IPMIの利用方法について解説します。

1. 実践！IPMIのススメ

2. 目標
 目標
 IPMIについて理解ができる
 IPMIで操作、設定ができる
 監視ツールでIPMIを監視できる
 対象のユーザ
サーバHWをリモートで管理したい人

3. IPMI
 Intelligent Platform Management Interface
(IPMI) は、標準化されたメッセージ・ベースの
ハードウェア管理インターフェースという規格を
指します。
 IPMIを動作させるためのチップをBase
Management Chip（BMC）といいます。

4. IPMIでできること
OS状況に影響を受けずに以下のことができます。
 サーバの起動、停止、再起動ができます。
 遠隔で、サーバの起動、停止、再起動ができます。
 状態確認
 サーバのボードに搭載されているセンサー情報から、
HWの故障、消費電力を把握できます。
 リモート操作※基本的に有償です。
 遠隔で、リモートデスクトップのように、表示するこ
とができます。
 遠隔で、CD/DVDをマウントすることができます。

5. IPMIが役立つケース
 各拠点が離れていたり、サーバルームにアクセスする
のが大変な場合
 サーバールーム外にいて障害が発生し、緊急の対処が
必要な場合
 複数のマシンのモニターを同時に見たい場合
 OSがハングアップしてSSHやリモートデスクトップ
で接続できない場合
 BIOSやEFIなどOS起動前の設定などをしたい場合
上記の点から、サーバルームでKVMを利用するより、利
便性が高いです。

6. IPMIの留意事項
便利なIPMIですが、考慮事項があります。
だれもが再起動させたり、データを盗むことができてしまいます。
 接続できるネットワークを制限する
 限定した管理者のみが接続できるNWに所属させるべきです。
 可能であれば、接続可能なIPを指定すること
 デフォルトの管理アカウントは必ず無効化する
 各ベンダーでデフォルトアカウント、パスワードがインターネットに
公開されているので、必ず無効化および、別のパスワードに変更しま
しょう
 IPMIのインターフェイスを占有・共有モードを検討する
 ベンダーによってはIPMIを専用のNICにするか、共用のNICにするこ
とができますが、基本的には占有モードがおすすめです。
 IP設定でIPv6を無効化する
 意図しないアクセス経路になるため、IPv6環境を利用しない場合は必
ず無効化すること。

7. 仮想化環境での連携
 vSphere（ESXi＋vCenter）とSCVMM＋Hyper-Vの
場合、負荷状況に応じて、ハイパーバイザーを起動さ
せたり、停止させる機能があります。
 vSphereの場合はDPMという機能になります。
 https://docs.vmware.com/jp/VMware-
vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.resmgmt.doc/GU
ID-DE5EF6EA-97F0-43E9-8BD5-2A45A64445BC.html
 SCVMM＋Hyper-V
 https://docs.vmware.com/jp/VMware-
vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.resmgmt.doc/GU
ID-DE5EF6EA-97F0-43E9-8BD5-2A45A64445BC.html

8. 各ベンダーのIPMIの名称
各ベンダーで呼び方はまちまちです。
 HPE
 iLO：Integrated Lights-Out
 DELL
 iDRAC：integrated Dell Remote Access Controller
 NEC
 EXPRESSSCOPEエンジン
 富士通
 iRMC：integrated Remote Management Controller
 日立
 SUPERMICRO
 IPMI
 Lenovo/旧IBM
 IMM：Integrated Management Module
 Huawei
 iBMC： Intelligent Baseboard Management Controller

9. 各ベンダーの特色
 HPE
 周辺ツールの充実や、リモートコンソールがJava以外の.Netなどがある。
 DELL
 iDRACを利用してデプロイやエージェントレス監視が利用できる。
 NEC
 特出した特徴はとくになし。
 富士通
 富士通の管理ソリューションと連携できる
 日立
 特出した特徴はとくになし
 SUPERMICRO
 他のベンダーで有償なリモートコンソールが無償で利用でき、JavaだけでなくHTM5版
のリモートコンソールがある。
 Lenovo/旧IBM
 リモートコンソールにActiveX版のコンソールがある。
 Huawei
 詳細不明

10. HPEのiLo関連ツール
 HP Lights-Out Standalone Remote Console for Windows
 ブラウザを経由せずに直接リモートコンソールを起動できる無償のアプリケー
ション
ダウンロード可能なURLが変わるので検索サイトで検索してダウンロードして
ください。
 HPE iLO Mobile (iLO 3/4/5)
 GooglePlay・Apple Storeで利用できるスマフォアプリ。
https://h50146.www5.hpe.com/lib/products/servers/proliant/manuals
/690350-192_ja.pdf
 HP Lights-Outスタンド アロン リモート コンソール for Windows
 Windows環境にインストールすつiLo用の管理ツール。
このツールでWindows上からiLoを設定できる。
 HPE Systems Insight Manager
 Systems Insight Managerと連携して管理しやすくなります。