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2014年・臨床研修ws・genericバージョン
- 3. 現状・目標
❖ 現状
❖ 専門医不足
❖ 研修医不足
❖ バラバラな医療・バラバラな研修
❖ 到達すべき目標
❖ 病院がミッションを遂行できる構造を作る
❖ 専門医が専門診療に集中できる構造を作る
❖ 研修医の役割を明確化した研修プログラムを作る
- 5. 病院のミッション
❖ ポジショニング
❖ 地域人口⚪⚪万人
❖ 非選択的診療
❖ 救急医療、産科・小児科、周産期医療、総合診療
❖ 地域連携医療
❖ 選択的診療
❖ 臓器別診療、高度先進医療
- 7. 臨床研修プログラム
❖ 必修プログラム
❖ 総合的な救急診療
❖ 入院患者の診療・術後患者の診療
❖ 地域連携医療
❖ 希望履修プログラム
❖ 指導的研修医、専門医チームの一員
❖ ポートフォリオで「できること」を認証
- 9. 臨床研修プログラム2015・ポートフォリオ
2年後、総合救急診療医としてできるようになること
1. 医師に期待される態度・習慣・コミュケーション能力を身につける
2. 初診患者と救急患者の初期診療(基本的な救命医療)ができる
3. 医療全体のプランニングができる
4. 医療チームのリーダーができる
5. 入院患者・術後患者のマネジメントができる
6. 一人当直ができる・患者急変に対応できる
7. 複雑な問題を抱える患者に医療・ケアの包括プランを提案できる
8. 医科学で社会貢献できる基礎を作る
- 13. プログラムが提供する研修医の経験の質は?
1. 何も気づかず、何も試みず、何も楽しまず、交流もない
2. 強制的にやらされたり、機械的な繰り返し
3. あれこれ言われたり、やらされたりするが、どれも中途半端(忙しく動き
回るが学習にはならない)
4. そのときは集中したり勉強になるが、ローテーション終了時にどのような
成果が得られるか見えない
5. 結果が成功であっても失敗であっても多くを学べるチャレンジの機会があり、
本腰を入れて取り掛かり、それに見合う手応えがある
6. 目からウロコが落ちる学習経験があり、医師として生涯忘れなれない教訓
を獲得する
- 15. ヒント
❖ 学習経験には、はじめ・なかごろ・おわり(すなわち
筋書き:プロット)がある
❖ 学習者は、自分の学習経験の主人公である
❖ 教科ではなく学習活動がテーマを設定する
❖ 文脈が教育場面への没入感に貢献する
❖ インストラクターとデザイナーは、作者であり、助演者
(学習コンパニオン)であり、主人公のモデルである
- 17. プログラムのレベル
1. このプログラムで学べてよかった!
もっと勉強したい、没入してしまう、つい頑張ってしまう、自分に自信がついた
2. 環境や指導のおかげで目標を達成できた(⚪⚪ができるようになった)
挑戦的な課題、十分な支援・フィードバック、認証があった
3. 分かりやすかった
知識や手技の説明は分かりやすかったし、カンファレンスでも理解できるように配慮があった
4. 普通
人間関係などのストレスもそこそこに標準的医療を遂行していて、それに参加できた
5. 精神衛生よくない
エビデンスで否定されていたり問題のある医療が行われているうえにストレスが多い
- 24. 教授システム学
❖ Instructional design
❖ 歴史
❖ 第二次世界大戦
❖ 学校・産業、トレーニング
❖ パフォーマンス
❖ 現在はIDT
❖ Instructional Design
Technology 熊本大学大学院教授システム学専攻
鈴木克明教授 with ガニェ
- 35. 学習率を高める工夫
❖ 分子:学習に費やす時間を増やす
❖ 学習機会:自分で取組む機会が多い
❖ 学習持続力:楽しい・集中できる
❖ 分母:学習に必要な時間をなるべく減らす
❖ 課題への適性:意味を持たせる
❖ 授業の質:下手ならしない・よくデザインされた教材
❖ 授業理解力:カリキュラムを通してトレーニング
- 37. メーガーの3つの質問 1974年
❖ Where am I going?
❖ どこへ行くのか
❖ How do I know when I get there?
❖ たどりついたことをどうやって知るのか
❖ How do I get there?
❖ どうやってそこへ行くのか
- 41. Attention:面白そうだなあ
❖ 知覚的喚起(perceptual arousal)
❖ 目をパッチリ開ける
❖ 関連のあるムービー
❖ 探究心の喚起(inquiry arousal)
❖ 好奇心を大切にする
❖ 大きな謎をかけて、それを解き明かすように学習設計
❖ 変化性(variability)
❖ マンネリを避ける
❖ 教授方略は20分ごとに変える
- 42. Relevance:やりがいがありそう
❖ 親しみやすさ(familiarity):自分の味付けにする
❖ 学習者が関心のある、得意な分野の例を取り上げる
❖ 説明を自分なりの言葉でまとめて書き込む
❖ 目的指向性(goal oriented):目標を目指す
❖ 受身ではなく、自分の課題として積極的に取組めるようにする
❖ 教材のゴールを達成することの意義・有用性を強調する
❖ 動機との一致(motive matching):プロセスを楽しむ
❖ 自分の得意な、やりやすい方法でやれるように選択しの幅を設ける
❖ 勉強すること自体を楽しめる工夫を盛り込む(例:ゲーム)
- 43. Confidence:やればできそうだなあ
❖ 学習要求(learning requirement):ゴールインテープをはる
❖ メーガーの3つの質問
❖ 高すぎない、低すぎない、頑張ればできそうなもの
❖ 成功の機会(success opportunities):一歩ずつ確かめて進む
❖ 他人との比較ではなく、過去の自分との比較で進歩を確かめられるようにする
❖ 易しいものから難しいものへ・チャンクごとに確認問題・まとめの練習問題
❖ コントロールの個人化(personal control):自分で制御する
❖ 「自分が努力したから成功した」いえるような教材にする
❖ 失敗したらその原因を自分で判断できるようチェックリストを用意する
- 44. Satisfaction:やってよかったなあ
❖ 自然な結果(natural consequences):無駄に終わらせない
❖ 努力の結果がどうだったかを目標に基づいてすぐにチェックできるようにする
❖ 応用問題に挑戦し努力の成果を確かめ、それを味わう機会をつくる
❖ 肯定的な結果(positive consequences):ほめて認めてもらう
❖ 困難を克服して目標に到達した学習者にプレゼントを与える(認証)
❖ できて当たり前と思わず、できた自分に誇りを持ち、素直に喜べるようなコメント
をつける
❖ 公平さ(equity):自分を大切にする
❖ 目標、練習問題、テストの整合性を高め、終始一貫性を保つ
❖ 練習とテストで条件や基準を揃える
- 45. Instructional Conversation
❖ 学習デザイン
❖ ゴール・プロセスが明確
❖ 前提条件が整っている
❖ メーガーの3つの質問
❖ Instructional conversation
❖ 会話はインストラクション
❖ Just-in-time
❖ 理解・応用・失敗の分析・改
善と評価が可能
- 50. Tell meではなくShow me:例示(Demonstration)
❖ 新しく学ぶことを単に情報として「伝える」のではなく「例
示」する
❖ 学習目的に合致した例示方法を採用する(弁別、概念、ルー
ル、態度、手技など、学習成果の分類に適した例示を行う)
❖ 学習者にガイダンスを与える(関連する情報の検索、例示方
法を複数用意する、例示を比較させ相違点を明らかにする)
❖ メディアに教授上の意味を持たせて適切に活用する
- 60. プログラムに関するキーワード
❖ アウトカム基盤型
❖ 2年後に何ができるようになるかを担保する
❖ コンピテンシー・ベイスト
❖ 個々のプログラム・モジュール・レッスンがアウト
カム基盤(出口を保証する)
❖ 上記を達成するには学習を合理的に設計する方法論、
インストラクショナル・デザインが必要
- 61. 個人ワーク
❖ Where am I going?
❖ どこへ行くのか
❖ How do I know when I get there?
❖ たどりついたことをどうやって知るのか
❖ How do I get there?
❖ どうやってそこへ行くのか
- 62. サンプル
❖ 「慢性腎疾患患者の食事指導ができる」
❖ 「できるようになった」ことを評価する方法を記載する
❖ 例:慢性腎疾患患者3例に対し、食事指導プランが策定できる、プランの
妥当性を指導医に説明できる、説明内容が合格基準に達する、実際に食
事指導ができる
❖ 「できるようになる」ための学習プロセスを記載する
❖ 例:事前学習で食事指導の知識を獲得し指導医に説明できる→指導医の
実践を見て学ぶ→自分でやってみてできた点・できない点について指導
医とディスカッションする→準備ができたら合格テストを受ける
❖ できるようになったら認定証を発行する(ポートフォリオ)
- 74. テーマ
❖ 病院のポジショニング・ミッション・診療構造
❖ 臨床研修プログラムの構造
❖ A1:臨床研修医の経験@獨協医大越谷病院
❖ A2:臨床研修プログラムの質
❖ A2:インストラクショナル・デザイン
❖ A3:医師のブランド戦略
❖ A4:患者安全
❖ A5:研修医への3つの説明
❖ A6:指導(インストラクション)
❖ A7:ポートフォリオ
❖ A8:臨床研修の評価
❖ A9:研修医・指導医のストレス