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- 2. 教えるということ
名選手、名監督にあらず。
選手=自分自身の仕事をこなす技術
監督=人を育てる技術
「教え方」を学んだことがありますか?
講義がわかりやすかった先生の特徴は?
講義がわかりにくかった先生の特徴は?
何かを教えても教わった方がそれを学んだとは限らない。
「教える」=インストラクションを与える「教え手」側の様々な行動や
働きかけ。
「学ぶ」=インストラクションを受け取る「学び手」側の行動の変化。
2 2013/1/6
- 3. インストラクショナルデザイン
インストラクション 教授=インストラクション(Instruction)
一般的な「指導」「教育」のみなら
ず、「学び」を支援するために行 教育
う様々な活動の集合体。 カリキュラ
教授 教育相談 教育経営 教育評価
何らかの行動を引き出すための ム
仕掛け。 設計
Instructional
インストラクショナルデザイン 開発
Design(ID)
誰が誰に対して行っても効果が =この教授法全
実行
上がる「インストラクション」を実 体を理解・改善
現するために生み出されたもの。 運営
し、適用していく
活動
教育工学を中心に、認知心理学
など多様な学問が結びついた。 評価
教えるための科学と技術
(向後、2012年)
3 2013/1/6
- 4. インストラクションデザインの利点
「インストラクション」の効果・効率が高まる
短期間に効率よく、しかも効果的に教育・育成することが出来る。
再現性がある
同じように行えば“教え手”や“学び手”が誰であっても、一定の効
果を生み出す。
汎用性に優れている
1回限りの講義にも、数日間かけて行う研修にも、長時間にわたる
人材育成にも使える。
対象が何であれ“指導”に関するあらゆるシチュエーションでの活用
が可能。
ドキュメントが残る→科学的に改善を続けることができる。
4 2013/1/6
- 5. インストラクショナルデザインの基本
ADDIEモデル
分析
Analyze
評価 設計
Evaluat
e Feedback Design
Plan
Act Do
実施
開発
Implem Chec
Develop
emt k
(いわゆるPDCAサイクルと
類似している。)
5 2013/1/6
- 6. インストラクショナルデザインの基本
ADDIEモデル
• 指導や教育の目的は? そのゴールをどこに設定するのか? “学び手”はどんな人なのか? ど
分析 れだけの時間や予算をかけられるか?といったことを洗い出す。
• 分析結果を基に指導や教育の「目標」を明確に定め、それを達成するための学習プロセスや
設計 カリキュラム、“何を学んだか”を評価するための指標を設定する。
• インストラクションやトレーニングに用いる教材やツールを開発(選択)する。
開発
• “学び手”に対して実際にインストラクションを行う
実施 • 授業や研修という形態ではなく、“教材”を学び手に配布するという「インストラクション」もある。
• 授業や研修、配布した教材などによって、当初の目的が達成されたかどうかを評価する。
評価 • 達成できていない場合には、カリキュラムや教材、指導法などを見直すことが重要。
6 2013/1/6
- 7. インストラクショナルデザインの原則
学び手は常に正しい
• 指導の成果が上がらなかったとき、あるいは学習者
が間違った行動をしてしまったとき、その原因はイン
ストラクションの方法の中に潜んでいる。
すべてを具体的な方法に落とし込む
• 曖昧で抽象的な表現だと相手に伝わりにくい。
• 「行動」は、出来るだけ具体的な言葉やビジュアルで
表現すること。
7 2013/1/6
- 8. 一番大事なこと:「学習者は常に正しい」
習得できなかったら「インストラクションのどこに原因があるのだろ
う?と考察し、不足していたインストラクションは追加または改善を行
う。
「個人攻撃の罠」に注意!!
何か問題があるときに、その原因を個人に求めて問題解決へのア
クションをとらなくなってしまうこと。
この罠に陥らずに、改革のためのデザインに目を向けなければなら
ない。
8 2013/1/6
- 10. 分析:本当にインストラクションが必要ですか?
~インストラクションの対象~
インストラクションが本当に「必要」なのは、教えようとしている知識や
技能が学び手に欠けていて、かつそれを教える理由があるときだけで
ある。
何をすべきなのか、
どうすれば出来るのか、 原因:知識
はい
なぜしなければならないのか 解決策:インストラクション
を伝えれば出来るか?
いいえ
はい 原因:技能
練習したり、 解決策:インストラクション
誰かに手伝ってもらったり、
道具を使えば出来るか?
原因:動機づけ
いいえ
解決策:パフォーマンスマネー
ジメント(ARCSモデル)
10 2013/1/6
- 11. 分析:適切な解決策を同定する
人的リソース開発
研修教育
ジョブエイド(職務遂行支援)
組織改革
チーム構築 研修はあくまで解決策の1つに過
職務再設計 ぎない。
環境変化 研修以外にもたくさん解決策はあ
情報システム
る。
技術整備・高度化
職場環境再設計
マネジメント変革
監督・リーダーシップ
報奨や称賛
11 2013/1/6
- 12. 分析:解決策の提案を準備する
インストラクションは解決策になるか?
インストラクションだけで十分か?
システム全体の変革に必要なのは?
フィードバックの支援
ジョブエイド(職務遂行支援)
報奨システム
選抜
組織設計:採用、配置換え(適材適所)
12 2013/1/6
- 13. インストラクションの設計図を作る
(感染対策講義編)
①インストラクションの大まかなゴールを設定する
④インストラクションの大まかなスタートを設定する GOAL
START
⑤「教えるべき知識」を
抽出し、その中から指導内容を決定する。
教え
素人の 専門家
知識
るべき の知識
知識
③「職員の言動」から多くの職員の ②専門家どうしの知識を
「知りたいこと」「理解出来ていないこと」を把握 分析、統合、確認する
13 2013/1/6
普段からの作業
- 14. インストラクションの設計図を作る
(感染対策講義編)
⑧「事前テスト」を実行する
GOAL
START
⑩「事後テスト」を
実行する
⑥指導の範囲、特に強調したい内容を明確にする
=事前・事後テストの問題を作成する
⑦講義スライドを作成する
⑪事前・事後テストの結果とアンケートの内容を確認する
→次回の内容にフィードバックする。
14 2013/1/6
- 15. インストラクションを実施する
ガニェの9教授現象
1 学習者の注意を喚起する
2 授業の目標を知らせる 導入
3 前提条件を思い出させる
4 新しい事項を提示する
5 学習の指針を与える
展開
6 練習の機会を作る
7 フィードバックを与える
8 学習の成果を評価する
まとめ
9 保持と転移を高める
15 2013/1/6
- 16. インストラクションを評価する
カークパトリックの4段階評価
4.Results • 研修受講による受講者や職場の業績向上度
(成果達成度) 合いの評価
3.Behavior • 受講者自身へのインタビューや他者評価に
(行動変容度) よる行動変容の評価
2.Learning • 筆記試験やレポート等による受講者の学習
(学習到達度) 到達度の評価
1.Reaction • 受講直後のアンケート調査等による受講者
(研修満足度) の研修に対する満足度の評価
Kirkpatrick,D.L. "Techniques for Evaluating Training Programs,"in Evaluating
Training
Programs. Alexandria, VA: American Society for Training and Development,
16 2013/1/6
1975,pp.1-17.
- 17. まとめ:インストラクショナルデザイン
ID構成要素は相互に関連している。
IDは根拠に基づいた論理的プロセスである。
求められる レベル4評価への入力 組織目標の達
組織行動 成
求められる レベル3評価への入力 職務行動の評 非常に難しい
職務行動 価
レベル2評価
への入力
組織のMissonに合わせ 学習目標 学習評価 難しい
て評価する。
↓
組織のMissionが必須。 膨大で大変
研修内容・実施
まずは小さな成功
17 2013/1/6
→積み重ねて大きな成功へ。
- 18. 最後に
ある人に魚を一匹あげれば、その人はその日を暮らせる。
魚の釣り方を教えれば、海に魚がいる限りその人は暮らせる。
しかし、養殖の方法を教える研修プログラムをデザインして受
講させれば、その人がどんな可能性をもつかは計り知れない。
(Piskurich, 2000)
18 2013/1/6