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インストラクショナルデザイン入門

    2013年1月7日 神奈川県立足柄上病院小児科   奥 典宏



1                        2013/1/6
教えるということ
   名選手、名監督にあらず。
       選手=自分自身の仕事をこなす技術
       監督=人を育てる技術

   「教え方」を学んだことがありますか?
       講義がわかりやすかった先生の特徴は?
       講義がわかりにくかった先生の特徴は?

   何かを教えても教わった方がそれを学んだとは限らない。
       「教える」=インストラクションを与える「教え手」側の様々な行動や
        働きかけ。
       「学ぶ」=インストラクションを受け取る「学び手」側の行動の変化。

    2                          2013/1/6
インストラクショナルデザイン
   インストラクション                    教授=インストラクション(Instruction)
       一般的な「指導」「教育」のみなら
        ず、「学び」を支援するために行                        教育

        う様々な活動の集合体。                   カリキュラ
                                教授            教育相談   教育経営       教育評価
       何らかの行動を引き出すための                  ム

        仕掛け。                     設計

                                                         Instructional
   インストラクショナルデザイン               開発
                                                          Design(ID)
       誰が誰に対して行っても効果が                                   =この教授法全
                                 実行
        上がる「インストラクション」を実                                 体を理解・改善
        現するために生み出されたもの。          運営
                                                         し、適用していく
                                                             活動
           教育工学を中心に、認知心理学
            など多様な学問が結びついた。       評価

       教えるための科学と技術
                   (向後、2012年)

    3                                         2013/1/6
インストラクションデザインの利点
   「インストラクション」の効果・効率が高まる
       短期間に効率よく、しかも効果的に教育・育成することが出来る。
   再現性がある
       同じように行えば“教え手”や“学び手”が誰であっても、一定の効
        果を生み出す。
   汎用性に優れている
       1回限りの講義にも、数日間かけて行う研修にも、長時間にわたる
        人材育成にも使える。
       対象が何であれ“指導”に関するあらゆるシチュエーションでの活用
        が可能。
       ドキュメントが残る→科学的に改善を続けることができる。


    4                          2013/1/6
インストラクショナルデザインの基本
ADDIEモデル

                   分析
                  Analyze


     評価                           設計
    Evaluat
       e      Feedback           Design
                                                     Plan


                                             Act            Do
          実施
                             開発
         Implem                                 Chec
                            Develop
           emt                                    k
                                           (いわゆるPDCAサイクルと
                                           類似している。)
5                                         2013/1/6
インストラクショナルデザインの基本
ADDIEモデル
     • 指導や教育の目的は? そのゴールをどこに設定するのか? “学び手”はどんな人なのか? ど
分析     れだけの時間や予算をかけられるか?といったことを洗い出す。


     • 分析結果を基に指導や教育の「目標」を明確に定め、それを達成するための学習プロセスや
設計     カリキュラム、“何を学んだか”を評価するための指標を設定する。



     • インストラクションやトレーニングに用いる教材やツールを開発(選択)する。
開発

     • “学び手”に対して実際にインストラクションを行う
実施   • 授業や研修という形態ではなく、“教材”を学び手に配布するという「インストラクション」もある。


     • 授業や研修、配布した教材などによって、当初の目的が達成されたかどうかを評価する。
評価   • 達成できていない場合には、カリキュラムや教材、指導法などを見直すことが重要。



6                                     2013/1/6
インストラクショナルデザインの原則
    学び手は常に正しい

    • 指導の成果が上がらなかったとき、あるいは学習者
      が間違った行動をしてしまったとき、その原因はイン
      ストラクションの方法の中に潜んでいる。

    すべてを具体的な方法に落とし込む

    • 曖昧で抽象的な表現だと相手に伝わりにくい。
    • 「行動」は、出来るだけ具体的な言葉やビジュアルで
      表現すること。

7                       2013/1/6
   一番大事なこと:「学習者は常に正しい」
       習得できなかったら「インストラクションのどこに原因があるのだろ
        う?と考察し、不足していたインストラクションは追加または改善を行
        う。

   「個人攻撃の罠」に注意!!
       何か問題があるときに、その原因を個人に求めて問題解決へのア
        クションをとらなくなってしまうこと。
       この罠に陥らずに、改革のためのデザインに目を向けなければなら
        ない。



    8                          2013/1/6
インストラクショナルデザインの実際




9               2013/1/6
分析:本当にインストラクションが必要ですか?
~インストラクションの対象~
   インストラクションが本当に「必要」なのは、教えようとしている知識や
    技能が学び手に欠けていて、かつそれを教える理由があるときだけで
    ある。
            何をすべきなのか、
          どうすれば出来るのか、                原因:知識
                            はい
         なぜしなければならないのか            解決策:インストラクション
           を伝えれば出来るか?
                いいえ

                            はい       原因:技能
             練習したり、               解決策:インストラクション
         誰かに手伝ってもらったり、
          道具を使えば出来るか?

                                    原因:動機づけ
                      いいえ
                                 解決策:パフォーマンスマネー
                                  ジメント(ARCSモデル)
    10                                   2013/1/6
分析:適切な解決策を同定する
   人的リソース開発
        研修教育
        ジョブエイド(職務遂行支援)
   組織改革
        チーム構築        研修はあくまで解決策の1つに過
        職務再設計        ぎない。
   環境変化              研修以外にもたくさん解決策はあ
        情報システム
                      る。
        技術整備・高度化
        職場環境再設計
   マネジメント変革
        監督・リーダーシップ
        報奨や称賛

    11                         2013/1/6
分析:解決策の提案を準備する
   インストラクションは解決策になるか?
   インストラクションだけで十分か?
   システム全体の変革に必要なのは?
        フィードバックの支援
        ジョブエイド(職務遂行支援)
        報奨システム
        選抜
        組織設計:採用、配置換え(適材適所)




    12                        2013/1/6
インストラクションの設計図を作る
 (感染対策講義編)
                     ①インストラクションの大まかなゴールを設定する
④インストラクションの大まかなスタートを設定する             GOAL
             START



                          ⑤「教えるべき知識」を
                          抽出し、その中から指導内容を決定する。
                        教え
       素人の                          専門家
       知識
                       るべき          の知識
                       知識
③「職員の言動」から多くの職員の                ②専門家どうしの知識を
「知りたいこと」「理解出来ていないこと」を把握         分析、統合、確認する

  13                              2013/1/6
                     普段からの作業
インストラクションの設計図を作る
(感染対策講義編)

          ⑧「事前テスト」を実行する
                                  GOAL
           START

                                  ⑩「事後テスト」を
                                  実行する


        ⑥指導の範囲、特に強調したい内容を明確にする
        =事前・事後テストの問題を作成する
        ⑦講義スライドを作成する
     ⑪事前・事後テストの結果とアンケートの内容を確認する
     →次回の内容にフィードバックする。
14                           2013/1/6
インストラクションを実施する
   ガニェの9教授現象
         1   学習者の注意を喚起する
         2   授業の目標を知らせる               導入
         3   前提条件を思い出させる
         4   新しい事項を提示する
         5   学習の指針を与える
                                      展開
         6   練習の機会を作る
         7   フィードバックを与える
         8   学習の成果を評価する
                                      まとめ
         9   保持と転移を高める

    15                     2013/1/6
インストラクションを評価する
 カークパトリックの4段階評価
        4.Results             • 研修受講による受講者や職場の業績向上度
      (成果達成度)                   合いの評価

       3.Behavior             • 受講者自身へのインタビューや他者評価に
      (行動変容度)                   よる行動変容の評価

       2.Learning             • 筆記試験やレポート等による受講者の学習
      (学習到達度)                   到達度の評価

       1.Reaction             • 受講直後のアンケート調査等による受講者
      (研修満足度)                   の研修に対する満足度の評価

Kirkpatrick,D.L. "Techniques for Evaluating Training Programs,"in Evaluating
Training
Programs. Alexandria, VA: American Society for Training and Development,
   16                                                      2013/1/6
1975,pp.1-17.
まとめ:インストラクショナルデザイン
    ID構成要素は相互に関連している。
    IDは根拠に基づいた論理的プロセスである。


          求められる      レベル4評価への入力           組織目標の達
          組織行動                               成


             求められる   レベル3評価への入力      職務行動の評    非常に難しい
             職務行動                       価
                         レベル2評価
                         への入力
組織のMissonに合わせ     学習目標             学習評価       難しい
  て評価する。
      ↓
組織のMissionが必須。                        膨大で大変
                         研修内容・実施
                                        まずは小さな成功
     17                                2013/1/6
                                     →積み重ねて大きな成功へ。
最後に
   ある人に魚を一匹あげれば、その人はその日を暮らせる。
   魚の釣り方を教えれば、海に魚がいる限りその人は暮らせる。
   しかし、養殖の方法を教える研修プログラムをデザインして受
    講させれば、その人がどんな可能性をもつかは計り知れない。
                       (Piskurich, 2000)




    18                       2013/1/6
参考書

いちばんやさしい教える技術   超!部下マネジメント術
                1/3の時間と労力で人が育つインストラクショナルデザイン




19                           2013/1/6
参考書
インストラクショナルデザインの原   教材設計マニュアル
理                  独学を支援するために




20                         2013/1/6

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ID説明資料20130107ver1.0

  • 1. インストラクショナルデザイン入門 2013年1月7日 神奈川県立足柄上病院小児科 奥 典宏 1 2013/1/6
  • 2. 教えるということ  名選手、名監督にあらず。  選手=自分自身の仕事をこなす技術  監督=人を育てる技術  「教え方」を学んだことがありますか?  講義がわかりやすかった先生の特徴は?  講義がわかりにくかった先生の特徴は?  何かを教えても教わった方がそれを学んだとは限らない。  「教える」=インストラクションを与える「教え手」側の様々な行動や 働きかけ。  「学ぶ」=インストラクションを受け取る「学び手」側の行動の変化。 2 2013/1/6
  • 3. インストラクショナルデザイン  インストラクション 教授=インストラクション(Instruction)  一般的な「指導」「教育」のみなら ず、「学び」を支援するために行 教育 う様々な活動の集合体。 カリキュラ 教授 教育相談 教育経営 教育評価  何らかの行動を引き出すための ム 仕掛け。 設計 Instructional  インストラクショナルデザイン 開発 Design(ID)  誰が誰に対して行っても効果が =この教授法全 実行 上がる「インストラクション」を実 体を理解・改善 現するために生み出されたもの。 運営 し、適用していく 活動  教育工学を中心に、認知心理学 など多様な学問が結びついた。 評価  教えるための科学と技術 (向後、2012年) 3 2013/1/6
  • 4. インストラクションデザインの利点  「インストラクション」の効果・効率が高まる  短期間に効率よく、しかも効果的に教育・育成することが出来る。  再現性がある  同じように行えば“教え手”や“学び手”が誰であっても、一定の効 果を生み出す。  汎用性に優れている  1回限りの講義にも、数日間かけて行う研修にも、長時間にわたる 人材育成にも使える。  対象が何であれ“指導”に関するあらゆるシチュエーションでの活用 が可能。  ドキュメントが残る→科学的に改善を続けることができる。 4 2013/1/6
  • 5. インストラクショナルデザインの基本 ADDIEモデル 分析 Analyze 評価 設計 Evaluat e Feedback Design Plan Act Do 実施 開発 Implem Chec Develop emt k (いわゆるPDCAサイクルと 類似している。) 5 2013/1/6
  • 6. インストラクショナルデザインの基本 ADDIEモデル • 指導や教育の目的は? そのゴールをどこに設定するのか? “学び手”はどんな人なのか? ど 分析 れだけの時間や予算をかけられるか?といったことを洗い出す。 • 分析結果を基に指導や教育の「目標」を明確に定め、それを達成するための学習プロセスや 設計 カリキュラム、“何を学んだか”を評価するための指標を設定する。 • インストラクションやトレーニングに用いる教材やツールを開発(選択)する。 開発 • “学び手”に対して実際にインストラクションを行う 実施 • 授業や研修という形態ではなく、“教材”を学び手に配布するという「インストラクション」もある。 • 授業や研修、配布した教材などによって、当初の目的が達成されたかどうかを評価する。 評価 • 達成できていない場合には、カリキュラムや教材、指導法などを見直すことが重要。 6 2013/1/6
  • 7. インストラクショナルデザインの原則 学び手は常に正しい • 指導の成果が上がらなかったとき、あるいは学習者 が間違った行動をしてしまったとき、その原因はイン ストラクションの方法の中に潜んでいる。 すべてを具体的な方法に落とし込む • 曖昧で抽象的な表現だと相手に伝わりにくい。 • 「行動」は、出来るだけ具体的な言葉やビジュアルで 表現すること。 7 2013/1/6
  • 8. 一番大事なこと:「学習者は常に正しい」  習得できなかったら「インストラクションのどこに原因があるのだろ う?と考察し、不足していたインストラクションは追加または改善を行 う。  「個人攻撃の罠」に注意!!  何か問題があるときに、その原因を個人に求めて問題解決へのア クションをとらなくなってしまうこと。  この罠に陥らずに、改革のためのデザインに目を向けなければなら ない。 8 2013/1/6
  • 10. 分析:本当にインストラクションが必要ですか? ~インストラクションの対象~  インストラクションが本当に「必要」なのは、教えようとしている知識や 技能が学び手に欠けていて、かつそれを教える理由があるときだけで ある。 何をすべきなのか、 どうすれば出来るのか、 原因:知識 はい なぜしなければならないのか 解決策:インストラクション を伝えれば出来るか? いいえ はい 原因:技能 練習したり、 解決策:インストラクション 誰かに手伝ってもらったり、 道具を使えば出来るか? 原因:動機づけ いいえ 解決策:パフォーマンスマネー ジメント(ARCSモデル) 10 2013/1/6
  • 11. 分析:適切な解決策を同定する  人的リソース開発  研修教育  ジョブエイド(職務遂行支援)  組織改革  チーム構築 研修はあくまで解決策の1つに過  職務再設計 ぎない。  環境変化 研修以外にもたくさん解決策はあ  情報システム る。  技術整備・高度化  職場環境再設計  マネジメント変革  監督・リーダーシップ  報奨や称賛 11 2013/1/6
  • 12. 分析:解決策の提案を準備する  インストラクションは解決策になるか?  インストラクションだけで十分か?  システム全体の変革に必要なのは?  フィードバックの支援  ジョブエイド(職務遂行支援)  報奨システム  選抜  組織設計:採用、配置換え(適材適所) 12 2013/1/6
  • 13. インストラクションの設計図を作る (感染対策講義編) ①インストラクションの大まかなゴールを設定する ④インストラクションの大まかなスタートを設定する GOAL START ⑤「教えるべき知識」を 抽出し、その中から指導内容を決定する。 教え 素人の 専門家 知識 るべき の知識 知識 ③「職員の言動」から多くの職員の ②専門家どうしの知識を 「知りたいこと」「理解出来ていないこと」を把握 分析、統合、確認する 13 2013/1/6 普段からの作業
  • 14. インストラクションの設計図を作る (感染対策講義編) ⑧「事前テスト」を実行する GOAL START ⑩「事後テスト」を 実行する ⑥指導の範囲、特に強調したい内容を明確にする =事前・事後テストの問題を作成する ⑦講義スライドを作成する ⑪事前・事後テストの結果とアンケートの内容を確認する →次回の内容にフィードバックする。 14 2013/1/6
  • 15. インストラクションを実施する  ガニェの9教授現象 1 学習者の注意を喚起する 2 授業の目標を知らせる 導入 3 前提条件を思い出させる 4 新しい事項を提示する 5 学習の指針を与える 展開 6 練習の機会を作る 7 フィードバックを与える 8 学習の成果を評価する まとめ 9 保持と転移を高める 15 2013/1/6
  • 16. インストラクションを評価する カークパトリックの4段階評価 4.Results • 研修受講による受講者や職場の業績向上度 (成果達成度) 合いの評価 3.Behavior • 受講者自身へのインタビューや他者評価に (行動変容度) よる行動変容の評価 2.Learning • 筆記試験やレポート等による受講者の学習 (学習到達度) 到達度の評価 1.Reaction • 受講直後のアンケート調査等による受講者 (研修満足度) の研修に対する満足度の評価 Kirkpatrick,D.L. "Techniques for Evaluating Training Programs,"in Evaluating Training Programs. Alexandria, VA: American Society for Training and Development, 16 2013/1/6 1975,pp.1-17.
  • 17. まとめ:インストラクショナルデザイン  ID構成要素は相互に関連している。  IDは根拠に基づいた論理的プロセスである。 求められる レベル4評価への入力 組織目標の達 組織行動 成 求められる レベル3評価への入力 職務行動の評 非常に難しい 職務行動 価 レベル2評価 への入力 組織のMissonに合わせ 学習目標 学習評価 難しい て評価する。 ↓ 組織のMissionが必須。 膨大で大変 研修内容・実施 まずは小さな成功 17 2013/1/6 →積み重ねて大きな成功へ。
  • 18. 最後に  ある人に魚を一匹あげれば、その人はその日を暮らせる。  魚の釣り方を教えれば、海に魚がいる限りその人は暮らせる。  しかし、養殖の方法を教える研修プログラムをデザインして受 講させれば、その人がどんな可能性をもつかは計り知れない。 (Piskurich, 2000) 18 2013/1/6
  • 19. 参考書 いちばんやさしい教える技術 超!部下マネジメント術 1/3の時間と労力で人が育つインストラクショナルデザイン 19 2013/1/6
  • 20. 参考書 インストラクショナルデザインの原 教材設計マニュアル 理 独学を支援するために 20 2013/1/6