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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




企業会計の構造と特質 1/3
ノート作成: Yukio Saitoh ( FXFROG.COM )


■教科書
ゼミナール現代会計入門(第 8 版)』 伊藤邦雄 日本経済新聞社 3,675 円(税込)


■参考書
『 企業会計の構造と変貌』 成田修身編著 ミネルヴァ書房 4,725 円(税込)


■計画
1日目
(1)企業会計の基礎概念,(2)貸借対照表の構造と特質,
(3)損益計算書の構造と特質,(4)ミニテスト
企業会計の基礎概念,すなわち会計公準,会計の諸原則や基準,貸借対照表項目の表示や評価,
期間損益計算の考え方などについて概説する。


2 日目
(1)その他の財務諸表の構造(キャッシュフロー計算書など),(2)企業会計の制度,
(3)個別財務諸表と連結財務諸表,(4)ミニテスト
キャッシュフロー計算書などその他の財務諸表の構造,企業会計を取り巻く制度,連結企業集団と連
結財務諸表などについて概説する。


3 日目
(1)セグメント情報,(2)ディスクロージャーと企業会計,(3)会計政策と財務諸表分析,
(4)企業会計の特質と課題,(5)総合テスト
 地域別,事業別などのセグメント情報の内容,有価証券報告書などのディスクロージャー情報,会
計データの読み方,企業会計に潜む問題点などを概説する。




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テキスト第三章 P.70~P.72


第1章 現代社会と会計の役割
会計(accounting)の歴史:
・メソポタミアの時代:記録の方法が確立して契約および領収書等が備え付けられていたという意味での
会計がシュメール人を中心として発生したといわれる。
・ギリシャ・ローマ時代:記録方法が発達し、日記帳や主師町(現金収入と現金支出)に関する記録
の仕方などが整備された。 // 現金出納帳
・12 世紀以降:フィレンツェ、ジェノバやヴェネティアなどのイタリア都市を中心に特に信用取引の拡大に
伴い、個人は取引の規則的な記録と、それに基づく財産管理について大きな関心を持つようになり、
(単式簿記)から(複式簿記)が 14 世紀の初頭に登場してくる。なお、1494 年に(パチョーリ)
(Pacioli, L)が(「スンマ」)(「算術・幾何・比及び比例総覧」)を書き、これが世界で最古の簿記書
となっている。 // 簿記と言うよりも記帳形態であった。


                           当座企業(都度取引)


           企業活動                           企業活動




        現金収支        商品売上                企業活動を網羅的に
                                         すべてを記録している


           [単式簿記]                         [複式簿記]


          入りと出しか見ない                 資産・負債・資本・収益・費用
                       損式・利益 = 損益




// 当座企業とはプロジェクト単位での企業形態。1度の航海(往復)で得た売却益で企業解散する。


江戸時代、日本にも独自の簿記があった。日本の商業簿記は商人単位で普及していたが明治初期に
は西洋の複式簿記が輸入され浸透した。日本で生まれたにも関わらず普及しなかったのは、属人化した
(商人家独特)簿記方法で外部へ伝授しない方法であった。一方で西洋は教育普及も視野に入れ
ていた。



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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




12 世紀以降に取引の結果として生じる利益の分配ないし損失の負担が重要となり、コンメンダ
(commenda)などにおいて損益の分配が重要となる。そこで計算される利益の計算は、商品ごと、ある
いは航海ごとに行われる(口別損益計算)であった。


15 世紀の後半以降には口別損益計算から、一定期間ごとによる企業の統括的な(期間損益計算)
へと発展していく。これにより、各期末に帳簿を締め切って損益を計算したり、あるいは財産を計算する仕
組みが複式簿記システムのなかに組み込まれる。これが今日の複式簿記システムの萌芽である。
// 会計実体に対して計算する。 (Entity)


17 世紀初頭には株主の有限責任を前提とする有限責任を前提とする株式会社という会社形態が現
れ、株主と債権車の利害を調整するために、商法(会社法)は会計規定を設けるようになる。
// 法律として組み込まれる。計算の仕方が正確でない(粉飾含む)場合は過剰配当が発生すること
になる。・・・利益算出(利害)が対立するのを防ぐため法律制度化。
// 債権者の立場からすれば内部留保へ回して欲しい、株主の立場では配当へ回して欲しい。(フラン
スで最初に法律が発布した。そしてドイツ、イギリスへ展開していく。


特に株主に対する配当の支払により、会社の財産が社外に流出するので、債権者を保護するために、
配当の財源を制限によって会社財産の維持が要請された。


日本においても江戸時代に中井家や三井家等の帳簿のなかに複式簿記が見られたが、現在の簿記
は明治以降に西洋からの輸入という形でなされた。例えば、アメリカの初歩的な簿記所を福沢諭吉が邦
訳した「帳合之法(ちょうあいのほう)」(1873 年)やシャンド(Schand, A. A.)の口述書「銀行簿
記精法」(1873 年)がある。


今日では、一般に会計とは、一定期間において家計や企業などの経済単位における財産に関して、その
増加と減少の原因を継続的に記録し、その結果として実際に財産がどれだけ存在しているかを明らかに
するものといわれる。




                            3
[会計学 - 企業会計の構造と特質]




2現代社会と会計
(1) マクロ会計とミクロ会計
(マクロ会計)社会会計あるいは国民経済会計:
一国全体の経済を対象としたもので、国全体の国民所得、資金の流れ、さらに国の資産お呼び負債な
どが中心となる。


(ミクロ会計):
個別経済主体を対象としたもので、企業会計(営利会計)と(非営利会計)がある。


(企業会計)は、個人企業をはじめ種々の会社形態のうちで株式会社を典型とする会社が中心とな
る。


(非営利会計)は家計、学校、病院、地方自治体、各種のサークルなどのように主として営利を目的と
しない領域が対象である。この非営利会計では、収入および支出の記録を通じてバランスのとれた収支
の均衡と、その組織に帰属する財産の管理とが特に重要となる。


(2) 財務会計と管理会計
株式会社を中心とした企業会計は、報告対象によって次の2つに区別される。


1)(財務会計:financial accounting):企業の外部者を対象とする会計で企業の外部者に
は、例えば企業が発行する株式や社債券などの有価証券の売買を行う(資本)投資家(investor)
や、企業に資金を貸し出す債権者などがいる。投資家には個人や会社などの一般投資家と、保険会社
や銀行、投資顧問会社などのように投資を専門業務とする機関投資家がいる。この財務会計では起業
が外部者に対して公表する財務報告書、すなわち財務諸表(financial statements)がそれぞれの
投資意思決定に重要な役割を果たす。




           株主                         (資本)投資家
                       企業
                      (経営者)        利害関係者へ報告する
           債権者
                  [財務会計:情報を報告]


// 財務会計に原価情報も含めることがある。利害関係者が注目する。
// 国際会計、アメリカ会計では原価情報を無視することもあるが、日本では開示することが評価される。
// 記録(簿記/財務会計:管理会計) → 報告 → 分析(財務諸表分析、経営分析)


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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




2)(管理会計:management accounting, managerial accounting):企業の内部者を
報告対象とする会計で、企業の経営者や中間管理者がその報告対象となる。この管理会計では、設
備の投資計画を実施すべきか否か、外部購入すべきか、自己生産すべきか、といったように経営者の意
思決定に役立つ領域(意思決定会計)と、短期利益計画(予算)や中長期の利益計画を通じて業
績管理に役立たせる領域(業績管理会計)とがある。


(3) 制度会計と非制度会計
 財務会計はさらに法律制度と結びついた(制度会計)と、法律制度と直接的に関係しないと(非制
度会計)に区別される。
1)   制度会計
制度会計はさらに(商法(会社法)会計)、(金融商品取引法(旧証券取引法))及び(税
務会計)に細分される。


  ① 商法・会社法会計
商法は商人の会計についてアとイのようにルールを定めている。


ア. すべての商人が守るべき商業帳簿に関する規定(商法第 19 条)
*商人の会計は一般に公正妥当と認められる会計に従うことが要求される。
*商人は営業の財産について正確な商業帳簿(会計帳簿と貸借対照表)の作成が義務付けられる。


イ.株式会社を中心とする会社が遵守すべき計算規定(会社法第 431~465 条)
*株式会社は計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表)及び事
業報告並びに附属明細書を作成しなければならない。
// 財務諸表という言い方はしない(金商法に基づく)
*株主の有限責任を前提とする株式会社においては、会社財産しか拠り所のない債権者を保護するた
めに、株主の配当に関して過剰金の配当について詳しく規制している。
*会社法に関連した具体的な会計規定は「会社計算規則」のなかで定められる。




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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




  ② 金融商品取引法会計(旧証券取引法会計)
証券取引法 1948(昭和 23)年制度 投資家保護目的
金融商品取引法 2006(平成 18)年制度 投資家保護の拡大と法整備を目的に証券取引法に
代わって制定。


*投資家には一般投資家と、機関投資家などのように投資をプロとして行う特定投資家とがいる。このよ
うな企業の外部者たる投資家たる投資家は、自己の投資意思決定を行う際に、企業の財務諸表が重
要な判断材料となる。したがって、投資家に対する有用な会計情報の提供が金融商品取引法会計の
課題である。ここでは財務情報に関する適正な開示制度またはディスクロージャー制度が重要な役割を
果たす。 // 債券を発行しているなどの情報
*証券取引所に上場している有価証券の発行企業は、事業年度ごとに有価証券報告書(経済的な
グループ企業の全体を対象とした連結財務諸表と法人格のある企業を対象とした個別財務諸表とがあ
る)と、事業年度が3ヶ月を超える企業には四半期報告書(四半期財務諸表)を内閣総理大臣に
提出しなければならない(証券取引法第 24 条、第 24 条の 5)。
これら報告書は、会社と特別の利害関係のない公認会計士または監査法人の監査証明を受ける必要
がある(証券取引法第 193 条の 2)。


*金融商品取引法が規定する貸借対照表および損益計算書やその他の財務計算に関する書類につ
いては、内閣総理大臣が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って内閣府令で定める「財
務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則」(通常は「財務諸表等規則」と略称)により作
成することが義務付けられている。


  ③ 税務会計
 法人企業は課税所得に一定の税率を乗じた額を法人税として納税しなければならない。企業の適正
な課税所得の算定が中心課題となる。企業の課税所得は確定した商法上の決算に基づいて算定され
る。これを確定決算主義という。つまり、商法上で計上された収益と費用による利益計算の金額をベース
とし、これを税法独自の基準により修正して益金と損益の差額によって課税所得を算定する。
課税の公平性の面から、法人税をはじめとして、そのほかにそれを補完する法人税法施行令や法人取
扱通達といった規定がある。各法人は事業年度末から2カ月以内に確定申告書を提出しなければなら
ない。
//税法基準性
商法に基づいて税法へ反映されて欲しいが、実体は税法に基づいて商法を施行している
→企業の立場からすると税法に基づいて最も課税対象が低くなるように計算し商法会計している。




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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




2)非制度会計
制度化されていない会計の領域は、例えば次のようなものがある。
① 一般物価変動会計(物価の変動を考慮した会計) //ブラジルのインフレなどは追従しにくい
② 人間資産改易(人に支出した金額のうちで、例えば研修費などのように企業の将来に役立つもの
  については費用ではなく資産とみなす会計)//社会学的に問題を含むが野球や芸術家雇用など
③ 環境会計(企業が環境保全に対して行う活動を対象とした会計)
  //CSR (企業の社会的責任)レポートの内訳:(ESG を重視した会計が望ましい:国連が表明)
           E 環境(会計)=エコロジ会計 ←日本企業が主訴する領域
           S 従業員(労働)+消費者=ソーシャル会計 ←欧州企業が主訴する領域
             利益(経済)
           G 企業統治(Corporate governance)
  // 以前はサスティナビリティ・レポートと呼ばれていた。CSR レポートは法施行ではなく自主公開。


3.会計の役割
会計には主に4つの役割がある。


(1)財務管理機能
取引を正確に帳簿に記録し、それを通じて財産管理を積極的に図る機能。


(2)会計責任機能 accountability
説明責任機能と呼ばれる場合もあり、株式会社の制度では委託者としての投資家または株主は自己
の資金の運用を受託者としての経営者に任せるのが、経営者にはその資金の運用結果と現状について
投資家または株主に報告する義務がある。これが会計責任機能である。




             委託 ===⇒ 委託
                 (財務)
                           (説明・報告) // スチュアート




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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




(3)企業の利害関係者に対して有用な会計情報を提供する機能
財務会計の分野では投資家の投資意思決定に対する有用な会計情報は、特にディスクロージャ制度と
の関連で重要性を帯びており、また管理会計の分野でも経営者の意思決定に役立つ会計情報の提供
は企業の将来を左右する面で重要となっている。


(4)会計の利害調整機能
株主と債権者の間には株主に対する配当規制に関して利害が対立する、
株主:できる限り株主に対する配当財源を拡大したいと考える。
債権者:配当は会社財産の社外流出を伴うため、できるだけそれを抑えたいと考える。 //内部留保


// 利益が利害の調整機能や投資意思決定に充てることと捉えることもある。
// 情報提供も利益と見ることもある。


//昔の利害関係者は狭い関係であった(株主・債権者と会社)
//今はステークホルダーという広い関係として捉えている。(株主はストックホルダー)


そこで、会計は両者の調整を図り、両者がある程度納得いくような形での配当規制の実現を目指す。
最近では経営者と株主との間の利害調整も重要となる。特に経営者の報酬をどの程度にしたらよいのか
という点に関連する。さらに、経営者と債権者との間にも利害調整は必要である。企業に債権者が資金
を貸し出す場合、債権者は自己の貸付金の返済を確保するために、経営者に対し追加借入の制限な
どといった財務上の制限を課すこともある。


また、利害調整は株主間でも生じる。会社の財務内容が悪化し、会社を更生する際には、旧株主と新
株主との間にも利害調整が必要となる。ここでも会計は利害調整機能を果たす。




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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




第2章 簿記・会計の基礎概念
□簿記の分類


1. 簿記(bookkeeping)とは何か?
  簿記とは形式的に言えば、経済組織(例えば、企業)の活動を(言語)と(貨幣数値)によっ
  て(計算・記録・整理)することである。
2. 簿記の種類
(1) 記帳形式に基づく分類
*単式簿記(single entry bookkeeping)
現金の収支だけを記帳するような場合に用いる。 Ex. (家計簿・小遣帳)


*複式簿記(double entry bookkeeping)
企業活動を(左側)欄(借方)debtor と(右側)欄(貸方)creditor とに2面的に記録し、
(経営成績)と(財政状態)を表示する場合に用いる。


経営成績は、(損益計算書)(P/L)において明らかにされる。
経営成績とは、収益と費用すなわち企業の成果と努力を計算して、利益あるいは損失を明らかにするこ
とをいう。


財政状態は(貸借対照表)(B/S)において明らかにされる。
財政状態とは、資金の運用形態である資産、資金の調達形態である負債および資本の状態を表示す
ることをいう。


(2) 適用企業に基づく分類


商業 (貨幣) - (商品) - (貨幣‘) (貨幣+儲けた貨幣) ← (商業簿記)
        G    -     W     -   G‘       (G +   g ) // g = 利子


                        Pm(生産手段:工場建物・生産機械)
工業   貨幣 - 商品            ・・・ P 生産過程・・・ W’ 商品‘ - G’ 貨幣’ ← (工業簿記)
                        Ar(労働力)


// 工業簿記は生産手段に人間の労働力が結合しても価値はなく、商品になった時点で価値が出る。


銀行   貨幣 - 貨幣‘ (貨幣+儲けた貨幣) ← (銀行簿記)
        G   - G‘       (G + g )


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[会計学 - 企業会計の構造と特質]




□資産・負債・資本と費用・収益の概念
複式簿記は、企業活動を資産・負債・資本と費用・収益に分けて記録する //二重に区別し記帳。


1. 資産(assets)とは(財貨)ex.(現金・商品・備品・機械・建物など)や(債権)ex.(貸付
金・売掛金・受取手形)などのことをいう。債権とは、将来において財貨を受け取る権利である。


2. 負債(liabilities)とは、主に(債務) ex.(借入金・未払金・買掛金・支払手形)などのことをいう。
債務とは、将来において資産を引き渡す義務である。


          債務
負債
          引当金(会計上負債)


3. 資本(capital)とは、企業主(企業の所有者)から企業に投下された(元手)(資金)のことを
いう。資産から負債を引いた差額であり、これを純資産という場合があるが、抽象的な金額を示す。
Ex.(資本金・引出金)など。


4. 収益(revenue)とは、経済活動の(成果)であり、(資本)が増加する要因をいう。但し、この
資本の増加要因のうち企業主などによる資本の投下を除く。Ex.(売上・受取利息)など。
// 元手の増加要因


5. 費用(expense)とは、経済活動による(成果)を得るための(努力)であり、(資本)が減
少する要因をいう。但し、この資本の減少要因のうち企業主などによる資本の引出を除く。Ex.(通信費・
給料・減価償却費・支払利息)など。
//努力するので資本が減少する。(販管費、電話代、光熱費、家賃などのコストを費用)


6. 利益(profit, income)とは(収益)>(費用)の場合に収益から費用を差し引いた(差額)
である。
// この逆が損失になる。


7. 損失(loss)とは、(収益<費用)の場合に収益から費用を差し引いた差額である。


※(損益) → 損失と利益の両方の言葉を合わせて呼ぶ場合に用いる。
// 損益は利益ではない、損失も含む。




                            10
[会計学 - 企業会計の構造と特質]




□貸借対照表・損益計算書の構造
1. 貸借対照表 (balance sheet = B/S) の構造


                         貸借対照表


 (商号) → A商店          (01 年 3 月 31 日) ←(一時点=決算日)


 資                                           他

 金                                           人        源
                                                  総
 の                              負債 70        資        泉
 運        資産 100                             本        形
                                                  資
 用                                                    態
 形                      資本(純資産※)30           自己   本
 態                            (うち利益10)       資本


          合計 100         合計   100


                 (資産) 負債+資本          ←(貸借対照表等式)
                 100    70+30


                  資産―負債 = (資本) ← (資本等式)
                 100 70        30


※資産から負債を引いた概念を近年の会社法では、(純資産)と呼ぶようになっている。


貸借対照表とは、企業の一時点の財政状態を表示するものである。
財政状態とは、借方に資金の運用形態として資産を、貸方に資金の源泉形態として負債・資本
(純資産)を表示することをいう。




                               11
[会計学 - 企業会計の構造と特質]




2. 損益計算書 (profit and loss statement = P/L, income statement) の構造


                                損益計算書
(商号)→A商店        (00 年 4 月 1 日)~(01 年 3 月 31 日) ←(一定期間=会計期間)


              費用     80


                                                 収益    90




              利益     20




              合計     90             =            合計     90


                      費用 + 利益       =   収益 ← (損益計算書等式)
                      80 + 10       =   90


              あるいは    費用 = 収益       +   損失
                       90 = 80          10




                 勘定式                              報告式
                                                      資産 100
                                                      合計 100


                                                      負債    70
                                                      資本    30
                                                      合計 100




                                   12
[会計学 - 企業会計の構造と特質]




□簿記会計の基礎的家庭(会計基準)
1.会計実体
 会計実体とは、会計を行う範囲または単位のことをいう。例えば、企業主と企業とは会計実体すなわち
会計の範囲または単位が異なる。したがって、企業主の会計と企業の会計とは別個のものとなる。これを
混同すると「ドンブリ勘定」になる。




      企業主(オーナ)                                 企業


                                           ↑複式簿記の対象
  オーナ会計は含まない。                              (記録・会計・報告)
(オーナ会計は家計簿へ記帳する)


2.貨幣的評価
 会計は、貨幣(単位)によって測定(金額を決定すること)される。このことを貨幣的評価というが、
その前提には貨幣価値が安定している必要がある。
※測定:Technical term を measure することである。


3.継続企業
 継続企業(ゴーイング・コンサーン、going concern)とは、原則として起業は現代の資本主義にお
いて解散することなしに営業を恒久的に続けて行くという仮定をいう。



(1) 当座企業(コンメンダ)←→口別損益計算

     イタリア → インド :設立時 100
     インド → イタリア :解散時 150


     継続企業(ゴーイングコンサーン)←→ 期間損益計算
   ① 設立時 - ② 解散時 = +50の利益


(2) 期間(損益)計算


               期首(期初)         期末=決算日(P/L, B/S3 ヵ月以内に作成・開示)




  会計期間(前期)           会計期間(当期)           会計期間(時期(翌期))


                              13
[会計学 - 企業会計の構造と特質]




□損益法と財産法 → (2つの利益算出の考え方)
(1)損益法
          (収益)-(費用) = (損益)
          90    80       10


(2)財産法
          (期末資本)     -        (期首資本)        =   (損益)
           30                  30                10


((期末資本)-(期末負債))― ((期首資本)-(期首負債))= (損益)
    100         70        90           70       10




                                                      以上




                         14

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  • 1. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 企業会計の構造と特質 1/3 ノート作成: Yukio Saitoh ( FXFROG.COM ) ■教科書 ゼミナール現代会計入門(第 8 版)』 伊藤邦雄 日本経済新聞社 3,675 円(税込) ■参考書 『 企業会計の構造と変貌』 成田修身編著 ミネルヴァ書房 4,725 円(税込) ■計画 1日目 (1)企業会計の基礎概念,(2)貸借対照表の構造と特質, (3)損益計算書の構造と特質,(4)ミニテスト 企業会計の基礎概念,すなわち会計公準,会計の諸原則や基準,貸借対照表項目の表示や評価, 期間損益計算の考え方などについて概説する。 2 日目 (1)その他の財務諸表の構造(キャッシュフロー計算書など),(2)企業会計の制度, (3)個別財務諸表と連結財務諸表,(4)ミニテスト キャッシュフロー計算書などその他の財務諸表の構造,企業会計を取り巻く制度,連結企業集団と連 結財務諸表などについて概説する。 3 日目 (1)セグメント情報,(2)ディスクロージャーと企業会計,(3)会計政策と財務諸表分析, (4)企業会計の特質と課題,(5)総合テスト 地域別,事業別などのセグメント情報の内容,有価証券報告書などのディスクロージャー情報,会 計データの読み方,企業会計に潜む問題点などを概説する。 1
  • 2. [会計学 - 企業会計の構造と特質] テキスト第三章 P.70~P.72 第1章 現代社会と会計の役割 会計(accounting)の歴史: ・メソポタミアの時代:記録の方法が確立して契約および領収書等が備え付けられていたという意味での 会計がシュメール人を中心として発生したといわれる。 ・ギリシャ・ローマ時代:記録方法が発達し、日記帳や主師町(現金収入と現金支出)に関する記録 の仕方などが整備された。 // 現金出納帳 ・12 世紀以降:フィレンツェ、ジェノバやヴェネティアなどのイタリア都市を中心に特に信用取引の拡大に 伴い、個人は取引の規則的な記録と、それに基づく財産管理について大きな関心を持つようになり、 (単式簿記)から(複式簿記)が 14 世紀の初頭に登場してくる。なお、1494 年に(パチョーリ) (Pacioli, L)が(「スンマ」)(「算術・幾何・比及び比例総覧」)を書き、これが世界で最古の簿記書 となっている。 // 簿記と言うよりも記帳形態であった。 当座企業(都度取引) 企業活動 企業活動 現金収支 商品売上 企業活動を網羅的に すべてを記録している [単式簿記] [複式簿記] 入りと出しか見ない 資産・負債・資本・収益・費用 損式・利益 = 損益 // 当座企業とはプロジェクト単位での企業形態。1度の航海(往復)で得た売却益で企業解散する。 江戸時代、日本にも独自の簿記があった。日本の商業簿記は商人単位で普及していたが明治初期に は西洋の複式簿記が輸入され浸透した。日本で生まれたにも関わらず普及しなかったのは、属人化した (商人家独特)簿記方法で外部へ伝授しない方法であった。一方で西洋は教育普及も視野に入れ ていた。 2
  • 3. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 12 世紀以降に取引の結果として生じる利益の分配ないし損失の負担が重要となり、コンメンダ (commenda)などにおいて損益の分配が重要となる。そこで計算される利益の計算は、商品ごと、ある いは航海ごとに行われる(口別損益計算)であった。 15 世紀の後半以降には口別損益計算から、一定期間ごとによる企業の統括的な(期間損益計算) へと発展していく。これにより、各期末に帳簿を締め切って損益を計算したり、あるいは財産を計算する仕 組みが複式簿記システムのなかに組み込まれる。これが今日の複式簿記システムの萌芽である。 // 会計実体に対して計算する。 (Entity) 17 世紀初頭には株主の有限責任を前提とする有限責任を前提とする株式会社という会社形態が現 れ、株主と債権車の利害を調整するために、商法(会社法)は会計規定を設けるようになる。 // 法律として組み込まれる。計算の仕方が正確でない(粉飾含む)場合は過剰配当が発生すること になる。・・・利益算出(利害)が対立するのを防ぐため法律制度化。 // 債権者の立場からすれば内部留保へ回して欲しい、株主の立場では配当へ回して欲しい。(フラン スで最初に法律が発布した。そしてドイツ、イギリスへ展開していく。 特に株主に対する配当の支払により、会社の財産が社外に流出するので、債権者を保護するために、 配当の財源を制限によって会社財産の維持が要請された。 日本においても江戸時代に中井家や三井家等の帳簿のなかに複式簿記が見られたが、現在の簿記 は明治以降に西洋からの輸入という形でなされた。例えば、アメリカの初歩的な簿記所を福沢諭吉が邦 訳した「帳合之法(ちょうあいのほう)」(1873 年)やシャンド(Schand, A. A.)の口述書「銀行簿 記精法」(1873 年)がある。 今日では、一般に会計とは、一定期間において家計や企業などの経済単位における財産に関して、その 増加と減少の原因を継続的に記録し、その結果として実際に財産がどれだけ存在しているかを明らかに するものといわれる。 3
  • 4. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 2現代社会と会計 (1) マクロ会計とミクロ会計 (マクロ会計)社会会計あるいは国民経済会計: 一国全体の経済を対象としたもので、国全体の国民所得、資金の流れ、さらに国の資産お呼び負債な どが中心となる。 (ミクロ会計): 個別経済主体を対象としたもので、企業会計(営利会計)と(非営利会計)がある。 (企業会計)は、個人企業をはじめ種々の会社形態のうちで株式会社を典型とする会社が中心とな る。 (非営利会計)は家計、学校、病院、地方自治体、各種のサークルなどのように主として営利を目的と しない領域が対象である。この非営利会計では、収入および支出の記録を通じてバランスのとれた収支 の均衡と、その組織に帰属する財産の管理とが特に重要となる。 (2) 財務会計と管理会計 株式会社を中心とした企業会計は、報告対象によって次の2つに区別される。 1)(財務会計:financial accounting):企業の外部者を対象とする会計で企業の外部者に は、例えば企業が発行する株式や社債券などの有価証券の売買を行う(資本)投資家(investor) や、企業に資金を貸し出す債権者などがいる。投資家には個人や会社などの一般投資家と、保険会社 や銀行、投資顧問会社などのように投資を専門業務とする機関投資家がいる。この財務会計では起業 が外部者に対して公表する財務報告書、すなわち財務諸表(financial statements)がそれぞれの 投資意思決定に重要な役割を果たす。 株主 (資本)投資家 企業 (経営者) 利害関係者へ報告する 債権者 [財務会計:情報を報告] // 財務会計に原価情報も含めることがある。利害関係者が注目する。 // 国際会計、アメリカ会計では原価情報を無視することもあるが、日本では開示することが評価される。 // 記録(簿記/財務会計:管理会計) → 報告 → 分析(財務諸表分析、経営分析) 4
  • 5. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 2)(管理会計:management accounting, managerial accounting):企業の内部者を 報告対象とする会計で、企業の経営者や中間管理者がその報告対象となる。この管理会計では、設 備の投資計画を実施すべきか否か、外部購入すべきか、自己生産すべきか、といったように経営者の意 思決定に役立つ領域(意思決定会計)と、短期利益計画(予算)や中長期の利益計画を通じて業 績管理に役立たせる領域(業績管理会計)とがある。 (3) 制度会計と非制度会計 財務会計はさらに法律制度と結びついた(制度会計)と、法律制度と直接的に関係しないと(非制 度会計)に区別される。 1) 制度会計 制度会計はさらに(商法(会社法)会計)、(金融商品取引法(旧証券取引法))及び(税 務会計)に細分される。 ① 商法・会社法会計 商法は商人の会計についてアとイのようにルールを定めている。 ア. すべての商人が守るべき商業帳簿に関する規定(商法第 19 条) *商人の会計は一般に公正妥当と認められる会計に従うことが要求される。 *商人は営業の財産について正確な商業帳簿(会計帳簿と貸借対照表)の作成が義務付けられる。 イ.株式会社を中心とする会社が遵守すべき計算規定(会社法第 431~465 条) *株式会社は計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、注記表)及び事 業報告並びに附属明細書を作成しなければならない。 // 財務諸表という言い方はしない(金商法に基づく) *株主の有限責任を前提とする株式会社においては、会社財産しか拠り所のない債権者を保護するた めに、株主の配当に関して過剰金の配当について詳しく規制している。 *会社法に関連した具体的な会計規定は「会社計算規則」のなかで定められる。 5
  • 6. [会計学 - 企業会計の構造と特質] ② 金融商品取引法会計(旧証券取引法会計) 証券取引法 1948(昭和 23)年制度 投資家保護目的 金融商品取引法 2006(平成 18)年制度 投資家保護の拡大と法整備を目的に証券取引法に 代わって制定。 *投資家には一般投資家と、機関投資家などのように投資をプロとして行う特定投資家とがいる。このよ うな企業の外部者たる投資家たる投資家は、自己の投資意思決定を行う際に、企業の財務諸表が重 要な判断材料となる。したがって、投資家に対する有用な会計情報の提供が金融商品取引法会計の 課題である。ここでは財務情報に関する適正な開示制度またはディスクロージャー制度が重要な役割を 果たす。 // 債券を発行しているなどの情報 *証券取引所に上場している有価証券の発行企業は、事業年度ごとに有価証券報告書(経済的な グループ企業の全体を対象とした連結財務諸表と法人格のある企業を対象とした個別財務諸表とがあ る)と、事業年度が3ヶ月を超える企業には四半期報告書(四半期財務諸表)を内閣総理大臣に 提出しなければならない(証券取引法第 24 条、第 24 条の 5)。 これら報告書は、会社と特別の利害関係のない公認会計士または監査法人の監査証明を受ける必要 がある(証券取引法第 193 条の 2)。 *金融商品取引法が規定する貸借対照表および損益計算書やその他の財務計算に関する書類につ いては、内閣総理大臣が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って内閣府令で定める「財 務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則」(通常は「財務諸表等規則」と略称)により作 成することが義務付けられている。 ③ 税務会計 法人企業は課税所得に一定の税率を乗じた額を法人税として納税しなければならない。企業の適正 な課税所得の算定が中心課題となる。企業の課税所得は確定した商法上の決算に基づいて算定され る。これを確定決算主義という。つまり、商法上で計上された収益と費用による利益計算の金額をベース とし、これを税法独自の基準により修正して益金と損益の差額によって課税所得を算定する。 課税の公平性の面から、法人税をはじめとして、そのほかにそれを補完する法人税法施行令や法人取 扱通達といった規定がある。各法人は事業年度末から2カ月以内に確定申告書を提出しなければなら ない。 //税法基準性 商法に基づいて税法へ反映されて欲しいが、実体は税法に基づいて商法を施行している →企業の立場からすると税法に基づいて最も課税対象が低くなるように計算し商法会計している。 6
  • 7. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 2)非制度会計 制度化されていない会計の領域は、例えば次のようなものがある。 ① 一般物価変動会計(物価の変動を考慮した会計) //ブラジルのインフレなどは追従しにくい ② 人間資産改易(人に支出した金額のうちで、例えば研修費などのように企業の将来に役立つもの については費用ではなく資産とみなす会計)//社会学的に問題を含むが野球や芸術家雇用など ③ 環境会計(企業が環境保全に対して行う活動を対象とした会計) //CSR (企業の社会的責任)レポートの内訳:(ESG を重視した会計が望ましい:国連が表明) E 環境(会計)=エコロジ会計 ←日本企業が主訴する領域 S 従業員(労働)+消費者=ソーシャル会計 ←欧州企業が主訴する領域 利益(経済) G 企業統治(Corporate governance) // 以前はサスティナビリティ・レポートと呼ばれていた。CSR レポートは法施行ではなく自主公開。 3.会計の役割 会計には主に4つの役割がある。 (1)財務管理機能 取引を正確に帳簿に記録し、それを通じて財産管理を積極的に図る機能。 (2)会計責任機能 accountability 説明責任機能と呼ばれる場合もあり、株式会社の制度では委託者としての投資家または株主は自己 の資金の運用を受託者としての経営者に任せるのが、経営者にはその資金の運用結果と現状について 投資家または株主に報告する義務がある。これが会計責任機能である。 委託 ===⇒ 委託 (財務) (説明・報告) // スチュアート 7
  • 8. [会計学 - 企業会計の構造と特質] (3)企業の利害関係者に対して有用な会計情報を提供する機能 財務会計の分野では投資家の投資意思決定に対する有用な会計情報は、特にディスクロージャ制度と の関連で重要性を帯びており、また管理会計の分野でも経営者の意思決定に役立つ会計情報の提供 は企業の将来を左右する面で重要となっている。 (4)会計の利害調整機能 株主と債権者の間には株主に対する配当規制に関して利害が対立する、 株主:できる限り株主に対する配当財源を拡大したいと考える。 債権者:配当は会社財産の社外流出を伴うため、できるだけそれを抑えたいと考える。 //内部留保 // 利益が利害の調整機能や投資意思決定に充てることと捉えることもある。 // 情報提供も利益と見ることもある。 //昔の利害関係者は狭い関係であった(株主・債権者と会社) //今はステークホルダーという広い関係として捉えている。(株主はストックホルダー) そこで、会計は両者の調整を図り、両者がある程度納得いくような形での配当規制の実現を目指す。 最近では経営者と株主との間の利害調整も重要となる。特に経営者の報酬をどの程度にしたらよいのか という点に関連する。さらに、経営者と債権者との間にも利害調整は必要である。企業に債権者が資金 を貸し出す場合、債権者は自己の貸付金の返済を確保するために、経営者に対し追加借入の制限な どといった財務上の制限を課すこともある。 また、利害調整は株主間でも生じる。会社の財務内容が悪化し、会社を更生する際には、旧株主と新 株主との間にも利害調整が必要となる。ここでも会計は利害調整機能を果たす。 8
  • 9. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 第2章 簿記・会計の基礎概念 □簿記の分類 1. 簿記(bookkeeping)とは何か? 簿記とは形式的に言えば、経済組織(例えば、企業)の活動を(言語)と(貨幣数値)によっ て(計算・記録・整理)することである。 2. 簿記の種類 (1) 記帳形式に基づく分類 *単式簿記(single entry bookkeeping) 現金の収支だけを記帳するような場合に用いる。 Ex. (家計簿・小遣帳) *複式簿記(double entry bookkeeping) 企業活動を(左側)欄(借方)debtor と(右側)欄(貸方)creditor とに2面的に記録し、 (経営成績)と(財政状態)を表示する場合に用いる。 経営成績は、(損益計算書)(P/L)において明らかにされる。 経営成績とは、収益と費用すなわち企業の成果と努力を計算して、利益あるいは損失を明らかにするこ とをいう。 財政状態は(貸借対照表)(B/S)において明らかにされる。 財政状態とは、資金の運用形態である資産、資金の調達形態である負債および資本の状態を表示す ることをいう。 (2) 適用企業に基づく分類 商業 (貨幣) - (商品) - (貨幣‘) (貨幣+儲けた貨幣) ← (商業簿記) G - W - G‘ (G + g ) // g = 利子 Pm(生産手段:工場建物・生産機械) 工業 貨幣 - 商品 ・・・ P 生産過程・・・ W’ 商品‘ - G’ 貨幣’ ← (工業簿記) Ar(労働力) // 工業簿記は生産手段に人間の労働力が結合しても価値はなく、商品になった時点で価値が出る。 銀行 貨幣 - 貨幣‘ (貨幣+儲けた貨幣) ← (銀行簿記) G - G‘ (G + g ) 9
  • 10. [会計学 - 企業会計の構造と特質] □資産・負債・資本と費用・収益の概念 複式簿記は、企業活動を資産・負債・資本と費用・収益に分けて記録する //二重に区別し記帳。 1. 資産(assets)とは(財貨)ex.(現金・商品・備品・機械・建物など)や(債権)ex.(貸付 金・売掛金・受取手形)などのことをいう。債権とは、将来において財貨を受け取る権利である。 2. 負債(liabilities)とは、主に(債務) ex.(借入金・未払金・買掛金・支払手形)などのことをいう。 債務とは、将来において資産を引き渡す義務である。 債務 負債 引当金(会計上負債) 3. 資本(capital)とは、企業主(企業の所有者)から企業に投下された(元手)(資金)のことを いう。資産から負債を引いた差額であり、これを純資産という場合があるが、抽象的な金額を示す。 Ex.(資本金・引出金)など。 4. 収益(revenue)とは、経済活動の(成果)であり、(資本)が増加する要因をいう。但し、この 資本の増加要因のうち企業主などによる資本の投下を除く。Ex.(売上・受取利息)など。 // 元手の増加要因 5. 費用(expense)とは、経済活動による(成果)を得るための(努力)であり、(資本)が減 少する要因をいう。但し、この資本の減少要因のうち企業主などによる資本の引出を除く。Ex.(通信費・ 給料・減価償却費・支払利息)など。 //努力するので資本が減少する。(販管費、電話代、光熱費、家賃などのコストを費用) 6. 利益(profit, income)とは(収益)>(費用)の場合に収益から費用を差し引いた(差額) である。 // この逆が損失になる。 7. 損失(loss)とは、(収益<費用)の場合に収益から費用を差し引いた差額である。 ※(損益) → 損失と利益の両方の言葉を合わせて呼ぶ場合に用いる。 // 損益は利益ではない、損失も含む。 10
  • 11. [会計学 - 企業会計の構造と特質] □貸借対照表・損益計算書の構造 1. 貸借対照表 (balance sheet = B/S) の構造 貸借対照表 (商号) → A商店 (01 年 3 月 31 日) ←(一時点=決算日) 資 他 金 人 源 総 の 負債 70 資 泉 運 資産 100 本 形 資 用 態 形 資本(純資産※)30 自己 本 態 (うち利益10) 資本 合計 100 合計 100 (資産) 負債+資本 ←(貸借対照表等式) 100 70+30 資産―負債 = (資本) ← (資本等式) 100 70 30 ※資産から負債を引いた概念を近年の会社法では、(純資産)と呼ぶようになっている。 貸借対照表とは、企業の一時点の財政状態を表示するものである。 財政状態とは、借方に資金の運用形態として資産を、貸方に資金の源泉形態として負債・資本 (純資産)を表示することをいう。 11
  • 12. [会計学 - 企業会計の構造と特質] 2. 損益計算書 (profit and loss statement = P/L, income statement) の構造 損益計算書 (商号)→A商店 (00 年 4 月 1 日)~(01 年 3 月 31 日) ←(一定期間=会計期間) 費用 80 収益 90 利益 20 合計 90 = 合計 90 費用 + 利益 = 収益 ← (損益計算書等式) 80 + 10 = 90 あるいは 費用 = 収益 + 損失 90 = 80 10 勘定式 報告式 資産 100 合計 100 負債 70 資本 30 合計 100 12
  • 13. [会計学 - 企業会計の構造と特質] □簿記会計の基礎的家庭(会計基準) 1.会計実体 会計実体とは、会計を行う範囲または単位のことをいう。例えば、企業主と企業とは会計実体すなわち 会計の範囲または単位が異なる。したがって、企業主の会計と企業の会計とは別個のものとなる。これを 混同すると「ドンブリ勘定」になる。 企業主(オーナ) 企業 ↑複式簿記の対象 オーナ会計は含まない。 (記録・会計・報告) (オーナ会計は家計簿へ記帳する) 2.貨幣的評価 会計は、貨幣(単位)によって測定(金額を決定すること)される。このことを貨幣的評価というが、 その前提には貨幣価値が安定している必要がある。 ※測定:Technical term を measure することである。 3.継続企業 継続企業(ゴーイング・コンサーン、going concern)とは、原則として起業は現代の資本主義にお いて解散することなしに営業を恒久的に続けて行くという仮定をいう。 (1) 当座企業(コンメンダ)←→口別損益計算 イタリア → インド :設立時 100 インド → イタリア :解散時 150 継続企業(ゴーイングコンサーン)←→ 期間損益計算 ① 設立時 - ② 解散時 = +50の利益 (2) 期間(損益)計算 期首(期初) 期末=決算日(P/L, B/S3 ヵ月以内に作成・開示) 会計期間(前期) 会計期間(当期) 会計期間(時期(翌期)) 13
  • 14. [会計学 - 企業会計の構造と特質] □損益法と財産法 → (2つの利益算出の考え方) (1)損益法 (収益)-(費用) = (損益) 90 80 10 (2)財産法 (期末資本) - (期首資本) = (損益) 30 30 10 ((期末資本)-(期末負債))― ((期首資本)-(期首負債))= (損益) 100 70 90 70 10 以上 14