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中山間地域における“若者”移住者 収支の現状把握と移住支援方策の考察 
社団法人 中越防災安全推進機構 日野 正基
研究の背景 
中山間地域の担い手不足 
背景1 
人口減少に伴う全国の中山間地域の過疎高齢化による担い手の不足 
新潟県中越地方では、中越大震災の被害により過疎高齢化の課題が 
一挙に顕在化 
課題解決のための移住・定住支援制度が始まる 
背景2 
総務省「地域おこし協力隊」 
農林水産省「田舎で働き隊」 
中越大震災復興基金事業「インターンシップ制度」 など 
一定の移住者が出て来ている一方で、 
「移住に踏み込めない」例や「逆Uターン」する例もある
研究の目的と構成 
研究の目的 
中山間地域の新たな“担い手”として期待される移住者への支援方策の検討 
第一章 国民の地方移住に対する意識 
国民の地方移住に対する意識と移住への課題を明らかにする 
第二章 移住者の現状分析 
移住者の現状と課題を 
アンケート調査から分析する 
第三章 移住者収支の分析 
第四章 移住者への支援方策 
各章の成果から移住者への支援方策を提起する 
移住者の収入と支出の主な要因を 
ヒアリング調査から分析する
第一章 国民の地方移住に対する意識 
国民の「地方移住に対する意識」と「移住の課題」 
を明らかにする
第一章 1.国民の地方移住に対する意識 
8.9% 
8.1% 
5.0% 
6.5% 
15.0% 
9.3% 
7.3% 
11.7% 
22.2% 
11.9% 
9.4% 
13.5% 
10.7% 
6.1% 
20.6% 
30.3% 
16.9% 
15.9% 
28.5% 
20.0% 
13.4% 
0% 
5% 
10% 
15% 
20% 
25% 
30% 
35% 
全体 … 
20歳代 … 
30歳代 … 
40歳代 … 
50歳代 … 
60歳代 … 
70歳以上 … 
ある 
どちらかというとある 
※グラフ 平成17年内閣府世論調査「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」より 
農山漁村への定住志向の有無 
地方への定住志向がある人は全体で20% 
20代が30%と最も地方定住志向が高い 
さらに、東日本大震災後に国土交通省が実施したアンケートでは20代の25%が 「震災をきっかけに地方との関わりをさらに深めたい」と回答している
第一章 2.地方移住の課題 
地方移住を決める課題1つ目は『住まい』 
18.1% 
14.8% 
11.6% 
9.3% 
12.5% 
7.9% 
6.9% 
6.0% 
1.9% 
11.1% 
0.0% 
5.0% 
10.0% 
15.0% 
20.0% 
自然環境がよい 
住居がある 
土地・建物等の価格が安い 
交通の便がよい 
就労の場がある 
耕作農地がある 
気候がよい 
首都圏に近い 
歴史的文化的環境がよい 
その他 
※グラフ 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター 相談者アンケート 
0 
18% 
40% 
20% 
7% 
15% 
子どもが独立してから 
定住先での就職が決 まったら 
定住先の住居が決まっ たら 
今すぐに 
会社を定年してから 
その他 
移住を決める優先順位では15%が「住居がある」と回答 
移住のタイミングでは、40%が「住居が決まったら」と回答 
移住先を決める優先順位 
移住のタイミング
54% 
30.90% 
26.50% 
22.80% 
22.50% 
22.30% 
14.70% 
12.80% 
9.40% 
0.90% 
6.10% 
69.40% 
37.10% 
40.30% 
17.70% 
19.40% 
32.30% 
16.10% 
4.80% 
4.80% 
1.60% 
3.20% 
0% 
10% 
20% 
30% 
40% 
50% 
60% 
70% 
80% 
都市住民が定住するための仕事がない 
受け入れるサポート体制が整備されていない 
買い物、娯楽などの生活施設が少ない 
医療機関(施設)が少ない 
地域住民が都市住民の受け入れに消極的 
地域内での移動のための交通手段が不便 
近所に干渉されプライバシーが保てない 
地域の調和が崩れる 
特に問題はないと思う 
その他 
わからない 
総数 
20~29歳 
第一章 2.地方移住の課題 
地方移住を決める課題2つ目は『仕事』 
都市住民が農山漁村に定住する際の問題点 
※グラフ 平成17年内閣府世論調査「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」より 
全体の54%が「仕事がない」と回答し、20代では70%に及ぶ
第二章 移住者の収支の現状分析 
移住者の「現状」と「課題」をアンケート調査から分析する
第二章 1.アンケート調査概要 
新潟県中越地区・長野県栄村の移住者を対象にアンケート調査を実施 
調査概要 
調査時期 
2012年10月~11月 
調査範囲 
新潟県中越地区・長野県栄村の移住者 
調査内容 
移住生活に関する事 
対象世帯 
30世帯 
回収率 
80% 
8% 
54% 
21% 
17% 
その他 
単身 
夫婦 
夫婦と子ども 
22% 
35% 
17% 
4% 
13% 
9% 
20代 
30代 
40代 
50代 
60代 
70代以上 
移住者の世帯構成 
移住者の年代 
「20~30代」の「単身世帯」が中心のアンケート
第二章 2.移住者の収支分析 
移住者の収入・支出は、どちらも全国平均より下回っている 
全国平均額(A) 
移住者平均額(B) 
差額(A-B) 
月収入(総世帯) 
365,074 
167,500 
197,574 
月支出(総世帯) 
240,906 
118,571 
122,335 
月収入(単身) 
304,641 
161,818 
142,823 
月支出(単身) 
152,153 
107,692 
44,461 
収支の平均額(月額) 総務省統計局 家計調査との比較表 
総世帯の収入では、約20万円の差、支出では約12万円の差がある 
単身世帯の収入では、約14万円の差、支出で約4万円の差がある 
1カ月当たりの収支は…
第二章 3.移住者の収支分析 
単身世帯の支出が下回った主な要因は「家賃」と「食費」 
全国平均 
移住者 
1ヵ月あたり 
37,515 
24,000 
1日あたり 
1,250 
800 
一食あたり 
417 
266 
全国平均 
移住者 
金額 
20,372 
20,217 
支出に対する割合 
13% 
19% 
一方で「通信・交通費」は全国平均とほぼ同じ 
単身移住者の食費の差表 
単身移住者の通信交通費の差表 
通信・交通費は… 
移住者の月の支出の約20%を占める 
中山間地域は自家用車を使用する 
機会が多いため 
食費では… 
一日あたり450円の差 
家賃では… 
「地域おこし協力隊制度」や地元NPO 等が家賃を負担しているケースが多い
第二章 4.移住者の就業形態 
移住者は複数の業種を掛け持ちして生活の安定を図っている 
移住者の就業形態 
12% 
21% 
25% 
4% 
38% 
その他 
自営業 
就職 
年金 
複数の業種の掛け持 ち 
17% 
33% 
50% 
その他 
自営業 
複数の業種の掛 け持ち 
収入が安定していると回答した人の就業形態 
収入が安定していると回答した人の 
50%が複数の業種の掛け持ち 
業種は… 
「農業生産法人」「短期事務員」 
「デザイナー」など 
就業形態は… 
「複数の業種の掛け持ち」が最も多く 
収入の安定度は… 
「安定している」「安定していない」 
共に50%
第二章 5.移住の決め手・期待する支援策 
移住の決め手 
20代は… 
地域の「人」と「仕事」 
50~60代は… 
地域の「環境」と「住まい」 
「ボランティア」や「インターン」 
など移住前から地域との関係性が 
あり、交流を深めて移住に至る 
「新聞の連載記事」や「田舎暮らしの本」 
などメディアで情報収集をして移住に至る 
期待する移住支援策 
・移住した直後に、ある程度生活を安定できるだけの仕事と収入 
・移住者ガイドブックをつくる 
・移住者同志の集まる場 など 
収入の確保や暮らしのサポートの他に、 
移住者同志の交流の機会をつくる支援
第三章 移住者「収支」の現状分析 
移住後の「収入」と「支出」の主な要因を明らかにする。
第三章 1.ヒアリング調査の概要 
アンケート協力者からモデル世帯を抽出し 
移住時に掛かった費用・貯蓄額と移住後の貯蓄額の推移をヒアリング 
性別 
移住歴 
(2011年11月時点) 
年齢 
職業 
世帯人数 
世帯詳細 
A氏 
男性 
単身 
30代 
専業農家 
5人 
30代夫婦、子ども一人、 
兄弟1人、研修生 
B氏 
男性 
2年6ヵ月 
30代 
地域おこし協力隊 
4人 
30代夫婦、子ども2人 
C氏 
女性 
2年 
20代 
専業農家 
1人 
単身 
D氏 
男性 
2年 
20代 
自営業 
1人 
単身 
E氏 
女性 
5年1ヵ月 
30代 
NPO職員 
1人 
ヒアリング実施世帯表
第三章 2.ヒアリング調査結果(A氏) 
アルバイト生活 で貯蓄増えず 
農地の土地改良などで貯蓄減少 
除雪アルバイト で貯蓄増加 
研修生受け入れ費によ り収入源が増える 
配偶者収入に 
より貯蓄増加 
性別 
年齢 
職業 
世帯人数 
世帯詳細 
男 
30代 
専業農家 
5人 
30代夫婦、子ども一人、兄弟1人、研修生 
0 
特徴 
家賃支出が0円、生活費が月平均8万円、農業が所得がない時期は短期アルバイト
性別 
年齢 
職業 
世帯人数 
世帯詳細 
男 
30代 
地域おこし協力隊 
4人 
30代夫婦、子ども2人 
第三章 3.ヒアリング調査結果(B氏) 
農業収入で貯蓄 増加 
地域おこし協力隊収入で 
安定的に貯蓄増加 
子ども手当て 
で貯蓄増加 
子ども手当て 
で貯蓄増加 
車購入費を生命保険の解約で補う 
車検代で貯蓄額減少 
0 
特徴 
複業のよる所得向上、制度による手当て
性別 
年齢 
職業 
世帯人数 
世帯詳細 
女性 
20代 
専業農家 
1人 
第三章 4.ヒアリング調査結果(C氏) 
NPOからの手当て 
(月5万)で生活 
農業所得で 貯蓄増加 
除雪アルバイトなど で貯蓄増加 
青年就農給付金支 給で貯蓄増加 
0 
特徴 
家賃0円、生活費月5万円、年金免除制度
性別 
年齢 
職業 
世帯人数 
世帯詳細 
男性 
20代 
自営業 
1人 
第三章 5.ヒアリング調査結果(D氏) 
田舎で働き隊で 
安定的に貯蓄増加 
地域社会雇用創造事業起業 支援金で貯蓄増加 
緊急雇用制度で雇用されるが 収入が減る。 
農器具の購入な どで貯蓄減少 
0 
特徴 
田舎で働き隊、内閣府事業の活用
性別 
年齢 
職業 
世帯人数 
世帯詳細 
女性 
30代 
NPO職員 
1人 
第三章 6.ヒアリング調査結果(E氏) 
車購入で貯蓄減少 
引っ越し費用 
で貯蓄減少 
アルバイト生活で 貯蓄増えず 
NPO法人就職で安定 的に貯蓄増加 
田舎で働き隊で安定 的に貯蓄増加 
震災義捐金で貯蓄増加 
0 
特徴 
初期費用60万円、仕事がない期間の短期アルバイト
・移住の初期投資は通常100万円程度掛るが、制度の活用や 
地元とのマッチングで減らすことが出来る。 
移住の初期投資 
第三章 7.調査結果の分析 
・「地域おこし協力隊」や「田舎で働き隊」期間中は貯蓄ができる。 
・制度を活用していない時期は、短期のアルバイトなど所得の獲得機会が必要 
移住者の所得 
・「子ども手当て」や、「年金免除制度」を有効に活用することで 
支出を減らす。 
社会保障制度の活用
第四章 移住者への支援方策の検討 
各章の成果から移住者への「支援方策」を考察する。
第四章 1.これまでの成果・明らかになったこと 
・国民の地方移住への関心が高まっている 
■移住定住の課題 
・『住まい』と『仕事』 
第一章 
■移住の決め手 
・20代は “人”と“仕事“50代以降は “環境”と“住まい” 
■移住者の就業形態 
・複数の業種を掛け持ちすることで収入を安定させている 
第二章 
■移住後の初期費用と移住後の収支 
・移住に掛かる初期費用の減らすための支援の重要性 
・一定期間の就労機会の確保の重要性 
第三章
第四章 2.支援方策の検討 
・収入が安定するまでの所得獲得機会をつくる。 
1.一定期間(1年~3年程度)の所得獲得機会の創出 
・移住に掛る初期投資への補助又は、地元とのマッチングを行う。 
2.移住の初期費用の支援 
・移住者が複業するために、小さい規模のビジネスをつくる。 
4.小さなコミュニティビジネスを複数創出 
・移住者が、地域づくりに関わりながら働ける環境をつくる。 
5.移住者の地域づくり会社への労働機会の創出 
・移住が孤立しないように、相談窓口、移住者同志の交流機会をつくる。 
3.移住者の相談窓口、移住者同志の交流会
第四章 3.支援方策の検討 
模索期(1年~3年) 
助走期(3~5年) 
発展期(5~7年) 
ハードルを下げる支援 
地域に根付くための支援 
定住するための支援 
①移住にかかる初期投資 
を抑える支援 
(補助、マッチング等) 
②所得確保の機会づくり 
●地域おこし協力隊、 
田舎で働き隊など 
①地域企業への就職あっせん 
・移住者のニーズに合った就職先 の紹介 
②グループによる会社設立へ 
の起業支援 
・起業支援 
・就労機会の提供 
③個人への起業支援 
・起業支援金 
・就労機会の提供 
・設備投資の支援 (補助、レンタルなど) 
①事業の 
アフターフォロー 
移住者の相談窓口の開設・移住者の交流機会の創出、個別相談 
「地域おこし協力隊」などの制度終了後に、 
地域づくりに関わりながら所得を得られる仕組みをつくる支援が必要
第四章 2.終わりに・参考文献 
【参考文献】 
内閣府(2005年) 
世論調査『都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査』 
認定NPO法人ふるさと回帰支援センター(2011年) 
『銀座ふるさと暮らし情報センター来場者アンケート』 
【お問合せ】 
中越防災安全推進機構 復興デザインセンター 日野正基 
E-mail:hino@cosss.jp 
http://inacollege.jp/

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「地域で暮らす若者の実態」~移住者の「仕事」と「家計」を分析する

  • 2. 研究の背景 中山間地域の担い手不足 背景1 人口減少に伴う全国の中山間地域の過疎高齢化による担い手の不足 新潟県中越地方では、中越大震災の被害により過疎高齢化の課題が 一挙に顕在化 課題解決のための移住・定住支援制度が始まる 背景2 総務省「地域おこし協力隊」 農林水産省「田舎で働き隊」 中越大震災復興基金事業「インターンシップ制度」 など 一定の移住者が出て来ている一方で、 「移住に踏み込めない」例や「逆Uターン」する例もある
  • 3. 研究の目的と構成 研究の目的 中山間地域の新たな“担い手”として期待される移住者への支援方策の検討 第一章 国民の地方移住に対する意識 国民の地方移住に対する意識と移住への課題を明らかにする 第二章 移住者の現状分析 移住者の現状と課題を アンケート調査から分析する 第三章 移住者収支の分析 第四章 移住者への支援方策 各章の成果から移住者への支援方策を提起する 移住者の収入と支出の主な要因を ヒアリング調査から分析する
  • 5. 第一章 1.国民の地方移住に対する意識 8.9% 8.1% 5.0% 6.5% 15.0% 9.3% 7.3% 11.7% 22.2% 11.9% 9.4% 13.5% 10.7% 6.1% 20.6% 30.3% 16.9% 15.9% 28.5% 20.0% 13.4% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 全体 … 20歳代 … 30歳代 … 40歳代 … 50歳代 … 60歳代 … 70歳以上 … ある どちらかというとある ※グラフ 平成17年内閣府世論調査「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」より 農山漁村への定住志向の有無 地方への定住志向がある人は全体で20% 20代が30%と最も地方定住志向が高い さらに、東日本大震災後に国土交通省が実施したアンケートでは20代の25%が 「震災をきっかけに地方との関わりをさらに深めたい」と回答している
  • 6. 第一章 2.地方移住の課題 地方移住を決める課題1つ目は『住まい』 18.1% 14.8% 11.6% 9.3% 12.5% 7.9% 6.9% 6.0% 1.9% 11.1% 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 自然環境がよい 住居がある 土地・建物等の価格が安い 交通の便がよい 就労の場がある 耕作農地がある 気候がよい 首都圏に近い 歴史的文化的環境がよい その他 ※グラフ 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター 相談者アンケート 0 18% 40% 20% 7% 15% 子どもが独立してから 定住先での就職が決 まったら 定住先の住居が決まっ たら 今すぐに 会社を定年してから その他 移住を決める優先順位では15%が「住居がある」と回答 移住のタイミングでは、40%が「住居が決まったら」と回答 移住先を決める優先順位 移住のタイミング
  • 7. 54% 30.90% 26.50% 22.80% 22.50% 22.30% 14.70% 12.80% 9.40% 0.90% 6.10% 69.40% 37.10% 40.30% 17.70% 19.40% 32.30% 16.10% 4.80% 4.80% 1.60% 3.20% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 都市住民が定住するための仕事がない 受け入れるサポート体制が整備されていない 買い物、娯楽などの生活施設が少ない 医療機関(施設)が少ない 地域住民が都市住民の受け入れに消極的 地域内での移動のための交通手段が不便 近所に干渉されプライバシーが保てない 地域の調和が崩れる 特に問題はないと思う その他 わからない 総数 20~29歳 第一章 2.地方移住の課題 地方移住を決める課題2つ目は『仕事』 都市住民が農山漁村に定住する際の問題点 ※グラフ 平成17年内閣府世論調査「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」より 全体の54%が「仕事がない」と回答し、20代では70%に及ぶ
  • 9. 第二章 1.アンケート調査概要 新潟県中越地区・長野県栄村の移住者を対象にアンケート調査を実施 調査概要 調査時期 2012年10月~11月 調査範囲 新潟県中越地区・長野県栄村の移住者 調査内容 移住生活に関する事 対象世帯 30世帯 回収率 80% 8% 54% 21% 17% その他 単身 夫婦 夫婦と子ども 22% 35% 17% 4% 13% 9% 20代 30代 40代 50代 60代 70代以上 移住者の世帯構成 移住者の年代 「20~30代」の「単身世帯」が中心のアンケート
  • 10. 第二章 2.移住者の収支分析 移住者の収入・支出は、どちらも全国平均より下回っている 全国平均額(A) 移住者平均額(B) 差額(A-B) 月収入(総世帯) 365,074 167,500 197,574 月支出(総世帯) 240,906 118,571 122,335 月収入(単身) 304,641 161,818 142,823 月支出(単身) 152,153 107,692 44,461 収支の平均額(月額) 総務省統計局 家計調査との比較表 総世帯の収入では、約20万円の差、支出では約12万円の差がある 単身世帯の収入では、約14万円の差、支出で約4万円の差がある 1カ月当たりの収支は…
  • 11. 第二章 3.移住者の収支分析 単身世帯の支出が下回った主な要因は「家賃」と「食費」 全国平均 移住者 1ヵ月あたり 37,515 24,000 1日あたり 1,250 800 一食あたり 417 266 全国平均 移住者 金額 20,372 20,217 支出に対する割合 13% 19% 一方で「通信・交通費」は全国平均とほぼ同じ 単身移住者の食費の差表 単身移住者の通信交通費の差表 通信・交通費は… 移住者の月の支出の約20%を占める 中山間地域は自家用車を使用する 機会が多いため 食費では… 一日あたり450円の差 家賃では… 「地域おこし協力隊制度」や地元NPO 等が家賃を負担しているケースが多い
  • 12. 第二章 4.移住者の就業形態 移住者は複数の業種を掛け持ちして生活の安定を図っている 移住者の就業形態 12% 21% 25% 4% 38% その他 自営業 就職 年金 複数の業種の掛け持 ち 17% 33% 50% その他 自営業 複数の業種の掛 け持ち 収入が安定していると回答した人の就業形態 収入が安定していると回答した人の 50%が複数の業種の掛け持ち 業種は… 「農業生産法人」「短期事務員」 「デザイナー」など 就業形態は… 「複数の業種の掛け持ち」が最も多く 収入の安定度は… 「安定している」「安定していない」 共に50%
  • 13. 第二章 5.移住の決め手・期待する支援策 移住の決め手 20代は… 地域の「人」と「仕事」 50~60代は… 地域の「環境」と「住まい」 「ボランティア」や「インターン」 など移住前から地域との関係性が あり、交流を深めて移住に至る 「新聞の連載記事」や「田舎暮らしの本」 などメディアで情報収集をして移住に至る 期待する移住支援策 ・移住した直後に、ある程度生活を安定できるだけの仕事と収入 ・移住者ガイドブックをつくる ・移住者同志の集まる場 など 収入の確保や暮らしのサポートの他に、 移住者同志の交流の機会をつくる支援
  • 15. 第三章 1.ヒアリング調査の概要 アンケート協力者からモデル世帯を抽出し 移住時に掛かった費用・貯蓄額と移住後の貯蓄額の推移をヒアリング 性別 移住歴 (2011年11月時点) 年齢 職業 世帯人数 世帯詳細 A氏 男性 単身 30代 専業農家 5人 30代夫婦、子ども一人、 兄弟1人、研修生 B氏 男性 2年6ヵ月 30代 地域おこし協力隊 4人 30代夫婦、子ども2人 C氏 女性 2年 20代 専業農家 1人 単身 D氏 男性 2年 20代 自営業 1人 単身 E氏 女性 5年1ヵ月 30代 NPO職員 1人 ヒアリング実施世帯表
  • 16. 第三章 2.ヒアリング調査結果(A氏) アルバイト生活 で貯蓄増えず 農地の土地改良などで貯蓄減少 除雪アルバイト で貯蓄増加 研修生受け入れ費によ り収入源が増える 配偶者収入に より貯蓄増加 性別 年齢 職業 世帯人数 世帯詳細 男 30代 専業農家 5人 30代夫婦、子ども一人、兄弟1人、研修生 0 特徴 家賃支出が0円、生活費が月平均8万円、農業が所得がない時期は短期アルバイト
  • 17. 性別 年齢 職業 世帯人数 世帯詳細 男 30代 地域おこし協力隊 4人 30代夫婦、子ども2人 第三章 3.ヒアリング調査結果(B氏) 農業収入で貯蓄 増加 地域おこし協力隊収入で 安定的に貯蓄増加 子ども手当て で貯蓄増加 子ども手当て で貯蓄増加 車購入費を生命保険の解約で補う 車検代で貯蓄額減少 0 特徴 複業のよる所得向上、制度による手当て
  • 18. 性別 年齢 職業 世帯人数 世帯詳細 女性 20代 専業農家 1人 第三章 4.ヒアリング調査結果(C氏) NPOからの手当て (月5万)で生活 農業所得で 貯蓄増加 除雪アルバイトなど で貯蓄増加 青年就農給付金支 給で貯蓄増加 0 特徴 家賃0円、生活費月5万円、年金免除制度
  • 19. 性別 年齢 職業 世帯人数 世帯詳細 男性 20代 自営業 1人 第三章 5.ヒアリング調査結果(D氏) 田舎で働き隊で 安定的に貯蓄増加 地域社会雇用創造事業起業 支援金で貯蓄増加 緊急雇用制度で雇用されるが 収入が減る。 農器具の購入な どで貯蓄減少 0 特徴 田舎で働き隊、内閣府事業の活用
  • 20. 性別 年齢 職業 世帯人数 世帯詳細 女性 30代 NPO職員 1人 第三章 6.ヒアリング調査結果(E氏) 車購入で貯蓄減少 引っ越し費用 で貯蓄減少 アルバイト生活で 貯蓄増えず NPO法人就職で安定 的に貯蓄増加 田舎で働き隊で安定 的に貯蓄増加 震災義捐金で貯蓄増加 0 特徴 初期費用60万円、仕事がない期間の短期アルバイト
  • 21. ・移住の初期投資は通常100万円程度掛るが、制度の活用や 地元とのマッチングで減らすことが出来る。 移住の初期投資 第三章 7.調査結果の分析 ・「地域おこし協力隊」や「田舎で働き隊」期間中は貯蓄ができる。 ・制度を活用していない時期は、短期のアルバイトなど所得の獲得機会が必要 移住者の所得 ・「子ども手当て」や、「年金免除制度」を有効に活用することで 支出を減らす。 社会保障制度の活用
  • 23. 第四章 1.これまでの成果・明らかになったこと ・国民の地方移住への関心が高まっている ■移住定住の課題 ・『住まい』と『仕事』 第一章 ■移住の決め手 ・20代は “人”と“仕事“50代以降は “環境”と“住まい” ■移住者の就業形態 ・複数の業種を掛け持ちすることで収入を安定させている 第二章 ■移住後の初期費用と移住後の収支 ・移住に掛かる初期費用の減らすための支援の重要性 ・一定期間の就労機会の確保の重要性 第三章
  • 24. 第四章 2.支援方策の検討 ・収入が安定するまでの所得獲得機会をつくる。 1.一定期間(1年~3年程度)の所得獲得機会の創出 ・移住に掛る初期投資への補助又は、地元とのマッチングを行う。 2.移住の初期費用の支援 ・移住者が複業するために、小さい規模のビジネスをつくる。 4.小さなコミュニティビジネスを複数創出 ・移住者が、地域づくりに関わりながら働ける環境をつくる。 5.移住者の地域づくり会社への労働機会の創出 ・移住が孤立しないように、相談窓口、移住者同志の交流機会をつくる。 3.移住者の相談窓口、移住者同志の交流会
  • 25. 第四章 3.支援方策の検討 模索期(1年~3年) 助走期(3~5年) 発展期(5~7年) ハードルを下げる支援 地域に根付くための支援 定住するための支援 ①移住にかかる初期投資 を抑える支援 (補助、マッチング等) ②所得確保の機会づくり ●地域おこし協力隊、 田舎で働き隊など ①地域企業への就職あっせん ・移住者のニーズに合った就職先 の紹介 ②グループによる会社設立へ の起業支援 ・起業支援 ・就労機会の提供 ③個人への起業支援 ・起業支援金 ・就労機会の提供 ・設備投資の支援 (補助、レンタルなど) ①事業の アフターフォロー 移住者の相談窓口の開設・移住者の交流機会の創出、個別相談 「地域おこし協力隊」などの制度終了後に、 地域づくりに関わりながら所得を得られる仕組みをつくる支援が必要
  • 26. 第四章 2.終わりに・参考文献 【参考文献】 内閣府(2005年) 世論調査『都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査』 認定NPO法人ふるさと回帰支援センター(2011年) 『銀座ふるさと暮らし情報センター来場者アンケート』 【お問合せ】 中越防災安全推進機構 復興デザインセンター 日野正基 E-mail:hino@cosss.jp http://inacollege.jp/