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臓器移植に必要な臓器の確保に関する政策提言
- 6. 臓器不足の現状 心臓 肺 肝臓 腎臓 膵臓 小腸 登録者数 ４８５ ３１５ ３６２ １２８７２ ２０５ ５ 内、心肺同時 ６ ６ 内、肝腎同時 １３ １３ 内、肝小腸同時 内、膵腎同時 １５３ １５３ 移植の希望があり、日本臓器移植ネットワークに登録されている方の状況 （２０１６年３月３１日 時点） 日本臓器移植ネットワークホームページより 臓器提供者数が少ないため、臓器は足りていません。 待機人数の多い腎臓に注目すると・・・ （人）
- 7. 腎移植希望者の現状 21 80 262 1176 3488 4290 3165 367 0 1000 2000 3000 4000 5000 5312 3412 1947 1480 698 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 年齢別 待機期間 移植希望者は、若い方から高齢の方までいます。 ２０年以上待っても移植ができない人もいます。 日本臓器移植ネットワーク 移植希望登録者数より （人） （人）
- 8. 731 835 942 1043 994 1124 1277 1389 1417 1431 173 160 197 187 210 189 208 212 193 155 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 症例数 生体腎 死体腎 腎移植の症例数の推移 腎移植は、約１６００例/年（待機者 約１万３０００人）のため、 途中で移植をあきらめる人も多いでしょう。 『移植』Vol.４９, Ｎｏ. ２・３ 腎移植臨床登録集計報告（２０１４）より
- 10. 腎移植のメリット（医療費） 血液透析 約４０万円/月 腹膜透析 ３０～５０万円/月 腎移植 手術を含む最初の年 ４００万円/年 ２年目以降 １２０－１８０万円/年 ４００万－６００万円/年 透析には非常にお金がかかります。 腎移植の医療費は、約３分の１です。
- 11. 949 13059 30397 66310 103296 154413 206134 257765 298252 320448 0 50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2014 慢性透析患者数の推移 （人） 透析患者数は３２万人います。 透析の医療費は、年間１.４兆円（平成２１年度）必要です。 腎移植を推進すれば、節約できそうです。 日本透析医学会 図説 我が国の慢性透析療法の現況 厚生労働省 医療・介護を取り巻く現状（平成23年5月19日）より
- 13. 植物状態となった単身者からの臓器移植をできるようにする。 単身者で脳梗塞や脳出血などで植物状態となった場合には、 臓器を提供してもいいと思う人はいるでしょう。 そのためには、 ① 終末期医療改革 ② 臓器提供意思のデフォルトの変更 ③ 臓器移植の関連法案の整備 が必要。 今後の政策
- 14. 終末期医療改革 植物状態で生命を維持するには、年間400-600万の費用がかかる。 一般病床 医療療養 病床 介護療養 病床 介護療養型 老人保健施設 老人保健 施設 1人当たりの 平均費用 （円/月） ＊１ 約４９万 約４１.６万 約３７.２万 約３１.９万 ＊１ 算定する入院料により異なる。 第84回 社保審－介護給付費分科会 資料４より 高齢化の進む日本には、植物状態の人を公的保険で維持する余裕はない。 将来的には、数か月程度で延命治療を中断する必要がある。
- 15. 臓器提供意思表示のデフォルトの変更 臓器提供の国別の有効同意率 Johnson EJ and Goldstein D. Science. 2003 4.25 27.5 17.17 12 99.8 98 99.91 99.97 99.5 99.64 85.9 0 20 40 60 80 100 120 推定同意 (opt-out) 明確な同意 （opt-in) 臓器提供の登録制度を作り、デフォルトの意思表示を「提供に同意する」とする。 そうすれば、臓器移植に同意してもらえる人は、増えそうです。 （％） 臓 器 提 供 に 同 意 し た 人 の 割 合
- 17. 参考 ： 倫理・道徳について 私たちが、普段守っている倫理や道徳は、過去の為政者が 社会の維持・安定のために、定めたものです。 （例：聖徳太子 神仏儒習合 徳川家康 朱子学 など） 本来は、倫理・道徳は、社会情勢に応じて変更すべきものであり、 植物状態を死亡であると変更しても問題はありません。 現代には倫理を変更できる力量をもつ為政者はいませんでした。
- 18. ① 臓器移植の提供の登録についてのデフォルトは「希望する」にする。 （ 臓器提供を希望しない人は自分で「希望しない」に変更する。） ② 終末期の医療改革の一環として、脳梗塞や脳出血などによる植物状態の生命維持 の栄養加療を医療費・介護費の面から原則的に数か月程度の制限を設ける。 ③ 延命治療の中断時に臓器提供の希望のある植物状態の単身者 （加えて、家族の同意を得られた人も含む）から、移植を行う。 政策のまとめ
- 19. 将来の臓器移植政策の展望 ① 単身者の植物状態からの生体臓器移植を増やす。 ② 提供臓器が増えると、組織適合性（ＡＢＯ型・ＨＬＡ型など）が、 完全に一致した臓器移植が可能となる。 ③ 提供臓器数は需要を上回り、移植した臓器の機能が廃絶しても、 再移植すればよい状態となる。 ④ 免疫抑制剤を最小限の量で維持しようとする臨床研究が進む。 ⇒ 臓器移植者でも、普通の人と変わりない生活が送れるようになる。 ⑤ 透析等で労働できなかった人の労働市場への参入が可能となり、 実質ＧＤＰは上昇し、国民生活は豊かに。 ⑥ 国民の理解が進み、単身者以外の植物状態の人からも臓器提供 （組織適合性が一致する率がさらに上昇）が盛んになる。 ⑤ 日本の臓器移植は世界一となる。（ Japan as No.1 )