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[修士論文要旨] 入力支援機能を備えた日本語表記による初学者向けプログラミング学習環境の構築
- 1. 入力支援機能を備えた日本語表記による
初学者向けプログラミング学習環境の構築
2006年1月
大阪市立大学大学院 創造都市研究科 都市情報学専攻 情報基盤研究分野
M04UC507 中村亮太 (NAKAMURA,Ryota)
論文要旨
中学、高校、大学で一般情報処理教育として、リテラシー中心の教育が行われており、
プログラミング教育はあまり実施されていない。しかし、一般情報処理教育でプログラミ
ング教育を行うべきだと「日本の情報教育・情報処理教育に関する提言 2005(情報処理学
会情報処理教育委員会)」で、プログラミング教育の重要性とともに述べられている。ま
た、この提言で述べられているプログラミング教育は、プログラムを記述し動かすといっ
たことを体験することや、「プログラミングとは何か」を理解してもらうことを目標とし
ている。
本研究では、上記の目標達成に適したサポートツールとして、入力支援機能を備えた日
本語表記による初学者向けプログラミング学習環境 PEN (Programming Environment
for Novices)を構築した。PENで動作するプログラミング言語には、初学者がとっつきや
すいよう、日本語で表現されたプログラム言語xDNCL言語を用いた。xDNCL言語は、
大学入試センターの「情報関係基礎」で用いられている手順記述言語DNCL、および、
DNCLをもとに作られた東京農工大の入試用手順記述言語TUATLEをベースに拡張し
た言語である。また、キー入力に慣れていないプログラミング初学者でも、簡単にプログ
ラムが記述できるよう、プログラム入力支援ボタンやインデント自動挿入といった入力支
援機能を備えた。また、記述したプログラムがどのようにして動いているかを観察できる
ようステップ実行機能、スロー実行機能、変数表示機能といった実行制御/状態表示機能
をPENに実装した。
今回、本研究で構築したPENの有効性を確認するため実験を行った。実験結果より、入
力支援機能を用いることにより、利用者のキー入力数を大幅に減らすことが確認できた。
また、大阪学院大学の情報学部の専攻科目「プログラミング演習」と、大阪市立大学の2部
の共通教育科目「情報処理I」にて、PENを使用した授業を行い、アンケート調査を行っ
た。アンケート調査の結果、肯定的な意見が多く見られ、プログラミングに興味を引き付
ける役割を果たせられたと推測する。