農業生産物の選択の幅を広げるノーバ(農場)
~日本の農業を魅力あるものにするIT利活用~
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NPO法人ブロードバンドアソシエーション スマートプラットフォームフォーラム
データ・コンテンツ分科会 主査:庄司昌彦(国際大学GLOCOM主任研究員)
Linked Open Data Challenge 2014
(主催:LODチャレンジ実行委員会)
アイデア部門51作品の中から優秀賞に選出!
参考:Uberification(ウーバリフィケーション)/シェア経済
とNober(ノーバ、農場)
• 近年、「シェア」を価値観とするサー
ビスがいくつも登場
• 先進事例は、従来は十分に活用
されていなかったものを識別(区
別)し、双方向に評価情報を付
加することで、これまでにないマッチ
ングを生んでいる
• 農産物も、従来は消費者の選択
肢にはなっていなかった「品種」をよ
り細かく識別し、消費者とマッチング
し、双方向に評価情報を付加する
ことで、新たな流通が生まれるはず
• 例:Uber
– スマホアプリによる予約システムや事
前登録によるクレジットカード決済な
どを利用したタクシー配車サービス
– uberX: 一般車・ドライバーの時
間と空間を有効活用
– 運転者と乗客を識別し、マッチングし、
双方向評価
• 例:Airbnb
– 一般人の所有する空き部屋や空間
を活用した宿泊予約サービス
– 宿泊場所提供者と宿泊者を識別し、
マッチングし、双方向評価をする
・双方の思いが
伝わっていない。
・情報の双方
向化が必要
生産者・消費者間の情報アンマッチと解決提案
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得たい情報
・安くて安心な食材、高付加価
値品はなにか、どこにあるか
・食品情報
(栄養素、アレルギー、調理法、
カロリー量)
・ ・こだわり食材、特売情報などの
「ストーリー」
伝えたい情報
・欲しい作物
得たい情報
・売り先
・消費者の評価
→インセンティブの向上
(新品種への取組み,ブランド化)
伝えたい情報
・おいしい食べ方、産地ならではの
食べ方・使い方
消費者生産者
• 生産物に対する情報体系を整理
• 生産者、消費者間の双方向情報流通を実現す
るオープンな仕組みを作る
– 生産コード、品種情報、機能性野菜表示等を付加
• 価値
– きめ細かな流通に寄与
– 食材活用情報サイトの新サービス展開に寄与
提案
品種
A
品
種C
品
種E
消費
Xさんは今日はトマトパスタ
を作ることにした。が、
店先では最適な品種を
確認することは出来ず、
トマトとして選ぶことになる。
生産
品種D
品種
B
品種D
品種Z
作物情報の現状
流通
品種
A
トマト全体
生産者は品種に基づいて
生産しているが
品種
A
品種B
流通段階では品種を表す
情報コードがなくトマトという
野菜名で扱われる。
トマト
パスタに
適した品
種
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+
生産者(農家名、場所、連絡先等)、
機能性表示、収穫・出荷時期、収穫量、
販売価格 等
生産情報
生産者は品種情報を含む生産物情報に加え生産者情報、収穫時
期、収穫量、販売価格などの情報を付加して生産情報を作成する。
生産情報
生産物情報
+生産物情報
商品コードに対応する商標をと品種登録番号との紐付けが課題
+
メタ情報
活用法、機能性表示
等
品種登録番号
X X X X X
青果標準商品コード
(ベジフルコード)
X X X X X
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生産者
・情報提供
・評価の受取り
加工・外食の期待
検索と活用、 活用の評価
消費者
検索と活用
活用の評価
Noberの機能概要
評価
流通業者
・ 生産物の売買
トレーサビリティとの整合
登録
検索
収集
検索
収集
評価
・ 生産情報の登録・データベース化
・ 品種番号、商標情報、標準コード紐付け
・ 検索、生産情報とのマッチング、出力
・ 検索ログ蓄積と生産者へのフィードバック
・ 流通状況データの日々更新
・ 流通業者、アプリケーション開発者への
生産情報のオープン化
消費者連携アプリ
レストラン紹介
レシピ紹介
多種
少量 多方面
収集
収集
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各プレイヤーのメリット
• 消費者情報が見えることによるマーケットの拡大
• 販売機会の新規発見による収入増
• 消費者評価によるやりがいの向上
生産者の
メリット
• 少量多品種多方面流通ネットワークの誕生
• 付加価値サービスの増加
• バリューチェーンの確立
流通・外食
の
メリット
• 安心安全
• 適切な食材・ブランド食材の選択が可能
• レシピの増加
消費者の
メリット
情報サイト との連携
レシピ
サイト
生産者 消費者
ニタキコマという品
種がある。生産者
Aさん、近くのBスト
アで買える
トマトの使い方
生産情報
を登録
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Nober
レストラン
レストラン
情報サイト
低カリウム野菜を扱っ
ているレストラン
トマトを煮込んだイタリアン料理を作りたい(レシピサイトとの連携)
アレルギーのある方が友人と食事するレストランを探す(レストラン情報サイトと連携)
消費者
小売
卸
物流
加工メーカ
農林水産業
ノーバ
マッチング
プラットフォーム
食農インフラ
農産物分野におけるIT利活用による
食のバリューチェーン構築
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食・農業分野を俯瞰したIT利活用のゴール:
食のバリューチェーンに関わるすべてのプレイヤーが共通データを活用し、
それぞれ必要な情報をタイムリーに利活用出来るシーンの実現

農業生産物の選択の幅を広げるノーバ(農場)

Editor's Notes

  • #9 生産物に品種情報が加味された情報コードが付くことにより、生産者、消費者、加工/外食事業者間で、生産物情報が直接コネクトすることが可能となる。 農業生産消費マッチングシステムを名づける。 生産者は自分の作物の情報をマッチングシステムに登録する。 消費者・加工/外食事業者は食材の検索としてマッチングシステムを活用する 消費者は感想、口コミを直接生産者へ返すことも可能とする。 生産者の期待  システムを通して  ・消費者ニーズが見えることによるマーケティング力の向上が図れること  ・販売機会の拡大による安定供給と収益増  ・消費者レスポンスによるブランド力・差別化の強化  ・評価によるやりがいの向上 消費者の期待 ・安心・安全 ・生産物の情報比較の充実(調理向け、味、) ・ブランド店使用と同じ作物の選択可能性 ・農家からの情報提供による消費価値の高まり 加工の期待 ・安心・安全 ・専門性のある食材の選択確保 ・消費者への付加価値の提供 が想定されます。