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人格をコピーするロボットの開
発
関西学院高等部数理科学部
佐々木 雄司 小林 優斗 宮寺 良平
œ
Mathematical
Sciences Club
自己紹介
関西学院高等部数理科学部
クラブ活動の一つで、数学研究とソフトウェア開発を行っており、論文や国
際学会を含む数学会等での発表を多数行っている。数学研究分野では、毎年
様々なコンテストで受賞している。
http://kgmsc.jp
佐々木 雄司・小林 優斗
同部二年生。それぞれ下記の通りプログラミングコンテストやアイデアコン
テストで受賞している。
・総務省統計局主催STAT-DASHグランプリ2016において総務大臣賞を受賞
・U22プログラミングコンテスト2016において経済産業省商務情報政策局長
賞ほか受賞
・KANAZAWA オープンデータアプリコンテスト、ファイナリスト進出
ほか
œ
Mathematical
Sciences Club
実現へのプロセス
① 会話の出来るロボットを開発する
実現には次のような工程を考えている
② 人格を解析するシステムの開発
③ ロボットが発問し、会話を促す方法の研究
④ 人格を復元しロボットが再現するシステムの開発
œ
Mathematical
Sciences Club
プロセス①
① 会話の出来るロボットを開発する
• 既存のコミュニケーションロボット上で動作するアプリ
ケーションとして開発する。会話はインターネット上の
サーバーで処理するなど、従来の技術を応用する。
• 会話だけでなく動作(身振り手振り)なども入力として
受け取り、記録する。
• 既存のコミュニケーションロボットが動作を受け取った
りする上で要件を満たさない場合は新しく独自に開発す
ることも厭わない。
œ
Mathematical
Sciences Club
プロセス②
② 人格を解析するシステムの開発
• ①で開発したロボットからの入力を解析し、人格として
記録するシステムを開発する。
• 従来の解析方法を参考に、話し方の癖や個人情報を解析
するが、独自に身振り手振りを併せて受け取ったり、家
族が本人として自然に接することが出来るように新たな
アルゴリズムを研究する。
œ
Mathematical
Sciences Club
プロセス③
③ ロボットが発問し、会話を促す方法の研究
• ②を補い、より自然な人格を記録するために、ロボット
自らが利用者に発問し、情報を得る手法を研究する。
• これは本企画の最も重要な研究の一つである。
• 本企画の、日常生活の中で人格を得ていくという特性か
ら、この研究を深めることでよりこの企画を意味あるも
のと出来ると考える。
œ
Mathematical
Sciences Club
プロセス④
④ 人格を復元しロボットが再現するシステムの開発
• これまでの工程で人格を取得する土台ができあがる。そ
れにより用意した人格のデータを自然な形で展開し、人
格データを提供したユーザーの家族などが自然だと感じ
られるような受け答えをできるロボットにする。
• 完璧なものにするためには時間がかかるが、人格データ
を得るのに最適化されたロボットアプリケーションと直
接連携することで人格再現が従来よりもしやすくなるの
ではないかと考える。
Mathematical
Sciences Club
実現イメージ
ユーザーから有用な人格デー
タを引き出すための効果的な
問いかけと日常会話から人格
を解析する方法を研究し、そ
の研究を通じて、一般社会に
おいて実用的な人格記録・再
現システムを開発する。
Mathematical
Sciences Club
未来
① 「自分」を保存する
日常生活の中に溶けこませたシステムを用いて
人格データを収集するため、著名人や研究者でなくても
簡単に「自分」を未来に保存しておくことができるよう
になる。
Mathematical
Sciences Club
未来
② 時間や時期を指定して遺言を保存
現在ある”遺言”は時間や時期は遺された人に任されている
ため、遺す側は、例えば「孫が結婚したときに伝えたいこ
と」など時期を指定することができないが、このシステム
を利用することで、事前に遺す側が指定することができる
ようになる。
Mathematical
Sciences Club
未来
③ 人生経験(人生訓)を保存
人生経験や人生訓は人生訓を言おうと思っていうことも
あるが、大抵の場合、日常会話の中で自然と生まれるもの
である。このシステムでは、日々会話を行い人格データを
収集するため、些細なことでも拾い集め、人生訓として保
存することができるようになる。
Mathematical
Sciences Club
未来
④高齢者の孤独感解消
ロボットと日々会話をするため、孤独感を感じず、また
、認知症の予防も期待できる。
œ
Mathematical
Sciences Club
研究・開発にあたって
・我々は、これまでにも柔軟に新技術を取り入れた開発を行って
きた。今回の開発にあたっても、貪欲に機械学習などについて学
びながら行っていきたい。
・要件に合えば可能な部分においてはオープンソースの技術等を
活用して開発を行う。
・提携する関西学院大学理工学部にも協力を依頼することで高度
な研究に挑戦していきたい。
研究・開発にあたって実現性を高めるため次のようなア
プローチを考えている。

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