選挙制度と政党政治
2019年1月19日
@平成30年度 三鷹市民大学
西田亮介
東京工業大学リーダーシップ教育院/リーダーシップ教育院/
環境・社会理工学院 准教授
ryosukenishida@gmail.com
略歴
• 東京工業大学リーダーシップ教育院准教授。博士(政策・メディア)。
• 1983年京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同大
学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。2014年慶應義塾大学より、博士(政策・メディア)取
得。同大学院政策・メディア研究科助教(有期・研究奨励Ⅱ)、(独)中小機構経営支援情報センターリサー
チャー、東洋大学、学習院大学、デジタルハリウッド大学大学院非常勤講師、立命館大大学院特別招聘准教
授等を経て、2015年9月より東京工業大学大学マネジメントセンター准教授。2016年4月より同リベラルアーツ
研究教育院准教授、2018年4月より現職。
• 専門は公共政策の社会学。情報と政治、民主主義の普及、無業社会、情報化時代の文化政策等を研究。こ
の間、メディア、報道関係実務に多数携わる。
• 単著に『情報武装する政治』(KADOKAWA)、『なぜ政治はわかりにくいのか』(春秋社)『マーケティング化する
民主主義』(イースト・プレス)、『メディアと自民党』(角川書店)、『ネット選挙 解禁がもたらす日本社会の変
容』(東洋経済新報社)、『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』(NHK出版)ほか。
• (共)編著・共著に『民主主義 〈一九四八-­‐五三〉中学・高校社会科教科書エッセンス復刻版』(幻冬舎)、『無業
社会 働くことができない若者たちの未来』(朝日新聞出版)、『「統治」を創造する』(春秋社)『大震災後の社会
学』(講談社)ほか。
• 研究室:https://www.ryosukenishida.com/ 2
• 専門は公共政策の社会学。情報と政治、民主主義の普及、無業社会、情
報化時代の文化政策等を研究。
– 毎日新聞社ネット選挙報道
• 2013年参院選、2014年東京都知事選、2014年衆院選
– 毎日新聞社「政治プレミア」モデレーター(2018年8月〜)
– 朝日新聞社「わたしの紙面批評」(2016年4月〜2018年3月)
– Abema NEWS	
  	
  12時〜「けやきヒルズ」水曜日レギュラーコメンテータ。
– JFN各局火曜日 AM5:30〜 サードプレイス「Ride	
  On	
  the	
  Politics」パーソナリ
ティほか、メディア関係の実務にも携わる。
– 千葉市広報広聴課コミュニケーションズ・アナリスト
• 2015年〜広報広聴課の各種規定の刷新とソーシャル・リスニング関係のアドバイザー。
3
産学連携、共同研究等の実績
(抜粋)
• 2018年度 三菱電機「アルツハイマー型認知症の診断装置のビジネスモデル構
築」(共同研究、研究代表者)
• 2015年度〜 千葉市役所コミュニケーションズ・アナリスト(兼業)
• 2014年度 総合研究開発機構「情報化の挑戦を受ける日本に関する研究」(分担
参加).
• 毎日新聞・立命館大「インターネットと政治」共同研究 (2013年参院選、2014年
東京都知事選、2014年衆院選) (共同研究、受託研究、研究代表者)
• 2013年度 NPO法人育て上げネット「『若年無業者白書』作成プロジェクト」(受託研
究)(研究代表者)(https://readyfor.jp/projects/underserved-­‐youth ).
関連して、
– 2015年『若年無業者白書2014-­‐2015	
  個々の属性と進路決定における多面的分析』作成プロ
ジェクト
– 日本MSアドボカシー「若者と仕事」プロジェクト
(http://www.wakamono-­‐up.jp/top/pdf/shigoto-­‐to-­‐wakamono.pdf) 4
①自民党のメディア露出量と政党別露出量シェア
TV番組 Webニュース 2ch Twitter ブログ 検索
ポジ:42.1%
ネガ:53.3%
7月12日の各メディア露出量
10
番組
(±0)
101
件
(+16)
6,496
件
(+100)
31,880
件
(+800)
1,510
件
(+437)
ポジ:6.3%
ネガ:9.7%
7月13日
18
件
(0)
自民党
32%
自民党
29%
民主党
16%
民主党
18%
維新の会
16%
維新の会
26%
みんなの党
19%
みんなの党
12%
共産党
16%
共産党
15%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
自民党
34%
自民党
37%
民主党
28%
民主党
30%
維新の会
14%
維新の会
17%
みんなの党
10%
みんなの党
9%
共産党
14%
共産党
7%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
総番組数:31
※重複
含む
総番組数:34
政党別の露出量シェア
TV番組 Webニュース
総番組数:253 総記事数:273
7月11日 7月12日 7月11日 7月12日
5
7月13日 今日の打ち手 部外者への閲覧禁止
原発の再稼働問題は
安全確認が第一で、
原子力規制委員会の判断を尊重
することを強調。
6
毎日新聞社共同研究
• Twitter上の候補者、有権者ツイートの分析、報道、紙面展開
• 候補者アカウントを特定した、全ツイート抽出からの定量分
析(ツイート数×RT数)
• 候補者アカウントと特定した、全ツイート抽出からのテキスト
分析(頻出語句等)
• 世論調査、ボートマッチサイト「えらぼーと」との比較検討
• 新聞社資料、取材情報と結合した分析、コンテンツ化
– 2013年参院選
– 2014年東京都知事選
– 2014年毎日新聞デジタル報道センター ?
• 「従来メディアの強みを活かしたデータ・ジャーナリズム」と
は?
7
本日の目次
• 日本の選挙制度の概要と現代的話題について
• 選挙と投票年齢、主権者教育について
• インターネット選挙運動について
• 選挙制度改革について
8
選挙の種類
• 国政選挙/地方選挙
– 衆議院議員総選挙
• 任期4年、定数は465人。うち289人が小選挙区選出議員、176人が比例代表選出。解散あ
り。
– 参議院議員通常選挙
• 任期6年、3年に1回、定数の半数を再選。参議院議員の定数は248人。うち100人が比例
代表選出議員、148人が選挙区選出議員。解散なし。
※日本国憲法では、二院制と任期、改選についての定義のみ。定数は法律が定める。
※「衆議院の優越」
法律案の議決(衆議院による2/3の再議決)、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名、予算
先議権、内閣不信任決議および内閣信任決議、国会の会期決定etc
– 一般の選挙(地方選挙)
• 首長選挙と地方議会の選挙
– 任期4年、解散あり。直接請求(リコール)あり。
– 特別の選挙(国政/地方選挙)
• 再選挙、補欠選挙、増員選挙 9
10
衆議院議員比例代表選挙 選挙区と各選挙区
別定数(定数176人)
ブロック 都道府県 定数
北海道 北海道 8
東北
青森/岩手/
宮城/秋田/
山形/福島
13
北関東
茨城/栃木/
群馬/埼玉
19
南関東
千葉/神奈川
/山梨
22
東京都 東京 17
北陸信越
新潟/富山/
石川/福井/
長野
11
東海
岐阜/静岡/
愛知/三重
21
近畿
滋賀/京都/
大阪/兵庫/
奈良/和歌山
28
中国
鳥取/島根/
岡山/広島/
山口
11
四国
徳島/香川/
愛媛/高知
6
九州
福岡/佐賀/
長崎/熊本/
大分/宮崎/
鹿児島/沖縄
20
総務省「選挙の種類」
( http://www.soumu.go.jp/senkyo/s enkyo_s/naruhodo/naruhodo03.html	
   ) より引用。
11総務省「選挙の種類」
( http://www.soumu.go.jp/senkyo/s enkyo_s/naruhodo/naruhodo03.html	
   ) より引用。
亥年選挙
• 4年に1度の統一地方選挙と、3年に一度の参
院選が12年に一度、同時に実施。
• 組織依存の与党不利という経験的知見。
• 石川真澄朝日新聞記者が提唱。
※今年の亥年選挙をどうよむか?
12
選挙制度改革と参議院の議席増①
• 都市部と地方の一票の格差に関する「違憲状態」判決が相次いだことから、議員
定数の削減の必要。
• 2018年7月18日改正公職選挙法成立。参議院の議席6増。
• 参議院創設当時の議員定数は250。1970年に沖縄県本土復帰に際して選挙区を
設け、2議席増。2000年には、10議席減らす法改正が行われ242議席に。
• 2018年参議院選挙と、次回選挙で3ずつ増えて選挙区が148、比例代表が100の
248に。
• 定数増は、議員1人当たり有権者が最多の埼玉選挙区の定数を2増。参院選か
ら改選議席が「3」から「4」にして、前回選挙で最大3.08倍あった1票の格差が最
大で2.985倍に縮小見込み。
• 比例代表の定数を4増やしたうえで、あらかじめ政党が決めた順位に従って当選
者が決まる「特定枠」を設置。
• 「特定枠」を活用して、「合区」された鳥取と島根、徳島と高知の4県のうち、選挙
区に候補者を擁立できない候補者への配慮とされ、「ゲリマンダリング」の問題が
指摘。
13
• 一票の格差解消のための選挙区改革の必要
性と参議院議員への配慮か。
• 2015年公選法改正により合区の導入と10増
10減
– 東京都、北海道、兵庫県で2増
– 新潟県、宮城県、長野県で2減
• 参議院議員、とくに現職当事者からは強い不
満が。憲法改正を通じた1県1議員の保障に
ついての議論も。
14
選挙制度改革と参議院の議席増②
選挙権と投票年齢
• 選挙年齢・・・
– 16歳:ブラジル、キューバ
– 19歳:韓国
– 18歳:イギリス、フランス、ドイツ、中国
※アメリカは州による。おもに投票は18歳、飲酒・喫煙は21歳。
• 自民党や民主党など与野党7党は2015年4月8日、憲法改正の手続きを定
めた「日本国憲法の改正手続に関する法律」(国民投票法)の改正案を衆
議院に提出。
• 国民投票法:「硬性憲法」とされる日本国憲法の改正手続きを定める法律
• 法律の施行当初は投票年齢を、20歳以上、施行から4年後は18歳以上と
定義。2018年より施行され、国民投票も18歳から。日本型主権者教育(市
民性教育)も実施。 15
普通選挙の歴史
• 普通選挙の原則とその歴史
– 1889年 25歳以上の男子 直接国税15円以上の納税者 公開制(人口の1%程度)
– 1900年 25歳以上の男子 直接国税10円以上の納税者 秘密投票
– 1919年 25歳以上の男子 直接国税3円以上の納税者
• 大正デモクラシーの時期より、婦人参政権を要求する運動が高まるも、実現せず。
– 1925年、普通選挙法(衆議院議員選挙法):
• 25歳以上の成年男子に限定。治安維持法と対に。
• 普通選挙運動やデモを背景に成立
– 1945年 男女普通選挙の実施
– 2015年 公選法改正により投票年齢の引き下げが2016年より実施。71年ぶりの選挙権拡大、
投票率のトレンドにも影響。
• 第24回参議院議員通常選挙の10代投票率は46.78%で、20代投票率(35.60%)、30代投票率(44.24%)
を上回った。
• 2017年の第48回衆議院議員総選挙でも10代投票率(40.49%)は30代投票率(44.75%)には及ばないも
のの、20代投票率(33.85%)を上回る結果に。
• 中等教育における主権者教育や教師の投票呼びかけ等のアナウンス効果の影響? 16
17総務省「国政選挙の年代別投票率の推移について」
( http://www.soumu.go.jp/senkyo/s enkyo_s/news /sonota/nendaibetu/	
   ) より引用。
教育基本法第14条
• (政治教育)
• 第十四条 良識ある公民として必要な政治
的教養は、教育上尊重されなければならない。
• 2 法律に定める学校は、特定の政党を支持
し、又はこれに反対するための政治教育その
他政治的活動をしてはならない。
18
主権者教育に
先行する「18歳選挙権」の是非
• 主権者教育と市民性教育、シチズンシップエデュケーション。
• 2022年度(!)から、高校に「公共」「歴史総合」(仮称)が必修科目
として設置予定。
– 公共:政治参加、社会保障、契約、家族制度、雇用、消費行動等を学
習予定
– 歴史総合: 日本史と世界史の近現代部分を中心に。
※
投票年齢の引き下げは2016年参院選から実施。両者の関係をどの
ように捉えるか
混乱する日本社会の政治認識を解消し、具体的な政党政治に関する
知識、最低限の日本の政治史を提供できるか。
19
20
「内閣府「国の政策への民意の反映程度」『社会生活に関する世論調査』
(http://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-shakai/zh/z15-2.html)より引用。
混乱する
日本政治と社会の認識
21
内閣府「社会全体の満足度(時系列)」 『社会生活に関する世論調査』
(http://survey.gov-online.go.jp/h28/h28-shakai/zh/z14-2.html )より引用。
22
23
陳腐化する若年世代向け
選挙の普及啓発
24
25
自民党「学校教育における政治的中立性についての実態調査」
(https://ssl.jimin.jp/m/school_education_survey2016?_ga=1.5980145
5.395835691.1409157024 )より引用。
高等学校学習指導要領における「公共(仮称)」の改訂の方向性(案)
新必履修科目「公共 (仮称)」
(2)自立した主体として国家・社会の形成に参画し、他者と協働するために
⇒小・中学校社会科で習得した知識等を基盤に、(1)で身に付けた選択・判断の手掛かりとなる考え方や公共的な空間における基本的原理等を活用して現実社会の諸
課題を自ら見出し、考察、構想するとともに、協働の必要な理由、協働を可能とする条件、協働を阻害する要因などについて考察を深める。その際、公共的な空間を
支える様々な制度の改善を通じてよりよい社会を築く自立した主体として生きるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力及び態度を養い、(3)の学習が効果
的に行われるよう課題意識の醸成に努めるようにする。
多様な契約、メディア、情報リテラシー、男女共同参画・・・
(ア~エのうち二つ、あるいは三つが複合的に関連し合う題材を取り扱うことが考えられる)
※ 様々な主体となる個人を支える家族・家庭や地域等にあるコミュニティ
⇒世代間協力・交流、自助・共助・公助等による社会的基盤の強化
家族・家庭、生涯の生活の設計や消費生活等に関する個人を起点とした自立した主体となる力を育む家庭科、横断的・総合的な学習や探究的な学習を行う総合的な探究の時間(仮称)などと連携
<題材の例>
イ 経済的主体となる私たちア 政治的主体となる私たち
エ 様々な情報の発信・受信主体となる私たちウ 法的主体となる私たち
財政と税、社会保障、市場経済の機能と限界、雇用、労働問題
(労働関係法制を含む)・・・
裁判制度と司法参加・・・ 消費者の権利や責任、契約・・・ 情報モラル・・・
政治参加、世論の形成、地方自治、
国家主権(領土を含む)、国際貢献・・・
職業選択、金融の働き、経済のグローバル
化と相互依存関係の深まり・・・
ア 公共的な空間を作る私たち
イ 公共的な空間における人間としての在り方生き方
ウ 公共的な空間における基本的原理
⇒今まで受け継がれてきた蓄積や先人の取組、知恵などを踏まえ、①「様々な立場や文化等を背景にして社会が成立していること」、②「「自立した主体とは何か」を
問い、自らを成長させることや、対話を通じてお互いを理解し高め合うこと」の両者によって公共的な空間を作り出していくことについて学ぶ。
⇒社会に参画し、他者と協働する倫理的主体として、行為の善さを個人が判断するための手掛かりとなる、①「その行為の結果である、個人や社会全体の幸福を重
視する考え方」と②「その行為の動機となる人間的責務としての公正などを重視する考え方」について理解させる。その際、行為の結果について、多面的・多角的
に考えていくことが重要であることなどの留意点についても指導する。
⇒個人と社会との関わりにおいて、個人の尊重を前提に、人間の尊厳と平等、協働の利益と社会の安定性の確保をともに図ることなどの公共的な空間における基本的
原理について理解させる。その際、民主主義、法の支配、自由・権利と責任・義務、相互承認などを取り上げる。
(1) 「公共」の扉
選挙管理委員会、消費
者センター、弁護士、
NPO など
(3)持続可能な社会づくりの主体となるために
⇒ (1)で身に付けた選択・判断の手掛かりとなる考え方や公共的な空間における基本的原理等を活用するとともに、(2)で行った課題追究的な学習で扱った現実社会
の諸課題への関心を一層高め、個人を起点として、自立、協働の観点から、 今まで受け継がれてきた蓄積や先人の取組、知恵などを踏まえつつ多様性を尊重し、
合意形成や社会参画を視野に入れながら持続可能な地域、国家・社会、国際社会づくりに向けた役割を担う主体となることについて探究を行う。
ア 地域の創造への主体的参画 イ よりよい国家・社会の構築への主体的参画 ウ 国際社会への主体的参画
<題材の例> 公共的な場づくりや安全を目指した地域の活性化、受益と負担の均衡や世代間の調和がとれた社会保障、文化と宗教の多様性、国際平和、国際経済格差の是正と国際協力・・・
などについて探究
資質・能力
○ 現代社会の諸課題を捉え考
察し、選択・判断するための
手掛かりとなる概念や理論
の理解、及び諸資料から、倫
理的、政治的、経済的、法的、
様々な情報の発信・受信主
体等となるために必要な情
報を効果的に収集する・読み
取る・まとめる技能
○ 選択・判断するための手掛か
りとなる考え方や公共的な空
間における基本的原理を活
用して、現代の社会的事象
や現実社会の諸課題の解決
に向けて、事実を基に協働的
に考察し、合意形成や社会
参画を視野に入れながら構
想したことを、妥当性や効果、
実現可能性などを指標にして
論拠を基に議論する力
○ 現代社会に生きる人間として
の在り方生き方についての
自覚、我が国及び国際社会
において国家及び社会の形
成に積極的な役割を果たそ
うとする自覚など
※ 「公共(仮称)」においては、教科目標の実現を見通した上で、キャリア教育の観点から、特別活動などと連携し、経済、法、情報発信などの主体として社会に参画する力を育む中核的機能を担うことが求められる。
※取り上げる事象については、生徒の考えが深まるよう様々な見解を提示することなどが求められる。その際、特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏っ
た取扱いにより、生徒が多面的・多角的に考察し、事実を客観的に捉え、公正に判断することを妨げることのないよう留意すること。また、客観的かつ公正な資料に基づいて指導するよう留意すること。
考えられる
学習活動の例
関係する
専門家・機関
「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者」を育成
倫理的主体となる私たち
討論、ディベート、模擬選
挙、模擬投票、模擬裁判、
インターンシップの事前・
事後の学習 など
平 成 2 8 年 7 月 1 9 日
教 育 課 程 部 会
社 会 ・ 地 理 歴 史 ・ 公 民
ワ ー キ ン グ グ ル ー プ
⇒自立した主体とは、孤立して生きるのではなく、他者との協働により国家や社会など公共的な空間を作る主体であるということを学ぶとともに、
選択・判断するための手掛かりとなる概念や理論、公共的な空間における基本的原理を理解し、(2)、(3)の学習の基盤を養う。人
間
と
社
会
の
在
り
方
に
つ
い
て
の
見
方
・考
え
方
を
働
か
せ
て
、
右
の
資
質
・能
力
を
育
む
21
26文科省「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(素案)のポイント参考資料」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/08/02/1375316
_2_1.pdf ) より引用。
現代社会の課題を捉え考察し、選択・判断するための手掛かりとなる概念や理論を、古今東西の知的蓄積を
踏まえて習得する。
選択・判断するための手掛かりとなる考え方や公共的な空間における基本的原理を活用して、現代の社会的
事象や現実社会の諸課題について、事実を基に協働的に考察し、合意形成や社会参画を視野に入れながら
解決に向けて構想したことの妥当性や効果、実現可能性などを指標にして論拠を基に議論する力を養う。
持続可能な社会づくりの主体となるために、様々な課題の発見・解決に向けた探究を行い、「グローバル化す
る国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の有為な形成者」として必要な資質・能力を養う。
新選択科目
「政治・経済(仮称)」
新選択科目
「倫理(仮称)」
公共的な事柄に自ら参画しようとす
る意欲や態度を育み、現代社会に生
きる人間としての在り方生き方につ
いての自覚を一層深める学習を充実
新必履修科目「公共(仮称) 」 の構成
原典も活用し様々な先哲の考え方を手掛
かりとし、哲学に関わる対話的手法も活
用して、自立して思索を行い、他者と共に
生きる主体を育む「倫理」
※思想史的知識の習得に終始しないようにする。
政治と経済の特質を総合的・一体的に捉え
るとともにグローバルな視点をより重視して、
国家及び社会の形成に、より積極的な役割
を果たす主体を育む「政治・経済」
※制度・仕組みの知識の習得に終始しないようにする。
公民科目の改訂の方向性(案)
※ 現行の選択必履修科目「現代社会」同様に1科目でもって公民科の教科目標を達成することのできる新必履修科目「公共(仮称) 」を設置することとなっ
ている。この科目は、「現代社会」における三つの大項目相互の関係や学習内容において共通する点が多く、その発展と捉えることもできることから、
「現代社会」については科目を設置しないこととする。
平 成 2 8 年 7 月 1 9 日
教 育 課 程 部 会
社 会 ・ 地 理 歴 史 ・ 公 民
ワ ー キ ン グ グ ル ー プ
22
27
文科省「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(素案)のポイント参考資料」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/08/02/1375316
_2_1.pdf ) より引用。
文科省「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等
の生徒による政治的活動等について(通知)」
• 文科省「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治
的活動等について(通知) 」2015年10月27日
– 第1 高等学校等における政治的教養の教育
– 第2 政治的教養の教育に関する指導上の留意事項
– 第3 高等学校等の生徒の政治的活動等
– 第4 インターネットを利用した政治的活動等
– 第5 家庭や地域の関係団体等との連携・協力
• 全文→ http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1363082.htm
28
文科省「高等学校等における政治的教養の教育と高等
学校等の生徒による政治的活動等について(通知) 」
第2 政治的教養の教育に関する指導上の留意事項
1.政治的教養の教育は、学習指導要領に基づいて、校長を中心に学校として指導のねらいを明確にし、系統的、計画的な指導
計画を立てて実施すること。また、教科においては公民科での指導が中心となるが、総合的な学習の時間や特別活動における
ホームルーム活動、生徒会活動、学校行事なども活用して適切な指導を行うこと。
指導に当たっては、教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立な立場で生徒を指導すること。
2.政治的教養の教育においては、議会制民主主義など民主主義の意義とともに、選挙や投票が政策に及ぼす影響などの政策
形成の仕組みや選挙の具体的な投票方法など、政治や選挙についての理解を重視すること。あわせて、学校教育全体を通じて
育むことが求められる、論理的思考力、現実社会の諸課題について多面的・多角的に考察し、公正に判断する力、現実社会の諸
課題を見いだし、協働的に追究し解決する力、公共的な事柄に自ら参画しようとする意欲や態度を身に付けさせること。
3.指導に当たっては、学校が政治的中立性を確保しつつ、現実の具体的な政治的事象も取り扱い、生徒が有権者として自らの
判断で権利を行使することができるよう、より一層具体的かつ実践的な指導を行うこと。
また、現実の具体的な政治的事象については、種々の見解があり、一つの見解が絶対的に正しく、他のものは誤りであると断定
することは困難である。加えて、一般に政治は意見や信念、利害の対立状況から発生するものである。そのため、生徒が自分の
意見を持ちながら、異なる意見や対立する意見を理解し、議論を交わすことを通して、自分の意見を批判的に検討し、吟味してい
くことが重要である。したがって、学校における政治的事象の指導においては、一つの結論を出すよりも結論に至るまでの冷静で
理性的な議論の過程が重要であることを理解させること。
さらに、多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄、現実の利害等の対立のある事柄等を取り上げる場合には、生徒の
考えや議論が深まるよう様々な見解を提示することなどが重要であること。
その際、特定の事柄を強調しすぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏った取
扱いにより、生徒が主体的に考え、判断することを妨げることのないよう留意すること。また、補助教材の適切な取扱いに関し、同
様の観点から発出された平成27年3月4日付け26文科初第1257号「学校における補助教材の適正な取扱いについて」にも留意す
ること。
29
文科省「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知) 」
(http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1363082.htm) より引用。強調、下線部は引用者による。
30
自民党「学校教育における政治的中立性についての実態調査」
(https://ssl.jimin.jp/m/school_education_survey2016?_ga=1.5980145
5.395835691.1409157024 )より引用。
31
ネット選挙
• 公選法第142条に、ウェブサイト等を利用す
る方法による文書図画の頒布、に関する項
目を追加
• 従来規制はそのまま。成年規制等
• 電子メールは候補者、政党等に限る
• 有償バナー広告は政党等に限る
• 落選運動の位置付け
32
ネット選挙の課題
• 「均質な公平性」か「漸進的改良主義」か
– 制限列挙形式と、一部創意工夫と試行錯誤
が問われるネット選挙の制度設計
33
ネット選挙解禁の
「誤解」と「理念なき解禁」
• 金のかからない選挙?
• 投票率をあげる?
– 都議選54.9%(史上2番めの低さ)
– 福岡県中間市43.64%(史上最低)
– 2013年参院選52.61%(史上3番目の低さ)
• 電子投票?
– 秘密選挙の原則をいかに担保するか
• 変化仮説or正常化仮説(平準化仮説or通常化仮説)
• なりすましと誹謗中傷の問題。他方、ネット選挙関連の公
選法違反は無し
34
ネット選挙解禁の歴史
• 1996年に新党さきがけが旧自治省に問合せ
• 2000年代民主党が解禁を提唱
• 2010年に与野党合意に至るも、その後民主党は推
進せず
• 2012年衆院選直前に、安倍総裁が解禁に注力す
ることを宣言。自民党対象直後から積極的に関与。
• 2013年自民党執行部中心に議論が加速。2013年4
月19日の参院本会議で成立。
• 2017年野田総務大臣が再検討等に言及。
ネット選挙の最先端:
非テキストSNSの台頭とその活用
• 総務省『平成29年版 情報通信白書』は「スマートフォン社会の到来」を宣言
(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111000.html)。
• 総務省『平成30年版 情報通信白書』によると、2017年のインターネット普及率は
80.9%、ただし、「個人の年齢階層別インターネット利用率は、13歳~59歳までは各
階層で9割を超えている」。
( http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252120.html)
– 少子高齢化が利用の利用率のピークアウトと関係?
– また「インターネット利用者の割合」によると、スマートフォンからのアクセスが全国で59.7%、41
の都道府県で50%超。なかでも大都市圏におけるインターネット利用率、スマートフォン利用率
がともに高い。
– 10代から30代でおよそ7割前後のユーザーが何らかのソーシャルネットワークサービスを利用。
全体では54.7%。
• Instagram:	
  (株)ガイアックスの調べによれば、2018年11月の国内月刊アクティブ
ユーザーは2900万人。海外では同10億人(「2018年11月更新! 11のソーシャルメ
ディア最新動向データまとめ」(https://gaiax-­‐socialmedialab.jp/post-­‐30833/))。
– 同社の分析によれば、日本では10代、20代の若年世代の女性中心に普及(海外では30代、40
代)。アクティブユーザー数も近年増加傾向。購買行動にも強く影響。
– 政治的には、F1層(20代〜34歳女性)というもっともリーチ困難な層が積極活用している点が要
注目。 35
政治社会的背景②:
情報化する政府広報への活用
• 情報化する政府広報:	
  メールマガジン(小泉内閣時)、動画(配信、アーカイ
ブ)、SNS活用
– 2018年12月時点で、instagram、LINE、facebook、twitter、YouTubeが存在。
– FacebookとTwitterには複数アカウントあり。前者は日本語版と英語版、後者は日本
語が複数目的(「首相官邸」「首相官邸災害・危機管理情報」「首相官邸被災者応援
情報」)と英語版。
– コンテンツはワンコンテンツ・マルチユースがなされている。
• 政府広報へのinstagramの活用
– 2017年12月27日に最初のポスト(次のスライド)
• 2017年12月28日付でソーシャルメディア・ポリシーに相当する「Instagram首
相官邸アカウント(@kantei)運用ポリシー」
(https://www.kantei.go.jp/jp/pages/instagram_policy.html)を公開。「(1)	
  首
相官邸の日々の動き (2)	
  内閣が取り組む重要政策 等」の発信するアカウ
ントと定義。
• コンテンツ利用の出典の記載、加工、編集等の場合にはその旨の記載を要
請。クリエイティブ・コモンズのCC	
  BYとの互換性を明記。 36
@kanteiとは
37
(https://www.instagram.com/kantei/より引用,	
   2018年12月15日最終閲覧)
• フォロワー約44万3000人、アカウントからフォローするのは28人。フォローするハッシュタグは2件
( #abevisit、 #palm8)(後者は福島県いわき市で開催された第8回太平洋・島サミット(PALM8)のこと
を指すものと思われる)
• フォローアカウントは下記の通りで、五輪関連アカウント、省庁アカウント、各国、なかでもアメリカ政
府要人が目立つ。 • olympicchannel認証済み
Olympic   Channel
• saj.snowjapan
SNOW  JAPAN
• team_nippon認証済み
「チームがんばれ!ニッポン!」
• gorin認証済み
オリンピック(The   Olympic   Games)
• turnbullmalcolm認証済み
Malcolm   Turnbull
• boyko.borissov認証済み
Boyko   Borissov
• flotus認証済み
First  Lady   Melania   Trump
• ivankatrump認証済み
Ivanka   Trump
• unitednations認証済み
United   Nations
• tokyo2020認証済み
Tokyo   2020
• coolchoice100
COOL  CHOICE(環境省)公式アカウント
• jgsdf_pr
陸上自衛隊
• jmsdf_pr
海上自衛隊
• mofajapan
MofaJapan外務省
•meti_japan認証済み
経済産業省
• narendramodi認証済み
Narendra   Modi
• quirinale認証済み
Quirinale
• paologentiloni認証済み
Paolo   Gentiloni
• palazzo_chigi認証済み
Palazzo   Chigi
• emmanuelmacron認証済み
Emmanuel   Macron
• elysee認証済み
Présidence   de   la   République
• bundeskanzlerin認証済み
Angela   Merkel
• justinpjtrudeau認証済み
Justin   Trudeau
• theresamay認証済み
Theresa   May
• 10downingstreet認証済み
UK  Prime   Minister
• realdonaldtrump認証済み
President   Donald   J.  Trump
• whitehouse認証済み
The   White  House
• shinzoabe認証済み
安倍晋三
@kanteiの最初のポスト
38(https://www.instagram.com/p/BdMRB7yBh1T/ より引用,	
   2018年12月15日最終閲覧)
ネット選挙の課題:
政治の情報化とイメージ政治
• 「イメージ政治」
– 有権者が、知識や論理にもとづいて理性的に政局を認識することができず、また政治も
印象獲得に積極的に取り組むことで、『イメージ』によって政治が駆動する状態
• 「統治のイメージ政治」、「抵抗のイメージ政治」
Ø 日本政治の「情と理」、定着しない理性の政治
Ø 前者の優位性。参院選でも顕著に。脊髄反射的政治の誘発/理性の政治の広報と
は?
• ジャーナリズムにおけるネットの過剰期待と、遅れる報道技術、ガバナンス、
表現技法のイノベーション
• 生活者における民主主義の共通感覚、政治を理解するためのフレームワー
クの不在
39
• 西田亮介,2018,『情報武装する政治』(KADOKAWA).
• 西田亮介,2016,「ソーシャルメディア時代のジャーナリズムの変容とその課題――「メディア間の対立の融解」と「信頼の自明
性の喪失」という視点から」遠藤薫編著『間メディア社会の<ジャーナリズム> ソーシャルメディアは公共性を変えるか』
124−38.等
選挙制度改革
• 1970年代から1980年代にかけて相次いだ政治とカネの問題、直接的には1988
年のリクルート事件を受けて、政府自民党内で選挙制度改革の必要性が提起。
• 1989年6月第8次選挙制度審議会が発足。同審議会は 90年7月までに衆議院選
挙への小選挙区比例代表並立制の導入、衆参両院選挙区制度改革、連座制の
強化、政治資金の収支公開の徹底、政党への公的補助などの提言をまとめ内閣
総理大臣に答申。しかし当時の宮澤内閣は選挙制度改革に関する態度が転変し
頓挫。
• 1993年8月成立した細川連立内閣は小選挙区比例代表並立制の導入による選
挙制度改革を含む、改正公選法、衆議院議員選挙区画定審議会設置法、改正
政治資金規正法、政党助成法の政治改革4法案が 94年1月に成立。1996年衆議
院総選挙から実施。
• 小選挙区制は死票が多く、風をうけやすいといった指摘も。ただし、政治とカネの
問題の解決が原典にあったことは忘れられがち。
• 政治資金規正法は企業・団体からの寄附の対象を政党(政党支部を含む)と、新
たに規定した資金管理団体に限定、外国人献金の禁止等を定めるが、随所に実
効性に欠く面も指摘。
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20190119mitaka