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「新型コロナウィルス感染拡大」
とマスク
2020年度前期
植田 康孝
y-ueda@edogawa-u.ac.jp
あなたは、マスクをして
喋っている人と
マスクをしないで
黙っている人、
どちらが嫌ですか?
日本は、「マスク万能」の意識が
強過ぎる
マスクをしながら、喋ったり
「せき」や「くしゃみ」をする人が多い。
外出したら、公的空間では喋らない、
「社会的距離」をきちんと取る。
「せき」「くしゃみ」する人は極力外出しない。
このような「マナー」が守られていない。
まず、外では話さない!
世界中で6フィート
(約183cm、人と離れる)の距離や
ソーシャル・ディスタンシング
(社会的距離)が
「社会的マナー」
とされている。
日本の問題点は、何か?
「マスクによる誤った安心感」が
強過ぎること。
テレビや専門家は、
マスクの効用よりも
「マスクは絶対ではない」ことを
きちんと伝えるべきだった。
「精神論ではウィルスは防げない」
「マスクによる誤った安心感」
は、旅行・外出しない
社会的距離を取る、
公的空間では喋らないなど、
日本人に大きな
「行動変容」を迫らなかった。
「マスクによる誤った安心感」は、
マスコミにより定着させられた。
「マスクをしている人=意識の高い人」
という報道を盛んに伝えた。
例えば、渋谷や石垣島でマスクを
していない人を見つけ
「危機意識がないようです」
と批判する報道を繰り返した。
日本の問題点は、何か?
成田など空港の入国審査で
欧米では距離を取って並ぶが、
そのような呼び掛けもない。
渡航禁止国に14日以内に滞在した人は
別部屋で検査を受けなければいけないが、
自己申告のため、少数に限られる。
日本の問題点は、何か?
欧米のスーパーでは、
2メートル距離を開けて並んで
5人ずつ入って商品を選んで
会計に入ったら、
次の5人が入るというくらい
徹底している。
▪ 4月3日、スマートフォンを通じて
集めた位置情報を活用し、外出制限の
取り組みを分析した報告書を公表。
▪ 日本は、わずか9%減
米国(38%減)や
イタリア(63%減)との
外出自粛の差が浮き彫り
「グーグル」位置情報調査
「職場に来る動き」日本9%減のみ
▪ 日本全体では、
「小売り・娯楽施設」が26%減
都道府県別では、東京都では
「公園」の出入りが66%減
「小売り・娯楽施設」が63%減
「駅」が59%減。
▪ 東京都の職場に来る動きは27%減と、
ニューヨーク州の46%減とは大差が付いた。
「職場に来る動き」日本9%減のみ
「グーグル」位置情報調査
▪ NTTドコモの位置情報を基に分析したデータ
▪ 4月8日の人の動き(前年比)
東京駅を含む丸の内 46%減
新宿駅西口 37%減
JR大阪駅周辺 45%減
▪ 外出制限措置後
パリ 87%減
ニューヨーク 78%減
「マスク神話」が根強い日本
緊急事態宣言後も人出減少 なお限定的
新型肺炎の恐怖に関して
無意識のうちに
マインドコントロールする状況を
作り出している。
日本中でマスクが不足したが、
微細なウィルスをマスクによって
防ぐことが出来ないのは
高校の生物レベルの知識でも分かる。
ウィルスは普通の顕微鏡では見えない。
電子顕微鏡という
高性能のモノでないと見えない。
大きさは、花粉がドッヂボールくらいの
大きさだとすると、
ウィルスはゴマよりも小さい。
だから花粉を防御するマスクでは
ゴマ粒は簡単に通してしまう。
人類が初めて対峙する
「目に見えない敵」である以上、
その存在に恐怖を抱くことは
やむを得ないかもしれない。
自分の命を最優先に考えるあまり、
安全地帯に逃げ込み、
利己的な行動に
奔る人が多数出現した。
マスクや消毒用アルコール、
トイレットペーパーなどが
今後入手困難になることを恐れた
人々の利己的な行動が目立った。
マスクやアルコールは本来、
高齢者や基礎疾患がある人など
リスクが高い層に
優先販売すべきなのに。
世の中には嫌な空気が流れた。
トイレットペーパーを買い込んだり、
マスクをせずに街を歩く人を
「非常識だ」と言ってみたり、
デマや不正確な病気の情報に
右往左往したり、
これはウィルスのせいではない。
今まで見えずらかった「弱点」や「短所」が
はっきりと表れてしまっただけである。
「私とあなたは違う」
「違うから敵だ」
「違うから許さない」。
そう言って相手を攻撃して
安心するのは、
東日本大震災以降、「絆」を求め、
東京五輪に向け「ワンチーム」という言葉で
「同調行動」を求めて来た
大人たちだった。
では、大人だけが悪いのだろうか。
子供たちも「同調行動」を求め、
自分たちと合わない人を
敵とした「いじめ」を行って来た。
大人は出来事があると騒ぎ、
過ぎ去れば、すぐに忘れてしまう。
若者は、一人ひとりの身に
降りかかったことを覚えておいて欲しい。
「マスクは役に立たない」と
少しでも異議を唱えると
マスコミや医療関係者から
「感染症を甘く見ているのか」
「外出時にはマスクをしましょう!」
と発せられ、
横並びの「同調圧力」が働いた。
ペストの流行時はユダヤ人が
迫害されたが、
現代日本でも
マスクをしていない人を
糾弾する事例があった。
欧米では、マスクをしていない
アジア系住民が暴行された例もある。
イタリアが医療用マスクや人工呼吸器
などの支援を求めたのに対し、
ドイツやフランスは自国での
在庫確保を優先した。
イタリアなどとの国境を封鎖する
動きも出た。
苦境に陥った国を放置するようでは、
EUが唱える「結束」は説得力を失う。
咳をしたり体調が
悪い人が他人に移さないように
済むためにはマスクは有効だが、
そもそもウィルスは
マスクを通すし、
顔とマスクの隙間から
入って来る。
世界保健機構(WHO)は、
予防目的でマスクを着用する
必要はないと発表した。
マスクは予防に直結する訳ではない。
手洗いとうがいの方が
重要だ。
マスクはウィルスを含んだ飛沫を
付着させる機能があるが、
マスクと顔の間に隙間があったり、
鼻が出ていたりすれば、
入り込んでしまう。
世界保健機関(WHO)は、
健康な人でマスクをする必要があるのは
感染の疑いがある人の世話をする
時だけだと周知。
マスクは、咳やくしゃみをしている人が、
飛沫を拡散させないように
するために着用するのが原則。
健康な人については、
CDC(アメリカ疾病管理予防センター)は
2m以内に咳やくしゃみをしている
人がいなければ、マスクを付ける
絶対的な必要性はない、とした
世界保健機構(WHO)は、
マスクは予防策ではない、
自分の病原体を他人に
感染させないための道具で
元気な人は基本的には
付ける必要はない、
とした。
世界保健機構(WHO)は、
健康な人のマスク着用を
最後まで勧めなかった。
「マスクで自分を守れるという
間違った知識を持ってはいけない」
と強調し、
予防の観点でマスクを過信せずに
「手洗い」「人と距離を取る」
を徹底するよう訴えた。
マスクは全く効果がないのか?
近くでくしゃみをされて
飛沫を浴びた場合、
マスク着用の有無で
ウィルスの粒子の数が違って来る。
予防効果は
完全にゼロという訳ではない。
流れが変わったのは、
症状がなくても他人に移す可能性が
増えて来たから。
米疾病対策センター(CDC)が
2020年4月1日に発表した論文によると、
シンガポールの感染例の6%が
無症状の人からで、
発症1~3日前だった。
会話や息でも移る可能性も指摘された。
トランプ政権も
予防効果が乏しいとして
マスクの着用推奨に反対して
健康な人は使わないよう求めて来たが、
無症状の感染者が他人に移すのを見て
着用を勧める方向に
転換した。
WHOとは反対の見解になった。
国民は誰を信じてよいか分からなくなった
トランプ政権は、
マスク不足への対策として、
手作りの布マスクやバンダナなどで
鼻と口を覆う案も出された。
トランプ大統領は
「多くの人が持っている
スカーフがいい」
とコメントした。
ニューヨーク市・デブラシオ市長は、
4月2日、
外出時にバンダナやスカーフを使って
顔を覆うよう
市民に呼び掛けた。
トランプ大統領は、4月2日、
大統領権限で企業活動を指示できる
「国防生産法」を使って
スリーエム(3M)に
高性能の医療マスク「N95」を
政府に供給するよう命じた。
アマゾンは、一般向けの
「N95」の販売を中止した。
米政府は、4月3日、
国民に対して無症状の感染者が
新型コロナを他人にうつす
リスクがあるとして、
外出時にマスク着用を推奨する
立場を示した。
トランプ大統領は「着けたい人が
着ければ良い」と強調し、
マスクを着用しないと明言した。
米国防省は、4月5日、
米軍関連施設で働く米兵や職員を
対象として、
他人との間に6フィート(1.8m)の
距離を取れない場合に
マスク着用を求める指針を発効した。
アップルは、マスク2,000万枚用意。
顔全体を覆う医療防具供給
▪ 中国政府は、「コロナウィルスを克服した」大国として
世界約100か国以上の国々に医薬品援助を公約
▪ 4月5日、ニューヨーク州に
マスク100万枚、
医療用マスク10万枚、
人工呼吸器1,000台
などが届けられた。
中国が米国にマスクを提供
マスクをめぐる米中関係
▪ クオモ・ニューヨーク州知事は、
心からの謝意を示した。
▪ CNNは、これを
「米国の命運は
中国に握られている」
と報じた。
中国が米国にマスクを提供
マスクをめぐる米中関係
安倍晋三首相は、4月2日、
全世帯に布マスク2枚を配る方針を発表。
米FOXニュースは、日本で「アベノマスク」と
揶揄されていることを紹介した。
対策としては不十分だとして
「エープリルフールの冗談ではないか」
といぶかる見方が
出ていると伝えた。
「アベノマスク」は、
日本のツイッターで「トレンド1位」になった。
米ブルームバーグも4月2日、
「アベノミクスからアベノマスクへ
マスク配布策が冷笑を買う」
と世界に向け配信した。
ブルームバーグは、
「アベノミクスからアベノマスクへ」
と題した記事で、
「物笑いの種になっている」と伝えた。
CNNテレビも
「#アベノマスク」のハッシュタグが
ツイッターのトレンドワードで
上位に入ったことを紹介。
全世帯2枚配布方針に「アベノマスク」と呼んだ
「補正予算」で、466億円計上
日本でも「マスクネタ」
「アベノマスク」は、大学生向けは2枚のみ。
文部科学省は、
感染拡大を受けた学校への支援策として、
2,763億円を2020年度補正予算に計上。
小中高校、特別支援学校などの
児童生徒と教職員に対して
布マスクを1人2枚配布する。
4月に1枚、5月以降に1枚。
全世帯に2枚ずつ配布するものとは別。
あなたは、
「アベノマスク」を
着用しますか?
なぜ、「布マスク」なのか?
本当は、「ガーゼマスク」というところ。
花粉症で市民権を獲得し、
若者がすっぴん隠しなどに利用し、
ファッションにすらなっているマスクは
不織布製のプリーツ型。
配布される「ガーゼマスク」は、
効果面でもファッション面でも好まれず
コンビニでは、ほとんど見かけない。
なぜ、「布マスク」なのか?
「不織布」=最近流行、薄っぺらい、
無機質・工業製品、人のぬくもりがない。
「布」=昔ながら、厚そうで温かそう、
ぬくもり、手作り感、母さんが夜なべして、
気持ちで乗り越える
というアナログ的「ノスタルジー」。
「紙」「ハンコ」「対面」にこだわり、
「テレワーク」「オンライン授業」を嫌う理由と同じ。
安倍晋三首相が付けているマスクが
鼻がはみ出てしまいそうな小ぶりで
ネットで話題になった。
麻生副総理や小池都知事は立派なマスク着用。
「8頭身」「小顔」で有名な
乃木坂46・齋藤飛鳥のマスク芸
スタイリッシュな「マスク」姿
元横綱「千代の富士」娘
モデル「秋元梢」
元芸能人の代議士
三原じゅん子氏
JR渋谷駅前「ハチ公」像がマスク着用
日常の活気待つ
世界保健機関(WHO)
テドロス事務局長は、4月6日、
「マスクを一般の人々が着用することで、
医療従事者向けの供給不足が悪化する
事態を懸念している」と述べ、
手洗いや他人との物理的距離を
取ることが難しいなどの状況下で
一般人の着用も検討されるとしつつ、
過度に使用しないよう求めた。
WHO・テドロス事務局長は、
「マスクだけでは
パンデミック(世界的大流行)を
食い止めることはできない」と言及。
感染者を見つけて隔離し、
手洗い励行や
他人との物理的距離を取るといった
措置を実施していれば、
感染拡大防止は実現できると強調した。
日本人は、予防のためのマスクはあまり
効果が小さいとWHOが発表した後も
なぜマスクをしたのか?
マスクをしない姿で外出すると
「なぜマスクをしていないの?」
という目で見られ、「罪人」のように
感じるという理由に変わった。
なぜマスクをするのか?
マスクをしていないと、
「こんなことでいいのか?」
と言うことがいることが報告された。
「同調圧力」がかかり
「非国民」扱いされない雰囲気に。
それこそ「怖い」ことであった。
マスクを手に入れた人は
ネットで高額転売したり、
別の商品との抱き合わせ販売
など不安に付け込むだけでなく、
電車内でマスクなしで
せきをしたとして
非常通報ボタンを押す人まで
出現した。
マスクの品薄は続き、
トイレットペーパーも
品揃えは十分とは言い難い状況で
不満を店員にぶつける客もいる。
男性客が店員に
罵声を浴びせる動画も
投稿された。
店員のストレスも推して知るべし。
マスクをしないで
電車内で
せきこんだり、くしゃみをすると
白い目で見られる。
マスクだけではなく、
「うつりません」バッジまで
登場した。
予防のためにマスクをする行為は
効果が小さいことが分かった後でも、
なぜマスクをするのか?
コロナウィルス対策と言いながら、
他人から「見られたくない」という意識。
他者の視線を気にしなくて済む防具。
「精神論ではウィルスは防げない」
「マスクによる誤った安心感」
は、旅行・外出しない
社会的距離を取る、
公的空間では喋らないなど、
日本人に「行動変容」を迫らなかった。
発端は、新型コロナウィルスの
感染拡大の影響で
原料不足や物流がストップする
との噂が流れたことだった。
熊本地震の被害を受けた熊本県内に
留まっていた「デマ」だったが、
マスコミ報道が拡散、不安を増幅させ、
全国に関連商品を買い占める客を作った。
▪ 3月26日、全国スーパーマーケット協会が
「メディアの皆さんから続々電話取材が来て
いますが、メディアが煽る
ようなことは、お控えください」
▪ テレビ各局はこのコメントを報道することは
せずに、店頭の欠品を報道。
スーパーマーケット協会から批判
広がった「危険デマ」
スーパーマーケット協会から批判
広がった「危険デマ」
マスクやトイレットぺーパーが
スーパーやドラッグストアの商品棚から
消えてしまった映像のインパクトは大きく
市民を煽る結果となった。
全国のスーパーやホームセンター
ドラッグストアで
トイレットペーパーやティッシュを
買い求める客の行列ができた。
行列の映像は、さらに市民を煽った。
▪ 店頭のトイレットペーパーが消えたきっかけは、
「トイレットペーパーが不足する」
というSNSの噂だと報道されたが、ウソだった。
▪ 東京大学・関谷直也准教授が行った調査では
その噂をSNSで知ったという人は10%に過ぎない。
半数近くはテレビでその噂の存在を知り、
品切れの状況をテレビで見て知った。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「危険デマ」
▪ 東京大学・関谷直也准教授は、
「工場や大型店に大量のトイレ紙がある
様子も報道されたが、
不安をあおるという意味では
トイレ紙がたくさんあるシーンも
ないシーンと同じです。」
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「危険デマ」
▪ 東京大学・関谷直也准教授は、
「消費者にとっては、自分が実際に
買える店に商品がなければ
意味がありません。
山積みの映像と目の前の現実の
ギャップが、
不満と不安をかき立てます」
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「危険デマ」
▪ 東京大学・関谷直也准教授は、
「あるところにはこんなにありますから
落ち着いてください、
というメッセージの
出し方は、逆効果です。」
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「危険デマ」
▪ 東京大学・関谷直也准教授は、
「消費者が実際に入手できるのは
何日後か不確かであるなら、
その事実をそのまま伝えるべきでしょう。
状況が分からないから、
今日買えるかも、明日なら買えるかも
と期待して毎日並ぶのです」
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「危険デマ」
通販サイト「楽天市場」や「アマゾン」でも
トイレットペーパーなどがランキング上位を独占、
オークションサイトでは
高額出品されるなど混乱が広がっている。
日本家庭紙工業会は、
「トイレットペーパーの98%が国内工場で生産。
まとめ買いがなければ供給に問題はない」
とコメントした。
トイレットぺーパーやティッシュについて
業界団体が「供給は十分」と説明しても、
消費者の不安心理は収まらない。
開店前にスーパーの前で並ぶ女性は
「ニュースで、トイレットペーパーは
なくならないと伝えていたが、
やはり不安」と語った。
▪ 12巻1パックの「トイレットペーパー」が
2月17日の497円から
2月28日には、3,500円に。
▪ ティッシュペーパーも直近3日で急騰し
10日前の最大7倍になった。
5箱で最大35,000円という出品もあった。
誤情報で家庭紙が品薄に
トイレットペーパーなど高騰
▪ NTTの言語解析ツール
「なずきのおと」を用い、
ツイッター上で
「トイレットペーパー」の
投稿回数を集計したところ、
2月28日は前日(27日)の
10倍弱の88万件に急増した。
誤情報で家庭紙が品薄に
トイレットペーパーなど高騰
▪ 通常時の供給量(1か月)
約3億4,800万枚
▪ 3月時点の需要(1か月)
通常時の5~7倍、約24億3,600万枚
▪ 18億枚以上不足、中国産が7~8割
▪ マスクを使う人を減らすしかない
一般人はマスクを買い占めしてはダメ
なぜ、マスクは不足したのか?
▪ 3月時点の供給(1か月)
(1)国内工場の生産能力 月6億枚
(平時の3倍まで拡大)
(2)輸入量 1.8億枚
(平時の半分程度)
▪ 需要量(24億枚)との差
16億枚以上不足。入手できないのは当然
日本のマスク供給量はいくらか?
なぜ、マスクは不足したのか?
▪ 日本衛生材料工業連合会によると、
日本で2018年度に出荷されたマスクは
55億枚で、8割が輸入品。
▪ 輸入先を中国に頼っており、
マスク全体の7億を中国が占める。
原料になる不織布も4割を輸入に頼っており、
その半分が中国製。原材料も入手困難状態。
日本のマスク供給量はいくらか?
なぜ、マスクは不足したのか?
2018年度は、55億枚
マスク生産数量の推移
▪ ユニ・チャームなど、マスクメーカーは
国内工場の生産能力を増強。
<家庭用マスクの国内主要メーカー>
・ユニ・チャーム、 ・興和、
・白元アース、 ・玉川衛材
・小林製薬、 ・アイリスオーヤマ
・玉子ネピア、 ・白十字
・ロート製薬
日本のマスク供給量はいくらか?
なぜ、マスクは不足したのか?
▪ TBSが「まるっと!サタデー」
(3月7日放送)で
「マスク不足」を報じたところ、
「全国マスク工業会」は、
「中国からのマスクの輸入は
今までも止まってはいない」
と反論した。
TBS「マスク報道」で訂正要求
煽りたいマスコミと打ち消すマスク業界
自動車部品、紙おむつにも使用
マスク材料(不織布)生産数量・生産額
▪ マスクの原料となる不織布は、
旭化成は、国内の生産量を2倍
東レは、主に海外で生産する不織布も、
マスク用にも供給することを検討
三井化学は、三重県四日市市の工場で
生産能力を5割引き上げた
日清紡は、男性向けシャツの生地の
生産設備の一部をガーゼ用に転用
日本のマスク供給量はいくらか?
なぜ、マスクは不足したのか?
▪ 約98%が国内生産で、メーカーに十分な在庫
▪ 消費量(1か月)
月4ロール/人*1.26億人=月 約5億ロール必要
▪ 生産量(1か月)
月6ロール*1.26億人=月 約7億ロール生産
▪ トラック数に限界あり、配送間に合わず
皆が買い占めなければ良い
なぜ、トイレットペーパーは不足したのか?
▪ なぜ、約98%が国内生産なのに、不足するのか?
▪ どのメーカーにも十分な在庫
▪ トイレットペーパーは、メーカーの工場に
山積みになっているが、それを運ぶトラックがない。
▪ もともと運送業界では、
トイレットペーパーを扱う会社が少ない
皆が買い占めなければ良い
なぜ、トイレットペーパーは不足したのか?
▪ トイレットペーパーは、かさばるのに儲からない
▪ トイレットペーパーは、12ロール入りで
200~300円と安価であるため、
運送効率(積載効率)が悪い。
▪ 同じようにかさばるのに安い
商品としては、ポテトチップスがある。
皆が買い占めなければ良い
なぜ、トイレットペーパーは不足したのか?
▪ 2月最終週(2月24日~3月1日)のスーパー
来店客で、買いだめが殺到し、
「トイレットペーパー」や
「ティッシュペーパー」が大きく伸びた。
「トイレットペーパー」 265%
「ティッシュペーパー」 250%
「巣ごもり消費」伸びる
トイレットペーパーなど品薄
▪ マスクの品薄が続く中、
マスクの在庫がないのに、
あるようにチラシで宣伝したのは、
「景品表示法違反」(おとり広告)
にあたるとして
消費庁は3月27日、
大手量販店とドラッグストアに対して
行政指導。
マスクないのに、チラシにマスク掲載
付け込んだ「おとり広告」も
▪ 2社はチラシ中央に
「マスク〇〇円」
と写真付きで掲載。
チラシ436万枚を配布した
▪ しかし、当初予定していた入荷が
なくなるなどして、
実際は、在庫がなかった。
マスクないのに、チラシにマスク掲載
付け込んだ「おとり広告」も
米、納豆、カップ麺も品薄に
トイレットペーパーなど品薄
▪ 「買いだめ」は、
米やパスタ、缶詰などの
備蓄品や納豆にも及んだ。
▪ スーパーで、米やパスタ、
カップ麺、冷凍食品、
缶詰などの備蓄品を
買い増す人たちが多い。
▪ 「品薄になると耳にした人が
いつもの倍の商品を買おうとすると
品薄になり、店頭から商品がなくなる。
それを目にした人がさらに購入しようとし、
社会的な現象になる」
「購入の対象は安くて余分に買っても
損しない物、生活に必ず役立つ物ならば、
何に向いてもおかしくない」状況になった。
米、納豆、カップ麺も品薄に
トイレットペーパーなど品薄
「品薄」だけを強調した報道は、
消費者の不安感を
さらに煽る悪循環を起こし
「品不足が品不足を呼ぶ」
状況を作ってしまった。
「冷静さ」を欠いたのは、
消費者だけでなく、
MCなどアナウンサーも同じだった。
女性アナウンサーは
男性MCに続いて
「マスクだけではありません。
オムツや生理用品も
店にありません!」
とだけヒステリックに叫んだ。
そこには冷静に正しく伝える姿勢はなく、
煽るだけの存在であった。
ドラッグストア店員は、
「コロナよりも人の方が怖い。
なぜないんだ、
ホントは隠してるんだろ、
と怒鳴られる。
有難うと言うより
すいませんと言う回数の方が多い」
とツイートした。
マスクが売れ切れて
店でトラブルが続出した。
不足しているマスクや
トイレットペーパーを
買えなかった客が
店員にひどい言葉を掛けた。
接客がつらくて、
体調を崩してしまった店員もいる。
ツイッターでは、
「オイルショックと米騒動を
同時に見られるとは
思わなかった」
とのコメントも寄せられた。
オイルショックを知る高齢者による
「買い占め」が起きた。
買いだめによって、マスクだけでなく
トイレットペーパーなどの紙製品まで
店頭から姿を消した。
▪ 買い占めをした世帯は、高齢世帯が大半。
▪ 多くの高齢者世帯が、東日本震災や相次ぐ
台風災害などを教訓に備蓄に励んでいる。
▪ 年齢が上がるにつれて、
1970年代の石油危機時の
トイレ紙不足がきっかけという声が増える。
なぜ買い占めしたのですか?
感染拡大で買い占めしましたか?
はい
12%
いいえ
88%
買い占めしましたか?
感染拡大で買い占めしましたか?
【出典】2020年4月4日付
朝日新聞
店頭で品薄だった
40%
外出を控えるため
16%
ニュースで品
薄を知った
14%
花粉症対策
6%
一斉休校で必要
4%
その他
20%
なぜ買い占めしたのですか?
感染拡大で買い占めしましたか?
【出典】2020年4月4日付
朝日新聞
マスク
31%
トイレットペーパー
24%
ティッシュペーパー
15%
カップ麺
9%
米
7%
レトルト食品
6%
キッチンペーパー
4%
水
4%
何を買い占めしましたか?
感染拡大で買い占めしましたか?
【出典】2020年4月4日付
朝日新聞
▪ 買い占めをした世帯は、高齢世帯が大半。
▪ 「石油危機の時は
子供を守るのは私だと思い、
商品を買いあさった」
▪ 「石油危機の時、親に連れられ開店前の店に
並んだ。あの頃より、正しい情報もデマも
拡散しやすくなっているので、余計シンドイ」
なぜ買い占めしたのですか?
感染拡大で買い占めしましたか?
▪ 買い占めをした世帯は、高齢世帯が大半。
▪ 「デマに惑わされ買いだめ
した人が得をし、
デマを知らず
買えなかった人が
損をするとは」
なぜ買い占めしたのですか?
感染拡大で買い占めしましたか?
備えがある
39%
騒ぎはすぐに収まる
32%
買いに走った
が売り切れ
11%
高値で買うのは嫌
5%
踊らされるのは愚か
3%
必要性を感じない
2%
その他
8%
なぜ買い占めしなかったのですか?
感染拡大で買い占めしましたか?
【出典】2020年4月4日付
朝日新聞
はい
50%
いいえ
50%
外出時、マスクをしていますか?
感染拡大で買い占めしましたか?
【出典】2020年4月4日付
朝日新聞
▪ 白血病と闘っている競泳女子の池江璃花子が
4月7日、自身のツイッターを更新。
緊急事態宣言が出されることを受け、
高齢者がスーパーなどで食料品を
買いだめすることについて
「いつも通り必要な分だけ
買いに行きましょ!」と
自粛を呼び掛けけた。
高齢者に買いだめ自粛を呼び掛け
池江瑠花子(19歳)
▪ 池江璃花子は
「皆さんスーパーは、慌てて行かず、
買い溜めせず、いつも通り必要な分だけ
買いに行きましょ!」と呼び掛けると共に
「スーパーも、ちゃんと量は確保して
あるみたいだし、感染してても無症状の人も
いるから、今、大勢の人が一気にスーパー
押し寄せたらって思うと怖いです」と心境をつづった。
高齢者に買いだめ自粛を呼び掛け
池江瑠花子(19歳)
▪ ダチョウ倶楽部上島が
「押すなよ、絶対に押すなよ」
と言ったら、
熱湯風呂に押し込むのがお約束
▪ アナウンサーが「マスクないですよ~、
買い占めを止めてください」と言いながら、
店頭から「ないです~」と報道するのがお約束。
テレビメディアの「マッチポンプ」的性格
マスメディアの影響
▪ 1.「安全デマ」
現実より危険性や被害を小さく
見せようとする
▪ 2.「危険デマ」・「外国デマ」
不安を煽る
▪ 3.「対策デマ」
予防法に関わるデマ
「普通のこと」を報道しない
マスコミが発した3つの「デマ」
▪ 2月17日にテレビ朝日
「林修の今でしょ!講座」で、
「長いもVS納豆 免疫力UP!」
として納豆の効能を特集した。
▪ スーパーで納豆が品薄、欠品状態に
▪ 休校要請で、更に拍車が掛かった。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「対策デマ」
▪ ネットでは、2月7日に発表された
「総務省家計調査」と関連付け、
納豆と感染者数の相関が話題に。
▪ 納豆購入額の上位は、
(1)福島市、(2)水戸市、(3)盛岡市、
(4)山形市。
感染者数は、茨城、岩手、山形がゼロ、福島が1
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「対策デマ」
▪ 林修とテレビ朝日は、懲りずに
3月10日夜、
「ウィルス撃退No.1食は
ハチミツか?
バターか?」
という3時間特番
をゴールデンにやる始末。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「対策デマ」
▪ なぜテレビは失敗したのか?
▪ ネット社会
(LINEやインフルエンサー)
のことが分かっていない。
「対策デマ」をいったん出したら、
後でいくら否定してもダメ
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「対策デマ」
「情報」には、
「真実」、「ほぼ真実」、「ウソ」
の3つの種類しかない。
たとえば「時報」。これは「真実」
「ほぼ真実」は?「天気予報」
では「ウソ」は?
その他すべて。
コロナ予防では、「手洗い」だけが「真実」
コロナは誰にも分からないことが多いから
専門家もマスコミも
全く正反対のことを言うので
何を信じていいのか
ますます分からなくなる。
皆が一致したのは「手洗いをしよう」だけ。
きっと、これは正しい!
学生はどうすればよいか?
普通に健康な学生は、
十分高い免疫力を持っています。
人類が幾多の細菌・ウィルスと戦い、
長時間かけて獲得したものです。
新型ウィルスには抗ウィルス剤がないので、
免疫力に期待して、
精神的なストレスを溜めないことです。
ワンピース「サンジ」が子供たちに
呼び掛けた「手洗いと睡眠を」。
これは正しい!それ以外は「対策デマ」。
▪ かつて「福島第一原発事故」の際、
時の菅直人内閣は
事故の深刻さを隠して
「ただちに健康に影響はありません」
と繰り返し、
かえって国民に不安とパニックを
呼び起こした。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ 2020年1月28日、
政府が新型ウィルスを
「指定感染症」に
閣議決定した結果、厚労省は
「新型肺炎は国内では人から人への
持続的感染は認められない」
と説明した。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ そのわずか2日後に政府が、
武漢からの中国人ツアー
客を乗せた
日本人のバス運転手とガイド
への感染などから、
「人から人への感染」と認定し、
国民は嘘だったと知る。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ 2020年2月3日、
安倍首相は、国会で
「わが国では現在、
流行が認められている状況ではない。
一人ひとりがせきエチケットや手洗いなどを
励行し、予防に努めてもらうことが重要だ」
と楽観的な見通しを振りまいた。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ 2020年2月14日、
国内初の死亡者が出た後も、
加藤勝信・厚労省は、
「流行している状況ではないとの
総理の見解を変更する根拠はない」
と、なおも「安全デマ」を
通し続けた。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ WHO・テドロス事務局長は、
武漢が封鎖されても
「発生を制御する中国の能力に
自信を持っている」
「渡航を制限する理由は
見当たらない」
と「安全デマ」を通し続けた。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ WHO・テドロス事務局長は、
中国の感染者が24,000人となっても
「ウィルス拡大阻止の絶好のチャンスだ。
中国が高レベルの強力な対抗措置を
講じている」 と礼賛し、
感染者が90か国に増えても
パンデミック宣言さえしなかった。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
▪ 国民は日本政府から正しい情報を
与えられていないことに不安を募らせていった。
▪ WHOの情報提供不足で世界的に恐怖心理が
高まり、日本人が海外で不当な差別や迫害さえ
受けるようになった。
どこにも頼れないという不安が
デマをどんどん拡散させる土壌を作った。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
広がった「安全デマ」
感染のリスクを避けるため
八丈島に逃げる人が増えて
離島の宿泊施設が
一杯になった。
軽井沢の別荘に
逃げる人で軽井沢も混んだ。
見っともない大人が目立った。
都市部から地方への避難について
「地方都市の中には医療機関の
備えが不十分なところが多く
高度な医療が提供できる
施設も限られる」
マスクをするよりも
電車やタクシーの
窓を開けて換気した方が良い。
新型コロナは
密閉した換気がない空間で
感染することが分かっている。
台湾では、
日本のような混乱は
起きなかった。
マスクを購入するためには
保険証が必要で
買い占めが出来ないため。
▪ 2020年1月下旬、マスク不足で
マスクの値段が吊り上がると、
蔡英文総統は、緊急会見を開き、
「供給を確保する。慌てないで欲しい」
と市民に呼び掛け、
当局がマスクを買い取って
安価で配給する制度を
始めた。
市民に安心感もたらした
台湾コロナ対策 マスク配給制
▪ 当初は、「1人が買えるのは1回の販売で
3枚」に規制したが、
何度も並んで大量に買う人が出るなど
市民の間に不公平感が高まり、
2月からは販売窓口を
約6千店ある
指定薬局に限定。
市民に安心感もたらした
台湾コロナ対策 マスク配給制
▪ 台湾に約6千店ある指定薬局で
健康保険カードを示し、
1週間に1人が2枚を10台湾ドル(約36円)で
買えるようにした。
▪ 3月5日以降は、
大人は1週間3枚。
子供は5枚。
市民に安心感もたらした
台湾コロナ対策 マスク配給制
▪ 生産設備を業者に提供して増産も支援。
▪ 購入可能な枚数を増やし、
3月下旬からはスマートフォンで予約し
コンビニで受け取る
システムを始めた。
▪ 蔡氏の支持率は2月調査で68.5%、
1月調査より11.8%上昇した。
市民に安心感もたらした
台湾コロナ対策 マスク配給制
▪ 薬局ごとにマスクの在庫を確認できる
仕組みが用意された。
▪ IT担当の閣僚で
天才的なプログラマーと
される唐鳳氏が在庫データを公開。
地図データとつなげ、
市民がスマートフォンで閲覧できる。
市民に安心感もたらした
台湾コロナ対策 マスク配給制
台湾がマスク市場の管理など
先手の対応が出来たのは
2002~2003年に流行し、
台湾でも計37人
(関連死を含め73人)が
死亡したSARSの苦い経験がある。
その後、伝染病予防法などを改正。
▪ 台湾で感染症対策を所管する
「疾病管制署」は、
無料通信アプリ「LINE」を
情報共有の手段として
活用している。
▪ 2017年に開設のアカウント
「疾管家」の2月末現在の
「友だち」は190万を超えた。
アカウント「疾管家」
台湾コロナ 当局がLINE
▪ 当局の発表は、アカウントを通じて
即座に通知され、内外の感染状況や
渡航警戒レベルなどの情報が
たちどころに分かる。
▪ ネット上にデマが拡散すると、
それを否定する情報も流し
関連法令を紹介して
警告する。
アカウント「疾管家」
台湾コロナ 当局がLINE
▪ 疾管家が提供する情報の中で、
人気となったのが
「マスク地図」。
▪ スマートフォンの位置情報を
活用し、利用者の現地付近の
薬局にあるマスクの在庫数を大人用と子供用
とに分けて教えてくれる。
アカウント「疾管家」
台湾コロナ 当局がLINE
▪ 南東部・大邱の集団感染が分かった
2月下旬ごろから、
マスク不足が問題となった。
市民は
零下の冷え込みの中、
徹夜でスーパーや
薬局の前に
列を作った。
マスク不足が政権支持率低下に
韓国コロナ対策 マスク配給制
▪ 韓国政府は、3月9日以降、
生まれた年によってマスクを購入できる
曜日を限定する仕組みを導入した。
それでも、供給が需要に追い付かず、
列に並んでも買えない例が相次いだ。
▪ 文在寅大統領の支持率は、3月第2週、
47.2%となり、不支持の49.1%を下回った。
マスク不足が政権支持率低下に
韓国コロナ対策 マスク配給制
▪ 2月4日、一定価格を超えたマスクの
取引を禁止。
▪ その後も出品禁止とする金額の上限を
引き下げるなどして、
以降は、高額での出品は激減した。
マスク、トイレットペーパー
メルカリ 上限額を設定
▪ 3月3日からは、
品薄となっているティッシュペーパーや
トイレットペーパーなどの高額出品も
禁止した。
▪ 不適切な出品を防ぐため、金額の上限は
明らかにしていない。
マスク、トイレットペーパー
メルカリ 上限額を設定
▪ 3月3日、
「必需品とされる商品の価格が
悪意ある販売業者により意図的に
作り上げられていることを遺憾に思う」
とコメント。
▪ 同社の規約に反すると判断した出品を
世界で数万点削除した。
マスク、トイレットペーパー
アマゾン 数万点を削除
アントニオ猪木は
「扇動されやすいというか、
逆にそれに慣らされてしまったと
いうか、
その判断力っていうのは
自分で見極める力、
判断力を持っていないとダメ」
▪ 「恐怖」が「事実」を圧倒するのは、
人間が2つの方法で情報に反応するから。
▪ まず、人間は生き延びるために
新しい情報に対して
「感情優先」の本能的反応を
返すように進化して来た。
「恐怖心」は「理性」を圧倒する
「恐怖」は「危険」よりタチが悪い
▪ さらに私たちは、
最も強力な「感情的記憶」や「認識」に
基づいて、「判断」を下す。
▪ そのため認識した危険を
実際以上に過大評価する。
▪ この思考プロセスをノーベル賞受賞者の
認知心理学者ダニエル・カーネマンは
「速い思考」と呼ぶ。
「恐怖心」は「理性」を圧倒する
「恐怖」は「危険」よりタチが悪い
▪ 第2の思考は、カーネマンの言う「遅い思考」。
▪ 事実を探求し、
客観的な確率を出そうとする
理性の働きだが、
一般に感情は事実より強力。
そのため、人間は「速い思考」に基づき
問題を判断しようとする。
「恐怖心」は「理性」を圧倒する
「恐怖」は「危険」よりタチが悪い
▪ コロナウィルス対策を出来るだけ
成功に近づけるために
政府とマスコミは
良い知らせも悪いニュースも含めた
「真実」を伝えなければならない。
▪ 真実を把握するために
「遅い思考」を心掛けなければならない。
「恐怖心」は「理性」を圧倒する
「恐怖」は「危険」よりタチが悪い
▪ 残念ながら、
コロナウィルス危機において
日本政府とマスコミは
国民に不信感を抱かせ、
「遅い思考」よりも「速い思考」に走った。
習近平主席訪日と東京五輪を守るために
真実を犠牲にした。
国民はマスクに殺到する「衆愚」を示した。
「恐怖心」は「理性」を圧倒する
「恐怖」は「危険」よりタチが悪い
▪ デマの出現は昔から社会の不安が増した
時の常。
▪ 新型肺炎の感染拡大では、
トイレットペーパー、ティッシュが
不足するとのデマが広がり、
商品棚が空となる地域が
相次いでいる。
「うわさと誤報の社会心理学」
社会心理学者・広井脩
▪ 業界は、在庫は十分あると呼び掛けている。
いかにも不穏な何かを耳にした時、
一度は立ち止まって、
信頼できる「情報源」を
探すことが必要。
デマはさもありそうなことを
触れ回る特徴がある。
「うわさと誤報の社会心理学」
社会心理学者・広井脩
▪ トイレットペーパーの場合、
「原料の紙のほとんどが
マスクの製造に使われ、
足りなくなった」
などの尾ひれが付く。
▪ そこまで大量の紙を
マスクに費やすなら、
何でマスクが商品棚に溢れかえらないのか?
「うわさと誤報の社会心理学」
社会心理学者・広井脩
▪ 新型コロナウィルスに関するデマ
「コロナウィルスは大きさが非常に大きく
直径は約400-500nm、
すべての一般マスクでこれを
フィルタリングすることができます。
しかし、感染した人があなたの前で
くしゃみをすれば、3メートル離れてください」
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
マスクをめぐる「安全デマ」
▪ コロナウィルスの直径は
100~200nm(ナノメートル)で、
ウィルス自体の侵入を
マスクで防ぐことは出来ない。
▪ しかし、「安全デマ」を信じて
マスクをする人は多い。
ウィルスより感染力が強い「偽情報」
マスクをめぐる「安全デマ」
▪ 新型コロナウィルスの電子顕微鏡画像が
出て、究明が進んでいると思ったり、
予防ワクチンや治療薬が直ぐにでも
出来そうな期待を持ったり、しているが、
生物をなめ過ぎ。
そんなに簡単ではない。
「生物」を軽く見過ぎている
文系に広がる「楽観論」
▪ 新型コロナウィルスのように
微細なものは構造が分かっても、
人間にどう影響するかは未解明。
▪ 写真で見るコロナウィルスの
大きさで、人間を描いたら、
富士山よりももっと大きい。
「生物」を軽く見過ぎている
文系に広がる「楽観論」
2020年2月、中国の研究者は
感染の仕方が、
接触感染や飛沫感染に加え、
微粒子を交じったウィルスを吸引する
「エーロゼル感染」の可能性を指摘した。
目や口から感染し、
対策には医療用ゴーグルと
医療用マスクが必要。
通常のマスクには、
感染症から身を守る効果はない。
構造上どうしても隙間ができ、
直径30マイクロメートルの
花粉の侵入は防げても
0.1マイクロメートルの
新型コロナウィルスは
通してしまう。
新型コロナウィルスのサイズは、
100~200ナノメートルと超極小。
通常の光学顕微鏡では見えず、
電子顕微鏡が必要となる。
このサイズだと、
一般のマスクのフィルターを
通過してしまう。
ウィルスは鼻、口からだけでなく、
目からも入る。
マスクをしていても、
ゴーグルを付けなくては、
「頭隠して尻隠さず」
になる。
格闘技イベント「K1」を開催した
主催者は
入口にマスクを配布する、
空気感染を防ぐため
次亜塩素酸水を噴霧する、
という対策を強調したが、
マスクや次亜塩素酸は、
予防効果が科学的にない
「予防デマ」に基づいたものだった。
マスクをするよりも
手洗いを励行することの方が
はるかに感染を防止する
効果がある。
▪ トイレに設置されている、
「温風乾燥機」(エアタオル)は、
手洗いが不十分な場合、
ウィルスを感染させ、
空中感染やエアロゾル感染(空気中に
浮遊する粒子に混ざってウィルスを吸引)
を引き起こす可能性がある。
ゴミは出るが、ペーパータオルの方が安全。
「新型コロナ」対策
温風乾燥機(エアタオル)に注意!
当初は、
接触感染や飛沫感染が
危険視されたため、
手を洗うことが求められたが、
「エーロゼル感染」が判明した後は、
部屋の換気が
求められるようになった。
▪ 新型コロナウィルスは、接触感染、飛沫感染
ということで、口と鼻からの伝染に注意が向き
目からも感染し、結膜炎を起こすことを忘れがち
▪ 米国では、新型コロナウィルス感染症の患者を
扱う医療関係者は防護メガネ(ゴーグル)と
防護服の着用が義務付け。
目から感染して結膜炎
なぜゴーグルをしないのか?
▪ 外出する際に、
マスクを付けている人は
ゴーグルを付けないと
完全な予防になっていない。
目から感染して結膜炎
なぜゴーグルをしないのか?
▪ WHOが、「症状がない人は感染予防目的で
学校や駅、商業施設など公共の場で
マスクを着用する必要はない」
という指針を公表したのに対し、
安倍首相は、北海道に約400万枚
(1世帯40枚)のマスクを配布する方針を
決定した。
WHOと安倍首相のデマ合戦を伝えたマスコミ
マスクをめぐる「安全デマ」
▪ 「マスクは要らない」というWHO指針は
デマなのか? 本当に必要がないのか?
▪ 国民はどちらも信用できなくなった。
マスクをしないで電車内で怒られた事件から、
疫学専門家は、もはや科学的見地よりも
社会学的理由でマスク着用を呼び掛けていた。
WHOと安倍首相のデマ合戦を伝えたマスコミ
マスクをめぐる「安全デマ」
欧米では、本来の使い方が
普及しているせいか、
「マスクを付けている人=病人」
という認識である。
また風邪をひいたら
外出を控えて家で休む人が多いので、
街でマスクをしている人は
ほとんど見かけなかった。
米国でも、
新型コロナウィルス関連の
ニュースは大きく報道され、
中国や日本で多くの市民が
マスクを着用している
映像が流された。
米国では、
マスクをするのは
医者か犯罪者だけ、
と言われるほど
一般市民には普及していなかった。
ニューヨークの中華街では
マスクをした女性が殴られた
事件すら起きた。
▪ 外出制限が続くドイツでは、
西部のピルマゼンスのチョコレートメーカーが
マスクをしてトイレットペーパーを
足に付けたウサギのチョコレートを
売り出したところ、
「無神経だ」とネットで炎上。
「人々に笑顔を届けようとユーモラスな
行動のつもりだった」と釈明。売り上げは寄付に。
独ウサギ・チョコレートが不評
嫌われた「マスク」ネタ
▪ 1.病人に近づかない
▪ 2.感染した時は他人に近づかない
▪ 3.せき・くしゃみをする時は、ティッシュ
ペーパーを口にあて即座に捨てる
▪ 4.洗剤と水で手を洗うまたは60%以上
アルコールを含むサニタイザーで手を拭く
▪ 5.感染路となる目・鼻・口を手で触らない
マスク着用はどこにもない。
米国「疾病予防管理センター」制定
インフルエンザ予防ガイドライン
▪ マスクをしたり、
異常なほど清潔好きの
日本人が
どうして不潔な現金を
好むのか、
外国人には理解できない。
マスクをして現金払いって?
日本人は清潔好きなのか?
「自分はどうしても必要」
という理由で
高額転売で
マスクを買う人が続出した。
売る方も買う方も
違法ではないが・・・・
▪ 「ハリケーン5」に発達した
「イルマ」の上陸の際、
フロリダ州で警戒を強める中、
アルゴリズムでボトル入り水が暴騰。
▪ AI価格調整は、「危機時には非情」
価格や商品情報をリアルタイムで表示
ダイナミックプライシング
シンガポールでは
「健康なら
マスクを付けないで」
と呼び掛ける
新聞広告
▪ 東京大学大学・橋元良明教授は、
マスク問題を
「テレビを始めとしたメディア報道が
マスクの希少性をあおった点が大きい」
と断定した。
東京大学・橋元良明教授(社会心理学)
マスク不足を煽ったのはマスコミ
▪ コロナウイルスへの恐怖が
買い占めの下地にあるのは言うまでもないが、
メディアが「マスクは必須」といった内容に
とどまらず、
「各地で売り切れ」「ネットで高値で販売」などと
盛んに報道し、
希少性を広く過剰に認識させた(橋元教授)。
東京大学・橋元良明教授(社会心理学)
マスク不足を煽ったのはマスコミ
▪ 橋元教授が、
強い影響力を与えたと見たのが、テレビ。
社会心理学では、テレビや新聞が特定の話題を
多く報道することで、
「このニュースは注目すべきテーマだ」
と世論を形成する
「議題設定効果(機能)」説がある。
東京大学・橋元良明教授(社会心理学)
マスク不足を煽ったのはマスコミ
▪ テレビは映像でマスクをしている人々の様子や、
必要性を説く専門家コメントを伝え、
「マスク」という存在を強く認識させた。
報道・情報番組でトップ扱いで報道するため、
「自分も今すぐ行動しなければ」という認識を
人々に持たせ、思考回路の中でマスクが
非常に大きな部分を占めるようにした。
東京大学・橋元良明教授(社会心理学)
マスク不足を煽ったのはマスコミ
通常より多く買い溜めしたか?
「対策デマ」の怖い所
「デマ」だと知っていたか?
「対策デマ」の怖い所
原因は買い占めと知っているか?
「対策デマ」の怖い所
買い占めは、食料品にも波及。
スーパーでは、
米が売り切れとなった他、
カップ麺や納豆、缶詰、パスタ、
ミネラルウォーターなども品薄に。
飲食店は子供の休校など
学校で過ごす時間が長くなる
という要因もある。
「マスク」の価格
▪ ドラッグストアで100円で売っている
マスクを5,000円でネットで
転売して暴利を得るのは
「不道徳」に思えます。
▪ しかし、同時に、5,000円払ってもマスクを
手に入れたい消費者がいることを示す。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
▪ どうしてもマスクが欲しい人
(ぜんそくや花粉症の人、妊婦など)
が切羽詰まったら、
どうしたら良いのでしょうか?
▪ すぐに思いつくのは、
「マスクは少量でも入荷されるのだから、
ドラッグストアに並べばいい」。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
▪ しかし、朝10時の開店時間に行っても
既に長蛇の列が出来ている
▪ マスクを手に入れるには、
朝6時から並ぶ必要が出ます。
早く並ぼうとしても、仕事の都合とか、
子供を保育園に連れて行くとか、老親の介護
とか、その時間に店に行けない人もいます。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
▪ 事情がある人は、どうしたら良いのでしょうか?
▪ 答えは、「あきらめなさい」
と言うしかありません。
▪ 「買い占め」という行為は、
需要に対して供給が著しく少なく、
かつ定額で販売で販売されていることから
起こります。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
▪ マスクのような希少商品の「定額販売」は、
朝から行列できる「ヒマな人」を優遇し、
様々な事情で、そのようなことは
とても出来ない「多忙な人」を
差別しています。
▪ 転売業者は、「お金のある人」を優遇して
「お金のない人」を差別します。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
▪ 考えなければならないのは、
「時間による差別」が「お金による差別」
より道徳的だとは言えない、
ということです。
▪ 貧しい人が優遇されるべきと言うのであれば、
時間のない人も同様に扱われるべきでは
ないのか、ということです。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
▪ 「買い占めは控えてください」
と政府がいくら「お願い」しても、
何の効果もありません。
▪ 行列する人の多くは、
「強欲」ではなく、
「マスクがないと死んでしまう」
という強い不安に駆られているからです。
いくらが適正値か?
「マスク」の価格
いくらが適正値か?
大阪大学・安田洋祐准教授
「マスク」の価格
▪ 「個人の道徳に訴える
のではなく、
仕組みを変えることで
解決できる。
▪ 例えば、在庫が回復するまで
小売価格を定価の2倍に
してはどうか。」
大阪大学・安田洋祐准教授
「マスク」の価格
▪ 「それだけでは、小売店が不当に
稼いでいるとして
消費者の評判が悪くなる。
▪ それを防ぐため、値上げ分を新型コロナで
困っている人に寄付する工夫をすれば良い。
配給制にすると、不必要な人に配られるなど
非効率な部分もある。
市場機能を生かす方策が望ましい」
▪ 新型コロナウィルスの感染者が増えた
米国でも、トランプ大統領が先頭に立ち
感染防止策に取り組んでいる。
▪ 対象を
「感染者」、「医療従事者やケアスタッフ」、
「一般市民」の3つに分けているのが、
特徴。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ トランプ大統領は、
3月29日に
初の死者が出ると
記者会見を開き、
「健康な人は完治する可能性が高い。
一般の健康な人はパニックになることなく、
いつも通りの生活をして欲しい」
と呼び掛けた。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ 最優先したのが、感染者の治療
▪ 新型コロナウィルスは
「インフルエンザなどと同様、
完治すれば
再び感染することはない」
ことをこと前提に、完治を優先し
さらなる拡大を防ぐ戦略。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ 次に重視しているのが、医療従事者の安全
▪ 一般市民がマスクを
買い求めれば医療現場に
行き渡らくなる。そのため
「健康な一般人はマスクをしなくても大丈夫だ」
「パニックを助長するような報道は
控えて欲しい」と呼び掛けた。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ 米マスコミは、当初、
「医療従事者にマスクが必要なら
一般人も必要では?」
と批判的に取り上げていた。
▪ しかし、感染者と接触しやすい
医療従事者のマスク不足を防ぐことは合理的、
マスコミも「現時点ではマスクを一般人が着ける
必要はない」と呼び掛けるようになった。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ 感染者の治療を優先し
医療従事者の安全を確保
しながら完治を促す。
その他の一般人は
通常の生活を送り、
必要な物資が
本当に必要な人に届かなくなる状況を回避する。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ 米政府の基本スタンスからは、
限られた資源を
最大限に活用する
姿勢が感じられる。
▪ 何かと批判が多いトランプ大統領であるが、
感染症対策では、リーダーシップを発揮した。
「一般人マスク不要」を徹底
米国政府とマスコミ
▪ 中国人観光客がドラッグストアで
マスクを大量購入。
▪ インフルエンザ、花粉症の時期と
重なり、日本人も購入。
▪ マスク不足が深刻化
マスクが高騰、ネットでは50万円も
新型コロナウィルス
▪ タクシー運転手の感染が相次いだ。
▪ タクシー業界では、
マスクの確保に苦心していた
▪ マスクや消毒液の入手が難しく
運転手に行き渡っていなかった。
マスクをする恥
新型コロナウィルス
▪ 妊婦、感染症にかかりやすい難病、
医療従事者、土木作業員に
回らないマスク。
▪ 土木作業員は、作業中にシンナーを
使うため、防塵・防臭マスクが必要。
シンナーの吸い過ぎで倒れた。
マスクをする恥
新型コロナウィルス
▪ 用途がまったく違うのに、
マスクなら何でもいいやという
客が買い占めてしまった。
▪ 家庭用マスクは現場で使えない。
汗でびしょ濡れになり、数時間で
真っ黒に汚れてしまう。
マスクをする恥
新型コロナウィルス
▪ マスクは、くしゃみやせきの飛沫を
周りに広げない
「せきチケット」として有用だが、
新型コロナウィルスの感染から
身を守ることにならない。
▪ 街には、「マスクをする恥」に溢れた
なぜマスクをするのか?
新型コロナウィルス
▪ 自分のことしか考えず、
マスク姿で外出する人が溢れた。
シェア意識が低い日本人は多い
▪ 医療従事者、妊婦、バス・タクシー運転手、
ぜんそく患者、花粉症患者など、
本当に必要とする人に譲るべきだった。
マスクをする恥
新型コロナウィルス
マスクを付けることの
効用を説いた
テレビ出演の医療関係者、
それを流したマスコミは
煽る存在となっていることに
無自覚であった。
人々を不安にさせ煽る恥
マスクの買い占めが起き、
症状がある人や、
医療従事者ら
本当に必要な人に行き渡らない
事態になった。
そこまで感染への恐れが強いのに
本質的な予防策が取れていない。
ウィルス拡散の危険性が
最も高いと見られた場所が
医療機関。
感染者がいる可能性が
街中よりも大きく、
免疫が低下している人や
高齢者ら重症化しやすい人も多い。
SARSやMERSも
医療機関で感染が広がった。
医療機関では、
マスク以外の必需品も
不足が目立ち、
プラスチック手袋や
アルコール消毒液も不足した。
初夏になってもマスクを
していたら、
本人は「健康に気を使っています」
という情報を伝えるつもりでも
「日本は危ない国だ」という
情報を海外に
発信していることになる。
ヨーロッパ、ロシア、
アフリカ、中南米など
感染者が少ない地域からしたら
「なんでそんな危ない場所に
行かなきゃいけないんだ」となる。
結果として、みんなで
東京五輪をつぶしている。
▪ 市販マスクの入手が絶望的な状況が続く中、
文部科学省は、学校再開の指針に
「マスク着用」を挙げ、
手作りマスクの作成と使用を推奨
▪ 材料の「ダブルガード」や「マスクゴム」が
品切れ。
文科省「マスクを自分で作れ」が破綻
「手作りマスク」材料も品切れ
▪ 手芸材料の専門店「ユザワヤ」は、
ダブルガーゼの代わりにプリントもの、
マスクゴムの代用品として
伸びる毛糸を推奨
▪ 文科省は「手作りマスクの作り方」をサイトに
上げたが、「その前に材料を」という声。
文科省「マスクを自分で作れ」が破綻
「手作りマスク」材料も品切れ
▪ 「お願いですから あおらないで下さい。
何も報道しなければ一部地域の一時の事で
終わるものを、こうしてあおるから、
群集心理で全国で同じ事が起こってしまう。
朝早くから夜遅くまで仕事している身には
スーパーや薬局に並ぶ訳にもいかず、
生活必需品が手に入らないのは
死活問題なんです!」
「納豆も」と伝える報道に市民から悲鳴
マスク不足を煽ったのはマスコミ
中国では、
コロナ治療で
「プラシーボ(偽薬)」を
使ったと言われる。
ポイント
▪ 本物の薬の外見はしているが、
薬として効く成分が入っていない
乳糖やデンプンなど偽物の薬を
飲ませても、身体に効く。
▪ 患者が「薬」だと、「システム信頼」した。
▪ 身体も「情報」によって制御できる。
プラシーボ(偽薬)の効果
システム信頼
オプジーボ(偽薬)やマスクのように
「予防デマ」でも
ストレスが軽減されれば、
「免疫」は上がる
予防ワクチンや治療薬の段階では
最大の対策は「免疫」
マスクは、咳やくしゃみをしている人が、
飛沫を拡散させないように
するために着用するのが原則。
健康な人については、
CDC(アメリカ疾病管理予防センター)が
2m以内に咳やくしゃみをしている
人がいなければ、
マスクを付ける絶対的な必要性はない
▪ 人間の体には、「免疫」という病気から体を
守るシステムがある。
▪ ウィルスや細菌に感染することで
発症する病気から守ってくれる。
健康な人でも毎日何千個もの
「がん細胞」が生まれるが、
「がん」にならないのは、「免疫」のおかげ。
「予防」にならなくても「免疫」になれば
マスクをするのはどうか?
▪ 若者世代で、夏場以外はマスクを
するのが当たり前の人が増加。
▪ 花粉や防寒対策と言い、
「見られたくない」という意識にふた。
マスクは、他者の視線を気にしなくて済む
最強の防具であり、必需品。
若者世代は、他者の視線にストレス
「視線耐性」とは・・・
▪「もはや自分にとって、
マスクは「顔パンツ」です。
付けていない姿を世間に
晒すのは恥ずかしい」
若者世代は、他者の視線にストレス
「視線耐性」とは・・・
以前から、日本では
健康な人もマスクする
「だてマスク文化」が
広がっていた。
化粧をしていない顔を隠したい
ファッションなど
様々な理由がある。
▪外出機会が減り、
マスクをすることが増えたため、
「口紅」 50%減
新型コロナウィルスの影響は
「巣ごもり消費」伸びる
▪ 新型コロナ発生後の初の大型商戦となる
2020年3月8日の「婦人節」では、
「マスク社会」の出現で、
動物のような目元になれる
「アイシャドウ」をアピールする
商品40万個が
1日で売り切れた。
中国消費 「コロナ」で変質
中国「微博(ウェイボー)」のSNS投稿
▪ 日本でも、外出抑制やマスクの着用で
口紅の売り上げが落ちたが、
目元の化粧品が
売れている。
日本でも消費 「コロナ」で変質
「口紅」より「アイシャドウ」
▪ 高級アパレルブランド「アルマーニ」は、
イタリア国内の全工場で
防護服の製造を始めた。
「アルマーニ」防護服
伊アパレルメーカー医療品製造
▪ 高級アパレルブランド「プラダ」は、
中部ペルージャの工場で、
防護服8万着、
マスク11万枚
を生産中。
「プラダ」防護服とマスク
伊アパレルメーカー医療品製造
外見的な理由だけでなく、
「表情を見せて交流したくない」
「自分のことを知られたくない」
という消極的逃避的な
人間関係を求める
心理が潜んでいる。
面と向かってコミュニケーションする時
相手の感情を読み取るために
交わす言葉だけでなく
相手の目や口元の表情を見ている
口元は表情は豊かで
口を開けて笑ったり、
「へ」の字にしたりすることで
喜怒哀楽が伝わる。
マスクで隠してしまえば
色々な感情を
相手に伝えなくて済む。
サングラスを掛けて
アイコンタクトを
避けるのと同じ。
新型コロナウィルスの脅威が去っても
多くの人たちが
マスクを付け続けるだろう。
一度顔を隠すことに慣れると
今度は見せることがかえって
恥ずかしくなってしまう
マスク着用は
「匿顔」のコミュニケーションが
広がることを意味する。
相手の感情を読み取るための
情報が減るため、
互いに共感しにくくなり、
親密な関係を
築けなくなる。
サービス業でも
マスク着用は広がって来たが、
マスクに慣れていない
訪日外国人客からは
「目が怖い」と言われる。
お互いの表情が
見えないままでは、
「おもてなし」もなくなる。

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