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1
化学実験Ⅱ
テーマ B 反応速度
学生番号:21512058
氏名:篠原凜久
2
【結果の整理】
(1) 実験結果のまとめ
1. 各温度における無水酢酸の量とそこから計算される初濃度について
① 無水酢酸の重量%濃度 a [wt%]が 100 wt%のときのモル濃度 CA,pure [mol L-1
]を次式に
よって求めることができた。
ただし、
無水酢酸の分子量 M を 102.09、
密度𝑑 [g cm−3
]
を 1.086 g cm-3
とした。
𝐶A,pure [mol L−1] =
10 × 𝑎 [wt%] × 𝑑 [g cm−3]
𝑀
=
10 × 100 × 1.086
102.09
= 10.63 ≈ 10.6 mol L−1 (1)
② ①の結果と 0 wt%のときは 0 mol L-1 であることを利用して、モル濃度𝐶A [mol L−1
]
は重量%濃度 wA [wt%]を用いて、次式によって表した。
𝐶A [mol L−1] =
10.63 − 0
100 − 0
𝑤A [wt%] = 0.106 𝑤A mol L−1 (2)
③ 水と混合直後の重量%濃度 wA0 [wt%]は次式によって求めることができた。
𝑤A0 [%] =
1.900 × 1.086
80.1 × 0.997 + 1.900 × 1.086
× 100 = 2.519 ≈ 2.52 % (3)
また、CA0 [mol L-1
]は(2)と(3)の結果を用いて次式によって求めることができた。
𝐶A0 [mol L−1
] = 0.106 𝑤A0 = 0.1063 × 2.519 = 0.2681 mol L−1 (4)
上記は、26.9 ℃の場合であり、他の温度帯も同様の計算を行い求めた。その結果を
表 1 にまとめた。以下に、表 1 を示した。
表 1 測定温度における無水酢酸採取量と初濃度
測定温度 T [℃] 無水酢酸採取量 VA [mL] 初濃度 CA0 [mol L-1
]
26.9 1.900 0.2681
33.1 1.900 0.2685
42.2 1.900 0.2697
3
2. 滴定で得られる酢酸濃度について
テキスト実験手順(4)反応の概要にある加水分解および反応停止についての式を以下に
示した。
加水分解
(CH3CO)2 + H2O → 2CH3COOH (5)
反応停止
(C𝐻3CO)2 + C6H5NH2 → CH3CONHC6H5 + CH3COOH (6)
ここでの加水分解反応で生成される酢酸の濃度を CB1 [mol L-1
]とし、反応停止で生成さ
れる酢酸の濃度を CB2 [mol L-1]とした。これらの酢酸濃度 CB1 [mol L-1]、CB2 [mol L-1]を
CA0 [mol L-1]、CA [mol L-1]を用いると次式によって表すことができた。
𝐶B1 [mol L−1
] = 2(𝐶A0 [mol L−1] − 𝐶A [mol L−1
]) (7)
𝐶B2 [mol L−1] = 𝐶A [mol L−1
] (8)
(7)、(8)の結果を用いて、
滴定で得られる酢酸濃度 CBT [mol L−1
]は、
次式によって表すこ
とができた。
𝐶BT [mol L−1] = 𝐶B1 [mol L−1] + 𝐶B2 [mol L−1] = 2𝐶Ao[mol L−1] − 𝐶A [mol L−1] (9)
3. 反応率について
反応の進行度合いを示す反応率 xA [-]は、次式によって表される。
𝑥A [−] =
𝐶A0 [mol L−1] − 𝐶A [mol L−1]
𝐶A0 [mol L−1]
(0 ≤ 𝑥A ≤ 1) (10)
ここで、(9)の結果を用いて、(10)の反応率 xA [-]は、CA0 および CBT で、次式によって表
すことができた。
𝑥A [−] =
𝐶BT [mol L−1] − 𝐶A0 [mol L−1]
𝐶A0 [mol L−1]
(0 ≤ 𝑥A ≤ 1) (11)
4
4. 滴定で得られる酢酸濃度の算出について
滴定で得られる酢酸濃度 CBT [mol L−1
]は、サンプリング量 Va [mL]および滴定値 VT [mL]
を用いて、次式によって求めることができた。
𝐶BT [mol L−1] =
0.25 [mol L−1] × 𝑉𝑇 [mL]
𝑉𝐵 [mL]
=
0.25 × 7.57
5.00
= 0.3785 mol L−1 (12)
上記は、26.9 ℃で、235 s の場合であり、
他の温度および時間帯も同様の計算を行い求め
た。その結果を表 2 から表 4 にまとめた。以下に、表 2 から表 4 を示した。
表 2 反応時間に対するサンプリング量、滴定量、酢酸濃度、反応率
(T=26.9 ℃)
反応時間
t [s]
サンプリング量
VB [mL]
滴定量
VT [mL]
酢酸濃度
CBT [mol L-1]
反応率
xA [-]
159 5.00 4.95 0.248 -0.077
235 5.00 7.57 0.379 0.412
410 5.00 7.47 0.374 0.393
594 5.00 8.16 0.408 0.522
表 3 反応時間に対するサンプリング量、滴定量、酢酸濃度、反応率
(T=33.1 ℃)
反応時間
t [s]
サンプリング量
VB [mL]
滴定量
VT [mL]
酢酸濃度
CBT [mol L-1]
反応率
xA [-]
138 5.00 7.10 0.355 0.322
236 5.00 8.36 0.418 0.557
422 5.00 8.92 0.446 0.661
597 5.00 9.72 0.486 0.810
5
表 4 反応時間に対するサンプリング量、滴定量、酢酸濃度、反応率
(T=42.2 ℃)
反応時間
t [s]
サンプリング量
VB [mL]
滴定量
VT [mL]
酢酸濃度
CBT [mol L-1]
反応率
xA [-]
129 5.00 7.51 0.376 0.392
229 5.00 8.61 0.431 0.596
420 5.00 9.67 0.484 0.793
600 5.00 10.31 0.516 0.911
(2) 積分法による反応速度解析
1. 各反応温度での反応率 xA [-]と反応時間 t [s]の関係についてグラフ化し、図 1 にまとめ
た。以下に、図 1 を示した。
図 1 各反応温度での反応率と反応時間の関係
また、T [℃]=26.9 ℃、t [s]=159 s を異常値とした。よって、これ以降の手順から除外し
た。
2. 以下に示した式(13)、式(14)の積分速度式を、式(10)を用いて書き改めた。ただし、書き
改めた式をそれぞれ式(13-a)、式(14-a)とした。
𝐶A
−(𝑛−1)
− 𝐶A0
−(𝑛−1)
𝑛 − 1
= 𝑘𝑡 (𝑛 ≠ 1) (13)
(𝐶A0(1 − 𝑥A))−(𝑛−1)
− 𝐶A0
−(𝑛−1)
𝑛 − 1
=
𝐶A0
(1−𝑛)
((1 − 𝑥A)(1−𝑛)
− 1)
𝑛 − 1
= 𝑘𝑡 (𝑛 ≠ 1) (13 − a)
6
− ln
𝐶A
𝐶A0
= 𝑘𝑡 (𝑛 = 1) (14)
− ln
𝐶A0 − 𝑥A0𝐶A0
𝐶A0
= − ln(1 − 𝑥A0) = 𝑘𝑡 (𝑛 = 1) (14 − a)
3. 式(13-a)、式(14-a)の左辺を F(xA)とした。さらに、反応次数 n を 0、1、2、3に仮定し、
各 n について t に対する F(xA)の値は、次式によって求めることができた。
𝐹(𝑥𝐴) =
𝐶A0
(1−𝑛)
((1 − 𝑥A)(1−𝑛)
− 1)
𝑛 − 1
=
0.2681
(1−0)
((1 − 0.412)(1−0)
− 1)
0 − 1
= 0.1104 ≈ 0.110 (15)
上記は、反応次数 n=0 で、温度と時間がそれぞれ 26.9 ℃、235 s の場合であり、他の反
応次数および温度帯、時間帯も同様の計算を行い求めた。その結果を表 5 から表 8 にま
とめた。以下に、表 5 から表 8 を示した。
表 5 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=0)
T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃
反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA)
159 - 138 0.086 129 0.106
235 0.110 236 0.149 229 0.161
410 0.105 422 0.177 420 0.214
594 0.140 597 0.217 600 0.246
表 6 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=1)
T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃
反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA)
159 - 138 0.389 129 0.498
235 0.531 236 0.813 229 0.906
410 0.500 422 1.081 420 1.573
594 0.738 597 1.660 600 2.421
7
表 7 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=2)
T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃
反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA)
159 - 138 1.769 129 2.391
235 2.614 236 4.675 229 5.471
410 2.419 422 7.257 420 14.165
594 4.075 597 15.858 600 38.040
表 8 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=3)
T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃
反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA)
159 - 138 8.150 129 11.728
235 13.169 236 28.334 229 35.247
410 11.950 422 53.355 420 152.831
594 23.506 597 184.788 600 864.549
4. 各反応次数 n(0、1、2、3)における反応時間と F(xA)の関係についてグラフ化し、図 2 か
ら図 5 にまとめた。以下に、図 2 から図 5 を示した。
図 2 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=0)
8
図 3 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=1)
図 4 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=2)
9
図 5 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=3)
5. 各近似線について
4 で示したグラフの近似線からの F(xA)の実験値に対するズレである平方和 RSS を次式
によって求めることができた。ただし、サンプリング時刻 ti を t1 から t4 とし、近似線の
傾きを k とした。
RSS = ∑ (𝐹(𝑥A, 𝑡i) − 𝑘𝑡i)2
4
i=1
= 2.63 × 10−4 (16)
上記は T=26.9 ℃、
n=0 の場合であり、
他の反応次数および温度帯であっても同様の計算
を行い、RSS 求めた。また、求めた各 RSS から、近似線とプロットのずれの度合いを示
す指標であるσ2
を次式によって求めることができた。
σ2
= ∑
RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2
=
𝑇=26.9,33.1,42.2
92072 (17)
上記は n=0 の場合であり、他の反応次数においても同様の計算を行い、σ2
を求めた。こ
こで、
各反応次数での近似線の式と
RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2
およびσ2
について表 10 から表 13 にまとめた。
以下に、表 9 から表 12 に示した。
10
表 9 測定温度における近似線の式と
RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2 およびσ2
について(n=0)
反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2
26.9 ℃ F(xA)=2.64×10-4 t 37709
33.1 ℃ F(xA)=4.14×10-4 t 25901
42.2 ℃ F(xA)=4.75×10-4 t 28461
σ2 92072
表 10 測定温度における近似線の式と
RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2 およびσ2
について(n=1)
反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2
26.9 ℃ F(xA)=1.33×10-3 t 29517
33.1 ℃ F(xA)=2.78×10-3 t 4295
42.2 ℃ F(xA)=3.94×10-3 t 652
σ2 34464
表 11 測定温度における近似線の式と
RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2 およびσ2
について(n=2)
反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2
26.9 ℃ F(xA)=6.99×10-3
t 23531
33.1 ℃ F(xA)=2.28×10-2
t 25123
42.2 ℃ F(xA)=5.01×10-2
t 65171
σ2 113825
表 12 測定温度における近似線の式と
RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2 およびσ2
について(n=3)
反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇)
𝑘(𝑇)2
26.9 ℃ F(xA)=3.81×10-2
t 22041
33.1 ℃ F(xA)=2.31×10-1
t 101201
42.2 ℃ F(xA)=9.79×10-1
t 200901
σ2 324142
以上のことから、σ2
が最小となる反応次数は n=1 のときであった。
11
6. 前項で採用した反応次数 n=1 であるときのプロットの傾きから、F(xA)=kt の関係を用い
て、各測定温度における反応速度定数 k について求め、表 13 にまとめた。以下に、表 13
を示した。
表 13 測定温度における反応速度定数
反応温度 T [℃] 反応速度定数 k [s-1
]
26.9 1.33×10-3
33.1 2.78×10-3
42.,2 3.94×10-3
7. 6 の結果より、Arrhenius プロットを作成し、最小二乗法を用いて直線近似を行った。そ
れをグラフ化し、図 6 にまとめた。以下に、図 6 を示した。
図 6 Arrhenius プロットと近似線の式
8. 以下の式(18)の両辺に対し、自然対数を取った式(18-a)を示した。
𝑘 = 𝑘0 exp (−
𝐸
𝑅𝑇
) (18)
ln 𝑘 = ln 𝑘0 −
𝐸
𝑅𝑇
(18 − a)
ここで、7 で示した近似線の式と(18-a)を係数比較し、次式によって活性化エネルギーE
[kJ mol-1
]と頻度因子 K0 [s-1
]を求めた。ただし、気体定数 R=8.31 J mol-1
K-1
とした。
12
𝐸 [kJ mol−1] =
8.31 × (−6508.4)
1000
= 54.08 ≈ 54.1 kJ mol−1 (19)
𝐾0 [s−1
] = exp(15.180) = 3913 × 106
≈ 3.91 × 106
s−1 (20)
また、ここで求めた活性化エネルギーと頻度因子について表 14 にまとめた。以下に、表
14 を示した。
表 14 活性化エネルギーと頻度因子について
活性化エネルギーE [kJ mol-1
] 頻度因子 K0 [s-1
]
54.1 3.91×106
【考察事項】
1. 「(3)の実験手順」の6で 2 min 以外の 3 回のサンプリングではホールピペットを直前のサン
プリング液で濡れたまま用いた。このようにイオン交換水で洗浄しない方が良い理由を考察
せよ。
ホールピペットを用いて吸入したい液体は、加水分解反応が進行中である無水酢酸と水の混
合物である。ホールピペットをイオン交換水で洗浄した場合、ホールピペットに少量のイオ
ン交換水が付着すると考えられる。その場合、吸入したい液体とイオン交換水が混合して反
応し、区別がつけられなくなり、正確な実験結果を得ることができなくなる可能性がある。
これを避けるために、ホールピペットをサンプリング液で濡れたまま用いたと考えた。
2. 反応率 xA の異常について
2.1 解析から除外した異常値があった場合はどのような異常であったか説明せよ。なければ
その旨記すこと。
本実験では、T [℃]=26.9 ℃、t [s]=159 s を異常値とした。この条件における反応率 xA [-]
が、-0.077 であり、負の値となってしまったことが、異常値と判断した理由である。
13
2.2 異常の原因を推定せよ。
異常の原因の1つとして水酸化ナトリウム滴定時の読み取り誤差が考えられる。
本実験では、
水酸化ナトリウムの最低滴定量は 5.00 mL 以上であるが、T [℃]=26.9 ℃、t [s]=159 s におけ
る水酸化ナトリウム滴定量は 4.95 mL であり、最低である 5.00 mL を 0.05 mL だけ下回って
しまった。このことが原因で反応率が負の値をとり、異常値になってしまったと判断した。
次回の実験では、正確にメニスカスを真横から読み取ることに注意をするべきであると考え
た。
3. 以下に示す式(21)からわかることとして、次の文中の空欄(A)~(C)に当てはまるものをテキス
ト中の記号または用語を用いて答えよ。
−𝑟𝐴 = 𝑘𝐶𝐴
𝑛 (21)
空欄の文:
「反応速度は反応物の(A)に依存している。
その依存度合いは(B)と(C)によって決ま
る。
」
回答:(A):A 成分のモル濃度、(B):反応速度定数 k、(C)反応次数 n
4. 【結果の整理】の「(2)の積分法による反応速度解析」の1で描いたプロットについて
4.1 プロットは時間経過とともにどのような変化をたどったか。
時間経過とともに、反応率 xA [-]は増加した。ただし、増加幅(反応率の上昇)は時間が立つに
つれて小さくなっていた。
4.2 前項の変化は温度が上がるにつれてどのようになるか。
26.9 ℃よりも、33.1 ℃のほうが、反応率がより増加しており、33.1 ℃よりも 42.2 ℃のほう
が、反応率が増加していたことから、温度が上がるにつれて、反応率 xA[-]も大きくなったと
いえる。
4.3 これらのプロットから、無水酢酸の加水分解速度-rA は時間とともにどう変化すると考え
られるか。
加水分解速度は反応時間とともに大きくなった後、徐々に小さくなっていくと考えられる。
4.4 前項の考察の理由を述べよ。
14
加水分解反応開始時は、
反応できる無水酢酸と水が多く存在し、
接触確率が大きくなるため、
反応速度が反応時間に伴って大きくなるが、一定時間が経つと、生成物が多くなり、反応で
きる無水酢酸と水が少なくなるため、反応速度が徐々に小さくなっていくと考察した。
5. 反応速度定数 k について
5.1 k は反応温度 T に対して理論的にはどのような傾向を持つか式(18)を用いて説明せよ。
式(18)より、反応速度定数 k は、反応温度 T 依存であり、反応温度 T が大きくなれば、反応
速度定数 k もそれに伴って大きくなる傾向を持っている。
5.2 実験結果から得られた k は前項の理論的傾向と比較してどのようであったか。
表 13 の結果から、
測定温度が大きくなるに伴って反応速度定数 k も大きい値をとっているこ
とがわかることから、理論的傾向と同様の傾向がみられたといえる。
5.3 空欄(A)~(C)に当てはまるものを答えよ。
このうち(A)はテキスト中の記号または用語を用
いよ。
空欄の文:
「式(18)の両辺の対数を取ると、-E/R は Arrhenius プロットにおいて 1/T に対する
(A)の傾きである。したがって E が大きくなると Arrhenius プロットの傾きが(B)となるので、
反応温度が 1 K 変化したときの k の変化はより(C)になる。
」
回答:(A):ln 𝑘、(B):大きくなる、(C)大きくなる
【参考文献】
橋本健治:
「改訂版 反応工学」
、培風館(1993)pp.33-34

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  • 2. 2 【結果の整理】 (1) 実験結果のまとめ 1. 各温度における無水酢酸の量とそこから計算される初濃度について ① 無水酢酸の重量%濃度 a [wt%]が 100 wt%のときのモル濃度 CA,pure [mol L-1 ]を次式に よって求めることができた。 ただし、 無水酢酸の分子量 M を 102.09、 密度𝑑 [g cm−3 ] を 1.086 g cm-3 とした。 𝐶A,pure [mol L−1] = 10 × 𝑎 [wt%] × 𝑑 [g cm−3] 𝑀 = 10 × 100 × 1.086 102.09 = 10.63 ≈ 10.6 mol L−1 (1) ② ①の結果と 0 wt%のときは 0 mol L-1 であることを利用して、モル濃度𝐶A [mol L−1 ] は重量%濃度 wA [wt%]を用いて、次式によって表した。 𝐶A [mol L−1] = 10.63 − 0 100 − 0 𝑤A [wt%] = 0.106 𝑤A mol L−1 (2) ③ 水と混合直後の重量%濃度 wA0 [wt%]は次式によって求めることができた。 𝑤A0 [%] = 1.900 × 1.086 80.1 × 0.997 + 1.900 × 1.086 × 100 = 2.519 ≈ 2.52 % (3) また、CA0 [mol L-1 ]は(2)と(3)の結果を用いて次式によって求めることができた。 𝐶A0 [mol L−1 ] = 0.106 𝑤A0 = 0.1063 × 2.519 = 0.2681 mol L−1 (4) 上記は、26.9 ℃の場合であり、他の温度帯も同様の計算を行い求めた。その結果を 表 1 にまとめた。以下に、表 1 を示した。 表 1 測定温度における無水酢酸採取量と初濃度 測定温度 T [℃] 無水酢酸採取量 VA [mL] 初濃度 CA0 [mol L-1 ] 26.9 1.900 0.2681 33.1 1.900 0.2685 42.2 1.900 0.2697
  • 3. 3 2. 滴定で得られる酢酸濃度について テキスト実験手順(4)反応の概要にある加水分解および反応停止についての式を以下に 示した。 加水分解 (CH3CO)2 + H2O → 2CH3COOH (5) 反応停止 (C𝐻3CO)2 + C6H5NH2 → CH3CONHC6H5 + CH3COOH (6) ここでの加水分解反応で生成される酢酸の濃度を CB1 [mol L-1 ]とし、反応停止で生成さ れる酢酸の濃度を CB2 [mol L-1]とした。これらの酢酸濃度 CB1 [mol L-1]、CB2 [mol L-1]を CA0 [mol L-1]、CA [mol L-1]を用いると次式によって表すことができた。 𝐶B1 [mol L−1 ] = 2(𝐶A0 [mol L−1] − 𝐶A [mol L−1 ]) (7) 𝐶B2 [mol L−1] = 𝐶A [mol L−1 ] (8) (7)、(8)の結果を用いて、 滴定で得られる酢酸濃度 CBT [mol L−1 ]は、 次式によって表すこ とができた。 𝐶BT [mol L−1] = 𝐶B1 [mol L−1] + 𝐶B2 [mol L−1] = 2𝐶Ao[mol L−1] − 𝐶A [mol L−1] (9) 3. 反応率について 反応の進行度合いを示す反応率 xA [-]は、次式によって表される。 𝑥A [−] = 𝐶A0 [mol L−1] − 𝐶A [mol L−1] 𝐶A0 [mol L−1] (0 ≤ 𝑥A ≤ 1) (10) ここで、(9)の結果を用いて、(10)の反応率 xA [-]は、CA0 および CBT で、次式によって表 すことができた。 𝑥A [−] = 𝐶BT [mol L−1] − 𝐶A0 [mol L−1] 𝐶A0 [mol L−1] (0 ≤ 𝑥A ≤ 1) (11)
  • 4. 4 4. 滴定で得られる酢酸濃度の算出について 滴定で得られる酢酸濃度 CBT [mol L−1 ]は、サンプリング量 Va [mL]および滴定値 VT [mL] を用いて、次式によって求めることができた。 𝐶BT [mol L−1] = 0.25 [mol L−1] × 𝑉𝑇 [mL] 𝑉𝐵 [mL] = 0.25 × 7.57 5.00 = 0.3785 mol L−1 (12) 上記は、26.9 ℃で、235 s の場合であり、 他の温度および時間帯も同様の計算を行い求め た。その結果を表 2 から表 4 にまとめた。以下に、表 2 から表 4 を示した。 表 2 反応時間に対するサンプリング量、滴定量、酢酸濃度、反応率 (T=26.9 ℃) 反応時間 t [s] サンプリング量 VB [mL] 滴定量 VT [mL] 酢酸濃度 CBT [mol L-1] 反応率 xA [-] 159 5.00 4.95 0.248 -0.077 235 5.00 7.57 0.379 0.412 410 5.00 7.47 0.374 0.393 594 5.00 8.16 0.408 0.522 表 3 反応時間に対するサンプリング量、滴定量、酢酸濃度、反応率 (T=33.1 ℃) 反応時間 t [s] サンプリング量 VB [mL] 滴定量 VT [mL] 酢酸濃度 CBT [mol L-1] 反応率 xA [-] 138 5.00 7.10 0.355 0.322 236 5.00 8.36 0.418 0.557 422 5.00 8.92 0.446 0.661 597 5.00 9.72 0.486 0.810
  • 5. 5 表 4 反応時間に対するサンプリング量、滴定量、酢酸濃度、反応率 (T=42.2 ℃) 反応時間 t [s] サンプリング量 VB [mL] 滴定量 VT [mL] 酢酸濃度 CBT [mol L-1] 反応率 xA [-] 129 5.00 7.51 0.376 0.392 229 5.00 8.61 0.431 0.596 420 5.00 9.67 0.484 0.793 600 5.00 10.31 0.516 0.911 (2) 積分法による反応速度解析 1. 各反応温度での反応率 xA [-]と反応時間 t [s]の関係についてグラフ化し、図 1 にまとめ た。以下に、図 1 を示した。 図 1 各反応温度での反応率と反応時間の関係 また、T [℃]=26.9 ℃、t [s]=159 s を異常値とした。よって、これ以降の手順から除外し た。 2. 以下に示した式(13)、式(14)の積分速度式を、式(10)を用いて書き改めた。ただし、書き 改めた式をそれぞれ式(13-a)、式(14-a)とした。 𝐶A −(𝑛−1) − 𝐶A0 −(𝑛−1) 𝑛 − 1 = 𝑘𝑡 (𝑛 ≠ 1) (13) (𝐶A0(1 − 𝑥A))−(𝑛−1) − 𝐶A0 −(𝑛−1) 𝑛 − 1 = 𝐶A0 (1−𝑛) ((1 − 𝑥A)(1−𝑛) − 1) 𝑛 − 1 = 𝑘𝑡 (𝑛 ≠ 1) (13 − a)
  • 6. 6 − ln 𝐶A 𝐶A0 = 𝑘𝑡 (𝑛 = 1) (14) − ln 𝐶A0 − 𝑥A0𝐶A0 𝐶A0 = − ln(1 − 𝑥A0) = 𝑘𝑡 (𝑛 = 1) (14 − a) 3. 式(13-a)、式(14-a)の左辺を F(xA)とした。さらに、反応次数 n を 0、1、2、3に仮定し、 各 n について t に対する F(xA)の値は、次式によって求めることができた。 𝐹(𝑥𝐴) = 𝐶A0 (1−𝑛) ((1 − 𝑥A)(1−𝑛) − 1) 𝑛 − 1 = 0.2681 (1−0) ((1 − 0.412)(1−0) − 1) 0 − 1 = 0.1104 ≈ 0.110 (15) 上記は、反応次数 n=0 で、温度と時間がそれぞれ 26.9 ℃、235 s の場合であり、他の反 応次数および温度帯、時間帯も同様の計算を行い求めた。その結果を表 5 から表 8 にま とめた。以下に、表 5 から表 8 を示した。 表 5 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=0) T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃ 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 159 - 138 0.086 129 0.106 235 0.110 236 0.149 229 0.161 410 0.105 422 0.177 420 0.214 594 0.140 597 0.217 600 0.246 表 6 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=1) T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃ 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 159 - 138 0.389 129 0.498 235 0.531 236 0.813 229 0.906 410 0.500 422 1.081 420 1.573 594 0.738 597 1.660 600 2.421
  • 7. 7 表 7 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=2) T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃ 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 159 - 138 1.769 129 2.391 235 2.614 236 4.675 229 5.471 410 2.419 422 7.257 420 14.165 594 4.075 597 15.858 600 38.040 表 8 測定温度における反応時間と F(xA)の値について(n=3) T=26.9 ℃ T=33.1 ℃ T=42.2 ℃ 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 反応時間 t [s] F(xA) 159 - 138 8.150 129 11.728 235 13.169 236 28.334 229 35.247 410 11.950 422 53.355 420 152.831 594 23.506 597 184.788 600 864.549 4. 各反応次数 n(0、1、2、3)における反応時間と F(xA)の関係についてグラフ化し、図 2 か ら図 5 にまとめた。以下に、図 2 から図 5 を示した。 図 2 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=0)
  • 8. 8 図 3 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=1) 図 4 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=2)
  • 9. 9 図 5 各測定温度における反応時間と F(xA)の関係(n=3) 5. 各近似線について 4 で示したグラフの近似線からの F(xA)の実験値に対するズレである平方和 RSS を次式 によって求めることができた。ただし、サンプリング時刻 ti を t1 から t4 とし、近似線の 傾きを k とした。 RSS = ∑ (𝐹(𝑥A, 𝑡i) − 𝑘𝑡i)2 4 i=1 = 2.63 × 10−4 (16) 上記は T=26.9 ℃、 n=0 の場合であり、 他の反応次数および温度帯であっても同様の計算 を行い、RSS 求めた。また、求めた各 RSS から、近似線とプロットのずれの度合いを示 す指標であるσ2 を次式によって求めることができた。 σ2 = ∑ RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 = 𝑇=26.9,33.1,42.2 92072 (17) 上記は n=0 の場合であり、他の反応次数においても同様の計算を行い、σ2 を求めた。こ こで、 各反応次数での近似線の式と RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 およびσ2 について表 10 から表 13 にまとめた。 以下に、表 9 から表 12 に示した。
  • 10. 10 表 9 測定温度における近似線の式と RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 およびσ2 について(n=0) 反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 26.9 ℃ F(xA)=2.64×10-4 t 37709 33.1 ℃ F(xA)=4.14×10-4 t 25901 42.2 ℃ F(xA)=4.75×10-4 t 28461 σ2 92072 表 10 測定温度における近似線の式と RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 およびσ2 について(n=1) 反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 26.9 ℃ F(xA)=1.33×10-3 t 29517 33.1 ℃ F(xA)=2.78×10-3 t 4295 42.2 ℃ F(xA)=3.94×10-3 t 652 σ2 34464 表 11 測定温度における近似線の式と RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 およびσ2 について(n=2) 反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 26.9 ℃ F(xA)=6.99×10-3 t 23531 33.1 ℃ F(xA)=2.28×10-2 t 25123 42.2 ℃ F(xA)=5.01×10-2 t 65171 σ2 113825 表 12 測定温度における近似線の式と RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 およびσ2 について(n=3) 反応温度 T [℃] 近似線の式 RSS(𝑇) 𝑘(𝑇)2 26.9 ℃ F(xA)=3.81×10-2 t 22041 33.1 ℃ F(xA)=2.31×10-1 t 101201 42.2 ℃ F(xA)=9.79×10-1 t 200901 σ2 324142 以上のことから、σ2 が最小となる反応次数は n=1 のときであった。
  • 11. 11 6. 前項で採用した反応次数 n=1 であるときのプロットの傾きから、F(xA)=kt の関係を用い て、各測定温度における反応速度定数 k について求め、表 13 にまとめた。以下に、表 13 を示した。 表 13 測定温度における反応速度定数 反応温度 T [℃] 反応速度定数 k [s-1 ] 26.9 1.33×10-3 33.1 2.78×10-3 42.,2 3.94×10-3 7. 6 の結果より、Arrhenius プロットを作成し、最小二乗法を用いて直線近似を行った。そ れをグラフ化し、図 6 にまとめた。以下に、図 6 を示した。 図 6 Arrhenius プロットと近似線の式 8. 以下の式(18)の両辺に対し、自然対数を取った式(18-a)を示した。 𝑘 = 𝑘0 exp (− 𝐸 𝑅𝑇 ) (18) ln 𝑘 = ln 𝑘0 − 𝐸 𝑅𝑇 (18 − a) ここで、7 で示した近似線の式と(18-a)を係数比較し、次式によって活性化エネルギーE [kJ mol-1 ]と頻度因子 K0 [s-1 ]を求めた。ただし、気体定数 R=8.31 J mol-1 K-1 とした。
  • 12. 12 𝐸 [kJ mol−1] = 8.31 × (−6508.4) 1000 = 54.08 ≈ 54.1 kJ mol−1 (19) 𝐾0 [s−1 ] = exp(15.180) = 3913 × 106 ≈ 3.91 × 106 s−1 (20) また、ここで求めた活性化エネルギーと頻度因子について表 14 にまとめた。以下に、表 14 を示した。 表 14 活性化エネルギーと頻度因子について 活性化エネルギーE [kJ mol-1 ] 頻度因子 K0 [s-1 ] 54.1 3.91×106 【考察事項】 1. 「(3)の実験手順」の6で 2 min 以外の 3 回のサンプリングではホールピペットを直前のサン プリング液で濡れたまま用いた。このようにイオン交換水で洗浄しない方が良い理由を考察 せよ。 ホールピペットを用いて吸入したい液体は、加水分解反応が進行中である無水酢酸と水の混 合物である。ホールピペットをイオン交換水で洗浄した場合、ホールピペットに少量のイオ ン交換水が付着すると考えられる。その場合、吸入したい液体とイオン交換水が混合して反 応し、区別がつけられなくなり、正確な実験結果を得ることができなくなる可能性がある。 これを避けるために、ホールピペットをサンプリング液で濡れたまま用いたと考えた。 2. 反応率 xA の異常について 2.1 解析から除外した異常値があった場合はどのような異常であったか説明せよ。なければ その旨記すこと。 本実験では、T [℃]=26.9 ℃、t [s]=159 s を異常値とした。この条件における反応率 xA [-] が、-0.077 であり、負の値となってしまったことが、異常値と判断した理由である。
  • 13. 13 2.2 異常の原因を推定せよ。 異常の原因の1つとして水酸化ナトリウム滴定時の読み取り誤差が考えられる。 本実験では、 水酸化ナトリウムの最低滴定量は 5.00 mL 以上であるが、T [℃]=26.9 ℃、t [s]=159 s におけ る水酸化ナトリウム滴定量は 4.95 mL であり、最低である 5.00 mL を 0.05 mL だけ下回って しまった。このことが原因で反応率が負の値をとり、異常値になってしまったと判断した。 次回の実験では、正確にメニスカスを真横から読み取ることに注意をするべきであると考え た。 3. 以下に示す式(21)からわかることとして、次の文中の空欄(A)~(C)に当てはまるものをテキス ト中の記号または用語を用いて答えよ。 −𝑟𝐴 = 𝑘𝐶𝐴 𝑛 (21) 空欄の文: 「反応速度は反応物の(A)に依存している。 その依存度合いは(B)と(C)によって決ま る。 」 回答:(A):A 成分のモル濃度、(B):反応速度定数 k、(C)反応次数 n 4. 【結果の整理】の「(2)の積分法による反応速度解析」の1で描いたプロットについて 4.1 プロットは時間経過とともにどのような変化をたどったか。 時間経過とともに、反応率 xA [-]は増加した。ただし、増加幅(反応率の上昇)は時間が立つに つれて小さくなっていた。 4.2 前項の変化は温度が上がるにつれてどのようになるか。 26.9 ℃よりも、33.1 ℃のほうが、反応率がより増加しており、33.1 ℃よりも 42.2 ℃のほう が、反応率が増加していたことから、温度が上がるにつれて、反応率 xA[-]も大きくなったと いえる。 4.3 これらのプロットから、無水酢酸の加水分解速度-rA は時間とともにどう変化すると考え られるか。 加水分解速度は反応時間とともに大きくなった後、徐々に小さくなっていくと考えられる。 4.4 前項の考察の理由を述べよ。
  • 14. 14 加水分解反応開始時は、 反応できる無水酢酸と水が多く存在し、 接触確率が大きくなるため、 反応速度が反応時間に伴って大きくなるが、一定時間が経つと、生成物が多くなり、反応で きる無水酢酸と水が少なくなるため、反応速度が徐々に小さくなっていくと考察した。 5. 反応速度定数 k について 5.1 k は反応温度 T に対して理論的にはどのような傾向を持つか式(18)を用いて説明せよ。 式(18)より、反応速度定数 k は、反応温度 T 依存であり、反応温度 T が大きくなれば、反応 速度定数 k もそれに伴って大きくなる傾向を持っている。 5.2 実験結果から得られた k は前項の理論的傾向と比較してどのようであったか。 表 13 の結果から、 測定温度が大きくなるに伴って反応速度定数 k も大きい値をとっているこ とがわかることから、理論的傾向と同様の傾向がみられたといえる。 5.3 空欄(A)~(C)に当てはまるものを答えよ。 このうち(A)はテキスト中の記号または用語を用 いよ。 空欄の文: 「式(18)の両辺の対数を取ると、-E/R は Arrhenius プロットにおいて 1/T に対する (A)の傾きである。したがって E が大きくなると Arrhenius プロットの傾きが(B)となるので、 反応温度が 1 K 変化したときの k の変化はより(C)になる。 」 回答:(A):ln 𝑘、(B):大きくなる、(C)大きくなる 【参考文献】 橋本健治: 「改訂版 反応工学」 、培風館(1993)pp.33-34