「IoTプラットフォームSORACOMと その開発の裏側」 株式会社ソラコム CTO 安川健太

1. IoTプラットフォームSORACOMと
その開発の裏側
株式会社ソラコム
Cofounder & CTO 安川 健太 博士（工学）
2016年4月25日
BPStudy #104

2. 自己紹介
安川 健太
Cofounder & CTO, SORACOM Inc.
略歴
AWS NoSQL Developer & SA
AWS Solutions Architect
Researcher at Ericsson Research
Twitter: @thekentiest
Facebook: https://fb.me/kenta.yasukawa
好きなSORACOMの機能
VPG, カスタムDNS

3. SORACOMに至るまで

4. Ericsson ResearchでIoTプロジェクト
“50 Billion Connected Devices”
引用元： https://gigaom.com/2010/04/14/ericsson-sees-the-internet-of-things-by-2020/

5. デバイスをIoT EnablerをつなぐGatewayなど
引用元： http://www.ericsson.com/research-blog/internet-of-things/headache-using-legacy-iot-devices/

6. あらゆるモノが繋がる世界の中心にはクラウドが

7. じゃあクラウドの中へ行ってみよう

8. 実感したこと：
あらゆるシステムはクラウドで
よりよく実現できる

9. だったら：
モバイルのコアネットワークだって
出来るはず

10. ある晩そうつぶやいたことが今思えば始まり

11. 「それを使って世界中のヒトとモノをつなげよう」

12. 株式会社ソラコム創業

13. 《 株式会社ソラコムのビジョン 》
世界中のヒトとモノをつなげ
共鳴する社会へ

14. IoT（Internet of Things）
インターネット クラウドモノ
New Normal
Connected
Devices

15. インターネット クラウドモノ
セキュリティ?
電力消費?
インターネット
接続？
端末管理?
モノ向けの
クラウド？
IoTの課題

16. 通信キャリアとMVNO
インターネットモノ 基地局 データセンター
MVNO(L2卸契約)
MVNO
ISP
パケット交換
帯域制御
顧客管理
課金・・・
ブランド
販売網
通信キャリア
専
用
線
接
続

17. 通信キャリアとMVNO
インターネットモノ 基地局 データセンター
MVNO
ISP
パケット交換
帯域制御
顧客管理
課金・・・
ブランド
販売網
通信キャリア
クラウドネイティブ設計
→大量の接続数でも
スケーラブル/高可用性

18. モバイルとクラウドが融合した
IoT向け通信プラットフォーム

19. 2015年9月30日発表
1日10円〜、モノ向け通信サービス
SORACOM Air

20. インターネット
SORACOM Air
NTTドコモ
の交換局
API
Webコンソール
① SIMを購入して
モノに挿す
②Webから
コントロール
お客様
③APIで自動化

21. ユーザコンソール

22. API Reference

23. API: POST /v1/subscribers/44010xxxxxxxx/update_speed_class
↓
# JSON のフィールドを直接指定
$ soracom subscribers update_speed_class --imsi 44010xxxxxxxxxx
--speed-class=“s1.fast”
# JSON 文字列で指定
$ soracom subscribers update_speed_class --imsi 44010xxxxxxxxxx
--body=“$(jo speedClass=s1.fast)”
# ファイルで指定
$ soracom subscribers update_speed_class --imsi 44010xxxxxxxxxx
--body=@newspeedclass.json
# 標準入力から読み込み
$ jo speedClass=s1.fast | soracom subscribers update_speed_class
--imsi 44010xxxxxxxx --body -
CLIも提供

24. SORACOM Airはモノをクラウドに直接繋げる

25. 繋がったその先は？

26. SORACOM Beam – データ転送支援
専用線
インターネット サービス
サーバA
サーバB
リスク？
クラウドの潤沢な
リソースで
暗号化
安全
HTTP->HTTPS
MQTT->MQTTS
TCP -> TCP over SSL
UDP -> HTTPS
…
NTTドコモ
の交換局
モノ 基地局

27. IoT通信の標準共通基盤としての特徴を備える
•1日10円〜の従量課金
• スモールスタートでき、必要に応じてスケール
•IoTデバイスを監視/管理でき、運用を楽に
• プログラマブルなAPI提供
プラトフォームとしてのSORACOM

28. アワードを多数受賞！

29. 日経コンピュータ 2016年3月号
ミライITアワード2016
プラットフォーム部門
IoTでソラコムが受賞！
http://corporate.nikkeibp.co.jp/information/newsrelease/20160303.shtml

30. 1/27には初の自主開催カンファレンス！

31. 同日に大盛況のSORACOM UG #1 ！

32. リリース4ヶ月で
1500以上のお客様・パートナー様に
ご利用いただいています

33. i
1500以上のお客様がSORACOMを利用
（2016年1月時点）

34. お客様事例: Safecast様 (NPO)
放射線情報の
オープンマップに
SORACOM Air

35. お客様事例: パルコ様
クラウドにデータを
セキュアに送信
リアルタイムに可視化
客層分析に
SORACOM Beam時間軸
男性/年代別
女性/年代別

36. お客様事例: 十勝バス様
路線バスの運行案内に
SORACOM Air

37. お客様事例: Canon様
安定度の高いセキュアな回線
イノベーティブなサービス
事務機器でも
SORACOM Airで
実証実験
キヤノン株式会社 映像事務機
器事業本部映像事務機器DS開
発センターセンター長
甲谷英人様

38. お客様事例: 東急ハンズ様
実際に障害が起こった時
のみの従量課金
店舗システムの
バックアップ回線に
SORACOM Air
株式会社東急ハンズ 執行役員
オムニチャネル推進部長
長谷川秀樹様

39. IoTプラットフォームに求められるセキュリティ

40. •通信内容が盗み見られてしまうの
では？
•デバイスに外部からアクセスされて
しまうのでは？
•デバイスの認証情報が漏れてし
まったら
よく聞かれるセキュリティ上の懸念

41. SORACOMを活用したIoTシステムの場合
専用線
Beamで暗号化＆
認証情報付加デバイスはSIMで認証
（サーバへの認証情報は
持たせない）
State-full Firewallが
デバイスへの直接通信
は遮断
AirでSORACOMと
安全な通信路SIMの耐タンパ性
デバイスの認証
情報を盗もう
間で通信を
盗み見よう
デバイスにリモート
アクセスしてやろう
IoT
バックエンド
The Internet

42. • IoTバックエンドのエンドポイントを公開するリスク
• デバイス側にマルウェア等が仕込まれることのリスク
残るセキュリティ上の課題
IoT
バックエンド
IoTバックエンドを
攻撃しよう
デバイスにマルウェ
アを仕込もう
情報漏えい
第3者への攻撃加担
サービス妨害
システム侵入
The Internet

43. The Internet に出ない
閉じたIoTシステムは作れないのか？
IoT
バックエンド

44. AWS
閉域網(VPC)
SORACOMと閉域網の間でプライベート接続、
インターネットを介さず、セキュアにデータ通信
SORACOM Canal
SORACOM
Canal
専用線専用線
NTTドコモ
の交換局

45. IoTバックエンドがAWS外に
ある場合はどうすればよいのか？

46. SORACOM Direct
パブリッククラウド
SORACOMとAWS外のクラウドやDCを
専用線で接続するサービス
AWS
SORACOM
Direct
専用線専用線
NTTドコモ
の交換局
プライベートクラウド

47. 日本電気株式会社(NEC)様のβ評価事例
加工 分析
IoT
プラットフォーム
セキュア
ブラウザ
行動
ログ
システム
ログ
データ整理＆送信
営業現場
操作ログ
分析システム渉外担当者(営業員)の
端末操作ログ収集・分析ソリューション
閉域接続
“お客様の個人情報や営業秘密情報を含む渉外端末の操作ログであるため
閉域を手軽に実現できるソラコム社のCanalが適しています”

48. • SORACOM Directでデバイスと
オンプレミス, AWS, Azure上のシステムと閉域網接続
NRI様事例：オンプレ＆マルチクラウド接続
SORACOM
Virtual Private Gateway
(VPG)
オンプレミスサーバ
AWS
Direct
Connect
NRI様
ルータ
Microsoft Azure vNet
Azure
Express Route

49. Canal / Directで広がる新たな選択肢
専用線
公開された
システム
The Internet
SORACOM Beam
公開システムに安全に
アクセス
SORACOM Canal
AWS上のシステムと
Peering
SORACOM Direct
AWS外のシステムと専
用線接続
Beam
AWS
AWS内の
非公開なシステム
Peering
Canal
AWS外の
非公開なシステム
Direct

50. •VPGの作成・設定変更・削除もAPIで！
CanalのVPG API始めました！

51. APIで出来るようになったので
セットアップ料金と設定変更料金
を改定します！
VPGセットアップ料金: 9,800 円
Canal設定変更料金: 9,800 円
980 円→
0 円→

52. SORACOM Endorse

53. SORACOM Endose – 認証サービス
1.認証トークンを要求
SORACOM
Endorse
2.認証トークンを発行
3.認証トークンを送信
4.公開鍵で
トークンを検証
利用者の
サーバ
デバイス

54. • WiFi オフロード
• SIM でデバイス認証し、Wi-Fi 利用可であればそれを
• 業務システムへのログイン
• ログインの際、Endorse トークンを利用
• 多要素認証
• Endorseトークンを、さらなる認証キーに
SORACOM Endorseの利用例

55. IoTでセキュリティは必須
SORACOM Endorseで
SIMを
多様な認証に活用できる！

56. さらに円滑にクラウドサービスと
連携するには

57. SORACOM Beamは汎用データ転送支援サービス
クラウドサービス連携するには足りない部分の補完が必要
クラウドサービス連携時の課題
各種クラウド
サービス
簡易なプロトコル
プロトコル変換
認証ロジック
バッファリング
エラー処理
SORACOM Beam

58. SORACOM Funnelはクラウドリソースアダプタ
認証情報とリソース指定だけでクラウド連携を実現
SORACOM Funnel
認証情報
各種クラウド
サービス
簡易なプロトコル
プロトコル変換
認証ロジック
バッファリング
エラー処理
TCP
UDP
HTTP
SORACOM Funnel

59. ３種のクラウドリソースアダプタに対応
Amazon Kinesis Stream
Amazon Kinesis Firehose
Azure Event Hubs
TCP
UDP
HTTP
暗号化
認証情報の付与
AWS Lambda
Kinesis App
Amazon S3
Amazon
Redshift
Stream Analytics
Power BI
Machine
Learning

60. リリースから5ヶ月
Greetings*
Horoscope*
* 2016/4/1発表

62. プレスリリース（嘘）

64. パートナー企業様の
熱いエンドースメント（嘘）

66. SORACOM Greetings
SORACOM Horoscope

67. ↑↑↓↓←→ ←→ b a

68. 4/6 現在も動く（本当）

69. お客様フィードバックを基に
新サービス & 新機能 開発に注力
リリースから5ヶ月で
サービス6個 (8個？)リリース
新機能発表 9回、値下げ発表 3回

70. SORACOMの裏側

71. SORACOM Team
We develop
We operate
We support

72. 1日1回30分の全体Sync
それ以外はSlackで非同期連携

73. Sync meeting: appear.in
↓オフィス
←
リ
モ
ー
ト
組
（
自
宅
・カ
フ
ェ
等
)

74. タスク管理：GitHub Issues + Waffle.io

75. SORACOMのアーキテクチャ

76. パケット転送
帯域制御
アクセス制御
Beam処理
回線・セッション管理
認証
課金
イベント通知
API
コンソール
Polaris
Dipper
Hubble
監視・デプロイ

77. PolarisとDipper
マイクロサービス化された
機能コンポーネント群
セッション管理 認証 課金
API Gateway
User Data
API
API
User Data
パケット転送
帯域制御
…
Amazon DynamoDB

78. • SORACOMという大きなサービスは構成要素となる小
さなサービス（マイクロサービス）とそれを実装するコ
ンポーネントが疎結合されて構築される
• 各マイクロサービスやコンポーネントごとにPrimary
Ownerがいて、Ownershipを持って開発・メンテナン
ス・運用に携わる
• 各コンポーネントはそれぞれAPIを通じて連携するため、
APIについては他のコンポーネントOwnerとしっかり連
携、APIの裏側については開発スピードを重視してそれ
ぞれに適した実装方法を導入
基本原則

79. チームもアーキテクチャも
普段は疎結合で非同期

80. インテグレートすることで
大きな力を発揮します
↑Beam MQTT開通時
↓インテグレーション
成功時はお寿司

81. 《 “F”ができるまで 》

84. ☓ ファンネル
○ ファネル
意味: 漏斗(ろうと)→
Funnel？
SORACOM Funnel

85. 昨年10月のslackから

86. 実はサービスロンチの約1週間後
C〜Fのサービスが確定してた

87. 《 月日が流れ 》

88. 12月の中旬、大体の仕様が固まる

89. •データやコンフィグの形式
•実装するパーツ
• クレデンシャルを安全に保存する
• データをデバイスから受け取る
•データをクラウドサービスに流す
•結合テストのタイミング→年明けすぐ
イベントの２週前には動いている状態にしたい
EDD(Event-Driven-Development)
決まった事

90. 《 そして年が明けた 》

91. 1/7 年明け初の結合テスト
…なんと一発で繋がってしまった
「試しにデータ投げてみますか？」

92. 《 さらに翌週 》

93. 1/13 本番環境で端末から Funnel 開通
仕様決定から約一ヶ月

94. ただし年末年始があったので正味２週間

95. ↓この人の正直な感想
「仕様をwikiに書いただけ
なのに、いつの間にか
サービスが出来上がって
胸熱！」

96. •あらかじめAPIやデータフォーマットなどの仕様が
ほぼ決まっていた(細かい変更は適宜すり合わせ)
•小さなパーツをそれぞれ一人で作るので効率が良い
(しかもなるべく楽に作るようにする)
•直接会話はしてないが Sync や Slack でお互いの状
況が分かっていた(Slackの個人チャンネルで考えて
る事とか試している事をdumpしている)
考察：なぜうまくいったか

97. •ソラコムを立ち上げるまで
•SORACOMの概要
•SORACOMの各種サービスと事例
•SORACOMの裏側
•疎結合なアーキテクチャ
• 疎結合な開発チーム
•非同期な連携でスピードとWLバランスを両立
まとめ

98. 告 知

99. Software Design 5月号
SORACOM SIM付き

100. SORACOM SD販売記念リレーブログ
期間：4/18 – 5/18
テーマ：
「SORACOM使って何か
やってみた」

101. ラズパイ×ソラコムキャンペーン
超音波センサー
ハンズオン全部キット
1. ラズパイ有 キット 14,480円
2. ラズパイ無 キット 9,800円
(税/送料別)

102. •5/11- 5/13 IoT/M2M展 @東京ビックサイト
※5/13 CEO玉川講演
「Connecting the next 20 billion things」
•5/26 初めてのSORACOM @渋谷ヒカリエ
•7/13 自社開催 “Discovery” @新宿ベルサール
▼イベントの詳細はWebサイトをご確認ください。
https://soracom.jp/press/#event
Save the date

103. 《 株式会社ソラコムのビジョン 》
世界中のヒトとモノをつなげ
共鳴する社会へ

104. SORACOM Getting Started
https://soracom.jp/start/