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第4回「スポーツツーリズムと地域活性化」（高岡）配布用
- 1. スポーツツーリズムと地域活性化 高岡 敦史 岡山大学大学院 教育学研究科 1
- 2. ツーリズム × スポーツ ツーリズム – 出発地→観光地→出発地という周遊性・回帰性 – 観光地の情報を体験する予定調和性 – 異業種混合のハイブリッド産業 市場：マーケットの理解 居住地，消費者の興味・関心を含む消費行動の理解 旅行商品 プロモーション，旅行ガイド，旅行案内 目的地 目的地が行う地域主導型の旅づくり マーケティング 観光サービスの供給者による観光商品マーケ Mill, R.C. & Morrison, A.M. (1992) The tourism systemより抜粋，報告者加筆 旅行の販売 市場への到達 旅行の購買 旅行需要の形態 Destination Management ビジターが多様な旅行体験を楽しむ特定地域のマネジメント Goeldner, C.R. & Ritchie, J.R.B(2003)による定義 2
- 3. ツーリズム × スポーツ スポーツツーリズム – 域内に滞在して，スポーツやレクリエーション，健康増進な どの諸活動を行うとともに，地域文化に触れながら地域住 民との交流を深め，旅行価値を高める観光行動 （高橋，2014） – スポーツを「する」「観る」だけでなく，周辺観光やスポーツ を支える人々との交流も加味した旅行 （スポーツツーリズム推進連絡 会議,2010） – スポーツ参加，スポーツ観戦，スタジアムやミュージアムといったスポー ツアトラクションの訪問 （Graham, et al.,2001） – 生活圏を離れ，スポーツをベースとした旅行をすること （Hinch , et al.,2001） 3
- 4. ツーリズム × スポーツ スポーツツーリズム推進連絡会議 2010年5月観光庁長官主催で設立． 「スポーツツーリズム推進基本方針」（案）の審議機関 設立趣旨 観光立国の実現に向けては，わが国の豊富なスポーツ資源を最大 限に生かし，「観るスポーツ」「するスポーツ」はもちろん，国際スポー ツイベントの誘致・開催などの「支えるスポーツ」も含めた，総合的な スポーツ観光の推進により，インバウンド拡大および国内観光振興 を図ることが必要． 関連省庁・関係団体が連携してスポーツ観光に関する総合的な推 進方策について調査検討を行う場として設置．各地域においても 同様の組織が立ち上がることを期待． 4
- 5. ツーリズム × スポーツ スポーツツーリズム推進連絡会議 5
- 6. ツーリズム × スポーツ 6
- 7. 観光庁が期待しているスポーツツーリズムの効果 ツーリズム × スポーツ 観光庁（２０１１）スポーツツーリズム推進基本方針より報告者抜粋 観光立国の実現のためのスポーツツーリズム 岡山のスポーツツーリズムはどのような成果を目指すべきか？ 7
- 8. ツーリズム × スポーツ ツーリスト側の問題＊ 短期間・散財型周遊観光が主流 レジャーとしてのスポーツの経験が貧困 ＋ツーリスト（宿泊客）とエクスカーショニスト（日帰り客）に分かれる ＋特定のディスティネーションに低いロイアリティしか持たない 目的地側の問題＊ スポーツインフラ不足とスポーツ観光商品開発力の低迷 地域色の濃いスポーツコンテンツの不足 ＋コモディティ化と代替可能性の高まり ターゲットの明確化と価値創造（需要サイドの視点からの観光開発） 競争優位性の確保（“岡山にしかないもの”“岡山だからできること”の開発） 持続可能性の確保（スポーツの周期性利用，クオリティ維持） ＊原田宗彦（２００９）スポーツ・ヘルスツーリズムより抜粋，報告者加筆 8
- 9. ツーリズム × スポーツ スポーツツーリズム（日本版） スポーツ参加型 スポーツ観戦型 都市アトラクション 訪問型 インバウンド 市場 ・オーストラリアからの スキー客 ・韓国からのゴルフツアー ・アジア野球大会への 韓国・台湾からの応援団 ・２０２０TOKYOへの海外か らの応援ツアー （コンテンツ不足） アウトバウンド 市場 ・ホノルルマラソンへの 参加 ・マウイ島でのゴルフ ・日本人メジャーリーダー 応援ツアー ・欧米のスタジアム 見学ツアー 国内市場 ・国内マラソン大会への 参加 ・スポーツ合宿 ・応援するプロクラブの アウェイゲーム観戦ツアー ・スポーツ博物館や スタジアム見学ツアー 原田宗彦（２００７）スポーツ産業論に報告者加筆 9
- 10. ツーリズム × スポーツ スポーツツーリズム（岡山版） スポーツ参加型 スポーツ観戦型 都市アトラクション 訪問型 （狭義の） インバウンド 市場 ・おかやまマラソンへの 県外からの参加 （ランナー，ボランティア） ・岡山市内での スポーツ合宿 ・岡山シーガルズのホーム ゲームへの県外ファンの 観戦ツアー （コンテンツ不足） （狭義の） アウトバウンド 市場 ・東京マラソンへの参加 ・北海道へのスキーツアー ・岡山シーガルズの アウェイゲーム観戦ツアー ・アリーナ見学ツアー 原田宗彦（２００７）スポーツ産業論より抜粋，報告者加筆 10
- 11. ツーリズム × スポーツ ビジネスツールとしてのスポーツツーリズムへの傾斜 観光関連の行政部局，団体，産業クラスターのみがステ イクホルダー 岡山のスポーツツーリズムはそれで十分？ “観光”というキーワードだけで十分？ インバウンド顧客は県外者だけ？ スポーツと関わりを持たない市民は無関係？ 岡山を元気にすることが最終目標ではないか？ そこに向けて，スポーツツーリズムはどうあればよいか？ 11
- 12. スポーツツーリズムのまちづくり スポーツ ツーリズム インバウンド市場の拡大 観光地・周辺の活性化 ソーシャル・イノベーション 域内消費額の拡大 関連産業への波及効果 経 済 的 価 値 社 会 的 価 値 文化的価値 地域に固有のスポーツ文化の醸成 所得・雇用・税収の確保 新産業クラスターの創出 地域住民の協働機会 地域愛着，幸福等の醸成 モラル，国際化等の醸成 おもてなし文化と開放性の醸成 スポーツツーリズムの社会的・文化的価値への着目 どうすれば社会的・文化的価値が高まるか，要検討！ 地域課題の協働的解決の気運醸成 12
- 13. スポーツを活用した観光まちづくりの課題 スポーツツーリズムのまちづくり 観光庁（２０１１）スポーツツーリズム推進基本方針より報告者抜粋 13
- 14. スポーツによる観光まちづくりの５つの要素 スポーツツーリズムのまちづくり 観光庁 スポーツツーリズムに関する講演資料より報告者抜粋 14
- 15. 他地域の事例 15
- 16. 沖縄県のケース スポーツツーリズム振興の意義 – 繁忙期と閑散期の格差縮小と雇用効果創出 – 新たな専門性を持つ観光産業人材の創出 – スポーツが持つ周期性による集客・経済効果 – 海外からの観光客の増加への貢献 – スポーツ先進県としてのイメージの定着・向上 沖縄県（２０１１）スポーツ・ツーリズム推進事業報告書より報告者抜粋 観光開発の一環としてのスポーツツーリズム 16
- 17. 三重県のケース スポーツによる地域活性化を標榜 – 「みえのスポーツ・まちづくり会議」設置 – 「みえのスポーツ地域づくり推進事業」 F1観戦と三重県観光の旅行商品化 津市森林セラピーリラクゼーションツアー 熊野古道伊勢路トレイルランニングの旅 既存の観光資源とスポーツを結び付ける作戦 既存観光エリアがスポーツで再興する？ 既存観光地の地域活性化とスポーツとの関連性が不明・・・ 17
- 18. 仙台市のケース ビッグスポーツイベントの誘致 – 市民局スポーツ振興課，（公財）仙台市スポーツ振興事業団 仙台国際ハーフマラソン大会 仙台カップ国際ユースサッカー大会 全日本大学女子駅伝対校選手権大会 トップリーグオールスターチャリティマッチ２０１２と仙台観光 地元プロ・クラブの支援 – ベガルタ仙台，楽天，仙台８９ers スポーツイベント誘致を活性化の起爆剤に． 地元プロ・クラブの地域活性化力に依存？ 18
- 19. 北海道のケース スポーツ合宿の誘致 – インバウンド市場の拡大 合宿誘致の直接効果は観光全体 の1％程度 – 交流人口の拡大 合宿終了後の観光 「しない」74％ スポーツを軸に，地域観光へ 流れるスキームの構築 広域市町村連携による受入 体制の構築 ストーリー性のあるプランニング 全てがビジネスとして回ることが最 重要課題 「合宿誘致，コンベンション誘致，観光振興，産業クラスター創 造活動，企業誘致は，基本的に同じ視点で構想可能」（日本政策投 資銀行北海道支店（２０００）北海道における合宿誘致と地域活性化の現状調査より抜粋） 19
- 20. 地域活性化に資する スポーツツーリズム開発に向けて スポーツというトピックの“広場性”を活かす！ 交流機会 ビジネス チャンス スポーツ 人口増 観光資源 新しい 職場 産業 クラスター 地域内外者の 交流拠点 City Branding 観光資源 クラスター 生活課題 の共有 豊かな 地域生活の実現 岡山 アスリート スポーツ イベント スポーツ 関連消費地 住民 交流拠点 スポーツ振興 地域開発 賑わい創出 経済活性化 スポーツ NPO 地域活性化 市民教育 20
- 21. 資料 スポーツを活用した地域活性化のビジョンとアイディア 【駅西口エリアの強み：スポーツ・コンベンション・コンプレックスとしての可能性】 岡山市をホームとする地域密着型プロスポーツ集積地としての駅西口 コンベンション＆スポーツ＆教育のコンプレックスエリアとしての駅西口 • 岡山市コンベンション戦略プラン • コンベンションの最多件数を占めるスポーツイベント スマートベニューの最適地としての駅西口：県総合グラウンド＆コンベンション 【スポーツと関連しうる中心市街地活性化政策パッケージ】 回遊性の向上：A) まちなかをめぐろう B) 自転車・公共交通に乗ろう 魅力づくり：C) 魅力あふれる商店街 D) 岡山の歴史や文化に触れる 【国内のスポーツ振興政策の潮流】 – スポーツ立国戦略・スポーツ基本計画 – 2020年東京五輪に向けたスポーツツーリズムの推進 観光庁による推進 – スポーツコミッション創設：さいたま市，新潟市ほか – スマートベニュー®構想：長岡市，高崎市ほか 多機能複合型施設構想（政投銀） スポーツが 《笑顔あふれる中心市街地の創出》 に貢献するアイディア A) スポーツ・コンベンションを契機とした駅西口エリアの活性化（交流拠点としてのスマートベニュー構想＝市街地回遊の西口への拡大） B) スポーツ・コンベンションとまちを連動させた中心市街地整備（文教・スポーツエリア・岡山駅西口＝自転車道・公共交通路線の西口への拡大） C) インバウンド市場の拡大（市民参加型＆国際レベルのスポーツイベント，合宿・国代表キャンプの誘致＝商店街活性化と連動） D) ＜中四国のスポーツコンベンション拠点＞という岡山市のブランディング＆プロモーション（＝スポーツに触れるなら岡山市！という魅力の発信） コンベンション開催実績 スポーツコミッションの創設 スマートベニュー構想 スポーツコンベンションの 誘致・企画・運営 組織化 事業化 事業化 おかやまスポーツプロモーション研究会（SPOC研究会） 21