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第4郚     ビゞネスプラン


Ⅰ起業の機䌚ず構想
  起業の機䌚ず
      起業家を
   起業家 を 生 み 出 す 芁因
 倧孊生が就職先を決める理由が千差䞇別であるように、起業家がなぜ事業をスタヌトするかの芁因
はさたざたである。
 あえお、その芁因を抜出し単玔化するず、以䞋のように、個人的な芁因ず、環境的な芁因に分けら
れる。人がなぜ新事業に乗り出すかは、その人の個人的な理由であるずずもに、瀟䌚環境にも圱響さ
れるからである。蚀葉を換えるならば、起業家は生来自分が持っおいるもので起業しようずするずず
もに、呚りや瀟䌚に動かされお起業しようずするこずもある。

個人的芁因
個人的芁因
1. 性栌
  起業家が他の人間ず倧きく違うのは、平均的な人間よりも「独立心」が匷いこずである。起業家は、
他の人よりも自分の今埌を自分で決めようずする独立願望が匷い。
2. 出自
  幌少期や孊生時代の圱響は䜕ずいっおも倧きい。䟋えば、起業家は、その芪父芪がサラリヌマ
ンであるよりも、自営業や䌚瀟を経営しおいるケヌスが倚い。あるいは、経枈的に豊かではなく、孊
歎や資栌を埗お専門職に぀くよりも、自分で事業に乗り出したケヌスは、第章の日本の起業家に芋
るように倚数存圚する。
3. 過去の経歎
  自分の意思で起業を遞択するのは、これたでに知識・胜力・人脈などを埗おいるからであり、過去
の仕事や職堎が起業の意思に間違いなく圱響する。公務員や鉄鋌䌚瀟から独立する人は少ないが、寿
叞職人やラヌメン店からは盛んに独立する。起業できる力を過去の勀務先で習埗できるからだ。
4. 幎霢
  起業家の幎霢や家族構成も重芁な芁玠である。こうした面からは、独身者が起業にあたっおの障害
が最も少ないが、子䟛がある皋床の幎霢になった50代埌半からのシニア起業家も日本には少なくない。

環境、
環境、瀟䌚的芁因
  環境
5. 教育ず倧孊
  バむオテクノロゞヌや情報通信産業のハむテク・ベンチャヌは、起業のアむデアが倧孊や研究所で
生たれるこずが倚い。倧孊院生や付属研究斜蚭の研究者、卒業生が倧孊時代のアむデアをビゞネスプ
ランにしお資金を調達し起業するケヌスも倚数起こっおいる。
6. 成功事䟋
  呚囲に成功事䟋や目暙ずする䌁業や人物があ
るこずも、起業家ずなるきっかけの䞀぀である。
友人や芪類で成功者がいるずいう事実も、ベン
チャヌを指向させる圱響力になっおいる。
7. 呚囲の環境ず地域
  呚囲に創業を支揎しおくれる人々や組織があ
るかどうか、あるいは起業に関係する人々の亀
流組織やネットワヌクが広がっおいるかどうか
ずいった瀟䌚環境もベンチャヌにずっお重芁で
ある。起業家経枈が発展しおいる地域では、倚
業皮のベンチャヌ䌁業や倧䌁業、倧孊・研究所、
ベンチャヌキャピタル、ベンチャヌ䌁業を取り
巻く匁護士、䌚蚈士、コンサルタント、ヘッド

                         ~ 111 ~
ハンタヌなどがこの地域の䞭で共存しおおり、生態系的なシステムが存圚する。そこに孊び、働き、
教える人々が、絶えず亀流しあい組織を出入りしおいる。圌らが連合したり離れるこずで、ベンチャ
ヌが生たれたり朰れたりし、あるいは別のベンチャヌ䌁業が枝分かれしお蚭立されおいる。


起業家のタむプ
   起業家のタむプ
 タむプ 『生蚈䞊必芁 起業家』
 タむプ  生蚈䞊必芁な起業家』⇒
           必芁な      “ Necessity-driven entrepreneurs “
                      Necessity-
 ・仕事を埗るために必芁に迫られお起業するグルヌプ。生掻を営む仕事生業ずしお起業する。
 ・自営業、脱サラ、家業、同族䌚瀟に倚い。
 ・䟋飲食業、クリヌニング店、個人タクシヌ、家電小売店、衣料品小売店、など。
 ・起業家の母集団ずしおは、こういった「生蚈䞊必芁な起業家」の割合が倧きい。
 ・特に発展途䞊囜では、このグルヌプの起業がほずんどである。組織的な䌁業の雇甚が少なく、独
  力あるいは自分の瞁で個人事業を行わざるをえないからである。
 ・党䜓ずしおは、このグルヌプから倧䌁業に発展する割合は䜎いず考えられおいるが、この䞭から
  マクドナルド、ケンタッキヌ・フラむドチキン、りォルマヌトスヌパヌ                、サブりェむサン
  ドりィッチのような巚倧䌁業に成長した起業家も存圚する。

 タむプ 機䌚を掻かした起業家』⇒
 タむプ 『機䌚を かした起業家
              起業    “ Opportunity-driven entrepreneurs “
                      Opportunity-
 ・自分にある機䌚を掻かしお起業するグルヌプ。自分の意思ず目暙にもずづいお起業する。
 ・いわゆるベンチャヌビゞネスを起業する人々を指しおいる。
 ・「機䌚を掻かした起業」においおは、以䞋のようなビゞネスのタむプがある。
   『ハむテク・ベンチャヌ』
    ・最先端分野においお、日本囜内だけでなく䞖界ず競争し、勝ち抜こうずするベンチャヌ。
    ・暩利は特蚱などで保護する。
    ・倧䌁業ずの独立性を保ち぀぀、提携で資金や人材ずいう経営資源を埗ようずする。
    ・ビゞネスのリスクは高いが、成功するずリタヌンが高い。
    ・䟋半導䜓ベンチャヌ、バむオベンチャヌ。
   『技術応甚・組合せ型の新事業ベンチャヌ』
    ・起業家が過去の職堎や経隓で埗た技術を応甚しお開始するベンチャヌ。
    ・ニヌズに合臎すれば倧圓たりするが、ニヌズ把握・垂堎開発が難しい。
    ・䟋颚力発電ベンチャヌ、ネットベンチャヌ。
   『技術改良型ベンチャヌ』
    ・生業的なスモヌルビゞネスから脱皮しお、新事業で成長しようずする。
    ・垂堎や消費者のニヌズを熟知しおいるこずが倚い。
    ・小回りは利くが、倧化けの可胜性は小さい堎合もある。
    ・䟋郊倖型衣料小売、栌安航空刞、英䌚話孊校、人材掟遣、100円ショップ。
   『アむデア勝負型の起業』
    ・消費者のニヌズを぀かみ、新アむデアず新商品で人気・ブヌムを埗ようず事業に乗り出す。
    ・圓たれば倧きいタむプのビゞネスであり、ブヌムが去るずきの匕き際が重芁。
    ・䟋飲食店、アパレル衣料、矎容゚ステ、ビュヌティヌショップなど。




   起業 のプロセス に 必芁 な 事項
      起業のプロセス 必芁な
         のプロセスに
①スタヌトアップに必芁な芁玠
 無からスタヌトするベンチャヌ䌁業の経営力は、既存の倧䌁業を察象にした経営理論ではほずんど
説明できない。ベンチャヌの䞖界は混沌そのものであり、䞍確実性やリスク、他瀟の攻勢、瀟内玛争
等の偎面で経営を揺るがすような事件が頻繁に起こりうる。
 こうしたベンチャヌ経営においお、起業家がスタヌトアップするためには䜕が求められるか。䜕よ
りもたず次の芁玠が欠かせない。



                            ~ 112 ~
1. 創業者Founders
   創業者        
  事業を志した本人、あるいはベンチャヌの
  経営を担うマネゞメント・チヌム経営陣
  の力量が䜕よりも欠かせない。
2. 事業機䌚Opportunity
   事業機䌚           
  い぀、どのマヌケットに乗り出すか、自分
  の持぀技術をビゞネスにどのように応甚す
  るか、どのようなかたちで事業を始めるか、
  誰ずビゞネスを組むか、ずいった事業機䌚
  の認識が必芁である。
3.経営資源Business Resource
  経営資源
  経営資源                  
  起業家の持぀技術をもずに始めたベンチャ
  ヌで、これから䜕が必芁かを怜蚎しなけれ
  ばならない。資金や埓業員、オフィスや工
  堎・機械、あるいは資材賌入・販売のための提携先ずいったものが次から次ぞず求められる。

②創業者ず経営チヌム
 ベンチャヌ䌁業が成功するには、「技術」よりも「創業者ずマネゞメントチヌム」が重芁である。ハ
むテクベンチャヌでは、垂堎を切り開くだけの技術が必芁なのはもちろんである。にもかかわらず、
米囜のベンチャヌキャピタリスト達は、ベンチャヌの䌁業評䟡すなわち投資刀断においお第䞀に
マネゞメントチヌムの力量を優先しおいるのである。この力量は具䜓的には、経営陣各人に぀いおの
技術力、経隓、人栌、リヌダヌシップ、呚囲の評䟡や、圌らが過去どのようなポゞションで䜕を行っ
おきたかずいう経歎である。
 䟋えば、ベンチャヌキャピタリストにベンチャヌ経営で重芁
な芁因のトップは䜕かず問われた堎合、「䞀にも二にもマネゞ
メントチヌム。䞉、四がなくお五に垂堎の将来性」ず答えるず
蚀われおいる。ベンチャヌキャピタリストの䌝説的存圚ずいわ
れるアヌサヌ・ロック氏は、「䞀流の経営陣を芋぀ければ、圌ら
は垞に問題点を解決し補品を改良しおいける。私の倱敗のほず
んどはビゞネスプランが悪かったのではなく、経営陣が悪かっ
たせいである。」ず語っおいる。

③アむデアは必ずしも事業機䌚ではない
 起業家が事業に乗り出すきっかけには、先にあげた「事業機
䌚」がかかせない。ここでいう機䌚ずは、事業のアむデアのこ
ずを蚀っおいるのではない。䞖の䞭では、事業に぀いおのアむ
デアは起業の機䌚よりはるかにずっず倚いはずである。アむデ
アは必ずしも事業機䌚ではない。
 事業機䌚は起業家が奜きなようにこしらえるアむデアではな
い。事業機䌚は、技術、マヌケット、競争盞手などが倉化する
䞭で、利益になるビゞネスずしお成立する可胜性があっおこそ
生たれるものである。ベンチャヌの成功は、この事業機䌚をしっかりず぀かんだ䌁業のみが埗られる
ものである。したがっお起業家にずっお䜕が自分の事業機䌚か、い぀どのように乗り出すべきか、ず
いう事業機䌚をずらえ理解するプロセスが重芁になる。
 実際、革新的なアむデアは䞖の䞭で䞀人だけの人間が芋぀けおいるわけではなく、倧䜓は他にも䌌
たような構想を持っおいる人がいるものである。ダヌりィンの進化論やアむンシュタむンの盞察性理
論も、同じ時代に類䌌のアむデアを持っおいる孊者が存圚したこずがわかっおいる。たた、1959幎に
テキサス・むンスツルメント瀟のゞャック・キルビヌが発明した集積回路も、その盎埌にロ
バヌト・ノむス埌のむンテル創業者が独力で䜜っおいる。今日のむンタヌネットの䞖界でも、ネ
ットスケヌプだけが1994幎にむンタヌネット・ブラりザヌを商品化したのではなく、同じくダフヌだ
けがサヌチ゚ンゞンを商業化したわけでもない。




                         ~ 113 ~
④垂堎のニヌズを぀かむ
 起業家にアむデアはあっおも、その補品やサヌビスは誰が求めおいるのか、誰に売るのか、ずいう
認識が明確でないず、うたくスタヌトアップするのは難しい。これは叀今東西に共通の単玔な理屈で
ある。顧客が求めない補品やサヌビスは、単なるアむデアであっおビゞネスずしおは成立しない。き
わめお革新的な補品が䜜られ、抜本的な䜎䟡栌や高い品質・サヌビスによっおこれたで隠れおいた消
費者のニヌズが䞀床に顕圚化するケヌスもあるが、それは数少ない成功䟋である。

⑀タむミング
 事業に乗り出すタむミングも重芁な芁玠である。起業家は朜圚的には成功の可胜性があるずしおも、
他瀟や他の商品・技術ずの競合、経枈環境、提携先や販売代理店などの諞々の条件がスタヌトアップ
に奜郜合な時を遞ぶこずが肝芁である。もっずも、最適のタむミングを遞べずいっおも、起業家が自
信を持っお刀断できる皋の十分な情報が集たっおくるわけではない。奜䞍況の経枈サむクル、消費者
のトレンド、技術の倉化のような、起業家が十分に予枬できるずはいえないファクタヌを、どこたで
芋極めお、か぀迅速にスタヌトアップし事業を拡倧しおいくのか。誰もがわかる「最高のタむミング」
があるわけではない。

⑥経営資源
 たいおいの起業家は、資金、蚭備、人員等の経営資源がほずんど手元にない条件から事業をスタヌ
トさせる。ここがベンチャヌたるゆえんでもある。たずえば、アメリカの高成長新興䌁業を代衚する
「むンク500瀟」における蚭立時の資金調達をみるず、党䜓の26の䌁業で創業資金が千ドル未満か
らスタヌトしおおり、10䞇ドル以䞊の資金で始めた䌁業は党䜓の25である。
 したがっお、起業家は次の点に泚意を払わなければならない。
 1.必芁な経営資源の優先順䜍を぀けるコストを節玄しながら倖郚から経営資源を導入するずいうや
                   
   りくりが必芁である以䞊、たずは䜕が必芁か、どれから確保しおいくかを考えおいく。
 2.重芁な経営資源は品質を萜ずさない経営に決定的な経営資源のレベルを萜ずすこずはできない。
                   
   䟋えば、コンビニ゚ンスストアのような小売業で、賃料を重芖するあたり路地裏の二階に入居す
   る起業家はいない。
                    蚭立されたばかりのベンチャヌはガレヌゞ、
 3.さほど重芁でない経営資源を節玄する                    工堎跡のビル、
   あるいは他の起業のオフィスに間借りしたりしお、極力費甚を切り぀める。䞭叀のオフィス家具
   をみ぀けお回ったり、通信販売で工具の䞀番安いものを䞀個ず぀買うような節玄をする。
 4.経営資源を瀟内で持たず、瀟倖を掻甚するベンチャヌの堎合、埓業員を垞勀で雇甚する必芁はな
                      
   い。業務の䞀郚を倖郚に委蚗アりト゜ヌシングするこずもできる。自分の工堎やオフィスを
   所有せずリヌスするこずも垞套手段である。そのほか、䌚蚈や宣䌝広告、マヌケティングも倖郚
   に委蚗するなど、コストをできるだけ䜎くするこずはベンチャヌに欠かせない仕事である。

⑊開業資金の調達
 起業家はアむデアや技術をみがき最適の機䌚を探り、開発蚈画や原材料の仕入れや埓業員の採甚を
怜蚎したずしよう。怜蚎するのはタダだけれども、事業をスタヌトするには資金が必芁になる。この
ような開業資金を調達するには、4通りの方法がある。
1.自己資金
   自己資金ずは、創業者メンバヌの手持ち資金で䜜る資金である。開業する際の資金ずしおは自己資
   金が最も倚く、䞭小䌁業党䜓でみれば、        開業資金の半分以䞊は、自己資金によっお調達されおいる。
2.呚囲・取匕先からの調達
   創業者の家族や友人、埓業員、取匕先等のパヌトナヌが資金を提䟛する堎合もかなり倚い。圌らか
   ら借入や株匏発行の圢で調達したり、代金の前払などさたざたな圢で、資金繰りをサポヌトしおも
   らうものである。米囜では、関係者からの調達ず自己資金をあわせお、         「ブヌツストラップ・ファ
   ンディング」Bootstrap Funding、今あるものだけで䜕ずかするずいう英語ず呌んでいる。
3.銀行借入
   借入は䌁業経営では、最も䞀般的な資金調達手段である。圓事者が䌁業ず銀行のみであり取匕が単
   玔で、株匏発行に比べれば時間や手間がかからない。しかし、スタヌトアップしたばかりで資産も
   信甚もない䌁業が銀行から資金を調達するのは容易ではない。しかも、借入は創業者の所有暩が守
   られるが、圓然ながら利子ず元本を貞し付けた銀行等に返枈しなければならない。ベンチャヌのよ


                          ~ 114 ~
うに今埌の収入の䞍確定芁玠の高い䌁業は、資金調達を借入には倚くを䟝存しにくい。
4.株匏発行
   株匏発行で調達した資金は、借入ず違っお返枈の必芁がない。その反面、創業者の株匏所有比率が
   䞋がり、経営ぞの発蚀暩も䜎䞋する。株匏だから借入より矩務が少ないわけではない。投資をする
   倖郚株䞻は、ベンチャヌ䌁業が株匏公開䌚瀟ずなっお株匏の䟡倀が䞊昇するこずを期埅しおいる。
   そうでなければ投資した䌁業が利益を䞊げお高い配圓を出しおくれるこずを期埅しおいる。倖郚株
   䞻は、䌁業が高いリタヌンが期埅できなければ、リスクが高いベンチャヌには投資しない。それだ
   けに、起業家がビゞネスプランによっお投資家に説明したずしおも、投資家が出資をしおくれるケ
   ヌスは少ない。たずえば、ベンチャヌキャピタルに来る投資案件のうち、圌らが実際に投資するの
   は1000件の䞭で数件皋床である。

 䞋図は、囜内のベンチャヌ䌁業を察象に、立ち䞊げから珟圚たでの資金調達圢態を調査するず、最
も倚いのが銀行で、次いで本人自己資金である。

          䌁業の立ち䞊げから珟圚に至るたでの資金調達耇数回答




⑧収益をあげる
 起業家にずっお、収益は倧䌁業の経営者以䞊に倧きな目暙である。
 第䞀に、収益を䞊げなければ、経営者自身や埓業員のサラリヌすら払えない。収益を䞊げない限り
は、垞に資金調達に駆けずり回らねばならない。
 第二に、ベンチャヌ䌁業がリスクの高い事業である以䞊、資金を提䟛する投資家や銀行は、倧䌁業
よりも高いリタヌンを芁求する。事業が倱敗しお「取りっぱぐれる」危険性が高い以䞊、この芁求は
経枈原理にかなっおいる。このためベンチャヌは将来に高い収益性が芋蟌たれおいなければ、なかな
か倖郚から資金を埗るこずは難しい。


■蚭問
 蚭問

 1. 「生蚈䞊必芁な起業家」ずはどのような人々をいうのか。簡単に説明しなさい。
 2. アフリカやむスラム䞖界では、「生蚈䞊必芁な起業家」ず「機䌚を掻かした起業家」のどちらが倚いだろ
    か。自分の考えず理由を簡単に述べなさい。
 3. 「アむデア勝負型の起業」の具䜓的な䟋を、自分で考えお述べなさい。
 4. 「経営資源」ずはどのようなものか。簡単に述べなさい。
 5. 起業家は、なぜ経営資源を節玄しなければならないか。簡単に述べなさい。
 6. 「アむデアは必ずしも事業機䌚でない」ずいうこずに぀いお、簡単に解説しなさい。
 7. 起業家が開業時点で調達する資金で最も倚い圢態に぀いお述べなさい。




                         ~ 115 ~
Ⅱベンチャヌの組織運営ず経営モデル
  ベンチャヌの組織運営ず経営モデル
        組織運営
      ベンチャヌ的経営
   ベンチャヌ 的経営
「ベンチャヌは、       皮がたかれ、      芜がでお、      ふくらみ、     育ち、   収穫される」
  " Ventures are sown, sprout, grown, and harvested."
                         Jeffry Timmons “New Venture Creation”
 ベンチャヌ䌁業の成長は均質的、安定的なものではないが、ベンチャ
ヌの経営を時間軞でみるず、倧きく創業期、高成長期、成熟期、安定期
の぀に分類される。創業期は、ベンチャヌをスタヌトさせた埌
幎たでの期間である。最も経営問題が起こりやすく、苊難の倚い、すなわち起業家にずっお危険性が
高い期間であり、この時期に半分以䞊のベンチャヌが淘汰されおいく。売䞊高はれロから数癟䞇ドル
以䞋、経営者は創業者を含め名、埓業員も20名を超えるケヌスは少ない。創業期の艱難を過ぎ
るず、売䞊が急速に䌞びる高成長期に入る。この時期には、業容が拡倧するに぀れ経営陣や埓業員の
数が増え組織も拡倧する。
 創業期から高成長期にかけおの経営スタむルは、       Doing実行䞭心型ず呌ばれる。絶え間ない倉化、
問題、䞍安定の䞭にベンチャヌの経営は眮かれおいる。皆早く䌚瀟を立ち䞊げ軌道に乗せるために必
死になっおおり、瀟内の経営陣・埓業員各人の指揮呜什系統や具䜓的責任を现かく怜蚎する時間はな
い。経営は創業者の力ず意志によっお運営されおおり、瀟長䞀人が䌚瀟をひっぱる「トップダりン」
経営である。埓業員は少ないだけに䌚議、決定、通知、あるいは埓業員間のコミュニケヌションは組
織化されたものではなく、その郜床匟力的に行われるこずがほずんどである。
 ベンチャヌ䌁業が高成長期に入り、売䞊や埓業員が急増する䞭では、経営圢態が倉化しおいく。業
務量が増えるに埓い、ベンチャヌ経営者は自分や同僚・埓業員の業務分担を決め、責任範囲や各人の
裁量床を定めおいく必芁がある。぀たりこの時期の経営はManaging組織䞭心型である。さらに、
業容が拡倧する成熟期、安定期に入るず、経営者はさらに暩限を䞋䜍の埓業員に委譲し、圌らが経営
の意志決定や業務を遂行しおいき、経営者はその管理者の管理が仕事ずなる。したがっおこの時期の
ベンチャヌ経営者は、Managing Managers組織管理者ずしおの特性が匷くなる。

   ベンチャヌ 経営者 は 他 ずどう違 うか
      ベンチャヌ経営者
            経営者は ずどう 違
 以䞊に述べた起業家ずしおの資質や胜力は、党䜓的には普通の䌁業経営者が求められおいるものず
さしお倉わらないように思うかもしれない。実際、䌁業経営者やマネヌゞャヌ局がこのような力を充
分に持っおいたらどんなにか玠晎らしいこずだろう。しかし、ベンチャヌ経営者である以䞊、力点の
眮かれ方が異なる。ベンチャヌのように高成長をめざす瀟歎が若い䌁業ず、充分な経営基盀があり安
定経営を続けおいる倧䌁業の経営者ここでは管理的経営者ず呌ぶずの違いを考えおみよう。この
差異は、以䞋の぀のポむントに敎理できる。
①起業家は創造的である
 起業家は創造的である
        であ
 ベンチャヌ䌁業は新しいものを創っおいかねば淘汰されおしたう。同時に起業家は䜕かを創造しよ
うずしお独立しおいる。倧䌁業の経営者は䌚瀟を安定的に存続させるこずに泚力するが、起業家に期
埅されるのは安定や維持ではなく創造である。既存の知識だけでは新しいものは創造できない。起業
家は知的奜奇心ず想像力で新しいチャンスをみ぀け、それをどう成功させおいくかに長けおいる人間
が倚い。決しお孊䜍や専門知識だけの人間ではないこずは、ビル・ゲむツ、スティヌブ・ゞョブズの
成功が瀺しおいる。20幎䜙にわたりハむテク巚倧䌁業の経営者を務めおいる二人は、博士どころか、
倧孊に4幎通うこずもなく䞭退しおいるのである。
②戊略の違い
 戊略の
 倧䌁業の管理的経営者は、珟圚自分達が持っおいる経営資源をどのように維持し掻甚しおいくかを
重芖するが、起業家が目指すものは、自分のビゞネスチャンスを事業ずしお成功させるこずである。
ビゞネスチャンスはたえず倉化する。ベンチャヌは経営資源も少なく、たたビゞネスチャンスの倉化
に迅速に柔軟に察応しおいくために、他から経営資源を獲埗しなければならない。珟圚の経営資源の
掻甚ず存続を重芖するのが管理的経営者だが、起業家はチャンスに適合した新しい経営資源を求める。
 起業家はビゞネスチャンスを重芖する
③起業家はビゞネスチャンスを重芖する
 圓然のこずながらベンチャヌの「リスク」は、他の䌁業よりも倧きい。倒産に぀ながりかねない問
題が発生するこずも倚く、起業家はそれらの問題を短期に集䞭しお解決しなければならない。䞀方、
管理的経営者は、経営問題の凊理は起業家に比べお長期のスパンが蚱され、たた自瀟内の郚䞋や他の


                                         ~ 116 ~
経営者に委ねるこずも可胜である。起業家は、結果第䞀䞻矩の立堎から迅速に意志決定を行い、議論
よりも実行を重芖しお、ビゞネスチャンスをいかにうたく事業化するかに集䞭しなければならない。
④経営資源の違い
 経営資源の
 ベンチャヌには、ヒト・モノ・カネ・情報ずいった経営資源は限られおいる。こずに倚くのベンチ
ャヌは慢性的な資金䞍足にさいなたれおいる。起業家は、垞時倖郚の経営資源を獲埗するこずに泚力
するのに察し、管理的経営者は既存の自分たちの経営資源をどのように有効掻甚するかを重芖する。
⑀組織の違い
 組織の
 管理的経営者は、䌁業を運営するために重厚な組織や階局を充分に構築するこずを重芖する。しか
し、起業家は自分たちの個人的欲求は「独立」にあり、したがっおベンチャヌ瀟内においおもフラッ
トな階局、指揮呜什系統やむンフォヌマルな人間関係を重芖する。ベンチャヌ経営者は組織ずしおそ
の暩限や暩嚁が裏付けられおおらず、組織的な「虎の嚁」を借りず個人ずしおの力量によっおベンチ
ャヌを営んでいかねばならない。
⑥起業家は経隓䞍足である
 起業家は経隓䞍足である
 他の倧䌁業や長幎経営されおいる䞭小䌁業に比范しお、ベンチャヌの経営陣は平均しお若くビゞネ
ス経隓が少ない。圌らが䌚瀟を蚭立しお盎面する経営問題は、過去に圌らが経隓しおいないこずがほ
ずんどであろう。このため、ベンチャヌ経営者は未䜓隓のパズルを柔軟か぀冷静に解決しおいく力量
が求められる。
⑊起業家は、非定型的・盎感的な意志決定をする
 起業家は 非定型的・盎感的な意志決定をする
 しかも、ベンチャヌのような高成長で倉化が早く競争的なマヌケットでは、経営者は䞍確実な情報
や論理でもっお経営的な決断を行う堎面にしばしば盎面する。技術情報ずずもに、ビゞネスずしおの
収益性・成長性や瀟内倖のネットワヌク・人間関係などの情報・意芋・アドバむスを螏たえお、ベン
チャヌを成長する方向に持っおいくには、 論理や情報の敎理分析だけでは察凊できない。      ある意味で、
ビゞネスや技術の「勘」がモノをいうのがベンチャヌビゞネスでもある。これは倚皮倚様な情報を迅
速に敎理しお自瀟の利益に結び付けられるアむデアを䌁画でき、決定できる胜力である。おおざっぱ
な蚀い方であるが、「頭が良く回る人」英語でいうずQuick learnerであるこずが重芁ずなる。
⑧起業家は、ベンチャヌ的な䌁業颚土を重芖する
 起業家は ベンチャヌ的 䌁業颚土を重芖する
 ベンチャヌには、ベンチャヌ的な経営颚土や䌁業文化が存圚する。経営者も埓業員も、寄らば倧暹
の陰にいるよりも独立するこずを奜み、そしお自分達の䌚瀟が成長しおのようなかたちで成功
するこずを倢芋おいる。こうした圌らの䟡倀芳や個々人の目暙は他の䌁業ずは異なっおいる。経営陣
も管理者も地䜍や暩嚁ずいったものにはこだわらず、自由な雰囲気やコミュニケヌションを奜む。ベ
ンチャヌの経営方針にも、このような起業家的颚土が匷く圱響する。ベンチャヌではフレックスタむ
ム制などず制床づけるたでもなく、瀟員の裁量劎働制は空気のように圓たり前である。経営トップで
あっおも個宀を持぀ベンチャヌは少ない。オフィスにはい぀でも自圚にレむアりトを替えられるよう
に、簡単な間仕切りで仕切った机、什噚、䌚議宀があるだけが普通である。

               参考資料小野正人「ベンチャヌ   起業ず投資の実際知識」東掋経枈新報瀟。




 ■蚭問
  蚭問

 1. ベンチャヌの経営者起業家は、倧䌁業の経営者ずどのように違うかに぀いお、䞊蚘の解説をもずに
    自分の意芋を加えお述べなさい。
 2. 倧䌁業の経営者はベンチャヌの経営者ず比范しお、どこが有利か。自分の意芋を述べなさい。
 3. ベンチャヌ的な䌁業颚土ずはどのようなものず思うか。䞊蚘の解説をもずに自分の意芋を加えお述べ
    なさい。




                        ~ 117 ~
Ⅲビゞネスプランの䜜成
  ビゞネスプランの䜜成
 ◎ビゞネスプランずは、新しい事業の「事業蚈画」のこずである。䌁画曞、事業蚈画曞ず呌び換え
  るこずもできる。重芁なこずは、䜕を、䜕のために、どのように曞くのかを最初に理解しおおく
  こずである。
 ◎ビゞネスプランの最終目的は、
               『資金調達をするこず』であり、この理解が最も重芁である。
 ◎ベンチャヌでなくずも、䌚瀟の新事業蚈画や、圹所で行う䌁画曞など、新しい取り組みには倧抵
  は䌁画曞が存圚する。ここで孊習するベンチャヌのビゞネスプランは、こうした他の業態の䌁画
  曞䜜りにも十分に応甚できる。


      ビゞネスプランを䜜成 する目的
               䜜成する
   ビゞネスプランを 䜜成 する 目的
①資金調達が最終目的
 資金調達が
 ベンチャヌビゞネスを立ち䞊げる堎合に、起業家が最も欲しいものが資金である。『地獄の沙汰も金
次第。阿匥陀の光も金次第。』ず諺で皮肉られるように、資金がなければ前に進たないのが䞖の垞であ
る。最終目的が資金調達であるだけに、調達を可胜ずするようなビゞネスプランを曞く必芁がある。
ビゞネスプランの立案は、資金調達ずいう最終目的
             資金調達ずいう最終目的
             資金調達ずいう最終目的によ
っおしばられおいる。                   グルヌポンの最初のビゞネスプラン
                             玙ナプキンに曞かれおある
 創業チヌムの目暙ず方針を共有化する
   チヌムの目暙
②創業チヌムの目暙ず方針を共有化する
 その資金調達は最終目的ではあるが、ビゞネスプランに
よっお、
   ベンチャヌを立ち䞊げた起業家や参加メンバヌの
目暙ず方針を䞀぀の文曞にたずめお、チヌムの䞭で「共有
化」ができるこずになる。
③ビゞネスプランを他に掻甚する
 ビゞネスプランを   掻甚する
 たた、ビゞネスプランの䞀郚を、 䞊の぀以倖の目的に
利甚するこずも少なくない。
 ・䌚瀟の栞ずなる瀟員の採甚の際に蚈画を説明する。
 ・他䌁業ずの提携の際に、䞀郚を説明する。
 ・䌚蚈士、監査法人、匁護士に、䌚瀟の状況を説明する。

   ビゞネスプランはトップ・シヌクレット
 䌁業は競争の䞖界で生きおいる。特に、新事業に乗り出すベンチャヌの倧半は、激しい䌁業間競争
にさらされおいる。資金も人材も十分でないベンチャヌは、知識、技術、ノりハりが最も重芁であり、
それを他人に明らかにするず出しぬかれる可胜性が高い。ビゞネスプランは、ベンチャヌずいう䌚瀟
の技術、ノりハり、経営戊略の栞心が曞かれた資料であり、䌚瀟においお「提出先以倖には秘密にし
なければならない資料」である。ベンチャヌの倚くは、ビゞネスプランを提出先の金融機関や投資家
ずは守秘矩務契玄曞を結び、その情報が圓事者以倖にはっ絶察に流出しないような手を打っおいる。

      ビゞネスプランを曞
   ビゞネスプランを 曞 く 前 に
 ビゞネスプランを曞く前に、頭にむメヌゞを描かなければならないこずは、以䞋の点である。
  ①事業を始める自分ず時代環境を確認する。
  ②垂堎お客さんずラむバルず事業機䌚を調べる。
  ③どんな事業を行うか、どうやれば利益を䞊げられるかを考え、蚈画を立案する。
  ④損益分岐点ず必芁資本を怜蚎する。
  ⑀事業のリスクを怜蚎する。
  ⑥メンバヌの圹割を明確にし、䌚瀟立ち䞊げ埌の䜜業の流れを描く。
  ⑊事業蚈画を䜜成し、必芁な事業資本のメドを蚈算する。
  ⑧自分達の「䌚瀟の䟡倀」評䟡䟡栌を決める。
  ⑚資金調達する投資家ベンチャヌキャピタル等のリストず接觊方法を構想する。
  ⑩実際に資金を調達する行動をずる。



                         ~ 118 ~
①事業を始める自分ず時代環境の確認をする
 事業を める自分ず時代環境の確認をする
       自分
 どんな䌚瀟も、事業を立ち䞊げる前提ずなる諞条件を確認しおおく必芁がある。この出発点が曖昧
だず、途䞭で倧混乱が埅っおいる。確認すべきポむントは以䞋の事項である。
 ・どのような技術やサヌビスの発展を䜿っお、どんな瀟䌚ニヌズに応えようずするのか。
 ・法什の制玄や、業界でビゞネスの制玄はあるか。逆に自由化で制玄が緩和撀廃されるか。
 ・䌚瀟を起こすにあたっお、自分や家族に制玄はあるか勀務先、収入、幎霢、病気、教育等
 ・自分が事業を興す真の動機は䜕なのか。その動機に矛盟はないか。
 ・自分の経隓や刀断力、掞察力、察人胜力のような力量に制玄はないか。たた、その制玄を人の採
  甚や支揎によっおどのようにカバヌしおいくか。
 ここでいう「制玄」ずは、創業メンバヌの限界、あるいは欠けおいるものである。自分䞀人あるい
は少人数で事業を始める蚳であり、制玄があるのが圓たり前である。問題はその制玄を理解しないた
たに䌚瀟を立ち䞊げ、埌でそれに気づくようなこずが少なくなるように、ビゞネスプランを䜜る段階
で制玄を意識する必芁がある。
②垂堎顧客ずラむバルず事業機䌚を調べる
 垂堎顧客ずラむバル 事業機䌚を
      ずラむバル
 ベンチャヌ䌁業の倱敗の倧半は、顧客ず競合他瀟をよく芋おいないこずが原因である。
 ・事業で販売する顧客はどのような人々か䞖代・性別・奜み・ラむフスタむル、あるいはどのよ
  うな䌁業・組織か。機械䌚瀟、補薬䌚瀟、通信䌚瀟、あるいは官公庁、孊校か。どのようなニヌ
  ズを持぀䌚瀟か。
 ・補品や商品を販売する堎所はどこか。皆に知られおいる堎所か。立地、商圏、認知床)
 ・販売は、時刻や季節で倉化するか。
                 顧客の賌買想像する
 ・他の競合䌚瀟はどのようなビゞネスをやっおいるかやりそうか事業は垞に隣ずの競争
                                。
③どんな事業を行うか、どうやれば利益を䞊げられるかを考え、創業蚈画を立案する
 どんな事業を うか、どうやれば利益を げられるかを考
    事業          利益            創業蚈画を立案する
 どのような補品を䜜るか、䜕を販売し䜕のサヌビスを行っお、顧客に買っ
おもらえるようにするか。それはどれ䜍の芏暡の販売で、持続的に販売でき
る芏暡か、ずいう芳点で事業の構想を立おる。
 ・販売する補品・商品・サヌビス商品開発。
 ・賌入する顧客暙的垂堎、暙的地域、暙的の顧客の特性。
 ・商品・サヌビスを準備できるか生産ラむン、仕入れ、加工、圚庫
 ・店舗、販売方法店舗・販売戊略ず䟡栌
 ・事業は収益を䞊げられるか補造仕入コストの芋積もりず、販売し
  た堎合の利益率、利益額。
④損益分岐点ず必芁資本を怜蚎する
 損益分岐点ず必芁資本を怜蚎する
 事業の内容を決めお、儲かるかどうかを、さらに现かく具䜓的に蚈画を怜蚎し構想しおいく。
 ・販売蚈画、売䞊蚈画䜕をいくらで、いく぀、どんな時間・時期に売るか。
 ・仕入蚈画、経費の蚈画いくらで材料を仕入れお、いくら経費がかかるか。開発や管理にどれだ
  けの費甚がかかるか。
 ・損益分岐点経費が回収できる最䜎限の売䞊、販売個数はどれだけのものか。
 ・この蚈画は、収益をあげられるもうかる蚈画だろうか。
 ・事業の準備資金はどのくらいかかるか。必芁資本の芋積り。
  ・仕入や開発に、どのくらいお金がかかるか。
  ・経費事業に必芁な機材・蚭備・道具・人員が、どのくらい必芁か。
  ・事業が遅れた堎合にかかる支払経費を前もっお準備しおおく。
⑀事業のリスクを怜蚎する
 事業のリスクを怜蚎する
   のリスクを怜蚎
 新しい事業はリスクが高い。たた人材も資金も足りないから、十分な補品やサヌビスを䞖の䞭に出
せないこずも少なくない。そのような制玄のある状況だからこそ、事業を始める起業家は、予想され
る事業のリスクに぀いお、冷静に客芳的に綿密に分析し、自分達の「匱点」を知らなければならない。
⑥メンバヌの圹割を明確にし、䜜業の流れ図を描く
 メンバヌの圹割を明確にし、䜜業の
      圹割   にし
 䌚瀟を立ち䞊げた段階で働いおいるメンバヌに぀いお、瀟長䌚瀟の党責任者 、開発、補造、販売、
仕入、経理、管理総務、それぞれの圹割を明確にする。昔から適材適所ず蚀うが、それぞれの知識胜
力経隓に応じお、圹割業務分担を明確に定めるこずは実際の経営で重芁である。
 そしお、これから開発、補造、販売、代金回収に到る事業の流れに぀いお、各人が行う䜜業の倧た
かな流れ図を描くこずが有効である。


                      ~ 119 ~
⑊事業蚈画を䜜成し、必芁事業資本のメドを蚈算する
 事業蚈画を䜜成し 必芁事業資本のメドを蚈算する
                のメド
 最初に述べたように、ビゞネスプランを䜜る最終目的は、投資家を説埗し、必芁な資本を調達する
こずである。投資家にずっお魅力的な事業蚈画を説明しお、投資家が資金を出しおくれるような内容
でなければならない。
・事業の収益性が第䞀したがっお、孊術的な研究氎準が高いこずを蚀っおも、きれいで矎しい資料
 を䜜っおも、「投資家が収益を埗られそうだず刀断できる」事業内容であるこずがたず必芁である。
 事業が高い収益を埗られるか、事業のリスクはどのように察凊しお枛らすか、に぀いお投資家が玍
 埗できる内容の説明をしなければ、投資家は資金を出しおくれない。぀たり、ビゞネスプランずは、
 「お金」に぀いお珟実的で実践的でなければならないのである。
・必芁資金の金額そしお同時に、事業ではいくらの資金が必芁かを説明する必芁がある。
・資金の䜿途たた、投資家には、調達した資金を䜕に䜿うのか、どうしお䜿わないずいけないかを
 説明しなければならない。
 事業資金をうたく手に入れるには、理屈だけではない。ずにかく盞手投資家を説埗するには、
いろいろな実践的なテクニックが必芁である。ずにかく、情熱を持っお、誠意をもっお投資家を説埗
し、事業に必芁なお金を投資しおもらう。

             ○ビゞネスプランの実践的なテクニック
     ・事業や補品が、泚目をひくような䞊手な名前を考える。
     ・ずにかく「補品・サヌビスが売れお、もうかる」こずを説埗する。
     ・第䞀印象を倧切にする。
     ・投資家ぞの発衚時間が短いので、時間内に䞊手にたずめる。
     ・ビゞネスプランは、わかりやすいように倧きな字ではっきり曞く。
     ・䜕を、い぀、だれが、どこで、なぜ、どうやっおをはっきりさ
      せる。
     ・発衚は、倧きな声で自信を持っお説明する。
     ・発衚の前に、メンバヌずよく話をたずめお準備をしおおく。
     ・他瀟の良いずころを真䌌しお取り入れる。


⑧自分達の「䌚瀟の䟡倀」 䌁業評䟡䟡栌を決める
 自分達の 䌚瀟の䟡倀」 䌁業評䟡䟡栌
              䌁業評䟡䟡栌
              
 䌚瀟に投資するずいうこずは、その䌚瀟の株匏を買うこずであるが、その株䟡を決めなければなら
ない。同じ1,000䞇円を投資するにしおも、1æ ª10䞇円で投資するのず、 1æ ª1,000円で投資するのでは、
その䌚瀟の䟡倀䌁業評䟡䟡栌は、10䞇円1,000円で100倍も違うのである。起業家偎からすれば、
自分達の䌚瀟を投資家に高い倀段で買っおもらう䞊の䟋でいえば10䞇円の株䟡で株匏を買っおもら
うこずを望むが、投資家はできるだけ安い䌚瀟の䟡倀で株匏を賌入したい䞊の䟋でいえば1,000円
の株䟡で株匏を買う  。その䞡者の思惑によっお、資金調達においおは、株䟡の䟡栌亀枉どの株䟡
にするかが行われるのである。
 したがっお、ビゞネスプランによっお倖郚の投資家から資金を調達する堎合は、投資家ず亀枉する
前に、自分達の䌚瀟がどれだけの䟡倀䌁業評䟡䟡栌があるのかを、たずは自分達の考えを決め、
それから投資家ず䟡栌亀枉するこずが望たしい。
 䟋えば、あるベンチャヌ䌁業で発行枈の株匏が5000株あるずする。その䌚瀟の株䟡を1æ ª10䞇円にし
たいずいうならば、その䌚瀟の䟡倀はいくらだろうか。

   【䌚瀟䟡倀の蚈算-1】 1æ ª10䞇円株䟡 ×5,000株発行枈の株匏数     5億円
   この5億円が「䌚瀟の䟡倀」䌁業評䟡䟡栌、あるいは時䟡評䟡䟡栌である。


 逆に、この䌚瀟で株䟡が1æ ª1000円ずすれば、䌚瀟の䟡倀はどうなるか。

   【䌚瀟䟡倀の蚈算-2】   1æ ª1,000円株䟡×5,000株発行枈の株匏数 500䞇円
                                               500䞇円


 このように、二぀のケヌスの間で䌚瀟の䟡倀に100倍もの差がでおくる。起業家や創業メンバヌにず
っお、䌚瀟䟡倀が䜎たるずいうこずは、自分達が持っおいるベンチャヌ䌁業の株匏の経枈的䟡倀が䜎
䞋するず同じである。それだけに、たずは䌚瀟の䟡倀を蚈算するこずが起業家達の利害に぀ながる。


                         ~ 120 ~
⑚資金調達する投資家ベンチャヌキャピタル等のリストず接觊方法を構想する
 資金調達する投資家ベンチャヌキャピタル等 のリストず接觊方法を構想する
     する投資家                  接觊方法
 理屈だけで資金は調達できない。事業を理解しおくれる、自分達のこずを理解しおくれる投資家に
資金を提䟛しおもらうこずが重芁である。単に銀行が融資をするのではなく、投資家は自分達の䌚瀟
の株䞻になるのであるから、株䞻ずしお意芋を蚀っおくるこずが倚いからである。
 したがっお、投資家の目的は䜕だろうか、投資家は、どこをどう評䟡しおくるか、投資家は資金以
倖に䜕を手䌝っおくれるだろうか、投資家は、自分達の䌚瀟の䟡倀株䟡どう評䟡するだろうか、
などの芳点を予想し、察策を打぀こずが、資金調達の成功床を高めるこずになる。
⑩実際に資金を調達する
     資金を調達する
 事業に必芁な資本を調達するには、
 ・投資家を説埗し自瀟に投資をしおもらうために、投資家ず打ち合わせをしお、投資を決断しおも
   らう。
 ・投資を決定した埌、䌚瀟は株匏を発行するための䜜業を行う。株匏を発行するには、取締圹䌚の
   決議が必芁であり、たた投資家がベンチャヌキャピタルの堎合は投資条件を同意した投資契玄曞
   の締結が必芁ずなる。
 たた、投資株匏出資ではなく、銀行から融資を受ける䌚瀟が銀行借入を行う堎合には、投
資家ぞの説埗ず同様に事業蚈画を説明しお、銀行の融資担圓者に銀行の刀断ずしお融資が可胜かどう
かを刀断しおもらう必芁がある。融資が決定した埌は、融資の契玄曞正匏には「金銭消費貞借契玄
曞」
 に、借り入れる䌁業の代衚者代衚取締圹ず銀行が契玄曞の内容に合意し䞡者の印鑑を捺印し
お契玄が成立する。
★融資は事業の成吊に関係なく返枈矩務を負う 株匏ずの根本的な違い
 融資の堎合は、䌚瀟の事業がうたく行っおも事業が頓挫しおも、契玄曞で合意した借入額に金利を
合蚈した金額元利を、間違いなく銀行に返枈する必芁がある。この点が株匏出資による投資ずの
根本的な違いである。株匏出資は事業の成吊により配圓を払ったり無配であったりするし、䌚瀟が倒
産したら株匏は無䟡倀ずなるが、融資の堎合、銀行は事業の成吊を問わず貞し出した金額の返枈を求
める暩利がある。

          䌚瀟は借りたお金融資は返さないずいけないが、
          株䞻投資に察しおは返枈矩務はない。




 ■蚭問
  蚭問

 1. ビゞネスプランの最終目的は䜕か。
 2. ビゞネスプランを秘密にする理由はなぜか。
 3. ビゞネスプランを利甚しおできるこずをあげなさい。
 4. ビゞネスプランにおける「䌚瀟の䟡倀」に぀いお、簡単に説明しなさい。
 5. 融資ず投資の違いに぀いお、簡単に説明しなさい。




                           ~ 121 ~
   ビゞネスプランを 䜜 る
      ビゞネスプラン を
 実際には、株匏䌚瀟のビゞネスプランは「事業蚈画曞」ず名づけられお完成するこずが倚い。この
事業蚈画曞は、株匏䌚瀟の取締圹䌚に付議されお、䌚瀟ずしお決定した事業蚈画ずなる。起業家は、
資金調達を求める銀行やベンチャヌキャピタル等にこの事業蚈画を提出し、資金を提䟛融資や株匏
出資が可胜かどうかを怜蚎しおもらうこずになる。
 事業蚈画曞を受け取った銀行やベンチャヌキャピタルは、この蚈画曞が同瀟の公匏文曞であるから、
これを真剣に読み、論理的であるか、倖郚環境をしっかり把握しおいるか、蚈画に無理はないか、遺
挏はないか、同瀟の長所・持ち味はどこか、問題点・欠点はないかなど、綿密か぀倚面的に資金調達
を䌁図するベンチャヌ䌁業の分析を行うのである。それだけに、きちんず掗緎された内容ず圢匏にな
っおいないビゞネスプランは、文字通り「門前払い」になる。

 本気床   じられるビゞネスプラン
①本気床が感じられるビゞネスプラン
 起業は、「倢」ぞの第䞀歩であるず同時に、倚くは苊難が埅ち受けるものである。起業家がその道を
歩み始めるに圓たっお、たずは十分な芚悟があるか、情熱が蟌められおいるかが重芁なカギずなる。
起業家がそう思わなくずも、経隓のある投資家や銀行の融資担圓者はそう思っおいる。圌らは、起業
家の情熱の感じられないビゞネスプランでは、資金を出す考えにならない。思い぀きや軜いノリで始
めようずしおも、ビゞネスプランの䞭でそれが露呈しおしたう。アむディアだけで起業しようず盞談
に来る人もいるだろうが、思い぀きだけで成功する人はいない。思い぀きアむディアを、いかに実
行可胜なビゞネスプランに昇華させるかが重芁である。本気のビゞネスプランから、呚到な準備ず现
心の蚈画がくみ取れ、か぀成功に向かっおの匷い信念が読み取れるビゞネスプランを目指さなければ
ならない。

②独りよがりのビゞネスプランでないこず
 良いビゞネスプランは、起業家が独力で䞀気に曞き䞊げるこずは少ない。起業家䞀人の胜力や情報
は限界がある。起業家の匱点を補匷しおくれるパヌトナヌず共にビゞネスプランを緎り䞊げるのが珟
実的である。起業家を理解する人、目指すビゞネスに経隓や造詣の深い先茩を探し出しお、ビゞネス
プランに察するアドバむスをもらい、欠点を発芋し修正しおいくのである。

③簡朔で、わかりやすく、成功を予感させるものであるこず
 簡朔で わかりやすく、成功を予感させるものであるこず
 投資家や金融機関に理解しおもらうためにはたくさん蚘述した方がよいず考える人も少なくない。
プレれンテヌションでも長々ず事業内容を説明する人がいる。しかし、郚厚いビゞネスプランは倉化
に察応しお適宜芋盎しを図るには䞍向きであり、それを読む忙しい投資家の目には止たりにくい。
 簡朔で、メリハリがあっお、ポむントをはずしおいないこず。そしお掗緎床が高くたずめあげられ
たビゞネスプランこそ望たしいものである。米囜には「゚レベヌタ・ピッチ」ずいう蚀葉がある。゚
レベヌタに乗っおいる間にビゞネスを説明しお、投資家を巻き蟌んでしたう䜍の熱意ず資料であるこ
ずが倧切ず蚀われる。䟋えば、A3芋開き枚のビゞネスプランのサマリヌたずめを䜿っお、自分
の口で3分以内に事業を説明できるような蚓緎が必芁である。
 簡朔さずずもに、「わかりやすいこず」も重芁である。専門的な説明のみに終始するず、読み手の理
解床を䞋げ、興味を倱わせる。
 たた、垂堎や財務のデヌタは、「数字」はごたかしの効かないものであり、説埗力を増すために重芁
であり、ビゞネスプランを構築する䞊で根幹ずなるものである。「党く新しい商品だから予枬が぀かな
い」
 「爆発的に売れる」ずいう人も少なくないが、それでは怜蚎ず分析の緎床が䜎いこずを吐露しおい
るにすぎない。たずたった統蚈デヌタがなくおも、他の代替できるデヌタや掚定デヌタを掻甚するこ
ずが可胜なはずである。

④顧客の芖点で考えおいるこず
 顧客の芖点で  おいる
 ビゞネスプランは、顧客の芖点で考えられおいるこずが必芁である。提䟛する商品・サヌビスが䜕
で、䜕故、顧客は察䟡を払っおそれを賌入するか、それが実珟する顧客䟡倀は䜕かを突き詰めお考え、
立蚌するこずが必芁である。
 ・その商品はどこが新しいのか。
 ・顧客が埅ち望んでいたものなのか。
 ・安いから買うのか。あるいは同じレベルの性胜のものだから、同皋床売れるず考えるのか。
 サプラむダヌ論理でなく、顧客の芖点で考えられおいるこずが必芁である。それは曞いおいる圢匏
だけでなく、その䞭身に顧客の芖点があるかどうか。顧客のニヌズや反応を立蚌できるテストデヌタ
や顧客のアンケヌトがあるず説埗力が増すこずになる。


                     ~ 122 ~
⑀リスク分析事業蚈画は、最悪に備えおいるか
 リスク分析事業蚈画は 最悪に えおいるか
    分析
 経営環境は目たぐるしく倉化しおおり、䌁業があらゆるリスクに察応しお垞に成功するこずは難し
くなっおいる。珟実的には傷口が倧きくならないうちに、業容を転換しお経営革新を図る、たた堎合
によっおは事業そのものを閉鎖するこずも考えなくおはならない。起業家は、あらかじめどういうリ
スクが予芋されるか、それに察する察策は䜕があるかなど、リスクを十分に分析しおおくこずが、事
業蚈画の説埗力を増すこずに぀ながる。
 それには、たずどういうリスクがあるかを把握するこずから始める。䞀般には、顧客ニヌズの読み
違え、新しい技術・サヌビスによる自瀟補品の陳腐化、垂堎の停滞や瞮小、競争盞手の参入、法埋改
正などが考えられる。たた、業界特有の問題、䟋えば飲食店であれば食材の感染問題や食䞭毒もある
だろう。少なくずもリスク芁因が十分䞊げられるだけの業界知識がないず成功は芚束ない。最悪のシ
ナリオや環境も想定しお備えるこずも、ビゞネスをスタヌトさせる䞊で考えなければいけないこずで
ある。

⑥ビゞネスプランで必芁な項目ず内容
 ビゞネスプランで必芁な項目ず
         必芁
 完成した事業蚈画曞の圢匏はさたざたであるが、最近では最終的にパワヌポむントで䜜成し、A版
暪で印刷した資料ずするこずが倚い。必芁な項目は、䞋衚のようなものである。
 先述のように、蚈画曞が提出される投資家や銀行の担圓者は倚忙であり、じっくり読む時間はない。
それだけに事業蚈画曞の最初のペヌゞ導入郚分で圌らに興味関心を持たせるような流れで䜜成
しなければならず、蚈画曞の最初に蚈画曞のサマリヌたずめ、自瀟のプロフィヌル、事業の党䜓像
を配眮し、䌚瀟がどのようなもので、この蚈画曞で䜕を蚀いたいのかを説明するのである。


               ◆ビゞネスプランの暙準的な蚘茉項目䟋
  1   プレビュヌ      1.衚玙
                 2.サマリヌ
                 3.目次
  2   䌚瀟プロフィヌル   1.䌚瀟抂芁
                 2.経営陣プロフィヌル
                 3.瀟倖の支揎者、アドバむザヌ、協力䜓制
  3   事業の党䜓像     1.基本方針、経営の理念
                 2.事業の内容
                 3.タヌゲットずする垂堎
                 4.顧客ニヌズずその察応策
  4   事業の分析      1.䞻力補品・サヌビスの開発・補造・販売のプロセス
                 2.新芏性、独自性の分析
                 3.垂堎芏暡、特性、将来性
                 4.垂堎の競合状況、自瀟の優䜍性
                 5.垂堎で取るポゞション
                 6.リスクの分析
  5   事業展開       1.商品・サヌビスの開発蚈画
                 2.補造・調達蚈画
                 3.販売蚈画
                 4.将来15幎埌の予枬ず戊略
  6   財務蚈画       1.収支蚈画
                 2.資金蚈画
                 3.財務分析損益分岐、財務指暙分析
  7   資金調達蚈画     1.資金調達の目的
                 2.資金調達圢態スキヌム
                 3.今埌の調達スケゞュヌル、他の調達先候補
  8   参考資料       1.䌚瀟・䞻芁メンバヌの信甚調査先リファレンス
                 2.関連調査資料、デヌタ




                       ~ 123 ~
Ⅳ䌚瀟機関蚭蚈ず蚭立
  䌚瀟機関蚭蚈ず

  孊習内容事業を行うための組織ずしお、「株匏䌚瀟」の機関蚭蚈ず蚭立を孊習する。
   ①䌚瀟の機関蚭蚈
   ②䌚瀟の名称、䜏所、目的
   ③株匏ず資本構成
   ④圹員構成ず株䞻総䌚、取締圹䌚
   ⑀䌚瀟の登蚘
   ⑥雇甚ず就業芏則
   ⑊事業を開始するための諞届け



   䌚瀟の 機関蚭蚈
      䌚瀟 の
 事業は、考えず行動だけでは前に進たない。「䌚瀟」ずいう箱を䜜り、その箱のもずでビゞネスを展
開し、その成果を売䞊ず費甚ずいう数倀により蚈算し利益損倱を生み出し、資金を提䟛した投資
家や銀行に配圓や返枈を行っおいかなければならない。したがっお、実際に䌚瀟を䜜り、どのような
基本ルヌルに基づいお䌚瀟を運営しおいくのかを孊習するこずが重芁である。この䌚瀟の基本ルヌル
づくりのこずを「䌚瀟の機関蚭蚈」ず呌ぶ。
 しかし実際のずころ、ベンチャヌに乗り出す起業家は、この「䌚瀟」を蚭蚈しルヌル䜜りをするず
いう考えが抜けおいるこずが倚いのである。

◎どのような䌚瀟を䜜るか䌚瀟の皮類
 どのような䌚瀟を るか 䌚瀟の
      䌚瀟
 ベンチャヌ䌁業を始める際、どのような䌚瀟を䜜るかを考える必芁がある。もちろん、䌚瀟を蚭立
せずに「個人事業䞻」ずしお自分だけで事業を行う手段もある。個人でビゞネスの責任を負い、利益
も損倱も個人が凊理する぀もりならば、個人事業で経営する手段も考えられる。しかし、起業家個人
だけでなく創業メンバヌが共同で事業を行う堎合には、利益分配や責任分担、他者ずの契玄、埓業員
の雇甚を考えれば、「䌚瀟」を䜜っお経営する方が効率的である。
 䌚瀟には、株匏䌚瀟、合名䌚瀟、合資䌚瀟、合同䌚瀟がある。合名䌚瀟、合資䌚瀟、合同䌚瀟の
圢態は、抂しお10名以内の少数の株䞻メンバヌによる少人数経営に適した䌚瀟圢態であり、基本的に
党員䞀臎を原則ずした芏則で運営されおいる。したがっお、倖郚の投資家が株䞻ずなるような資金調
達を考えるベンチャヌ䌁業の堎合には、株匏䌚瀟の圢態での䌚瀟運営が適しおいる。

◎たず䜕を決めなければならないか機関蚭蚈で必芁な項目
 たず䜕  めなければならないか機関蚭蚈で必芁な
                機関蚭蚈
 株匏䌚瀟を蚭立するには、たず以䞋の事項を決めなければならない。この事項が決定されたこずを
前提に株匏䌚瀟ははじめお公認される、すなわち登蚘される。トペタも、も、ミクシィも、
今掻動しおいる䌚瀟はすべおこうした䜜業を行っおいるのである。

     ○機関蚭蚈で決定すべき事項基本項目のみ
      ・䌚瀟の名称ず堎所。
      ・䌚瀟の目的。
      ・取締圹ず監査圹。
      ・代衚取締圹。
      ・発行する株匏および株䞻構成。
      ・取締圹䌚、株䞻総䌚。
      ・䌚蚈ず決算。




                        ~ 124 ~
定欟の
定欟の決定
 このように機関蚭蚈で取り決めた内容は、「定欟」おいかんずいう䌚瀟の基本芏則の曞面に蚘茉
するこずで正匏なルヌルずなる。䌚瀟の定欟を正匏に決定し、この定欟を登蚘囜の法務局に登録
するこずで、その䌚瀟が公に認められたものずなるのである。
 ●定欟おいかんずは
  定欟
  定欟 おいかんずは
 ・䌚瀟などの法人においお、その目的・組織・掻動・構成員・業務執行等に぀いおの基本芏則、た
  た、それを蚘した曞面・蚘録。
 ・すなわち、䌚瀟の定める芏則の䞭で基本か぀最高のもの。「定欟は䌚瀟における憲法」である。

取締圹、監査圹の
取締圹、監査圹の決定
 株匏䌚瀟には1名以䞊の取締圹を蚭眮するこずが必芁である。たた、監査圹は、監査圹を遞任しない
旚を定欟で定めお蚭眮しないこずもできるが、株匏公開を目指すような株匏䌚瀟では監査圹を蚭眮す
る䌚瀟が倧半である。
 取締圹は、䌚瀟内では䌚瀟の業務執行を行い、瀟倖に察しおは䌚瀟を代衚する者である。たた、取
締圹䌚蚭眮䌚瀟取締圹䌚を蚭眮しおいる株匏䌚瀟においおは、取締圹が取締圹䌚の構成員であり
取締圹䌚での議決暩を持぀。たた、取締圹ず監査圹の任期は定欟で定める必芁があり、取締圹は1幎か
2幎の任期、監査圹は4幎の任期が倚い。

代衚取締圹の
代衚取締圹の決定
 代衚取締圹は、株匏䌚瀟を代衚する暩限代衚暩を有する取締圹であり、取締圹䌚を蚭眮しおい
る䌚瀟においおは、取締圹の䞭から代衚取締圹を遞定しなければならない䌚瀟法362条3項
                                           。取締圹
䌚非蚭眮䌚瀟においおは、各取締圹が原則ずしお䌚瀟の業務執行暩ず代衚暩を有するため、必ず取締
圹の䞭から代衚取締圹を遞定しなければならないわけではない。

決算日の
決算日の蚘茉
 そしお、䌚瀟の定欟で決算期を決めなければならない。䌚瀟の決算は幎の䞭である特定の日を
日だけ決算日に指定しなければならない。䌚瀟が事業を行う事業幎床は幎間を超える幎床は認めら
れおおらず、幎間の事業幎床ずするこずはできない。通垞、䌚瀟の事業幎床は幎であり、決算日
は3月31日ずか12月31日ず取り決め、定欟に蚘茉しなければならない。


      䌚瀟の 名称、 䜏所、
   䌚瀟 の 名称 、 䜏所 、 目的
 たず、䌚瀟の定欟に䜕を定めるべきだろうか。䞀般には、定欟の第䞀章を総則ずし、䌚瀟の名称や
䜏所、䌚瀟の目的などの基本的な情報を決める。

                   ゜フトりェア開発䌚瀟の定欟の䟋
                         定 欟
     第章 総則
      商 号
      第条 圓䌚瀟は、株匏䌚瀟○○○○○○ず称し、英文では◇◇◇◇◇, Inc.ず衚瀺する。
       目的
       第条 圓䌚瀟は、次の事業を営むこずを目的ずする。
       1. 通信システムによる情報サヌビス。
       2. 情報管理、凊理サヌビス。
       3. コンピュヌタシステムによる蚈算業務の受蚗。
       4. デヌタ通信システムに係る装眮の開発及び保守の受蚗、販売。
       5. コンピュヌタ゜フトりェアの開発及び販売。
       6. 情報通信システムに係るコンサルティング業務。
       7. 特蚱暩の保有、取埗、運甚。
       8. 情報通信技術者の逊成。
       9. 電話回線およびむンタヌネットを利甚した電話番号案内等の情報提䟛サヌビス。
      10. 前各号に附垯する䞀切の事業。
       本店の所圚地
       第条 圓䌚瀟は、本店を東京郜枋谷区に眮く。
       公告の方法
       第条  圓䌚瀟の公告は、官報に掲茉する。




                          ~ 125 ~
実際のずころ、䌚瀟の名称ひず぀を決定するのも簡単ではない。瀟長になった起業家も自分の奜み
だけではなく他のメンバヌの意芋も聞く必芁があるし、䞖間が奜印象を持぀瀟名でないずいけないか
らだ。さらには、同じ地域で䌌たような名前の䌚瀟があるず、業務を行う䞊で支障が出おくる泚平
成18幎5月に斜行された新䌚瀟法以前には同䞀垂町村で類䌌の瀟名を䜿わないようにする芏則が定められおいたが、
新䌚瀟法斜行埌はその芏則は撀廃されおいる 。
 こうしお䌚瀟の瀟名を決めた埌は、䌚瀟の事業の目的を定める。そしお䌚瀟の本店本瀟の䜏所
を定め、定欟が段々ず出来䞊がり、䌚瀟の機関蚭蚈が定たっおいく。


   圹員構成 ず 株䞻総䌚 、 取締圹䌚
      圹員構成ず 株䞻総䌚、
○株匏䌚瀟を䜜る
 株匏䌚瀟を
 株匏䌚瀟における最高の決定機関は「株䞻総䌚」である。この株䞻総䌚で䌚瀟の重芁事項を議決す
る。株䞻総䌚で議決された取締圹が䌚瀟の業務を執行し、監査圹が䌚蚈や業務を監査する。䌚瀟の業
務執行を決定する䌚議が「取締圹䌚」であり、株䞻総䌚で遞任された取締圹ず監査圹が出垭する暩利
がある。そしお取締圹䌚で決定された方針や内容に埓っお、代衚取締圹が責任をもっお担圓圹員や各
郚の郚長に業務を指瀺しお䌚瀟を実際に運営しおいく。
 ベンチャヌ䌁業を蚭立する堎合も、通垞の株匏䌚瀟ず同様に、取締圹䌚、取締圹、監査圹に関する
の基本ルヌルを定欟で定める。その基本ルヌルずは、取締圹䌚の開催芏則、取締圹や監査圹の数や遞
任の芏則が䞭心である。

                          䞀般的な株匏䌚瀟の組織図
                                 株䞻総䌚

                                             監査圹
                                 取締圹䌚


                             代衚取締圹瀟長


                  執行圹員       執行圹員         執行圹員


           営業郚     賌買郚     補造郚        開発郚   総務郚     経理郚




      株匏ず
   株匏 ず 資本構成
 株匏䌚瀟では、株匏を所有する者が「株䞻」である。぀たり、法的には、株䞻は䌚瀟の共同所有者
であり、その䌚瀟に察しお䞀定の暩利を持っおいる。しかし、株䞻は䌚瀟の運営に぀いおの矩務や責
任はない。䌚瀟の運営は代衚取締圹をはじめずする取締圹が執行責任を持ち、その取締圹や䌚瀟の運
営を監査圹が監督するのである。
 珟代の株匏䌚瀟においおは、株䞻は、䌚瀟の運営に察しお自分が出資した株匏の䟡倀出資額以
倖の責任を負う必芁はない。䌚瀟が違法行為をしおも倒産しおも、株䞻は出資した金額以倖は責任を
負う必芁はない。このこずを「株䞻の有限責任」
                     株䞻の出資金額分を限界ずする責任ず呌んでい
る。このように株䞻は䌚瀟に自分の投資額以䞊の責任ず矩務を負う必芁がないからこそ、囜民が予期
しないリスクを恐れるこずなく䌚瀟に投資ができるのであり、こうした株䞻の有限責任は資本䞻矩制
床の基瀎ずなっおいる。

①株䞻の暩利
 株䞻の
 株匏䌚瀟の株䞻は、぀の暩利を持っおいる。
 1. 議決暩䌚瀟の株䞻総䌚における議決に参加できる暩利。その議決暩はそれぞれの株䞻が保有す
    る株匏数に比䟋する。




                            ~ 126 ~
2. 利益配圓請求暩䌚瀟の所有者は出資者である株䞻であり、䌚瀟の利益は株䞻に垰属する。䌚瀟
    の利益を配圓ずしお株䞻が埗るのか、それずも次の幎床に残すのかは、代衚取締圹が決めるので
    はなく株䞻の暩利である。
 3. 残䜙財産分配請求暩䌚瀟が解散をした堎合には、株䞻は株匏数に応じお、解散凊理埌に残った
    䌚瀟の資産を所有する株匏数に応じお埗るこずができる。

②株匏に関するルヌルの蚭蚈
 株匏に するルヌルの蚭蚈
 䌚瀟は、株匏を発行しお、䌚瀟の持ち分ずいう䟡倀を、1株圓たり10䞇円ずいうような倀段株䟡
を぀けお投資家に譲り枡す。投資家は、株匏をある倀段で賌入するこずにより䌚瀟に投資する。぀た
り、投資家は金銭を支払っお株匏を賌入し、その䌚瀟の先述のような暩利を獲埗するのである。
 䌚瀟を蚭立する時には、その株匏に関する基本事項を定欟に定める必芁がある。 その基本事項ずは、
 ・䌚瀟が発行できる株匏数の䞊限。
 ・株匏の暩利。
    普通株匏か、特定の暩利を持った優先株を発行できるか。
    株匏の譲枡制限の有無株匏は自由に譲枡売買できるか、取締圹䌚の蚱可が必芁か。 
 ・株匏の取扱いの芏定。
 が代衚的な事項である。

③株匏発行による資金調達
 株匏発行による資金調達
      による
 したがっお、新しく䌚瀟を立ち䞊げる起業家は、自分達の䌚瀟の株匏を発行し、それをある倀段株
䟡で投資家に買っおもらうこずにより、䌚瀟の資金を調達できる。䟋えば、1æ ª10䞇円で500株の株
匏を投資家に買っおもらうこずができれば、䌚瀟は10䞇円×5000株5000䞇円の資金を獲埗するこず
ができ、しかも融資ずは異なり「返枈矩務のない資金を埗る」こずになる。株刞ずいう䞀枚の玙切れ
を1æ ª10䞇円のような倀段を぀けお投資家に販売するこずによっお、䌚瀟は資金を埗るこずができる。
                   実際の株刞の芋本




④資本構成の怜蚎
 資本構成の
 しかしながら、株䞻ずは䌚瀟の所有者であり、䌚瀟の基本事項を決めるこずのできる者である。䌚
瀟の株匏を100倖郚の投資家に売っおしたえば、その䌚瀟は起業家や創業メンバヌのものではなく、
投資家の所有ずなり、投資家が䌚瀟の事項をすべお決めるこずができるようになる。そうなるず、起
業家達は䌚瀟を立ち䞊げおも、 圹員や埓業員ずしおの絊䞎報酬はあっおも配圓は埗られず、䌚瀟の
株匏を所有しおなければ䌚瀟が拡倧しお䌚瀟の䟡倀が高たっおもその恩恵を受けるこずができない。
 したがっお、起業家達は、株匏による資金調達を行う際には、 「䌚瀟を高く売る」こずにより、自分
達の保有する株匏のシェアをできるだけ高いたたにしたいず考える。株匏発行によっお䌚瀟の持ち分
を投資家に売るのであっお、少ない持ち分を高く売るのが起業家達にずっお有利である。逆に倖郚の
投資家は、倚い持ち分を安く買いたい。この䞡者の利害の違いから、株匏による資金調達では、起業
家達䌚瀟の経営者ず投資家の間で亀枉が行われ、䞡者が合意した株䟡で投資が行われる。この合
意した株䟡に䌚瀟の発行した株数を乗じた金額が、䌚瀟䟡倀䌁業評䟡䟡栌である。
 起業家達は、こうした株䟡ずずもに、株匏発行によっお、自分達それぞれの保有する株匏数やその
割合がどうなるのか、そしお投資家の株数の割合がどするかずいう資本構成に现心の泚意が必芁ずな
る。なぜならば、株䞻総䌚における株䞻の「議決暩」は株匏数に比䟋したものであり、配圓も株匏数
に比䟋する。したがっお、起業家達が高い株匏シェアを持おば株䞻総䌚で自分達の株匏数で倚数決を
埗るこずができるが、逆に株匏シェアが䜎ければ倖郚の投資家の意芋が通っおしたう危険性がある。

                       ~ 127 ~
䞋衚の䟋のように、䌚瀟創業時は創業メンバヌや芪族・知人だけで䌚瀟の株匏を取埗し、   「内茪のメ
ンバヌ」で100の株匏を保有するこずになる。しかし、倖郚の投資家が参加する堎合ここではベン
チャヌキャピタルが投資する堎合 、衚のように投資埌には3000䞇円の資金調達が実珟するけれども、
ベンチャヌキャピタル2瀟が䌚瀟の株匏の24を保有する株䞻ずなる。
                            株匏による資⟊調達ず䌚瀟の資本構成䟋
                                        䌚瀟創業時                         ベンチャヌキャピタルの投資埌
                           取埗株            発⟏時の                 取埗株           発⟏時の
                                  シェア          資⟊調達額                  シェア             資⟊調達額
                            匏数             株䟡                   匏数            株䟡
          田䞭 掋   代衚取締圹瀟⻑    100   52.6%   Â¥50,000 Â¥5,000,000    100   40.0%
    創業
          ⻘✊ 和倫 取締圹          20   10.5%   Â¥50,000 Â¥1,000,000     20    8.0%
    メンバヌ
          䞊田 明   取締圹         20   10.5%   Â¥50,000 Â¥1,000,000     20    8.0%
    芪族・   田䞭 䞀成 田䞭瀟⻑の✗芪      30   15.8%   Â¥50,000 Â¥1,500,000     30   12.0%
    知⌈    ✊村 安雄 田䞭瀟⻑の知⌈      20   10.5%   Â¥50,000 Â¥1,000,000     20    8.0%
    ベンチャヌ 第䞀キャピタル                                                30   12.0% Â¥500,000 Â¥15,000,000
    キャピタル 倧阪キャピタル                                                30   12.0% Â¥500,000 Â¥15,000,000
                 合蚈         190   100%            Â¥9,500,000    250    100%          Â¥30,000,000




      䌚瀟の
   䌚瀟 の 登蚘
 株匏䌚瀟は、法人登蚘がなければ成立しない。

    䌚瀟法第49条         株匏䌚瀟は、その本店の所圚地においお蚭立の登蚘をするこずによっお成立する。


 登蚘をしおいない株匏䌚瀟は法的に暩利がないから、株匏䌚瀟の存圚が認められず、契玄をしおも
無効ずなる。したがっお、䌚瀟の機関蚭蚈を定め、資本を集めた埌には、公に認められた䌚瀟ずする
ために「登蚘」を行う必芁がある。法人登蚘は法務省法務局いわゆる登蚘所に察しお行い、定め
られた事項を登蚘官が法人登蚘簿に蚘茉するこずにより完了する。

                                          登蚘簿の䟋
           商号           むンフォマヌト・システム株匏䌚瀟
           本店           東京郜枋谷区枋谷䞁目番地○号
           発行株匏総数                        190 株
           資本金の額                   金  9,500,000 円
           目的           1.通信システムによる情報サヌビス。
                        2.情報管理、凊理サヌビス。
                        3.コンピュヌタシステムによる蚈算業務の受蚗。
                        4.デヌタヌ通信システムに係る装眮の開発及び保守の受蚗、販売。
                        5.コンピュヌタ゜フトりェアの開発及び販売。
                        6.情報通信システムに係るコンサルティング業務。
                        7.特蚱暩の保有、取埗、運甚。
                        8.内倖の他䌚瀟に察する投資、融資および債務の保蚌。
                        9.情報通信技術者の逊成。
                        10.広告宣䌝業及び広告代理店業。
                        11.電話回線およびむンタヌネットを利甚した電話番号案内等の情報提䟛サヌビス。
                        12.前各号に附垯する䞀切の事業。
           圹員に関する事項     代衚取締圹        田䞭 掋
                        取締圹          青朚 和倫
                        取締圹           䞊田 明
                        瀟倖取締圹        田䞭 䞀成
                        監 査 圹         越山 淳

           平成23幎3月11日 登蚘
                                                        東京法務局
                                              登蚘官印   ○○ ○○   印




                                            ~ 128 ~
   雇甚ず 就業芏則
      雇甹 ず
 䌁業を経営しおいく䞊での「人、モノ、金、情報」が四倧芁玠であり、人の生産性の向䞊がどんな
䌚瀟にずっおも倧倉重芁である。䌁業の経営者は、就業芏則、採甚研修、絊䞎・ボヌナスなどの人事
に぀いお様々な工倫を凝らしお経営を行っおいる。
 埓業員を雇っお経営しおいくには、さたざたな法什や芏則・制床に察応しなければならない。瀟䌚
にずっお人は最も重芁なものであり、䌚瀟が随意に人を雇っお自由に䜿甚するこずは民䞻䞻矩の䞖の
䞭ではできないのである。䟋えば、䌚瀟が1人を埓業員ずしお雇甚したらすぐに瀟䌚保険の支払い矩務
が䌚瀟に発生する。
        、たた、䌚瀟が10人以䞊の埓業員パヌトタむマヌやアルバむトを含むを雇甚す
る堎合は、劎働基準法により䌚瀟に就業芏則の䜜成が矩務づけられおいる。こうした䌚瀟の劎働や瀟
䌚保険の業務は小さな䌚瀟では専門知識を身に぀けるのは難しいため、倚くの䌚瀟では瀟䌚保険劎務
士に盞談し指導を受けおいる。

 ≪人を雇う際に必芁なこず≫
 ・埓業員を雇甚する際の法埋劎働基準法、劎働保護法、劎働契玄法、男女雇甚機䌚均等法。
 ・就業芏則法埋に基づき、埓業員の芏則である「就業芏則」を䜜成する。垞時10人以䞊の劎働者
  アルバむト等も含むを䜿甚する事業堎は就業芏則を䜜成する矩務がある。
                                    劎働基準法89条
                                             。
 ・埓業員を雇甚する䌚瀟は各皮保険に加入する矩務がある。䌚瀟は、雇甚保険、健康保険、厚生幎
  金保険、劎働灜害保険等に加入し、たた劎働者の犏利厚生を取り決める法埋に埓う。

      事業を 開始するための 諞届け
              するための諞届
   事業 を 開始 するための 諞届 け
 䌚瀟を創業し、事業を開始する堎合、公的な法什に埓い、か぀瀟䌚ずの基本的な関係を構築するた
めに、届出を行う必芁がある。
 たずえば、䌚瀟を蚭立すれば皎務眲に法人蚭立の届け出をし、人を雇えば瀟䌚保険事務所ず劎働基
準監督眲に届け出を出す必芁がある。たた、飲食店を始めるには、保健所に「食品営業蚱可」を申請
し、か぀食品衛生責任者の資栌を持った者を各営業店に1名眮く必芁がある。危険物を取り扱う堎合や
特別な堎所に出店する堎合は、法什に応じお届出や蚱可・認可が必芁になる。これらに埓っお業務を
凊理しおいないず、業務自䜓が認められず、堎合によっおは眰せられるこずもあるからである。

⅀事業の開始
  事業の
 こうしお、䌚瀟が蚭立されれば、法的に䌚瀟が認められ、契玄行為もでき、埓業員も雇甚できるか
ら、晎れお株匏䌚瀟ずしおスタヌトするこずになる。起業家にずっお忘れがたい日である。日本には
「創業蚘念日」を蚭けおいる䌚瀟が倚いが、この創業蚘念日ずは法務局で登蚘され䌚瀟が蚭立された
日のこずである。
 䌚瀟が蚭立されれば、事業を始めるこずになる。取匕先やお䞖話になっおいる人々・䌁業に察しお
株匏䌚瀟を蚭立したこずを知らせ、お瀌ず今埌の支揎を願い出る。懇意なずころから本瀟にお祝いの
花茪が届けられる䌚瀟もある。これからが起業家にずっおの本番である。




  ■蚭問
   蚭問

  1. 定欟に぀いお簡単に説明しなさい。
  2. 代衚取締圹の圹割を簡単に説明しなさい。
  3. 株䞻は、䌚瀟に察しおどのような暩利を持っおいるか。簡単に述べなさい。
  4 䌚瀟は登蚘をなぜ行う必芁があるのかに぀いお、理由を簡単に述べなさい。
  5 資本政策を䜜る際に泚意しなければならない点を簡単に述べなさい。
  6 䌚瀟が埓業員を雇う際に行わなければならない事項を぀述べなさい。




                           ~ 129 ~
参考-3株䞻総䌚
                              株䞻総䌚

・
「株䞻総䌚」ずは株匏䌚瀟の最高の意思決定機関であり、株䞻が参加しお䌚瀟の基本的な方針
 や重芁な事項を決定する。「䌚瀟では瀟長さんが䞀番偉い」ず思いがちだが、䌚瀟の重芁な事
 項を決められるのは株䞻であり、瀟長が䌚瀟の株䞻でなければ、その議決にも参加できないの
 である。
・株䞻総䌚は「定時株䞻総䌚」ず「臚時株䞻総䌚」がある。定時株䞻総䌚は、毎幎床1回開催さ
 れる株䞻総䌚で、臚時株䞻総䌚は定時以倖に臚時に招集される株䞻総䌚である。定時株䞻総䌚
 は、䌚瀟の決算日から3ケ月以内に開催する矩務があるため、3月31日を決算日ずする䌚瀟3
 月決算䌚瀟は6月30日たでに定時株䞻総䌚を開く。
・株䞻総䌚で決議する事項は、䌚瀟法の定めにより普通決議ず特別決議に分かれおおり、䌚瀟に
 ずっお重芁な事項は特別決議を行う。普通決議は、出垭した株䞻が持぀議決暩株数に比䟋し
 た株䞻総䌚での議決できる暩利の数の過半数の賛成があれば決議される。特別決議は出垭し
 た株䞻の議決暩の分の以䞊の賛成があれば可決される。

・䞋蚘は日産自動車㈱の2010幎床定時株䞻総䌚の招集通知抜粋だが、この通知に圓日の議
 案が蚘茉されおいる。


                       第 111 回定時株䞻総䌚招集ご通知

  拝啓 たすたすご枅祥のこずずお喜び申しあげたす。
  さお、圓瀟第 111 回定時株䞻総䌚を䞋蚘のずおり開催いたしたすので、ご出垭くださいたすよう通知申しあげたす。

                                    蚘
 1. 日時 平成 22 幎 6 月 23 日氎曜日午前 10 時
 2. 堎所 暪浜垂西区みなずみらい䞀䞁目 1 番 1 号 パシフィコ暪浜 囜立暪浜囜際䌚議堎
 3. 目的事項
 報告事項
  1. 第 111 期平成 21 幎 4 月 1 日から平成 22 幎 3 月 31 日たで事業報告の内容、連結蚈算曞類の内容
     䞊びに䌚蚈監査人及び監査圹䌚の連結蚈算曞類監査結果報告の件
  2. 第 111 期平成 21 幎 4 月 1 日から平成 22 幎 3 月 31 日たで蚈算曞類の内容報告の件

 決議事項
 第1号議案 監査圹 2 名遞任の件
 第2号議案 圓瀟の埓業員䞊びに圓瀟関係䌚瀟の取締圹及び埓業員に察しストックオプションずしお発行する新
       株予玄暩の募集事項の決定を取締圹䌚に委任する件
 第3号議案 取締圹に察し株䟡連動型むンセンティブ受領暩を付䞎する件
                                           以 侊
                                        日産自動車㈱の定時株䞻総䌚




                                                      圓日の総䌚の写真




                              ~ 130 ~
第5郚   ベンチャヌズ・むンフラ


Ⅰベンチャヌズ・むンフラ
 起業家やベンチャヌ䌁業は、自分達だけで発展できるわけではない。䌁業・産業が有効に機胜する
には、「むンフラストラクチャヌ」infrastructure、むンフラ、瀟䌚的経枈的な基盀が必芁である。
電気が安定的に䟛絊されなければ事業が成り立぀わけがないし、人材や、金融、蚌刞、䌚蚈、法務、
コンサルティングのような機胜が充実しおいるからこそ、䌁業は効率的に事業を経営できる。
 特に、経営資源が少ないベンチャヌ䌁業は、このようなむンフラストラクチャヌが充実しおいない
ずスピヌディヌに発展しおいくこずができない。逆に、むンフラが充実しおいるアメリカのシリコン
バレヌのような地域はベンチャヌが目をみはるような発展をするこずになる。ベンチャヌ䌁業の掻動
は少数のファクタヌによっお䞀埋に匷匱が決たるものではない。むンフラや、時代背景、地域の状況、
瀟䌚意識、産業構造、技術革新など、倚くの芁因が圱響し合っお圢䜜られおいる。ここでは、ベンチ
ャヌ䌁業の発展にかかせないむンフラず環境を「ベンチャヌズ・むンフラ」ず呌び、ベンチャヌにず
っおそのような機胜がなぜ必芁であるか、たたどのような機胜を果たしおいるのかを考察する。
 ベンチャヌの日米栌差は呚知の事実、では米囜でベンチャヌが成功しお日本でなぜうたくいかない
か、ずいう議論があちこちでなされおいる。このテヌマは甲論乙駁、確ずした答えはなかなか出おこ
ない。しかし、米囜がすべおうたくいっおいるわけでもない。最近はカリフォルニア州などの西海岞
諞州やテキサス州、コロラド州でハむテク・ベンチャヌが続々登堎しおいる䞀方で、東郚や䞭西郚諞
州のハむテク産業は思わしくなく、それなりに地域間栌差がある。たた、䞖界的にみるず、新興䌁業
の掻躍が目立぀囜は、欧州ではむギリス、アむルランドず北欧、アゞア地域ではシンガポヌル、銙枯、
むンド、むスラ゚ルである。他方、ドむツ、フランスや日本、韓囜では、こうした起業家の動きが停
滞しおいるずいわれる。
 たた、日本でも昔からベンチャヌが育たなかった蚳ではなく、明治・倧正時代、あるいは第二次倧
戊埌から高床成長の前半たでの時期には、今日の倚くの倧䌁業が起業家によっお勃興しおいる。パナ
゜ニック、゜ニヌ、カシオ蚈算機、京セラ、本田技研、リンナむ、YKK AP、ダむ゚ヌ、むトヌペヌカ
堂珟セブンアむ・ホヌルディングス   、セコムずいった倧䌁業は、第二次倧戊埌から1960幎代にス
タヌトしたか぀おのベンチャヌ䌁業である。


Ⅱベンチャヌズ・むンフラの芁玠
  ベンチャヌズ・むンフラの芁玠
 これたでの日本では、経枈や金融制床のみならず、瀟䌚颚土・慣行、孊校教育、皎制等の幅広い偎
面においお、起業や新興䌁業の経営に䞍利なシステムが存圚したこずは事実である。そのような埓来
のシステムを着実に倉革しおいくこずが必芁であり、䞖論も総論ではベンチャヌ支揎に積極的である。
実際、ここ、幎の創業支揎に察する政策や民間の取り組みは、これたでのペヌスを倧きく䞊回る
勢いであり、日本のベンチャヌ育成環境は着実に奜たしい方向に倉わり぀぀ある。しかし、䞊蚘のよ
うな䌁業掻動のむンフラストラクチャヌが䞀朝䞀倕に倉わるこずはありえず、早急に倉革の効果を求
めるこず自䜓に無理がある。むしろ、日本固有の制床や慣行を利甚し぀぀、創業に有利な瀟䌚経枈環
境を敎備するこずが重芁ずする意芋も少なくない。

      瀟䌚的・
   瀟䌚的 ・ 文化的芁因
 日本人の起業家意識が米囜人に比べお匱いずいうこずは、既に各方面から䞻匵されおいる。各囜で
起業家が茩出されおいるかどうかの床合を囜際比范したグロヌバル・アントレプレナヌシッピ・モニ
タヌ調査次衚をみるず、日本では起業する割合が䜎いこずは明らかである。日本で高い孊歎を持
った若者は、たずは倧䌁業のサラリヌマンや公務員、あるいは医者や匁護士ずいった専門職を垌望す
るのは倧半であり、䞭小䌁業やベンチャヌの経営者を目指すこずは倚くない。
 それゆえ、
     「日本人が米囜人に比べ独立心の匱い囜民であり、日本人の起業家意識も米囜人に比べ匱
い。
 」ずいう䞻匵はむげには吊定できない。しかし、こうした特城は、それぞれの歎史の䞭で圢䜜られ
おきた瀟䌚の䟡倀芳である。珟時点では米囜人が日本人よりも起業家的であるずいえようが、米囜人
の方がなぜ起業家的であるかに぀いお考える際には、瀟䌚的なファクタヌから考えた方が適切だろう。

                        ~ 131 ~
Entrepreneurship Textbook vol.2
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Entrepreneurship Textbook vol.2

  • 1. 第4郚 ビゞネスプラン Ⅰ起業の機䌚ず構想 起業の機䌚ず 起業家を    起業家 を 生 み 出 す 芁因 倧孊生が就職先を決める理由が千差䞇別であるように、起業家がなぜ事業をスタヌトするかの芁因 はさたざたである。 あえお、その芁因を抜出し単玔化するず、以䞋のように、個人的な芁因ず、環境的な芁因に分けら れる。人がなぜ新事業に乗り出すかは、その人の個人的な理由であるずずもに、瀟䌚環境にも圱響さ れるからである。蚀葉を換えるならば、起業家は生来自分が持っおいるもので起業しようずするずず もに、呚りや瀟䌚に動かされお起業しようずするこずもある。 個人的芁因 個人的芁因 1. 性栌 起業家が他の人間ず倧きく違うのは、平均的な人間よりも「独立心」が匷いこずである。起業家は、 他の人よりも自分の今埌を自分で決めようずする独立願望が匷い。 2. 出自 幌少期や孊生時代の圱響は䜕ずいっおも倧きい。䟋えば、起業家は、その芪父芪がサラリヌマ ンであるよりも、自営業や䌚瀟を経営しおいるケヌスが倚い。あるいは、経枈的に豊かではなく、孊 歎や資栌を埗お専門職に぀くよりも、自分で事業に乗り出したケヌスは、第章の日本の起業家に芋 るように倚数存圚する。 3. 過去の経歎 自分の意思で起業を遞択するのは、これたでに知識・胜力・人脈などを埗おいるからであり、過去 の仕事や職堎が起業の意思に間違いなく圱響する。公務員や鉄鋌䌚瀟から独立する人は少ないが、寿 叞職人やラヌメン店からは盛んに独立する。起業できる力を過去の勀務先で習埗できるからだ。 4. 幎霢 起業家の幎霢や家族構成も重芁な芁玠である。こうした面からは、独身者が起業にあたっおの障害 が最も少ないが、子䟛がある皋床の幎霢になった50代埌半からのシニア起業家も日本には少なくない。 環境、 環境、瀟䌚的芁因 環境 5. 教育ず倧孊 バむオテクノロゞヌや情報通信産業のハむテク・ベンチャヌは、起業のアむデアが倧孊や研究所で 生たれるこずが倚い。倧孊院生や付属研究斜蚭の研究者、卒業生が倧孊時代のアむデアをビゞネスプ ランにしお資金を調達し起業するケヌスも倚数起こっおいる。 6. 成功事䟋 呚囲に成功事䟋や目暙ずする䌁業や人物があ るこずも、起業家ずなるきっかけの䞀぀である。 友人や芪類で成功者がいるずいう事実も、ベン チャヌを指向させる圱響力になっおいる。 7. 呚囲の環境ず地域 呚囲に創業を支揎しおくれる人々や組織があ るかどうか、あるいは起業に関係する人々の亀 流組織やネットワヌクが広がっおいるかどうか ずいった瀟䌚環境もベンチャヌにずっお重芁で ある。起業家経枈が発展しおいる地域では、倚 業皮のベンチャヌ䌁業や倧䌁業、倧孊・研究所、 ベンチャヌキャピタル、ベンチャヌ䌁業を取り 巻く匁護士、䌚蚈士、コンサルタント、ヘッド ~ 111 ~
  • 2. ハンタヌなどがこの地域の䞭で共存しおおり、生態系的なシステムが存圚する。そこに孊び、働き、 教える人々が、絶えず亀流しあい組織を出入りしおいる。圌らが連合したり離れるこずで、ベンチャ ヌが生たれたり朰れたりし、あるいは別のベンチャヌ䌁業が枝分かれしお蚭立されおいる。 起業家のタむプ 起業家のタむプ タむプ 『生蚈䞊必芁 起業家』 タむプ  生蚈䞊必芁な起業家』⇒ 必芁な “ Necessity-driven entrepreneurs “ Necessity- ・仕事を埗るために必芁に迫られお起業するグルヌプ。生掻を営む仕事生業ずしお起業する。 ・自営業、脱サラ、家業、同族䌚瀟に倚い。 ・䟋飲食業、クリヌニング店、個人タクシヌ、家電小売店、衣料品小売店、など。 ・起業家の母集団ずしおは、こういった「生蚈䞊必芁な起業家」の割合が倧きい。 ・特に発展途䞊囜では、このグルヌプの起業がほずんどである。組織的な䌁業の雇甚が少なく、独 力あるいは自分の瞁で個人事業を行わざるをえないからである。 ・党䜓ずしおは、このグルヌプから倧䌁業に発展する割合は䜎いず考えられおいるが、この䞭から マクドナルド、ケンタッキヌ・フラむドチキン、りォルマヌトスヌパヌ 、サブりェむサン ドりィッチのような巚倧䌁業に成長した起業家も存圚する。 タむプ 機䌚を掻かした起業家』⇒ タむプ 『機䌚を かした起業家 起業 “ Opportunity-driven entrepreneurs “ Opportunity- ・自分にある機䌚を掻かしお起業するグルヌプ。自分の意思ず目暙にもずづいお起業する。 ・いわゆるベンチャヌビゞネスを起業する人々を指しおいる。 ・「機䌚を掻かした起業」においおは、以䞋のようなビゞネスのタむプがある。 『ハむテク・ベンチャヌ』 ・最先端分野においお、日本囜内だけでなく䞖界ず競争し、勝ち抜こうずするベンチャヌ。 ・暩利は特蚱などで保護する。 ・倧䌁業ずの独立性を保ち぀぀、提携で資金や人材ずいう経営資源を埗ようずする。 ・ビゞネスのリスクは高いが、成功するずリタヌンが高い。 ・䟋半導䜓ベンチャヌ、バむオベンチャヌ。 『技術応甚・組合せ型の新事業ベンチャヌ』 ・起業家が過去の職堎や経隓で埗た技術を応甚しお開始するベンチャヌ。 ・ニヌズに合臎すれば倧圓たりするが、ニヌズ把握・垂堎開発が難しい。 ・䟋颚力発電ベンチャヌ、ネットベンチャヌ。 『技術改良型ベンチャヌ』 ・生業的なスモヌルビゞネスから脱皮しお、新事業で成長しようずする。 ・垂堎や消費者のニヌズを熟知しおいるこずが倚い。 ・小回りは利くが、倧化けの可胜性は小さい堎合もある。 ・䟋郊倖型衣料小売、栌安航空刞、英䌚話孊校、人材掟遣、100円ショップ。 『アむデア勝負型の起業』 ・消費者のニヌズを぀かみ、新アむデアず新商品で人気・ブヌムを埗ようず事業に乗り出す。 ・圓たれば倧きいタむプのビゞネスであり、ブヌムが去るずきの匕き際が重芁。 ・䟋飲食店、アパレル衣料、矎容゚ステ、ビュヌティヌショップなど。    起業 のプロセス に 必芁 な 事項 起業のプロセス 必芁な のプロセスに ①スタヌトアップに必芁な芁玠 無からスタヌトするベンチャヌ䌁業の経営力は、既存の倧䌁業を察象にした経営理論ではほずんど 説明できない。ベンチャヌの䞖界は混沌そのものであり、䞍確実性やリスク、他瀟の攻勢、瀟内玛争 等の偎面で経営を揺るがすような事件が頻繁に起こりうる。 こうしたベンチャヌ経営においお、起業家がスタヌトアップするためには䜕が求められるか。䜕よ りもたず次の芁玠が欠かせない。 ~ 112 ~
  • 3. 1. 創業者Founders 創業者  事業を志した本人、あるいはベンチャヌの 経営を担うマネゞメント・チヌム経営陣 の力量が䜕よりも欠かせない。 2. 事業機䌚Opportunity 事業機䌚  い぀、どのマヌケットに乗り出すか、自分 の持぀技術をビゞネスにどのように応甚す るか、どのようなかたちで事業を始めるか、 誰ずビゞネスを組むか、ずいった事業機䌚 の認識が必芁である。 3.経営資源Business Resource 経営資源 経営資源  起業家の持぀技術をもずに始めたベンチャ ヌで、これから䜕が必芁かを怜蚎しなけれ ばならない。資金や埓業員、オフィスや工 堎・機械、あるいは資材賌入・販売のための提携先ずいったものが次から次ぞず求められる。 ②創業者ず経営チヌム ベンチャヌ䌁業が成功するには、「技術」よりも「創業者ずマネゞメントチヌム」が重芁である。ハ むテクベンチャヌでは、垂堎を切り開くだけの技術が必芁なのはもちろんである。にもかかわらず、 米囜のベンチャヌキャピタリスト達は、ベンチャヌの䌁業評䟡すなわち投資刀断においお第䞀に マネゞメントチヌムの力量を優先しおいるのである。この力量は具䜓的には、経営陣各人に぀いおの 技術力、経隓、人栌、リヌダヌシップ、呚囲の評䟡や、圌らが過去どのようなポゞションで䜕を行っ おきたかずいう経歎である。 䟋えば、ベンチャヌキャピタリストにベンチャヌ経営で重芁 な芁因のトップは䜕かず問われた堎合、「䞀にも二にもマネゞ メントチヌム。䞉、四がなくお五に垂堎の将来性」ず答えるず 蚀われおいる。ベンチャヌキャピタリストの䌝説的存圚ずいわ れるアヌサヌ・ロック氏は、「䞀流の経営陣を芋぀ければ、圌ら は垞に問題点を解決し補品を改良しおいける。私の倱敗のほず んどはビゞネスプランが悪かったのではなく、経営陣が悪かっ たせいである。」ず語っおいる。 ③アむデアは必ずしも事業機䌚ではない 起業家が事業に乗り出すきっかけには、先にあげた「事業機 䌚」がかかせない。ここでいう機䌚ずは、事業のアむデアのこ ずを蚀っおいるのではない。䞖の䞭では、事業に぀いおのアむ デアは起業の機䌚よりはるかにずっず倚いはずである。アむデ アは必ずしも事業機䌚ではない。 事業機䌚は起業家が奜きなようにこしらえるアむデアではな い。事業機䌚は、技術、マヌケット、競争盞手などが倉化する 䞭で、利益になるビゞネスずしお成立する可胜性があっおこそ 生たれるものである。ベンチャヌの成功は、この事業機䌚をしっかりず぀かんだ䌁業のみが埗られる ものである。したがっお起業家にずっお䜕が自分の事業機䌚か、い぀どのように乗り出すべきか、ず いう事業機䌚をずらえ理解するプロセスが重芁になる。 実際、革新的なアむデアは䞖の䞭で䞀人だけの人間が芋぀けおいるわけではなく、倧䜓は他にも䌌 たような構想を持っおいる人がいるものである。ダヌりィンの進化論やアむンシュタむンの盞察性理 論も、同じ時代に類䌌のアむデアを持っおいる孊者が存圚したこずがわかっおいる。たた、1959幎に テキサス・むンスツルメント瀟のゞャック・キルビヌが発明した集積回路も、その盎埌にロ バヌト・ノむス埌のむンテル創業者が独力で䜜っおいる。今日のむンタヌネットの䞖界でも、ネ ットスケヌプだけが1994幎にむンタヌネット・ブラりザヌを商品化したのではなく、同じくダフヌだ けがサヌチ゚ンゞンを商業化したわけでもない。 ~ 113 ~
  • 4. ④垂堎のニヌズを぀かむ 起業家にアむデアはあっおも、その補品やサヌビスは誰が求めおいるのか、誰に売るのか、ずいう 認識が明確でないず、うたくスタヌトアップするのは難しい。これは叀今東西に共通の単玔な理屈で ある。顧客が求めない補品やサヌビスは、単なるアむデアであっおビゞネスずしおは成立しない。き わめお革新的な補品が䜜られ、抜本的な䜎䟡栌や高い品質・サヌビスによっおこれたで隠れおいた消 費者のニヌズが䞀床に顕圚化するケヌスもあるが、それは数少ない成功䟋である。 ⑀タむミング 事業に乗り出すタむミングも重芁な芁玠である。起業家は朜圚的には成功の可胜性があるずしおも、 他瀟や他の商品・技術ずの競合、経枈環境、提携先や販売代理店などの諞々の条件がスタヌトアップ に奜郜合な時を遞ぶこずが肝芁である。もっずも、最適のタむミングを遞べずいっおも、起業家が自 信を持っお刀断できる皋の十分な情報が集たっおくるわけではない。奜䞍況の経枈サむクル、消費者 のトレンド、技術の倉化のような、起業家が十分に予枬できるずはいえないファクタヌを、どこたで 芋極めお、か぀迅速にスタヌトアップし事業を拡倧しおいくのか。誰もがわかる「最高のタむミング」 があるわけではない。 ⑥経営資源 たいおいの起業家は、資金、蚭備、人員等の経営資源がほずんど手元にない条件から事業をスタヌ トさせる。ここがベンチャヌたるゆえんでもある。たずえば、アメリカの高成長新興䌁業を代衚する 「むンク500瀟」における蚭立時の資金調達をみるず、党䜓の26の䌁業で創業資金が千ドル未満か らスタヌトしおおり、10䞇ドル以䞊の資金で始めた䌁業は党䜓の25である。 したがっお、起業家は次の点に泚意を払わなければならない。 1.必芁な経営資源の優先順䜍を぀けるコストを節玄しながら倖郚から経営資源を導入するずいうや  りくりが必芁である以䞊、たずは䜕が必芁か、どれから確保しおいくかを考えおいく。 2.重芁な経営資源は品質を萜ずさない経営に決定的な経営資源のレベルを萜ずすこずはできない。  䟋えば、コンビニ゚ンスストアのような小売業で、賃料を重芖するあたり路地裏の二階に入居す る起業家はいない。 蚭立されたばかりのベンチャヌはガレヌゞ、 3.さほど重芁でない経営資源を節玄する 工堎跡のビル、 あるいは他の起業のオフィスに間借りしたりしお、極力費甚を切り぀める。䞭叀のオフィス家具 をみ぀けお回ったり、通信販売で工具の䞀番安いものを䞀個ず぀買うような節玄をする。 4.経営資源を瀟内で持たず、瀟倖を掻甚するベンチャヌの堎合、埓業員を垞勀で雇甚する必芁はな  い。業務の䞀郚を倖郚に委蚗アりト゜ヌシングするこずもできる。自分の工堎やオフィスを 所有せずリヌスするこずも垞套手段である。そのほか、䌚蚈や宣䌝広告、マヌケティングも倖郚 に委蚗するなど、コストをできるだけ䜎くするこずはベンチャヌに欠かせない仕事である。 ⑊開業資金の調達 起業家はアむデアや技術をみがき最適の機䌚を探り、開発蚈画や原材料の仕入れや埓業員の採甚を 怜蚎したずしよう。怜蚎するのはタダだけれども、事業をスタヌトするには資金が必芁になる。この ような開業資金を調達するには、4通りの方法がある。 1.自己資金 自己資金ずは、創業者メンバヌの手持ち資金で䜜る資金である。開業する際の資金ずしおは自己資 金が最も倚く、䞭小䌁業党䜓でみれば、 開業資金の半分以䞊は、自己資金によっお調達されおいる。 2.呚囲・取匕先からの調達 創業者の家族や友人、埓業員、取匕先等のパヌトナヌが資金を提䟛する堎合もかなり倚い。圌らか ら借入や株匏発行の圢で調達したり、代金の前払などさたざたな圢で、資金繰りをサポヌトしおも らうものである。米囜では、関係者からの調達ず自己資金をあわせお、 「ブヌツストラップ・ファ ンディング」Bootstrap Funding、今あるものだけで䜕ずかするずいう英語ず呌んでいる。 3.銀行借入 借入は䌁業経営では、最も䞀般的な資金調達手段である。圓事者が䌁業ず銀行のみであり取匕が単 玔で、株匏発行に比べれば時間や手間がかからない。しかし、スタヌトアップしたばかりで資産も 信甚もない䌁業が銀行から資金を調達するのは容易ではない。しかも、借入は創業者の所有暩が守 られるが、圓然ながら利子ず元本を貞し付けた銀行等に返枈しなければならない。ベンチャヌのよ ~ 114 ~
  • 5. うに今埌の収入の䞍確定芁玠の高い䌁業は、資金調達を借入には倚くを䟝存しにくい。 4.株匏発行 株匏発行で調達した資金は、借入ず違っお返枈の必芁がない。その反面、創業者の株匏所有比率が 䞋がり、経営ぞの発蚀暩も䜎䞋する。株匏だから借入より矩務が少ないわけではない。投資をする 倖郚株䞻は、ベンチャヌ䌁業が株匏公開䌚瀟ずなっお株匏の䟡倀が䞊昇するこずを期埅しおいる。 そうでなければ投資した䌁業が利益を䞊げお高い配圓を出しおくれるこずを期埅しおいる。倖郚株 䞻は、䌁業が高いリタヌンが期埅できなければ、リスクが高いベンチャヌには投資しない。それだ けに、起業家がビゞネスプランによっお投資家に説明したずしおも、投資家が出資をしおくれるケ ヌスは少ない。たずえば、ベンチャヌキャピタルに来る投資案件のうち、圌らが実際に投資するの は1000件の䞭で数件皋床である。 䞋図は、囜内のベンチャヌ䌁業を察象に、立ち䞊げから珟圚たでの資金調達圢態を調査するず、最 も倚いのが銀行で、次いで本人自己資金である。 䌁業の立ち䞊げから珟圚に至るたでの資金調達耇数回答 ⑧収益をあげる 起業家にずっお、収益は倧䌁業の経営者以䞊に倧きな目暙である。 第䞀に、収益を䞊げなければ、経営者自身や埓業員のサラリヌすら払えない。収益を䞊げない限り は、垞に資金調達に駆けずり回らねばならない。 第二に、ベンチャヌ䌁業がリスクの高い事業である以䞊、資金を提䟛する投資家や銀行は、倧䌁業 よりも高いリタヌンを芁求する。事業が倱敗しお「取りっぱぐれる」危険性が高い以䞊、この芁求は 経枈原理にかなっおいる。このためベンチャヌは将来に高い収益性が芋蟌たれおいなければ、なかな か倖郚から資金を埗るこずは難しい。 ■蚭問 蚭問 1. 「生蚈䞊必芁な起業家」ずはどのような人々をいうのか。簡単に説明しなさい。 2. アフリカやむスラム䞖界では、「生蚈䞊必芁な起業家」ず「機䌚を掻かした起業家」のどちらが倚いだろ か。自分の考えず理由を簡単に述べなさい。 3. 「アむデア勝負型の起業」の具䜓的な䟋を、自分で考えお述べなさい。 4. 「経営資源」ずはどのようなものか。簡単に述べなさい。 5. 起業家は、なぜ経営資源を節玄しなければならないか。簡単に述べなさい。 6. 「アむデアは必ずしも事業機䌚でない」ずいうこずに぀いお、簡単に解説しなさい。 7. 起業家が開業時点で調達する資金で最も倚い圢態に぀いお述べなさい。 ~ 115 ~
  • 6. Ⅱベンチャヌの組織運営ず経営モデル ベンチャヌの組織運営ず経営モデル 組織運営 ベンチャヌ的経営    ベンチャヌ 的経営 「ベンチャヌは、 皮がたかれ、 芜がでお、 ふくらみ、 育ち、 収穫される」 " Ventures are sown, sprout, grown, and harvested." Jeffry Timmons “New Venture Creation” ベンチャヌ䌁業の成長は均質的、安定的なものではないが、ベンチャ ヌの経営を時間軞でみるず、倧きく創業期、高成長期、成熟期、安定期 の぀に分類される。創業期は、ベンチャヌをスタヌトさせた埌 幎たでの期間である。最も経営問題が起こりやすく、苊難の倚い、すなわち起業家にずっお危険性が 高い期間であり、この時期に半分以䞊のベンチャヌが淘汰されおいく。売䞊高はれロから数癟䞇ドル 以䞋、経営者は創業者を含め名、埓業員も20名を超えるケヌスは少ない。創業期の艱難を過ぎ るず、売䞊が急速に䌞びる高成長期に入る。この時期には、業容が拡倧するに぀れ経営陣や埓業員の 数が増え組織も拡倧する。 創業期から高成長期にかけおの経営スタむルは、 Doing実行䞭心型ず呌ばれる。絶え間ない倉化、 問題、䞍安定の䞭にベンチャヌの経営は眮かれおいる。皆早く䌚瀟を立ち䞊げ軌道に乗せるために必 死になっおおり、瀟内の経営陣・埓業員各人の指揮呜什系統や具䜓的責任を现かく怜蚎する時間はな い。経営は創業者の力ず意志によっお運営されおおり、瀟長䞀人が䌚瀟をひっぱる「トップダりン」 経営である。埓業員は少ないだけに䌚議、決定、通知、あるいは埓業員間のコミュニケヌションは組 織化されたものではなく、その郜床匟力的に行われるこずがほずんどである。 ベンチャヌ䌁業が高成長期に入り、売䞊や埓業員が急増する䞭では、経営圢態が倉化しおいく。業 務量が増えるに埓い、ベンチャヌ経営者は自分や同僚・埓業員の業務分担を決め、責任範囲や各人の 裁量床を定めおいく必芁がある。぀たりこの時期の経営はManaging組織䞭心型である。さらに、 業容が拡倧する成熟期、安定期に入るず、経営者はさらに暩限を䞋䜍の埓業員に委譲し、圌らが経営 の意志決定や業務を遂行しおいき、経営者はその管理者の管理が仕事ずなる。したがっおこの時期の ベンチャヌ経営者は、Managing Managers組織管理者ずしおの特性が匷くなる。    ベンチャヌ 経営者 は 他 ずどう違 うか ベンチャヌ経営者 経営者は ずどう 違 以䞊に述べた起業家ずしおの資質や胜力は、党䜓的には普通の䌁業経営者が求められおいるものず さしお倉わらないように思うかもしれない。実際、䌁業経営者やマネヌゞャヌ局がこのような力を充 分に持っおいたらどんなにか玠晎らしいこずだろう。しかし、ベンチャヌ経営者である以䞊、力点の 眮かれ方が異なる。ベンチャヌのように高成長をめざす瀟歎が若い䌁業ず、充分な経営基盀があり安 定経営を続けおいる倧䌁業の経営者ここでは管理的経営者ず呌ぶずの違いを考えおみよう。この 差異は、以䞋の぀のポむントに敎理できる。 ①起業家は創造的である 起業家は創造的である であ ベンチャヌ䌁業は新しいものを創っおいかねば淘汰されおしたう。同時に起業家は䜕かを創造しよ うずしお独立しおいる。倧䌁業の経営者は䌚瀟を安定的に存続させるこずに泚力するが、起業家に期 埅されるのは安定や維持ではなく創造である。既存の知識だけでは新しいものは創造できない。起業 家は知的奜奇心ず想像力で新しいチャンスをみ぀け、それをどう成功させおいくかに長けおいる人間 が倚い。決しお孊䜍や専門知識だけの人間ではないこずは、ビル・ゲむツ、スティヌブ・ゞョブズの 成功が瀺しおいる。20幎䜙にわたりハむテク巚倧䌁業の経営者を務めおいる二人は、博士どころか、 倧孊に4幎通うこずもなく䞭退しおいるのである。 ②戊略の違い 戊略の 倧䌁業の管理的経営者は、珟圚自分達が持っおいる経営資源をどのように維持し掻甚しおいくかを 重芖するが、起業家が目指すものは、自分のビゞネスチャンスを事業ずしお成功させるこずである。 ビゞネスチャンスはたえず倉化する。ベンチャヌは経営資源も少なく、たたビゞネスチャンスの倉化 に迅速に柔軟に察応しおいくために、他から経営資源を獲埗しなければならない。珟圚の経営資源の 掻甚ず存続を重芖するのが管理的経営者だが、起業家はチャンスに適合した新しい経営資源を求める。 起業家はビゞネスチャンスを重芖する ③起業家はビゞネスチャンスを重芖する 圓然のこずながらベンチャヌの「リスク」は、他の䌁業よりも倧きい。倒産に぀ながりかねない問 題が発生するこずも倚く、起業家はそれらの問題を短期に集䞭しお解決しなければならない。䞀方、 管理的経営者は、経営問題の凊理は起業家に比べお長期のスパンが蚱され、たた自瀟内の郚䞋や他の ~ 116 ~
  • 7. 経営者に委ねるこずも可胜である。起業家は、結果第䞀䞻矩の立堎から迅速に意志決定を行い、議論 よりも実行を重芖しお、ビゞネスチャンスをいかにうたく事業化するかに集䞭しなければならない。 ④経営資源の違い 経営資源の ベンチャヌには、ヒト・モノ・カネ・情報ずいった経営資源は限られおいる。こずに倚くのベンチ ャヌは慢性的な資金䞍足にさいなたれおいる。起業家は、垞時倖郚の経営資源を獲埗するこずに泚力 するのに察し、管理的経営者は既存の自分たちの経営資源をどのように有効掻甚するかを重芖する。 ⑀組織の違い 組織の 管理的経営者は、䌁業を運営するために重厚な組織や階局を充分に構築するこずを重芖する。しか し、起業家は自分たちの個人的欲求は「独立」にあり、したがっおベンチャヌ瀟内においおもフラッ トな階局、指揮呜什系統やむンフォヌマルな人間関係を重芖する。ベンチャヌ経営者は組織ずしおそ の暩限や暩嚁が裏付けられおおらず、組織的な「虎の嚁」を借りず個人ずしおの力量によっおベンチ ャヌを営んでいかねばならない。 ⑥起業家は経隓䞍足である 起業家は経隓䞍足である 他の倧䌁業や長幎経営されおいる䞭小䌁業に比范しお、ベンチャヌの経営陣は平均しお若くビゞネ ス経隓が少ない。圌らが䌚瀟を蚭立しお盎面する経営問題は、過去に圌らが経隓しおいないこずがほ ずんどであろう。このため、ベンチャヌ経営者は未䜓隓のパズルを柔軟か぀冷静に解決しおいく力量 が求められる。 ⑊起業家は、非定型的・盎感的な意志決定をする 起業家は 非定型的・盎感的な意志決定をする しかも、ベンチャヌのような高成長で倉化が早く競争的なマヌケットでは、経営者は䞍確実な情報 や論理でもっお経営的な決断を行う堎面にしばしば盎面する。技術情報ずずもに、ビゞネスずしおの 収益性・成長性や瀟内倖のネットワヌク・人間関係などの情報・意芋・アドバむスを螏たえお、ベン チャヌを成長する方向に持っおいくには、 論理や情報の敎理分析だけでは察凊できない。 ある意味で、 ビゞネスや技術の「勘」がモノをいうのがベンチャヌビゞネスでもある。これは倚皮倚様な情報を迅 速に敎理しお自瀟の利益に結び付けられるアむデアを䌁画でき、決定できる胜力である。おおざっぱ な蚀い方であるが、「頭が良く回る人」英語でいうずQuick learnerであるこずが重芁ずなる。 ⑧起業家は、ベンチャヌ的な䌁業颚土を重芖する 起業家は ベンチャヌ的 䌁業颚土を重芖する ベンチャヌには、ベンチャヌ的な経営颚土や䌁業文化が存圚する。経営者も埓業員も、寄らば倧暹 の陰にいるよりも独立するこずを奜み、そしお自分達の䌚瀟が成長しおのようなかたちで成功 するこずを倢芋おいる。こうした圌らの䟡倀芳や個々人の目暙は他の䌁業ずは異なっおいる。経営陣 も管理者も地䜍や暩嚁ずいったものにはこだわらず、自由な雰囲気やコミュニケヌションを奜む。ベ ンチャヌの経営方針にも、このような起業家的颚土が匷く圱響する。ベンチャヌではフレックスタむ ム制などず制床づけるたでもなく、瀟員の裁量劎働制は空気のように圓たり前である。経営トップで あっおも個宀を持぀ベンチャヌは少ない。オフィスにはい぀でも自圚にレむアりトを替えられるよう に、簡単な間仕切りで仕切った机、什噚、䌚議宀があるだけが普通である。 参考資料小野正人「ベンチャヌ 起業ず投資の実際知識」東掋経枈新報瀟。 ■蚭問 蚭問 1. ベンチャヌの経営者起業家は、倧䌁業の経営者ずどのように違うかに぀いお、䞊蚘の解説をもずに 自分の意芋を加えお述べなさい。 2. 倧䌁業の経営者はベンチャヌの経営者ず比范しお、どこが有利か。自分の意芋を述べなさい。 3. ベンチャヌ的な䌁業颚土ずはどのようなものず思うか。䞊蚘の解説をもずに自分の意芋を加えお述べ なさい。 ~ 117 ~
  • 8. Ⅲビゞネスプランの䜜成 ビゞネスプランの䜜成 ◎ビゞネスプランずは、新しい事業の「事業蚈画」のこずである。䌁画曞、事業蚈画曞ず呌び換え るこずもできる。重芁なこずは、䜕を、䜕のために、どのように曞くのかを最初に理解しおおく こずである。 ◎ビゞネスプランの最終目的は、 『資金調達をするこず』であり、この理解が最も重芁である。 ◎ベンチャヌでなくずも、䌚瀟の新事業蚈画や、圹所で行う䌁画曞など、新しい取り組みには倧抵 は䌁画曞が存圚する。ここで孊習するベンチャヌのビゞネスプランは、こうした他の業態の䌁画 曞䜜りにも十分に応甚できる。 ビゞネスプランを䜜成 する目的 䜜成する    ビゞネスプランを 䜜成 する 目的 ①資金調達が最終目的 資金調達が ベンチャヌビゞネスを立ち䞊げる堎合に、起業家が最も欲しいものが資金である。『地獄の沙汰も金 次第。阿匥陀の光も金次第。』ず諺で皮肉られるように、資金がなければ前に進たないのが䞖の垞であ る。最終目的が資金調達であるだけに、調達を可胜ずするようなビゞネスプランを曞く必芁がある。 ビゞネスプランの立案は、資金調達ずいう最終目的 資金調達ずいう最終目的 資金調達ずいう最終目的によ っおしばられおいる。 グルヌポンの最初のビゞネスプラン 玙ナプキンに曞かれおある 創業チヌムの目暙ず方針を共有化する チヌムの目暙 ②創業チヌムの目暙ず方針を共有化する その資金調達は最終目的ではあるが、ビゞネスプランに よっお、 ベンチャヌを立ち䞊げた起業家や参加メンバヌの 目暙ず方針を䞀぀の文曞にたずめお、チヌムの䞭で「共有 化」ができるこずになる。 ③ビゞネスプランを他に掻甚する ビゞネスプランを 掻甚する たた、ビゞネスプランの䞀郚を、 䞊の぀以倖の目的に 利甚するこずも少なくない。 ・䌚瀟の栞ずなる瀟員の採甚の際に蚈画を説明する。 ・他䌁業ずの提携の際に、䞀郚を説明する。 ・䌚蚈士、監査法人、匁護士に、䌚瀟の状況を説明する。    ビゞネスプランはトップ・シヌクレット 䌁業は競争の䞖界で生きおいる。特に、新事業に乗り出すベンチャヌの倧半は、激しい䌁業間競争 にさらされおいる。資金も人材も十分でないベンチャヌは、知識、技術、ノりハりが最も重芁であり、 それを他人に明らかにするず出しぬかれる可胜性が高い。ビゞネスプランは、ベンチャヌずいう䌚瀟 の技術、ノりハり、経営戊略の栞心が曞かれた資料であり、䌚瀟においお「提出先以倖には秘密にし なければならない資料」である。ベンチャヌの倚くは、ビゞネスプランを提出先の金融機関や投資家 ずは守秘矩務契玄曞を結び、その情報が圓事者以倖にはっ絶察に流出しないような手を打っおいる。 ビゞネスプランを曞    ビゞネスプランを 曞 く 前 に ビゞネスプランを曞く前に、頭にむメヌゞを描かなければならないこずは、以䞋の点である。 ①事業を始める自分ず時代環境を確認する。 ②垂堎お客さんずラむバルず事業機䌚を調べる。 ③どんな事業を行うか、どうやれば利益を䞊げられるかを考え、蚈画を立案する。 ④損益分岐点ず必芁資本を怜蚎する。 ⑀事業のリスクを怜蚎する。 ⑥メンバヌの圹割を明確にし、䌚瀟立ち䞊げ埌の䜜業の流れを描く。 ⑊事業蚈画を䜜成し、必芁な事業資本のメドを蚈算する。 ⑧自分達の「䌚瀟の䟡倀」評䟡䟡栌を決める。 ⑚資金調達する投資家ベンチャヌキャピタル等のリストず接觊方法を構想する。 ⑩実際に資金を調達する行動をずる。 ~ 118 ~
  • 9. ①事業を始める自分ず時代環境の確認をする 事業を める自分ず時代環境の確認をする 自分 どんな䌚瀟も、事業を立ち䞊げる前提ずなる諞条件を確認しおおく必芁がある。この出発点が曖昧 だず、途䞭で倧混乱が埅っおいる。確認すべきポむントは以䞋の事項である。 ・どのような技術やサヌビスの発展を䜿っお、どんな瀟䌚ニヌズに応えようずするのか。 ・法什の制玄や、業界でビゞネスの制玄はあるか。逆に自由化で制玄が緩和撀廃されるか。 ・䌚瀟を起こすにあたっお、自分や家族に制玄はあるか勀務先、収入、幎霢、病気、教育等 ・自分が事業を興す真の動機は䜕なのか。その動機に矛盟はないか。 ・自分の経隓や刀断力、掞察力、察人胜力のような力量に制玄はないか。たた、その制玄を人の採 甚や支揎によっおどのようにカバヌしおいくか。 ここでいう「制玄」ずは、創業メンバヌの限界、あるいは欠けおいるものである。自分䞀人あるい は少人数で事業を始める蚳であり、制玄があるのが圓たり前である。問題はその制玄を理解しないた たに䌚瀟を立ち䞊げ、埌でそれに気づくようなこずが少なくなるように、ビゞネスプランを䜜る段階 で制玄を意識する必芁がある。 ②垂堎顧客ずラむバルず事業機䌚を調べる 垂堎顧客ずラむバル 事業機䌚を ずラむバル ベンチャヌ䌁業の倱敗の倧半は、顧客ず競合他瀟をよく芋おいないこずが原因である。 ・事業で販売する顧客はどのような人々か䞖代・性別・奜み・ラむフスタむル、あるいはどのよ うな䌁業・組織か。機械䌚瀟、補薬䌚瀟、通信䌚瀟、あるいは官公庁、孊校か。どのようなニヌ ズを持぀䌚瀟か。 ・補品や商品を販売する堎所はどこか。皆に知られおいる堎所か。立地、商圏、認知床) ・販売は、時刻や季節で倉化するか。 顧客の賌買想像する ・他の競合䌚瀟はどのようなビゞネスをやっおいるかやりそうか事業は垞に隣ずの競争 。 ③どんな事業を行うか、どうやれば利益を䞊げられるかを考え、創業蚈画を立案する どんな事業を うか、どうやれば利益を げられるかを考 事業 利益 創業蚈画を立案する どのような補品を䜜るか、䜕を販売し䜕のサヌビスを行っお、顧客に買っ おもらえるようにするか。それはどれ䜍の芏暡の販売で、持続的に販売でき る芏暡か、ずいう芳点で事業の構想を立おる。 ・販売する補品・商品・サヌビス商品開発。 ・賌入する顧客暙的垂堎、暙的地域、暙的の顧客の特性。 ・商品・サヌビスを準備できるか生産ラむン、仕入れ、加工、圚庫 ・店舗、販売方法店舗・販売戊略ず䟡栌 ・事業は収益を䞊げられるか補造仕入コストの芋積もりず、販売し た堎合の利益率、利益額。 ④損益分岐点ず必芁資本を怜蚎する 損益分岐点ず必芁資本を怜蚎する 事業の内容を決めお、儲かるかどうかを、さらに现かく具䜓的に蚈画を怜蚎し構想しおいく。 ・販売蚈画、売䞊蚈画䜕をいくらで、いく぀、どんな時間・時期に売るか。 ・仕入蚈画、経費の蚈画いくらで材料を仕入れお、いくら経費がかかるか。開発や管理にどれだ けの費甚がかかるか。 ・損益分岐点経費が回収できる最䜎限の売䞊、販売個数はどれだけのものか。 ・この蚈画は、収益をあげられるもうかる蚈画だろうか。 ・事業の準備資金はどのくらいかかるか。必芁資本の芋積り。 ・仕入や開発に、どのくらいお金がかかるか。 ・経費事業に必芁な機材・蚭備・道具・人員が、どのくらい必芁か。 ・事業が遅れた堎合にかかる支払経費を前もっお準備しおおく。 ⑀事業のリスクを怜蚎する 事業のリスクを怜蚎する のリスクを怜蚎 新しい事業はリスクが高い。たた人材も資金も足りないから、十分な補品やサヌビスを䞖の䞭に出 せないこずも少なくない。そのような制玄のある状況だからこそ、事業を始める起業家は、予想され る事業のリスクに぀いお、冷静に客芳的に綿密に分析し、自分達の「匱点」を知らなければならない。 ⑥メンバヌの圹割を明確にし、䜜業の流れ図を描く メンバヌの圹割を明確にし、䜜業の 圹割 にし 䌚瀟を立ち䞊げた段階で働いおいるメンバヌに぀いお、瀟長䌚瀟の党責任者 、開発、補造、販売、 仕入、経理、管理総務、それぞれの圹割を明確にする。昔から適材適所ず蚀うが、それぞれの知識胜 力経隓に応じお、圹割業務分担を明確に定めるこずは実際の経営で重芁である。 そしお、これから開発、補造、販売、代金回収に到る事業の流れに぀いお、各人が行う䜜業の倧た かな流れ図を描くこずが有効である。 ~ 119 ~
  • 10. ⑊事業蚈画を䜜成し、必芁事業資本のメドを蚈算する 事業蚈画を䜜成し 必芁事業資本のメドを蚈算する のメド 最初に述べたように、ビゞネスプランを䜜る最終目的は、投資家を説埗し、必芁な資本を調達する こずである。投資家にずっお魅力的な事業蚈画を説明しお、投資家が資金を出しおくれるような内容 でなければならない。 ・事業の収益性が第䞀したがっお、孊術的な研究氎準が高いこずを蚀っおも、きれいで矎しい資料 を䜜っおも、「投資家が収益を埗られそうだず刀断できる」事業内容であるこずがたず必芁である。 事業が高い収益を埗られるか、事業のリスクはどのように察凊しお枛らすか、に぀いお投資家が玍 埗できる内容の説明をしなければ、投資家は資金を出しおくれない。぀たり、ビゞネスプランずは、 「お金」に぀いお珟実的で実践的でなければならないのである。 ・必芁資金の金額そしお同時に、事業ではいくらの資金が必芁かを説明する必芁がある。 ・資金の䜿途たた、投資家には、調達した資金を䜕に䜿うのか、どうしお䜿わないずいけないかを 説明しなければならない。 事業資金をうたく手に入れるには、理屈だけではない。ずにかく盞手投資家を説埗するには、 いろいろな実践的なテクニックが必芁である。ずにかく、情熱を持っお、誠意をもっお投資家を説埗 し、事業に必芁なお金を投資しおもらう。 ○ビゞネスプランの実践的なテクニック ・事業や補品が、泚目をひくような䞊手な名前を考える。 ・ずにかく「補品・サヌビスが売れお、もうかる」こずを説埗する。 ・第䞀印象を倧切にする。 ・投資家ぞの発衚時間が短いので、時間内に䞊手にたずめる。 ・ビゞネスプランは、わかりやすいように倧きな字ではっきり曞く。 ・䜕を、い぀、だれが、どこで、なぜ、どうやっおをはっきりさ せる。 ・発衚は、倧きな声で自信を持っお説明する。 ・発衚の前に、メンバヌずよく話をたずめお準備をしおおく。 ・他瀟の良いずころを真䌌しお取り入れる。 ⑧自分達の「䌚瀟の䟡倀」 䌁業評䟡䟡栌を決める 自分達の 䌚瀟の䟡倀」 䌁業評䟡䟡栌 䌁業評䟡䟡栌  䌚瀟に投資するずいうこずは、その䌚瀟の株匏を買うこずであるが、その株䟡を決めなければなら ない。同じ1,000䞇円を投資するにしおも、1æ ª10䞇円で投資するのず、 1æ ª1,000円で投資するのでは、 その䌚瀟の䟡倀䌁業評䟡䟡栌は、10䞇円1,000円で100倍も違うのである。起業家偎からすれば、 自分達の䌚瀟を投資家に高い倀段で買っおもらう䞊の䟋でいえば10䞇円の株䟡で株匏を買っおもら うこずを望むが、投資家はできるだけ安い䌚瀟の䟡倀で株匏を賌入したい䞊の䟋でいえば1,000円 の株䟡で株匏を買う 。その䞡者の思惑によっお、資金調達においおは、株䟡の䟡栌亀枉どの株䟡 にするかが行われるのである。 したがっお、ビゞネスプランによっお倖郚の投資家から資金を調達する堎合は、投資家ず亀枉する 前に、自分達の䌚瀟がどれだけの䟡倀䌁業評䟡䟡栌があるのかを、たずは自分達の考えを決め、 それから投資家ず䟡栌亀枉するこずが望たしい。 䟋えば、あるベンチャヌ䌁業で発行枈の株匏が5000株あるずする。その䌚瀟の株䟡を1æ ª10䞇円にし たいずいうならば、その䌚瀟の䟡倀はいくらだろうか。 【䌚瀟䟡倀の蚈算-1】 1æ ª10䞇円株䟡 ×5,000株発行枈の株匏数 5億円 この5億円が「䌚瀟の䟡倀」䌁業評䟡䟡栌、あるいは時䟡評䟡䟡栌である。 逆に、この䌚瀟で株䟡が1æ ª1000円ずすれば、䌚瀟の䟡倀はどうなるか。 【䌚瀟䟡倀の蚈算-2】 1æ ª1,000円株䟡×5,000株発行枈の株匏数 500䞇円 500䞇円 このように、二぀のケヌスの間で䌚瀟の䟡倀に100倍もの差がでおくる。起業家や創業メンバヌにず っお、䌚瀟䟡倀が䜎たるずいうこずは、自分達が持っおいるベンチャヌ䌁業の株匏の経枈的䟡倀が䜎 䞋するず同じである。それだけに、たずは䌚瀟の䟡倀を蚈算するこずが起業家達の利害に぀ながる。 ~ 120 ~
  • 11. ⑚資金調達する投資家ベンチャヌキャピタル等のリストず接觊方法を構想する 資金調達する投資家ベンチャヌキャピタル等 のリストず接觊方法を構想する する投資家 接觊方法 理屈だけで資金は調達できない。事業を理解しおくれる、自分達のこずを理解しおくれる投資家に 資金を提䟛しおもらうこずが重芁である。単に銀行が融資をするのではなく、投資家は自分達の䌚瀟 の株䞻になるのであるから、株䞻ずしお意芋を蚀っおくるこずが倚いからである。 したがっお、投資家の目的は䜕だろうか、投資家は、どこをどう評䟡しおくるか、投資家は資金以 倖に䜕を手䌝っおくれるだろうか、投資家は、自分達の䌚瀟の䟡倀株䟡どう評䟡するだろうか、 などの芳点を予想し、察策を打぀こずが、資金調達の成功床を高めるこずになる。 ⑩実際に資金を調達する 資金を調達する 事業に必芁な資本を調達するには、 ・投資家を説埗し自瀟に投資をしおもらうために、投資家ず打ち合わせをしお、投資を決断しおも らう。 ・投資を決定した埌、䌚瀟は株匏を発行するための䜜業を行う。株匏を発行するには、取締圹䌚の 決議が必芁であり、たた投資家がベンチャヌキャピタルの堎合は投資条件を同意した投資契玄曞 の締結が必芁ずなる。 たた、投資株匏出資ではなく、銀行から融資を受ける䌚瀟が銀行借入を行う堎合には、投 資家ぞの説埗ず同様に事業蚈画を説明しお、銀行の融資担圓者に銀行の刀断ずしお融資が可胜かどう かを刀断しおもらう必芁がある。融資が決定した埌は、融資の契玄曞正匏には「金銭消費貞借契玄 曞」 に、借り入れる䌁業の代衚者代衚取締圹ず銀行が契玄曞の内容に合意し䞡者の印鑑を捺印し お契玄が成立する。 ★融資は事業の成吊に関係なく返枈矩務を負う 株匏ずの根本的な違い 融資の堎合は、䌚瀟の事業がうたく行っおも事業が頓挫しおも、契玄曞で合意した借入額に金利を 合蚈した金額元利を、間違いなく銀行に返枈する必芁がある。この点が株匏出資による投資ずの 根本的な違いである。株匏出資は事業の成吊により配圓を払ったり無配であったりするし、䌚瀟が倒 産したら株匏は無䟡倀ずなるが、融資の堎合、銀行は事業の成吊を問わず貞し出した金額の返枈を求 める暩利がある。 䌚瀟は借りたお金融資は返さないずいけないが、 株䞻投資に察しおは返枈矩務はない。 ■蚭問 蚭問 1. ビゞネスプランの最終目的は䜕か。 2. ビゞネスプランを秘密にする理由はなぜか。 3. ビゞネスプランを利甚しおできるこずをあげなさい。 4. ビゞネスプランにおける「䌚瀟の䟡倀」に぀いお、簡単に説明しなさい。 5. 融資ず投資の違いに぀いお、簡単に説明しなさい。 ~ 121 ~
  • 12.    ビゞネスプランを 䜜 る ビゞネスプラン を 実際には、株匏䌚瀟のビゞネスプランは「事業蚈画曞」ず名づけられお完成するこずが倚い。この 事業蚈画曞は、株匏䌚瀟の取締圹䌚に付議されお、䌚瀟ずしお決定した事業蚈画ずなる。起業家は、 資金調達を求める銀行やベンチャヌキャピタル等にこの事業蚈画を提出し、資金を提䟛融資や株匏 出資が可胜かどうかを怜蚎しおもらうこずになる。 事業蚈画曞を受け取った銀行やベンチャヌキャピタルは、この蚈画曞が同瀟の公匏文曞であるから、 これを真剣に読み、論理的であるか、倖郚環境をしっかり把握しおいるか、蚈画に無理はないか、遺 挏はないか、同瀟の長所・持ち味はどこか、問題点・欠点はないかなど、綿密か぀倚面的に資金調達 を䌁図するベンチャヌ䌁業の分析を行うのである。それだけに、きちんず掗緎された内容ず圢匏にな っおいないビゞネスプランは、文字通り「門前払い」になる。 本気床 じられるビゞネスプラン ①本気床が感じられるビゞネスプラン 起業は、「倢」ぞの第䞀歩であるず同時に、倚くは苊難が埅ち受けるものである。起業家がその道を 歩み始めるに圓たっお、たずは十分な芚悟があるか、情熱が蟌められおいるかが重芁なカギずなる。 起業家がそう思わなくずも、経隓のある投資家や銀行の融資担圓者はそう思っおいる。圌らは、起業 家の情熱の感じられないビゞネスプランでは、資金を出す考えにならない。思い぀きや軜いノリで始 めようずしおも、ビゞネスプランの䞭でそれが露呈しおしたう。アむディアだけで起業しようず盞談 に来る人もいるだろうが、思い぀きだけで成功する人はいない。思い぀きアむディアを、いかに実 行可胜なビゞネスプランに昇華させるかが重芁である。本気のビゞネスプランから、呚到な準備ず现 心の蚈画がくみ取れ、か぀成功に向かっおの匷い信念が読み取れるビゞネスプランを目指さなければ ならない。 ②独りよがりのビゞネスプランでないこず 良いビゞネスプランは、起業家が独力で䞀気に曞き䞊げるこずは少ない。起業家䞀人の胜力や情報 は限界がある。起業家の匱点を補匷しおくれるパヌトナヌず共にビゞネスプランを緎り䞊げるのが珟 実的である。起業家を理解する人、目指すビゞネスに経隓や造詣の深い先茩を探し出しお、ビゞネス プランに察するアドバむスをもらい、欠点を発芋し修正しおいくのである。 ③簡朔で、わかりやすく、成功を予感させるものであるこず 簡朔で わかりやすく、成功を予感させるものであるこず 投資家や金融機関に理解しおもらうためにはたくさん蚘述した方がよいず考える人も少なくない。 プレれンテヌションでも長々ず事業内容を説明する人がいる。しかし、郚厚いビゞネスプランは倉化 に察応しお適宜芋盎しを図るには䞍向きであり、それを読む忙しい投資家の目には止たりにくい。 簡朔で、メリハリがあっお、ポむントをはずしおいないこず。そしお掗緎床が高くたずめあげられ たビゞネスプランこそ望たしいものである。米囜には「゚レベヌタ・ピッチ」ずいう蚀葉がある。゚ レベヌタに乗っおいる間にビゞネスを説明しお、投資家を巻き蟌んでしたう䜍の熱意ず資料であるこ ずが倧切ず蚀われる。䟋えば、A3芋開き枚のビゞネスプランのサマリヌたずめを䜿っお、自分 の口で3分以内に事業を説明できるような蚓緎が必芁である。 簡朔さずずもに、「わかりやすいこず」も重芁である。専門的な説明のみに終始するず、読み手の理 解床を䞋げ、興味を倱わせる。 たた、垂堎や財務のデヌタは、「数字」はごたかしの効かないものであり、説埗力を増すために重芁 であり、ビゞネスプランを構築する䞊で根幹ずなるものである。「党く新しい商品だから予枬が぀かな い」 「爆発的に売れる」ずいう人も少なくないが、それでは怜蚎ず分析の緎床が䜎いこずを吐露しおい るにすぎない。たずたった統蚈デヌタがなくおも、他の代替できるデヌタや掚定デヌタを掻甚するこ ずが可胜なはずである。 ④顧客の芖点で考えおいるこず 顧客の芖点で おいる ビゞネスプランは、顧客の芖点で考えられおいるこずが必芁である。提䟛する商品・サヌビスが䜕 で、䜕故、顧客は察䟡を払っおそれを賌入するか、それが実珟する顧客䟡倀は䜕かを突き詰めお考え、 立蚌するこずが必芁である。 ・その商品はどこが新しいのか。 ・顧客が埅ち望んでいたものなのか。 ・安いから買うのか。あるいは同じレベルの性胜のものだから、同皋床売れるず考えるのか。 サプラむダヌ論理でなく、顧客の芖点で考えられおいるこずが必芁である。それは曞いおいる圢匏 だけでなく、その䞭身に顧客の芖点があるかどうか。顧客のニヌズや反応を立蚌できるテストデヌタ や顧客のアンケヌトがあるず説埗力が増すこずになる。 ~ 122 ~
  • 13. ⑀リスク分析事業蚈画は、最悪に備えおいるか リスク分析事業蚈画は 最悪に えおいるか 分析 経営環境は目たぐるしく倉化しおおり、䌁業があらゆるリスクに察応しお垞に成功するこずは難し くなっおいる。珟実的には傷口が倧きくならないうちに、業容を転換しお経営革新を図る、たた堎合 によっおは事業そのものを閉鎖するこずも考えなくおはならない。起業家は、あらかじめどういうリ スクが予芋されるか、それに察する察策は䜕があるかなど、リスクを十分に分析しおおくこずが、事 業蚈画の説埗力を増すこずに぀ながる。 それには、たずどういうリスクがあるかを把握するこずから始める。䞀般には、顧客ニヌズの読み 違え、新しい技術・サヌビスによる自瀟補品の陳腐化、垂堎の停滞や瞮小、競争盞手の参入、法埋改 正などが考えられる。たた、業界特有の問題、䟋えば飲食店であれば食材の感染問題や食䞭毒もある だろう。少なくずもリスク芁因が十分䞊げられるだけの業界知識がないず成功は芚束ない。最悪のシ ナリオや環境も想定しお備えるこずも、ビゞネスをスタヌトさせる䞊で考えなければいけないこずで ある。 ⑥ビゞネスプランで必芁な項目ず内容 ビゞネスプランで必芁な項目ず 必芁 完成した事業蚈画曞の圢匏はさたざたであるが、最近では最終的にパワヌポむントで䜜成し、A版 暪で印刷した資料ずするこずが倚い。必芁な項目は、䞋衚のようなものである。 先述のように、蚈画曞が提出される投資家や銀行の担圓者は倚忙であり、じっくり読む時間はない。 それだけに事業蚈画曞の最初のペヌゞ導入郚分で圌らに興味関心を持たせるような流れで䜜成 しなければならず、蚈画曞の最初に蚈画曞のサマリヌたずめ、自瀟のプロフィヌル、事業の党䜓像 を配眮し、䌚瀟がどのようなもので、この蚈画曞で䜕を蚀いたいのかを説明するのである。 ◆ビゞネスプランの暙準的な蚘茉項目䟋 1 プレビュヌ 1.衚玙 2.サマリヌ 3.目次 2 䌚瀟プロフィヌル 1.䌚瀟抂芁 2.経営陣プロフィヌル 3.瀟倖の支揎者、アドバむザヌ、協力䜓制 3 事業の党䜓像 1.基本方針、経営の理念 2.事業の内容 3.タヌゲットずする垂堎 4.顧客ニヌズずその察応策 4 事業の分析 1.䞻力補品・サヌビスの開発・補造・販売のプロセス 2.新芏性、独自性の分析 3.垂堎芏暡、特性、将来性 4.垂堎の競合状況、自瀟の優䜍性 5.垂堎で取るポゞション 6.リスクの分析 5 事業展開 1.商品・サヌビスの開発蚈画 2.補造・調達蚈画 3.販売蚈画 4.将来15幎埌の予枬ず戊略 6 財務蚈画 1.収支蚈画 2.資金蚈画 3.財務分析損益分岐、財務指暙分析 7 資金調達蚈画 1.資金調達の目的 2.資金調達圢態スキヌム 3.今埌の調達スケゞュヌル、他の調達先候補 8 参考資料 1.䌚瀟・䞻芁メンバヌの信甚調査先リファレンス 2.関連調査資料、デヌタ ~ 123 ~
  • 14. Ⅳ䌚瀟機関蚭蚈ず蚭立 䌚瀟機関蚭蚈ず 孊習内容事業を行うための組織ずしお、「株匏䌚瀟」の機関蚭蚈ず蚭立を孊習する。 ①䌚瀟の機関蚭蚈 ②䌚瀟の名称、䜏所、目的 ③株匏ず資本構成 ④圹員構成ず株䞻総䌚、取締圹䌚 ⑀䌚瀟の登蚘 ⑥雇甚ず就業芏則 ⑊事業を開始するための諞届け    䌚瀟の 機関蚭蚈 䌚瀟 の 事業は、考えず行動だけでは前に進たない。「䌚瀟」ずいう箱を䜜り、その箱のもずでビゞネスを展 開し、その成果を売䞊ず費甚ずいう数倀により蚈算し利益損倱を生み出し、資金を提䟛した投資 家や銀行に配圓や返枈を行っおいかなければならない。したがっお、実際に䌚瀟を䜜り、どのような 基本ルヌルに基づいお䌚瀟を運営しおいくのかを孊習するこずが重芁である。この䌚瀟の基本ルヌル づくりのこずを「䌚瀟の機関蚭蚈」ず呌ぶ。 しかし実際のずころ、ベンチャヌに乗り出す起業家は、この「䌚瀟」を蚭蚈しルヌル䜜りをするず いう考えが抜けおいるこずが倚いのである。 ◎どのような䌚瀟を䜜るか䌚瀟の皮類 どのような䌚瀟を るか 䌚瀟の 䌚瀟 ベンチャヌ䌁業を始める際、どのような䌚瀟を䜜るかを考える必芁がある。もちろん、䌚瀟を蚭立 せずに「個人事業䞻」ずしお自分だけで事業を行う手段もある。個人でビゞネスの責任を負い、利益 も損倱も個人が凊理する぀もりならば、個人事業で経営する手段も考えられる。しかし、起業家個人 だけでなく創業メンバヌが共同で事業を行う堎合には、利益分配や責任分担、他者ずの契玄、埓業員 の雇甚を考えれば、「䌚瀟」を䜜っお経営する方が効率的である。 䌚瀟には、株匏䌚瀟、合名䌚瀟、合資䌚瀟、合同䌚瀟がある。合名䌚瀟、合資䌚瀟、合同䌚瀟の 圢態は、抂しお10名以内の少数の株䞻メンバヌによる少人数経営に適した䌚瀟圢態であり、基本的に 党員䞀臎を原則ずした芏則で運営されおいる。したがっお、倖郚の投資家が株䞻ずなるような資金調 達を考えるベンチャヌ䌁業の堎合には、株匏䌚瀟の圢態での䌚瀟運営が適しおいる。 ◎たず䜕を決めなければならないか機関蚭蚈で必芁な項目 たず䜕 めなければならないか機関蚭蚈で必芁な 機関蚭蚈 株匏䌚瀟を蚭立するには、たず以䞋の事項を決めなければならない。この事項が決定されたこずを 前提に株匏䌚瀟ははじめお公認される、すなわち登蚘される。トペタも、も、ミクシィも、 今掻動しおいる䌚瀟はすべおこうした䜜業を行っおいるのである。 ○機関蚭蚈で決定すべき事項基本項目のみ ・䌚瀟の名称ず堎所。 ・䌚瀟の目的。 ・取締圹ず監査圹。 ・代衚取締圹。 ・発行する株匏および株䞻構成。 ・取締圹䌚、株䞻総䌚。 ・䌚蚈ず決算。 ~ 124 ~
  • 15. 定欟の 定欟の決定 このように機関蚭蚈で取り決めた内容は、「定欟」おいかんずいう䌚瀟の基本芏則の曞面に蚘茉 するこずで正匏なルヌルずなる。䌚瀟の定欟を正匏に決定し、この定欟を登蚘囜の法務局に登録 するこずで、その䌚瀟が公に認められたものずなるのである。 ●定欟おいかんずは 定欟 定欟 おいかんずは ・䌚瀟などの法人においお、その目的・組織・掻動・構成員・業務執行等に぀いおの基本芏則、た た、それを蚘した曞面・蚘録。 ・すなわち、䌚瀟の定める芏則の䞭で基本か぀最高のもの。「定欟は䌚瀟における憲法」である。 取締圹、監査圹の 取締圹、監査圹の決定 株匏䌚瀟には1名以䞊の取締圹を蚭眮するこずが必芁である。たた、監査圹は、監査圹を遞任しない 旚を定欟で定めお蚭眮しないこずもできるが、株匏公開を目指すような株匏䌚瀟では監査圹を蚭眮す る䌚瀟が倧半である。 取締圹は、䌚瀟内では䌚瀟の業務執行を行い、瀟倖に察しおは䌚瀟を代衚する者である。たた、取 締圹䌚蚭眮䌚瀟取締圹䌚を蚭眮しおいる株匏䌚瀟においおは、取締圹が取締圹䌚の構成員であり 取締圹䌚での議決暩を持぀。たた、取締圹ず監査圹の任期は定欟で定める必芁があり、取締圹は1幎か 2幎の任期、監査圹は4幎の任期が倚い。 代衚取締圹の 代衚取締圹の決定 代衚取締圹は、株匏䌚瀟を代衚する暩限代衚暩を有する取締圹であり、取締圹䌚を蚭眮しおい る䌚瀟においおは、取締圹の䞭から代衚取締圹を遞定しなければならない䌚瀟法362条3項 。取締圹 䌚非蚭眮䌚瀟においおは、各取締圹が原則ずしお䌚瀟の業務執行暩ず代衚暩を有するため、必ず取締 圹の䞭から代衚取締圹を遞定しなければならないわけではない。 決算日の 決算日の蚘茉 そしお、䌚瀟の定欟で決算期を決めなければならない。䌚瀟の決算は幎の䞭である特定の日を 日だけ決算日に指定しなければならない。䌚瀟が事業を行う事業幎床は幎間を超える幎床は認めら れおおらず、幎間の事業幎床ずするこずはできない。通垞、䌚瀟の事業幎床は幎であり、決算日 は3月31日ずか12月31日ず取り決め、定欟に蚘茉しなければならない。 䌚瀟の 名称、 䜏所、    䌚瀟 の 名称 、 䜏所 、 目的 たず、䌚瀟の定欟に䜕を定めるべきだろうか。䞀般には、定欟の第䞀章を総則ずし、䌚瀟の名称や 䜏所、䌚瀟の目的などの基本的な情報を決める。 ゜フトりェア開発䌚瀟の定欟の䟋 定 欟 第章 総則 商 号 第条 圓䌚瀟は、株匏䌚瀟○○○○○○ず称し、英文では◇◇◇◇◇, Inc.ず衚瀺する。 目的 第条 圓䌚瀟は、次の事業を営むこずを目的ずする。 1. 通信システムによる情報サヌビス。 2. 情報管理、凊理サヌビス。 3. コンピュヌタシステムによる蚈算業務の受蚗。 4. デヌタ通信システムに係る装眮の開発及び保守の受蚗、販売。 5. コンピュヌタ゜フトりェアの開発及び販売。 6. 情報通信システムに係るコンサルティング業務。 7. 特蚱暩の保有、取埗、運甚。 8. 情報通信技術者の逊成。 9. 電話回線およびむンタヌネットを利甚した電話番号案内等の情報提䟛サヌビス。 10. 前各号に附垯する䞀切の事業。 本店の所圚地 第条 圓䌚瀟は、本店を東京郜枋谷区に眮く。 公告の方法 第条 圓䌚瀟の公告は、官報に掲茉する。 ~ 125 ~
  • 16. 実際のずころ、䌚瀟の名称ひず぀を決定するのも簡単ではない。瀟長になった起業家も自分の奜み だけではなく他のメンバヌの意芋も聞く必芁があるし、䞖間が奜印象を持぀瀟名でないずいけないか らだ。さらには、同じ地域で䌌たような名前の䌚瀟があるず、業務を行う䞊で支障が出おくる泚平 成18幎5月に斜行された新䌚瀟法以前には同䞀垂町村で類䌌の瀟名を䜿わないようにする芏則が定められおいたが、 新䌚瀟法斜行埌はその芏則は撀廃されおいる 。 こうしお䌚瀟の瀟名を決めた埌は、䌚瀟の事業の目的を定める。そしお䌚瀟の本店本瀟の䜏所 を定め、定欟が段々ず出来䞊がり、䌚瀟の機関蚭蚈が定たっおいく。    圹員構成 ず 株䞻総䌚 、 取締圹䌚 圹員構成ず 株䞻総䌚、 ○株匏䌚瀟を䜜る 株匏䌚瀟を 株匏䌚瀟における最高の決定機関は「株䞻総䌚」である。この株䞻総䌚で䌚瀟の重芁事項を議決す る。株䞻総䌚で議決された取締圹が䌚瀟の業務を執行し、監査圹が䌚蚈や業務を監査する。䌚瀟の業 務執行を決定する䌚議が「取締圹䌚」であり、株䞻総䌚で遞任された取締圹ず監査圹が出垭する暩利 がある。そしお取締圹䌚で決定された方針や内容に埓っお、代衚取締圹が責任をもっお担圓圹員や各 郚の郚長に業務を指瀺しお䌚瀟を実際に運営しおいく。 ベンチャヌ䌁業を蚭立する堎合も、通垞の株匏䌚瀟ず同様に、取締圹䌚、取締圹、監査圹に関する の基本ルヌルを定欟で定める。その基本ルヌルずは、取締圹䌚の開催芏則、取締圹や監査圹の数や遞 任の芏則が䞭心である。 䞀般的な株匏䌚瀟の組織図 株䞻総䌚 監査圹 取締圹䌚 代衚取締圹瀟長 執行圹員 執行圹員 執行圹員 営業郚 賌買郚 補造郚 開発郚 総務郚 経理郚 株匏ず    株匏 ず 資本構成 株匏䌚瀟では、株匏を所有する者が「株䞻」である。぀たり、法的には、株䞻は䌚瀟の共同所有者 であり、その䌚瀟に察しお䞀定の暩利を持っおいる。しかし、株䞻は䌚瀟の運営に぀いおの矩務や責 任はない。䌚瀟の運営は代衚取締圹をはじめずする取締圹が執行責任を持ち、その取締圹や䌚瀟の運 営を監査圹が監督するのである。 珟代の株匏䌚瀟においおは、株䞻は、䌚瀟の運営に察しお自分が出資した株匏の䟡倀出資額以 倖の責任を負う必芁はない。䌚瀟が違法行為をしおも倒産しおも、株䞻は出資した金額以倖は責任を 負う必芁はない。このこずを「株䞻の有限責任」 株䞻の出資金額分を限界ずする責任ず呌んでい る。このように株䞻は䌚瀟に自分の投資額以䞊の責任ず矩務を負う必芁がないからこそ、囜民が予期 しないリスクを恐れるこずなく䌚瀟に投資ができるのであり、こうした株䞻の有限責任は資本䞻矩制 床の基瀎ずなっおいる。 ①株䞻の暩利 株䞻の 株匏䌚瀟の株䞻は、぀の暩利を持っおいる。 1. 議決暩䌚瀟の株䞻総䌚における議決に参加できる暩利。その議決暩はそれぞれの株䞻が保有す る株匏数に比䟋する。 ~ 126 ~
  • 17. 2. 利益配圓請求暩䌚瀟の所有者は出資者である株䞻であり、䌚瀟の利益は株䞻に垰属する。䌚瀟 の利益を配圓ずしお株䞻が埗るのか、それずも次の幎床に残すのかは、代衚取締圹が決めるので はなく株䞻の暩利である。 3. 残䜙財産分配請求暩䌚瀟が解散をした堎合には、株䞻は株匏数に応じお、解散凊理埌に残った 䌚瀟の資産を所有する株匏数に応じお埗るこずができる。 ②株匏に関するルヌルの蚭蚈 株匏に するルヌルの蚭蚈 䌚瀟は、株匏を発行しお、䌚瀟の持ち分ずいう䟡倀を、1株圓たり10䞇円ずいうような倀段株䟡 を぀けお投資家に譲り枡す。投資家は、株匏をある倀段で賌入するこずにより䌚瀟に投資する。぀た り、投資家は金銭を支払っお株匏を賌入し、その䌚瀟の先述のような暩利を獲埗するのである。 䌚瀟を蚭立する時には、その株匏に関する基本事項を定欟に定める必芁がある。 その基本事項ずは、 ・䌚瀟が発行できる株匏数の䞊限。 ・株匏の暩利。 普通株匏か、特定の暩利を持った優先株を発行できるか。 株匏の譲枡制限の有無株匏は自由に譲枡売買できるか、取締圹䌚の蚱可が必芁か。  ・株匏の取扱いの芏定。 が代衚的な事項である。 ③株匏発行による資金調達 株匏発行による資金調達 による したがっお、新しく䌚瀟を立ち䞊げる起業家は、自分達の䌚瀟の株匏を発行し、それをある倀段株 䟡で投資家に買っおもらうこずにより、䌚瀟の資金を調達できる。䟋えば、1æ ª10䞇円で500株の株 匏を投資家に買っおもらうこずができれば、䌚瀟は10䞇円×5000株5000䞇円の資金を獲埗するこず ができ、しかも融資ずは異なり「返枈矩務のない資金を埗る」こずになる。株刞ずいう䞀枚の玙切れ を1æ ª10䞇円のような倀段を぀けお投資家に販売するこずによっお、䌚瀟は資金を埗るこずができる。 実際の株刞の芋本 ④資本構成の怜蚎 資本構成の しかしながら、株䞻ずは䌚瀟の所有者であり、䌚瀟の基本事項を決めるこずのできる者である。䌚 瀟の株匏を100倖郚の投資家に売っおしたえば、その䌚瀟は起業家や創業メンバヌのものではなく、 投資家の所有ずなり、投資家が䌚瀟の事項をすべお決めるこずができるようになる。そうなるず、起 業家達は䌚瀟を立ち䞊げおも、 圹員や埓業員ずしおの絊䞎報酬はあっおも配圓は埗られず、䌚瀟の 株匏を所有しおなければ䌚瀟が拡倧しお䌚瀟の䟡倀が高たっおもその恩恵を受けるこずができない。 したがっお、起業家達は、株匏による資金調達を行う際には、 「䌚瀟を高く売る」こずにより、自分 達の保有する株匏のシェアをできるだけ高いたたにしたいず考える。株匏発行によっお䌚瀟の持ち分 を投資家に売るのであっお、少ない持ち分を高く売るのが起業家達にずっお有利である。逆に倖郚の 投資家は、倚い持ち分を安く買いたい。この䞡者の利害の違いから、株匏による資金調達では、起業 家達䌚瀟の経営者ず投資家の間で亀枉が行われ、䞡者が合意した株䟡で投資が行われる。この合 意した株䟡に䌚瀟の発行した株数を乗じた金額が、䌚瀟䟡倀䌁業評䟡䟡栌である。 起業家達は、こうした株䟡ずずもに、株匏発行によっお、自分達それぞれの保有する株匏数やその 割合がどうなるのか、そしお投資家の株数の割合がどするかずいう資本構成に现心の泚意が必芁ずな る。なぜならば、株䞻総䌚における株䞻の「議決暩」は株匏数に比䟋したものであり、配圓も株匏数 に比䟋する。したがっお、起業家達が高い株匏シェアを持おば株䞻総䌚で自分達の株匏数で倚数決を 埗るこずができるが、逆に株匏シェアが䜎ければ倖郚の投資家の意芋が通っおしたう危険性がある。 ~ 127 ~
  • 18. 䞋衚の䟋のように、䌚瀟創業時は創業メンバヌや芪族・知人だけで䌚瀟の株匏を取埗し、 「内茪のメ ンバヌ」で100の株匏を保有するこずになる。しかし、倖郚の投資家が参加する堎合ここではベン チャヌキャピタルが投資する堎合 、衚のように投資埌には3000䞇円の資金調達が実珟するけれども、 ベンチャヌキャピタル2瀟が䌚瀟の株匏の24を保有する株䞻ずなる。 株匏による資⟊調達ず䌚瀟の資本構成䟋 䌚瀟創業時 ベンチャヌキャピタルの投資埌 取埗株 発⟏時の 取埗株 発⟏時の シェア 資⟊調達額 シェア 資⟊調達額 匏数 株䟡 匏数 株䟡 田䞭 掋 代衚取締圹瀟⻑ 100 52.6% Â¥50,000 Â¥5,000,000 100 40.0% 創業 ⻘✊ 和倫 取締圹 20 10.5% Â¥50,000 Â¥1,000,000 20 8.0% メンバヌ 䞊田 明 取締圹 20 10.5% Â¥50,000 Â¥1,000,000 20 8.0% 芪族・ 田䞭 䞀成 田䞭瀟⻑の✗芪 30 15.8% Â¥50,000 Â¥1,500,000 30 12.0% 知⌈ ✊村 安雄 田䞭瀟⻑の知⌈ 20 10.5% Â¥50,000 Â¥1,000,000 20 8.0% ベンチャヌ 第䞀キャピタル 30 12.0% Â¥500,000 Â¥15,000,000 キャピタル 倧阪キャピタル 30 12.0% Â¥500,000 Â¥15,000,000 合蚈 190 100% Â¥9,500,000 250 100% Â¥30,000,000 䌚瀟の    䌚瀟 の 登蚘 株匏䌚瀟は、法人登蚘がなければ成立しない。 䌚瀟法第49条 株匏䌚瀟は、その本店の所圚地においお蚭立の登蚘をするこずによっお成立する。 登蚘をしおいない株匏䌚瀟は法的に暩利がないから、株匏䌚瀟の存圚が認められず、契玄をしおも 無効ずなる。したがっお、䌚瀟の機関蚭蚈を定め、資本を集めた埌には、公に認められた䌚瀟ずする ために「登蚘」を行う必芁がある。法人登蚘は法務省法務局いわゆる登蚘所に察しお行い、定め られた事項を登蚘官が法人登蚘簿に蚘茉するこずにより完了する。 登蚘簿の䟋 商号 むンフォマヌト・システム株匏䌚瀟 本店 東京郜枋谷区枋谷䞁目番地○号 発行株匏総数                  190 株 資本金の額            金  9,500,000 円 目的 1.通信システムによる情報サヌビス。 2.情報管理、凊理サヌビス。 3.コンピュヌタシステムによる蚈算業務の受蚗。 4.デヌタヌ通信システムに係る装眮の開発及び保守の受蚗、販売。 5.コンピュヌタ゜フトりェアの開発及び販売。 6.情報通信システムに係るコンサルティング業務。 7.特蚱暩の保有、取埗、運甚。 8.内倖の他䌚瀟に察する投資、融資および債務の保蚌。 9.情報通信技術者の逊成。 10.広告宣䌝業及び広告代理店業。 11.電話回線およびむンタヌネットを利甚した電話番号案内等の情報提䟛サヌビス。 12.前各号に附垯する䞀切の事業。 圹員に関する事項 代衚取締圹        田䞭 掋 取締圹          青朚 和倫 取締圹        䞊田 明 瀟倖取締圹        田䞭 䞀成 監 査 圹         越山 淳 平成23幎3月11日 登蚘                                  東京法務局                        登蚘官印   ○○ ○○   印 ~ 128 ~
  • 19.    雇甚ず 就業芏則 雇甹 ず 䌁業を経営しおいく䞊での「人、モノ、金、情報」が四倧芁玠であり、人の生産性の向䞊がどんな 䌚瀟にずっおも倧倉重芁である。䌁業の経営者は、就業芏則、採甚研修、絊䞎・ボヌナスなどの人事 に぀いお様々な工倫を凝らしお経営を行っおいる。 埓業員を雇っお経営しおいくには、さたざたな法什や芏則・制床に察応しなければならない。瀟䌚 にずっお人は最も重芁なものであり、䌚瀟が随意に人を雇っお自由に䜿甚するこずは民䞻䞻矩の䞖の 䞭ではできないのである。䟋えば、䌚瀟が1人を埓業員ずしお雇甚したらすぐに瀟䌚保険の支払い矩務 が䌚瀟に発生する。 、たた、䌚瀟が10人以䞊の埓業員パヌトタむマヌやアルバむトを含むを雇甚す る堎合は、劎働基準法により䌚瀟に就業芏則の䜜成が矩務づけられおいる。こうした䌚瀟の劎働や瀟 䌚保険の業務は小さな䌚瀟では専門知識を身に぀けるのは難しいため、倚くの䌚瀟では瀟䌚保険劎務 士に盞談し指導を受けおいる。 ≪人を雇う際に必芁なこず≫ ・埓業員を雇甚する際の法埋劎働基準法、劎働保護法、劎働契玄法、男女雇甚機䌚均等法。 ・就業芏則法埋に基づき、埓業員の芏則である「就業芏則」を䜜成する。垞時10人以䞊の劎働者 アルバむト等も含むを䜿甚する事業堎は就業芏則を䜜成する矩務がある。 劎働基準法89条 。 ・埓業員を雇甚する䌚瀟は各皮保険に加入する矩務がある。䌚瀟は、雇甚保険、健康保険、厚生幎 金保険、劎働灜害保険等に加入し、たた劎働者の犏利厚生を取り決める法埋に埓う。 事業を 開始するための 諞届け するための諞届    事業 を 開始 するための 諞届 け 䌚瀟を創業し、事業を開始する堎合、公的な法什に埓い、か぀瀟䌚ずの基本的な関係を構築するた めに、届出を行う必芁がある。 たずえば、䌚瀟を蚭立すれば皎務眲に法人蚭立の届け出をし、人を雇えば瀟䌚保険事務所ず劎働基 準監督眲に届け出を出す必芁がある。たた、飲食店を始めるには、保健所に「食品営業蚱可」を申請 し、か぀食品衛生責任者の資栌を持った者を各営業店に1名眮く必芁がある。危険物を取り扱う堎合や 特別な堎所に出店する堎合は、法什に応じお届出や蚱可・認可が必芁になる。これらに埓っお業務を 凊理しおいないず、業務自䜓が認められず、堎合によっおは眰せられるこずもあるからである。 ⅀事業の開始 事業の こうしお、䌚瀟が蚭立されれば、法的に䌚瀟が認められ、契玄行為もでき、埓業員も雇甚できるか ら、晎れお株匏䌚瀟ずしおスタヌトするこずになる。起業家にずっお忘れがたい日である。日本には 「創業蚘念日」を蚭けおいる䌚瀟が倚いが、この創業蚘念日ずは法務局で登蚘され䌚瀟が蚭立された 日のこずである。 䌚瀟が蚭立されれば、事業を始めるこずになる。取匕先やお䞖話になっおいる人々・䌁業に察しお 株匏䌚瀟を蚭立したこずを知らせ、お瀌ず今埌の支揎を願い出る。懇意なずころから本瀟にお祝いの 花茪が届けられる䌚瀟もある。これからが起業家にずっおの本番である。 ■蚭問 蚭問 1. 定欟に぀いお簡単に説明しなさい。 2. 代衚取締圹の圹割を簡単に説明しなさい。 3. 株䞻は、䌚瀟に察しおどのような暩利を持っおいるか。簡単に述べなさい。 4 䌚瀟は登蚘をなぜ行う必芁があるのかに぀いお、理由を簡単に述べなさい。 5 資本政策を䜜る際に泚意しなければならない点を簡単に述べなさい。 6 䌚瀟が埓業員を雇う際に行わなければならない事項を぀述べなさい。 ~ 129 ~
  • 20. 参考-3株䞻総䌚 株䞻総䌚 ・ 「株䞻総䌚」ずは株匏䌚瀟の最高の意思決定機関であり、株䞻が参加しお䌚瀟の基本的な方針 や重芁な事項を決定する。「䌚瀟では瀟長さんが䞀番偉い」ず思いがちだが、䌚瀟の重芁な事 項を決められるのは株䞻であり、瀟長が䌚瀟の株䞻でなければ、その議決にも参加できないの である。 ・株䞻総䌚は「定時株䞻総䌚」ず「臚時株䞻総䌚」がある。定時株䞻総䌚は、毎幎床1回開催さ れる株䞻総䌚で、臚時株䞻総䌚は定時以倖に臚時に招集される株䞻総䌚である。定時株䞻総䌚 は、䌚瀟の決算日から3ケ月以内に開催する矩務があるため、3月31日を決算日ずする䌚瀟3 月決算䌚瀟は6月30日たでに定時株䞻総䌚を開く。 ・株䞻総䌚で決議する事項は、䌚瀟法の定めにより普通決議ず特別決議に分かれおおり、䌚瀟に ずっお重芁な事項は特別決議を行う。普通決議は、出垭した株䞻が持぀議決暩株数に比䟋し た株䞻総䌚での議決できる暩利の数の過半数の賛成があれば決議される。特別決議は出垭し た株䞻の議決暩の分の以䞊の賛成があれば可決される。 ・䞋蚘は日産自動車㈱の2010幎床定時株䞻総䌚の招集通知抜粋だが、この通知に圓日の議 案が蚘茉されおいる。 第 111 回定時株䞻総䌚招集ご通知 拝啓 たすたすご枅祥のこずずお喜び申しあげたす。 さお、圓瀟第 111 回定時株䞻総䌚を䞋蚘のずおり開催いたしたすので、ご出垭くださいたすよう通知申しあげたす。 蚘 1. 日時 平成 22 幎 6 月 23 日氎曜日午前 10 時 2. 堎所 暪浜垂西区みなずみらい䞀䞁目 1 番 1 号 パシフィコ暪浜 囜立暪浜囜際䌚議堎 3. 目的事項 報告事項 1. 第 111 期平成 21 幎 4 月 1 日から平成 22 幎 3 月 31 日たで事業報告の内容、連結蚈算曞類の内容 䞊びに䌚蚈監査人及び監査圹䌚の連結蚈算曞類監査結果報告の件 2. 第 111 期平成 21 幎 4 月 1 日から平成 22 幎 3 月 31 日たで蚈算曞類の内容報告の件 決議事項 第1号議案 監査圹 2 名遞任の件 第2号議案 圓瀟の埓業員䞊びに圓瀟関係䌚瀟の取締圹及び埓業員に察しストックオプションずしお発行する新 株予玄暩の募集事項の決定を取締圹䌚に委任する件 第3号議案 取締圹に察し株䟡連動型むンセンティブ受領暩を付䞎する件 以 侊 日産自動車㈱の定時株䞻総䌚 圓日の総䌚の写真 ~ 130 ~
  • 21. 第5郚 ベンチャヌズ・むンフラ Ⅰベンチャヌズ・むンフラ 起業家やベンチャヌ䌁業は、自分達だけで発展できるわけではない。䌁業・産業が有効に機胜する には、「むンフラストラクチャヌ」infrastructure、むンフラ、瀟䌚的経枈的な基盀が必芁である。 電気が安定的に䟛絊されなければ事業が成り立぀わけがないし、人材や、金融、蚌刞、䌚蚈、法務、 コンサルティングのような機胜が充実しおいるからこそ、䌁業は効率的に事業を経営できる。 特に、経営資源が少ないベンチャヌ䌁業は、このようなむンフラストラクチャヌが充実しおいない ずスピヌディヌに発展しおいくこずができない。逆に、むンフラが充実しおいるアメリカのシリコン バレヌのような地域はベンチャヌが目をみはるような発展をするこずになる。ベンチャヌ䌁業の掻動 は少数のファクタヌによっお䞀埋に匷匱が決たるものではない。むンフラや、時代背景、地域の状況、 瀟䌚意識、産業構造、技術革新など、倚くの芁因が圱響し合っお圢䜜られおいる。ここでは、ベンチ ャヌ䌁業の発展にかかせないむンフラず環境を「ベンチャヌズ・むンフラ」ず呌び、ベンチャヌにず っおそのような機胜がなぜ必芁であるか、たたどのような機胜を果たしおいるのかを考察する。 ベンチャヌの日米栌差は呚知の事実、では米囜でベンチャヌが成功しお日本でなぜうたくいかない か、ずいう議論があちこちでなされおいる。このテヌマは甲論乙駁、確ずした答えはなかなか出おこ ない。しかし、米囜がすべおうたくいっおいるわけでもない。最近はカリフォルニア州などの西海岞 諞州やテキサス州、コロラド州でハむテク・ベンチャヌが続々登堎しおいる䞀方で、東郚や䞭西郚諞 州のハむテク産業は思わしくなく、それなりに地域間栌差がある。たた、䞖界的にみるず、新興䌁業 の掻躍が目立぀囜は、欧州ではむギリス、アむルランドず北欧、アゞア地域ではシンガポヌル、銙枯、 むンド、むスラ゚ルである。他方、ドむツ、フランスや日本、韓囜では、こうした起業家の動きが停 滞しおいるずいわれる。 たた、日本でも昔からベンチャヌが育たなかった蚳ではなく、明治・倧正時代、あるいは第二次倧 戊埌から高床成長の前半たでの時期には、今日の倚くの倧䌁業が起業家によっお勃興しおいる。パナ ゜ニック、゜ニヌ、カシオ蚈算機、京セラ、本田技研、リンナむ、YKK AP、ダむ゚ヌ、むトヌペヌカ 堂珟セブンアむ・ホヌルディングス 、セコムずいった倧䌁業は、第二次倧戊埌から1960幎代にス タヌトしたか぀おのベンチャヌ䌁業である。 Ⅱベンチャヌズ・むンフラの芁玠 ベンチャヌズ・むンフラの芁玠 これたでの日本では、経枈や金融制床のみならず、瀟䌚颚土・慣行、孊校教育、皎制等の幅広い偎 面においお、起業や新興䌁業の経営に䞍利なシステムが存圚したこずは事実である。そのような埓来 のシステムを着実に倉革しおいくこずが必芁であり、䞖論も総論ではベンチャヌ支揎に積極的である。 実際、ここ、幎の創業支揎に察する政策や民間の取り組みは、これたでのペヌスを倧きく䞊回る 勢いであり、日本のベンチャヌ育成環境は着実に奜たしい方向に倉わり぀぀ある。しかし、䞊蚘のよ うな䌁業掻動のむンフラストラクチャヌが䞀朝䞀倕に倉わるこずはありえず、早急に倉革の効果を求 めるこず自䜓に無理がある。むしろ、日本固有の制床や慣行を利甚し぀぀、創業に有利な瀟䌚経枈環 境を敎備するこずが重芁ずする意芋も少なくない。 瀟䌚的・    瀟䌚的 ・ 文化的芁因 日本人の起業家意識が米囜人に比べお匱いずいうこずは、既に各方面から䞻匵されおいる。各囜で 起業家が茩出されおいるかどうかの床合を囜際比范したグロヌバル・アントレプレナヌシッピ・モニ タヌ調査次衚をみるず、日本では起業する割合が䜎いこずは明らかである。日本で高い孊歎を持 った若者は、たずは倧䌁業のサラリヌマンや公務員、あるいは医者や匁護士ずいった専門職を垌望す るのは倧半であり、䞭小䌁業やベンチャヌの経営者を目指すこずは倚くない。 それゆえ、 「日本人が米囜人に比べ独立心の匱い囜民であり、日本人の起業家意識も米囜人に比べ匱 い。 」ずいう䞻匵はむげには吊定できない。しかし、こうした特城は、それぞれの歎史の䞭で圢䜜られ おきた瀟䌚の䟡倀芳である。珟時点では米囜人が日本人よりも起業家的であるずいえようが、米囜人 の方がなぜ起業家的であるかに぀いお考える際には、瀟䌚的なファクタヌから考えた方が適切だろう。 ~ 131 ~