーマ
ニアの農業資材問屋アルチェドを買収し、中規模農家を対象に農薬などを直接販売して、
農薬の使い方などを指導した。
このように農業の生産性を上げられるように直接農家に寄り添うマルチサポート事業を
行うことによって、発展途上国に農業を根付かせ、結果として食糧危機を根本から解決さ
せようとしている。2015年にはブラジルでも同様の展開が始まっている。それだけでなく、
どうしても天候や市場など様々な事情に左右される農業をうまく調整して、安定できるよ
う農家を支援することもこの事業に含まれている。
参照:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_02.html#goal_top
https://m.newspicks.com/book/817/article/2675641
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/sustainability
食料資源だけでなく、水資源の提供にも着手
・地球上の水資源のほとんどは海水で、淡水はわずか2.5パーセントである。さらに
人が利用できる水の割合は0.01パーセントに過ぎない。水資源の存在量は地域により
偏っていて、中東、アフリカ、アジアなど水不足に悩む地域が多く存在する。
・住友商事では、上水だけでなく下水も併せた水ビジネスを社会インフラの重要な柱
と考え、世界各地でさまざまな取り組みを行っている。水需要の増大著しい地域など、
世界各地の有望市場において上下水処理や海水の淡水化などから完全民営化事業に至
るまで領域を広げ実績を積んできた。日本の技術を生かした安心・安全な水の提供や、
民間資本を活用した社会コスト削減要請への対応を通して、世界中に広がる水問題の
解決に貢献すべく、よりグローバルで多面的な水ビジネスへの挑戦を続けている。
参照:https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/business/case/group/30579
なぜ住友商事がこのSDGsに積極的な姿勢
をとるのか
→住友の歴史の中で大切にしている「自利利他公私一如」という
精神に基づいている。
この言葉は「自らの利益だけでなく、社会の利益も考え、使命
感を持って仕事に取り組む」という考え方で、SDGsに共通する
ところがあるから。
参照:https://newspicks.com/book/817/article/2660231
まとめ
・住友商事はあくまで総合商社の例の一つであり、それぞれの商
社が独自の視点から外国の企業と協力して社会問題の解決に取り
組んでいる。
・環境保全に関する認識を深めてもらうためのセミナーやワーク
ショップを開くなどして、教育活動や環境問題に携わる人材の育
成が勧められている。
・支援活動1つ1つが、商社が企業としての社会的責任を果たす
ことになる
参照:https://www.jftc.or.jp/environment/eco/pdf/JFTC_1_5.pdf

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