Successfully reported this slideshow.
Your SlideShare is downloading. ×

誰が選挙公報を見るのか - 無党派性と政治的有効性感覚に着目した日韓比較 (修正版)

More Related Content

Related Audiobooks

Free with a 30 day trial from Scribd

See all

誰が選挙公報を見るのか - 無党派性と政治的有効性感覚に着目した日韓比較 (修正版)

  1. 1. 誰が選挙公報を見るのか 無党派性と政治的有効性感覚に着目した日韓比較 ソン 宋 ジェ 財 ヒョン 泫 神戸大学法学研究科・博士課程後期課程 <jaehyun.song@stu.kobe-u.ac.jp> 2015 年 5 月 28 日 (木)
  2. 2. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 背景 研究の背景 争点投票の条件(Campbell et al. 1960) 1 有権者が争点を認知 2 その争点が有権者にとって重要であると認識 3 どの候補者 (政党) が自分の選好と最も近いかを認知 選挙公報は各候補者の政策を判断するに最も豊富な情報を含 んでいる媒体の一つ 図: 低下する選挙公報の接触率 (明推協調査) SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 2 / 17
  3. 3. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 背景 リサーチ・クェスチョン Research Question 誰が選挙公報を読むのか。 党派性と政治的有効性感覚は選挙公報接触にどのような影響 を与えるか。 政治的文脈による違いはあるか。 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 3 / 17
  4. 4. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 政治的情報接触 政治的情報接触 合理的な人は無知? (Downs 1957) 政治的情報の獲得はコストを伴うため、合理的有権者は能動的に 政治的情報を獲得するインセンティブがない しかし、我々の周りにはニュースを観る人も、選挙公報を見る人もいる。 なぜ見るか? 誰が見るか? 政治的情報獲得の規定要因 (Luskin 1990; Bennet 1995 など) 動機 党派性 (先有傾向) を持つ有権者が自分の都合の良い 情報に接触 (Lazarsfeld et al. 1944; 山田 2012 など) → 選択的接触 能力 教育水準 ∝ 政治的情報接触 (Deli Carpini and Keeter 1996; 稲葉 1998; 境家 2006 など) 機会 副産物理論 (Popkin 1991; Baum 2002 など) SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 4 / 17
  5. 5. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 先行研究の問題・限界 先行研究の問題・限界 選挙公報に焦点を当てた研究の不在 選挙公報は直接キャンペーンでありながら (境家 2006)、メ ディアのような経路 政治的知識の高さ=接触の多さ? 接触 (フロー) と蓄積 (ストック) は必ずしも一致しない 動機と能力はそれぞれの経路で情報接触を促す? 1 動機も能力もある → 選挙公報を読む 2 動機も能力もない → 選挙公報を読まない (選挙公報は全有権者に送られるため機会は平等) 3 動機はあるが、能力がない → ? 4 能力はあるが、動機がない → ? SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 5 / 17
  6. 6. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 仮説 仮説 1 強い無党派性は「動機なし」か? 無党派層の中には支持政党ではなく、政策を見て投票する有 権者も混在 (Tanaka 1999; 田中 2003) 無党派層の中で高い能力を有する者は、より積極的に政治的 情報を獲得 「能力」として「内的政治的有効性感覚」 教育水準より主観的・同じ学歴の中でも能力の分散は存在 仮説 1 無党派層の中で高い内的政治的有効性感覚を持つ有 権者は選挙公報接触傾向が高い SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 6 / 17
  7. 7. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 仮説 仮説 2 「能力」は常に正の影響を与えるか? 党派性を持つ有権者において高い主観的能力は投票決定をよ り強化 むしろ政治的情報を獲得するインセンティブが低下 仮説 2 高い内的政治的有効性感覚を持つ「支持政党あり」 層は選挙公報接触傾向が低い SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 7 / 17
  8. 8. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 データ データ 日本 JES IV 第 5・6 波 第 22 回参議院議員通常選挙前後調査 (2010 年 5 月∼8 月) N = 1,856 (1,177) 韓国 第 19 代国会議員選挙有権者調査 第 19 代国会議員選挙後調査 (2012 年 4 月) N = 1,000 (735) 欠損値は listwise で除去 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 8 / 17
  9. 9. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 変数 変数の操作化 (鍵変数) 従属変数:選挙公報接触 韓国 あなたは今回の選挙における投票決定のための政党 や候補者情報をどのような方式で入手しましたか。 日本 選挙期間中にさまざまな情報に接触する機会があっ たことと思いますが、この中で選挙について役立っ たと思われるものを次の中から選んでください。 独立変数 1:無党派性 0:支持政党あり; 1:弱い無党派層; 2:強い無党派層 独立変数 2:内的政治的有効性感覚 因子得点 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 9 / 17
  10. 10. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 変数 統制変数 性別 (0 = 男性; 1 = 女性) 年齢 教育水準 (標準化) 世帯収入 (標準化) 外的政治的有効性感覚 国ダミー (0 = 韓国; 1 = 日本) SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 10 / 17
  11. 11. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 分析モデル 分析モデル モデル I 交差項なし モデル II 鍵変数と国の交差項 モデル III 鍵変数間と国の交差項 ロジスティック回帰分析 全ての鍵変数には国ダミーとの交差項を投入 分析結果、最も改善されたモデル (AIC, BIC, AUC 基準) であ る モデル III のみを解釈 モデル間の適合度比較 Model AIC BIC AUC Model I 2391.376 2396.932 0.645 Model II 2370.590 2376.146 0.657 Model III 2365.117 2370.673 0.660 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 11 / 17
  12. 12. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 分析結果 分析結果 弱い無党派性 強い無党派性 内的有効性感覚 弱い×内的 強い×内的 弱い×日本 強い×日本 内的×日本 弱い×内的×日本 強い×内的×日本 日本 -1 -.5 0 .5 Coef. S.E. 無党派性  弱 0.408∗∗∗ (0.068)  強 0.355∗∗∗ (0.087) 内的有効性 −0.136∗∗∗ (0.025) 無党派性  弱 × 内的 0.109∗∗ (0.035)  強 × 内的 0.361∗∗∗ (0.002) 無党派性  弱 × 日本 −0.690∗∗∗ (0.062)  強 × 日本 −0.852∗∗∗ (0.010) 内的 × 日本 0.494∗∗∗ (0.011) 無党派性  弱 × 内的 × 日本 −0.260∗∗∗ (0.021)  強 × 内的 × 日本 −0.537∗∗∗ (0.015) 外的有効性 0.105† (0.057) 性別 0.120† (0.064) 年齢 0.012 (0.013) 教育 0.216† (0.118) 収入 0.009 (0.010) 日本 −0.784∗∗∗ (0.133) 切片 −0.854 (0.601) N 1912 Note :†< 0.1;∗∗ < 0.01;∗∗∗ < 0.001 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 12 / 17
  13. 13. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 分析結果 予測確率 (無党派性) 内的有効性 = -2SD .1.2.3.4.5.6 PredictedProbability Having PID W.IDPDT S.IDPDT Korea Japan 図: 予測確率 内的有効性 = 0 .2.3.4.5.6 PredictedProbability Having PID W.IDPDT S.IDPDT Korea Japan 図: 予測確率 内的有効性 = +2SD .2.3.4.5.6.7 PredictedProbability Having PID W.IDPDT S.IDPDT Korea Japan 図: 予測確率 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 13 / 17
  14. 14. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 分析結果 予測確率&限界効果 (内的政治的有効性感覚) 支持政党あり .1.2.3.4.5.6 PredictedProbability -2 -1 0 1 2 Internal Efficacy Korea Japan 図: 予測確率 -.050.05.1 MarginalEffectonPredictedProbability -2 -1 0 1 2 Internal Efficacy Korea Japan 図: 限界効果 弱い無党派性 .1.2.3.4.5.6 PredictedProbability -2 -1 0 1 2 Internal Efficacy Korea Japan 図: 予測確率 -.020.02.04.06 MarginalEffectonPredictedProbability -2 -1 0 1 2 Internal Efficacy Korea Japan 図: 限界効果 強い無党派性 0.2.4.6.8 PredictedProbability -2 -1 0 1 2 Internal Efficacy Korea Japan 図: 予測確率 .02.03.04.05.06.07 MarginalEffectonPredictedProbability -2 -1 0 1 2 Internal Efficacy Korea Japan 図: 限界効果 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 14 / 17
  15. 15. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 結論 結論&含意 無党派性と内的政治的有効性感覚の相互作用 仮説 1: 両国において支持 仮説 2: 韓国のみ支持 内的政治的有効性感覚は無党派性を媒介して異なる方向・程 度の効果 無党派層に対する肯定的評価 日韓の違い 日本 内的政治的有効性感覚は一貫して正の関係。ただ し、無党派性が強くなるほど係数が低下 韓国 強い無党派層において内的政治的有効性感覚は正、 支持政党あり層では負の影響 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 15 / 17
  16. 16. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 今後の課題 今後の課題 理論と仮説 理論の貧弱さ なぜそもそも日本の選挙公報接触率は (相対的に) 低いのか → 無党派層の質的な違いがあるのか → 参議院選挙という要因? (second-order election) 内的政治的有効性感覚の影響が日韓間でほぼ反対 → 更なる比較が必要? 方法上の問題 二カ国比較の限界 マルチレベル・モデル?(収束できず…) SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 16 / 17
  17. 17. はじめに 先行研究 仮説 データ 分析 おわりに 付録 付録 記述統計量 変数 国 N Mean Min Max SD Description 選挙公報接触 日 1177 0 1 0 = 833; 1 = 334 韓 735 0 1 0 = 387; 1 = 348 無党派性 日 1177 0 2 0 = 877; 1 = 251; 2 = 49 韓 735 0 2 0 = 372; 1 = 122; 2 = 241 内的有効性 日 1177 0.061 -2.743 1.451 0.978 韓 735 0.006 -3.379 1.917 1.010 外的有効性 日 1177 0.064 -3.293 2.101 1.018 韓 735 -0.010 -3.232 1.228 1.015 女性 日 1177 0 1 0 = 610; 1 = 567 韓 735 0 1 0 = 383; 1 = 352 年齢 日 1177 55.70 22 95 15.500 韓 735 44.94 19 85 14.47 教育 日 1177 -0.020 -1.561 1.540 0.998 韓 735 0.047 -2.009 2.017 1.009 所得 日 1177 0.015 -1.341 2.830 1.001 韓 735 0.053 -1.552 2.081 0.994 SONG Jaehyun Who Cares About Manifesto? – A Comparative Study of Japan and Korea – @ 神戸大学政治学研究会 17 / 17

×