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漢籍利用者の研究プロセスと利用者タスク
evidence-basedな目録規則を目指す試み
@情報組織化研究グループ 2022年5月月例研究会(Zoom)
木村 麻衣子(日本女子大学文学部)
2022/5/21 14:30-16:00
1
目録規則とは
• 誰か(目録委員会とか)が決めるもの
• (図書館にとっては)与えられるもの
• 国際標準に則るべきもの ←国際標準も,誰かが決めるもの
• 変えられないもの
• 守るべきルール
2
・・・今までは。
今のRDAは
• 多くの選択肢(オプション)が示されるもの
• データ作成機関がその中から必要なものを選ぶもの
• IFLA LRMに則るもの(=利用者タスクに根差すもの)
• しばしば更新されるもの
• 守るべきルール ではなく,大枠を揃えることで緩やかな標準化を目指す
もの
3
―今までの「目録規則」の定義には当てはまらない。
#こういうものをも日本語で「目録規則」と呼ぶかどうかは日本語の問題
#国内の目録規則もこんな感じでよいかどうかは別問題
利用者タスクとは
• IFLA LRMでは,“広範囲にわたる書誌・典拠データの利用者のニーズ”
を考慮の上で定義された,利用者の“情報検索プロセスの基本的な各
側面を抽出”したもの1)
• IFLA LRMでは,「発見」,「識別」,「選択」,「入手」,「探索」
1) Riva, Pat; Bœuf, Patrick Le; Žumer, Maja. IFLA図書館参照モデル: 書誌情報の概念モデル
[IFLA Library Reference Model]. 和中幹雄ほか訳. 樹村房, 2019, p.11.
4
利用者タスクの位置づけ
• FRBR Family • IFLA LRM
 方法(含: 範囲と目的)
 利用者タスク
 モデル定義
 実体
 属性
 関連
 モデルの概観
 ユースケース
 目的・範囲・方法
 実体
 属性
 関連
 利用者タスク(含: マッ
ピング)
 全国書誌レコード
• どのような目録基準であっても、それが利用者のニーズにどれだけ応えてい
るかを常に再評価しなければならない。この利用者ニーズの評価は、
FRBR報告書の主要な構成要素であった(が、今ではほとんど忘れ去ら
れている)。
• 貴重資料の目録作成に対する利用者ニーズの分析は、効果的に完了さ
せることが最も困難であると思われる。分析は、現実の研究行動に基づ
かなければならない。利用者行動の分析なしには、カタロガーの勘と事例
証拠に我々の基準を基づかせることになる。私たちの勘はほとんどの場合
正しいかもしれないが、もし私たちが貴重資料のための広範な基準を構
築するのであれば、それはより正式な分析によって支えられるべきである。
―Fell, Todd; Lapka, Francis. ISBD and DCRM into RDA: An Opportunity for Convergence?.
Cataloging & Classification Quarterly. 2016, vol. 54, iss. 5-6, p. 282-291.
6
FRBR系「利用者タスク」の問題点
• 「利用者タスク」に基づいて記録すべきエレメントを決めていく,という考え
方を提示したことはFRBRの最大の美点
• ところが,FRBRの「利用者タスク」は,WGの図書館員(目録担当
者)らが,これまでの経験に基づき,「利用者ってこうだよね!」という思
い込みで設定していると思われる
• それを「分析」と呼んでしまうことには違和感がある
• 目録担当者らの経験に基づいて「利用者タスク」を決めるならば,これま
での目録担当者の経験に基づいた目録作成と,何が違うというのか
• IFLA LRMではマッピングを避け「ユースケース」を提示しているが,その
根拠が「WGメンバーの経験」である点は変わらない
7
課題
• 利用者タスクは,図書館員の経験から案出するのではなく,現実の利
用者行動から根拠を持って確定させるべき
• 一方で,利用者タスクを,現実の利用者行動から抽出する方法は確
立されていない
• (Fellらは貴重資料の利用者ニーズの分析が特に難しいと述べている
が)全ての図書館のすべての利用者の一般的な利用者タスクを現実の
利用者行動に基づいて抽出するのも相当に困難と考えられる
→資料群を限定すれば多少はやりやすいかもしれない
• 一般的でない資料群の目録データのための利用者タスクと記録すべきエ
レメントは,LRMやRDAで充分に取り扱われてはいない cf: DCRMR
8
NCR2018における和古書・漢籍の扱い
• NCR1987rev3の和古書・漢籍に関する条文を,NCR2018のそれらしい箇
所に移してある
• 内容の再検討は経ていない
• NCR1987rev3の条文自体にも問題はあり1)
• 利用者タスクに根差していないのではないか?
• 少なくとも和古書・漢籍の利用者タスクが検討された形跡はない
• それでよいのか?
• 国内の和古書・漢籍書誌データは標準化されていない
1)伊藤洪二. 図書館のための和漢古書目録法入門. 樹村房, 2019, 262p.
9
あるあるQ&A
• 和古書や漢籍を専門で扱う人たちの間で標準的に用いられている目録
規則のようなものがあるなら,それを使えばいいのでは(=NCR2018で
そんなにきちんと定める必要はないのでは)?
→そのような標準的目録規則は存在しません。
• 標準的に用いられているフォーマットくらいはあるでしょ?
→ありません。
• 我々ド素人がNCR2018の中に和古書・漢籍の目録規則を作るのは無
理があるので,そういうことは専門家に任せれば?
→専門家には,書誌データを標準化するモチベーションは起こりにくく,
標準的目録規則の形成はほとんど期待できません。
10
研究目的
• 漢籍利用者がどのような目的で,どのように漢籍を探し,どのようにそれ
を利用するのか,という研究プロセスをインタビュー調査から明らかにするこ
と
• その結果を可視化すること
• そこから漢籍の利用者タスクと目録に記録すべきエレメントを明らかにする
こと
• 明らかにしたエレメントを現実の書誌データと対照し評価する(ための枠
組みをつくる)こと
11
研究目的
• 漢籍利用者がどのような目的で,どのように漢籍を探し,どのようにそれ
を利用するのか,という研究プロセスをインタビュー調査から明らかにするこ
と
• その結果を可視化すること
• そこから漢籍の利用者タスクと目録に記録すべきエレメントを明らかにする
こと
• 明らかにしたエレメントを現実の書誌データと対照し評価する(ための枠
組みをつくる)こと
12
研究方法(今回の範囲)
1. インタビュー調査(13名)
2. ドメインモデルの策定
3. ユースケース記述
4. 研究プロセス記述(UMLのアクティビティ図を使用)
5. ユースケースから利用者タスク確定
13
調査方法1―インタビュー調査
• 2018年から2020年にかけて,研究者13名に対して1時間から2時間
程度のインタビュー調査を実施
• クリティカルインシデント法を用いた半構造化インタビュー
• 質問内容は①研究分野,②最近漢籍を探したり使用したりした経験に
ついて,a)その漢籍の書名,b)なぜその漢籍を必要としたか,c)その漢
籍をどのように探したか,d)どのように使用したか
• インタビュー内容を録音・文字起こし・一次コーディング(発言の意味する
ところを表すコードを付与)・二次コーディング(似た意味の一次コードを
グルーピングし二次コードを付与)
14
インタビューの感想
• 研究室でお話を聞かせていただく方が,やりやすい(コロナ禍で非常に厳しく
なった)
• 昔の話はご本人も忘れているので,プロセスを聞き取りづらい
• 何名に話を聞いたらゴールなのか,最後までわからなかった
• 質的研究の場合,8名で充分という説あり1)
• 研究分野をある程度網羅したかった
• 今回は追加インタビュー2名から新しいタスクが出なかったため,完了とした
• 線装本の漢籍やその画像をイメージして調査をはじめたが,思った以上に影印
本や標点本が使われていた(研究分野によってはむしろ線装本は使わない)
1)McCracken, Grant. インタビュー調査法の基礎. 千倉書房, 2022, p. 23.
15
調査方法2―ドメインモデルの策定
• Rosenbergらは,ユースケースの記述にあたって,あらかじめユースケー
ス作成の対象領域の物や概念を明確な用語で定義したドメインモデルを
作成することを推奨1)
• ドメインモデル=(対象領域における)概念モデル
• 論文では写本に「版」クラスを用いないことにしていたが,改訂予定
1)Rosenberg, Doug; Stephens, Matt. ユースケース駆動開発実践ガイド: オブジェクト指向分析からSpringによる実装まで. 翔
泳社, 2007, p. 80-85.
16
ドメインモデル
17
調査方法3―ユースケース記述
• UML(統一モデリング言語)では定義されておらず標準化もされていない
• Cockburnによるテンプレートが比較的標準的とされる1)(Rosenberg
らは長すぎると批判)
• 先行研究のユースケースの書き方もバラバラ
1)Fowler, Martin. UMLモデリングのエッセンス. 第3版. 翔泳社,
2005, p. 105.
18
IFLA LRM
19
出典: Riva, Pat et al. IFLA図
書館参照モデル. 樹村房, 2019,
p. 100.
20
Rare Materials
Ontology
Extension
のための
ユースケース
Cockburnによるテンプレート1)
• ユースケースタイトル
• スコープ
• レベル
• コンテキスト
• 主アクター
• 利害関係者と利益
• 最低保証
• 成功時保証
21
• 事前条件
• トリガー
• 主成功シナリオ(シナリオ内に各ステップ
を記述)
• 拡張
• 発生頻度
• 未決定事項
1)Cockburn, Alisteir. ユースケース実践ガイド. 翔泳社,
2001, 330p.
ユースケース記述上の工夫
• Cockburnのテンプレート通りに書くのは無理
• Rosenbergらは,ユースケースから現実のプログラムのソースコードを導く
ICONIXプロセスを提案1)
• この中で,“過度に複雑化されたユースケーステンプレートは,不必要な作業を
生み出します”とし,ユースケースは「基本シナリオ」と「代替シナリオ」のみを記述す
ればよいと提唱
• 本研究では複数名が同じユースケースを共有するため,必要に応じて事
前条件も記述
1) Rosenberg, Doug; Stephens, Matt. ユースケース駆動開発実践ガイド: オブジェクト指向分
析からSpringによる実装まで. 翔泳社, 2007, 512p.
22
本研究で記述したユースケース
23
https://onl.tw/n9ML926
ユースケース名一覧(全30件)
1. 先行研究を調査する
2. 既知資料の所蔵機関を探す
3. 既知資料の所蔵機関における配置場所を調べる
4. 未知資料を探す
5. 資料の利用価値を評価する
6. テキストデータを入手する
7. 正確なテキストを確認する
8. テキスト中の特定語彙を探す
24
9. 複数のテキストを比較する
10.版面画像/影印本を閲覧する
11.版面画像を入手する
12.人の助けを借りる
13.原本調査の必要性を判断する
14.所蔵機関で資料を閲覧する
15.写真を撮影する
16.複写する
25
ユースケース名一覧(全30件)
17.テキストを書き写す
18.調査の記録を取る
19.本文を読む
20.版の異同を確認する
21.校注をつける
22.既知情報を再確認する
23.個人に関する情報を入手する
24.場所に関する情報を入手する
26
ユースケース名一覧(全30件)
25.出版者に関する情報を入手する
26.蔵書印を読む
27.書入れを読む
28.個別資料の学問的位置づけを考察する
29.新刊情報を入手する
30.購入する
27
ユースケース名一覧(全30件)
調査方法4―研究プロセス記述
• UMLのアクティビティ図を採用
• Thomerらによる「研究プロセスモデリング」の先行例あり1)
• 5人目くらいまでは全員分をまとめていたが,途中で無理と気づく
• 結局,1人に1図を作成,ユースケースと照らし合わせながら見るものに
(プロセスを可視化する目的が果たせればよいと割り切り)
1)Thomer, Andrea K. et al. Documenting provenance in noncomputational
workflows: research process models based on geobiology fieldwork in Yellowstone
National Park. JASIST, 69(10), 2018, p. 1234-1245.
28
初期の頃書いたもの
最後に書いたもの(一部)
30
調査方法5―利用者タスク確定
• ユースケース名(30件)はそのまま利用者タスク
• さらに,ユースケースから,エレメントも抽出できないことはない
• ユースケースとしなかった行為5件(研究対象を確定する,フィールドワー
クを行う,テキストを電子化する,テキストの内容を分析する,論文を
書く)を含めると35件
• しかし,ユースケースがそもそもインタビュー調査をまとめたものなので,イ
ンタビュー調査から直接利用者タスクとエレメントを抽出した結果を,次の
論文で発表予定
• 利用者タスクは今のところ39件で大差はなかったが,エレメントの抽出はこちらの
ほうがしやすい
• 目録に記録されないエレメント(本文など)としか結び付かないタスクにつ
いては,削除予定
31
Evidence-based cataloging(EBC)とは
• “目録作成における多くの基本的な理論に関する実証的研究の欠如”は
1997年には指摘されていたが1),Roederによれば,2008年のOn
the record2)以後,EBCの語が頻繁に用いられるようになった3)
1) Jeng, L. H. Knowledge, technology, and research in cataloging. CCQ, 24(1/2),
1997, p.113-127.
2)On the record: 書誌コントロールの将来に関する米国議会図書館ワーキンググループ報告書
(2008), https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1001859
3) Roeder, R. A year of cataloging research. Library Resources & Technical Services,
54(1), 2010, p. 2-3.
32
EBCの先行研究
• 例えばHider&Tan(2008)は,シンガポール国家図書館のOPAC利用
者への調査により各エレメントが利用者タスクIdentificationと
Selectionにどれだけ役立ったかを聞き,客観的に書誌レコードの質を評
価する手法を開発1)
• Carterは,2006年のLCのシリーズ典拠廃止がもたらした影響やメリット
の根拠が示されていないことをECBの観点から批判2)
1) Hider, P. & Tan, K. Constructing Record Quality Measures Based on Catalog Use.
Cataloging & Classification Quarterly. 46(4), 2008, p. 338-361
2) Carter, K. Evidence Based Cataloguing: Moving Beyond the Rules. Evidence
Based Library and Information Practice, 5(4), 2010, p. 115–120.
33
EBCの問題点
• 各エレメントがどのくらい役に立っているかの評価→記録すべきエレメントと
そうでもないエレメントの決定,という手順を踏むには,すでにある程度
充分なエレメントが提供されていることが前提
• 日本の漢籍目録の場合,その前提を満たしていない場合があるので,
この方法での検証は難しい
• 利用者に評価させる場合,エレメント自体に対する評価と,検索システ
ムに対する評価の峻別が難しい
• エレメントごとの要不要を各機関が根拠をもって判断し,記録の要否を
決定することが望ましい→目録規則の段階でEvidence-basedでありた
い
34
これからの目録規則に求められること
• 利用者タスク(利用者ニーズ)ベースであること
• Evidence-basedであること
• どうしたらevidence-basedになるのかは,まだ研究が必要
• 本研究が一例となれば
35
謝辞
インタビュー調査にご協力いただいた研究者の皆様に感謝申し上
げます。
本研究はJSPS科研費18K18329および20H00013の助成を受け
ています。
36

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漢籍利用者の研究プロセスと利用者タスク

Editor's Notes

  1. ところが今のRDAは明らかに目録規則ではない。変わってきたよねっていう話。 英語ではcataloging codeやcataloging rules 。
  2. 旧RDAは,そこまで振り切っていなかった。過渡期だったと言える。過渡期の旧RDAの大部分をそのまま持ち込んでしまったNCR2018は,どっちつかずの状態。
  3. 章立て。上から。 FRBR のときも利用者タスクははじめに検討されていたにもかかわらず,章立ての中ではうしろのほう。そのため,あまり重視されず,実体・属性・関連からなる実体関連モデル,とくに著作―表現形―体現形―個別資料の4階層ばかりが注目を集める結果となった。IFLA LRMではその反省を踏まえたのかわからないが,利用者タスクが最初に扱われている。また,批判をあびたマッピングをやめて,ユースケースという形で末尾に持ってきている。
  4. Fellらは,一般的な利用者タスクがLRMの5つであることは認めている。だから,結果的に,ああいう感じになるのかもしれない。調べてないけど。そういう前提でやらないとしょうがないという部分もある。調査が難しいので。
  5. 専門家にとって,書誌データとは,研究成果であり,その研究の目的に応じて自由に記録するもの。メモならば自分がわかればよい。論文中に記述する場合,ある程度こういう項目を記録する,という共通認識はあるものの,その記述の仕方は自由。それを制限あるいは標準化することは,彼らにとって何のメリットもない。 書誌データを表に出して共有しよう,という考え方自体最近のもので,そういう考えをお持ちでない方も。表に出しても良いと考える方でも,自分の決めた順序で自分の決めたとおりの形式で出すならいいが,勝手にどこかが決めたフォーマットに従った形では出したくないと思っていたりもする。そういう出し方をされるのは,自分の論文を勝手に切り刻まれて内容の順番を変えて公表されるのと同じ感覚だったりする。また,いま自分がかかわっている本およびそれに関連する本への関心に比べ,その他の本への関心は極端に薄く,それらを平等に網羅的にデータベース化しかつ他のデータベースと相互運用できるようにしようと言った試みは,みなさん総論としては賛成なさるが,そのために細かい作業を引き受けても良いとまで思ってくれる人はあまりいない。 全体のことを考えて標準化や相互運用という作業を完遂できる機関があるとしたら,それは図書館しかない。
  6. Cockburn=コーバーン
  7. LD4Pプロジェクトの一環として,コーネル大学図書館とACRL Rare books Committeeが構築したRare Materials Ontology Extensionの構築の過程で検討したユースケース。
  8. アリスター・コーバーン
  9. ちゃんと説明
  10. 利用者タスクがIdentificationとSelectionに最初から限定されていた。
  11. いままでのEBCは,いますでに記録されているエレメントが,役に立っているかどうかという視点でなされていたと思う。 卵が先か鶏が先かという話ではあるが。 (目録規則は飲茶のメニューなので)エレメントごとの要不要を各機関が根拠をもって判断し,記録の要否を決定できるような目録規則であるほうがよい。