第9章 ネットワーク上の他の確率過程

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第9章 ネットワーク上の他の確率過程

  1. 1. 第9章 ネットワーク上の他の確率過程 大澤 昇平 ohsawide@gmail.com Apr. 11 複雑ネットワーク勉強会
  2. 2. ADGENDA •9.1 進化ゲーム •9.2 ランダム・ウォーク •9.3 カスケード故障 1
  3. 3. ADGENDA •9.1 進化ゲーム •9.2 ランダム・ウォーク •9.3 カスケード故障 2
  4. 4. 9.1.1 進化ゲームとは• 囚人のジレンマ:局所最適が全体最適にならない 利得表 相手: C 相手: D• 利得表において,自分は戦略 D(裏切り)を取ったほうが 有利. 自分: C (3, 3) (0, 5)• 相手に関しても同様 自分: D (5, 0) (1, 1) • 利得が (1, 1) になる. • 全体最適は,(3, 3)• どのようにすれば相互協力が実現するか → 進化ゲーム• プレイヤーの行動の基準 • 伝搬:利得が高い誰かの行動を真似る • 突然変異:レイヤーは気まぐれで行動を変える 3
  5. 5. 9.1.2 ネットワーク上の進化ゲーム進化ゲームのダイナミクス(p.197 図9.1 参照)(1) 初期条件(t=0)として,各頂点に C, D を確率 1/2 で割り振る(2) 各頂点は,隣人のそれぞれと利得表に従ってゲームを行なう(3) 各頂点について,隣人のそれぞれとゲームを行なって得た利得の合計を,自分の総利得とする(4) 戦略の更新を行なう.ノード v を無作為に選択し,隣人のうち最も利得の大きい人の戦略をコピー(5) t = 1 として,ステップ 2~4 を行なう(6) 以降 t=2, 3, … として続ける.ネットワーク全体での C, D の割合が一定値に落ち着いたら終了. 4
  6. 6. 9.1.3 空間的互恵性空間的互恵性 クラスターを作ることで生き残る仕組み• v1 が死ぬと,必ず D の戦略をコピーする• v2 が死ぬと,v1 の戦略ではなく v3 の戦略をコピーする• v3 が死ぬと,v2 の戦略ではなく v4 の戦略をコピーする• v4 が死ぬと,必ず C の戦略をコピーする⇒ 結果的に,状態は変化しないこれは,ノードがクラスターをなしていることに起因する 5
  7. 7. 9.1.4 スケールフリー・ネットワーク上の進化ゲーム• 次数の大きい頂点(ハブ)と,小さい頂点によって,ゲームの参加の仕方が異なる• スケールフリー・ネットワーク上では,ハブの方が圧倒的に有利 次数の大きい頂点(ハブ) 次数の小さい頂点 10 90 利得: 1 利得: 1 利得: T 利得: T 利得: 0 利得: 0 C ・・・・ ・・・・・・・・・ D 利得: 10 利得: 2T 戦略が C でも成立する 戦略が D でないと成立しない (参考)利得表 相手: C 相手: D 自分: C (1, 1) (0, 𝑇) 自分: D (𝑇, 0) (𝜖, 𝜖) 6
  8. 8. 9.1.5 進化ゲームの固定確率• 真似のみでゲームが進んだ場合,いずれグラフは • 全員が C • 全員が D のいずれかに収束する• ここで,全員が C になって終了する確率を,C の固定確率という• レギュラー・ランダムグラフにおいては,C の固定確率が大きいための条件が知られている [Ohtsuki, 2006] 7
  9. 9. ADGENDA •9.1 進化ゲーム •9.2 ランダム・ウォーク •9.3 カスケード故障 8
  10. 10. 9.2.1 ネットワーク上のランダムウォーク• 古典的なネットワーク上のランダムウォークは,数学や物理学などにおいて古くから調べられてい る• 今回対象にするランダムウォーク • 有限ネットワーク • 単純ランダムウォークネットワーク上での移動は,以下の推移確率行列で表現: 𝐴 𝑖𝑗 𝐵 𝑖𝑗 = 𝑁 𝑙=1 𝐴 𝑖𝑙ここで,次の制約条件が成立: 𝑁 𝐵 𝑖𝑗 = 1 𝑗=1ノード 𝑖 上にウォーカーが存在する確率 𝑃𝑗 𝑡 は,マスター方程式で表現 𝑁 𝑃𝑖 𝑡 + 1 = 𝑃𝑗 𝑡 𝐵 𝑗𝑖 𝑗=1 9
  11. 11. 9.2.1 ネットワーク上のランダムウォーク定常密度の計算定常密度に対して, 𝑁 𝑁 𝑃𝑖 ∗ = 𝑃𝑗∗ 𝐵 𝑗𝑖 ; 𝑃𝑖∗ = 1 𝑗=1 𝑖=1行列で書くと, ∗ ∗ ∗ ∗ 𝑃1 , 𝑃2 , … , 𝑃∗ = 𝑛 𝑃1 , 𝑃2 , … , 𝑃∗ 𝐵 𝑛参考:固有方程式 𝜆𝒑 = 𝒑𝐵 10
  12. 12. 9.2.2 ページランク• 枝に方向がある場合のランダムウォーク• ページランク以前:ネットワークに依存しない方法で決定• 検索エンジンの重要性 (i) ページと検索後の関連度 (ii) ページとネットワーク上の重要性(ex. 中心性)• Google は,ページランクを用いて,(ii) の計算を行なっているページランクが考えるウェブページの重要性の基準(p. 208, 図9.8)(1) 多くのページからリンクされるページは重要(2) 重要なページからリンクされるページは重要(3) 厳選されたリンクをう受けることは貴重ページランクの基準(連立一次方程式) 𝑁 𝑁 𝑁 𝐴 𝑗𝑖 𝑥𝑖 = 𝐵 𝑗𝑖 𝑥 𝑗 = 𝑁 𝑥𝑗 , 𝑥𝑖 = 1 𝑙=1 𝐴 𝑗𝑙 𝑗=1 𝑗=1 𝑖=1 11
  13. 13. 9.2.2 ページランク:dangling node への対応• WWW のネットワークには多くの dangling node(行き止まり)が存在している • 例)画像からなるページ• 今までのページランクの定義では,dangling node のいずれかにウォーカーが停滞してしまう• そこで,ウォーカーの挙動の定義を以下のように修正 (1) 確率 1-q で通常通りランダムウォーク(行き先が存在しない場合は,そこに留まる) (2) 確率 q で自身を含むランダムなノードにジャンプ• (2) により,dangling node に対応できる• 修正した確率遷移行列 𝑞 𝐴 𝑖𝑗 𝑖 がdangling nodeでない場合: 𝐵 𝑖𝑗 = + (1 − 𝑞) 𝑁 𝑁 𝑙=1 𝐴 𝑖𝑙 𝑞 + 1 − 𝑞 , (𝑖 = 𝑗) 𝑁 𝑖 が dangling node の場合: 𝐵 𝑖𝑗 = 𝑞 , (𝑖 ≠ 𝑗) 𝑁 12
  14. 14. 9.2.3 HITS• HITS: Kleinberg によって提案された新しい中心性オーソリティ度 𝑥 𝑖 とハブ度 𝑦 𝑖 𝑁 𝑁 𝑥𝑖 ∝ 𝐴 𝑗𝑖 𝑦 𝑗 , 𝑦𝑖 ∝ 𝐴 𝑖𝑗 𝑥 𝑗 𝑗=1 𝑗=1ベクトル表現 𝒙 ∝ 𝐴 𝑇 𝒚, 𝒚 ∝ 𝐴𝒙以下の更新式で収束計算 𝒙 𝑡+1 = 𝐴𝑇 𝒚 𝑡 , 𝒚 𝑡 + 1 = 𝐴𝒙 𝑡 + 1以下のように変形可能 𝒙 𝑡 + 1 = 𝐴 𝑇 𝐴𝒙 𝑡 , 𝒚 𝑡 + 1 = 𝐴𝐴 𝑇 𝒚 𝑡よって, 𝒙∗ = 𝒙 ∞ , 𝒚∗ = 𝒚 ∞ とすると, 𝒙∗ = 𝐴 𝑇 𝐴𝒙∗ , 𝒚∗ = 𝐴𝐴 𝑇 𝒚∗これは固有方程式なので,𝒙∗ は 𝐴 𝑇 𝐴 の最大固有ベクトル,𝒚∗ は𝐴𝐴 𝑇 の最大固有ベクトルになる 13
  15. 15. 9.2.4 情報探索• 6 次の隔たりでは,手紙の転送はランダムではなく,近い人を選んで送られる • グラフの最短距離が必ず選ばれるわけではない • どのような方法で人を探しているか明らかにする必要がある情報探索のルール• 正方格子を考える• 𝑟 −𝛼 に比例する確率でショートカットを張る 𝑟 −𝛼 に比例する• ウォーカーは,ターゲットにより近い場所に動く 確率でリンク形成平均到達時間 𝑇 の下限は 𝑁 𝛽 に比例 2−𝛼 , (0 ≤ 𝛼 ≤ 2) 3 𝛽= 𝛼−2 , (𝛼 > 2) 𝑟=5 𝛼−1 14
  16. 16. ADGENDA •9.1 進化ゲーム •9.2 ランダム・ウォーク •9.3 カスケード故障 15
  17. 17. 9.3 カスケード故障• ネットワークの枝には,物量が流れる場合がある • Ex. 航空網における人,電力網における電気,インターネットでのパケット,道路網での車• 許容量を超えた物量がノードを通る場合,そのノードは故障することがある• そうした場合に,他のノードにも負荷がかかり,連鎖的に故障が拡散する場合があるカスケード故障のダイナミクス(1) ある頂点 v を除去(2) v を除去したネットワークにおいて,再度各頂点の媒介中心性を計算(3) 容量を超えた頂点をすべて除去(4) 頂点を除去したネットワークにおいて,残った各頂点の媒介中心性を再計算(5) ステップ 3 とステップ 4 を,容量超過の頂点がなくなるまで繰り返す• 故障の連鎖の例(p. 222, 表9.2) 16

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