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2019/07/10
Yuta Suzuki
視察
報告
atd2019
International Conference & Exposition
鈴木 雄太 Yuta Suzuki
⚫ 人材育成/戦略を実行する専門スキルが強み
⚫ 二児の父
⚫ Google で検索すると、49,700件Hitする(ほぼ別人)
⚫ ATD/ODNJに所属
ATD:The Association for Talent Development
ODNJ:Organization Development Network Japan
contents
atd-ICE 2019 現地視察報告
1.Overview of ATD/ATD-ICE
ATDおよびATD-ICEの概要
2.ATD-ICE 2019 Keynote+
基調講演とATD会長の”ちょっといい話”
3.Session Summary
カンファレンス・セッションのポイント
4.Session “a-ha moment“ Report
セッション別の個人的な気づき
1.Overview of ATD/ATD-ICE
ATDおよびATD-ICEの概要
5
タイトルを入力ATDとは?
ATD(Association for Talent Development)は、1943年に設立された人材開発に関する国際的な非営利団体。
本部はアメリカ合衆国ヴァージニア州アレクサンドリアにあり、世界120か国で4万人の会員を有する。
▌団体概要
⚫ 組織名称:ATD(Association for Talent Development)
⚫ 団体目的:人材開発、組織開発における国際的非営利団体
⚫ 会員数 :約4万人
⚫ 主な活動内容
• カンファレンス(国際会議)の開催
• 各種セミナーの開催
• 研究書籍の出版
• 資格認定/認証
Chair:チャールズ・フレッド
1942年に前身であるアメリカ訓練協会理事会が発足
日本はミッドウェー海戦で敗退した頃
CEO:トニー・ビンガム
6
タイトルを入力ATD-ICEとは?
ATD−ICE(International Conference & EXPO)は、毎年米国で開催する、世界最大規模の人材開発国際会議と展
示会のことで、毎年世界中から1万人以上の会員が一同に介して情報交換を行う。
7
タイトルを入力ATD-ICEの規模感
4日間で、およそ400以上の個別セッションが展開され、講演者には各領域の有識者/実践者を多数含む。
Expo(展示会)では、400社以上が最新サービスやソリューション、プロダクトを紹介している。
400+
Session/Speakers/Exhibitors
8
タイトルを入力Global Conference +
ATDは世界各地でイベントを開催しており、今年はJAPAN SUMMIT(2019/12/05-06)も予定されている。
ATDはアジア人だけでも、1000人以上が参加しており、HRD/TD領域に対する関心の高さが伺える。
熱心?なアジア人の一人
(13時間フライトで半分寝てる顔)
9
タイトルを入力ATD-ICEの雰囲気
ATD-ICEは、ちょっとしたお祭り騒ぎ。楽しみながら、真面目にHRD/TDについて議論する人たちが多かった。
ワシントンDC近郊のホテルに多くの来場者が来ているため、期間中は毎日専用の周遊バスが送迎をしてくれる。
レジストリ・カウンター 参加証(首からさげるチープなやつ) 困ったら“Ask Me”
カンファレンス・ルーム(大) フォト・スポット ATD-ICE 特設本屋さん
10
タイトルを入力Conference Daily Report
毎朝、前日の主要セッションが速報としてまとめられたデイリーレポートが配られる。
見逃したセッションがあっても、このレポートでキャッチアップすることができる。
11
タイトルを入力Global Village
ATD-ICEは海外からの参加者にも優しい。
母国語が恋しくなったり、ちょっと一息つきたい時の休憩スペースが設けられている。
12
タイトルを入力Name Card MAP
世界各国から参加した人たちが、自分の名刺を世界地図に貼るコーナーがある。
毎年恒例の人気スポットらしく、多くの参加者が記念に自分の名刺を貼って写真を撮るらしい。
13
タイトルを入力Expo / Lunch box
ATD-ICEでは465社がブースを構えたExpo(展示会)を同時に開催している。また、無料で昼食が配布される。
Expoエリアに併設された昼食会場に足を運ばせることで、他者との人事交流を促す仕掛けにしている。
14
タイトルを入力Networking Night
3日目の夜にスミソニアン国立アフリカン・アメリカン歴史文化博物館にて、エンターテイメントプログラム
「Networking Night」が開催され、ATD-ICEの学びを相互シェアする場となった。
2.ATD-ICE 2019 Keynote+
基調講演とATD会長の”ちょっといい話”
16
タイトルを入力過去のKeynote(基調講演)とキーワード
ATD-ICEでは、毎年様々な分野における専門家や、企業経営者、実践家などによる基調講演がある。
基調講演者のメッセージから「いま、世界で何が起きているか」を探るきっかけが得られる。
Arianna Huffington Stanley McChrystal Kevin Carroll
Andrea Jung Sugata Mitra Erik wahl
Simon sinek Brene Brown Jeremy Gutsche
Mark and scott kelly Kelly McGonigal Ronan Tynan
Barack Obama Marcus Buckingham Connie Podesta
2014
2015
2016
2017
2018
VUCA、Bigdata、Gamification、
Neuroscience …
Millennial、Storytelling、
Talent Development …
Learning culture、 Micro Learning 、
Workplace Learning …
Agile、Transformation、
Micro Learning、Stress …
Digital transformation(DX)、
Unconscious bias、Reskill …
17
タイトルを入力2018 Keynote : Barack Obama , 44th president of USA
。
⚫ どの会社に入るかよりも、何を達成するかにこだわる
⚫ 意味のあることはどれも難しいもの
⚫ ラーニングカルチャーをつくる
⚫ 失敗から学べる風土を作る
18
タイトルを入力2018 Keynote : Marcus Buckingham , Coach
⚫ どの会社に入るかよりも、何を達成するかにこだわる
⚫ 意味のあることはどれも難しいもの
⚫ ラーニングカルチャーをつくる
⚫ 失敗から学べる風土を作る
なかなかの
仕事に対する9つの勘違い
1.社員は愛社精神がある
2.最良の計画は実行される
3.明確な目標が伝達される
4.バランスが取れた社員がよい
5.社員はフィードバックを求める
6.評価制度は機能する
7.社員は可能性に溢れる
8.W/Lバランスを求めるべき
9.リーダーシップは大切
強みを認め、
フィードバックする
19
タイトルを入力2019 Keynote
今年は米国で絶大な人気を誇るオプラ・ウィンフリー(メディアリーダー、慈善家)を始め、マーケティン
グ専門家のセス・ゴーディン、グラミー賞の受賞経験者であるエリック・ウィテカーが登壇した。
・トークショー「The Oprah
Winfrey Show」司会者兼プロ
デューサー
・国立アフリカ系アメリカ人歴史文化
博物館の創立寄付者
・次期大統領候補
・アメリカ・マーケティング協会で唯一
殿堂入りしたマーケティング専門家
・Yoyodyne(ダイレクトマーケティング
の会社)創業者
・マーケティングに関する書籍『Purple
Cow』等、執筆多数
・作曲家/指揮者
・バーチャル合唱:Deep Field
クリエイター
・テクノロジーを駆使したイノベー
ティブな音楽アレンジの担い手
20
タイトルを入力Oprah Winfrey:Be your Truest Self in Service of Others(奉仕する真の自己)
他人にどう貢献するか、人間が元来持っている「奉仕の精神」を呼び覚まし、信じ続けることが生きる上でとても重要な意味を持つ【パーパス】少しでも私利私欲が混じれば、
結果が望ましくないものになることは多い。自らの言動には常に「意図の力(Power of Intention)」を持つと同時に、他者の「意図性」に寛容であることが求められる
【パーソナライゼーション】物事を成し遂げる善きリーダーであるために「(他者への貢献を含む)ビジョン」を持ち、「実行力」を兼ね備える必要がある。自分に嘘をつき、
自分を大切にできない人は、公私のバランスやしなやかさ【レジリエンス】を欠き、他者にも善い影響を与えることはできない。
How can I be used
to serve you?
自分の人生を使って、他人にどう貢献するのか?
21
タイトルを入力Seth Godin:Dancing on the Edge of a Revolution(革命の切っ先で踊れ)
変化の激しい世の中において「変化の後追いをする人ではなく、自ら変化を生み出す人」にならなければならない。他人と異なるやり方で、時代の先端に立つ気概を持つべき
である。フォード社が作り上げた「流れ作業」によって生み出される大量生産・画一的産物に飲み込まれ、平均的な人たちに向けたサービスが溢れる世界は急速に同質化に向
かっている【ディスラプト】今こそ、個々に合わせたサービスが必要なのではないか【パーソナライゼーション】ヒマワリ同士が互いに競争をしながら自ら成長する特性があ
るように、地中に根を生やし、長期目線で成長戦略を描く必要がある【パフォーマンス/ゴール】今、あなたがとても大変だと思っていることがあっても、情熱をもって乗り
越えてほしい【エモい】目指すゴールにたどり着く方法がわからなくても、周りにその旅に参加させ、前に進もうとするリーダーシップが求められる【ラーニングジャー
ニー】周囲はその他大勢の「あなた」を見たいワケじゃない。「あなた」だから生み出せる価値を期待されているのだ。
22
タイトルを入力Eric Whitacre:Creativity and Connection(つくって、つなげて)
自分が感情を込められる仕事(作曲)こそ転職であると思う。そういう仕事に巡り合える人はそう多くない。あと押しする指揮者(育成者)が必要なのかもしれない。どんな
に優れたリーダーシップを発揮しても、物理的なチームには限界があると考えられていたと思う。でも、テクノロジーと我々が融合することで、より大きな存在になることは
可能だ【ホールネス】今までに体感したことのない音楽を世界中に届けるために、テクノロジー(Youtubeなど)を駆使して僕自身が指揮する無音の動画をネットに公開し、
これに共感した世界中の無名のアーティストがソロの音源をシェアする奇跡が起こった。僕は多数の音源を集約し、一つの作品に仕立て上げることで、新しい世界の在り方を
創出したんだ【テクノロジー/デジタルトランスフォーメーション】
Be Part of Something Bigger Than Yourself
より大きい存在の一部になるということ
23
タイトルを入力Charles Fred:Pause is not a delay(一時停止したって遅くならないよ)
反応や刺激に対して、空間を作ること(一時停止、ポーズすること)が大事。急に反応したい時があっても、まずは一時停止する、というのを実践しよう。
この考え方は、ヴィクトール・フランクルが提唱したことに似ている。人間は「刺激」と「反応」の間に一呼吸をおいて、言動を「選択」できる、という話。
24
タイトルを入力印象的なキーワード(タグクラウド)
The keynote speakers の英文レポートをタグクラウド化すると、関心の高いキーワードが見えてきた。
特徴的なものを掲げると「Connect」や「Feedback」「VUCA」などが目立った。
25
タイトルを入力
Connecting
the dots
3.Session Summary
カンファレンス・セッションのポイント
27
タイトルを入力ATD-ICEの基本構成
ATD-ICEは、大きく4つの基本構成からなる。
International Conference(国際学会)と銘打つだけあり、メインはカンファレンスともいえる。
01
Certificate
Programs
ATD認定
プログラム
の提供
32種
03
Conference
基調講演と各
領域の有識者
による講演会
が展開される
400種
04
Expo
HRD/TDに
関する様々
なツールや
サービスを
展示される
400種
02
Pre-Conference
Workshop
有償ワーク
ショップ
プログラム
の提供
10種
28
タイトルを入力ATD-ICEのセッショントラック
No Session Track Title 2019 (2018)
1 Leadership Development:リーダーシップ開発 46(47)
2 Instructional Design:インストラクショナル・デザイン 37(38)
3 Learning Technologies:ラーニング・テクノロジー 36(44)
4 Science of Learning:ラーニングの科学 31(27)
5 Talent Management:タレント・マネジメント 30(29)
6 Training Delivery:デリバリー 29(32)
7 Learning Measurement & Analytics:効果測定と分析 17(15)
8 Career Development:キャリア開発 16(19)
9 Managing the Learning Function:学習機能の管理 15(-)
10 Global Perspective:グローバル化 12(17)
11 Sales Enablement:営業改革/最適化 12(14)
12 Management:マネジメント 12(13)
13 Healthcare:ヘルスケア 9(14)
14 Government:政府 8(6)
15 Higher Education:高等教育 4(4)
29
タイトルを入力聴講/渉猟したセッション一覧
HRD担当時代から今に至るまで、常に探求しているテーマである「統合的人事戦略」と「学習効果の最大
化」を中心にリサーチした。
Track No ID Title Speakers
Global Perspectives 1 W204 Identifying Inspirational Future Leaders Anna Kim/Bernard Champoux
2 TU117 Same Training, Half the Time: Delivering Results for Busy Learners Kimberly Devlin
3 W210 2020 Leadership: Creating Innovative Learning Journeys That Stick! Sharon Lucas
4 SU112 Jump-Start Your Microlearning Program Adam Costakes/Dan Hirt
5 M200 Caffeinated Training Design: An Engagement-Centered Process Anne Beninghof
6 TU300 The Eight Levers of High-Performing Teams Tracy Hutton
7 SU202 Resilience: Refocusing Energy in Times of Change Michael Leimbach/David Yesford
8 SU102 Talent Development Reporting Principles: Your Guide to Measurement and Reporting for L&D Dave Vance
9 SU304 Create an Impact Reporting Strategy That Sticks Cristina Hall
10 M204 The Secret to Evaluating Nearly Any Type of Training Wendy Kirkpatrick
11 TU100 ROI in Training: Fact, Fad, or Fantasy Jack Phillips
12 TU403 Real World Evaluation for an Uncertain Training Future James Kirkpatrick
13 M310 Yes! You Can Accelerate Strategy Execution Through Your Training Initiatives Edward Boon/Robert Brinkerhoff
14 M102 Assessing Assessments: How to Determine the Right Tool for Your Purpose Sharon Wingron
15 TU301 The Business Case for Learning: Designing Programs to Deliver Results Patti Phillips
16 M104 Learning Changes: Trends, Challenges, and Hype Elliott Masie
17 TU204 Beyond Gamification:Think Like a Game Designer to Create Engaging, Meaningful Instruction Karl Kapp
18 W303 360° of Separation---A New Angle on VR for Learning Nicholas Shelton
19 SU210 Today's Trends in Digital Learning Experiences: Understanding and Applying Them to Your Next Project Nick Floro
Managing the Learning Function 20 W104 Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results Chris Adams
21 TU219 Applying Motivation Science Through Motivation Conversations—A Pilot Study Susan Fowler
22 TU319 The Mashup of Sales Enablement and Sales Effectiveness to Drive Sales Productivity Mike Kunkle
23 SU404 Resilience: The Key to Thriving Amidst Change Lisa Dahmus
24 M304 Engage Them: A Framework for Building a Culture of Employee Loyalty Leena Rinne
25 W115 Build Trust Today or Lose Talent Tomorrow Randy Conley
26 SU215 One Size Won't Fit All Employee Engagement Surveys Sarah Johnson/Bradley Wilson
27 M209 Grooming the Surge of Millennial Leadership With On-the-Job Learning Jeff Miller
28 SU415 Why Feedback Fails, and What You Can Do About It Dianna Anderson
Talent Management
Instructional Design
Leadership Development
Learning Measurement & Analytics
Learning Technologies
Sales Enablement
30
タイトルを入力環境認識と課題意識
VUCA時代において、従来の人材戦略、既存のシステム/スピード感では立ち行かなくなってきている。
しかし、HRD/TDの変革は他領域に比べて技術革新が遅れ気味で、伝統的な戦略を展開している企業が多い。
将来の変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高いVUCA時代において、一般的な企業が確立してきた従来の人材戦略、既存のシステム/スピード感では立ち行かなくなってき
ている。しかしながら、HRD/TDの変革は他領域に比べてテクノロジー活用が遅れ気味で、旧態依然とした伝統的な人材戦略を推進している企業が少なくない。一方で、No
Rating制度、AI採用、blockchainsによる人材管理、xRを活用したスキル研修など、企業と人の融合を加速させるデジタルトランスフォーメーションを遂げ、VUCA時代とい
う荒波を泳ぎ続ける企業も存在する。今、人的資源である「我々」に何が起きているのか?最新潮流から見極めていきたい。
経営
戦略
Complexity
複雑性
VUCA
人事
戦略
情報
可視化
人材
選出
採用
育成
異動
再開発
Uncertainty
不確実性
Volatilely
変動性
Ambiguity
曖昧性
配置 評価
 経営と人事の分断
 経営環境の複雑化
/人材の多様化に
よる戦略の明瞭さ
の低下
 人事情報の点在/
統合的人事基盤の
欠如
 Bigdata未活用
 マッチング遅延に
よる機会損失
 多段型の採用プロ
セス/適性検査に
よる人材の同質化
 管理職昇進時期の
高齢化による若年
層リーダーシップ
の未発達
 評価制度の形骸化、
曖昧な評価、遅い
フィードバック
 合理的理由のない
非効率な地方転勤
 若年層や中堅層の
離職
HRD/TD
顕在
課題
今、人的資源である「我々」に何が起きているのか?最新潮流を見極めていきたい
31
タイトルを入力
82% of people say they don’t trust their boss to tell the truth Research has shown people trust a
stranger more than their boss Sources.
50% of employees who distrust their senior leaders are considering leaving the organization
82%の従業員が、上司から信頼されていないと感じていて、上司よりも見知らぬ人を信頼している。
上長に不満を持つ50%の従業員が会社を辞めようとしている。
People are quitting their jobs at the fastest rate since 2001. 40% of employees thinking of quitting
due to burnout.
2001年以降、従業員はいとも簡単に会社を辞めていく。40%の従業員がバーンアウトで仕事を辞めようか悩んでいる。
20% are planning on looking for a job in the next 2 years. 20% will leave in the next five years.
今後、2年のうちに転職活動する人=20% さらに、5年のうちに会社を去る人=20%
45% of employers are struggling to fill roles. “With record talent shortages around the world, it’s
no longer a question of simply finding talent; we need to build it.”
経営者の45%は、本当にまいってる。慢性的な人材不足だから、人材採用よりも人材開発に力点が置かれている。
ショッキングなデータ
今、人的資源である「我々」に起きていることを、データから眺める。
総じて言えることは、企業はこれまでにないほど「人間関係が希薄になっている」ということ。
32
タイトルを入力個を取り巻く変化
個を取り巻く変化とHRD/TD領域における最新潮流を一枚にまとめた資料を引用する。
キーワードは“パーソナライゼーション” 以降は特に「Feedback」と「Team Engagement」に着目する。
従業員のパーソナルな情報を集約し、一人ひとりにあった学習方法/教材の選択や、様々な事象と結合させることで、学び続ける環境を提供する(ラーニングジャーニー)
高度なパーソナライズが求められる背景には、VUCA時代の影響を受けている。環境変動が大きいため、計画的な人材戦略が立てずらく、常にテクノロジーを駆使した即時的
な適応が求められるのと同時に、個々の学習優位性を最大限考慮した学習環境の提供が人材開発において重要になってくる。
SU210:Today's Trends in Digital Learning Experiences: Understanding and Applying Them to Your Next Project
33
タイトルを入力個を取り巻く変化
コネクト(つながり) ゲーミニフィケーション 個人学習のネットワーク
パーソナライゼーション 経験(学習) (テクノロジーの発展)
フレキシブル マイクロラーニング
検索性 いつでも、欲しいままに
動画 文脈(ストーリー)
協働 選択肢
エンゲージメント ロールプレイング
褒章(ほめる) スコア
シェア 実験
別ルート 学習(ジャーニー)
メンター
機械学習 (自己認知・自己卓越)
チャットボット パーソナライゼーション
アダプティブ・ラーニング/適応学習
xR(AR、VR)
(AI)スピーカー
モバイル
ラフ/概略 デザイン
フィードバック (改善)進化
プロトタイピング/試す
和訳によって原意が損なわれるものに関しては、かっこ書きで、個人的な意訳で表現している。
本マップにおける各項目は今後もHRD/TDの発展において、主要素として扱われるものと確信している。
34
タイトルを入力フィードバックの在り方を再考する 1/2
フィードバックの関心は、今後も高まることが予想される。半期に一度の上位者からの評価だけでは、従業
員の成長促進につながらないとされ、今後は客観的な事実を伝える「頻繁な対話機会」の創出が求められる。
フィードバックとは評価やアドバイスではなく、事実を伝える行為である定義
注目
背景
変化が激しい世の中では、客観的で即時的な反応が求められる
しかし、フィードバックを与える/受ける人のリテラシーの低さが課題
SU415:Why Feedback Fails, and What You Can Do About It
We Lump It All Together.(まとめて伝える)
It’s For the Wrong Person.(間違いを指摘するもの)
Asking, “What’s Wrong?”.(「悪いの?」と言い返す)
We Don’t Know What to do with It.(行動が変わらない)
We View it as an Evaluative Event.(評価だと思う)
1
2
3
4
5
5 Reasons Feedback Fails
与える人
(そもそも)伝え方を知らない/ヘタ
日本人はフィードバック頻度が少ない
受ける人
フィードバックを自分から求めない
フィードバックを受け止めない
35
タイトルを入力
▌フィードバックの役回りを再定義する
▌“フィードバックは贈り物“という文化
フィードバックの在り方を再考する 2/2
フィードバックはパフォーマンスを約1.7~1.8倍に高めることにつながる。
しかし、一方でフィードバックは心理的負担を伴うため、与える/受ける人のリテラシー向上が不可欠。
SU110:Why We Fear Feedback, and How to Fix It
どのような状況であっても、フィードバックを受け止める平静さを持とう。
フィードバックは自己成長(Growth Mindset)につながるものであり、
自ら積極的に得ようと試みよう。
相手に求められた時だけではなく、自ら積極的にフィードバックしよう。
事実を伝える行為は、常に”否定”と受け止められるリスクをはらんでいる。
フィードバックを受ける時、自分を「完成された最終形」と捉えているか、
あるいは「進化の余地がある」と捉えているかによって、効果に差が出る。
36
タイトルを入力チームの在り方を進化させる 1/2
チームは、リーダーのメンバーとの関わり方に大きく影響を受ける。リーダーがメンバーに対して声をかけ
る頻度が高いほど、メンバーはリーダーの関心が自分たちの向いていると感じ、エンゲージメントが高まる。
29%
46%
Team Leaders who connected with Team
Members less than 30% of the time.
リーダーがチームのために、自分の時間を30%し
か費やさないと、29%しかエンゲージされない。
Team Leaders who connected with Team
Members greater than 80% of the time.
リーダーがチームのために、自分の時間を80%費やす
と、46%がエンゲージされる。
このデータから考察できることは二つある。一つは、リーダーがチームために時間を使うと、メンバーのエンゲージメントを高めるということ。もう一つは、多大な時間をか
けたとしても、チームのエンゲージメントは比例しない、ということ。つまり、チームのために費やした時間の中で、どのようなコミュニケーションをとるか(対話の観点)
にエンゲージメントは影響を受ける。例えば、リーダーがメンバーの「強み」にフォーカスした対話をとると、エンゲージメントは67%向上するが、「弱み」にフォーカスす
ると31%しか向上しない、といったことが、ギャラップ社の180万人のエンゲージメント調査から明らかになっている。
37
タイトルを入力チームの在り方を進化させる 2/2
文化としてのフィードバックが根付いた状態では、チームのエンゲージメントが高いことがわかっている。
高い成果を発揮するチームには、8つのレバー(≒ポイント)がある。
TU300:The Eight Levers of High-Performing Teams
Purpose
存在意義
Excellence
卓越
Support
支援
Future
未来志向
ME(自分)WE(チーム)
I am really enthusiastic about the
mission of my company.
会社のミッションに対して本当に熱心か?
1
At work, I clearly understand what is
expected of me.
職場からの期待を理解しているか?
2
In my team, I am surrounded by
people who share my values.
価値観をチームと共有できているか?
3
I have a chance to use my strengths
every day at work.
強みを活かして働くことができているか?
4
My teammates have my back.
チームが後ろにいてくれると信じられるか?5
I Know I will be recognized for
excellent work.
貢献を認めてもらえている実感があるか?
6
I have great confidence in my
company's future.
会社が発展している将来を信じているか?
7
In my work , I am always challenged
to grow.
仕事に通じて、常に成長し続けているか?
8
38
タイトルを入力Insight:Our Iceberg is Melting/John Kotter(邦題:カモメになったペンギン)
個を取り巻く変化のうち、今回はFBとチームのエンゲージメントについて着目したが、この前提は個や
チームにおいて「変化に感受的で、成長し続ける」マインドが共有されているということ。
FBリテラシー 8つのレバー
 FBをもらう姿勢
 正しいFBの仕方
 FBの頻度を高める
 FBを受けて行動を変える
 FBが日常となる文化
うかうかしていられない。
氷山が溶ける(ディスラプト)のは時間の問題だよ。
 チームに目を向ける
 強みに注目する
 会社の価値観と共鳴する
 仕事で成長を実感する
Growth Mindset
4.Session “a-ha moment“ Report
セッション別の個人的な気づき
40
タイトルを入力聴講/渉猟したセッション一覧
聴講/渉猟したセッションのうち、”a-ha moment”(なるほど!)と感じたものを中心にまとめる。
下記一覧のうち 部分がレポート対象となっている。
Track No ID Title Speakers
Global Perspectives 1 W204 Identifying Inspirational Future Leaders Anna Kim/Bernard Champoux
2 TU117 Same Training, Half the Time: Delivering Results for Busy Learners Kimberly Devlin
3 W210 2020 Leadership: Creating Innovative Learning Journeys That Stick! Sharon Lucas
4 SU112 Jump-Start Your Microlearning Program Adam Costakes/Dan Hirt
5 M200 Caffeinated Training Design: An Engagement-Centered Process Anne Beninghof
6 TU300 The Eight Levers of High-Performing Teams Tracy Hutton
7 SU202 Resilience: Refocusing Energy in Times of Change Michael Leimbach/David Yesford
8 SU102 Talent Development Reporting Principles: Your Guide to Measurement and Reporting for L&D Dave Vance
9 SU304 Create an Impact Reporting Strategy That Sticks Cristina Hall
10 M204 The Secret to Evaluating Nearly Any Type of Training Wendy Kirkpatrick
11 TU100 ROI in Training: Fact, Fad, or Fantasy Jack Phillips
12 TU403 Real World Evaluation for an Uncertain Training Future James Kirkpatrick
13 M310 Yes! You Can Accelerate Strategy Execution Through Your Training Initiatives Edward Boon/Robert Brinkerhoff
14 M102 Assessing Assessments: How to Determine the Right Tool for Your Purpose Sharon Wingron
15 TU301 The Business Case for Learning: Designing Programs to Deliver Results Patti Phillips
16 M104 Learning Changes: Trends, Challenges, and Hype Elliott Masie
17 TU204 Beyond Gamification:Think Like a Game Designer to Create Engaging, Meaningful Instruction Karl Kapp
18 W303 360° of Separation---A New Angle on VR for Learning Nicholas Shelton
19 SU210 Today's Trends in Digital Learning Experiences: Understanding and Applying Them to Your Next Project Nick Floro
Managing the Learning Function 20 W104 Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results Chris Adams
21 TU219 Applying Motivation Science Through Motivation Conversations—A Pilot Study Susan Fowler
22 TU319 The Mashup of Sales Enablement and Sales Effectiveness to Drive Sales Productivity Mike Kunkle
23 SU404 Resilience: The Key to Thriving Amidst Change Lisa Dahmus
24 M304 Engage Them: A Framework for Building a Culture of Employee Loyalty Leena Rinne
25 W115 Build Trust Today or Lose Talent Tomorrow Randy Conley
26 SU215 One Size Won't Fit All Employee Engagement Surveys Sarah Johnson/Bradley Wilson
27 M209 Grooming the Surge of Millennial Leadership With On-the-Job Learning Jeff Miller
28 SU415 Why Feedback Fails, and What You Can Do About It Dianna Anderson
Talent Management
Instructional Design
Leadership Development
Learning Measurement & Analytics
Learning Technologies
Sales Enablement
Kimberly Devlin
Sharon Lucas
Adam Costakes/Dan Hirt
Anne Beninghof
Tracy Hutton
Michael Leimbach/David Yesford
eporting for L&D Dave Vance
Cristina Hall
Wendy Kirkpatrick
Jack Phillips
James Kirkpatrick
s Edward Boon/Robert Brinkerhoff
Sharon Wingron
Patti Phillips
Elliott Masie
ngful Instruction Karl Kapp
Nicholas Shelton
Them to Your Next Project Nick Floro
Chris Adams
y Susan Fowler
ductivity Mike Kunkle
Lisa Dahmus
Leena Rinne
Randy Conley
Sarah Johnson/Bradley Wilson
Jeff Miller
Dianna Anderson
41
タイトルを入力
Tracy Hutton
Vice President of Coaching The
Marcus Buckingham Company
TU300:The Eight Levers of High-Performing Teams
5月21日(火)3限目:よい成果を残すチームになるための”8つのポイント“
高い成果を発揮するチームにおける、8つのレバー(≒ポイント)について、ギャラップ社のハイパフォー
マー調査に基づいて提言したセッション。昨年の基調講演でも好評だったマーカス・バッキンガム氏が代表
を務める企業であることもあり、立ち見客も出るほどの盛況ぶりだった。
The Eight Levers
 高い成果を発揮するチームは「チェックイン」
を行い、「今」にフォーカスしている
 相手に注目すると、エンゲージメントを46%高
める(普通に会話をするだけでは、30%以下し
かエンゲージされない)
 相手の良い点についてフォーカスしないと、相
手の働きぶりを認められない
a-ha moment
42
タイトルを入力SU202:Resilience: Refocusing Energy in Times of Change
5月19日(日)2限目:しなやかさ:VUCA時代におけるモチベーションへの再注目
変革におけるレジリエンスを高めるために、リーダーが対応すべきメンバーとの関わり方や、メンバーのエ
ネルギー(≒モチベーション)の管理方法について述べたセッション。
Michael Leimbach
Vice President of Global Research
and Development Wilson
Learning
David Yesford
Senior Vice President Wilson Learning
 レジリエンスとは、Durability(耐久性)+Sustainability(持続性)である
 変化に対するレジリエンスが低いと、変化をストレスに感じ、喪失感やエネル
ギー減退を招く
 喪失感は「置いて行かれた」という感覚に近く、変化に適応しようという気概
すら奪う
 自分自身の喪失感を認知しなければ、レジリエンスは発揮できない(多くの人
は「自分の切り離されてた世界」において「変化」が起きていると感じていて、
今の自分の位置づけが「ゆらぐ」ことが気になっていて、変化を認知しようと
しない)
 従業員の中には「不合理な楽観主義(なんでも、大丈夫大丈夫と思い込む)」
がいるが、これは問題を直視せずに逃げているだけで、思考や選択をしていな
い傾向がとても強い(対話で認知を変えることは難しく、かなり「粘り強さ」
が求められる)
a-ha moment Leading Change
支援的介入
喪失感
の認知
レジリエンス
を高める
自己変化
を促す
43
タイトルを入力SU102:Talent Development Reporting Principles: Your Guide to Measurement and Reporting for L&D
5月19日(日)1限目:TDレポートの原則:あなたの人材育成の効果測定レポートにおけるガイド
人材育成施策における効果測定に関して、古典的なカーク・パトリック理論をベースにした独自のレポート
標準を紹介したセッション。経営目的(Business Goal)に紐づく施策目標の設定、施策設計、効果測定に
至るまで、サンプル基準を提示しながら企業実践の事例を解説した。
Dave Vance
Executive Director Center for
Talent Reporting
 3つのレポート(効果測定)の目線
①研修そのもの効果(理解度など)
②研修の効率性(コンテンツ開発スピード、定員数、開催回転数など)
③研修施策によってもたらされる、経営目的への達成度
 学習要素を職場実践させられない研修は、予算の無駄/クソ
 ある研究結果では、50~70%が無駄になっている(実践30%程度でも効果性は高い)
 研修効果の程度(30%くらい)を経営者と合意しておくとよい
→多くの経営者は「研修実施」=「100%行動変容」という結果を期待している
→だから研修に携わる人は、勇気をもって研修効果の程度を訴えていくべきである
 レポートには「研修結果」と「考察」だけが書かれることが多いが、本来は「経営目的(≒
施策背景)」と「施策目標」、達成に向けた「施策概要」を明記した上で、施策結果と考察
を述べるべきであるが、部分的報告に留まっているケースが多い
a-ha moment
研修レポートの構成
1. 研修目的(経営目標)
2. 研修目標
3. 研修概要
4. 研修結果
5. 考察
ここしか書かないレポートが多い
Training that can not practice what you have
learned in the workplace is a waste of budget.
学んだことを職場で実践させられない研修はクソだ。
44
タイトルを入力SU304:Create an Impact Reporting Strategy That Sticks
5月19日(日)3限目:インパクトのある”刺さる戦略”レポートの作り方
戦略的で経営にインパクトを与えるレポートはどうあるべきか、について主張したセッション。レポートの
作成方法や、レポートの展開方法について言及し、経営目的に資するレポートを発信することで、研修予算
の妥当性を高め、継続的な企業成長を期待できる旨、主張していた。
Cristina Hall
Vice President, Strategy
Explorance
 レポート作成者は他人も同じレポートから同じメッセージを受けてもらっている、と思い込
まないようにして、明確なレポート目的を明文化することが重要である
 よく「レポートに何を期待していますか」と、聞いて回る人がいるが、多くの経営者者は、
人材育成施策に対して「思いついたこと」を言っているケースが多い
→例えば「受講者の満足度」や「講師評価」などの報告項目は、誰もが思いつく項目
→問われたときに「答えやすい」ものは、意味もなく、時間の無駄遣い
 基本的に「読み手」に操作を促すようなレポートは読んでくれない
→組織あるある「こんなレポートがあるんだね」とフィードバックされることがある
→これは「レポート公開場所」が煩雑で、読み手が探すのを諦められていることに起因する
 スクラップラーニングとは、職場実践を促すことができない会社に不利益をもたらすゴミ
→見極め方は単純で、どれだけ職場実践できているか、サーベイで調査するとわかる
a-ha moment
良いレポートは…
①正しい相手
②正しいデータ
③正しいタイミング
④意思決定を促す
⑤行動変容を促す
How much is SCRAP LEARNING
costing your organization?
45
タイトルを入力M204:The Secret to Evaluating Nearly Any Type of Training
5月20日(月)2限目:ほぼあらゆる種類のトレーニングを評価する秘訣
複合型の研修形式が増える中「どのように研修効果を測定すべきか」について、評価計画から測定方法に至
るまで、戦術的な問いを用いて、簡単に整理する仕方について言及したセッション。
Wendy Kirkpatrick
President Kirkpatrick Partners
 経営者に「どのようなスキルを身に着けてほしいか?」と聞い
ても、明確に表現できないケースがあるので留意してほしい
(適当に発言するかも)
 教材を設計/開発する前に、ビジネスゴールや研修ニーズを把
握し、更に研修効果の「評価基準」を先に立てることが肝要で
ある:SIのVモデル(設計とテストを予め計画する)と同じ発想
 評価基準を検討する際は、質問を構造的に組み立てて、対話
ベースで具体化するとよい
 質問の構造
1.Business Goalはどこか
2.Programに求められるものは何か
3.職場で何を実践させるべきか
a-ha moment
開発する研修が経営目標に資するか、まず議論する
・期待する成果とどの程度一致するか?
・達成度合いを、誰が、どのように判断するか?
・期待する成果がでない場合、どうするか?
46
タイトルを入力TU100:ROI in Training: Fact, Fad, or Fantasy
5月21日(火)1限目:トレーニングにおけるROIの事実、流行、ファンタジー
教育現場における「ROI」の現実、流行、夢物語というテーマで、カーク・パトリックの4段階評価に、
ROIを追加したジャック・フィリップスが登壇したセッション。ROIによる効果測定は、既存施策の改善に
用いることと、将来の施策(研修設計)の品質を高めることに役立つ、とのメッセージがあった。
Jack Phillips
Chairman ROI Institute
 ROI=Return on Investmentは、研修コストに対して、得られた利益を計算/評価するも
のだが、実施している企業は少ない(研修価値の測定は、まだ歴史が浅い)
 米国の主要100社の調査においてもLevel-1は100%(すべての研修に)採用
 Level-2は60%、Level-3は30%、Level-4は10%、Level-5は5%の研修に採用している
 ビジネスゴールにインパクトを与える研修にフォーカスして測定する
→研修は「100%測定しないといけない」という考えを捨てなさい
 研修効果を測る場合は、まず「静止点」でとらえることが重要
→研修結果(データ)を取り出して、孤立させた状態で「事実」をとらえる
→他の変数を排除した状態で、まず「現状」をつかむことが大切(信憑性を高める)
→通常、ビジネスゴールの達成には、様々な変数が求められる
→ROIでは、ビジネスゴールに対する関係性を明確にする必要がある
→このため、複合的なプログラムのインパクトを測定/説明することは難しい
→主要な要素に絞ったもので説明できるよう、予め経営者と協議することが大切
a-ha moment
ROIは流行りもので、一部の人しか使わないという幻
想が横行しているが、現代において誤った認識である。
むしろ、変化の激しい時代だからこそ、まず「投資収
益(ROI)」から考えるべきであろう。
Evaluation Planning &
the “V” Model
47
タイトルを入力TU403:Real World Evaluation for an Uncertain Training Future
5月21日(火)4限目:不確実な時代における研修の未来、現実世界の評価
4段階評価で有名なカーク・パトリックの息子による「不確実性の高い研修の未来における、現実的な評
価」に関するセッション。従来、Lv.1のReaction(反応)から段階的に評価することが通説だったモデル
を大胆にも逆転させ、Lv.4のResults(業績)から評価することについて言及していた。
Jim Kirkpatrick
Senior Consultant Kirkpatrick
Partners
 効果測定する狙いは2つ
1.既存の教育プログラムを改善するため
2.教育効果を立証し、将来の投資を獲得するため
 受講者のFB(アンケート)に頼った改善は、方向性を誤る可能性が含まれている
→受講者は「組織において成果が出ているか」という目線を持っていない
 測定モデルは従来、Lv.1から段階的に進めることを推奨していたが、近年の変化
に素早く適応するためには、Lv.4を意識した研修設計が求められる(これは父、
カーク・パトリック)が他界する数日前に、効果測定は「Lv.4の業績定義と研修
の紐づけから入るとよい」との言葉にヒントを得たもの
 Lv.1の段階で「Lv.3(行動変容)」への動機を確認するとよい
→例)○○について行動/実践できると思うか?
□一人でできる
□補助があればできる
□できない/しない
a-ha moment
48
タイトルを入力TU204:Beyond Gamification:Think Like a Game Designer to Create Engaging, Meaningful Instruction
5月21日(火)2限目:ゲーミニフィケーションの向こう側:ゲームデザイナーのように魅力的で意味ある研修設計を考えよう
昨今注目されている「ゲーミフィケーション」を、どのように研修設計に応用すべきか、通常の講演形式で
はなく、聴講者の参加意欲を高める「ゲーム要素」を散りばめたインタラクティブ形式のセッション。
Karl Kapp
Professor Bloomsburg University
 テレビゲームは、内発的な動機付けを促すのが上手い
 聴講者に「教えない」ことが大事、聴講者は「勝手に学ぶ」から
 外部からの動機付けは長続きしないことが多い
→家で決められたことを達成すると「★」シールを渡す(これは続かない)
 ゲームでの失敗は、脳の発育を手助けしていることがわかっている
 アフォーダンス
→ビデオゲーム(マリオ)は、説明なくゲームが始まる
→まずはやってみな、ということも成人教育には必要なこと
 4)謎を演出するための要素
→1.Novelty:新規性(体験できないもの)
→2.Complexity:複雑性
→3.Inconsistency:矛盾
→4.Surprise:驚き
→5.Incomplete Information:不十分な情報
→6.Inability to predict the future:展開が読めない
a-ha moment
1 Story(物語)
2 Audience Input(聴講者の参加)
3 Questions(問いかけ)
4 Mystery/Curiosity(謎)
5 Characters(登場人物)
6 Action(実践・お砂場/練習)
7 Feedback(フィードバック)
8 Fantasy(空想≒非日常)
意欲を高めるゲーム要素8
49
タイトルを入力W104:Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results
5月22日(水)1限目:戦略的(戦術的ではない)結果を提供する組織を設計する
組織をデザインするにために求められる「戦略」と「戦術」の視点を対比しながら、4つのステップに沿っ
たタレントマネジメントについて解説したセッション。ステップ毎の実践ポイントも具体的に言及している。
Chris Adams
Senior Consultant Handshaw, Inc.
 戦術レベルの実行は、何も結果を残さないケースがある
 ビジネスゴールを満たすか、という観点を含まないものは
すべて「戦術的」である
 今後の戦略には「持続可能性」の観点も含める必要がある
 実行フェーズは、施策の量が多く、緊急性が高いのため、
重要なものを見過ごしてしまいがち
 戦略的にステークホルダーと関係性を作る専門家も必要
 戦略的なアプローチを実践しようとした場合、従業員は自
分に何を求められているか、理解していないし、そういう
話し合いの場を設けていない(興味を持ってくれない)
a-ha moment
 ビジネス3つの目線
1)Transactional(業務LV)発生業務を「こなす」だけ
2)Tactical(戦術LV)リソースを活用して施策を実施する
3)Strategic(戦略LV)長期的、原因複数、横断的、複数施策
 戦略的な仕事を進めるための6つの前提条件
1)ビジネスニーズがあるのか、必ず確認する(大抵が曖昧)
2)真のクライアント/ステークホルダーにアクセスできる
3)一つ以上のチーム(部門)の業績を変えることができる
4)責任を持って、一緒に進めてくれるパートナーがいる
5)必要リソースを調達できる
6)一部のチーム(部門)の変化が、全体に影響をあたえる
 戦略実行のための4つのステップ
1)まず、企業ミッション(≒ビジネスニーズ)に合意する
2)実行プロセスを調整する
2-1)仲間づくり
2-2)現状認識(アセスメント)
2-3)意図性を持った実行計画を立てる
2-4)測定方法を決める
3)戦略実行に求められる組織構造を見直す
4)戦略実行に求められる人員と職場環境を調整する
 ただ働くだけで、ビジネスの仕組みを知らない人は多い(批判
ではない、従業員は戦略の教育を受けていない)
 迷うかもしれないが、まずは小さいところから始めてみよう
50
タイトルを入力SU404:Resilience: The Key to Thriving Amidst Change
5月19日(日)4限目:しなやかさ:VUCA時代を生き抜くためのカギ
レジリエンスを高めるため、個人やチームレベルで簡単にできる「変化の認知」方法について持論を展開し
たセッション。脳科学のアプローチから、変化や破壊(Disrupt)の受け止め方についても言及し、思考結
果を1シートにまとめる方法について解説していた。
Lisa Dahmus
Director, Leadership
Development Honeywell
 レジエンスとは、不安/混乱があっても、それを受け止め、す
ぐに立ち上がること
 変化を避ける心理は、「我々は変化によって、意思決定を求め
られる」が、何かを決めるということはとても心的な負担がか
かる(ので、脳科学的にも避ける傾向がある)
 認知を高め、行動に移すために
1)変化要因を認知する
2)変化に対する感情/反応を言語化する
3)どのような対処策/回避策を打とうとしているか言語化する
4)ポジティブな行動による自分の変化(状態)を描く
a-ha moment
役割:
人生の役割がなくなったり変化したりする1
関係:
大事な人との関係が深くなる/決裂する2
日常生活:
物事をいつ/どのように行うかが変化する3
自己認知:
自分自身に対する見方が変化する4
Step.1:変化要因を認知する
Step.2:変化要因に対する感情/反応の言語化
Step.3:変化要因に対する対処方法(解消法)
Step.4:自身の変化(よい状態)を思い描く
Resilience Mapping
51
タイトルを入力M304:Engage Them: A Framework for Building a Culture of Employee Loyalty
5月20日(月)3限目:よいチーム:ロイヤリティを高めるチーム文化のフレームワーク
組織エンゲージメントを高めるために、組織文化の性質について解説し、リーダー中心に従業員のロイヤリ
ティを高めるアプローチについて言及したセッション。フランクリン・コヴィーが培ったベストプラクティ
スを応用して、組織関係の基盤に求められる要素を体系化したものを紹介している。
Leena Rinne
VP of Consulting Franklin Covey
 ロイヤリティ(忠誠心)は、企業発展に不可欠なものである
→従業員とお客様にロイヤリティを発揮してもらうことが望ましい
 従業員のロイヤリティが低いと、様々な問題を引き起こす
→不満を持っている従業員は、会社の批判をSNSで公開する可能性がある
→不満分子は職場で、あっという間に伝染するので、早急な対処が必要
 組織文化は、企業が一番関心を持っているテーマであるのに、その言葉は曖
昧に捉えられていることが少なくない
→文化は、従業員が話をすることで生まれる
→文化とは、通常の制度、組織体制など(ハード面)に影響を受けている
→文化とは、ステークホルダーとの関係性が育む
→文化とは、我々はどのような行動をとるか、の指針となる
 文化に大きな影響を当たるのは、リーダーの枠組み(右図)である
→リーダーの枠組みによって、共通の見方/考え方を作ることができる
→枠組みによって、組織の結束力を高めるアプローチの土壌ができる
a-ha moment
 Empathy:共鳴(共感しなければ、高い結束はない)
→実践はConnect(つながって)、Listen(聞く)こと
→つながりを作ることで、理解者を見つける
→相手の話を「聞き取る」ことを継続する
 Responsibility:責任(一貫性を保つ責任がある)
→実践はDiscover(発見)とFollow up(フォロー)
→従業員/顧客の真のニーズを探って「発見する」
→発見結果は、実行に責任をもって「フォローする」
 Generosity:寛容性(逸脱や多様性を寛容的に認める)
→実践はShare(共有)とSurprise(驚き)が必要
→よいことがあったら「共有」する
→小さな言動においても、「驚き」を演出する
How can I be used
to serve you?
Oprah Winfrey
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190630 atd ice-2019_report(share)

  • 2. 鈴木 雄太 Yuta Suzuki ⚫ 人材育成/戦略を実行する専門スキルが強み ⚫ 二児の父 ⚫ Google で検索すると、49,700件Hitする(ほぼ別人) ⚫ ATD/ODNJに所属 ATD:The Association for Talent Development ODNJ:Organization Development Network Japan
  • 3. contents atd-ICE 2019 現地視察報告 1.Overview of ATD/ATD-ICE ATDおよびATD-ICEの概要 2.ATD-ICE 2019 Keynote+ 基調講演とATD会長の”ちょっといい話” 3.Session Summary カンファレンス・セッションのポイント 4.Session “a-ha moment“ Report セッション別の個人的な気づき
  • 5. 5 タイトルを入力ATDとは? ATD(Association for Talent Development)は、1943年に設立された人材開発に関する国際的な非営利団体。 本部はアメリカ合衆国ヴァージニア州アレクサンドリアにあり、世界120か国で4万人の会員を有する。 ▌団体概要 ⚫ 組織名称:ATD(Association for Talent Development) ⚫ 団体目的:人材開発、組織開発における国際的非営利団体 ⚫ 会員数 :約4万人 ⚫ 主な活動内容 • カンファレンス(国際会議)の開催 • 各種セミナーの開催 • 研究書籍の出版 • 資格認定/認証 Chair:チャールズ・フレッド 1942年に前身であるアメリカ訓練協会理事会が発足 日本はミッドウェー海戦で敗退した頃 CEO:トニー・ビンガム
  • 6. 6 タイトルを入力ATD-ICEとは? ATD−ICE(International Conference & EXPO)は、毎年米国で開催する、世界最大規模の人材開発国際会議と展 示会のことで、毎年世界中から1万人以上の会員が一同に介して情報交換を行う。
  • 8. 8 タイトルを入力Global Conference + ATDは世界各地でイベントを開催しており、今年はJAPAN SUMMIT(2019/12/05-06)も予定されている。 ATDはアジア人だけでも、1000人以上が参加しており、HRD/TD領域に対する関心の高さが伺える。 熱心?なアジア人の一人 (13時間フライトで半分寝てる顔)
  • 13. 13 タイトルを入力Expo / Lunch box ATD-ICEでは465社がブースを構えたExpo(展示会)を同時に開催している。また、無料で昼食が配布される。 Expoエリアに併設された昼食会場に足を運ばせることで、他者との人事交流を促す仕掛けにしている。
  • 16. 16 タイトルを入力過去のKeynote(基調講演)とキーワード ATD-ICEでは、毎年様々な分野における専門家や、企業経営者、実践家などによる基調講演がある。 基調講演者のメッセージから「いま、世界で何が起きているか」を探るきっかけが得られる。 Arianna Huffington Stanley McChrystal Kevin Carroll Andrea Jung Sugata Mitra Erik wahl Simon sinek Brene Brown Jeremy Gutsche Mark and scott kelly Kelly McGonigal Ronan Tynan Barack Obama Marcus Buckingham Connie Podesta 2014 2015 2016 2017 2018 VUCA、Bigdata、Gamification、 Neuroscience … Millennial、Storytelling、 Talent Development … Learning culture、 Micro Learning 、 Workplace Learning … Agile、Transformation、 Micro Learning、Stress … Digital transformation(DX)、 Unconscious bias、Reskill …
  • 17. 17 タイトルを入力2018 Keynote : Barack Obama , 44th president of USA 。 ⚫ どの会社に入るかよりも、何を達成するかにこだわる ⚫ 意味のあることはどれも難しいもの ⚫ ラーニングカルチャーをつくる ⚫ 失敗から学べる風土を作る
  • 18. 18 タイトルを入力2018 Keynote : Marcus Buckingham , Coach ⚫ どの会社に入るかよりも、何を達成するかにこだわる ⚫ 意味のあることはどれも難しいもの ⚫ ラーニングカルチャーをつくる ⚫ 失敗から学べる風土を作る なかなかの 仕事に対する9つの勘違い 1.社員は愛社精神がある 2.最良の計画は実行される 3.明確な目標が伝達される 4.バランスが取れた社員がよい 5.社員はフィードバックを求める 6.評価制度は機能する 7.社員は可能性に溢れる 8.W/Lバランスを求めるべき 9.リーダーシップは大切 強みを認め、 フィードバックする
  • 19. 19 タイトルを入力2019 Keynote 今年は米国で絶大な人気を誇るオプラ・ウィンフリー(メディアリーダー、慈善家)を始め、マーケティン グ専門家のセス・ゴーディン、グラミー賞の受賞経験者であるエリック・ウィテカーが登壇した。 ・トークショー「The Oprah Winfrey Show」司会者兼プロ デューサー ・国立アフリカ系アメリカ人歴史文化 博物館の創立寄付者 ・次期大統領候補 ・アメリカ・マーケティング協会で唯一 殿堂入りしたマーケティング専門家 ・Yoyodyne(ダイレクトマーケティング の会社)創業者 ・マーケティングに関する書籍『Purple Cow』等、執筆多数 ・作曲家/指揮者 ・バーチャル合唱:Deep Field クリエイター ・テクノロジーを駆使したイノベー ティブな音楽アレンジの担い手
  • 20. 20 タイトルを入力Oprah Winfrey:Be your Truest Self in Service of Others(奉仕する真の自己) 他人にどう貢献するか、人間が元来持っている「奉仕の精神」を呼び覚まし、信じ続けることが生きる上でとても重要な意味を持つ【パーパス】少しでも私利私欲が混じれば、 結果が望ましくないものになることは多い。自らの言動には常に「意図の力(Power of Intention)」を持つと同時に、他者の「意図性」に寛容であることが求められる 【パーソナライゼーション】物事を成し遂げる善きリーダーであるために「(他者への貢献を含む)ビジョン」を持ち、「実行力」を兼ね備える必要がある。自分に嘘をつき、 自分を大切にできない人は、公私のバランスやしなやかさ【レジリエンス】を欠き、他者にも善い影響を与えることはできない。 How can I be used to serve you? 自分の人生を使って、他人にどう貢献するのか?
  • 21. 21 タイトルを入力Seth Godin:Dancing on the Edge of a Revolution(革命の切っ先で踊れ) 変化の激しい世の中において「変化の後追いをする人ではなく、自ら変化を生み出す人」にならなければならない。他人と異なるやり方で、時代の先端に立つ気概を持つべき である。フォード社が作り上げた「流れ作業」によって生み出される大量生産・画一的産物に飲み込まれ、平均的な人たちに向けたサービスが溢れる世界は急速に同質化に向 かっている【ディスラプト】今こそ、個々に合わせたサービスが必要なのではないか【パーソナライゼーション】ヒマワリ同士が互いに競争をしながら自ら成長する特性があ るように、地中に根を生やし、長期目線で成長戦略を描く必要がある【パフォーマンス/ゴール】今、あなたがとても大変だと思っていることがあっても、情熱をもって乗り 越えてほしい【エモい】目指すゴールにたどり着く方法がわからなくても、周りにその旅に参加させ、前に進もうとするリーダーシップが求められる【ラーニングジャー ニー】周囲はその他大勢の「あなた」を見たいワケじゃない。「あなた」だから生み出せる価値を期待されているのだ。
  • 22. 22 タイトルを入力Eric Whitacre:Creativity and Connection(つくって、つなげて) 自分が感情を込められる仕事(作曲)こそ転職であると思う。そういう仕事に巡り合える人はそう多くない。あと押しする指揮者(育成者)が必要なのかもしれない。どんな に優れたリーダーシップを発揮しても、物理的なチームには限界があると考えられていたと思う。でも、テクノロジーと我々が融合することで、より大きな存在になることは 可能だ【ホールネス】今までに体感したことのない音楽を世界中に届けるために、テクノロジー(Youtubeなど)を駆使して僕自身が指揮する無音の動画をネットに公開し、 これに共感した世界中の無名のアーティストがソロの音源をシェアする奇跡が起こった。僕は多数の音源を集約し、一つの作品に仕立て上げることで、新しい世界の在り方を 創出したんだ【テクノロジー/デジタルトランスフォーメーション】 Be Part of Something Bigger Than Yourself より大きい存在の一部になるということ
  • 23. 23 タイトルを入力Charles Fred:Pause is not a delay(一時停止したって遅くならないよ) 反応や刺激に対して、空間を作ること(一時停止、ポーズすること)が大事。急に反応したい時があっても、まずは一時停止する、というのを実践しよう。 この考え方は、ヴィクトール・フランクルが提唱したことに似ている。人間は「刺激」と「反応」の間に一呼吸をおいて、言動を「選択」できる、という話。
  • 24. 24 タイトルを入力印象的なキーワード(タグクラウド) The keynote speakers の英文レポートをタグクラウド化すると、関心の高いキーワードが見えてきた。 特徴的なものを掲げると「Connect」や「Feedback」「VUCA」などが目立った。
  • 28. 28 タイトルを入力ATD-ICEのセッショントラック No Session Track Title 2019 (2018) 1 Leadership Development:リーダーシップ開発 46(47) 2 Instructional Design:インストラクショナル・デザイン 37(38) 3 Learning Technologies:ラーニング・テクノロジー 36(44) 4 Science of Learning:ラーニングの科学 31(27) 5 Talent Management:タレント・マネジメント 30(29) 6 Training Delivery:デリバリー 29(32) 7 Learning Measurement & Analytics:効果測定と分析 17(15) 8 Career Development:キャリア開発 16(19) 9 Managing the Learning Function:学習機能の管理 15(-) 10 Global Perspective:グローバル化 12(17) 11 Sales Enablement:営業改革/最適化 12(14) 12 Management:マネジメント 12(13) 13 Healthcare:ヘルスケア 9(14) 14 Government:政府 8(6) 15 Higher Education:高等教育 4(4)
  • 29. 29 タイトルを入力聴講/渉猟したセッション一覧 HRD担当時代から今に至るまで、常に探求しているテーマである「統合的人事戦略」と「学習効果の最大 化」を中心にリサーチした。 Track No ID Title Speakers Global Perspectives 1 W204 Identifying Inspirational Future Leaders Anna Kim/Bernard Champoux 2 TU117 Same Training, Half the Time: Delivering Results for Busy Learners Kimberly Devlin 3 W210 2020 Leadership: Creating Innovative Learning Journeys That Stick! Sharon Lucas 4 SU112 Jump-Start Your Microlearning Program Adam Costakes/Dan Hirt 5 M200 Caffeinated Training Design: An Engagement-Centered Process Anne Beninghof 6 TU300 The Eight Levers of High-Performing Teams Tracy Hutton 7 SU202 Resilience: Refocusing Energy in Times of Change Michael Leimbach/David Yesford 8 SU102 Talent Development Reporting Principles: Your Guide to Measurement and Reporting for L&D Dave Vance 9 SU304 Create an Impact Reporting Strategy That Sticks Cristina Hall 10 M204 The Secret to Evaluating Nearly Any Type of Training Wendy Kirkpatrick 11 TU100 ROI in Training: Fact, Fad, or Fantasy Jack Phillips 12 TU403 Real World Evaluation for an Uncertain Training Future James Kirkpatrick 13 M310 Yes! You Can Accelerate Strategy Execution Through Your Training Initiatives Edward Boon/Robert Brinkerhoff 14 M102 Assessing Assessments: How to Determine the Right Tool for Your Purpose Sharon Wingron 15 TU301 The Business Case for Learning: Designing Programs to Deliver Results Patti Phillips 16 M104 Learning Changes: Trends, Challenges, and Hype Elliott Masie 17 TU204 Beyond Gamification:Think Like a Game Designer to Create Engaging, Meaningful Instruction Karl Kapp 18 W303 360° of Separation---A New Angle on VR for Learning Nicholas Shelton 19 SU210 Today's Trends in Digital Learning Experiences: Understanding and Applying Them to Your Next Project Nick Floro Managing the Learning Function 20 W104 Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results Chris Adams 21 TU219 Applying Motivation Science Through Motivation Conversations—A Pilot Study Susan Fowler 22 TU319 The Mashup of Sales Enablement and Sales Effectiveness to Drive Sales Productivity Mike Kunkle 23 SU404 Resilience: The Key to Thriving Amidst Change Lisa Dahmus 24 M304 Engage Them: A Framework for Building a Culture of Employee Loyalty Leena Rinne 25 W115 Build Trust Today or Lose Talent Tomorrow Randy Conley 26 SU215 One Size Won't Fit All Employee Engagement Surveys Sarah Johnson/Bradley Wilson 27 M209 Grooming the Surge of Millennial Leadership With On-the-Job Learning Jeff Miller 28 SU415 Why Feedback Fails, and What You Can Do About It Dianna Anderson Talent Management Instructional Design Leadership Development Learning Measurement & Analytics Learning Technologies Sales Enablement
  • 30. 30 タイトルを入力環境認識と課題意識 VUCA時代において、従来の人材戦略、既存のシステム/スピード感では立ち行かなくなってきている。 しかし、HRD/TDの変革は他領域に比べて技術革新が遅れ気味で、伝統的な戦略を展開している企業が多い。 将来の変動性、不確実性、複雑性、曖昧性が高いVUCA時代において、一般的な企業が確立してきた従来の人材戦略、既存のシステム/スピード感では立ち行かなくなってき ている。しかしながら、HRD/TDの変革は他領域に比べてテクノロジー活用が遅れ気味で、旧態依然とした伝統的な人材戦略を推進している企業が少なくない。一方で、No Rating制度、AI採用、blockchainsによる人材管理、xRを活用したスキル研修など、企業と人の融合を加速させるデジタルトランスフォーメーションを遂げ、VUCA時代とい う荒波を泳ぎ続ける企業も存在する。今、人的資源である「我々」に何が起きているのか?最新潮流から見極めていきたい。 経営 戦略 Complexity 複雑性 VUCA 人事 戦略 情報 可視化 人材 選出 採用 育成 異動 再開発 Uncertainty 不確実性 Volatilely 変動性 Ambiguity 曖昧性 配置 評価  経営と人事の分断  経営環境の複雑化 /人材の多様化に よる戦略の明瞭さ の低下  人事情報の点在/ 統合的人事基盤の 欠如  Bigdata未活用  マッチング遅延に よる機会損失  多段型の採用プロ セス/適性検査に よる人材の同質化  管理職昇進時期の 高齢化による若年 層リーダーシップ の未発達  評価制度の形骸化、 曖昧な評価、遅い フィードバック  合理的理由のない 非効率な地方転勤  若年層や中堅層の 離職 HRD/TD 顕在 課題 今、人的資源である「我々」に何が起きているのか?最新潮流を見極めていきたい
  • 31. 31 タイトルを入力 82% of people say they don’t trust their boss to tell the truth Research has shown people trust a stranger more than their boss Sources. 50% of employees who distrust their senior leaders are considering leaving the organization 82%の従業員が、上司から信頼されていないと感じていて、上司よりも見知らぬ人を信頼している。 上長に不満を持つ50%の従業員が会社を辞めようとしている。 People are quitting their jobs at the fastest rate since 2001. 40% of employees thinking of quitting due to burnout. 2001年以降、従業員はいとも簡単に会社を辞めていく。40%の従業員がバーンアウトで仕事を辞めようか悩んでいる。 20% are planning on looking for a job in the next 2 years. 20% will leave in the next five years. 今後、2年のうちに転職活動する人=20% さらに、5年のうちに会社を去る人=20% 45% of employers are struggling to fill roles. “With record talent shortages around the world, it’s no longer a question of simply finding talent; we need to build it.” 経営者の45%は、本当にまいってる。慢性的な人材不足だから、人材採用よりも人材開発に力点が置かれている。 ショッキングなデータ 今、人的資源である「我々」に起きていることを、データから眺める。 総じて言えることは、企業はこれまでにないほど「人間関係が希薄になっている」ということ。
  • 32. 32 タイトルを入力個を取り巻く変化 個を取り巻く変化とHRD/TD領域における最新潮流を一枚にまとめた資料を引用する。 キーワードは“パーソナライゼーション” 以降は特に「Feedback」と「Team Engagement」に着目する。 従業員のパーソナルな情報を集約し、一人ひとりにあった学習方法/教材の選択や、様々な事象と結合させることで、学び続ける環境を提供する(ラーニングジャーニー) 高度なパーソナライズが求められる背景には、VUCA時代の影響を受けている。環境変動が大きいため、計画的な人材戦略が立てずらく、常にテクノロジーを駆使した即時的 な適応が求められるのと同時に、個々の学習優位性を最大限考慮した学習環境の提供が人材開発において重要になってくる。 SU210:Today's Trends in Digital Learning Experiences: Understanding and Applying Them to Your Next Project
  • 33. 33 タイトルを入力個を取り巻く変化 コネクト(つながり) ゲーミニフィケーション 個人学習のネットワーク パーソナライゼーション 経験(学習) (テクノロジーの発展) フレキシブル マイクロラーニング 検索性 いつでも、欲しいままに 動画 文脈(ストーリー) 協働 選択肢 エンゲージメント ロールプレイング 褒章(ほめる) スコア シェア 実験 別ルート 学習(ジャーニー) メンター 機械学習 (自己認知・自己卓越) チャットボット パーソナライゼーション アダプティブ・ラーニング/適応学習 xR(AR、VR) (AI)スピーカー モバイル ラフ/概略 デザイン フィードバック (改善)進化 プロトタイピング/試す 和訳によって原意が損なわれるものに関しては、かっこ書きで、個人的な意訳で表現している。 本マップにおける各項目は今後もHRD/TDの発展において、主要素として扱われるものと確信している。
  • 34. 34 タイトルを入力フィードバックの在り方を再考する 1/2 フィードバックの関心は、今後も高まることが予想される。半期に一度の上位者からの評価だけでは、従業 員の成長促進につながらないとされ、今後は客観的な事実を伝える「頻繁な対話機会」の創出が求められる。 フィードバックとは評価やアドバイスではなく、事実を伝える行為である定義 注目 背景 変化が激しい世の中では、客観的で即時的な反応が求められる しかし、フィードバックを与える/受ける人のリテラシーの低さが課題 SU415:Why Feedback Fails, and What You Can Do About It We Lump It All Together.(まとめて伝える) It’s For the Wrong Person.(間違いを指摘するもの) Asking, “What’s Wrong?”.(「悪いの?」と言い返す) We Don’t Know What to do with It.(行動が変わらない) We View it as an Evaluative Event.(評価だと思う) 1 2 3 4 5 5 Reasons Feedback Fails 与える人 (そもそも)伝え方を知らない/ヘタ 日本人はフィードバック頻度が少ない 受ける人 フィードバックを自分から求めない フィードバックを受け止めない
  • 35. 35 タイトルを入力 ▌フィードバックの役回りを再定義する ▌“フィードバックは贈り物“という文化 フィードバックの在り方を再考する 2/2 フィードバックはパフォーマンスを約1.7~1.8倍に高めることにつながる。 しかし、一方でフィードバックは心理的負担を伴うため、与える/受ける人のリテラシー向上が不可欠。 SU110:Why We Fear Feedback, and How to Fix It どのような状況であっても、フィードバックを受け止める平静さを持とう。 フィードバックは自己成長(Growth Mindset)につながるものであり、 自ら積極的に得ようと試みよう。 相手に求められた時だけではなく、自ら積極的にフィードバックしよう。 事実を伝える行為は、常に”否定”と受け止められるリスクをはらんでいる。 フィードバックを受ける時、自分を「完成された最終形」と捉えているか、 あるいは「進化の余地がある」と捉えているかによって、効果に差が出る。
  • 36. 36 タイトルを入力チームの在り方を進化させる 1/2 チームは、リーダーのメンバーとの関わり方に大きく影響を受ける。リーダーがメンバーに対して声をかけ る頻度が高いほど、メンバーはリーダーの関心が自分たちの向いていると感じ、エンゲージメントが高まる。 29% 46% Team Leaders who connected with Team Members less than 30% of the time. リーダーがチームのために、自分の時間を30%し か費やさないと、29%しかエンゲージされない。 Team Leaders who connected with Team Members greater than 80% of the time. リーダーがチームのために、自分の時間を80%費やす と、46%がエンゲージされる。 このデータから考察できることは二つある。一つは、リーダーがチームために時間を使うと、メンバーのエンゲージメントを高めるということ。もう一つは、多大な時間をか けたとしても、チームのエンゲージメントは比例しない、ということ。つまり、チームのために費やした時間の中で、どのようなコミュニケーションをとるか(対話の観点) にエンゲージメントは影響を受ける。例えば、リーダーがメンバーの「強み」にフォーカスした対話をとると、エンゲージメントは67%向上するが、「弱み」にフォーカスす ると31%しか向上しない、といったことが、ギャラップ社の180万人のエンゲージメント調査から明らかになっている。
  • 37. 37 タイトルを入力チームの在り方を進化させる 2/2 文化としてのフィードバックが根付いた状態では、チームのエンゲージメントが高いことがわかっている。 高い成果を発揮するチームには、8つのレバー(≒ポイント)がある。 TU300:The Eight Levers of High-Performing Teams Purpose 存在意義 Excellence 卓越 Support 支援 Future 未来志向 ME(自分)WE(チーム) I am really enthusiastic about the mission of my company. 会社のミッションに対して本当に熱心か? 1 At work, I clearly understand what is expected of me. 職場からの期待を理解しているか? 2 In my team, I am surrounded by people who share my values. 価値観をチームと共有できているか? 3 I have a chance to use my strengths every day at work. 強みを活かして働くことができているか? 4 My teammates have my back. チームが後ろにいてくれると信じられるか?5 I Know I will be recognized for excellent work. 貢献を認めてもらえている実感があるか? 6 I have great confidence in my company's future. 会社が発展している将来を信じているか? 7 In my work , I am always challenged to grow. 仕事に通じて、常に成長し続けているか? 8
  • 38. 38 タイトルを入力Insight:Our Iceberg is Melting/John Kotter(邦題:カモメになったペンギン) 個を取り巻く変化のうち、今回はFBとチームのエンゲージメントについて着目したが、この前提は個や チームにおいて「変化に感受的で、成長し続ける」マインドが共有されているということ。 FBリテラシー 8つのレバー  FBをもらう姿勢  正しいFBの仕方  FBの頻度を高める  FBを受けて行動を変える  FBが日常となる文化 うかうかしていられない。 氷山が溶ける(ディスラプト)のは時間の問題だよ。  チームに目を向ける  強みに注目する  会社の価値観と共鳴する  仕事で成長を実感する Growth Mindset
  • 39. 4.Session “a-ha moment“ Report セッション別の個人的な気づき
  • 40. 40 タイトルを入力聴講/渉猟したセッション一覧 聴講/渉猟したセッションのうち、”a-ha moment”(なるほど!)と感じたものを中心にまとめる。 下記一覧のうち 部分がレポート対象となっている。 Track No ID Title Speakers Global Perspectives 1 W204 Identifying Inspirational Future Leaders Anna Kim/Bernard Champoux 2 TU117 Same Training, Half the Time: Delivering Results for Busy Learners Kimberly Devlin 3 W210 2020 Leadership: Creating Innovative Learning Journeys That Stick! Sharon Lucas 4 SU112 Jump-Start Your Microlearning Program Adam Costakes/Dan Hirt 5 M200 Caffeinated Training Design: An Engagement-Centered Process Anne Beninghof 6 TU300 The Eight Levers of High-Performing Teams Tracy Hutton 7 SU202 Resilience: Refocusing Energy in Times of Change Michael Leimbach/David Yesford 8 SU102 Talent Development Reporting Principles: Your Guide to Measurement and Reporting for L&D Dave Vance 9 SU304 Create an Impact Reporting Strategy That Sticks Cristina Hall 10 M204 The Secret to Evaluating Nearly Any Type of Training Wendy Kirkpatrick 11 TU100 ROI in Training: Fact, Fad, or Fantasy Jack Phillips 12 TU403 Real World Evaluation for an Uncertain Training Future James Kirkpatrick 13 M310 Yes! You Can Accelerate Strategy Execution Through Your Training Initiatives Edward Boon/Robert Brinkerhoff 14 M102 Assessing Assessments: How to Determine the Right Tool for Your Purpose Sharon Wingron 15 TU301 The Business Case for Learning: Designing Programs to Deliver Results Patti Phillips 16 M104 Learning Changes: Trends, Challenges, and Hype Elliott Masie 17 TU204 Beyond Gamification:Think Like a Game Designer to Create Engaging, Meaningful Instruction Karl Kapp 18 W303 360° of Separation---A New Angle on VR for Learning Nicholas Shelton 19 SU210 Today's Trends in Digital Learning Experiences: Understanding and Applying Them to Your Next Project Nick Floro Managing the Learning Function 20 W104 Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results Chris Adams 21 TU219 Applying Motivation Science Through Motivation Conversations—A Pilot Study Susan Fowler 22 TU319 The Mashup of Sales Enablement and Sales Effectiveness to Drive Sales Productivity Mike Kunkle 23 SU404 Resilience: The Key to Thriving Amidst Change Lisa Dahmus 24 M304 Engage Them: A Framework for Building a Culture of Employee Loyalty Leena Rinne 25 W115 Build Trust Today or Lose Talent Tomorrow Randy Conley 26 SU215 One Size Won't Fit All Employee Engagement Surveys Sarah Johnson/Bradley Wilson 27 M209 Grooming the Surge of Millennial Leadership With On-the-Job Learning Jeff Miller 28 SU415 Why Feedback Fails, and What You Can Do About It Dianna Anderson Talent Management Instructional Design Leadership Development Learning Measurement & Analytics Learning Technologies Sales Enablement Kimberly Devlin Sharon Lucas Adam Costakes/Dan Hirt Anne Beninghof Tracy Hutton Michael Leimbach/David Yesford eporting for L&D Dave Vance Cristina Hall Wendy Kirkpatrick Jack Phillips James Kirkpatrick s Edward Boon/Robert Brinkerhoff Sharon Wingron Patti Phillips Elliott Masie ngful Instruction Karl Kapp Nicholas Shelton Them to Your Next Project Nick Floro Chris Adams y Susan Fowler ductivity Mike Kunkle Lisa Dahmus Leena Rinne Randy Conley Sarah Johnson/Bradley Wilson Jeff Miller Dianna Anderson
  • 41. 41 タイトルを入力 Tracy Hutton Vice President of Coaching The Marcus Buckingham Company TU300:The Eight Levers of High-Performing Teams 5月21日(火)3限目:よい成果を残すチームになるための”8つのポイント“ 高い成果を発揮するチームにおける、8つのレバー(≒ポイント)について、ギャラップ社のハイパフォー マー調査に基づいて提言したセッション。昨年の基調講演でも好評だったマーカス・バッキンガム氏が代表 を務める企業であることもあり、立ち見客も出るほどの盛況ぶりだった。 The Eight Levers  高い成果を発揮するチームは「チェックイン」 を行い、「今」にフォーカスしている  相手に注目すると、エンゲージメントを46%高 める(普通に会話をするだけでは、30%以下し かエンゲージされない)  相手の良い点についてフォーカスしないと、相 手の働きぶりを認められない a-ha moment
  • 42. 42 タイトルを入力SU202:Resilience: Refocusing Energy in Times of Change 5月19日(日)2限目:しなやかさ:VUCA時代におけるモチベーションへの再注目 変革におけるレジリエンスを高めるために、リーダーが対応すべきメンバーとの関わり方や、メンバーのエ ネルギー(≒モチベーション)の管理方法について述べたセッション。 Michael Leimbach Vice President of Global Research and Development Wilson Learning David Yesford Senior Vice President Wilson Learning  レジリエンスとは、Durability(耐久性)+Sustainability(持続性)である  変化に対するレジリエンスが低いと、変化をストレスに感じ、喪失感やエネル ギー減退を招く  喪失感は「置いて行かれた」という感覚に近く、変化に適応しようという気概 すら奪う  自分自身の喪失感を認知しなければ、レジリエンスは発揮できない(多くの人 は「自分の切り離されてた世界」において「変化」が起きていると感じていて、 今の自分の位置づけが「ゆらぐ」ことが気になっていて、変化を認知しようと しない)  従業員の中には「不合理な楽観主義(なんでも、大丈夫大丈夫と思い込む)」 がいるが、これは問題を直視せずに逃げているだけで、思考や選択をしていな い傾向がとても強い(対話で認知を変えることは難しく、かなり「粘り強さ」 が求められる) a-ha moment Leading Change 支援的介入 喪失感 の認知 レジリエンス を高める 自己変化 を促す
  • 43. 43 タイトルを入力SU102:Talent Development Reporting Principles: Your Guide to Measurement and Reporting for L&D 5月19日(日)1限目:TDレポートの原則:あなたの人材育成の効果測定レポートにおけるガイド 人材育成施策における効果測定に関して、古典的なカーク・パトリック理論をベースにした独自のレポート 標準を紹介したセッション。経営目的(Business Goal)に紐づく施策目標の設定、施策設計、効果測定に 至るまで、サンプル基準を提示しながら企業実践の事例を解説した。 Dave Vance Executive Director Center for Talent Reporting  3つのレポート(効果測定)の目線 ①研修そのもの効果(理解度など) ②研修の効率性(コンテンツ開発スピード、定員数、開催回転数など) ③研修施策によってもたらされる、経営目的への達成度  学習要素を職場実践させられない研修は、予算の無駄/クソ  ある研究結果では、50~70%が無駄になっている(実践30%程度でも効果性は高い)  研修効果の程度(30%くらい)を経営者と合意しておくとよい →多くの経営者は「研修実施」=「100%行動変容」という結果を期待している →だから研修に携わる人は、勇気をもって研修効果の程度を訴えていくべきである  レポートには「研修結果」と「考察」だけが書かれることが多いが、本来は「経営目的(≒ 施策背景)」と「施策目標」、達成に向けた「施策概要」を明記した上で、施策結果と考察 を述べるべきであるが、部分的報告に留まっているケースが多い a-ha moment 研修レポートの構成 1. 研修目的(経営目標) 2. 研修目標 3. 研修概要 4. 研修結果 5. 考察 ここしか書かないレポートが多い Training that can not practice what you have learned in the workplace is a waste of budget. 学んだことを職場で実践させられない研修はクソだ。
  • 44. 44 タイトルを入力SU304:Create an Impact Reporting Strategy That Sticks 5月19日(日)3限目:インパクトのある”刺さる戦略”レポートの作り方 戦略的で経営にインパクトを与えるレポートはどうあるべきか、について主張したセッション。レポートの 作成方法や、レポートの展開方法について言及し、経営目的に資するレポートを発信することで、研修予算 の妥当性を高め、継続的な企業成長を期待できる旨、主張していた。 Cristina Hall Vice President, Strategy Explorance  レポート作成者は他人も同じレポートから同じメッセージを受けてもらっている、と思い込 まないようにして、明確なレポート目的を明文化することが重要である  よく「レポートに何を期待していますか」と、聞いて回る人がいるが、多くの経営者者は、 人材育成施策に対して「思いついたこと」を言っているケースが多い →例えば「受講者の満足度」や「講師評価」などの報告項目は、誰もが思いつく項目 →問われたときに「答えやすい」ものは、意味もなく、時間の無駄遣い  基本的に「読み手」に操作を促すようなレポートは読んでくれない →組織あるある「こんなレポートがあるんだね」とフィードバックされることがある →これは「レポート公開場所」が煩雑で、読み手が探すのを諦められていることに起因する  スクラップラーニングとは、職場実践を促すことができない会社に不利益をもたらすゴミ →見極め方は単純で、どれだけ職場実践できているか、サーベイで調査するとわかる a-ha moment 良いレポートは… ①正しい相手 ②正しいデータ ③正しいタイミング ④意思決定を促す ⑤行動変容を促す How much is SCRAP LEARNING costing your organization?
  • 45. 45 タイトルを入力M204:The Secret to Evaluating Nearly Any Type of Training 5月20日(月)2限目:ほぼあらゆる種類のトレーニングを評価する秘訣 複合型の研修形式が増える中「どのように研修効果を測定すべきか」について、評価計画から測定方法に至 るまで、戦術的な問いを用いて、簡単に整理する仕方について言及したセッション。 Wendy Kirkpatrick President Kirkpatrick Partners  経営者に「どのようなスキルを身に着けてほしいか?」と聞い ても、明確に表現できないケースがあるので留意してほしい (適当に発言するかも)  教材を設計/開発する前に、ビジネスゴールや研修ニーズを把 握し、更に研修効果の「評価基準」を先に立てることが肝要で ある:SIのVモデル(設計とテストを予め計画する)と同じ発想  評価基準を検討する際は、質問を構造的に組み立てて、対話 ベースで具体化するとよい  質問の構造 1.Business Goalはどこか 2.Programに求められるものは何か 3.職場で何を実践させるべきか a-ha moment 開発する研修が経営目標に資するか、まず議論する ・期待する成果とどの程度一致するか? ・達成度合いを、誰が、どのように判断するか? ・期待する成果がでない場合、どうするか?
  • 46. 46 タイトルを入力TU100:ROI in Training: Fact, Fad, or Fantasy 5月21日(火)1限目:トレーニングにおけるROIの事実、流行、ファンタジー 教育現場における「ROI」の現実、流行、夢物語というテーマで、カーク・パトリックの4段階評価に、 ROIを追加したジャック・フィリップスが登壇したセッション。ROIによる効果測定は、既存施策の改善に 用いることと、将来の施策(研修設計)の品質を高めることに役立つ、とのメッセージがあった。 Jack Phillips Chairman ROI Institute  ROI=Return on Investmentは、研修コストに対して、得られた利益を計算/評価するも のだが、実施している企業は少ない(研修価値の測定は、まだ歴史が浅い)  米国の主要100社の調査においてもLevel-1は100%(すべての研修に)採用  Level-2は60%、Level-3は30%、Level-4は10%、Level-5は5%の研修に採用している  ビジネスゴールにインパクトを与える研修にフォーカスして測定する →研修は「100%測定しないといけない」という考えを捨てなさい  研修効果を測る場合は、まず「静止点」でとらえることが重要 →研修結果(データ)を取り出して、孤立させた状態で「事実」をとらえる →他の変数を排除した状態で、まず「現状」をつかむことが大切(信憑性を高める) →通常、ビジネスゴールの達成には、様々な変数が求められる →ROIでは、ビジネスゴールに対する関係性を明確にする必要がある →このため、複合的なプログラムのインパクトを測定/説明することは難しい →主要な要素に絞ったもので説明できるよう、予め経営者と協議することが大切 a-ha moment ROIは流行りもので、一部の人しか使わないという幻 想が横行しているが、現代において誤った認識である。 むしろ、変化の激しい時代だからこそ、まず「投資収 益(ROI)」から考えるべきであろう。 Evaluation Planning & the “V” Model
  • 47. 47 タイトルを入力TU403:Real World Evaluation for an Uncertain Training Future 5月21日(火)4限目:不確実な時代における研修の未来、現実世界の評価 4段階評価で有名なカーク・パトリックの息子による「不確実性の高い研修の未来における、現実的な評 価」に関するセッション。従来、Lv.1のReaction(反応)から段階的に評価することが通説だったモデル を大胆にも逆転させ、Lv.4のResults(業績)から評価することについて言及していた。 Jim Kirkpatrick Senior Consultant Kirkpatrick Partners  効果測定する狙いは2つ 1.既存の教育プログラムを改善するため 2.教育効果を立証し、将来の投資を獲得するため  受講者のFB(アンケート)に頼った改善は、方向性を誤る可能性が含まれている →受講者は「組織において成果が出ているか」という目線を持っていない  測定モデルは従来、Lv.1から段階的に進めることを推奨していたが、近年の変化 に素早く適応するためには、Lv.4を意識した研修設計が求められる(これは父、 カーク・パトリック)が他界する数日前に、効果測定は「Lv.4の業績定義と研修 の紐づけから入るとよい」との言葉にヒントを得たもの  Lv.1の段階で「Lv.3(行動変容)」への動機を確認するとよい →例)○○について行動/実践できると思うか? □一人でできる □補助があればできる □できない/しない a-ha moment
  • 48. 48 タイトルを入力TU204:Beyond Gamification:Think Like a Game Designer to Create Engaging, Meaningful Instruction 5月21日(火)2限目:ゲーミニフィケーションの向こう側:ゲームデザイナーのように魅力的で意味ある研修設計を考えよう 昨今注目されている「ゲーミフィケーション」を、どのように研修設計に応用すべきか、通常の講演形式で はなく、聴講者の参加意欲を高める「ゲーム要素」を散りばめたインタラクティブ形式のセッション。 Karl Kapp Professor Bloomsburg University  テレビゲームは、内発的な動機付けを促すのが上手い  聴講者に「教えない」ことが大事、聴講者は「勝手に学ぶ」から  外部からの動機付けは長続きしないことが多い →家で決められたことを達成すると「★」シールを渡す(これは続かない)  ゲームでの失敗は、脳の発育を手助けしていることがわかっている  アフォーダンス →ビデオゲーム(マリオ)は、説明なくゲームが始まる →まずはやってみな、ということも成人教育には必要なこと  4)謎を演出するための要素 →1.Novelty:新規性(体験できないもの) →2.Complexity:複雑性 →3.Inconsistency:矛盾 →4.Surprise:驚き →5.Incomplete Information:不十分な情報 →6.Inability to predict the future:展開が読めない a-ha moment 1 Story(物語) 2 Audience Input(聴講者の参加) 3 Questions(問いかけ) 4 Mystery/Curiosity(謎) 5 Characters(登場人物) 6 Action(実践・お砂場/練習) 7 Feedback(フィードバック) 8 Fantasy(空想≒非日常) 意欲を高めるゲーム要素8
  • 49. 49 タイトルを入力W104:Design Your Department to Deliver Strategic (Not Only Tactical) Results 5月22日(水)1限目:戦略的(戦術的ではない)結果を提供する組織を設計する 組織をデザインするにために求められる「戦略」と「戦術」の視点を対比しながら、4つのステップに沿っ たタレントマネジメントについて解説したセッション。ステップ毎の実践ポイントも具体的に言及している。 Chris Adams Senior Consultant Handshaw, Inc.  戦術レベルの実行は、何も結果を残さないケースがある  ビジネスゴールを満たすか、という観点を含まないものは すべて「戦術的」である  今後の戦略には「持続可能性」の観点も含める必要がある  実行フェーズは、施策の量が多く、緊急性が高いのため、 重要なものを見過ごしてしまいがち  戦略的にステークホルダーと関係性を作る専門家も必要  戦略的なアプローチを実践しようとした場合、従業員は自 分に何を求められているか、理解していないし、そういう 話し合いの場を設けていない(興味を持ってくれない) a-ha moment  ビジネス3つの目線 1)Transactional(業務LV)発生業務を「こなす」だけ 2)Tactical(戦術LV)リソースを活用して施策を実施する 3)Strategic(戦略LV)長期的、原因複数、横断的、複数施策  戦略的な仕事を進めるための6つの前提条件 1)ビジネスニーズがあるのか、必ず確認する(大抵が曖昧) 2)真のクライアント/ステークホルダーにアクセスできる 3)一つ以上のチーム(部門)の業績を変えることができる 4)責任を持って、一緒に進めてくれるパートナーがいる 5)必要リソースを調達できる 6)一部のチーム(部門)の変化が、全体に影響をあたえる  戦略実行のための4つのステップ 1)まず、企業ミッション(≒ビジネスニーズ)に合意する 2)実行プロセスを調整する 2-1)仲間づくり 2-2)現状認識(アセスメント) 2-3)意図性を持った実行計画を立てる 2-4)測定方法を決める 3)戦略実行に求められる組織構造を見直す 4)戦略実行に求められる人員と職場環境を調整する  ただ働くだけで、ビジネスの仕組みを知らない人は多い(批判 ではない、従業員は戦略の教育を受けていない)  迷うかもしれないが、まずは小さいところから始めてみよう
  • 50. 50 タイトルを入力SU404:Resilience: The Key to Thriving Amidst Change 5月19日(日)4限目:しなやかさ:VUCA時代を生き抜くためのカギ レジリエンスを高めるため、個人やチームレベルで簡単にできる「変化の認知」方法について持論を展開し たセッション。脳科学のアプローチから、変化や破壊(Disrupt)の受け止め方についても言及し、思考結 果を1シートにまとめる方法について解説していた。 Lisa Dahmus Director, Leadership Development Honeywell  レジエンスとは、不安/混乱があっても、それを受け止め、す ぐに立ち上がること  変化を避ける心理は、「我々は変化によって、意思決定を求め られる」が、何かを決めるということはとても心的な負担がか かる(ので、脳科学的にも避ける傾向がある)  認知を高め、行動に移すために 1)変化要因を認知する 2)変化に対する感情/反応を言語化する 3)どのような対処策/回避策を打とうとしているか言語化する 4)ポジティブな行動による自分の変化(状態)を描く a-ha moment 役割: 人生の役割がなくなったり変化したりする1 関係: 大事な人との関係が深くなる/決裂する2 日常生活: 物事をいつ/どのように行うかが変化する3 自己認知: 自分自身に対する見方が変化する4 Step.1:変化要因を認知する Step.2:変化要因に対する感情/反応の言語化 Step.3:変化要因に対する対処方法(解消法) Step.4:自身の変化(よい状態)を思い描く Resilience Mapping
  • 51. 51 タイトルを入力M304:Engage Them: A Framework for Building a Culture of Employee Loyalty 5月20日(月)3限目:よいチーム:ロイヤリティを高めるチーム文化のフレームワーク 組織エンゲージメントを高めるために、組織文化の性質について解説し、リーダー中心に従業員のロイヤリ ティを高めるアプローチについて言及したセッション。フランクリン・コヴィーが培ったベストプラクティ スを応用して、組織関係の基盤に求められる要素を体系化したものを紹介している。 Leena Rinne VP of Consulting Franklin Covey  ロイヤリティ(忠誠心)は、企業発展に不可欠なものである →従業員とお客様にロイヤリティを発揮してもらうことが望ましい  従業員のロイヤリティが低いと、様々な問題を引き起こす →不満を持っている従業員は、会社の批判をSNSで公開する可能性がある →不満分子は職場で、あっという間に伝染するので、早急な対処が必要  組織文化は、企業が一番関心を持っているテーマであるのに、その言葉は曖 昧に捉えられていることが少なくない →文化は、従業員が話をすることで生まれる →文化とは、通常の制度、組織体制など(ハード面)に影響を受けている →文化とは、ステークホルダーとの関係性が育む →文化とは、我々はどのような行動をとるか、の指針となる  文化に大きな影響を当たるのは、リーダーの枠組み(右図)である →リーダーの枠組みによって、共通の見方/考え方を作ることができる →枠組みによって、組織の結束力を高めるアプローチの土壌ができる a-ha moment  Empathy:共鳴(共感しなければ、高い結束はない) →実践はConnect(つながって)、Listen(聞く)こと →つながりを作ることで、理解者を見つける →相手の話を「聞き取る」ことを継続する  Responsibility:責任(一貫性を保つ責任がある) →実践はDiscover(発見)とFollow up(フォロー) →従業員/顧客の真のニーズを探って「発見する」 →発見結果は、実行に責任をもって「フォローする」  Generosity:寛容性(逸脱や多様性を寛容的に認める) →実践はShare(共有)とSurprise(驚き)が必要 →よいことがあったら「共有」する →小さな言動においても、「驚き」を演出する
  • 52. How can I be used to serve you? Oprah Winfrey Thanks for Reading.