【JSTQB_ALTM】シラバス第3章
- 2. 3.1:イントロダクション
• レビュー = 静的テスト = テストの一種
• 故に、(PJの成功のために)TMが担う責任の範疇
• TM以外で、レビューに対して責任を担うロール
• 品質保証マネージャ、レビューコーディネータ etc…
レビューの責任を担う人=レビューリーダー と定義する
• レビューリーダーが行うこと
• PJが成功に近づくための環境の確保
• レビューが効果的な価値をもたらすための測定計画の作成
- 4. 3.1:イントロダクション
# レビュー種類 説明
1 契約レビュー プロジェクトの開始時および主要なプロジェクトマイルストンで開始する。
2 要件レビュー
要件がレビューのために準備できた際に開始する。
理想的には機能要件と非機能要件を網羅する。
3 基本設計レビュー 全体的なアーキテクチャ設計がレビューのために準備できた際に開始する。
4 詳細設計レビュー 詳細設計がレビューのために準備できた際に開始する。
5 コードレビュー
ソフトウェアの各モジュールが作成された際に実行する。
ユニットテスト、その結果、およびコード自身を含むことがある。
6 テスト成果物レビュー
テスト計画、テスト条件、品質リスク分析結果、テスト、テストデータ、テスト環境、
およびテスト結果を含むことがある。
7 テスト開始・終了レビュー
開始レビュー→テスト実行を開始する前にテスト開始基準をチェックする。
終了レビュー→テストを終了する前にテスト終了基準をチェックする。
8 受入レビュー システムに対する顧客またはステークホルダの承認を得るために使用する。
• レビューの種類
- 8. 3.2:マネジメントレビューと監査
• ソフトウェアプロセス(not ソフトウェア成果物)に重点を置く
マネジメントレビュー 監 査
・進捗状況のモニタリング
・ステータスの評価
・対応の意思決定
目的 ・基準に対する準拠を示す
・PJ や システムの責任者(or代理)
・ステークホルダや意思決定者(or代理)
実施者 ・監査リーダー
・計画との整合性や逸脱のチェック
・マネジメント手順の妥当性のチェック
・PJリスクの評価
・アクションの影響とその測定方法の評価
実施内容
・標準の準拠のエビデンスを収集
(ヒアリング、観察、ドキュメント検査を通じて)
・アクションアイテムのリスト
・解決すべき課題のリスト
・行うべき意思決定のリスト
主な成果物 ・観察事項、勧告、是正措置、合否アセスメント
- 10. 3.3 レビューのマネジメント
• レビューのポイント
• タイミング:PJの適切な区切りで実施
※要件と設計の定義後の実施が一般的
• 範 囲:ビジネスの目的~プロダクトの詳細設計まで
• 戦 略:テストポリシーやテスト戦略と適合していること
• 最適なレビュー実行タイミングの判断基準
• レビュー対象アイテムの完成度合い
• レビュー適任者の参加可能性
• アイテムの最終版が利用できるタイミング
• レビュープロセスにかかる時間
- 12. 3.3 レビューのマネジメント
• レビューの投資効果について
• ①「レビューを行うためのコスト」
• ②「レビューを行わず、後工程で欠陥検出&対処するコスト」
• ①と②のコスト差=レビューの投資効果
• 品質コストの考え方(2.7節)が適用できる ※以下再掲
# カテゴリ 詳細(例)
① 予防コスト 保守性・セキュリティに優れたコードを記述するような開発者へのトレーニング
② 評価コスト テストケースの記述、テスト環境の構成、要件のレビュー
③ 内部失敗コスト 提供前の、テストまたはレビュー期間中に検出した欠陥の修正
④ 外部失敗コスト 顧客に提供した欠陥ソフトウェアに関連するサポートコスト
- 13. 3.3 レビューのマネジメント
• レビューのためにテスト計画時に定義すること(※)
• レビュープロセスの目的
• レビューを評価するためのメトリクス
• レビューは、システム全体に対して繰り返し行う
• 回数、タイプ、参加者などは、PJの規模や複雑性、リスクに依存する
• レビューの参加者に求められるもの
• 「技術」と「手順」両方の知識
• 細部に対する完全さと注意力
• 明確かつ正しく優先度付されたレビューコメント
これらの実現のため、トレーニングが必要になることがある
- 15. 3.3 レビューのマネジメント
• 公式レビューを実施する場合に確認すべき事項
• 参加者からの適切な測定指標の提供による、レビューの効率的な評価
• 将来のレビューに備えたチェックリストの作成およびメンテナンス
• 欠陥マネジメントのための、欠陥の重要度および優先度の付け方の定義
• 各レビュー実施後に対応すべき事項
• レビューメトリクスの収集
• 識別された課題が、レビューの目的に沿って解決されたことの確認
• レビューメトリクスを使用した、投資効果の確認
• フィードバック情報をステークホルダに提供
• フィードバック情報をレビュー参加者に提供
- 16. 3.3 レビューのマネジメント
• レビュー効果の評価方法について(1/2)
• レビューレポートの結果と、レビュー後のテストで検出した結果を比較
するといい
• レビューで承認したが後工程で欠陥を発見した場合、欠陥を見逃し
たレビュープロセスを改善する必要がある
• レビューでの見逃しの主な原因
• レビュープロセスの問題
• 不適切なレビューチーム編成
• 不適切なレビューツール
• レビューアのトレーニングや経験不足
• 過少な準備期間やレビュー時間
- 17. 3.3 レビューのマネジメント
• レビュー効果の評価方法について(2/2)
• ①レビュー方法に重要な問題がある
• ②時間の経過により、レビューが効果を失う可能性がある
• これらの影響によるレビューでの欠陥検出効率の低下は、
PJの振り返りで明らかになる
→レビューリーダーは原因を調査して解決する必要がある
• いずれの場合でも、レビューアや開発者の賞罰に
レビューメトリクスを使ってはならない
• レビューメトリクスの焦点は「レビュープロセス」であるべき
- 18. 3.3 レビューのマネジメント
• 【補足】フェーズ別対応事項まとめ スライド11p~14p内の(※)参照
いつ なにを どうする
PJ計画
・レビュー対象アイテムの特定
・レビュータイプと公式度合いの決定
・(必要に応じて)レビュートレーニングの実施
・レビュープロセスの予算割り当て
決定する
テスト計画
・レビュープロセスの目的
・レビューを評価するためのメトリクス
定義する
レビュー計画
・レビュー対象は何か(プロダクト?プロセス?)
・誰が関与するか
・カバーすべきリスク要因はどれか
考慮する
・技術的要因、組織的要因、
およびレビュー実行時の人的問題に関するリスク
対処する
・必要なレビューアに、レビューの準備&参加のための
時間が十分に割り当てられていること
保証する
- 23. 3.4 レビューのためのメトリクス
• 目的別に見た、測定&レポート対象メトリクス(3/4)
• 目的:レビュープロセスの評価(1/2)
対象 メトリクス
各レビュー
欠陥検出効率(以降のライフサイクルで発見する欠陥を考慮)
レビュープロセスの活動とタイミングの改善
計画した成果物を網羅している割合
発見した欠陥の種類とそれらの重要度
レビュープロセスの効果と効率性に関する参加者調査
レビューで発見した欠陥と、動的テストおよび運用時に発見した
欠陥の比に関する品質メトリクスのコスト
- 27. 3.5 公式レビューのマネジメント
• 公式レビューが持つ特性
• 開始基準と終了基準が定義されている
• レビュアーが活用するチェックリストがある
• レポート、評価シート、レビューサマリシートなどの成果物がある
• レビューの効果、効率、進捗をレポートするためのメトリクスがある
• レビューリーダーは、定義している前提条件を満たしているかを
公式レビュー開始前に確認する
• 満たしていない場合、次のような対応が必要
• 目的が変更された場合のレビューの再定義
• レビューを進めるために必要な是正措置
• レビューの延期