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デジタル回路の超入門
KoGA
※ソフトウェア技術者向けの内容なので、
だいぶんもろもろをはしょります
0と1
0と1
デジタル回路では以下の2値を扱う
0
1
0と1
0,1それ自体に意味はありません。
これはソフトウェアと全く同じです。
意味は人間(設計者)が持たせます。
0と1
【例】
0と1である機能のON/OFFを表現する
0 → 機能OFF
1 → 機能ON
0と1
【例】
0が示すもの
偽(false)
OFF
無効(disable)
0という数そのもの
など
0と1
【例】
1が示すもの
真(true)
ON
有効(enable)
1という数そのもの
など
HとL
HとL
デジタル回路では電圧を以下の
2つの状態で表現する
• 電圧が高い→ H(High)
• 電圧が低い→ L(Low)
HとL
どのくらいの電圧がHで、
どのくらいの電圧がLなのかは
回路によって違う
HとL
ある回路では
H → 5V
L → 0V
また
HとL
ある回路では
H → 3V
L → 0V
だったりする
デジタル回路での0,1表現
デジタル回路での0,1表現
HとLで、0と1を表現する
• H → 1
• L → 0
デジタル回路での0,1表現
ただHとLの意味の持たせ方は
人間が勝手にきめているだけ
デジタル回路での0,1表現
よって実は逆でも間違いではない
• H → 0
• L → 1
デジタル回路での0,1表現
ただそうはいってもちゃんと
定義がわかってないと、
わけわからなくなる。
デジタル回路での0,1表現
そんでH Lの意味の持たせ方が
どちらかわかるように、名前を付けている
H → 1
L → 0
正論理
(Active High)
H → 0
L → 1
負論理
(Active Low)
ここまでのまとめ
H,L → 電圧レベルを示すもの
(回路動作の側面)
0,1 → データを示すもの
(ソフトウェアの側面)
ここまでのまとめ
0,1自体に意味はない
→0,1に意味を持たせるのは人間(設計者)
ここまでのまとめ
H → 1
L → 0
とは限らない
H → 0
L → 1
のときもある
ここまでのまとめ
1をHで表現するのを
正論理(Active High)
1をLで表現するのを
負論理(Active Low)
正論理・負論理の例
正論理・負論理の例
【例】
あるデジタルICにリセットという機能があります。
デジタルICのRESET端子という端子で機能
ON/OFFを指示する仕様になっています
正論理・負論理の例
【例】
で、このリセット機能とやらをONにしたい
正論理・負論理の例
【例】
RESET端子をどの電圧レベル(H/L)に
すれば機能有効になるかは、
そのデジタルICのその端子の仕様による
↓
RESET端子が正論理か負論理か
正論理・負論理の例
【例】
正論理(Active High)の場合
H = 1 = 機能ON
よってRESET端子にHレベル相当の
電圧を印加すればリセット機能ONとなる。
正論理・負論理の例
【例】
正論理(Active High)の場合
S
P01
P02
P03
RESET
VDD
VSS
H
これでリセット機能ON
正論理・負論理の例
【例】
負論理(Active Low)の場合
L = 1 = 機能ON
よってRESET端子にLレベル相当の
電圧を印加すればリセット機能ONとなる。
正論理・負論理の例
【例】
負論理(Active Low)の場合
S
P01
P02
P03
RESET
VDD
VSS
L
これでリセット機能ON
正論理・負論理の例
【例】
回路図をみればその端子が
正論理なのか負論理なのかが
わかる
正論理・負論理の例
【例】
端子名の上に横線があるものは負論理
S
P01
P02
P03
RESET
VDD
VSS
RESET端子は
正論理
(Active High)
S
P01
P02
P03
RESET
VDD
VSS
RESET端子は
負論理
(Active Low)
論理演算
論理演算
論理演算はソフト屋さんなら
よくわかっているとおもうので
ざっと説明
論理演算
NOT (否定)
INPUT (A) OUTPUT (Y)
0 1
1 0
A Y
回路記号
¬A
A
記法
論理演算
OR (論理和)
INPUT (A) INPUT (B) OUTPUT (Y)
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 1
回路記号
Y
A
B
ベン図 記法
A ∨ B
A + B
論理演算
AND (論理積)
INPUT (A) INPUT (B) OUTPUT (Y)
0 0 0
0 1 0
1 0 0
1 1 1
回路記号
Y
A
B
ベン図 記法
A ∧ B
A ・ B
論理演算
XOR (排他的論理和)
INPUT (A) INPUT (B) OUTPUT (Y)
0 0 0
0 1 1
1 0 1
1 1 0
回路記号
Y
A
B
ベン図 記法
A ∨ B
A + B
論理演算
NOR (否定論理和)
INPUT (A) INPUT (B) OUTPUT (Y)
0 0 1
0 1 0
1 0 0
1 1 0
回路記号
※ORの演算結果をNOTしたもの
Y
A
B
ベン図 記法
A ↑ B
論理演算
NAND (否定論理積)
INPUT (A) INPUT (B) OUTPUT (Y)
0 0 1
0 1 1
1 0 1
1 1 0
回路記号
Y
A
B
※ANDの演算結果をNOTしたもの
ベン図 記法
A ↓ B
了

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